JP6086042B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
このチャンバに流入する吸気には、ブローバイガスやEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)ガスが還流されているので、これらのガスに含まれる水分や油分がチャンバ内において凝縮し、チャンバの下部に溜まることがある。このようにチャンバの下部に溜まった水分や油分を放置すると、氷結や吸気流路の閉塞等の問題が生じる。従って、これらの水分や油分をチャンバから吸い出し、吸気と共にエンジンのシリンダ内に導入する必要がある。
例えば、特許文献1には、サージタンク(チャンバ)の下部の水やオイルをエンジンに吸わせるようにしたインテークマニホールドが開示されている。この特許文献1のインテークマニホールドは、サージタンクと、このサージタンクに連結されエンジンの複数のシリンダの各々に吸気を導く複数の吸気ブランチと、サージタンクと各吸気ブランチとを連通する複数の連通管とを有している。サージタンクの下部の水やオイルは、サージタンクと各吸気ブランチとの間の差圧により、この連通管を介して各吸気ブランチに吸い上げられ、エンジンに吸引される。
このように構成された本発明においては、エンジンの運転中、吸気がチャンバから絞り吸気通路に流入すると、流路断面積の減少に応じて吸気の流速が上昇すると共に圧力が低下し、チャンバの下部と絞り吸気通路の下流部との間に差圧が生じるが、吸出し通路が、この差圧が生じるチャンバの下部と絞り吸気通路の下流部とを連通させているので、チャンバの下部と絞り吸気通路の下流部との間に生じた差圧により、チャンバの下部に溜まった水分や油分を、この吸出し通路を介してチャンバから確実に吸い上げることができる。
更に、スロットル連通通路は、エンジンの運転中に差圧が生じるスロットルバルブの上流側と絞り吸気通路の下流部とを連通させているので、スロットルバルブに流入する吸気の一部は、スロットル連通通路に流れ込み、このスロットル連通通路の絞り部を通過することにより圧力が低下する。これにより、チャンバの下部とスロットル連通通路の中間部との間に差圧が生じるが、チャンバ連通通路は、この差圧が生じるチャンバの下部とスロットル連通通路の中間部とを連通させているので、チャンバの下部と絞り吸気通路の下流部との間の差圧に加えて、スロットル連通通路の中間部とチャンバの下部との間に生じた差圧により、チャンバの下部に溜まった水分や油分を、チャンバ連通通路及びスロットル連通通路を介してチャンバから確実に吸い上げることができる。
このように構成された本発明においては、スロットル連通通路の一部及びチャンバ連通通路は、チャンバの外面に密着しているので、チャンバの内部に流入した吸気から効率的に熱を吸収することができ、これにより、冷間始動時においてスロットル連通通路やチャンバ連通通路の内部の水分が凍結している場合においても、その氷を用意に融解させることができる。また、管状の部材をチャンバの外面に密着させるという簡易な構成によりスロットル連通通路の一部及びチャンバ連通通路を形成することができる。
このように構成された本発明においては、スロットルバルブの上流側とチャンバの外面に密着したスロットル連通通路の一部とは、ホースにより接続されるので、スロットルバルブの上流側とチャンバとが離れている場合においても、スロットルバルブの上流側とスロットル連通通路の一部とを容易に接続することができる。
このように構成された本発明においては、チャンバには、水分を多く含む排気が導入された後に過給機により圧縮された吸気が流入するが、この吸気に含まれる水分がチャンバ内において凝縮した場合、その凝縮水を吸出し通路を介して確実にチャンバから吸い上げてエンジンの各シリンダ内に導入することができる。
このように構成された本発明においては、チャンバは、吸気を冷却するインタークーラを収容しているので、チャンバに流入した吸気がインタークーラにより冷却され、この吸気に含まれる水分がチャンバ内において凝縮するが、その凝縮水を吸出し通路を介して確実にチャンバから吸い上げてエンジンの各シリンダ内に導入することができる。
まず、図1により、本発明の実施形態による吸気装置が適用されたエンジンの吸排気系の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による吸気装置が適用されたエンジンの吸排気系の構成を示す概略構成図である。本実施形態では、本発明による吸気装置が4シリンダのディーゼルエンジンに適用された場合について説明する。
また、チャンバ58の流入口60に接続された吸気管16には、吸気の流量調整を行うスロットルバルブ62が設けられている。
また、図4に示すように、高圧EGRガスが還流する排気流入口68が、絞り吸気通路64と吸出し通路74の壁内通路90との接続部92の上流側において、この絞り吸気通路64に形成されており、高圧EGRガスは、この排気流入口68から、絞り吸気通路64と壁内通路90との接続部92の上流位置に向かって流入するようになっている。
また、ホース接続部96とT字分岐部102との間には、ホース接続部96から分岐部に向かって流路断面積が減少する絞り部106が形成されている。
上述した実施形態は、本発明による吸気装置18が4シリンダのディーゼルエンジンに適用された場合について説明したが、これとは異なるシリンダ数のディーゼルエンジンやガソリンエンジンについても、本発明による吸気装置18を適用することができる。
更に、スロットル連通通路76は、エンジン1の運転中に差圧が生じるスロットルバルブ62の上流側と絞り吸気通路64の下流部とを連通させているので、スロットルバルブ62に流入する吸気の一部は、スロットル連通通路76に流れ込み、このスロットル連通通路76の絞り部106を通過することにより圧力が低下する。これにより、チャンバ58の下部とスロットル連通通路76の中間部との間に差圧が生じるが、チャンバ連通通路78は、この差圧が生じるチャンバ58の下部とスロットル連通通路76の中間部とを連通させているので、チャンバ58の下部と絞り吸気通路64の下流部との間の差圧に加えて、スロットル連通通路76の中間部とチャンバ58の下部との間に生じた差圧により、チャンバ58の下部に溜まった水分や油分を、チャンバ連通通路78及びスロットル連通通路76を介してチャンバ58から確実に吸い上げることができる。
2 シリンダ
4 エンジン本体
6 吸気路
8 排気路
14 過給機
18 吸気装置
20 インタークーラ
42 高圧EGR装置
44 低圧EGR装置
58 チャンバ
60 流入口
62 スロットルバルブ
64 絞り吸気通路
68 排気流入口
70 拡大吸気通路
72 接続口
74 吸出し通路
76 スロットル連通通路
78 チャンバ連通通路
80、104 管状部材
86 ホース
88 アスピレータ
90 壁内通路
92 接続部
94 開口
106 絞り部
Claims (5)
- エンジンの複数のシリンダ内に吸気を導入する吸気装置であって、
吸気が流入する流入口が形成され、この流入口からその流路断面積が拡大するように形成されたチャンバと、
上記チャンバの流入口の上流側に設けられたスロットルバルブと、
上記チャンバから上方に延びるように設けられ、上記チャンバからその流路断面積が減少するように形成された絞り吸気通路と、
上記絞り吸気通路の出口と上記エンジンの複数のシリンダとを連通させ、上記絞り吸気通路からその流路断面積が拡大するように形成された拡大吸気通路と、
上記チャンバの下部と上記絞り吸気通路の下流部とを連通させる吸出し通路と、を有し、
上記吸出し通路は、上記スロットルバルブの上流側と上記絞り吸気通路の下流部とを連通させるスロットル連通通路と、上記チャンバの下部と上記スロットル連通通路の中間部とを連通させるチャンバ連通通路とを備え、
上記スロットル連通通路は、このスロットル連通通路と上記チャンバ連通通路との接続部よりも上記スロットルバルブ側において、上記接続部に向かってその流路断面積が減少する絞り部を備えていることを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 上記スロットル連通通路の一部及び上記チャンバ連通通路は、上記チャンバの外面に密着した管状の部材である請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
- 上記スロットル連通通路は、上記チャンバの外面に密着した管状の部材と上記スロットルバルブの上流側とを接続するホースを備える請求項2に記載のエンジンの吸気装置。
- 上記吸気装置は、還流された排気を含む吸気を過給する過給機を備えたエンジンの複数のシリンダ内に、上記過給機により過給された吸気を導入するものであって、
上記チャンバは、上記過給機の下流側に設けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置。 - 上記吸気装置は、吸気を冷却するインタークーラを備えたエンジンの複数のシリンダ内に、上記インタークーラにより冷却された吸気を導入するものであって、
上記チャンバは、上記インタークーラを収容する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置。
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