以下に、本発明の実施形態であるバックライトユニット1を備える液晶表示装置100について説明する。図1は、液晶表示装置100を分解して示す図である。液晶表示装置100は、バックライトユニット1と、液晶パネル2と、拡散板3とを備える。
液晶パネル2は、2枚の基板を含み、矩形平板状に構成される。液晶パネル2は、バックライトユニット1が備えるフレーム部材13の底部131の底面131aと液晶パネル2の主面とが略平行になるように、フレーム部材13の側壁部132によって支持される。液晶パネル2は、TFT(thin film transistor)等のスイッチング素子を含み、2枚の基板の隙間には液晶が注入されている。また、この2枚の基板には、画素の駆動制御用のドライバ(ソースドライバ)、種々の素子および配線が設けられている。このように構成される液晶パネル2は、バックライトユニット1から光が照射されることによって、主面の1つである表示画面2aに画像を表示する。
拡散板3は、矩形平板状の部材である。拡散板3は、液晶パネル2とバックライトユニット1との間において、液晶パネル2の主面と拡散板3の主面とが平行になるように、フレーム部材13の側壁部132によって支持される。拡散板3は、バックライトユニット1から照射される光を、拡散板3の面方向に拡散することによって、表示画面2aの輝度が局所的に偏ることを防止する。
本発明の他の実施形態としては、液晶パネル2と拡散板3との間に、プリズムシートを配置してもよい。プリズムシートは、拡散板3を介して到達した光の進行方向を、液晶パネル2の厚み方向に変換し、表示画面2aの輝度を向上させる。
図2に、液晶パネル2側から拡散板3およびバックライトユニット1を平面視したときの様子を示す。バックライトユニット1は、液晶パネル2に対して、表示画面2aとは反対側の主面である背面側から光を照射する直下型の照明装置である。バックライトユニット1は、発光部111および反射部材118をそれぞれ有する複数の発光装置11と、複数のプリント基板12と、フレーム部材13とを含む。
フレーム部材13は、液晶パネル2と予め定められた間隔をあけて対向する平板状の底部131と、底部131に連なり底部131から立ち上がる4つの側壁部132とからなる。底部131は、厚み方向に見たときの形状が矩形状であり、その大きさは液晶パネル2よりも少し大き目である。側壁部132は、底部131のうち、厚み方向に見たときに矩形の短辺をなす2つの端部と、長辺をなす2つの端部とから、液晶パネル2に向かって、それぞれ立ち上がって形成される。フレーム部材13の厚みは、たとえば0.8mm〜1.0mmである。
図3に、プリント基板12の平面図を示す。プリント基板12は、フレーム部材13の底部131の底面131aに固定される。プリント基板12の実装面12aには、複数の発光部111が設けられる。プリント基板12は、略長方形板状の部材であり、幅方向長さ(幅)がたとえば10mmであり、厚み方向長さ(厚み)がたとえば0.8mmである。複数のプリント基板12は、幅方向に並列し、たとえば30mm離間して設けられる。
プリント基板12は、たとえば、導電パターンが両面に印刷されたガラスエポキシからなる基板である。プリント基板12は、フレーム部材13の側壁部132まで延びて設けられ、側壁部132に設けられる、プリント基板12に電力を供給するためのコネクタ132aと、プリント基板12の導電パターンとが接続される。プリント基板12上の各発光部111は、コネクタ132aおよび導電パターンを介して電力が供給される。
プリント基板12には、位置決め用丸孔12bと、位置決め用長孔12cと、複数の固定用孔12dとが形成されている。位置決め用丸孔12bおよび位置決め用長孔12cには、フレーム部材13の底部131の底面131aに形成される、図示しない突起部がそれぞれ挿通される。また、固定用孔12dには、後に説明する図10に示すように、第1固定部材101または第2固定部材102が挿通され、この第1固定部材101または第2固定部材102は、抜止め部材103を介して、フレーム部材13の底部131に形成される円形状の孔(図10に示す孔1311)内に固定される。このようにして、プリント基板12は、フレーム部材13の底部131に対して固定されている。
図2に示すように、複数の発光装置11は、マトリクス状に整列配置される。各発光装置11は、フレーム部材13の底部131の底面131aに垂直な方向(X方向)に平面視したときに正方形状に形成され、この正方形の一辺の長さは、たとえば55mmである。各発光装置11は、液晶パネル2における、この正方形に対向する領域の光量が、たとえば6000cd/m2となるように設計される。
発光装置11は、被照射体である液晶パネル2に向けて光を出射する発光部111と、発光部111の周囲に設けられ、発光部111から出射された光を液晶パネル2に向けて反射する反射部材118とを含む。反射部材118は、プリント基板12を介して、フレーム部材13の底部131に支持されており、X方向に垂直な方向に延在し、X方向に見たときの外形状が多角形状の平板である主反射部1181と、主反射部1181に連なり、主反射部1181の主面に対して傾斜して延在する主面を有する副反射部1182とを含んでいる。
発光部111は、発光ダイオード(LED)チップ111aと、LEDチップ111aを支持する基台111bと、レンズ112とを含む。図4は、基台111bに支持されたLEDチップ111aとレンズ112との位置関係を示す図である。基台111bは、LEDチップ111aを支持するための部材である。基台111bは、LEDチップ111aを支持する支持面が、X方向に平面視したときに正方形状に形成され、この正方形の一辺の長さL1は、たとえば3mmである。また、基台111bのX方向長さは、たとえば1mmである。
図5は、基台111bとLEDチップ111aとを示す図であり、図5(a)が平面図であり、図5(b)が正面図であり、図5(c)が底面図である。基台111bは、セラミックス、樹脂などからなる基台本体111gと、基台本体111gに設けられる2つの電極111cとを含んでおり、LEDチップ111aは、基台111bの支持面となる基台本体111gの上面の中央部に、接着部材111fで固定されている。2つの電極111cは、互いに離間しており、それぞれ、基台本体111gの上面、側面、および底面にわたって設けられる。
2つの電極111cと、LEDチップ111aの図示しない2つの端子とが、2つのボンディングワイヤ111dによってそれぞれ接続される。そして、LEDチップ111aおよびボンディングワイヤ111dは、シリコン樹脂などの透明樹脂111eによって封止される。
図6に、プリント基板12に実装されるLEDチップ111aおよび基台111bを示す。LEDチップ111aは、基台111bを介してプリント基板12に実装され、プリント基板12から液晶パネル2へ向かう方向に光を出射する。LEDチップ111aの光軸Sの延びる方向(光軸S方向)は、X方向である。LEDチップ111aは、発光装置11をX方向に平面視したときに、基台111bの中央部に位置する。複数の発光装置11において、それぞれのLEDチップ111aによる光の出射の制御は、互いに独立して制御可能である。これによって、バックライトユニット1は、部分的な調光制御(ローカルディミング)が可能である。
プリント基板12へLEDチップ111aおよび基台111bを実装するときは、まず、プリント基板12が備える導電パターンの2つの接続端子部121の上に、それぞれ、はんだを付け、このはんだに、基台本体111gの底面に設けられる2つの電極111cがそれぞれ合致するように、たとえば図示しない自動機によって、プリント基板12に、基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載せる。基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載せたプリント基板12は、赤外線を照射するリフロー槽に送られ、はんだは約260℃に熱せられ、基台111bとプリント基板12とがはんだ付けされる。
図4に示すレンズ112は、LEDチップ111aおよびLEDチップ111aを支持する基台111bを覆うように、基台111bに当接して設けられ、LEDチップ111aから出射された光の少なくとも一部を、LEDチップ111aの光軸Sに交差する複数の方向に反射または屈折させる。レンズ112は、透明なレンズであり、たとえばシリコン樹脂やアクリル樹脂などからなる。
レンズ112において、液晶パネル2に対向する面である上面112aは、中央部に凹みを有して湾曲して形成される。また、側面112bは、LEDチップ111aの光軸S方向を軸線方向とする円柱の側面状に形成される。
レンズ112は、光軸Sまわりに回転対称に形成される。レンズ112において、光軸Sに直交する断面の直径L2は、たとえば10mmである。レンズ112は、基台111bに対して外方に延出して設けられている。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに垂直な方向に関して基台111bよりも大きい(レンズ112の直径L2は、基台111bの支持面の一辺の長さL1よりも大きい)。このように、レンズ112が基台111bに対して外方に延出して設けられることによって、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112により広範囲に拡散させることができる。また、レンズ112の高さH1は、たとえば2mmであり、直径L2よりも小さい。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに垂直な方向の最大長さが、高さH1よりも大きい。
上記のように、直径L2を高さH1よりも大きくするのは、バックライトユニット1の薄型化および液晶パネル2への光の均一照射のためである。バックライトユニット1を薄型化するためには、レンズ112の高さH1を小さく、すなわち、レンズ112を極力薄くする必要がある。しかしながら、レンズ112を薄くすると、液晶パネル2の背面に照度むらが発生し易くなり、その結果、液晶パネル2の表示画面2aに輝度むらが発生し易くなる。特に、隣接するLEDチップ111aの間の距離が長い場合、液晶パネル2の背面の、隣接するLEDチップ111aの間となる部分は、2つのLEDチップ111aから遠く離れており、照射光量が少なくなるので、この部分とLEDチップ111aに対向する部分との間で、照度むら(輝度むら)が生じ易くなる。LEDチップ111aから照射された光を、レンズ112を介して、LEDチップ111aから遠く離れた領域に照射させるには、レンズ112の直径L2をある程度大きくする必要があり、本実施形態では、レンズ112の直径L2を、高さH1よりも大きくすることで、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射とを可能にしている。
なお、仮に、レンズ112の高さH1よりも、レンズ112の直径L2を小さくした場合、バックライトユニット1の薄型化および均一照射が困難になるばかりでなく、LEDチップ111aに合わせてレンズ112を成形するインサート成形において、バランスが悪くなり易いという課題が生じる。また、LEDチップ111aおよび基台111bと、インサート成形されたレンズ112とからなる発光部111をプリント基板12にはんだ付けする際に、バランスを崩し易く、組立上にも課題が生じる。
レンズ112の上面112aは、LEDチップ111aに対向し、かつ、拡散板3の主面に平行な中央部分1121と、中央部分1121を取り囲む第1湾曲部分1122と、第1湾曲部分を取り囲む第2湾曲部分1123とを含む。レンズ112の表面において、上面112aの中央部分1121および第2湾曲部分1123ならびに側面112bは、LEDチップ111aから出射され、レンズ112の内部を通って到達した光を透過する透過領域となる。また、上面112aの第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射され、レンズ112の内部を通って到達した光を側面112bに向けて反射する反射領域となる。
なお、本実施形態では、レンズ112は、その底面全体に、光を反射する反射部119が形成される。反射部119は、銀やアルミニウムのシートを張り付けたり、アルミ蒸着を行ったりすることで形成することができる。反射部119の厚みは、たとえば、50μmであり、LEDチップ111aから出射される可視光に対する反射率(全反射率)が、98%以上である。なお、アルミ蒸着は、真空にした容器の中でアルミニウムを加熱させて、蒸着対象物であるレンズ112の底面に付着させて行われる。
レンズ112の上面112aの中央部分1121は、上面112aの中央において、中央部分1121の中心(すなわち、レンズ112の光軸)が、LEDチップ111aの光軸S上に位置するように形成される。上面112aの中央部分1121は、LEDチップ111aの発光面に平行であり、円形状に形成され、この円形状の直径L3は、たとえば1mmである。なお、本発明の他の実施形態としては、中央部分1121の形状を、上記円形状の代わりに、上記円形状の底面を有し、LEDチップ111aに向かって突出する仮想的な円錐の側面状にしてもよい。
レンズ112の上面112aの中央部分1121は、拡散板3の、中央部分1121に対向する領域およびその近傍の領域に光を照射するために形成されている。中央部分1121はLEDチップ111aに対向する部分であるので、LEDチップ111aから出射される光の大半が中央部分1121に到達し、その大半の光がそのまま透過した場合、中央部分1121に対向する領域およびその近傍の領域の照度が際立って大きくなる。そこで、この中央部分1121の形状を、上記円錐の側面状とすることが好ましい。上記円錐の側面状とした場合、大半の光が中央部分1121で反射され、中央部分1121を透過する光は少なくなるので、中央部分1121に対向する領域およびその近傍の領域の照度を抑えることができる。
レンズ112の上面112aの第1湾曲部分1122は、中央部分1121の外周縁端部を取り巻き、この外周縁端部に連なる環状の曲面であり、この曲面は、LEDチップ111aの光軸Sを中心として外方に向かうにつれて光軸S方向の一方(液晶パネル2に向かう方向)に延び、内方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲している。ここで、外周縁端部とは、光軸S方向に平面視したときに、光軸Sを中心として最外方となる部分であり、光軸Sのまわりを1周する部分である。第1湾曲部分1122は、反射領域とするために、曲面の形状が、LEDチップ111aから出射された光が全反射するように設計される。
より詳細には、LEDチップ111aから出射された光のうち、レンズ112の上面112aの第1湾曲部分1122に到達した光は、第1湾曲部分1122で全反射した後、レンズの側面112bを透過し、反射部材118の主反射部1181へ向かう。主反射部1181に到達した光は、主反射部1181で拡散され、拡散光の一部は、拡散板3において、主反射部1181に対向する領域に照射される。また、拡散光の他の一部は、反射部材118の副反射部1182に向かい、副反射部1182や、後述する第1固定部材101および第2固定部材102で拡散され、拡散光は、拡散板3において、副反射部1182、第1固定部材101、および第2固定部材102に対向する領域にそれぞれ照射される。このようにして、LEDチップ111aに対向していない領域への照射光量を増加させることができる。
レンズ112の上面112aの第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射された光を全反射するために、LEDチップ111aから出射された光の入射角度が、臨界角φ以上となるように形成される。たとえば、レンズ112の材質をアクリル樹脂とするとき、アクリル樹脂の屈折率は「1.49」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.49となる。この式から、臨界角φは42.1°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が42.1°以上となる形状に形成される。また、たとえば、レンズ112の材質をシリコン樹脂とするとき、シリコン樹脂の屈折率は「1.43」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.43となる。この式から、臨界角φは44.4°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が44.4°以上となる形状に形成される。
レンズ112の上面112aの第2湾曲部分1123は、第1湾曲部分1122の外周縁端部を取り巻き、この外周縁端部に連なる環状の曲面であり、この曲面は、LEDチップ111aの光軸Sを中心として外方に向かうにつれて光軸S方向の他方(液晶パネル2から離反する方向)に延び、外方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲している。
LEDチップ111aから出射された光のうち、レンズ112の上面112aの第2湾曲部分1123に到達した光は、第2湾曲部分1123を透過するときに、発光部111に向かう方向に屈折して、拡散板3および反射部材118に向かう。反射部材118に到達した光は、拡散して拡散板3に向かう。このように第2湾曲部分1123により拡散板3へ向かう光は、拡散板3において、レンズ112の上面112aの中央部分1121および第1湾曲部分1122によって光が照射される領域とは異なる領域に主に照射され、これによって光量の補完が行われる。なお、第2湾曲部分1123は、光を透過する必要があるので、LEDチップ111aから出射された光を全反射しないように、たとえば入射角度が42.1°未満となる形状に形成される。
このように、レンズ112は、上面112aの中央部分1121の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112の側面112bへ向けて全反射させる第1湾曲部分1122が形成され、この第1湾曲部分1122の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光を屈折させる第2湾曲部分1123が形成されている。LEDチップ111aは一般的に指向性が強く、光軸S付近の光量が極めて大きく、光軸Sに対する光の出射角度が大きくなればなるほど光量が小さくなる。したがって、LEDチップ111aの光軸S(すなわち、レンズ112の光軸)から比較的遠い領域への照射光量を大きくするためには、光軸Sに対する出射角度が大きな光を、この領域へ向けるのではなく、出射角度が小さな光を、この領域へ向ける必要がある。本実施形態では、上記のように、光軸Sが通る中央部分1121の周囲に、上記の領域へ向けて光を全反射させる第1湾曲部分1122が隣接して形成されるので、上記の領域への照射光量を大きくすることができる。これに対して、仮に、中央部分1121の周囲に、第2湾曲部分1123を隣接させて形成し、この第2湾曲部分1123の周囲に、第1湾曲部分1122を隣接して形成した場合、第1湾曲部分1122へ向かう光の光軸Sに対する出射角度が大きくなり、その結果、第1湾曲部分1122で全反射されて上記の領域に照射される光の量は、少なくなってしまう。
図7は、LEDチップ111aから出射された光の光路を模式的に示す図である。LEDチップ111aから出射された光は、レンズ112に入射し、レンズ112で反射および屈折される。具体的には、レンズ112に入射した光のうち、レンズ112の上面112aの中央部分1121に到達した光は、液晶パネル2に向けて矢符A1方向などに出射され、上面112aの第1湾曲部分1122に到達した光は、全反射して側面112bから矢符A2方向などに出射され、上面112aの第2湾曲部分1123に到達した光は、屈折して液晶パネル2に向けて矢符A3方向などに出射される。
本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、レンズ112の中心(すなわち、レンズ112の光軸)がLEDチップ111aの光軸S上に位置し、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、予め高精度に位置合わせされて形成されている。このように、LEDチップ111aとレンズ112とを、予め位置合わせして形成する方法としては、インサート成形や、所定の形状に成形されたレンズ112に基台111bに支持されたLEDチップ111aを嵌合させる方法などを挙げることができる。本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、インサート成形により、予め位置合わせされて形成されている。
インサート成形する際には、大きく分けて、上面金型と下面金型とを使用する。上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、LEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂流入口から注入することにより成形する。なお、上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、基台111bに支持されたLEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂注入口から注入することにより成形するようにしてもよい。このように、LEDチップ111aとレンズ112とをインサート成形により形成することによって、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、高精度に位置合わせすることができる。これによって、バックライトユニット1は、LEDチップ111aから出射された光を、LEDチップ111aに当接したレンズ112により、精度よく反射および屈折させることができるので、後に説明する図10に示す、拡散板3からプリント基板12までの距離H3(H3は、たとえば6mm)が小さい薄型化された液晶表示装置100においても、面方向において輝度が均一になるように、液晶パネル2に光を照射することができる。
次に、反射部材118について説明する。図8は、4つの反射部材118の平面図である。図8は、図2における右下隅の4つの反射部材118に対応する。なお、図8において2点鎖線で示す正方形は、複数の反射部材118が一体成形される場合には現れない図形であるので、2点鎖線で表している。後に説明する図11および図17においても同様である。図9は、1つの反射部材118の斜視図である。図10は、図2に示す線A−Aで切断したときの液晶表示装置100の断面図である。
反射部材118は、LEDチップ111aから出射される光に対して高い反射率、理想的には100%の反射率を有する部材である。本実施形態では、反射部材118は白色であり、LEDチップ111aから出射される光に対して95%〜98%の全反射率を有する。反射部材118を構成する材料自身の反射率は、JIS K 7375に準拠して測定することができる。
反射部材118は、高輝性PET(Polyethylene Terephthalate)、アルミニウムなどからなる。高輝性PETとは、蛍光剤を含有した発泡性PETであり、たとえば、東レ株式会社製のE60V(商品名)などを挙げることができる。反射部材118は、X方向に平面視したときの外形状が多角形状、たとえば略正方形状であり、この正方形状の1辺の長さを55mmとするとき、隣接する反射部材118の中心間の間隔は、たとえば55mm〜58mmである。
反射部材118の主反射部1181は、厚みが0.1mm〜0.5mmの平板状部材であり、X方向に平面視したときの外形状は多角形状、たとえば正方形状である。主反射部1181は、プリント基板12上において、LEDチップ111aの光軸Sに垂直な方向に延在して設けられ、X方向に平面視したときの正方形の各辺が、複数のLEDチップ111aの配列方向(マトリクス状の配列における行方向または列方向)と平行になるように形成される。
主反射部1181は、X方向に平面視したときに、中央部に円形状の開口部が設けられる。この円形状の開口部の直径の長さは、LEDチップ111aを被覆するレンズ112の直径の長さL2と同程度の10mm〜13mmであり、プリント基板12にレンズ112を含む発光部111が実装された後、反射部材118をプリント基板12上に設置する際、この開口部に発光部111が挿通される。
反射部材118の副反射部1182は、主反射部1181の4つの角部分1181aにそれぞれ連なって設けられる。ここで、主反射部1181の角部分1181aとは、主反射部1181をX方向に平面視したときに正方形状の主反射部1181の角の点から所定の距離以内となる部分であり、この所定の距離は、たとえば、正方形状の主反射部1181の1辺の長さの2%〜20%である。また、主反射部1181をX方向に平面視したときに正方形状の主反射部1181の外周縁端部となる部分のうち、4つの角部分1181aを除いた部分を、4つの辺部分1181bと称する。正方形状の主反射部1181の外周縁端部とは、光軸S方向(X方向)に平面視したときに、光軸Sのまわりを1周する部分であり、光軸Sを中心として光軸Sに垂直な各方向において最外方となる所定の幅の部分である。所定の幅とは、たとえば、正方形状の主反射部1181の1辺の長さの1%〜10%の幅である。
各副反射部1182は、対応する角部分1181aとこの角部分1181aに隣接する2つの辺部分1181bのうちの一方とに連なる第1傾斜片1182aと、対応する角部分1181aとこの角部分1181aに隣接する2つの辺部分1181bのうちの他方とに連なる第2傾斜片1182bとからなる。以下では、第1傾斜片1182aと第2傾斜片1182bとを区別せずに、「傾斜片」と称する場合がある。
各副反射部1182の第1傾斜片1182aおよび第2傾斜片1182bの主面は、発光部111に臨み、LEDチップ111aの光軸S方向に垂直な方向において主反射部1181から離れるにつれて光軸S方向においてプリント基板12から遠ざかり、拡散板3へ向かうように、傾斜して延びて形成される。各副反射部1182において、主反射部1181のそれぞれ異なる辺部分1181bに連なる第1傾斜片1182aおよび第2傾斜片1182bは、それぞれ異なる傾斜方向に傾斜する。ただし、主反射部1181に対する第1傾斜片1182aおよび第2傾斜片1182bの傾斜角度はすべて等しいことが好ましく、たとえば、図10に示す傾斜角度θは、100°である。なお、傾斜角度θは、100°には限られず、90°以上180°未満の範囲内で適宜設定することができる。
副反射部1182の高さH2は、たとえば1mm〜5mmであり、本実施形態では、1.5mmである。ここで、高さH2は、副反射部1182の、X方向において主反射部1181の表面から最も離間した部分と、主反射部1181の表面との、X方向における距離である。
上記のように構成され、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる反射部材118は、互いに一体的に成形されるのが好ましい。複数の反射部材118を一体成形する方法としては、反射部材118が発泡性PETにより構成されている場合には押出し成型加工を挙げることができ、反射部材118がアルミニウムにより構成されている場合にはプレス加工を挙げることができる。このように、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる反射部材118を一体成形することによって、各発光部111の、各反射部材118に対する配置位置の精度を向上することができ、その結果、反射部材118によって、被照射体の輝度が面方向においてより均一となるように光を反射することができる。また、反射部材118を一体成形することにより、バックライトユニット1の組立作業時に、反射部材118を取り付ける作業数を低減することができるので、組立作業の効率を向上することができる。
複数の反射部材118が一体成形される場合、隣接する副反射部1182同士が連なって設けられる。また、本実施形態では、以下に説明するように、副反射部1182以外の部分においても反射部材118同士は接続される。
図11に、一体成形される複数の反射部材118の平面図を示す。図11は、図2における右下隅の4つの反射部材118に対応する。図11に示すように、本実施形態では、マトリクス状に隣接して配置される2つの主反射部1181の間に、第1連結部1183が設けられ、第1連結部1183によって、2つの主反射部1181における隣接する辺部分1181b同士が接続される。また、本実施形態では、マトリクス状に複数配列される反射部材118のうち、バックライトユニット1の最外方に配置される主反射部1181の最外方側の辺部分1181bに、第2連結部1184が設けられる。上記のように第1,2連結部1183,1184とともに一体に構成される複数の反射部材118を、以下では、一体型反射部材18と称する。なお、図11では、一部の第1連結部1183および第2連結部1184を省略して示している。
図12に、2つの主反射部1181が第1連結部1183によって連結されている様子を示す。図12では、一部の副反射部1182、第1連結部1183、および第2連結部1184を省略して示している。図11および図12に示すように、第1連結部1183は、2つの主反射部1181の辺部分1181bの、辺に平行な方向における中央部に連なる。また、第1連結部1183は、X方向に平面視したときの中央部に円形状の孔1183aが形成される。この孔1183aに対向して、フレーム部材13の底部131には、図10に示す円形状の孔1311が形成される。また、第1連結部1183の孔1183aとフレーム部材13の底部131の孔1311との間にプリント基板12が配置される場合、プリント基板12の固定用孔12dが、孔1183aおよび孔1311に対向する。
なお、第1連結部1183が設けられる位置は、主反射部1181の辺部分1181bの、辺に平行な方向における中央部でなくてもよく、角部分1181aに近接した位置であってもよい。また、孔1183aが形成される位置は、第1連結部1183の中央部でなくてもよく、角部分1181aに近接した位置であってもよい。
第1連結部1183は、反射部材118と同一の材料から一体成形することができる。第1連結部1183は、2つの凸部11831と平板部11832とを有する。
平板部11832は、主面の外形が矩形状であり、2つの主反射部1181の辺部分に連なり、中央部に孔1183aが形成される。本実施形態では、平板部11832の厚みは主反射部1181の厚みに等しく、拡散板3に対向する面が同一平面状になる。なお、孔1183aは、平板部11832に連なる主反射部1181の辺部分1181bにわたって形成されていてもよい。
2つの凸部11831は、平板部11832から被照射体である液晶パネル2へ向かって突出する。2つの凸部11831は、平板部11832に連なる2つの主反射部1181の隣接する辺部分1181bの辺に平行な方向に延び、平板部11832の主面上において、この方向で、孔1183aを挟む位置に設けられる。X方向に平面視したとき、凸部11831は、平板部11832に連なる2つの主反射部1181の外に位置する。凸部11831の高さ、すなわち、凸部11831の、X方向において主反射部1181の表面から最も離間した部分と、主反射部1181の表面との、X方向における距離は、副反射部1182の高さH2よりも低く、その差はたとえば0.5mm〜3mmである。
2つの凸部11831のうちの一方の凸部11831は、平板部11832に連なる2つの主反射部1181の辺部分1181bに連なる4つの副反射部1182のうちの、隣接する2つの副反射部1182に連なる。より詳細には、一方の凸部11831は、この隣接する2つの副反射部1182間で隣接する2つの傾斜片に連なる。2つの凸部11831のうちの他方の凸部11831は、平板部11832に連なる2つの主反射部1181の辺部分1181bに連なる4つの副反射部1182のうちの、一方の凸部11831に連なる副反射部1182とは異なる2つの副反射部1182に連なる。より詳細には、他方の凸部11831は、この2つの副反射部1182間で隣接する2つの傾斜片に連なる。
第1連結部1183の各凸部11831は、平板部11832に連なる2つの主反射部1181の辺部分1181bの辺に垂直な方向において、各凸部11831に連なる2つの傾斜片のうちの一方側の傾斜片側に、主反射部1181に対して傾斜して延在する傾斜反射面11831aを有する。この傾斜反射面11831aの傾斜方向は、一方側の傾斜片の主面の傾斜方向と同じである。傾斜反射面11831aの傾斜角度は、一方側の傾斜片の主面の傾斜角度と等しいか、それよりも大きいことが好ましく、本実施形態では、10°程度大きい。また、第1連結部1183の各凸部11831は、平板部11832に連なる2つの主反射部1181の辺部分1181bの辺に垂直な方向において、各凸部11831に連なる2つの傾斜片のうちの他方側の傾斜片側に、傾斜反射面11831bを有する。この傾斜反射面11831bの傾斜方向は、他方側の傾斜片の主面の傾斜方向と同じである。傾斜反射面11831bの傾斜角度は、他方側の傾斜片の主面の傾斜角度と等しいか、それよりも大きいことが好ましく、本実施形態では、10°程度大きい。
図12に示すように、第2連結部1184は、最外方に配置される主反射部1181の最外方側の辺部分1181bの、辺に平行な方向における中央部に連なる。また、第2連結部1184は、X方向に平面視したときの中央部に円形状の孔1184aが形成される。この孔1184aに対向して、フレーム部材13の底部131には、図10に示す円形状の孔1311が形成される。また、第2連結部1184の孔1184aとフレーム部材13の底部131の孔1311との間にプリント基板12が配置される場合、プリント基板12の固定用孔12dが、孔1183aおよび孔1311に対向する。
なお、第2連結部1184が設けられる位置は、主反射部1181の辺部分1181bの、辺に平行な方向における中央部でなくてもよく、角部分1181aに近接した位置であってもよい。また、孔1184aが形成される位置は、第2連結部1184の中央部でなくてもよく、角部分1181aに近接した位置であってもよい。
第2連結部1184は、反射部材118と同一の材料から一体成形することができる。第2連結部1184は、2つの凸部11841と平板部11842とを有する。
平板部11842は、主面の外形が矩形状であり、最外方に配置される主反射部1181の最外方側の辺部分1181bに連なり、中央部に孔1184aが形成される。本実施形態では、平板部11842の厚みは主反射部1181の厚みに等しく、拡散板3に対向する面が同一平面状になる。なお、孔1184aは、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bにわたって形成されていてもよい。
2つの凸部11841は、平板部11842から被照射体である液晶パネル2へ向かって突出する。2つの凸部11841は、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bの辺に平行な方向に延び、平板部11842の主面上において、この方向で、孔1184aを挟む位置に設けられる。X方向に平面視したとき、凸部11841は、平板部11842に連なる主反射部1181の外に位置する。凸部11841の高さ、すなわち、凸部11841の、X方向において主反射部1181の表面から最も離間した部分と、主反射部1181の表面との、X方向における距離は、副反射部1182の高さH2よりも低く、その差はたとえば0.5mm〜3mmである。
2つの凸部11841のうちの一方の凸部11841は、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bに連なる2つの副反射部1182のうちの一方の副反射部1182に連なる。より詳細には、一方の凸部11841は、この一方の副反射部1182の、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bに連なる傾斜片に連なる。2つの凸部11841のうちの他方の凸部11841は、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bに連なる2つの副反射部1182のうちの他方の副反射部1182に連なる。より詳細には、他方の凸部11841は、この他方の副反射部1182の、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bに連なる傾斜片に連なる。
第2連結部1184の各凸部11841は、平板部11842に連なる主反射部1181の辺部分1181bの辺に垂直な方向において、各凸部11841に連なる傾斜片の主面の傾斜方向と同じ傾斜方向の傾斜反射面11841aを有する。傾斜反射面11841aの傾斜角度は、連なる傾斜片の主面の傾斜角度と等しいか、それよりも大きいことが好ましく、本実施形態では、10°程度大きい。
このような一体型反射部材18は、第1固定部材101および第2固定部材102と、これらのいずれか1つが挿入される複数の抜止め部材103とによって、フレーム部材13の底部131に対して固定される。図13は、第1固定部材101の斜視図である。図13(a)は、第1固定部材101を拡散板3側から見たときの様子を表し、図13(b)は、第1固定部材101をフレーム部材13の底部131側から見たときの様子を表している。図14は、第2固定部材102の斜視図である。図14(a)は、第2固定部材102を拡散板3側から見たときの様子を表し、図14(b)は、第2固定部材102をフレーム部材13の底部131側から見たときの様子を表している。
図15は、第1固定部材101または第2固定部材102が挿入される前の、抜止め部材103の平面図および底面図である。図16は、図15に示す線B−Bで切断したときの抜止め部材103の断面図である。図17は、図11に示す一体型反射部材18を、第1固定部材101および第2固定部材102によって、フレーム部材13の底部131に固定したときの様子を表す図であり、図11に対応する。図18は、図17に示す線C−Cで切断したときの一体型反射部材18および第1固定部材101の断面図である。
第1固定部材101は、白色の樹脂材料、たとえば、ポリカーボネイトの高反射グレードを材料として成形される。第1固定部材101は、2つの傾斜部1011、ならびに固定部および支持部を有する。本実施形態では、固定部および支持部は、略円柱状の軸体1012に相当する。この軸体1012は、X方向に延び、拡散板3側の先端部が先細の円錐台状となっている。軸体1012は、拡散板3側の先端において拡散板3に接触し、拡散板3を支持する。これによって、拡散板3の撓みを防止することができる。なお、拡散板3との接触箇所において暗くならないように、軸体1012は、拡散板3に対して点接触することが望ましいが、強度に問題が生じるので、先端部を円錐台状としている。
第1固定部材101の軸体1012のフレーム部材13側の部分は、第1連結部1183の孔1183aおよびフレーム部材13の底部131の孔1311に挿通され、この孔1311に設けられる抜止め部材103を介して、この孔1311内に固定される。なお、第1連結部1183の孔1183aとフレーム部材13の底部131の孔1311との間にプリント基板12が配置される場合、プリント基板12の固定用孔12dにも、第1固定部材101の軸体1012のフレーム部材13側の部分が挿通される。
抜止め部材103は、白色の樹脂材料、たとえば、ポリカーボネイトの高反射グレードを材料として成形される。抜止め部材103は、4本の棒状部分103aと円環状部分103bとを有しており、この棒状部分103aは、拡散板3側からフレーム部材13の底部131側に向かうにつれて、内側の間隔W1が狭くなるように設けられる。拡散板3側における間隔W1は軸体1012の径にほぼ等しく、フレーム部材13の底部131側における間隔W1は軸体1012の径未満である。また、棒状部分103aの外側の間隔W2は、孔1311の径に等しい。また、円環状部分103bの開口径は、軸体1012の径にほぼ等しい。また、円環状部分103bの外径は、第1,2連結部1183,1184の孔1183a,1184aの径、および、プリント基板12の固定用孔12dの径よりも小さい。
フレーム部材13の底部131の孔1311に挿通される4本の棒状部分103aの間の空間に、第1固定部材101の軸体1012が挿通されることにより、図10に示すように、4本の棒状部分103aが、軸体1012から遠ざかるようにそれぞれ変形する。その結果、軸体1012が、フレーム部材13の底部131に対して固定される。なお、このとき、図10に示すように、軸体1012のフレーム部材13側の端部の先端は、孔1311から突出している。
第1固定部材101の2つの傾斜部1011は、軸体1012の拡散板3側の部分に接続される。傾斜部1011は、軸体1012が挿通される第1連結部1183に連なる2つの主反射部1181に対応して、それぞれ設けられる。
各傾斜部1011は、対応する主反射部1181の、第1連結部1183に連なる辺部分1181bにそれぞれ当接または近接し、対応する主反射部1181がフレーム部材13の底部131から離反するのを防ぐ。傾斜部1011と辺部分1181bとが近接する場合、X方向における傾斜部1011と辺部分1181bとの間隔L4は、たとえば0.1mm〜1mmである。上述したように、第1固定部材101の軸体1012がフレーム部材13の底部131の孔1311内に固定されるので、軸体1012に連なる各傾斜部1011もフレーム部材13に対して固定され、その結果、主反射部1181の辺部分1181bは、間隔L4以上の距離で、フレーム部材13の底部131から離反するのが規制される。したがって、主反射部1181を含む一体型反射部材18は、フレーム部材13に対して固定されることになる。
なお、好ましくは、各傾斜部1011は、主反射部1181に当接するのではなく、近接するように設けられる。その理由は、一体型反射部材18が発光部111によって発生する熱などで熱膨張したときに、一体型反射部材18に皺が発生しないようにするためである。発光部111による熱で一体型反射部材18が主反射部1181の主面方向(X方向に垂直な方向)に伸長しようとするときに、主反射部1181に各傾斜部1011が当接していなければ、伸長するのが阻害されないので、一体型反射部材18に皺が発生するのが抑えられる。
2つの傾斜部1011は、図18に示すように、逆V字状に連なっており、凹部を形成する。この凹部内に、第1連結部1183の凸部11831が位置する。その結果、第1固定部材101が、軸体1012の軸線まわりに回転するのが抑制される。すなわち、第1連結部1183の凸部11831は、第1固定部材101の回転による傾斜部1011の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制部として機能する。なお、2つの傾斜部1011によって形成される凹部内に凸部11831が位置するように設けられているので、この2つの傾斜部1011は、凸部11831を有する第1連結部1183が連なる各辺部分1181bの辺に平行な方向における、この辺部分1181bの中央部に設けられることになる。
図17に示すように、各傾斜部1011は、当接または近接する辺部分1181bの辺に平行な方向において、隣接する副反射部1182の傾斜片に対して間隙を空けて設けられる。したがって、第1連結部1183の凸部11831の傾斜反射面11831a,11831bは、辺部分1181bの辺に平行な方向において傾斜部1011と副反射部1182との間に設けられ、発光部111に対して露出することになる。これにより、発光部111から出射された光の一部は、傾斜反射面11831a,11831bによって被照射体である液晶パネル2に向けて反射されることになる。なお、辺部分1181bの辺に平行な方向における、傾斜部1011と副反射部1182との間隔L5は、たとえば0.1mm〜2mmであり、本実施形態では、1mmである。
また、図10に示すように、各傾斜部1011は、隣接する副反射部1182の傾斜片と同じ傾斜方向に傾斜して延在する。これにより、各傾斜部1011は、発光部111から出射された光を、被照射体である液晶パネル2に向けて反射することができる。なお、本実施形態では、傾斜部1011の傾斜角度は、隣接する副反射部1182の傾斜片の傾斜角度に等しい。
また、図18に示すように、各傾斜部1011は、隣接する副反射部1182よりも、高さが高く設けられる。すなわち、傾斜部1011の、X方向において主反射部1181の表面から最も離間した部分と、主反射部1181の表面との、X方向における距離である高さH4は、副反射部1182の高さH2よりも高い。傾斜部1011の高さH4は、たとえば4mm〜5mmであり、本実施形態では、4.5mmである。
傾斜部1011の全反射率は、副反射部1182の全反射率と略等しく、たとえば、90%程度である。ここで、略等しいとは、傾斜部1011の全反射率が、副反射部1182の全反射率±10%の範囲内であることを意味する。
第2固定部材102は、第1固定部材101の傾斜部1011を2つから1つにした形状の部材であり、傾斜部1021と軸体1022とを有する。第2固定部材102は、白色の樹脂材料、たとえば、ポリカーボネイトの高反射グレードを材料として成形される。
第2固定部材102の軸体1022は、X方向に延び、拡散板3側の先端部が先細の円錐台状となっている。軸体1022は、拡散板3側の先端において拡散板3に接触し、拡散板3を支持する。
第2固定部材102の軸体1012のフレーム部材13側の部分は、第2連結部1184の孔1184aおよびフレーム部材13の底部131の孔1311に挿通され、この孔1311に設けられる抜止め部材103を介して、この孔1311内に固定される。なお、第2連結部1184の孔1184aとフレーム部材13の底部131の孔1311との間にプリント基板12が配置される場合、プリント基板12の固定用孔12dにも、第2固定部材102の軸体1022のフレーム部材13側の部分が挿通される。
第2固定部材102の傾斜部1021は、軸体1022の拡散板3側の部分に接続される。傾斜部1021は、軸体1022が挿通される第2連結部1184に連なる最外方の主反射部1181に対応して設けられる。
傾斜部1021は、対応する主反射部1181の、第2連結部1184に連なる辺部分1181bに当接または近接し、この主反射部1181がフレーム部材13の底部131から離反するのを防ぐ。傾斜部1021と辺部分1181bとが近接する場合、X方向における傾斜部1021と辺部分1181bとの間隔L6は、たとえば0.1mm〜1mmである。上述したように、第2固定部材102の軸体1022がフレーム部材13の底部131の孔1311内に固定されるので、軸体1022に連なる傾斜部1021もフレーム部材13に対して固定され、その結果、主反射部1181の辺部分1181bは、間隔L6以上の距離で、フレーム部材13の底部131から離反するのが規制される。したがって、主反射部1181を含む一体型反射部材18は、フレーム部材13に対して固定されることになる。
なお、好ましくは、傾斜部1021は、主反射部1181に当接するのではなく、近接するように設けられる。その理由は、一体型反射部材18が発光部111によって発生する熱などで熱膨張したときに、一体型反射部材18に皺が発生しないようにするためである。発光部111による熱で一体型反射部材18が主反射部1181の主面方向(X方向に垂直な方向)に伸長しようとするときに、主反射部1181に傾斜部1021が当接していなければ、伸長するのが阻害されないので、一体型反射部材18に皺が発生するのが抑えられる。
傾斜部1021は、図10に示すように、第2連結部1184の凸部11841に沿って配置される。その結果、第2固定部材102が、軸体1022の軸線まわりに回転するのが抑制される。すなわち、第2連結部1184の凸部11841は、第2固定部材102の回転による傾斜部1021の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制部として機能する。なお、傾斜部1021が凸部11841に沿って設けられているので、この傾斜部1021は、凸部11841を有する第2連結部1184が連なる辺部分1181bの辺に平行な方向における、この辺部分1181bの中央部に設けられることになる。
図17に示すように、傾斜部1021は、当接または近接する辺部分1181bの辺に平行な方向において、隣接する副反射部1182の傾斜片に対して間隙を空けて設けられる。したがって、第2連結部1184の凸部11841の傾斜反射面11841aは、辺部分1181bの辺に平行な方向において傾斜部1021と副反射部1182との間に設けられ、発光部111に対して露出することになる。これにより、発光部111から出射された光の一部は、傾斜反射面11841aによって被照射体である液晶パネル2に向けて反射されることになる。なお、辺部分1181bの辺に平行な方向における、傾斜部1021と副反射部1182との間隔L7は、たとえば0.1mm〜2mmであり、本実施形態では、1mmである。
また、図10に示すように、傾斜部1021は、隣接する副反射部1182の傾斜片と同じ傾斜方向に傾斜して延在する。これにより、傾斜部1021は、発光部111から出射された光を、被照射体である液晶パネル2に向けて反射することができる。なお、本実施形態では、傾斜部1021の傾斜角度は、隣接する副反射部1182の傾斜片の傾斜角度に等しい。
また、図10に示すように、傾斜部1021は、隣接する副反射部1182よりも、高さが高く設けられる。すなわち、傾斜部1021の、X方向において主反射部1181の表面から最も離間した部分と、主反射部1181の表面との、X方向における距離である高さH5は、副反射部1182の高さH2よりも高い。傾斜部1021の高さH5は、たとえば4mm〜5mmであり、本実施形態では、4.5mmである。
傾斜部1021の全反射率は、副反射部1182の全反射率と略等しく、たとえば、90%程度である。ここで、略等しいとは、傾斜部1021の全反射率が、副反射部1182の全反射率±10%の範囲内であることを意味する。
本実施形態では、以上のような第1,2固定部材101,102によって、一体型反射部材18をフレーム部材13の底部131に対して固定することができるとともに、発光部111から出射された光を、第1,2固定部材101,102の傾斜部1011,1021によって液晶パネル2へ向けて反射させることができ、これによって、液晶パネル2の面方向における輝度が均一となるように、液晶パネル2に光を照射することができる。なお、本発明としては、第1,2固定部材101,102をすべて備える必要は無く、いずれか1種を少なくとも備えていればよい。
また、本実施形態では、傾斜部1011、1021は、光軸S方向(X方向)において、副反射部1182よりも高さが高く設けられる。本実施形態のように、一体型反射部材18とは異なる部材である第1,2固定部材101,102によって、この一体型反射部材18をフレーム部材13の底部131に固定する場合、部材の境界が存在する辺部分1181b近傍において、被照射体である液晶パネル2への照射光量が低下するおそれがあるが、傾斜部1011,1021の高さH4,H5が高いので、照射光量が補われ、照射光量の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、傾斜部1011,1021は、凸部11831,11841を有する第1,2連結部1183,1184が連なる辺部分1181bの辺に平行な方向における、この辺部分1181bの中央部に設けられる。上述したように、一体型反射部材18と第1,2固定部材101,102との境界が存在する部分では照射光量が低下するので、この境界が角部分1181a寄りに位置すると、照射光量が不足しがちな角部分1181aの照射光量がより少なくなってしまうが、本実施形態では、傾斜部1011,1021が辺部分1181bの中央部に設けられ、それによって、この境界が辺部分1181bの中央寄りに位置することになるので、角部分1181aにおける照射光量の低下を防ぐことができる。
本発明の他の実施形態として、傾斜部1011,1021を、副反射部1182よりも高さを高くする代わりに、高さは同じとして、傾斜角度を大きくしてもよい。図19に、傾斜部1011,1021の傾斜角度を大きくした例を示す。図19は、図10に対応している。図19のように傾斜部1011,1021の傾斜角度を大きくすることによっても、部材の境界に起因する照射光量の低下を抑制することができる。なお、傾斜部1011,1021について、副反射部1182と比較して、高さを高くし、かつ、傾斜角度を大きくしてもよい。
また、本実施形態では、一体型反射部材18は、傾斜部1011,1021の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制部として機能する凸部11831,11841を有する。凸部11831,11841によって傾斜部1011,1021の位置ずれが抑制されることで、被照射体である液晶パネル2の照度むらの発生を抑制することができる。なお、位置ずれ抑制部としては、凸部11831,11841でなくてもよい。
図20および図21に、本発明の他の実施形態における位置ずれ抑制部を示す。図20,21は、図12に対応している。本発明の他の実施形態における位置ずれ抑制部としては、図20に示すように、凸部11831,11841を設ける代わりに、平板部11832,11842に、2つ目の孔1183b,1184bを形成してもよい。この場合、第1,2固定部材101,102には、2つ目の孔1183b,1184bに挿通される2つ目の軸体が設けられる。なお、この2つ目の孔1183b,1184bの代わりに、平板部11832,11842に、第1,2固定部材101,102の2つ目の軸体が嵌合される凹部が形成されてもよい。
また、本発明の他の実施形態における位置ずれ抑制部としては、図21に示すように、凸部11831,11841を設ける代わりに、平板部11832,11842を、凸部11831,11841と同じ突出方向に折り曲げ、凸状の板1185,1186としてもよい。この場合には、第1,2固定部材101,102に2つ目の軸体を設ける必要はなく、そのまま、第1,2固定部材101,102を用いることができる。
本実施形態では、傾斜部1011,1021は、当接または近接する辺部分1181bの辺に平行な方向において、隣接する副反射部1182の傾斜片に対して間隙を空けて設けられる。これにより、第1,2固定部材101,102によって一体型反射部材18を固定するときに、第1,2固定部材101,102と一体型反射部材18とが干渉し難くなり、固定が容易になる。また、傾斜部1011,1021が副反射部1182に当接しないので、一体型反射部材18が発光部111によって発生する熱などで主反射部1181の主面方向(X方向に垂直な方向)に伸長しようとするときに、伸長するのが阻害されないので、一体型反射部材18に皺が発生するのが抑えられる。
また、本実施形態では、傾斜部1011,1021が副反射部1182に当接しないので、凸部11831,11841の傾斜反射面11831a,11831b,11841aが、発光部111に対して露出することになり、この傾斜反射面11831a,11831b,11841aによって、被照射体である液晶パネル2に向けて光を反射することができる。よって、第1,2固定部材101,102を設けることによる照射光量の低下を抑制することができる。さらに、この傾斜反射面11831a,11831b,11841aの傾斜角度が、副反射部1182よりも大きいので、照射光量の低下をより抑制することができる。
本発明の他の実施形態としては、傾斜部1011,1021の、辺部分1181bの辺に平行な方向における副反射部1182側の端部が、この副反射部1182に対して、光軸S方向(X方向)に重なって設けられてもよい。図22に、傾斜部1011,1021が副反射部1182に重なる例を示す。この例では、副反射部1182が位置ずれ抑制部として機能するので、第1,2連結部1183,1184には、凸部11831,11841が設けられていない。この例のように構成しても、第1,2固定部材101,102によって一体型反射部材18をフレーム部材13の底部131に対して固定することができるとともに、発光部111から出射された光を、第1,2固定部材101,102によって液晶パネル2へ向けて反射させることができる。
また、本実施形態では、第1,2連結部1183,1184の孔1183a,1184aとフレーム部材13の底部131の孔1311との間にプリント基板12が位置するとき、このプリント基板12の固定用孔12dに、軸体1012,1022が挿通される。これによって、第1,2固定部材101,102により、一体型反射部材18とともに、プリント基板12も、フレーム部材13の底部131に対して固定することができる。
また、本実施形態では、各副反射部1182は、光軸S方向に垂直な方向において主反射部1181から離れるにつれて光軸S方向においてプリント基板12から遠ざかり、拡散板3へ向かうように、主反射部1181に対して傾斜して延びて形成される。そして、傾斜部1011,1021は、隣接する副反射部1182の傾斜片と同じ傾斜方向に延びる。したがって、発光部111から出射された光を、光軸S方向に垂直な方向に拡げて照射することができる。なお、副反射部1182および傾斜部1011,1021は、主反射部1181に対して傾斜せずに、垂直に延びていてもよい。
また、本実施形態では、傾斜部1011,1021は、副反射部1182の全反射率に略等しい全反射率を有する。これによって、被照射体である液晶パネル2の面方向における輝度をより均一にすることができる。
上述した実施形態では、すべての主反射部1181の、すべての辺部分1181bに、第1,2固定部材101,102のいずれかが設けられているが、すべてでなくてもよい。たとえば、図23のように、複数個おきに第1,2固定部材101,102を設けてもよい。図23に示す実施形態において、第1,2固定部材101,102が設けられない辺部分1181bには、第1連結部1183および第2連結部1184は形成されず、代わりに、この辺部分1181bに連なる2つの傾斜片を滑らかに連結する第2副反射部1187が形成される。第2副反射部1187の高さ、傾斜方向、傾斜角度は、この2つの傾斜片の高さ、傾斜方向、傾斜角度に等しい。
図23に示す実施形態では、図2に示す実施形態とは異なり、1つのプリント基板12上に、すべての発光部111が設けられている。なお、本発明の実施形態としては、2つのプリント基板12上に、すべての発光部111が設けられるように構成してもよい。