JP6089822B2 - リチウム二次電池用電極材の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用電極材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノヘテロ構造を有するリチウム二次電池用電極材、その製造方法、およびそれを備えるリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、エネルギー密度の高い二次電池として知られており、様々な電子機器の電源として従来から使用されている。しかしながら、従来のリチウム二次電池は、出力特性、例えば、放電容量が必ずしも十分なものではなく、より高い出力特性を有するリチウム二次電池が求められていた。
J.Power Source、2009年、第189巻、485頁〜489頁(非特許文献1)には、単分散ポリスチレンビーズを鋳型として逆オパール構造を有するリチウムイオン伝導体(Li0.35La0.55TiO(LLT))をゾル−ゲル法により形成し、このLLT多孔体の細孔内に電極材(LiMn)をゾル−ゲル法により充填した複合体を正極とするリチウム二次電池が開示されている。
M.Haraら、J.Power Sources、2009年、第189巻、485頁〜489頁
しかしながら、非特許文献1に記載のLLT−LiMn複合体は、LLT多孔体の細孔径が約2μmであるため、LLT多孔体とLiMnとの反応界面の面積が小さく、界面での電荷移動がスムーズに起こらないため、非特許文献1に記載のリチウム二次電池は、必ずしも十分な出力特性を発揮するものではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ナノ構造を有し、リチウム二次電池用電極材としての利用率が高く、リチウム二次電池の出力特性を向上させることが可能な電極材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ブロックコポリマーを構成する第一ポリマーブロック成分とLiLaZr12前駆体およびLiCoO前駆体のうちの一方の無機前駆体と、第二ポリマーブロック成分とLiLaZr12前駆体およびLiCoO前駆体のうちの他方の無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用いることにより、ブロックコポリマーの自己組織化を利用してナノ相分離構造体を形成せしめ且つ前記無機前駆体をそれぞれLiLaZr12およびLiCoOに変換せしめると共にブロックコポリマーを除去することによって、LiLaZr12およびLiCoOうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が三次元的にナノスケールの周期性をもって配置した構造を少なくとも一部に有しているナノヘテロ構造体が得られ、さらに、このナノヘテロ構造体がリチウム二次電池用電極材として高い利用率を有するものあることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法は、
互いに混和しない少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなり、前記第一ポリマーブロック成分がポリスチレン成分、ポリイソプレン成分およびポリブタジエン成分からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第二ポリマーブロック成分がポリメチルメタクリレート成分、ポリエチレンオキシド成分、ポリビニルピリジン成分およびポリアクリル酸成分からなる群から選択される少なくとも1種であるブロックコポリマーと、リチウム塩とランタン錯体とジルコニウム錯体とからなるLiLaZr12前駆体およびリチウム塩とコバルト錯体とからなるLiCoO前駆体のうちの一方である第一無機前駆体と、前記LiLaZr12前駆体および前記LiCoO前駆体のうちの他方である第二無機前駆体と、を溶媒に溶解して原料溶液を調製する第一の工程と、
少なくとも、前記第一無機前駆体が導入された前記第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と、前記第二無機前駆体が導入された前記第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相と、が自己組織化により規則的に配置したナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理と、前記LiLaZr12前駆体および前記LiCoO前駆体をそれぞれLiLaZr12およびLiCoOに変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とを含み、前記LiLaZr12と前記LiCoOとからなるナノヘテロ構造を有する電極材を得る第二の工程と、
ことを特徴とする方法である。
このような本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法においては、前記Li La Zr 12 前駆体が、リチウムの有機酸塩とランタンのアセチルアセトナート錯体とジルコニウムのアセチルアセトナート錯体とからなるものであることが好ましく、また、前記LiCoO 前駆体が、リチウムの有機酸塩とコバルトカルボニルとからなるものであることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法においては、前記第一ポリマーブロック成分がポリスチレン成分であり、前記第二ポリマーブロック成分がポリビニルピリジン成分であることが好ましい。
なお、前記本発明の方法によってナノヘテロ構造を有する前記本発明のリチウム二次電池用電極材が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、互いに混和しないAおよびBの2種類のポリマーブロック成分が結合してなるブロックコポリマーは、ガラス転移点以上の温度で熱処理することでA相とB相とが空間的に分離したナノ相分離構造を構成する(自己組織化)。その際、ポリマーブロック成分の分子量比によって一般的に相分離構造は変化する。具体的には、A:Bの分子量比が1:1の場合には一般的に層状の層状構造をとり、分子量比が1:1からずれるにしたがい、二つの連続相が絡み合ったようなジャイロイド状構造から柱状構造、さらに球状構造へと変化してゆく。なお、図1は、ブロックコポリマーから生成されるナノ相分離構造を示す模式図であり、左から、層状構造(a)、ジャイロイド状構造(b)、柱状構造(c)、球状構造(d)をそれぞれ示しており、右側の構造ほど一般的にAの割合が高い。
本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法においては、先ず、上記のブロックコポリマーの自己組織化を利用して、複数の無機前駆体を三次元的にナノスケールの周期性をもって配置させる。すなわち、互いに混和しない複数のポリマーブロック成分からなるブロックコポリマーは、前述のように自己組織化によりナノスケールで相分離する。その際、本発明においては、ブロックコポリマーを構成する第一ポリマーブロック成分とLiLaZr12前駆体およびLiCoO前駆体のうちの一方である第一無機前駆体と、第二ポリマーブロック成分とLiLaZr12前駆体およびLiCoO前駆体のうちの他方である第二無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用いる。これにより、第一無機前駆体および第二無機前駆体はそれぞれ第一ポリマーブロック成分中および第二ポリマーブロック成分中に十分に導入された状態でブロックコポリマーの自己組織化と共にナノ相分離構造を構成し、ナノ相分離構造を所定の構造とすることによって前記無機前駆体は三次元的にナノスケールの周期性をもって配置される。
さらに、本発明においては、前記LiLaZr12前駆体および前記LiCoO前駆体をそれぞれLiLaZr12およびLiCoOに変換せしめると共にブロックコポリマーを除去することによって、ナノ相分離構造の形状に応じてLiLaZr12およびLiCoOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が三次元的に特定のナノスケールの周期性をもって配置された構造を少なくとも一部に有するナノヘテロ構造体からなる電極材が得られる。なお、本発明においては、前記第一無機前駆体および前記第二無機前駆体と第一ポリマーブロック成分および第二ポリマーブロック成分とをそれぞれ組み合わせて用いることにより、各ポリマーブロック成分に対する各無機前駆体の導入量が十分に多くなり、そのため前記LiLaZr12前駆体および前記LiCoO前駆体をそれぞれLiLaZr12およびLiCoOに変換せしめると共にブロックコポリマーを除去してもナノスケールの三次元的周期構造が十分に維持されると本発明者らは推察する。
なお、本発明における「繰り返し構造の一単位の長さの平均値」とは、一方の無機成分からなるマトリックス中に配置されている他方の無機成分の隣接するもの同士の中心間の距離の平均値であり、いわゆる周期構造の間隔(d)に相当する。係る周期構造の間隔(d)は、以下のように小角X線回折により求められる。また、本発明に係る球状、柱状、ジャイロイド状または層状といった構造についても、以下のように小角X線回折により測定される特徴的な回折パターンにより規定することができる。
すなわち、小角X線回折により、球状、柱状、ジャイロイド状、層状などの形状の構造体がマトリックス中に周期的に配置した擬似結晶格子の特徴的な格子面からのBragg反射が観察される。その際、周期構造が形成されていると回折ピークが観察され、それら回折スペクトルの大きさ(q=2π/d)の比から、球状、柱状、ジャイロイド状、層状などの構造を特定することができる。また、係る回折ピークのピーク位置から、Braggの式(nλ=2dsinθ;λはX線波長、θは回折角を示す。)により、周期構造の間隔(d)を求めることができる。以下の表1に、各構造とピーク位置の回折スペクトルの大きさ(q)の比の関係を示す。なお、表1に示すようなピークが全て確認される必要はなく、観察されたピークから構造が特定できればよい。
また、本発明に係る球状、柱状、ジャイロイド状、層状といった構造を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて特定することも可能であり、それによってその形状や周期性を判別・評価することができる。さらに、様々な方向からの観察や三次元トモグラフィーを用いることによって、三次元性をより詳しく判別することも可能である。
本発明によれば、LiLaZr12およびLiCoOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が三次元的にナノスケールの周期性をもって配置した構造を少なくとも一部に有するナノヘテロ構造体からなり、リチウム二次電池用電極材としての利用率が高い電極材を得ることが可能となる。
A−B型ブロックコポリマーから生成されるナノ相分離構造を示す模式図である。 本発明にかかる相分離処理によって得られるナノ相分離構造体の一例を示す模式図である。 本発明にかかるナノヘテロ構造体の一例を示す模式図である。 本発明のリチウム二次電池の好適な実施態様の一例を示す模式図である。 実施例1で作製した薄膜の(A)透過型電子顕微鏡写真および(B)走査透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で作製した無機構造体粉末のエネルギー分散型X線分光法による分析結果を示す走査透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で作製した無機構造体粉末のX線回折パターンを示すグラフである。 実施例1で作製した電極(正極)のアルミニウム円板を除いた部分の厚みと密度との関係を示すグラフである。 実施例1および比較例1〜3で作製した電極(正極)の厚み(アルミニウム円板部分またはアルミニウム箔部分を除く)と放電容量との関係を示すグラフである。 冷間プレス時の圧力と電極(正極)のアルミニウム円板を除いた部分の密度との関係を示すグラフである。 LiCoOに対するLiLaZr12の割合と放電容量との関係を示すグラフである。 実施例1で作製した電極(正極)のエネルギー分散型X線分光法による分析結果の一例を示す走査透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で作製した電極(正極)のナノヘテロ構造部分の一例を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で作製した電極(正極)の一例を示す透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明のリチウム二次電池用電極材について説明する。本発明のリチウム二次電池用電極材は、LiLaZr12およびLiCoOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中にLiLaZr12およびLiCoOのうちの他方の無機成分が三次元的且つ周期的に配置しており、繰り返し構造の一単位の長さの平均値が1nm〜100nm(より好ましくは1nm〜50nm、特に好ましくは1〜30nm)である三次元的周期構造を少なくとも一部に有しているナノヘテロ構造体からなるものである。
このような本発明のリチウム二次電池用電極材は、従来の製造方法では実現することができなかった、球状構造、柱状構造、ジャイロイド状構造、層状構造(好ましくは、柱状構造、ジャイロイド状構造、層状構造)といったナノ構造を有するものであり、LiLaZr12とLiCoOとの組み合わせについて、それらの配置、組成、構造スケールなどを様々に制御したナノヘテロ構造を有するものとして得ることが可能である。そのため、本発明のリチウム二次電池用電極材によれば、界面増大効果、ナノサイズ効果、耐久性などの飛躍的な向上が発揮され、リチウム二次電池用電極材としての利用率を高めることができる。また、本発明のリチウム二次電池用電極材は、ナノ構造に起因して反応界面の面積が大きく、電荷移動がスムーズに起こるため、出力特性が向上する。その結果、このような電極材を備えるリチウム二次電池においては蓄電池特性の飛躍的な向上が発揮されるようになる。
本発明のリチウム二次電池用電極材を構成するLiLaZr12(以下、「LLZO」と略す)は電極材のリチウムイオン伝導体として機能するものであり、LiCoO(以下、「LCO」と略す)は電極材の正極活物質として機能するものである。従って、本発明のリチウム二次電池用電極材は、リチウム二次電池の正極材として機能するものである。
本発明のリチウム二次電池用電極材においては、LLZOとLCOのいずれがナノヘテロ構造のマトリックスを形成していてもよいが、電極材の体積当りあるいは質量当りの充放電容量を最大にするという観点から、LCOがマトリックスを形成していることが好ましい。電極材の厚みとしては特に制限はないが、薄すぎると電池全体に占める電極の割合が減少し、充放電容量が小さくなるため、通常、1μm以上である。また、電極材の密度としては特に制限はないが、密度が小さすぎると、電極抵抗が増大したり、電極強度が低下したりするため、通常1.0〜5.1g/cmである。さらに、マトリックス中に三次元的且つ周期的に配置している無機成分の断面直径としては、小さすぎると導電パスが形成しにくくなり、大きすぎると界面が減少するという観点から、5〜90nmが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池用電極材において、LLZOとLCOとの割合としては、LCO1モルに対してLLZOが0.05〜0.1モルであることが好ましい。LLZOの割合が前記範囲から逸脱すると、放電容量が低下する傾向にある。
次に、このような本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法について説明する。本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法は、
互いに混和しない少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなるブロックコポリマーと、LLZO前駆体(Li前駆体、La前駆体およびZr前駆体の混合物)およびLCO前駆体(Li前駆体およびCo前駆体の混合物)のうちの一方である第一無機前駆体と、前記LLZO前駆体および前記LCO前駆体のうちの他方である第二無機前駆体と、を溶媒に溶解して原料溶液を調製する第一の工程と、
少なくとも、前記第一無機前駆体が導入された前記第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と、前記第二無機前駆体が導入された前記第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相と、が自己組織化により規則的に配置したナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理と、前記LLZO前駆体および前記LCO前駆体をそれぞれLLZOおよびLCOに変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とを含み、前記LLZOと前記LCOとからなるナノヘテロ構造を有する電極材を得る第二の工程と、
を含む方法である。以下に、それぞれの工程を説明する。
[第一の工程:原料溶液調製工程]
係る工程は、以下に説明するブロックコポリマーと以下に説明する無機前駆体とを溶媒に溶解して原料溶液を調製する工程である。
本発明で用いられるブロックコポリマーは、少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなるものである。このようなブロックコポリマーの具体例として、繰り返し単位aを有するポリマーブロック成分A(第一ポリマーブロック成分)と、繰り返し単位bを有するポリマーブロック成分B(第二ポリマーブロック成分)と、が末端同士で結合した、−(aa…aa)−(bb…bb)−という構造をもつA−B型、A−B−A型のブロックコポリマーがある。また、1種類以上のポリマーブロック成分が中心から放射状に伸びたスター型や、ブロックコポリマーの主鎖に他のポリマー成分がぶらさがった形でもよい。
本発明で用いられるブロックコポリマーを構成するポリマーブロック成分は、互いに混和しないものであれば、その種類に特に限定はない。したがって、本発明で用いられるブロックコポリマーは、極性がそれぞれ異なるポリマーブロック成分からなるものが好ましい。係るブロックコポリマーの具体例としては、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−b−PMMA)、ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(PS−b−PEO)、ポリスチレン−ポリビニルピリジン(PS−b−PVP)、ポリスチレン−ポリフェロセニルジメチルシラン(PS−b−PFS)、ポリイソプレン−ポリエチレンオキシド(PI−b−PEO)、ポリブタジエン−ポリエチレンオキシド(PB−b−PEO)、ポリエチルエチレン−ポリエチレンオキシド(PEE−b−PEO)、ポリブタジエン−ポリビニルピリジン(PB−b−PVP)、ポリイソプレン−ポリメチルメタクリレート(PI−b−PMMA)、ポリスチレン−ポリアクリル酸(PS−b−PAA)、ポリブタジエン−ポリメチルメタクリレート(PB−b−PMMA)などが挙げられる。中でも、ポリマーブロック成分の極性の差が大きいほど導入する前駆体も極性の差が大きいものを用いることができるため、それぞれのポリマーブロック成分に前駆体を導入し易くなるという観点から、PS−b−PVP、PS−b−PEO、PS−b−PAAなどが好ましい。
ブロックコポリマーおよびそれを構成する各ポリマーブロック成分の分子量は、製造するリチウム二次電池用電極材のナノ構造スケール(球や柱などのサイズや間隔)や配置に応じて適宜選択すればよい。例えば、数平均分子量が100〜1000万(より好ましくは1000〜100万)であるブロックコポリマーを用いることが好ましく、数平均分子量が小さいほどナノ構造スケールは小さくなる傾向にある。また、各ポリマーブロック成分の数平均分子量に関しては、各ポリマーブロック成分の分子量比などを調整することにより、後述するナノ相分離構造体の形成工程において自己組織化により得られるナノ相分離構造を所望の構造とすることができ、ひいては、無機成分を所望の形態で配列した構造をもつナノヘテロ構造を有するリチウム二次電池用電極材が得られるようになる。また、後述する熱処理(焼成)または光照射により容易に分解されるブロックコポリマーや、溶媒により容易に除去されるブロックコポリマーを用いることが好ましい。
本発明において、LLZO前駆体は、Li前駆体、La前駆体およびZr前駆体の混合物であり、LCO前駆体は、Li前駆体およびCo前駆体の混合物である。このようなLLZO前駆体およびLCO前駆体は、それぞれ前述したLLZOおよびLCOを後述する変換処理によって形成できる無機前駆体であれば特に制限はない。具体的には、前記LLZOおよびLCOを構成する金属の塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、有機酸塩(アクリル酸塩、サリチル酸塩など))、前記金属を含む炭素数1〜4のアルコキシド(例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド)、前記金属の錯体(例えば、アセチルアセトナート錯体、金属カルボニル)、前記金属を含む有機金属化合物(例えば、フェニル基、炭素数5以上の長鎖炭化水素鎖、シクロオクタテトラエン環、シクロペンタジエニル環、およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の構造を備えるもの)が好ましい。このようなLLZO前駆体およびLCO前駆体は、目的とするナノヘテロ構造を有するリチウム二次電池用電極材を構成するLLZOとLCOとの組み合わせに応じて、且つ、それらが前述の諸条件を満たすように1種または2種以上を適宜選択して使用される。また、原料溶液中のLLZO前駆体とLCO前駆体との割合としては、LCO前駆体1モルに対してLLZO前駆体が0.05〜0.1モルであることが好ましい。LLZO前駆体の割合が前記範囲から逸脱すると、得られる電極材の放電容量が低下する傾向にある。
本発明で用いられる溶媒としては、用いるブロックコポリマーと第一および第二無機前駆体とを溶解できるものであればよく、特に限定されないが、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、クロロホルム、ベンゼンなどが挙げられる。このような溶媒は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本明細書において、「溶解」とは、物質(溶質)が溶媒に溶けて均一混合物(溶液)となる現象であって、溶解後、溶質の少なくとも一部がイオンとなる場合、溶質がイオンに解離せず分子状で存在している場合、分子やイオンが会合して存在している場合、などが含まれる。
本発明においては、前記第一ポリマーブロック成分と前記LLZO前駆体および前記LCO前駆体のうちの一方である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分と前記前駆体のうちの他方である第二無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用い、さらには、前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第二無機前駆体とを組み合わせて用いることが好ましい。このような条件を満たす第一無機前駆体と第二無機前駆体とを組み合わせて用いることにより、後述するナノ相分離構造体を形成する工程において、第一ポリマーブロック成分中に第一無機前駆体が、第二ポリマーブロック成分中に第二無機前駆体がそれぞれ十分に導入された状態でブロックコポリマーの自己組織化と共にナノ相分離構造が構成され、前記無機前駆体は三次元的にナノスケールの周期性をもって配置される。
なお、本発明における「溶解度パラメータ」とは、ヒルデブラントによって導入された正則溶液論により定義されたいわゆる「SP値」であり、以下の式:
溶解度パラメータδ[(cal/cm1/2]=(ΔE/V)1/2
(式中、ΔEはモル蒸発エネルギー[cal]、Vはモル体積[cm]を示す。)
に基づいて求められる値である。
本発明に用いる前記第一ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第一ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことが好ましい。また、前記第二ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第二ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことが好ましい。さらに、これらの両方の条件を満たすことがより好ましい。
さらに、本発明において用いる前記第一無機前駆体は前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2超であることが好ましい。また、前記第二無機前駆体は前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2超であることが好ましい。さらに、これらの両方の条件を満たすことがより好ましい。
このような条件を満たす第一無機前駆体と第二無機前駆体とを組み合わせて用いることにより、後述するナノ相分離構造体を形成する工程において、第一ポリマーブロック成分中に不純物として第二無機前駆体の一部が、また、第二ポリマーブロック成分中に不純物として第一無機前駆体の一部が導入されてしまうことがより確実に防止される傾向にあり、得られるナノヘテロ構造を有するリチウム二次電池用電極材におけるマトリックスを構成する無機成分の純度および/またはマトリックス中に配置される無機成分の純度がより向上する傾向にある。
このような条件を満たす第一および第二ポリマーブロック成分と第一および第二無機前駆体との組み合わせとしては、第一ポリマーブロック成分がポリスチレン成分、ポリイソプレン成分およびポリブタジエン成分からなる群から選択される少なくとも1種の極性の小さいポリマーブロック成分であり、第二ポリマーブロック成分がポリメチルメタクリレート成分、ポリエチレンオキシド成分、ポリビニルピリジン成分およびポリアクリル酸成分からなる群から選択される少なくとも1種の極性の大きいポリマーブロック成分であり、第一無機前駆体が前記有機金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種の極性の小さい無機前駆体であり、第二無機前駆体が前記金属の塩、前記金属を含む炭素数1〜4のアルコキシド、ならびに前記金属のアセチルアセトナート錯体からなる群から選択される少なくとも1種の極性の大きい無機前駆体である組み合わせが好ましい。
また、前記第一無機前駆体および前記第二無機前駆体のうちの少なくとも一方(より好ましくは両方)は、用いる溶媒との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下であることが好ましい。このような条件を満たす第一無機前駆体および/または第二無機前駆体を用いることにより、溶媒に無機前駆体がより確実に溶解し、後述するナノ相分離構造体を形成する工程においてポリマーブロック成分中に無機前駆体がより確実に導入される傾向にある。
さらに、得られる原料溶液における溶質(ブロックコポリマー、第一無機前駆体および第二無機前駆体)の割合は特に限定されないが、原料溶液の全量を100質量%としたときに、溶質の合計量を0.1〜30質量%程度とすることが好ましく、0.5〜10質量%とすることがより好ましい。また、ブロックコポリマーに対する第一および第二無機前駆体の使用量を調整することにより、各ポリマーブロック成分に導入される各無機前駆体の量が調整されるため、得られるナノヘテロ構造を有するリチウム二次電池用電極材におけるLLZOとLCOとの比率やこれらの構造スケール(球や柱などのサイズや間隔)などを所望の程度とすることができる。
[第二の工程:電極材形成工程]
この工程は、以下に詳述する相分離処理と変換処理と除去処理とを含み、LLZOとLCOとからなるナノヘテロ構造を有する電極材を調製する工程である。
先ず、前記第一の工程において調製された原料溶液は、ブロックコポリマー、LLZO前駆体およびLCO前駆体を含むものであるが、本発明においては、前記第一ポリマーブロック成分とLLZO前駆体およびLCO前駆体のうちの一方である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分と前記前駆体のうちの他方である第二無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用い、さらには、前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第二無機前駆体とを組み合わせて用いることが好ましい。これにより、第一無機前駆体および第二無機前駆体はそれぞれ第一ポリマーブロック成分中および第二ポリマーブロック成分中に十分に導入された状態で存在する。そのため、ブロックコポリマーの自己組織化によりナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理により、第一無機前駆体が導入された第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と第二無機前駆体が導入された第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相とが規則的に配置し、前記無機前駆体は三次元的にナノスケールの周期性をもって配置される。
このような相分離処理としては、特に限定されないが、用いるブロックコポリマーのガラス転移点以上の温度で熱処理することにより、ブロックコポリマーは自己組織化され、相分離構造が得られる。
また、本発明にかかるナノ相分離構造体においては、図2に示すように、第一無機前駆体1aを構成する各無機前駆体が第一ポリマー相1b中にナノレベルで分散しており、第二無機前駆体2aを構成する各無機前駆体が第二ポリマー相2b中にナノレベルで分散していることが好ましい。具体的には、LLZO前駆体を構成するLi前駆体、La前駆体およびZr前駆体が一方のポリマー相中にナノレベルで分散しており、LCO前駆体を構成するLi前駆体およびCo前駆体が他方のポリマー相中にナノレベルで分散していることが好ましい。このように、ナノレベルで分散している無機前駆体は、後述する熱処理(焼成)中にポリマー相中を移動しやすく、比較的低温で熱処理(焼成)を実施しても容易にLLZOおよびLCOを形成することができる。
次に、本発明においては、相分離処理により形成されたナノ相分離構造体に対して、前記LLZO前駆体および前記LCO前駆体をそれぞれLLZOおよびLCOに変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とが施される。係る変換処理により前記LLZO前駆体および前記LCO前駆体をそれぞれLLZOおよびLCOに変換せしめると共に、係る除去処理によりブロックコポリマーを除去することによって、ナノ相分離構造の種類(形状)に応じてLLZOおよびLCOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が球状、柱状、ジャイロイド状または層状(好ましくは、柱状、ジャイロイド状または層状)といった形状で三次元的に特定のナノスケールの周期性をもって配置された構造を少なくとも一部に有するナノヘテロ構造体が得られる。
このような変換処理としては、前記無機前駆体が前記無機成分に変換される温度以上で加熱(焼成)して無機成分に変換する工程であってもよいし、前記無機前駆体を加水分解するとともに脱水縮合させて無機成分に変換する工程であってもよい。
また、除去処理としては、ブロックコポリマーが分解する温度以上で熱処理(焼成)することによってブロックコポリマーを分解する工程であってもよいが、溶媒によりブロックコポリマーを溶解して除去する工程や、紫外線などの光照射によりブロックコポリマーを分解する工程であってもよい。
さらに、本発明における前記第二の工程においては、前記第一の工程において調製された原料溶液に対してブロックコポリマーが分解する温度以上で熱処理(焼成)を施すことによって、前記相分離処理、前記変換処理および前記除去処理を一度の熱処理で行うことができる。このように一度の熱処理により前記相分離処理、前記変換処理および前記除去処理を完結させるためには、用いるブロックコポリマーや無機前駆体の種類によっても異なるが、300〜1200℃(より好ましくは400〜900℃)で0.1〜50時間程度の熱処理を施すことが好ましい。
また、このような熱処理は、酸化ガス雰囲気(例えば、空気など)中で行うことが好ましい。酸化ガス雰囲気中で無機前駆体を無機成分に変換せしめることにより、LLZOおよびLCOを備えるナノヘテロ構造体を得ることができる。このような酸化ガス雰囲気中での熱処理の条件は特に制限されないが、300〜1200℃(より好ましくは400〜900℃)で0.1〜50時間程度の処理が好ましい。
さらに、図2に示すように、第一無機前駆体1aを構成する各無機前駆体が第一ポリマー相1b中にナノレベルで分散しており、第二無機前駆体2aを構成する各無機前駆体が第二ポリマー相2b中にナノレベルで分散しているナノ相分離構造体においては、各無機前駆体が熱処理(焼成)中にポリマー相中を移動しやすいため、300〜900℃(より好ましくは400〜700℃)の比較的低い温度で熱処理(焼成)を施した場合でも、容易に無機前駆体を所定の無機成分に変換することができ、図3に示すような第二無機成分2からなるマトリックス中に第一無機成分1が三次元的且つ周期的に配置している構造を有するナノヘテロ構造体を形成することが可能となる。具体的には、LLZO前駆体を構成するLi前駆体、La前駆体およびZr前駆体が一方のポリマー相中にナノレベルで分散しており、LCO前駆体を構成するLi前駆体およびCo前駆体が他方のポリマー相中にナノレベルで分散しているナノ相分離構造体に、比較的低い温度で熱処理(焼成)を施した場合でも、LLZOおよびLCOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が三次元的且つ周期的に配置しているナノヘテロ構造体を容易に形成することができる。
このようにして得られるナノヘテロ構造体は、その全てに、LLZOおよびLCOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が三次元的且つ周期的に配置している構造(三次元的周期構造)が形成されていることが好ましいが、その少なくとも一部に前記三次元的周期構造が形成されていればよい。また、このようなナノヘテロ構造体は二次粒子により形成されていることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法においては、前記第一の工程の後に、前記原料溶液を熱処理容器に装入して前記第二の工程を施し、前記ナノヘテロ構造体からなる電極材を形成してもよい。また、前記原料溶液を基材の表面に塗布した後、前記第二の工程を施して基材の表面に膜状のナノヘテロ構造体からなる電極材を直接形成してもよい。用いる基材の種類に特に限定はなく、得られるリチウム二次電池用電極材の用途などに応じて適宜選択すればよい。また、原料溶液の塗布方法としては、ハケ塗り、スプレー法、ディッピング法、スピン法、カーテンフロー法などが用いられる。
また、本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法においては、前記第二の工程において、ナノヘテロ構造体を得た後、これをプレス成形して電極材を形成することが好ましい。これにより、高密度(好ましくは2.5〜5.1g/cm)の電極材を得ることができる。なお、プレス成形によって高密度の電極材が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明にかかるナノヘテロ構造体(特に、比較的低温で熱処理(焼成)したナノヘテロ構造体)においては、ポリマー成分由来のカーボンがナノヘテロ構造体中の二次粒子の表面に残存しやすい。このように表面にカーボンが付着した二次粒子はプレス成形によって固着しやすいため、バインダーを使用せずに二次粒子を高密着させることができ、その結果、高密度の電極材が形成されると推察される。
プレス成形時の温度としては特に制限はないが、20〜150℃が好ましい。また、プレス成形時の圧力としては300〜700MPaが好ましい。プレス成形時の圧力が前記下限未満になると、電極材の機械的強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、固着した二次粒子の破壊が生じ、二次粒子クラックが多数生じる傾向にある。
また、本発明のリチウム二次電池用電極材の製造方法においては、300MPa以上の圧力で高圧プレス成形することによって、十分な機械的強度を有する厚みが1000μm以上の電極材を形成することが可能となる。一方、圧力が前記下限未満の低圧プレス成形によって、厚みが1000μm以上の電極材を作製すると、十分な機械的強度が得られない傾向にある。なお、高圧プレス成形によって得られる、厚みが1000μm以上の電極材において、十分な機械的強度が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明にかかるナノヘテロ構造体を低圧プレスして得られる電極材においては、上述した二次粒子の固着が起こりにくいため、電極材の厚みの増加とともに、二次粒子の数が増加し、粒界の界面が増加する。この粒界の界面の増加が電極材の機械的強度の低下を引き起こすと推察される。一方、本発明にかかるナノヘテロ構造体を高圧プレス成形して得られる電極材においては、上述したカーボンの作用によりナノヘテロ構造体中の二次粒子が固着しやすいため、電極材の厚みが増加しても、二次粒子の粗大化により粒界の界面が減少し、電極材の機械的強度の低下が抑制される推察される。
このようなプレス成形においては、本発明にかかるナノヘテロ構造体のみをプレス成形して本発明の電極材を製造してもよいが、本発明にかかるナノヘテロ構造体をアルミニウム円板やアルミニウム箔、リチウムイオン伝導体などの各種導電材とともにプレス成形することによって、導電材と本発明の電極材が一体化したリチウム二次電池用部材を製造することも可能である。
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。本発明のリチウム二次電池は、前記本発明の電極材を正極材として備えるものであり、具体的には、前記本発明の電極材と対極とによって電解質を挟持したリチウム二次電池である。前記対極および電解質としては、公知のリチウム二次電池用の負極材および電解質を使用することができる。
また、本発明のリチウム二次電池としては、図4に示すように、前記本発明の電極材を正極材として使用し、他のナノヘテロ構造体からなる電極材を負極材として使用したリチウム二次電池が特に好ましい。このようなリチウム二次電池は、電極材としての利用率が高いナノヘテロ構造体からなる電極材を正極材と負極材の両方に使用しているため、高い出力特性を発揮する。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ブロックコポリマーとしてポリスチレン−b−ポリ(2−ビニルピリジン)(PS−b−P2VP、PS成分の数平均分子量:40.5×10、P2VP成分の数平均分子量:40×10)2gと、LiLaZr12(LLZO)前駆体(Li前駆体、La前駆体およびZr前駆体)としてサリチル酸リチウム(C(OH)COOLi)0.483g、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ランタン(III)水和物(La(CHCOCHCOCH・xHO)0.642gおよびテトラキス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム(IV)(Zr(CHCOCHCOCH)0.522gと、LiCoO(LCO)前駆体(Li前駆体およびCo前駆体)としてサリチル酸リチウム(C(OH)COOLi)1.384gおよびコバルトカルボニル(Co(CO))0.937gとを0.4Lのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、原料溶液を得た。なお、この原料溶液中のLCO前駆体1モルに対するLLZO前駆体の量は0.1モルである。
この原料溶液をスピンコートし、30℃で乾燥して薄膜を形成した。この薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察するとともに、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いてエネルギー分散型X線(EDX)分光分析を行なった。前記薄膜の(A)TEM写真および(B)STEM写真を図5に示す。STEM写真はTEM写真中の白丸部分を観察したものである。また、STEM写真中の点001〜点006における組成を表2に示す。図5および表2に示した結果から、得られた薄膜はナノヘテロ共連続構造を有するものであることが確認された。
次に、前記原料溶液を熱処理容器に入れ、空気気流下、600℃で25時間焼成することによって無機粉末(平均粒子径:3μm)を得た。この無機粉末について小角X線回折測定装置(リガク社製、商品名:NANO−Viewer)を用いて小角X線回折パターンを測定したところ、周期構造の間隔(d)は21nmであり、ジャイロイド状構造に特徴的な回折ピークパターン(ピーク位置の回折スペクトルの大きさ(q)の比)が確認された。
また、得られた無機粉末を走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いてエネルギー分散型X線(EDX)分光分析を行なった。前記無機粉末の各無機成分の分布をマッピングした結果を図6に示す。図6に示した結果から、焼成後の無機粉末においては、LaおよびZrは一様に分布した状態であるが、Coは1nm〜100nmの大きさの領域に凝集していることがわかった。これは、焼成前のナノヘテロ共連続構造は、焼成により縮小し、三次元的周期構造として維持されているが、その一部が焼成によって破壊されているためと推察される。
さらに、得られた無機粉末のX線回折パターンを粉末X線回折装置((株)リガク製「RINT−TTR」)を用いて測定したところ、図7に示すように、LCOおよびLLZOに由来する回折ピークが観測された。この結果から、600℃という低い焼成温度においてもLLZOおよびLCOが形成されることが確認された。なお、LLZO前駆体およびLCO前駆体を構成する各無機前駆体がナノレベルで分散しているため、焼成中に移動しやすく、低温での焼成でもLLZOおよびLCOが形成されたと推察される。
以上の結果から、得られた無機粉末は、LLZOからなるマトリックス中にLCOが三次元的且つ周期的に配置しており、繰り返し構造の一単位の長さの平均値が1nm〜100nmである三次元的周期構造を少なくとも一部に有しているナノヘテロ構造体(LCO1モルに対してLLZOが0.1モル)であることが確認された。
次に、金型(φ14mm×10mm)にアルミニウム円板(φ13.8mm×0.5mm)を入れ、その上に前記無機粉末0.001〜0.1gを充填し、25℃、500MPaで冷間プレスを行い、種々の厚みの電極材を作製した。得られた電極材のアルミニウム円板を除いた部分の厚みと密度とを測定した。その結果を図8に示す。
また、得られた電極材を正極材として、リチウム金属箔(φ14mm×0.4mm)を負極材として用いてこれらの電極材によりポリエチレンオキサイド(PEO)にリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)をドーピングしたポリマー電解質(φ14mm×1mm)を挟持し、電池セルを作製した。この電池セルの放電容量を定電流定電圧充電により3V〜4.2Vの範囲で測定した。電極材(正極材)の厚み(アルミニウム円板部分を除く)と放電容量との関係を図9に示す。
(実施例2)
無機粉末の充填量を0.1〜1gに変更し、300MPaまたは500MPaで冷間プレスを行なった以外は実施例1と同様にして、厚み(アルミニウム円板部分を除く)1500μmの電極材(正極材)を作製し、電極材(正極材)のアルミニウム円板を除いた部分の密度を測定した。その結果を図10に示す。
(実施例3)
アルミニウム円板を用いなかった以外は実施例2と同様にして、厚み2000μmの電極材(正極材)を作製し、電極材(正極材)の密度を測定した。その結果を図10に示す。
(実施例4)
LCO前駆体1モルに対するLLZO前駆体の量が0.05モルである原料溶液を調製した以外は実施例1と同様にして、無機粉末(LCO1モルに対してLLZOが0.05モル)を調製し、さらに、厚み(アルミニウム円板部分を除く)100μmの電極材(正極材)ならびに電池セルを作製して放電容量を測定した。その結果を図11に示す。なお、図11には、実施例1で得られた厚み(アルミニウム円板部分を除く)50μmの電極材(正極材)についての放電容量も示した。
(比較例1)
LLZO前駆体を用いなかった以外は実施例1と同様にして原料溶液(LLZO前駆体の量:0モル)を調製し、LCO粉末(平均粒子径:3μm)を得た。このLCO粉末を用いた以外は実施例1と同様にして、厚み(アルミニウム円板部分を除く)75μmの電極材(正極材)を作製し、さらに電池セルを作製して放電容量を測定した。その結果を図9および図11に示す。
(比較例2)
比較例1と同様にしてLCO粉末(平均粒子径:3μm)を調製した。また、LCO前駆体を用いなかった以外は実施例1と同様にして原料溶液(LCO前駆体の量:0モル)を調製し、LLZO粉末(平均粒子径:3μm)を得た。これらの粉末を乳鉢を用いて混合した後、実施例1と同様にして冷間プレスにより厚み(アルミニウム円板部分を除く)40μmの電極材(正極材)を作製し、さらに電池セルを作製して放電容量を測定した。その結果を図9に示す。
(比較例3)
比較例2と同様にしてLCO粉末(平均粒子径:3μm)およびLLZO粉末(平均粒子径:3μm)を調製した。これらの粉末、カーボン(平均粒子径:0.2μm)およびバインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を混合した。得られた混合物をアルミニウム箔(φ14mm×0.02mm)を入れた金型(φ14mm×10mm)に充填し、25℃、500MPaでプレス成形して、厚み(アルミニウム箔部分を除く)110μmの電極材(正極材)を作製した。この電極材(正極材)を用いた以外は実施例1と同様にして電池セルを作製して放電容量を測定した。その結果を図9に示す。
(比較例4)
冷間プレス時の圧力を75MPaに変更した以外は実施例3と同様にして、厚み2000μmの電極材(正極材)を作製し、電極材(正極材)のアルミニウム円板を除いた部分の密度を測定した。その結果を図10に示す。なお、得られた電極材は非常に脆いものであった。
(比較例5)
LCO前駆体1モルに対するLLZO前駆体の量が0.2モルである原料溶液を調製した以外は実施例1と同様にして無機粉末(LCO1モルに対してLLZOが0.2モル)を調製し、さらに、厚み(アルミニウム円板部分を除く)80μmの電極材(正極材)ならびに電池セルを作製して放電容量を測定した。その結果を図11に示す。
図8に示した結果から明らかなように、プレス時の圧力が同じ場合、電極材の厚みが50μm以下になると、厚みを薄くすることによって電極材の密度が増加し、LCO/LLZO電極材の理論密度(5.1g/cm)に近似することがわかった。一方、電極材の厚みが50μm以上になると、電極材の密度は電極材の厚みに依存せず、2.5〜2.8g/cmになることがわかった。また、比較例3で作製した従来の電極材、すなわち、LCOおよびLLZOにカーボンおよびバインダーを混合して作製した電極材においては、一般に、厚みが100μmの場合に、電極材の密度は0.5〜2.0g/cmになると言われており、実施例1で作製した電極材は、従来の電極材に比べて高密度であることがわかった。
また、図9に示した結果から明らかなように、プレス時の圧力が同じ場合、電極材の厚みを薄くすることによって放電容量が増加し、LCO電極材の理論放電容量(137mAh/g)に近似することがわかった。また、電極材(正極材)の厚みが同じ場合、LCO粉末のみからなる電極材(比較例1)、LCO粉末とLLZO粉末との単純混合物(LCO+LLZO(単純混合))からなる電極材(比較例2)、ならびにLCO粉末とLLZO粉末とカーボンとバインダーとの混合物(LCO+LLZO+カーボン+バインダー)からなる電極材(比較例3)に比べて、ナノヘテロ構造体(ナノヘテロLCO/LLZO)を含む電極材(実施例1)を備える電池セルの放電容量は増加することが確認された。
さらに、図10に示した結果から明らかなように、300MPa以上の圧力で本発明にかかるナノヘテロ構造体をプレス成形することによって、厚みが1000μm以上の電極材(正極材)を、バインダーを使用せずに作製できることがわかった。なお、本発明にかかるナノヘテロ構造体を用いることによって、極めて厚い電極材を作製できる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明においては、LLZOとLCOとからなるナノヘテロ構造体を調製する際に、三次元的周期構造を形成するために、ブロックコポリマーを使用する。このブロックコポリマーの大部分は、焼成によって除去されるが、焼成温度が低いため、一部がカーボンとしてナノヘテロ構造体を構成する二次粒子の表面に残存すると推察される。なお、図12に示すように、ナノヘテロ構造体中のカーボンは、高圧成形により得られた電極材(正極材)においても検出される。このように表面にカーボンが付着した二次粒子は、300MPa以上の高圧成形により図13Aに示すような固着が起こりやすい。その結果、図13Bに示すように、粒子径の大きい粒子が形成され、ナノヘテロ構造体の厚みが増大し、また、粒界の界面が減少して、機械的強度に優れた電極材が形成されると推察される。一方、プレス圧力を100MPaにすると、得られた電極材は非常に脆いものであった。これは、100MPaの低圧成形では、上記のような二次粒子の固着が起こりにくく、粒界の界面が増加したためと考えられる。
また、図11に示した結果から明らかなように、LLZOを含有しない電極材(比較例1)およびLCO1モルに対してLLZOを0.2モル含有する電極材(比較例5)に比べて、LCO1モルに対してLLZOを0.05〜0.1モル含有する電極材(正極材)を備える電池セル(実施例1および4)は、放電容量が増加することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、LiLaZr12およびLiCoOのうちの一方の無機成分からなるマトリックス中に他方の無機成分が三次元的に所定のナノスケールで周期的に配置しているナノヘテロ構造を有する電極材を得ることが可能となる。
そして、このような本発明の電極材は、従来の製造方法では実現することができなかった、球状構造、柱状構造、ジャイロイド状構造、層状構造といったナノ構造を有するものであり、LiLaZr12とLiCoOとの組み合わせについて、それらの配置、組成、構造スケールなどを様々に制御したナノヘテロ構造体として得ることが可能である。
このようなナノヘテロ構造を有する電極材は、界面増大効果、ナノサイズ効果、耐久性などの飛躍的な向上が発揮され、リチウム二次電池用電極材としての利用率を高めることができる。したがって、本発明の電極材は、リチウム二次電池の正極材として有用であり、特に、電解質が固体である全固体リチウム二次電池の正極材として有用である。
1:第一無機成分、1a:第一無機前駆体、1b:第一ポリマー相、2:第二無機成分、2a:第二無機前駆体、2b:第二ポリマー相、11:正極材、12:負極材、13:電解質、14,15:集電体、16:外部電気機器、111:LLZO、112:LCO、121:リチウムイオン伝導体、122:負極活物質。

Claims (4)

  1. 互いに混和しない少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなり、前記第一ポリマーブロック成分がポリスチレン成分、ポリイソプレン成分およびポリブタジエン成分からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第二ポリマーブロック成分がポリメチルメタクリレート成分、ポリエチレンオキシド成分、ポリビニルピリジン成分およびポリアクリル酸成分からなる群から選択される少なくとも1種であるブロックコポリマーと、リチウム塩とランタン錯体とジルコニウム錯体とからなるLiLaZr12前駆体およびリチウム塩とコバルト錯体とからなるLiCoO前駆体のうちの一方である第一無機前駆体と、前記LiLaZr12前駆体および前記LiCoO前駆体のうちの他方である第二無機前駆体と、を溶媒に溶解して原料溶液を調製する第一の工程と、
    少なくとも、前記第一無機前駆体が導入された前記第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と、前記第二無機前駆体が導入された前記第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相と、が自己組織化により規則的に配置したナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理と、前記LiLaZr12前駆体および前記LiCoO前駆体をそれぞれLiLaZr12およびLiCoOに変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とを含み、前記LiLaZr12と前記LiCoOとからなるナノヘテロ構造を有する電極材を得る第二の工程と、
    を含むことを特徴とするリチウム二次電池用電極材の製造方法。
  2. 前記Li La Zr 12 前駆体が、リチウムの有機酸塩とランタンのアセチルアセトナート錯体とジルコニウムのアセチルアセトナート錯体とからなるものであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用電極材の製造方法。
  3. 前記LiCoO 前駆体が、リチウムの有機酸塩とコバルトカルボニルとからなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池用電極材の製造方法。
  4. 前記第一ポリマーブロック成分がポリスチレン成分であり、前記第二ポリマーブロック成分がポリビニルピリジン成分であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のリチウム二次電池用電極材の製造方法。
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