JP6098420B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前部車体構造に関するものである。
車両の前部構造の一般的なものとして,次のような構造が採択されている。すなわち、前輪の後方でかつ車室前端部において、ヒンジピラーと呼ばれる左右一対の車体構成部材が配設されて、この左右一対の車体構成部材同士が、車幅方向に伸びるインパネメンバ(ステアリング支持部材)によって連結されている。そして、前後方向に伸びるステアリングシャフトが、当該ステアリングシャフトを回動自在に保持したステアリングコラムを介して、インパネメンバに連結、支持されるようになっている。
車両においては、前方衝突時の運転席乗員の保護が重要であり、このため、ステアリングシャフトの後端部に取付けられたステアリングハンドルに、前方衝突時に膨張、展開されるエアバッグを装備することが一般的となっている。この場合、ステアリングシャフトの向きは、膨張、展開されるエアバッグによって運転席乗員が確実に拘束されるように運転席乗員の正面を向くように設定されており、運転席乗員から車幅方向にずれた方向になるのは好ましくないものとなる。
ところで、車両の前方衝突の態様として、SOL衝突(スモールオフセット衝突)というものがある。SOL衝突は、車体前端部のうち運転席側の1/4が例えば障害物としてのポール等に衝突する態様であり、衝突時の荷重は、バンパレインフォースメントやフロントサイドフレームによって殆ど受け止められることなく、運転席側の前輪を介して、運転席側の車体構成部材に大きな荷重として入力されることになる。そして、大きな荷重を受けた車体構成部材は、後方へ変位されることになる。
運転席側の車体構成部材が後方変位すると、これに伴って、インパネメンバのうち運転席に近い側の端部が、後方かつ車幅方向内方側へと変位されることになる。このようなインパネメンバの後方かつ車幅方向内方側への変位に伴って、ステアリングシャフトの向きが、平常時(非衝突時)の向きから、車幅方向内方側へと向きを変更してしまうことになり、ステアリングハンドルに装備されたエアバッグの膨張、展開方向が変更されてしまうことになる。
特許文献1には、SOL衝突のようなオフセット衝突時に、インパネメンバの後方への変位を防止あるいは抑制するために、インパネメンバ前方の車体剛性を高めることが提案されている。また、特許文献2には、前方衝突時における前席乗員の位置に応じて、エアバッグの展開方向を変更制御するものが提案されている。
特開2002−370675号公報 特開2010−179674号公報
しかしながら、特許文献1のものでは、大きな衝突荷重に対抗するための車体剛性向上のために、車体重量が大きく増加してしまうと共に、大きなコストアップになる。また、特許文献2に記載のものでは、エアバッグの展開方向を変更制御するために、構造が複雑になり、しかもコストも大幅に上昇してしまうことになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、簡単な構造で、オフセット衝突時においてステアリングシャフトの向きが変更されてしまうことを防止あるいは抑制できるようにした車両の前部車体構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、オフセット衝突によってインパネメンバを介してステアリングコラムに対して大きな力が作用したときには、インパネメンバがステアリングコラムに対して相対変位できるようにしてある。具体的には、次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
前輪の後方でかつ車室前端部に配設された左右一対の車体構成部材と、車幅方向に伸びて該左右一対の車体構成部材同士を連結するインパネメンバと、前後方向に伸びるステアリングシャフトを回動自在に保持すると共に該インパネメンバに支持されたステアリングコラムと、を備えた車両の前部車体構造であって、
左右一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、該インパネメンバのうち該左右一方側の端部が該ステアリングコラムに対して相対移動されつつ後方かつ車幅方向内方側へ変位されるように設定され、
前記インパネメンバに第1ブラケットが固定され、
前記ステアリングコラムに第2ブラケットが固定され、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとが固定具によって固定され、
前記固定具による固定が、前記一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、該第1ブラケットが該第2ブラケットに対して後方かつ車幅方向内方側へスライド変位可能となるように行われている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、オフセット衝突の際には、インパネメンバは後方かつ車幅方向内方側へと変位するものの、ステアリングコラムは平常時(非衝突時)の向き位置を維持あるいはほぼ維持することになる。この結果、ステアリングコラムに回動自在に保持されたステアリングシャフトの向きも、平常時と同じあるいはほぼ同じ向きを維持することになり、ステアリングハンドルに装備されたエアバッグによる運転席乗員の保護を確実に行うことができる。勿論、センサ、アクチュエータおよびコンピュータを用いた高価かつ複雑な制御を行う必要もなく、また大きな重量増加をきたすこともないものとなる。
また、前記インパネメンバに第1ブラケットが固定され、前記ステアリングコラムに第2ブラケットが固定され、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとが固定具によって固定され、前記固定具による固定が、前記一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、該第1ブラケットが該第2ブラケットに対して後方かつ車幅方向内方側へスライド変位可能となるように行われていることから、この場合、大きな衝突荷重が作用したときの2つのブラケット間のスライド変位を利用して、上述の内容に対応した効果を得ることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとのいずれか一方に、後方に向かうにつれて車幅方向内方側に位置するように傾斜された長孔が形成され、
前記固定具が,前記長孔に挿通されるボルトと、該ボルトに螺合された前記第1ブラケットと第2ブラケットとを締結するナットと、を有し、
前記一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、前記ボルトが前記長孔内を相対移動することにより、前記第1ブラケットが前記第2ブラケットに対して後方かつ車幅方向内方側へスライド変位される、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、長孔内でのボルトの移動という極めて簡単な構成によって、両ブラケット同士を確実に所望方向に相対変位させることができる。
前記長孔が、互いに平行に複数設けられ、
前記各長孔内にそれぞれ前記ボルトが挿通されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、請求項3に対応した効果をより一層十分に発揮させることができる。
前記インパネメンバによる前記ステアリングコラムの支持位置が、該インパネメンバの車幅方向中心位置よりも左右いずれか一方側に片寄った位置となるようにされ、
前記インパネメンバの前方に、カウルパネルが配設され、
前記第2ブラケットと、前記カウルパネルのうち前記ステアリングコラムよりも車幅方向内方側に位置する部分とが、前後方向の剛性に比して車幅方向の剛性が大きくなるように設定された補強ブラケットによって連結されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、前後方向には変形しやすくかつ車幅方向には変形しにくい補強ブラケットを利用して、インパネメンバの後方かつ車幅方向内方側への変位を許容しつつ、ステアリングコラムの平常時の向き位置を維持させる機能を高めることができる。とりわけ、補強ブラケットを車両前後方向には潰れ易くして(突っ張り棒のように作用しない)、前突性能への影響を抑制することが可能となる。また、補強ブラケットを、オフセット衝突で移動量が比較的少ないカウルパネル中央付近に連結することで、ステアリングコラムの移動を抑制することが可能である。
本発明によれば、簡単な構造で、オフセット衝突時においてステアリングシャフトの向きが変更されてしまうことを防止あるいは抑制することができる。
本発明が適用された車両の前部を示す簡略平面図。 平常時でのインパネメンバとステアリングコラムとの連結部位を示す平面図。 図2のX3−X3線相当断面図。 図2のX4−X4線相当断面図。 図2の斜視図で、第1ブラケットの一部を省略して示す図。 第1ブラケットと第2ラケットとの固定部位を示す要部拡大断面図。 SOL衝突時でのインパネメンバとステアリングコラムとの連結部位を示すもので、図2に対応した平面図。
図1において、1は左右一対のフロントサイドフレームである。左右一対のフロントサイドフレームの前端部同士は、車幅方向に伸びるバンパレインフォースメント2によって連結されている。また、各フロントサイドフレーム1の車幅方向外方側には、左右一対の前輪3が配設されている。
図1中、4は、ダッシュパネルである。このダッシュパネル4は、既知のように車幅方向および上下方向に伸びて、エンジンルームEと車室Cとを仕切っている。ダッシュパネル4の左右端部には、上下方向に伸びる車体構成部材としてのヒンジピラー5が連結されている。各ヒンジピラー5の下端部に対しては、トルクボックス(図示略)を介して、フロントサイドフレーム1の後端部が連結されると共に、前後方向に伸びるサイドシル(図示略)の前端部が連結されている。そして、各ヒンジピラー5の上端部には、フロントピラー(図示略)の下端部が連結されている。
左右一対のヒンジピラー5同士は、車幅方向に伸びる強度部材としてのインパネメンバ10(ステアリングシャフト支持部材とも呼ばれる)によって連結されている。インパネメンバ10は、例えば鉄系の金属パイプ材によって形成されて、剛性の高いものとされている。そして、インパネメンバ10のうち、車幅方向中心よりも運転席側にオフセットされた位置(図1では左ハンドル車なので左側にオフセットされた位置)において、ステアリングコラム11が連結、支持されている。ステアリングコラム11内を、前後方向に伸びるステアリングシャフト12が回動自在に貫通していて、当該ステアリングシャフト12の後端部には、ステアリングハンドル13が取付けられている。ステアリングハンドル13内には、前方衝突時に膨張展開されるエアバッグ14が装備され、図1では、膨張展開されたエアバッグが破線で示されている。
運転席乗員が符号Vで示されている。そして、前後方向に伸びるステアリングシャフト12は、平常時(非衝突時)には、運転席乗員の正面(運転席乗員Vの幅方向略中心位置)を向くように、その向き方向が設定されている。
図1中、符号20は、障害物(図1ではポール状物体)である。SOL衝突では、車体前端部のうち、運転席側から1/4程度の範囲が衝突範囲とされる。すなわち、障害物20に対してSOL衝突したとき、衝撃荷重は、バンパレインフォースメント2やフロントサイドフレーム1で殆ど受け止められることなく、前輪3を介してヒンジピラー5に入力されることになる。このため、ヒンジピラー5は、後方への大きな衝突荷重を受けて、後方へと変位されることになり、これに伴って、インパネメンバ10のうち衝突荷重を受ける側のヒンジピラー5に近い側の端部が、後方かつ車幅方向内方側へと変位されることになる。図1では、平常時の状態が実線で示され、SOL衝突による変形状態が破線で示される。
いま、インパネメンバ10に対してステアリングコラム11が常時剛体結合されたままとすると、SOL衝突時におけるインパネメンバ1の端部が後方かつ車幅方向内方側へ向けて変位するのに伴って、ステアリングコラム11の向きつまりステアリングシャフト12の向きが変更されてしまうことになる(ステアリングシャフト12が、平常時より、車幅方向内方側を向くように変更される)。
本発明では、後述するように、インパネメンバ10とステアリングコラム11との連結(固定)を工夫することにより、SOL衝突時にインパネメンバ10がステアリングコラム11に対して相対変位可能として、SOL衝突時でもステアリングシャフト12の向きが平常時と同じあるいはほとんど同じ向きとなるようにしてある。
次に、図2〜図5を参照しつつ、SOL衝突時に相対変位されるようにインパネメンバ10とステアリングコラム11とを連結する具体例について説明する。まず、インパネメンバ10には、車幅方向に小間隔をあけて、2つの第1ブラケット31が連結されている(図5では、一方の第1ブラケット31が図示略)。第1ブラケット31は、例えば鉄板等の金属板によって断面コ字状に形成されて、その上方開口部が上方を向くようにした姿勢でもって、インパネメンバ10の下部に固定(例えば溶接)されている。そして、第1ブラケット31の平板状部分31aが、下方を向いた状態とされる。
一方、ステアリングコラム11には、その上部において基台25が溶接等により固定され、この基台25に対して、前後方向に小間隔をあけて一対の第2ブラケット32が、固定具としてのボルト26、ナット27によって固定されている。第2ブラケット32は、鉄板等を加工することにより形成されて、前記第1ブラケット31における平板状部分31aに臨む平板状部分32aを有している。
第1ブラケット31と第2ブラケット32は、その平板状部分31aと32aとを上下方向から重合させた状態で、固定具33によって固定されている。この固定具33は、図6に詳細に示すように、実施形態では、ボルト34とナット35とを有し、その他に締結用カラー36およびスライド用ブッシュ37を有するものとなっている。締結用カラー36によって、ボルト34とナット35とによる締結力が所定以上大きくならないように規制される。また、スライド用ブッシュ37によって、後述するSOL衝突時において、両ブラケット31と32とがスムーズにスライド変位されるようにされる。
固定具33による固定についてさらに詳述すると、まず、2つの第1ブラケット31の平板状部分31aにはそれぞれ、2つの第1取付孔41が形成されている。第1取付孔41aの直径は、ボルト34がスムーズに挿通できる程度にボルト34の直径よりも若干大きい程度の円形に形成されている。つまり,第1取付孔41に挿通されたボルト34は、第1ブラケット31に対して、その径方向には相対変位しないように設定されている。
一方、2つの第2ブラケット32の平板状部分32aにはそれぞれ、2つの第2取付孔42が形成されている。この第2取付孔42は、長孔とされて、平面視において、後方に向かうにつれて徐々に車幅方向内方側に位置するように傾斜されている。つまり、第2取付孔42に挿通されたボルト34は、第2取付孔42の伸び方向(長孔方向)において、第2ブラケットに対して相対変位可能とされている。長孔とされた合計4つの第2取付孔42は,互いに平行とされている。
インパネメンバ10とステアリングコラム12との連結は、次のようにして行われる。まず、ボルト34を第1取付孔41内に挿通させて第1ブラケット31に固定する。そして、ボルト34を、第2取付孔42、締結用カラー36、スライド用ブッシュ37内に挿通させて、各ブラケット31、32における平板状部分31aと32aとを重合させた状態で、ナット35をボルト34に螺合させる。この場合、締結用カラー36は、その一部が第2取付孔42内に挿入された状態とされる。この後、ナット35を所定トルクで締め付けることにより、第1ブラケット31と第2ブラケット32とが締結されて、ステアリングコラム11のインパネメンバ10に対する連結が完了される。この連結完了状態では、各ボルト34が、長孔とされた第2取付孔42の前端に位置するようにされ、この状態が、図2に示す状態となる。
ここで、2つの第2ブラケット32は、補強ブラケット50を介して、ダッシュパネル4の上部に形成されるカウルパネル4aに連結されている。この補強ブラケット50は,鉄板等の金属板を曲げ加工することにより形成されている。補強ブラケット50は、車幅方向および上下方向に伸びる平板状部分50aを有している。つまり、補強ブラケット50は、前後方向における剛性が低く(曲げ変形されやすく)、車幅方向の剛性が高くされている(変形されにくい)。そして,平板状部分50aは、図4に示す後方視において、上方に向かうにつれて、徐々に幅狭に形成されると共に徐々に車幅方向内方側に位置するようにされている。
上記平板状部分50aの下端部から、車幅方向に小間隔をあけて2つのフランジ部50bが延設されて、このフランジ部50bが、ねじ等の固定具51によって第2ブラケット32に対して固定されている。また、上記平板状部分50aの上端部が、ねじ等の固定具52によって、カウルパネル4aに固定されている。固定具52によるカウルパネル4aへの固定位置は、インパネメンバ10に対するステアリングコラム11の連結位置よりも車幅方向内方側に寄った位置とされる。
次に、SOL衝突時に、ヒンジピラー5が後方へ変位されるのに伴ってインパネメンバ10の端部が後方かつ車幅方向内方側へと変位される場合を考える。このとき、平常時の状態にあるステアリングコラム11に対して、インパネメンバ10が後方かつ車幅方向内方側へ変位しようとする大きな外力(荷重)が作用することになる。この大きな外力は、ボルト34とナット35による両ブラケット31と32とを締結している所定締結力よりも大きいものとなる。このため、ボルト34が、長孔としての第2取付孔42に沿って当該第2取付孔42内を移動することになる。図7は、ボルト34が第2取付孔42の後端部にまで移動した状態を示している。このような第1ブラケット31の第2ブラケット32に対するスライド変位は、締結用カラー36とスライド用ブッシュ37とによってよりスムーズに行われることになる。
SOL衝突時において、ステアリングコラム11の後方かつ車幅方向内方側への変位が防止あるいは抑制されることにより、ステアリングシャフト12は平常時と同じ向きかあるいはほぼ同じ向きを維持することになる。これにより、ステアリングハンドル13から膨張展開されたエアバッグ14による運転席乗員の拘束が確実に行われることになる。補強ブラケット50により、インパネメンバ10の後方かつ車幅方向内方側への変位を許容しつつ、ステアリングコラム11が車幅方向内方側へ変位するのがより一層規制されることになる(換言すれば、ボルト34の第2取付孔42内での移動が助長される)。とりわけ、補強ブラケット50を車両前後方向には潰れ易くして(突っ張り棒のように作用しない)、前突性能への影響を抑制することが可能となる。また、補強ブラケット50を、オフセット衝突で移動量が比較的少ないカウルパネル4aの中央付近に連結することで、ステアリングコラム11の移動を抑制することが可能である。
勿論、ボルト34,ナット35の締結力は、SOL衝突時における上記大きな外力よりも小さな力でもって解除されるように、締結用カラー36をも利用してその締結力が管理されているものである。なお、SOL衝突時でも、ボルト34、ナット35によるステアリングコラム11のインパネメンバ10に対する支持機能は維持されたままである(ステアリングコラム11がインパネメンバ10から落下してしまうことはない)。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。車両としては、右ハンドル車であってもよく、また前席が運転席用の1つのみで車幅方向中央部に位置されるものであってもよい。第1取付孔41を長孔としてもよく(第2取付孔42は長孔でない例えば円形)、この場合は、平常時でのボルト34による締結状態では、ボルト34が第1取付孔41の後端部に位置されることになる(SOL衝突時にはボルト34が第1取付孔41の前端部側へ移動される)。また、第1取付孔41と第2取付孔42とを共に長孔とすることもできる。各ブラケット31、32の数は、任意に設定できる、互いに相違する数であってもよい(例えば第1ブラケット31を2個設ける一方、第2ブラケット32を幅広の1個のみにする等)。各取付孔41、42の数は任意に選択できるが、長孔の数は、互いに平行に複数設けておくのが、SOL衝突時に、インパネメンバ10を後方かつ車幅方向内方側へと案内する作用を高める上で好ましいものとなる。長孔としのて第2取付孔42は、直線状に限らず、例えば円弧状の曲線として形成するようにしてもよく、曲線とされた第2取付孔42を互いに平行に複数設けることもできる。補強ブラケット50を設けないようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、車両の衝突対策として好ましいものとなる。
V:運転席乗員
E:エンジンルーム
C:車室
1:フロントサイドフレーム
2:バンパレインフォースメント
3:前輪
4:ダッシュパネル
4a:カウルパネル
5:ヒンジピラー(車体構成部材)
10:インパネメンバ
11:ステアリングコラム
12:ステアリングシャフト
13:ステアリングハンドル
14:エアバッグ
20:障害物
31:第1ブラケット
31a:平板状部分
32:第2ブラケット
32a:平板状部分
33:固定具
34:ボルト
35:ナット
36:締結用カラー
37:スライド用ブッシュ
41:第1取付孔
42:内2取付孔(長孔)
50:補強ブラケット
51:固定具
52:固定具

Claims (4)

  1. 前輪の後方でかつ車室前端部に配設された左右一対の車体構成部材と、車幅方向に伸びて該左右一対の車体構成部材同士を連結するインパネメンバと、前後方向に伸びるステアリングシャフトを回動自在に保持すると共に該インパネメンバに支持されたステアリングコラムと、を備えた車両の前部車体構造であって、
    左右一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、該インパネメンバのうち該左右一方側の端部が該ステアリングコラムに対して相対移動されつつ後方かつ車幅方向内方側へ変位されるように設定され、
    前記インパネメンバに第1ブラケットが固定され、
    前記ステアリングコラムに第2ブラケットが固定され、
    前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとが固定具によって固定され、
    前記固定具による固定が、前記一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、該第1ブラケットが該第2ブラケットに対して後方かつ車幅方向内方側へスライド変位可能となるように行われている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 請求項1において、
    前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとのいずれか一方に、後方に向かうにつれて車幅方向内方側に位置するように傾斜された長孔が形成され、
    前記固定具が,前記長孔に挿通されるボルトと、該ボルトに螺合された前記第1ブラケットと第2ブラケットとを締結するナットと、を有し、
    前記一方側の前記車体構成部材が衝突荷重によって後方へ変位したときに、前記ボルトが前記長孔内を相対移動することにより、前記第1ブラケットが前記第2ブラケットに対して後方かつ車幅方向内方側へスライド変位される、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  3. 請求項2において、
    前記長孔が、互いに平行に複数設けられ、
    前記各長孔内にそれぞれ前記ボルトが挿通されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
    前記インパネメンバによる前記ステアリングコラムの支持位置が、該インパネメンバの車幅方向中心位置よりも左右いずれか一方側に片寄った位置となるようにされ、
    前記インパネメンバの前方に、カウルパネルが配設され、
    前記第2ブラケットと、前記カウルパネルのうち前記ステアリングコラムよりも車幅方向内方側に位置する部分とが、前後方向の剛性に比して車幅方向の剛性が大きくなるように設定された補強ブラケットによって連結されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
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