図1は、本発明の実施の一形態に係る液晶表示装置100の構成を示す分解斜視図である。図2は、図1における切断面線A−Aで切断したときの液晶表示装置100の断面を模式的に示す図である。図3は、図1における切断面線B−Bで切断したときの液晶表示装置100の断面を模式的に示す図である。
本発明の表示装置である液晶表示装置100は、テレビジョンまたはパーソナルコンピュータなどにおいて、画像情報を出力することによって画像を表示画面に表示する装置である。表示画面は、液晶素子を有する透過型の表示パネルである液晶パネル2によって形成され、液晶パネル2は、矩形平板状に形成される。液晶パネル2において、厚み方向の2つの面を、前面21および背面22とする。液晶表示装置100は画像を、前面21から背面22に向かう方向に見て視認可能に表示する。
液晶表示装置100は、液晶パネル2と、複数の発光部11を含む、本発明に係る発光装置であるバックライトユニット1とを備える。
液晶パネル2は、バックライトユニット1が備える、枠部と枠部に囲まれる底部131とからなる筐体であるフレーム部材13の底部131の底面131aと平行に、側壁部132により支持される。液晶パネル2は、2枚の基板を含み、厚み方向から見て長方形の板状に形成される。液晶パネル2は、TFT(thin film transistor)等のスイッチング素子を含み、2枚の基板の隙間には液晶が注入されている。
液晶パネル2は、背面22側に配置されるバックライトユニット1からの光がバックライトとして照射されることによって、表示機能を発揮する。前記2枚の基板には、液晶パネル2における画素の駆動制御用のドライバー(ソースドライバ)、種々の素子および配線が設けられている。
また、液晶表示装置100において、液晶パネル2とバックライトユニット1との間には、拡散板3が、液晶パネル2に平行に配置される。この拡散板3が、被照射体となる。なお、液晶パネル2と拡散板3との間に、プリズムシート(図示せず)を配置してもよい。
拡散板3は、バックライトユニット1から照射される光を、面方向に拡散することによって、輝度が局所的に偏ることを防止する。プリズムシートは、拡散板3を介して背面22側から到達した光の進行の向きを、前面21側に向ける。拡散板3では、輝度が面方向に偏ることを防ぐために、光の進行方向は、ベクトル成分として、面方向の成分を多く含む。これに対しプリズムシートは、面方向のベクトル成分を多く含む光の進行方向を、厚み方向の成分を多く含む光の進行方向に変換する。具体的には、プリズムシートは、レンズまたはプリズム状に形成される部分が面方向に多数並んで形成され、これによって、厚み方向に進行する光の拡散度を小さくする。したがって、液晶表示装置100による表示において、輝度を上昇させることができる。
バックライトユニット1は、液晶パネル2に背面22側から光を照射する直下型のバックライト装置である。バックライトユニット1は、拡散板3を介して液晶パネル2に光を照射する複数の発光部11と、複数のプリント基板12と、フレーム部材13とを含む。
フレーム部材13は、バックライトユニット1の基本構造体であり、液晶パネル2と予め定められた間隔をあけて対向する矩形平板状の底部131と、底部131に連なり底部131から立ち上がる側壁部132とからなる。底部131は、厚み方向から見て長方形に形成され、その大きさは液晶パネル2よりも少し大き目である。側壁部132は、底部131のうち短辺を成す2つの端部と、長辺を成す2つの端部とから液晶パネル2の前面21側に立ち上がって形成される。これによって、平板状の側壁部132が底部131の周囲に4つ、形成される。
プリント基板12は、フレーム部材13の底部131に固定される。プリント基板12は、たとえば、導電層が両面に形成されたガラスエポキシからなる基板である。本実施形態では、各プリント基板12は、長方形板状に形成され、その長辺(長手方向)が底部131の短辺方向と平行になるように、底部131の長辺方向に等間隔に配置されている。このプリント基板12上には、複数の発光部11が設けられる。
複数の発光部11は、拡散板3を介して液晶パネル2に光を照射するものである。本実施形態では、複数の発光部11を1つの群として、拡散板3を介して液晶パネル2の背面22の全体にわたって対向するように、複数の発光部11が設けられたプリント基板12を複数並列に配列することで、発光部11がマトリクス状に設けられる。各発光部11は、被照射体である拡散板3側から平面視したとき、すなわち、フレーム部材13の底部131に垂直な方向から見て正方形に形成され、拡散板3の液晶パネル2側の面の輝度が5000cd/m2となるように規定され、一辺の長さは、たとえば55mmである。
複数の発光部11は、それぞれ、発光素子である発光ダイオード(LED)チップ111aと、LEDチップ111aを支持する基台111と、光学部材であるレンズ112と、反射部材113とを含む。
図4は、基台111とLEDチップ111aとを示す図である。図4(a)は平面図であり、図4(b)は正面図であり、図4(c)は底面図である。
基台111は、LEDチップ111aを支持するための部材であり、樹脂からなる。この基台111は、LEDチップ111aを支持する支持面が正方形に形成され、正方形の一辺の長さL1は、たとえば3mmである。また、基台111の高さは、たとえば1mmである。
図4に示すように、基台111は、セラミックスからなる基台本体111gと、基台本体111gに設けられる2つの電極111cとを含んでおり、LEDチップ111aは、基台111の支持面となる基台本体111gの上面中央部に、接着部材111fで固定されている。2つの電極111cは、互いに離間しており、それぞれ、基台本体111gの上面、側面、および底面にわたって設けられる。LEDチップ111aの図示しない2つの端子と、2つの電極111cとは、2つのボンディングワイヤ111dによってそれぞれ接続されている。そして、LEDチップ111aおよびボンディングワイヤ111dは、シリコン樹脂などの透明樹脂111eによって封止されている。
図5は、プリント基板12に実装されたLEDチップ111aおよび基台111を示す図である。LEDチップ111aは、基台111を介してプリント基板12に実装され、プリント基板12から離れる方向に光を出射する。LEDチップ111aは、発光部11を拡散板3側から平面視したとき、すなわち、フレーム部材13の底部131に垂直な方向から見たときに、基台111の中央部に位置する。複数の発光部11において、それぞれのLEDチップ111aによる光の出射の制御は、互いに独立して制御可能である。これによって、バックライトユニット1は、部分的な調光制御(ローカルディミング)が可能である。
プリント基板12にLEDチップ111aおよび基台111を実装するときには、まず、プリント基板12が備える導電層パターンの2つの接続端子部121の上に、それぞれ、半田を付け、その半田に、基台本体111gの底面に設けられる2つの電極111cがそれぞれ合致するように、たとえば図示しない自動機によって、プリント基板12に、基台111および基台111に固定されているLEDチップ111aを載置する。基台111および基台111に固定されているLEDチップ111aを載置したプリント基板12は、赤外線を照射するリフロー槽に送られ、半田は約260℃に熱せられ、基台111とプリント基板12とが半田付けされる。
図6は、基台111に支持されたLEDチップ111aとレンズ112との位置関係を示す図である。
複数の発光部11にそれぞれ備えられるLEDチップ111aは、発光部11を拡散板3側から平面視したとき、すなわち、フレーム部材13の底部131に垂直な方向から見たときに、マトリクス状に整列配置され、隣接するLEDチップ111a間の距離は、行方向および列方向ともに同じである。
レンズ112は、LEDチップ111aを支持する基台111を覆うように、基台111に、インサート成形により、当接して設けられ、LEDチップ111aから出射した光を複数の方向に反射または屈折させる。すなわち、レンズ112は、光を拡散させる。レンズ112は、透明なレンズであり、たとえばシリコン樹脂やアクリル樹脂などからなる。
レンズ112は、拡散板3を介して液晶パネル2に対向する面である上面112aが中央部に凹みを有して湾曲し、側面112bがLEDチップ111aの光軸Sと平行な略円柱状に形成され、光軸Sに直交する断面における直径L2がたとえば10mmであり、基台111に対して外方に延出し、かつ、基台111の側面(基台111の支持面に対して直交する4つの面)の少なくとも一部を覆うように設けられている。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに直交する方向に関して基台111よりも大きい(レンズ112の直径L2は、基台111の支持面の一辺の長さL1よりも大きい)。このように、レンズ112が基台111に対して外方に延出して設けられることによって、LEDチップ111aから出射した光をレンズ112により広範囲に拡散させることができる。
また、レンズ112の高さH1は、たとえば4.5mmであり、直径L2よりも小さい。換言すれば、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに直交する方向の長さ(直径L2)が、高さH1よりも大きい。このレンズ112に入射した光は、レンズ112の内部において光軸Sに交差する方向に拡散される。
上記のように、直径L2を高さH1よりも大きく設定するのは、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射のためである。バックライトユニット1を薄型化するためには、レンズ112の高さH1を小さく、すなわち、レンズ112を極力薄くする必要がある。しかしながら、レンズ112を薄くすると、液晶パネル2の背面22に照度むらが発生し易くなり、その結果、液晶パネル2の前面21に輝度むらが発生し易くなる。特に、隣接するLED111aの間の距離が長い場合、液晶パネル2の背面22において隣接するLEDチップ111aの間の領域は、LEDチップ111aから遠く離れており、照射光量が少なくなるので、その領域とLEDチップ111aに近接する領域との間で、照度むら(輝度むら)が生じ易くなる。
LEDチップ111aから照射された光を、レンズ112を介して、LEDチップ111aから遠く離れた領域に照射させるには、レンズ112の直径L2をある程度大きくする必要があり、本実施形態では、レンズ112の直径L2を、高さH1よりも大きくすることで、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射とを可能にしている。
なお、仮に、レンズ112の高さH1よりも、レンズ112の直径L2を小さくした場合、薄型化および均一照射が困難となるばかりでなく、レンズ112とLEDチップ111aとを一体的に成形するインサート成形において、バランスが悪くなり易いという課題が生じる。また、LEDチップ111aおよび基台111bと、インサート成形されたレンズ112とからなる一体成形物をプリント基板12に半田付けする際に、バランスを崩し易く、組立上にも課題が生じる。
レンズ112の上面112aは、中央部分1121と、第1湾曲部分1122と、第2湾曲部分1123とを含んで構成される。レンズ112において、中央部に凹みを有して湾曲した上面112aは、到達した光を全反射させて側面112bから出射させる第1領域と、到達した光を外方に屈折させて出射する第2領域とを有する。第1領域は第1湾曲部分1122に形成され、第2領域は第2湾曲部分1123に形成される。
中央部分1121は、拡散板3を介して液晶パネル2に対向する上面112aの中央部に形成され、中央部分1121の中心(すなわち、レンズ112の光軸)は、LEDチップ111aの光軸S上に位置する。中央部分1121は、LEDチップ111aの発光面に平行な円形状に形成され、その直径L3は、たとえば1mmである。
なお、本発明の他の実施形態としては、中央部分1121の形状を、上記円形状の代わりに、上記円形状を仮想的な底面とし、この底面からLEDチップ111aに向かって突出する円錐の側面形状にしてもよい。
中央部分1121は、被照射体である拡散板3において、中央部分1121に対向する領域に光を照射するために形成されている。ただし、中央部分1121はLEDチップ111aに対向する部分であるので、LEDチップ111aから出射される光の大半が中央部分1121に到達し、その大半の光がそのまま透過した場合、中央部分1121に対向する領域の照度が際立って大きくなる。そこで、中央部分1121の形状を、上記円錐の側面形状とすることが好ましい。上記円錐の側面形状とした場合、大半の光が中央部分1121で反射され、中央部分1121を透過する光は少なくなるので、中央部分1121に対向する領域の照度を抑えることができる。
第1湾曲部分1122は、中央部分1121の外周縁端部に連なり、外方に向かうにつれてLEDチップ111aの光軸S方向の一方(液晶パネル2に向かう方向)に延び、光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。この曲面の形状は、LEDチップ111aから出射された光が全反射するように設計される。
より詳細には、LEDチップ111aから出射された光のうち、第1湾曲部分1122に到達した光は、第1湾曲部分1122で全反射した後、レンズ112の側面112bを透過し、反射部材113へ向かう。反射部材113に到達した光は、反射部材113で拡散され、被照射体である拡散板3において、LEDチップ111aに対向していない領域に照射される。これにより、LEDチップ111aに対向していない領域への照射光量を増加させることができる。
第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射された光を全反射するために、LEDチップ111aから出射された光の入射角度が、臨界角φ以上となるように形成される。たとえば、レンズ112の材質をアクリル樹脂とするとき、アクリル樹脂の屈折率は「1.49」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.49となる。この式から、臨界角φは42.1°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が42.1°以上となる形状に形成される。また、たとえば、レンズ112の材質をシリコン樹脂とするとき、シリコン樹脂の屈折率は「1.43」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.43となる。この式から、臨界角φは44.4°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が44.4°以上となる形状に形成される。
第2湾曲部分1123は、第1湾曲部分1122の外周縁端部に連なり、外方に向かうにつれてLEDチップ111aの光軸S方向の他方に延び、光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。
LEDチップ111aから出射された光のうち、第2湾曲部分1123に到達した光は、第2湾曲部分1123を透過するときに、屈折して、拡散板3および反射部材113に向かう。反射部材113に到達した光は、拡散して拡散板3に向かう。このように第2湾曲部分1123により拡散板3へ向かう光は、拡散板3において、中央部分1121および第1湾曲部分1122により光が照射される領域とは異なる領域に主に照射され、これによって光量の補完が行われる。なお、第2湾曲部分1123は、光を透過する必要があるので、LEDチップ111aから出射された光を全反射しないように、入射角度が42.1°未満となる形状に形成される。
このように、レンズ112は、中央部分1121の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112の側面112bへ向けて全反射させる第1湾曲部分1122が形成され、その第1湾曲部分1122の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光を屈折させる第2湾曲部分1123が形成されている。
LEDチップ111aは一般的に指向性が強く、光軸S付近の光量が極めて大きく、光軸Sに対する光の出射角度が大きくなればなるほど光量が小さくなる。したがって、LEDチップ111aの光軸S(すなわち、レンズ112の光軸)から比較的遠い領域への照射光量を大きくするためには、光軸Sに対する出射角度が大きな光を、この領域へ向けるのではなく、出射角度が小さな光を、この領域へ向ける必要がある。
本実施形態では、上記のように、光軸Sが通る中央部分1121の周囲に、上記領域へ向けて光を全反射させる第1湾曲部分1122が隣接して形成されるので、この領域への照射光量を大きくすることができる。
これに対して、仮に、中央部分1121の周囲に、第2湾曲部分1123を隣接させて形成し、その第2湾曲部分1123の周囲に、第1湾曲部分1122を隣接して形成した場合、第1湾曲部分1122へ向かう光の光軸Sに対する出射角度が大きくなり、その結果、第1湾曲部分1122で全反射されて上記領域に照射される光の量は少なくなってしまう。この結果、拡散板3における輝度は不均一になる。
図7は、LEDチップ111aから出射された光の光路を説明するための図である。LEDチップ111aから出射した光は、レンズ112に入射し、このレンズ112で拡散される。具体的には、レンズ112に入射した光のうち、拡散板3を介して液晶パネル2に対向する上面112aにおいて中央部分1121に到達した光は、液晶パネル2に向けて矢符A1方向に出射され、第1湾曲部分1122に到達した光は、全反射して側面112bから矢符A2方向に出射され、第2湾曲部分1123に到達した光は、外方(LEDチップ111aから遠ざかる方向)に屈折して液晶パネル2に向けて矢符A3方向に出射される。
また、本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、互いの光軸が一致する、すなわち、レンズ112の中心(すなわち、レンズ112の光軸)がLEDチップ111aの光軸S上に位置し、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、予め高精度に位置合わせされて形成されている。
LEDチップ111aとレンズ112とを、予め位置合わせして形成する方法としては、インサート成形、所定の形状に成形されたレンズ112に基台111に支持されたLEDチップ111aを嵌合させる方法などを挙げることができる。本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、インサート成形により、予め位置合わせされて形成されている。
インサート成形する際には、大きく分けて、上面金型と下面金型とを使用する。上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、LEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂流入口から注入することにより成形する。なお、上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、基台111に支持されたLEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂注入口から注入することにより成形するようにしてもよい。
このように、LEDチップ111aとレンズ112とをインサート成形により形成することによって、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、高精度に位置合わせすることができる。
これによって、バックライトユニット1は、LEDチップ111aからレンズ112を介して出射した光を、LEDチップ111aに当接したレンズ112により、精度よく反射および屈折させることができるので、拡散板3からプリント基板12までの距離H3が小さい薄型化された液晶表示装置100においても、輝度がその面方向において均一となるように、光を拡散板3を介して液晶パネル2に照射することができる。
図2,3に戻って、発光部11は、反射部材113を備える。この反射部材113は、LEDチップ111aが支持された基台111の周囲に設けられ、レンズ112から出射された光を、拡散板3を介して液晶パネル2へ向けて反射する。反射部材113は、拡散板3側から平面視したとき、すなわち、LEDチップ111aの光軸S方向に平面視したときの外周形状が多角形状、たとえば正方形状である。
また、反射部材113は、LEDチップ111aの光軸S方向に平面視したときに、外周形状の各辺部が、隣接する反射部材113同士で連なる。これによって、隣接する発光部11において、LEDチップ111a間の距離が同じになるので、拡散板3の光照射面における輝度均一性をより向上することができる。
反射部材113は、中心に開口部が設けられた、平板状、具体的には、1辺の長さが38.8mmの正方形平板状の基部1131と、基部1131を取り囲む外周縁部であり、LEDチップ111aから遠ざかるにつれてプリント基板12から遠ざかるように傾斜して形成される傾斜部1132とを有する。基部1131と傾斜部1132とによって構成される反射部材113は、LEDチップ111aを中心とした逆ドーム状に設けられる。
本実施形態では、反射部材113は、LEDチップ111aの光軸S方向に平面視したときの外周形状が正方形状であり、その正方形状の対角線について線対称に構成される。また、正方形状の中心点について90°回転対称に構成される。
基部1131は、LEDチップ111aの光軸S方向に平面視したときの正方形状の各辺が、マトリクス状に、すなわち整列配置される複数のLEDチップ111aの行方向または列方向と平行になるように形成される。また、基部1131は、プリント基板12に沿って形成され、光軸S方向に平面視したときに、中央部に円形状の開口部が設けられる。この円形状の開口部の直径は、レンズ112の直径L2よりも少し小さく設定されており、この開口部にレンズ112が挿通される。
傾斜部1132は、基部1131の外周形状の各辺部に連なり、外方(LEDチップ111aから遠ざかる方向)になるにつれてプリント基板12から離反するように傾斜して延びる。傾斜部1132とプリント基板12との間の傾斜角度θ1は、たとえば80°である。また、光軸S方向における傾斜部1132の高さH2は、たとえば4mmである。
また、本実施形態では、反射部材113のプリント基板12に対する遠端部、すなわち、傾斜部1132の光軸S方向における拡散板3側の先端部と、拡散板3との間には、隙間Gが形成されている。発光部11では、面方向にLEDチップ111aから遠ざかるにつれて、光量が低下する傾向にある。前記隙間Gが形成されていることによって、隣接する発光部11同士において、互いに照射される光の一部が前記隙間Gから入り込み、光量の低下を補うことができる。したがって、面方向における光量の均一性をより向上することができる。
基部1131および傾斜部1132は、高輝性PET(Polyethylene Terephthalate)、アルミニウムなどからなる。高輝性PETとは、蛍光剤を含有した発泡性PETであり、たとえば、東レ株式会社製のE60V(商品名)などを挙げることができる。基部1131と傾斜部1132との厚みは、同じであり、たとえば0.1〜0.5mmである。
基部1131および傾斜部1132を含む反射部材113は、その全反射率が、LEDチップ111aから出射される可視光に対して、たとえば、80%〜100%であり、本実施形態では、97%である。全反射率は、JIS−K−7375に準拠して測定することができる。
上記のように構成され、複数の発光部11にそれぞれ備えられる反射部材113は、互いに一体的に成形されるのが好ましい。複数の反射部材113を一体成形する方法としては、反射部材113が高輝性PETにより構成されている場合には押出成形加工、真空成形加工を挙げることができ、反射部材113がアルミニウムにより構成されている場合にはプレス加工を挙げることができる。
たとえば、高輝性PETからなる複数の反射部材113を、真空成形加工により一体成形する場合には、以下のようにして成形する。
まず、高輝性PETにより作製されたシートを加熱軟化させた後、予め真空吸引のための***(真空穴)を多数あけた型の上部に固定する。次に、型またはシートを移動させ、シートと型の間を空気が漏れないように密閉した後、真空穴を通して内部の空気を急速に排除する。シートは内部が減圧となるため大気圧により型面上に押付けられ、型の形状を忠実に再現する。このようにして成形されたものを冷却後に型から取出し、一体成形された反射部材113を製造することができる。このような加工方法で反射部材113を一体成形することによって、基部1131および傾斜部1132の厚みが同じであり、その厚みの均一性に優れた反射部材113を製造することができる。
複数の発光部11にそれぞれ備えられる反射部材113を一体成形することによって、複数の発光部11のプリント基板12に対する配置位置の精度を向上することができるとともに、バックライトユニット1の組立作業時に、反射部材113を取り付ける作業数を低減することができるので、組立作業の効率を向上することができる。
以上のように構成されるバックライトユニット1を備える液晶表示装置100における、LEDチップ111aから出射した光の光路について図7を用いて説明する。
バックライトユニット1において、LEDチップ111aから出射し、レンズ112に入射した光のうち、拡散板3を介して液晶パネル2に対向する上面112aにおいて中央部分1121に到達した光は、液晶パネル2に向けて矢符A1方向に出射され、第1湾曲部分1122に到達した光は、反射して側面112bから矢符A2方向に出射され、第2湾曲部分1123に到達した光は、外方に屈折して液晶パネル2に向けて矢符A3方向に出射される。
そして、レンズ112から出射した光のうち、側面112bから出射した光(出射方向が光軸Sに交差する方向である光)は、反射部材113の傾斜部1132に入射する。この反射部材113の傾斜部1132は、外方(LEDチップ111aから遠ざかる方向)になるにつれてプリント基板12から離反して延びるので、傾斜部1132に入射した光を、プリント基板12に平行な液晶パネル2側に反射させることができ、面方向において傾斜部1132に対応した領域の光量を増加させることができる。
次に、本実施形態のバックライトユニット1において特徴的な構成である、LEDチップ111aから発生した熱を放熱するための構成について説明する。
図8は、LEDチップ111aから発生した熱が放熱される様子を説明するための図である。図8は、バックライトユニット1において隣接する2つの発光部11のみを拡大して示す図である。
本実施形態のバックライトユニット1は、隣接する反射部材113の間において、フレーム部材13の底部131と反射部材113との間に、第1放熱空間41が形成されている。具体的には、第1放熱空間41は、フレーム部材13の底部131と反射部材113の傾斜部1132との間において、隣接する反射部材113同士で互いに連なる傾斜部1132の外周縁端部、すなわち、外周形状の各辺部に対応して形成される。
本実施形態では、第1放熱空間41は、隣接する反射部材113において互いに連なる傾斜部1132と、フレーム部材13の底部131とで囲まれた空間部分で実現され、LEDチップ111aから発生した熱による気流の流路となる。
LEDチップ111aが光を出射することで発生した熱は、反射部材113およびプリント基板12を伝導し、反射部材113とフレーム部材13の底部131との間に存在する空気などの、LEDチップ111aの周辺に存在する空気を温める。本実施形態のバックライトユニット1では、隣接する反射部材113において、互いに連なる傾斜部1132とフレーム部材13の底部131とで囲まれた空間が、第1放熱空間41となっているので、LEDチップ111aの周辺に存在する温められた空気は、滞留することなく、気流を形成して第1放熱空間41を流れる。そのため、バックライトユニット1内に熱が滞留することなく、効率よく放熱することができる。
また、第1放熱空間41は、隣接する反射部材113において、互いに連なる傾斜部1132と、フレーム部材13の底部131とで囲まれた空間部分で形成されているので、反射部材113の底部131と対向する側とは反対側の領域、すなわち、拡散板3の光照射面側の領域には、第1放熱空間41を流れる気流が流れ込まない。そのため、気流にのって埃などの異物が、拡散板3の光照射面側の領域に流れ込むことを防止した上で、効率よく放熱することができる。
図9および図10は、プリント基板12の長手方向が鉛直方向に一致するようにバックライトユニット1を配置した場合における、LEDチップ111aから発生した熱が放熱される様子を説明するための図である。
本実施形態では、同一形状および大きさの複数の発光部11が設けられたプリント基板12を、フレーム部材13の底部131の長辺方向に等間隔に配列することで、発光部11がマトリクス状に設けられる。そして、複数の発光部11にそれぞれ備えられる反射部材113は、平面視したときの外周形状が正方形状であり、傾斜部1132の外周縁端部に相当する外周形状の各辺部が、隣接する反射部材113同士で連なる。このような構成の発光部11を備えるバックライトユニット1では、図9に示すように、隣接する反射部材113において互いに連なる傾斜部1132と、フレーム部材13の底部131とで囲まれた空間部分で形成される第1放熱空間41が連通されて、フレーム部材13の底部131の短辺に平行、すなわち、プリント基板12の長手方向に平行で、フレーム部材13の底部131の短辺方向両端部間にわたる、一直線に沿って延びる複数の流路と、底部131の長辺に平行、すなわち、プリント基板12の長手方向に直交し、底部131の長辺方向両端部間にわたる、一直線に沿って延びる複数の流路とが、格子状に形成される。
上記のような構成のバックライトユニット1では、換言すると、隣接する反射部材113において互いに連なる傾斜部1132の、第1放熱空間41に臨む面は、フレーム部材13の底部131の長辺または短辺に平行で一直線に沿って延びる。これによって、第1放熱空間41が一直線に沿って延び、フレーム部材13の底部131の短辺方向両端部間、または長辺方向両端部間にわたる、一直線に沿って延びる複数の流路が格子状に形成される。
プリント基板12の長手方向、すなわち、フレーム部材13の底部131の短辺方向が鉛直方向に一致するようにバックライトユニット1を配置した場合、第1放熱空間41が連通されることで形成される、プリント基板12の長手方向に平行で底部131の短辺方向両端部間にわたる複数の流路が、鉛直方向に直線状に延びて形成されることになる。このような場合、LEDチップ111aから発生し、反射部材113およびプリント基板12を伝導する熱により温められた空気は、鉛直方向に沿った上昇気流を形成して、底部131の短辺方向両端部間にわたって第1放熱空間41により形成される流路をスムーズに流れる。そのため、バックライトユニット1内に熱が滞留することなく、効率よく放熱することができる。
図11および図12は、プリント基板12の長手方向が水平方向に一致するようにバックライトユニット1を配置した場合における、LEDチップ111aから発生した熱が放熱される様子を説明するための図である。
プリント基板12の長手方向、すなわち、フレーム部材13の底部131の長辺方向が水平方向に一致するようにバックライトユニット1を配置した場合、第1放熱空間41が連通されることで形成される、プリント基板12の長手方向に直交し底部131の長辺方向両端部間にわたる複数の流路が、鉛直方向に直線状に延びて形成されることになる。
このような場合、LEDチップ111aから発生し、反射部材113およびプリント基板12を伝導する熱により温められた空気は、鉛直方向に沿った上昇気流を形成して、底部131の長辺方向両端部間にわたって第1放熱空間41により形成される流路をスムーズに流れる。そのため、バックライトユニット1内に熱が滞留することなく、効率よく放熱することができる。
図13は、反射部材113の裏面に形成される熱伝達部51について説明するための図である。
バックライトユニット1に備えられる反射部材113において、基部1131のフレーム部材13の底部131と対向する側の面(裏面)の開口部113aを除く少なくとも一部、および、傾斜部1132の底部131と対向する側の面(裏面)には、LEDチップ111aから発生した熱を第1放熱空間41に伝達する熱伝達部51が形成されているのが好ましい。熱伝達部51は、熱伝導性を有する材料からなる。熱伝達部51を構成する材料としては、アルミニウムなどの金属材料を挙げることができる。
反射部材113のフレーム部材13の底部131と対向する側の面に、熱伝達部51が形成されていることによって、LEDチップ111aから発生した熱を、熱伝導性を有する熱伝達部51を介して第1放熱空間41に伝達することできるので、効率よく放熱することができる。
図14は、バックライトユニット60の構成を示す図である。図14は、バックライトユニット60において隣接する2つの発光部60aのみを拡大して示す図である。本実施形態のバックライトユニット60は、前述したバックライトユニット1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。バックライトユニット60は、発光部60aの構成が、前述した発光部11の構成と異なること以外は、バックライトユニット1と同様である。
複数の発光部60aは、それぞれ、LEDチップ111aと、LEDチップ111aを支持する基台111と、レンズ112と、反射部材61とを含む。
反射部材61は、LEDチップ111aが支持された基台111の周囲に設けられ、レンズ112から出射された光を、拡散板3を介して液晶パネル2へ向けて反射する。反射部材61は、拡散板3側から平面視したとき、すなわち、LEDチップ111aの光軸S方向に平面視したときの外周形状が多角形状、たとえば正方形状である。
また、反射部材61は、LEDチップ111aの光軸S方向に平面視したときに、外周形状の各辺部が、隣接する反射部材61同士で連なっている。
反射部材61は、中心に開口部が設けられた基部611と、基部611を取り囲む外周縁部であり、LEDチップ111aから遠ざかるにつれてプリント基板12から遠ざかるように傾斜して形成される傾斜部612とを有する。基部611と傾斜部612とによって構成される反射部材61は、LEDチップ111aを中心とした逆ドーム状に設けられる。
反射部材61において特徴的な構成は、基部611が、LEDチップ111aを覆うレンズ112と各傾斜部612との間に、拡散板3の光照射面側にプリント基板12から離間して***し、レンズ112から各傾斜部612まで延びる***部6111を有することである。各***部6111は、入射した光を、反射部材61の外周形状の隣接する辺部同士が接続される角部の直上に向けて反射させる反射面を有する、三角錐形状に形成される。これによって、レンズ112を介してLEDチップ111aから出射された光を、角部に向けて***部6111で反射させることができるので、面方向において均一な照射光量とすることができる。
また、本実施形態のバックライトユニット60は、隣接する反射部材61の間において、フレーム部材13の底部131と反射部材61との間に、第1放熱空間41が形成されている。具体的には、第1放熱空間41は、フレーム部材13の底部131と反射部材61の傾斜部612との間において、隣接する反射部材61同士で連なる傾斜部612の外周縁端部、すなわち、外周形状の各辺部に対応して形成される。本実施形態では、第1放熱空間41は、隣接する反射部材61において、互いに連なる傾斜部612と、フレーム部材13の底部131とで囲まれた空間部分で実現され、LEDチップ111aから発生した熱による気流の流路となる。
さらに、バックライトユニット60は、フレーム部材13の底部131と反射部材61との間において、LEDチップ111aを覆うレンズ112から第1放熱空間41に連なるように、第2放熱空間62が形成されている。第2放熱空間62は、***部6111と、フレーム部材13の底部131とで囲まれた空間部分で実現され、LEDチップ111aから発生した熱による気流を第1放熱空間41に導く流路となる。これによって、LEDチップ111aから発生した熱により温められた空気を、第2放熱空間62を介して第1放熱空間41に導くことができるので、効率よく放熱することができる。
また、本実施形態のバックライトユニット60においても、前述したバックライトユニット1と同様に、反射部材61において、基部611のフレーム部材13の底部131と対向する側の面の開口部を除く少なくとも一部、傾斜部612の底部131と対向する側の面、および、第2放熱空間62を構成する***部6111における底部131と対向する側の面に、熱伝達部51を形成することができる。これによって、LEDチップ111aから発生した熱を、熱伝導性を有する熱伝達部51を介して第1放熱空間41および第2放熱空間62に伝達することできるので、効率よく放熱することができる。