JP6101019B2 - 土質系変形追随性遮水材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、海面に設けられる管理型廃棄物最終処分場の遮水工として用いられる土質系変形追随性遮水材及びその製造方法に関する。
海面に設けられる管理型廃棄物最終処分場の遮水工には、遮水性はもちろんのこと、海上において確実かつ容易に取り扱うことのできる施工性、劣化や腐食に対する長期耐久性、地震等の外力により変形が発生したときの追随性、遮水工が破損したときの修復性、そして経済性が要求される。このような要求を満足する材料として、土質系変形追随性遮水材がある。一般に土質系変形追随性遮水材は、粘土等を主材料として無機材料のみで構成されているため遮水性が高く材料劣化がなく、セメント等の固化材を配合していないため護岸等の変形に対してひび割れや空隙を発生させることなく変形追随可能であるという特徴を有している。
図1に示すように、土質系変形追随性遮水材は、管理型廃棄物最終処分場の側面遮水工及び底面遮水工として用いられている。図1に示すように、管理型廃棄物最終処分場1は、海面を護岸2で囲むことにより建設される。護岸2の構造としては、例えば、図1に示す二重鋼(管)矢板式護岸が採用される。護岸2は、海底地盤にH形鋼矢板3及び鋼管矢板4を打設して二列の鋼(管)矢板壁を構築した後、鋼(管)矢板壁の頭部同士をタイ材5で緊張して、鋼(管)矢板壁間に砂等の中詰材6を投入した構造よりなる。
海底地盤の上層が砂質土層7(透水性地層)、下層が粘性土層8(不透水性地層)である場合には、護岸2の遮水性を確保するために、H形鋼矢板3が粘性土層8まで貫入される。そして側面遮水工として、H形鋼矢板3の継手隔室内に土質系変形追随性遮水材Dが充填される。また、フェールセーフの設計方針に基づき、側面遮水工として、H形鋼矢板3のフランジ同士の継手に継手止水工を施こしたり、遮水シート等を併用したりして二重の遮水構造が構築されている。海底地盤の上層が透水性の高い砂質土層7となっていることに対しては、底面遮水工として、砂質土層7の上部に土質系変形追随性遮水材Dが敷設されて、人工的な遮水基盤が構築される。そして、底面遮水工を保護するために、土質系変形追随性遮水材Dの上部には覆砂9が施工される。
非特許文献1には、側面遮水工及び底面遮水工の遮水性能に関する基準が記載されている。側面遮水工の基準としては、厚さ50cm以上、透水係数1×10−6cm/s以下の不透水性材料、又はこれと同等以上の遮水性能を有することが定められている。また、底面遮水工の基準としては、厚さ5m以上、透水係数1×10−5cm/s以下の不透水性材料、又はこれと同等以上の遮水性能を有することが定められている。したがって、側面遮水工及び底面遮水工として用いられる土質系変形追随性遮水材Dの厚さごとに、上述した遮水性能の基準を満足する透水係数(必要透水係数)を計算により求める必要がある。
土質系変形追随性遮水材としては、海成粘土懸濁液に間隙調整材として粉体状のベントナイト(以下、ベントナイトとは粉体状のベントナイトのことを言う)を混合してゲル状物質に改質したものが特許文献1に開示されている。また、特許文献1に開示されている土質系変形追随性遮水材に対してゲル化剤として、さらに珪酸塩類等(例えば、水ガラス)を混合してゲル強度を高めたものが特許文献2に開示されている。また、海成粘土を使用しない土質系変形追随性遮水材としては、砂とベントナイトと真水とを混合した後これに水ガラスを混合してゲル状物質に改質したものが特許文献3に開示されている。また、砂と高膨潤性ベントナイトと海水とを混合してなるものが特許文献4に開示されている。
特許第3996915号 特許第3802777号 特許第4655875号 特開2008−43845号公報
財団法人港湾空間高度化環境研究センター編集、「管理型廃棄物埋立護岸 設計・施工・管理マニュアル(改定版)」、2008年8月
特許文献1及び2に開示されている土質系変形追随性遮水材は、主に港湾工事で発生した浚渫粘土を母材の海成粘土として有効利用できるという優れた長所を有している。したがって、近隣で浚渫工事等がある場合には、そこで発生する浚渫粘土を土質系変形追随性遮水材の母材として流用することにより、優れたコストメリットを得ることができる。しかし、近隣に浚渫工事等がない場合には、わざわざ海成粘土を浚渫する必要があり、土質系変形追随性遮水材の施工数量が少ない場合には、コストメリットを得ることが難しくなる。
また、例えば、日本海側のように、海成粘土が少ない地域に管理型廃棄物最終処分場を建設する場合には、遠方で浚渫された海成粘土を長距離運搬する必要があり、さらにコストメリットを得ることが難しくなる。さらに、管理型廃棄物最終処分場を建設する事業者と、海成粘土の浚渫を行う事業者とが異なる場合には、事業者間の綿密な調整が必要になるという煩わしさもある。このように、特許文献1及び2に開示されている土質系変形追随性遮水材を適用するにあたっては、海成粘土の調達が大きな課題となっている。
この土質系変形追随性遮水材の遮水性能は、海成粘土に混合するベントナイトの量により調整可能である。海成粘土にベントナイトを多く混合するほど、遮水性能が向上(透水係数が低下)する反面、流動性が失われて施工性が低下する。海成粘土に対するベントナイトの最適混合量は、基準を満足する遮水性能と施工可能な流動性とを有するように、配合設計により決定される。当然のことながら、海成粘土の土質特性に応じて、ベントナイトの最適混合量が異なるため、使用する海成粘土の土質特性のばらつきが大きい場合には、配合設計や施工管理が煩雑となるという課題がある。
また、この土質系変形追随性遮水材は、海成粘土とベントナイトとの混合物よりなるため、粘土分を多く含んでいることにより、優れた遮水性能を有している。その反面、軟弱粘性土地盤のように含水比が高く(間隙比が大きく)、大きな圧密沈下が発生するという特徴がある。圧密沈下は、土質系変形追随性遮水材の遮水性能をさらに向上(透水係数をさらに低下)させるという利点につながるものの、遮水工として土質系変形追随性遮水材を適用する際には、圧密沈下量を予測して土質系変形追随性遮水材の天端を上げ越しておくなど、圧密沈下に配慮した設計及び施工が要求される。
これに対して、特許文献3及び4に開示されている土質系変形追随性遮水材は、海成粘土の代わりに母材として砂を使用しているため、特許文献1及び2に開示されている土質系変形追随性遮水材と比べて経済性では劣るものの、上記の各課題(海成粘土の調達、配合設計及び施工管理の煩雑さ、圧密沈下対策)を解決することが可能となっている。この土質系変形追随性遮水材では、遮水材1m当たり1000kg以上の砂が混合されており、遮水材の体積の40%程度以上を砂が占めている。このように大量の砂を混合すると遮水材を安価に製造することが可能になるものの、実施工においては、砂が不均一に分散しやすく、施工可能な流動性が損なわれたり、砂粒子が連続した水みちを形成して遮水性能が損なわれたりする虞がある。
また、この土質系変形追随性遮水材においては、遮水性能を提供する粘土部がベントナイトと真水との混合物、又は高膨潤性ベントナイトと海水との混合物よりなるため、粘土部としての含水比は非常に高い。それにもかかわらず、粘土部の透水係数を低く維持できるのは、粘土部内の水の多くがベントナイトの膨潤に利用されていることにより、粘土部内を自由に透過できる間隙水が少ないためである。ベントナイトの膨潤度は、間隙水のイオン濃度等に影響されることが知られているが、この土質系変形追随性遮水材において、透水により粘土部内の間隙水の塩分濃度やイオン濃度等に変化が生じると、ベントナイトの膨潤度が低下して、将来的に遮水性能が低下する可能性がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、規格化された材料を用いることにより、材料の調達が容易であると共に、品質のばらつきが小さく、高い遮水性能と施工可能な流動性とを有し、圧密沈下の発生が抑制された長期耐久性を有する土質系変形追随性遮水材及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る土質系変形追随性遮水材の構成上の特徴は、真水中での膨潤力が20mL/2g以上の高膨潤性ベントナイトと、該高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さいベントナイトと、海水と、均等係数が5〜10である砂と、を混合してなり、混合直後の全体積を1としたときに前記砂が0.05〜0.3の体積比で含まれており、混合直後の透水係数が3×10-7cm/s以下であり、前記高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さい前記ベントナイトは、真水中での膨潤力が5mL/2g以下の低膨潤性ベントナイトであり、前記高膨潤性ベントナイトと前記低膨潤性ベントナイトとの合計の質量を1としたときに該高膨潤性ベントナイトが0.05〜0.3の質量比で含まれていることである。
請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の土質系変形追随性遮水材において、混合直後のせん断強さが1.5kN/m2以下であることである。
上記の課題を解決するため、請求項3に係る土質系変形追随性遮水材の製造方法の構成上の特徴は、真水中での膨潤力が20mL/2g以上の高膨潤性ベントナイトと、真水中での膨潤力が5mL/2g以下の低膨潤性ベントナイトと、海水と、均等係数が5〜10である砂と、を混合してなり、前記高膨潤性ベントナイトと前記低膨潤性ベントナイトとの合計の質量を1としたときに該高膨潤性ベントナイトが0.05〜0.3の質量比で含まれている土質系変形追随性遮水材の製造方法であって、前記砂を海水中に水没させて養生する養生工程と、養生工程後の該砂から余分な海水を取り除いて該砂を湿潤状態にする水分除去工程と、水分除去工程後の湿潤状態の該砂を混合する砂として用いる混合工程と、を含み、前記混合工程において混合直後の全体積を1としたときに前記砂が0.05〜0.3の体積比で含まれるように混合することである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載の土質系変形追随性遮水材の製造方法において、前記高膨潤性ベントナイトと、前記低膨潤性ベントナイトと、を粉体の状態で混合する第一混合工程と、第一混合工程後の材料に前記海水を混合する第二混合工程と、第二混合工程後の材料に前記砂を混合する第三混合工程と、を含むことである。
請求項1に係る発明の構成によれば、土質系変形追随性遮水材の構成材料として、浚渫粘土等の現地発生土を用いることなく、構成材料の全てを規格化された材料とすることができる。例えば、高膨潤性ベントナイト及び高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さいベントナイトは、市販のベントナイトの試験成績表に記載されている膨潤力の値により容易に選定可能である。また、海水は、一般に施工地点の近隣で塩分濃度3%程度の海水を容易に入手することが可能である。また、均等係数が5〜10である砂としては、例えば、JIS A 5005(コンクリート用砕石及び砕砂)又はJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)として規格化されている砂を用いることが可能であり、日本全国で砂を容易に入手することが可能である。したがって、本発明によれば、規格化された材料を用いることにより、材料の調達が容易であると共に、土質系変形追随性遮水材の品質のばらつきを小さくすることができる。
特許文献4に開示されている土質系変形追随性遮水材のように、遮水性能を提供する粘土部が高膨潤性ベントナイトと海水との混合物よりなる場合には、粘土部の含水比が非常に高くなる。これに対して、本発明の構成によれば、遮水性能を提供する粘土部が、真水中での膨潤力が20mL/2g以上の高膨潤性ベントナイトと、高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さいベントナイトと、海水との混合物よりなる。すなわち、本発明では、膨潤力の異なる少なくとも二種以上のベントナイトを使用している。このように、粘土部に膨潤力が小さいベントナイトが含まれていることにより、粘土部の含水比を小さくすることができる。そして、粘土部の含水比が小さい分、土質系変形追随性遮水材は、圧密沈下の発生が抑制され、かつ粘土部内の間隙水のイオン濃度等の変化に対して遮水性能を長期間維持することができる。
また、本発明の構成によれば、土質系変形追随性遮水材は、混合直後の全体積を1としたときに均等係数が5〜10である砂が0.05〜0.3の体積比で含まれている。したがって、砂の混合により含水比が小さくなっている分、土質系変形追随性遮水材は、圧密沈下の発生が抑制される。ここで、砂の体積比が0.05よりも小さい場合には、圧密沈下の発生を抑制する効果がほとんど得られない。また、砂の体積比が0.3よりも大きい場合には、土質系変形追随性遮水材の流動性が著しく低下して施工が困難となる。均等係数が5〜10である砂は、粒度分布幅が広いことにより、粒径が揃っている砂よりも砂が粘土部に均一に分散しやすく、砂の材料分離が起きにくい。したがって、本発明の土質系変形追随性遮水材は、多くの砂が混合される場合であっても、施工可能な流動性が損なわれる虞が小さく、砂粒子が連続した水みちを形成して遮水性能が損なわれる虞が小さい。
また、本発明の構成によれば、土質系変形追随性遮水材は、混合直後の透水係数が3×10−7cm/s以下である。透水係数が3×10−7cm/s以下であれば、一般的な側面遮水工及び底面遮水工の層厚において遮水性能に関する基準を満足することができる。したがって、土質系変形追随性遮水材の透水係数を3×10−7cm/s以下に定めることにより、様々な構造の側面遮水工及び底面遮水工に対して、汎用性の高い土質系変形追随性遮水材とすることができる。また、土質系変形追随性遮水材の透水係数を3×10−7cm/s以下とするためには、自ずと粘土部の含水比を小さくする必要性が生じることから、土質系変形追随性遮水材の圧密沈下の発生が抑制される。
以上のように、本発明の構成によれば、材料の調達が容易であると共に、品質のばらつきが小さく、高い遮水性能と施工可能な流動性とを有し、圧密沈下の発生が抑制された長期耐久性を有する土質系変形追随性遮水材を提供することができる。なお、便宜上、真水中での膨潤力が20mL/2g以上のベントナイトを高膨潤性ベントナイト、真水中での膨潤力が5mL/2gより大きく20mL/2gより小さいベントナイトを中膨潤性ベントナイト、真水中での膨潤力が5mL/2g以下のベントナイトを低膨潤性ベントナイトとして区別する。
請求項に係る発明の構成によれば、上述した高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さいベントナイトは、真水中での膨潤力が5mL/2g以下の低膨潤性ベントナイトである。このように、粘土部に膨潤力が特に小さい低膨潤性ベントナイトが含まれていることにより、粘土部の含水比をより小さくすることができる。そして、粘土部の含水比をより小さくできる分、土質系変形追随性遮水材は、より圧密沈下の発生が抑制され、かつ粘土部内の間隙水のイオン濃度等の変化に対して遮水性能を長期間維持する効果がより確実となる。
請求項に係る発明の構成によれば、土質系変形追随性遮水材は、高膨潤性ベントナイトと低膨潤性ベントナイトとの合計の質量を1としたときに高膨潤性ベントナイトが0.05〜0.3の質量比で含まれている。高膨潤性ベントナイトの質量比を変化させつつ透水係数が一律となるように含水比調整した場合、高膨潤性ベントナイトの質量比が0.05よりも小さい場合には、粘土部の混合直後のせん断強さが大きくなりすぎて、施工可能な流動性を確保しにくくなる。高膨潤性ベントナイトの質量比が大きくなるほど、粘土部の含水比が高くなり、土質系変形追随性遮水材の圧密沈下の発生が助長される。その反面、せん断強さが低下することにより施工性が向上する。しかし、高膨潤性ベントナイトの質量比を0.3よりも大きくしても、質量比の増加に見合った施工性の改善効果が得られにくくなるため、高膨潤性ベントナイトの質量比の上限を0.3とするのがよい。
請求項に係る発明の構成によれば、土質系変形追随性遮水材の混合直後のせん断強さが1.5kN/m2以下である。したがって、土質系変形追随性遮水材の流動性が確保できるため、土質系変形追随性遮水材の混練性、圧送性、充填性等に関して、良好な施工性を確保することができる。
請求項に係る発明の構成によれば、土質系変形追随性遮水材に混合する砂として、砂粒子の表面が海水で湿っている湿潤状態の砂を用いる。通常、砂は、搬入状況及び保管状況により、砂粒子が絶乾状態となったり、表乾状態となったり、真水(雨)により湿潤状態となったりと、砂粒子の表面の含水状態がばらつく。このように、砂粒子の表面の状態がばらつくと、土質系変形追随性遮水材に空気を連行したり、砂粒子に付着した真水がベントナイトの膨潤度に影響を及ぼしたりして、土質系変形追随性遮水材の品質が安定しない。本発明によれば、海水により湿潤状態となっている砂を用いるため、土質系変形追随性遮水材の品質が安定する。
請求項4に係る発明の構成によれば、高膨潤性ベントナイトと低膨潤性ベントナイトとを粉体の状態で混合した後、海水、砂の順に混合することにより、土質系変形追随性遮水材を製造する。このような手順で混練することにより、ベントナイトがダマにならずに均質なベントナイトスラリーとなり、また、砂も均一に分散しやすい。したがって、本発明によれば、土質系変形追随性遮水材の品質が安定する。なお、この手順と異なる手順、例えば、海水に徐々にベントナイトを混合していったり、海水以外の材料をドライミックスした後に海水を混合したりする場合には、本発明よりも混合撹拌に時間を要したり、ベントナイトがダマとなって、均一混合が不可能となったりする場合がある。
管理型廃棄物最終処分場の護岸の断面図である。 一実施形態における土質系変形追随性遮水材の製造方法を説明する説明図である。 側面遮水工及び底面遮水工に要求される遮水性能を説明するグラフである。 高膨潤性ベントナイト、中膨潤性ベントナイト及び低膨潤性ベントナイトの透水係数と含水比との関係を説明するグラフである。 高膨潤性ベントナイト、中膨潤性ベントナイト及び低膨潤性ベントナイトの含水比とベーンせん断強さとの関係を説明するグラフである。 一実施形態における土質系変形追随性遮水材に混合される高膨潤性ベントナイトの量を決定するためのグラフであって、高膨潤性ベントナイトの質量比とベーンせん断強さとの関係を示している。 一実施形態における土質系変形追随性遮水材に混合される砂の粒径加積曲線である。 一実施形態における土質系変形追随性遮水材に混合される砂の量を決定するためのグラフであって、砂の体積比とベーンせん断強さとの関係を示している。
図1〜8に基づき、本発明の一実施形態について、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。本実施形態における土質系変形追随性遮水材Dは、図1に示した管理型廃棄物最終処分場1の側面遮水工及び底面遮水工として用いられる。すなわち、本実施形態における土質系変形追随性遮水材Dの遮水工としての適用については、従来の土質系変形追随性遮水材Dと同様である。図1に示す管理型廃棄物最終処分場1の構造等については、前述したとおりであるため、ここでの説明は省略する。
図2は、本実施形態における土質系変形追随性遮水材Dの製造方法を説明する説明図を示している。土質系変形追随性遮水材Dは、高膨潤性ベントナイトBHと、低膨潤性ベントナイトBLと、海水Wと、砂Sと、を混合してなる。したがって、本実施形態においては、遮水性能を提供する粘土部が、高膨潤性ベントナイトBHと、低膨潤性ベントナイトBLと、海水Wとの混合物よりなる。
粘土は、カオリナイト、イライト、モンモリロナイト(スメクタイト)、バーミキュライト、雲母粘土等の粘土鉱物を少なくとも1種類以上含有しているものである。その中でもモンモリロナイトを主成分とするものを一般的にベントナイトと称している。モンモリロナイト、特に層間の交換性陽イオンがNaであるものは著しい膨潤性を示す。膨潤性が高いほど、粘土鉱物の単位層間に水を多く取り込むため、粘土部内を自由に透過できる間隙水が減少して遮水性が高まる。
ベントナイトの膨潤性の程度は、膨潤力(JBAS-104-77)で表される。本実施形態においては、便宜上、真水中での膨潤力が20mL/2g以上のベントナイトを高膨潤性ベントナイトBH、真水中での膨潤力が5mL/2gより大きく20mL/2gより小さいベントナイトを中膨潤性ベントナイトBM、真水中での膨潤力が5mL/2g以下のベントナイトを低膨潤性ベントナイトBLとして区別する。そして、高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとの合計の質量を1としたときに高膨潤性ベントナイトBHが0.05〜0.3の質量比で含まれるように混合する。
海水Wは、施工地点の近隣で入手できる塩分濃度3%程度の海水Wを使用する。砂Sは、均等係数Uc(Uc=D60/D10)が5〜10であり、JIS A 5005(コンクリート用砕石及び砕砂)又はJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)として規格化されているコンクリート用細骨材を使用する。砂Sは、混合直後の土質系変形追随性遮水材Dの全体積を1としたときに砂Sが0.05〜0.3の体積比で含まれるように混合する。
図2に基づき、土質系変形追随性遮水材Dの製造方法を説明する。土質系変形追随性遮水材Dは、海に面した製造ヤードにて現地混合により製造される。図2に示すように、高膨潤性ベントナイトBHは、高膨潤性ベントナイト用サイロ10に、低膨潤性ベントナイトBLは、低膨潤性ベントナイト用サイロ11にそれぞれ保管されている。高膨潤性ベントナイトBH及び低膨潤性ベントナイトBLは、乾燥粉体の状態で別々に搬入されるが、出荷工場において両者を所定の配合比率でブレンドしておいて、一つのサイロに保管することもできる。土質系変形追随性遮水材Dに混合される海水Wは、製造ヤードの近傍の岸壁から水中ポンプ12を用いて採取される。
砂Sは、水槽20内で海水W中に水没させられた状態で混練直前まで水中養生される。水槽20内の砂Sは、バックホウ21によりすくわれて、開口0.075mmのスクリーンを備えた振動篩22に投入される。振動篩22により、砂Sから余分な海水Wが取り除かれて砂Sが砂粒子の表面に海水Wが付着した湿潤状態となる。湿潤状態となった砂Sは、ホッパ23に移される。砂Sが投入されたホッパ23は、クローラクレーン25で吊り上げられ、ロードセル24により砂Sの重量が計測される。
土質系変形追随性遮水材Dの混練にはバッチミキサ30を使用する。まず、粉体状の高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとをフィーダー等で計量してバッチミキサ30に所定量投入し、軽く混練する。次に、バッチミキサ30に海水Wを所定量投入して、ダマのない均質なベントナイトスラリーになるまで混練する。海水Wの所定量とは、配合設計における海水Wの含有量から湿潤状態の砂Sに付着している海水Wの総量を差し引いた量である。最後に、バッチミキサ30に湿潤状態となっている砂Sを所定量投入し、再度、混練する。
バッチミキサ30により製造された土質系変形追随性遮水材Dは、バッチミキサ30の下方のアジテータ槽31に投入され、スクイズポンプ32により遮水工施工位置まで圧送され打設される。圧送管には計測器33が設置されており、計測器33により土質系変形追随性遮水材Dの流量及び密度が計測される。このように製造された土質系変形追随性遮水材Dは、混合直後の透水係数kが3×10−7cm/s以下であり、混合直後のベーンせん断強さτが1.5kN/m以下である(以下、ベーンせん断強さτとは混合直後のベーンせん断強さτのことを言う)。
本実施形態によれば、土質系変形追随性遮水材Dに混合する砂Sとして、砂粒子の表面が海水Wで湿っている湿潤状態の砂Sを用いる。これにより、土質系変形追随性遮水材Dに空気を連行したり、砂粒子に付着した真水がベントナイトの膨潤度に影響を及ぼしたりすることを防止できる。また、高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとを粉体の状態で混合した後、海水W、砂Sの順に混合することにより、ベントナイトがダマにならずに均質なベントナイトスラリーとなり、また、砂Sも均一に分散しやすい。したがって、本実施形態おける土質系変形追随性遮水材Dの製造方法によれば、土質系変形追随性遮水材Dの品質が安定する。
以下、本実施形態における土質系変形追随性遮水材Dの配合条件を決定した経緯について、作用効果等を付記しつつ説明する。土質系変形追随性遮水材Dの透水係数kとして、k=1×10−7〜3×10−7cm/sを設定した経緯は次のとおりである。図3は、側面遮水工及び底面遮水工に要求される遮水性能を説明するグラフを示している。前述したとおり、非特許文献1には、側面遮水工の基準としては、厚さ50cm以上、透水係数1×10−6cm/s以下の不透水性材料、又はこれと同等以上の遮水性能を有することが定められている。また、底面遮水工の基準としては、厚さ5m(500cm)以上、透水係数1×10−5cm/s以下の不透水性材料、又はこれと同等以上の遮水性能を有することが定められている。
したがって、側面遮水工の厚さLが50cm以外の場合、及び底面遮水工の厚さLが500cm以外の場合には、基準の遮水性能を満足する透水係数k(必要透水係数)を計算により求める必要がある。この計算には、水(汚染水)が遮水層を通過するまでに要する浸透時間tが長いほど遮水性能が高いと考えて、浸透時間tが、厚さLの2乗に比例し、透水係数kに反比例するという関係式(t=L/(k・h)、hは水位差)が用いられている。図3中の実線は、側面遮水工の遮水性能を満足する遮水層の厚さLと透水係数kとの関係を示している。また、図3中の破線は、底面遮水工の遮水性能を満足する遮水層の厚さLと透水係数kとの関係を示している。また、図3中の斜線ハッチングは、透水係数k=1×10−7〜3×10−7cm/sの範囲を示している。
図3に示すように、透水係数k=3×10−7cm/sのときには、計算上、遮水層の厚さL=28cm以上の側面遮水工として、また、遮水層の厚さL=87cm以上の底面遮水工として土質系変形追随性遮水材Dを適用することができる。一般に側面遮水工及び底面遮水工の層厚Lは左記の層厚Lを満足している。したがって、土質系変形追随性遮水材Dの透水係数kを3×10−7cm/s以下に定めることにより、様々な構造の側面遮水工及び底面遮水工に対して、汎用性の高い土質系変形追随性遮水材Dとすることができる。透水係数k=1×10−7cm/sのときには、計算上、遮水層の厚さL=16cm以上の側面遮水工として土質系変形追随性遮水材Dを適用することができる。側面遮水工の層厚Lが16cm未満になることはないと考えられるため、土質系変形追随性遮水材Dの透水係数kを1×10−7cm/s未満に設定する必要はない。
本実施形態の土質系変形追随性遮水材Dにおいて、遮水性能を提供する粘土部は、高膨潤性ベントナイトBHと、低膨潤性ベントナイトBLと、海水Wとの混合物よりなる。土質系変形追随性遮水材Dに使用するベントナイトの選定にあたっては、膨潤力がそれぞれ異なるベントナイトの代表として、表1に示す高膨潤性ベントナイトBH(商品名:テルゲル)、中膨潤性ベントナイトBM(商品名:テルゲルDL2)、及び低膨潤性ベントナイトBL(商品名:笠岡粘土)を選定候補とした。
Figure 0006101019
表1には、膨潤力と相関性のある指標として液性限界wも載せている。膨潤性が高いと液性限界wも高くなる。ところで、ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトは、海水W中では膨潤力が落ちることが良く知られている。特に膨潤力が高いものについては、その度合い(真水中の膨潤力/海水中の膨潤力)が大きく、逆に膨潤力が低いものについては、その度合いが小さい。すなわち、低膨潤性ベントナイトBLは、高膨潤性ベントナイトBHに比べて、海水環境においても膨潤が安定しており、遮水性能に関する長期耐久性が高いと言える。
図4は、表1に示した各ベントナイトを海水Wで混練して圧密試験を実施し、透水係数kと含水比wとの関係としてまとめたグラフを示している。図4中の○印は高膨潤性ベントナイトBH、□印は中膨潤性ベントナイトBM、△印は低膨潤性ベントナイトBLの透水係数kと含水比wとの関係をそれぞれ示している。また、図4中の実線は、各ベントナイトの試験結果の近似曲線を示している。図4中の斜線ハッチングは、透水係数k=1×10−7〜3×10−7cm/sの範囲を示している。図4中に示されている各近似曲線に基づいて、所定の透水係数kに対応した各ベントナイトの含水比wを算出すると、表2に示すとおりである。図4及び表2より、同一の透水係数kにおいて各ベントナイトの含水比wを比べると、高膨潤性のベントナイトほど含水比wが大きい、
Figure 0006101019
表2に示すように、本実施形態における土質系変形追随性遮水材Dの透水係数kの設定範囲k=1×10−7〜3×10−7cm/sにおいては、液性限界wに対する含水比wの比(w/w)が0.77〜1.00であった。次に、表2に示す含水比wを参照して、透水係数k=1×10−7、2×10−7、3×10−7cm/sとなるように、各ベントナイトを海水Wで混練して含水比調整した。図5は、含水比調整直後の各ベントナイトスラリーの含水比wとベーンせん断強さτとの関係を説明するグラフを示している。
図5中の○印は高膨潤性ベントナイトBH、□印は中膨潤性ベントナイトBM、△印は低膨潤性ベントナイトBLの含水比wとベーンせん断強さτとの関係をそれぞれ示している。また、図5中の斜線ハッチングは、含水比w及びベーンせん断強さτの目標範囲を示している。この目標範囲において、含水比wを120%以下としているのは、例えば、特許文献1に開示されている土質系変形追随性遮水材の施工実績として、含水比w≦120%の実績が多いことによる。また、この目標範囲において、ベーンせん断強さτを1.5kN/m以下としているのは、この目標範囲であれば、土質系変形追随性遮水材Dの混練性、圧送性、充填性等に関して、良好な施工性を確保することができると考えられるからである。なお、この目標範囲は一例であって、土質系変形追随性遮水材Dの適用構造、製造方法及び施工方法等を勘案した上で、目標範囲を適宜設定することが望ましい。
図4に示したように、各ベントナイトとも含水比wが低いほど透水係数kが小さいという想定通りの結果が得られている。しかし、図5に示すように、含水比wとベーンせん断強さτとの関係は、各ベントナイトで一律の特性を示していない。この試験範囲では、中膨潤性ベントナイトBM及び低膨潤性ベントナイトBLについては、含水比wが小さいほどベーンせん断強さτが大きいという想定通りの結果が得られるものの、高膨潤性ベントナイトBHについては、含水比wによらずベーンせん断強さτがほぼ一定となっている。すなわち、高膨潤性ベントナイトBHは、中膨潤性ベントナイトBM及び低膨潤性ベントナイトBLと比べて、特異な強度特性を有している。
図5に示すように、各ベントナイトスラリーの透水係数kをk=1×10−7、2×10−7、3×10−7cm/sとした場合、いずれのベントナイトも図5に示す目標範囲を満足してはいない。そこで、本発明者は、高膨潤性ベントナイトBHと中膨潤性ベントナイトBMとのブレンド、又は高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとのブレンドにより、目標範囲を満足する混合ベントナイトに調合することが可能なのではないかと考えた。そして、事前の検討として、各ベントナイトを透水係数k=2×10−7cm/sに含水比調整した後、二種類のベントナイトスラリーを等体積(5:5の割合)でブレンドして、混合ベントナイトスラリーのベーンせん断強さτを測定した。表3は、その試験結果を示している。
Figure 0006101019
表3において、試験ケースHM2−0505は、高膨潤性ベントナイトBHと中膨潤性ベントナイトBMとのブレンドによる試験ケースである。ここで、「HM2−0505」の「HM」は、高膨潤性ベントナイトBHと中膨潤性ベントナイトBMとのブレンドであることを表している。また、「2」は、透水係数k=2×10−7cm/sであることを表している。「0505」は、各ベントナイトスラリーを等体積(5:5の割合)でブレンドしていることを表している。試験ケースHL2−0505についても、これと同様である。
表3に示すように、各試験ケースの混合ベントナイトスラリー1m当たりの高膨潤性ベントナイトBHの混合量は等しい。試験ケースHM2−0505では、試験ケースHL2−0505よりも含水比wが高いにもかかわらず、ベーンせん断強さτが目標範囲の上限値τ=1.5kN/mにとどまっている。一方、試験ケースHL2−0505では、試験ケースHM2−0505よりも含水比wが低いにもかかわらず、ベーンせん断強さτが目標範囲内のτ=0.75kN/mとなっている。試験ケースHL2−0505では、含水比w及びベーンせん断強さτがいずれも目標範囲に入っている。
この結果から、高膨潤性ベントナイトBHと中膨潤性ベントナイトBMとをブレンドした場合であっても、含水比w及びベーンせん断強さτを目標範囲に近づける効果を得ることが可能であるが、その効果は顕著ではないことがわかった。これに対して、膨潤力が大きく異なる高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとをブレンドした場合には、含水比w及びベーンせん断強さτを目標範囲に近づける効果が非常に高いことがわかった。したがって、本実施形態においては、高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとのブレンドを採用することとした。
本実施形態において、高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとの合計の質量を1としたときに高膨潤性ベントナイトBHが0.05〜0.3の質量比で含まれるように設定した経緯は次の試験結果に基づいている。高膨潤性ベントナイトBH及び低膨潤性ベントナイトBLを、それぞれ透水係数k=1×10−7、2×10−7、3×10−7cm/sとなるように含水比調整した後、同一の透水係数kの高膨潤性ベントナイトBHのスラリーと低膨潤性ベントナイトBLのスラリーとを、10:0、8:2、6:4、5:5、4:6、2:8、0:10の体積割合でブレンドして、混合ベントナイトスラリーのベーンせん断強さτを測定した。表4及び図6は、その試験結果を示している。
Figure 0006101019
表4において、例えば、試験ケース名「HL1−0802」の「HL」は、高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとのブレンドであることを表している。また、「1」は、透水係数k=1×10−7cm/sであることを表している。「0802」は、高膨潤性ベントナイトBHのスラリーと低膨潤性ベントナイトBLのスラリーとを8:2の体積割合でブレンドしていることを表している。他の試験ケース名の設定根拠についてもこれと同様である。
図6は、高膨潤性ベントナイトBHの質量比とベーンせん断強さτとの関係を示している。高膨潤性ベントナイトBHの質量をmBH、低膨潤性ベントナイトBLの質量をmBLとした場合、高膨潤性ベントナイトBHの質量比は、mBH/(mBH+mBL)で表される。高膨潤性ベントナイトBHのスラリーと低膨潤性ベントナイトBLのスラリーとの体積割合10:0、8:2、6:4、5:5、4:6、2:8、0:10に対応した高膨潤性ベントナイトBHの質量比は、それぞれ1.00、0.56、0.32、0.24、0.17、0.07、0である。
図6中の○印は透水係数k=1×10−7cm/s、□印は透水係数k=2×10−7cm/s、△印は透水係数k=3×10−7cm/sにおける高膨潤性ベントナイトBHの質量比とベーンせん断強さτとの関係をそれぞれ示している。また、図6中の斜線ハッチングは、本実施形態における高膨潤性ベントナイトBHの質量比の設定範囲、及びベーンせん断強さτの目標範囲を示している。図6に示すように、いずれの透水係数kにおいても、高膨潤性ベントナイトBHの質量比が0.05よりも小さい場合には、ベーンせん断強さτが目標範囲の上限値1.5kN/mを上回っており、施工可能な流動性を確保しにくくなる。
高膨潤性ベントナイトBHの質量比が大きくなるほど、混合ベントナイトスラリー(粘土部)の含水比wが高くなり、土質系変形追随性遮水材Dの圧密沈下の発生が助長される。その反面、混合ベントナイトスラリーのベーンせん断強さτが低下することにより土質系変形追随性遮水材Dの施工性が向上する。しかし、図6に示すように、高膨潤性ベントナイトBHの質量比を0.3よりも大きくしても、質量比の増加に見合った施工性の改善効果が得られにくくなるため、高膨潤性ベントナイトBHの質量比の上限を0.3とするのがよい。
本実施形態の土質系変形追随性遮水材Dにおいて、混合直後の全体積を1としたときに均等係数Ucが5〜10である砂Sが0.05〜0.3の体積比で含まれるように設定した経緯は次の試験結果に基づいている。まず、均等係数Ucが5〜10である砂Sを使用する第一の理由は、砂Sの粒度分布幅が広いことにより、粒径が揃っている砂よりも砂Sが混合ベントナイトスラリーに均一に分散しやすく、砂Sの材料分離が起きにくいことによる。土質系変形追随性遮水材Dに砂Sを均一に分散させることは、土質系変形追随性遮水材Dの流動性の確保、及び砂粒子が連続した水みちを形成することの防止に効果を奏する。
均等係数Ucが5〜10である砂Sを使用する第二の理由は、材料の入手が容易であることによる。均等係数Ucが5〜10である砂Sとしては、例えば、JIS A 5005(コンクリート用砕石及び砕砂)又はJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)として規格化されている砂Sを用いることが可能であり、日本全国で砂Sを容易に入手することが可能である。図7にJIS A 5005に規定されているコンクリート用細骨材の粒径加積曲線を示す。砂Sとして、粒度分布が図7中の斜線ハッチングで示されている範囲に入る砂Sを使用することができる。
砂Sの体積比を0.05〜0.3に設定した経緯は次の試験結果に基づいている。高膨潤性ベントナイトBH及び低膨潤性ベントナイトBLを、それぞれ透水係数k=1×10−7、2×10−7、3×10−7cm/sとなるように含水比調整した後、同一の透水係数kの高膨潤性ベントナイトBHのスラリーと低膨潤性ベントナイトBLのスラリーとを5:5の体積割合(高膨潤性ベントナイトBHの質量比0.24)でブレンドして混合ベントナイトスラリー(粘土部)を作製した。そして、この混合ベントナイトスラリーに対して砂Sを混合して土質系変形追随性遮水材Dを作製し、土質系変形追随性遮水材Dのベーンせん断強さτを測定した。砂Sの混合量は、土質系変形追随性遮水材Dの混合直後の全体積を1としたときに砂Sが0、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4の体積比で含まれるように配合した。表5及び図8は、その試験結果を示している。
Figure 0006101019
表5において、例えば、試験ケース名「HLS2−05」の「HLS」は、土質系変形追随性遮水材Dが高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLと砂Sとを含んでいることを表している。また、「2」は、透水係数k=2×10−7cm/sであることを表している。「05」は、砂Sの体積比が0.05であることを表している。他の試験ケース名の設定根拠についてもこれと同様である。
図8は、砂Sの体積比とベーンせん断強さτとの関係を示している。高膨潤性ベントナイトBHの実質部分の体積をVBH、低膨潤性ベントナイトBLの実質部分の体積をVBL、海水Wの体積をV、砂Sの実質部分の体積をVとした場合、砂Sの体積比は、V/(VBH+VBL+V+V)で表される。図8中の○印は透水係数k=1×10−7cm/s、□印は透水係数k=2×10−7cm/s、△印は透水係数k=3×10−7cm/sにおける砂Sの体積比とベーンせん断強さτとの関係をそれぞれ示している。また、図8中の斜線ハッチングは、本実施形態における砂Sの体積比の設定範囲、及びベーンせん断強さτの目標範囲を示している。
図8に示すように、砂Sの体積比が増加するのにつれて、ベーンせん断強さτも増加する。そして、砂Sの混合により含水比wが小さくなっている分、土質系変形追随性遮水材Dは、圧密沈下の発生が抑制される。ここで、砂Sの体積比が0.05よりも小さい場合には、砂Sの混合による圧密沈下の発生を抑制する効果がほとんど得られないと考えられる。また、砂Sの体積比が0.3よりも大きくなると、ベーンせん断強さτが著しく増加する。したがって、砂Sの体積比が0.3よりも大きくなると、土質系変形追随性遮水材Dの流動性が著しく低下して施工が困難となると考えられるため、砂Sの体積比の上限を0.3とするのがよい。
以上で説明したように、本実施形態の土質系変形追随性遮水材Dは、高膨潤性ベントナイトBHと、低膨潤性ベントナイトBLと、海水Wと、砂Sと、を混合してなる。このため、構成材料として浚渫粘土等の現地発生土を用いることなく、規格化された材料を用いることができるため、材料の調達が容易であると共に、品質のばらつきが小さい土質系変形追随性遮水材Dを提供することができる。また、土質系変形追随性遮水材Dの含水比w及びベーンせん断強さτのいずれもが極力小さくなるような、最適な高膨潤性ベントナイトBHの質量比の範囲、及び最適な砂Sの体積比の範囲を設定しているため、高い遮水性能と施工可能な流動性とを有し、圧密沈下の発生が抑制された長期耐久性を有する土質系変形追随性遮水材Dを提供することができる。
本発明の土質系変形追随性遮水材及びその製造方法は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、本実施形態の土質系変形追随性遮水材Dにおいては、遮水性能を提供する混合ベントナイトスラリー(粘土部)が、高膨潤性ベントナイトBHと、低膨潤性ベントナイトBLと、海水Wとの混合物よりなるが、低膨潤性ベントナイトBLの代わりに中膨潤性ベントナイトBMを用いることも可能である。
また、本実施形態の土質系変形追随性遮水材Dの製造方法においては、高膨潤性ベントナイトBHと低膨潤性ベントナイトBLとを粉体の状態で混合した後、海水W、砂Sの順に混合しているが、製造方法はこれに限定されない。例えば、粉体状の低膨潤性ベントナイトBLをバッチミキサ30に所定量投入した後、バッチミキサ30に海水Wを所定量投入して、ダマのない均質なベントナイトスラリーになるまで混練する。次に、このベントナイトスラリーに粉体状の高膨潤性ベントナイトBHを所定量投入した後、ダマのない均質なベントナイトスラリーになるまでバッチミキサ30で混練する。最後に、バッチミキサ30に湿潤状態となっている砂Sを所定量投入し、再度、混練するという製造方法を採用することもできる。
BH … 高膨潤性ベントナイト BL … 低膨潤性ベントナイト
BM … 中膨潤性ベントナイト D … 土質系変形追随性遮水材
k … 透水係数 mBH … 高膨潤性ベントナイトの質量
BL … 低膨潤性ベントナイトの質量 S … 砂
BH … 高膨潤性ベントナイトの体積 VBL … 低膨潤性ベントナイトの体積
… 砂の体積 V … 海水の体積
W … 海水 τ … ベーンせん断強さ

Claims (4)

  1. 真水中での膨潤力が20mL/2g以上の高膨潤性ベントナイトと、該高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さいベントナイトと、海水と、均等係数が5〜10である砂と、を混合してなり、
    混合直後の全体積を1としたときに前記砂が0.05〜0.3の体積比で含まれており、
    混合直後の透水係数が3×10-7cm/s以下であり、
    前記高膨潤性ベントナイトよりも膨潤力が小さい前記ベントナイトは、真水中での膨潤力が5mL/2g以下の低膨潤性ベントナイトであり、
    前記高膨潤性ベントナイトと前記低膨潤性ベントナイトとの合計の質量を1としたときに該高膨潤性ベントナイトが0.05〜0.3の質量比で含まれている土質系変形追随性遮水材。
  2. 混合直後のせん断強さが1.5kN/m2以下である請求項1に記載の土質系変形追随性遮水材。
  3. 真水中での膨潤力が20mL/2g以上の高膨潤性ベントナイトと、真水中での膨潤力が5mL/2g以下の低膨潤性ベントナイトと、海水と、均等係数が5〜10である砂と、を混合してなり、前記高膨潤性ベントナイトと前記低膨潤性ベントナイトとの合計の質量を1としたときに該高膨潤性ベントナイトが0.05〜0.3の質量比で含まれている土質系変形追随性遮水材の製造方法であって、
    前記砂を海水中に水没させて養生する養生工程と、養生工程後の該砂から余分な海水を取り除いて該砂を湿潤状態にする水分除去工程と、水分除去工程後の湿潤状態の該砂を混合する砂として用いる混合工程と、を含み、
    前記混合工程において混合直後の全体積を1としたときに前記砂が0.05〜0.3の体積比で含まれるように混合する土質系変形追随性遮水材の製造方法。
  4. 前記高膨潤性ベントナイトと、前記低膨潤性ベントナイトと、を粉体の状態で混合する第一混合工程と、第一混合工程後の材料に前記海水を混合する第二混合工程と、第二混合工程後の材料に前記砂を混合する第三混合工程と、を含む請求項3に記載の土質系変形追随性遮水材の製造方法。
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