JP6081558B1 - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のハウジングを備えており、組み立て作業が容易なコネクタを提供すること。【解決手段】嵌合ハウジング6と、保持ハウジング7と、相手側端子と平型導体5を導通接続する端子4とを有するコネクタについて、嵌合ハウジング6が保持ハウジング7に対して重ね合わせて配置されることとし、嵌合ハウジング6には、重ね合わせた保持ハウジング7に対する被係止部6cを設けた。また保持ハウジング7には、嵌合ハウジング6を重ね合わせる方向で端子5を嵌め込む端子保持溝を設けた。こうすることで、コネクタの組み立て作業を容易に行うことができる。【選択図】図18

Description

本発明は、複数のハウジングを備えており、平型導体と接続対象物とを導通接続するコネクタに関する。
複数の端子を備えるコネクタとしては、複数のハウジングを備えており、これらを組み立てた状態でFPC(Flexible printed circuits)やFFC(Flexible flat cable)等(本明細書及び特許請求の範囲において「平型導体」と称する。)と、相手側コネクタの端子等の接続対象物とを導通接続するものが知られている。こうしたコネクタとしては、特に接続対象物と嵌合するための第1のハウジングと、端子を保持する第2のハウジングとを有するものが知られている。第2のハウジングは複数の端子を保持するハウジングであり、第1のハウジングに固定された状態で端子と接続対象物とが導通接続する。第2のハウジングは通常、端子と同じ数の貫通孔を有しており、それらの貫通孔に端子を1本ずつ挿入することで、端子が第2のハウジングに保持される。さらに第1のハウジングには第2のハウジングの収容空間が設けられており、第2のハウジングが収容空間に挿入されて固定されることで、端子の第1のハウジングへの装着が完了する。こうして組み上げられたコネクタが接続対象物と嵌合する(例として特許文献1)。
特開2006−156182号公報
ところで、貫通孔は通常、端子の外周に沿う大きさで形成され、第1のハウジングの収容空間もまた、第2ハウジングの外周に沿う大きさで形成される。そのため、端子を貫通孔に挿入したり、第1のハウジングに第2のハウジングを挿入したりする作業には繊細さが求められ、組立作業を効率よく行うことが困難になる場合がある。
本発明は以上のような従来技術を背景になされたものである。その目的は、効率よく容易に組立が可能なコネクタを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
すなわち、本発明は第1のハウジングと、第2のハウジングと、接続対象物と平型導体とを導通接続する端子とを有するコネクタについて、前記第1のハウジングは、第2のハウジングに対して重ね合わせて配置されており、重ね合わせた第2のハウジングに対する係止部を有しており、前記第2のハウジングは、第1のハウジングを重ね合わせる方向で前記端子を嵌め込む端子保持溝を有することを特徴とするコネクタを提供する。
こうすることで、第1のハウジングと、第2のハウジングと、端子とを同じ方向で重ねてコネクタを組み立てることができる。よって、第1のハウジングに第2のハウジングを挿入したり、第2のハウジングに端子を挿入したりする繊細で高い精度が求められる作業を要しないため、容易に組立が可能なコネクタとすることができる。
前記本発明の端子が前記平型導体に対する固定部を有しており、端子が端子保持溝に保持された状態で前記固定部は第2のハウジングから露出しているものとすることができる。
端子が端子保持溝に保持された状態で固定部を第2のハウジングから露出させることで、平型導体を容易に端子に保持された端子の固定部に対して固定することができる。
前記本発明が、さらに前記固定部を覆うリテーナを備えるものとすることができる。
リテーナで固定部を覆うことで、平型導体が固定部に固定されている状態で、他の部材や作業者が固定部に接触して固定部が平型導体から離間するといった事態を生じ難くすることができる。
前記本発明の第1のハウジングが、端子保持溝の伸長方向における一端側を覆う壁部を有しており、該壁部は、前記端子保持溝の一端側と連通する接続対象物の挿入口を有するものとすることができる。
第1のハウジングにこうした壁部を設けることで、第1のハウジングを第2のハウジングに対して重ね合わせる際に容易に位置決めすることができる。また、その状態で第1のハウジングが第2のハウジングに対して位置ずれしないようにすることができる。さらに、壁部に接続対象物の挿入口を設けることで、接続対象物に壁部の挿入口を通過させて保持溝に保持されている端子と導通接触させることができる。
前記本発明の第1のハウジングが、前記第2のハウジングを固定する複数の係止部を有するものとすることができる。
これにより、第1のハウジングを第2のハウジングに対してぐらつかせることなく、確実に固定することができる。
前記本発明の固定部が、前記平型導体を板厚方向で挟んで固定する挟持部であるものとすることができる。
こうすることで、平型導体を端子に対して確実に固定することができる。
前記本発明の挟持部が前記平型導体の一面と接触する第1の挟持片部と、他面と接触する第2の挟持片部とを備えており、前記リテーナが前記第1の挟持片部を覆い、前記第1のハウジングが前記第2の挟持片部を覆うものであるものとすることができる。
こうすることで、第1の挟持片部と第2の挟持片部とを確実に他の部材や作業者の接触から保護することができる。よって、平型導体との導通接触を維持しやすくすることができる。
前記本発明の端子保持溝は、前記端子を挿入する開口部と、収容されている端子よりも前記開口部側に配置される端子押さえ部とを有しており、前記端子は前記端子押さえ部と前記端子保持溝の底部との間に配置される支持部を有するものとすることができる。
こうすることで、端子を端子保持溝から確実に抜け止めすることができる。
前記本発明の平型導体は導電部と絶縁性樹脂とを有しており、前記端子は平型導体を、前記絶縁性樹脂の超音波融着痕により保持するものであるものとすることができる。
こうすることで、端子と導電部とを導通接触させつつ、その接触部分を超音波融着痕でシールすることができる。そのため、仮に導電部がアルミニウムなどの電蝕を生じやすい金属でなる場合であっても、接触部分に水分が付着し難くし、電蝕の発生を抑えることができる。
本発明によれば、端子、第1のハウジング、第2のハウジングを重ね合わせるように組み上げることができる。よって、容易に組立作業を行うことができるコネクタを提供することができる。
実施形態のコネクタの正面、右側面、平面を示す斜視図。 図1のコネクタの背面、左側面、底面を示す斜視図。 図1の嵌合ハウジングの正面、右側面、平面を示す斜視図。 図3の嵌合ハウジングの背面、左側面、平面を示す斜視図。 図3の嵌合ハウジングを示す右側面図。 図3の嵌合ハウジングを示す底面図。 図1の保持ハウジング正面、右側面、平面を示す斜視図。 図7の保持ハウジング背面、左側面、平面を示す斜視図。 図7の保持ハウジングを示す平面図。 図7の保持ハウジングを示す正面図。 図1のリテーナを示す斜視図。 図1の端子の正面、右側面、平面を示す斜視図。 図12の端子の背面、左側面、平面を示す斜視図。 図12の端子を示す展開図。 図12の端子を示す断面図。 図1の保持ハウジングに端子を固定する状態を示す説明図。 図16の端子に平型導体を固定する状態を示す説明図。 図17の保持ハウジングに嵌合ハウジングを固定する状態を示す説明図。 図1のコネクタ本体の正面、右側面、平面を示す斜視図。 図19のコネクタ本体の正面図。 図20の矢示SA−SA線断面図。 図19のコネクタ本体にリテーナを固定する状態を示す説明図。 図1の端子と平型導体の接続方法を示す説明図であって、分図(A)は挟持部に平型導体を挿入する前の状態を示す説明図、分図(B)は挟持部に平型導体を挿入した状態を示す説明図、分図(C)は挟持片部を平型導体に対して押圧接触させた状態を示す説明図。 図1の端子と平型導体の接続方法を示す断面図であって、分図(A)は絶縁体を軟化又は溶融させる状態を示す断面図、分図(B)は分図(A)の突出部の先端同士を溶接した状態を示す断面図。 図1の端子と平型導体の接続方法を示す断面図であって、分図(A)は図24(A)中の矢示SB−SB線断面図、分図(B)は図24(B)中の矢示SC−SC線断面図。 図1の保持ハウジングに固定された端子と相手側端子とが導通接触する状態を示す説明図。
以下、本発明のコネクタの好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、基板(図示略)に固定される相手側端子2と導通接続するコネクタ1を示す。コネクタ1の端子4と、相手側コネクタ(図示略)の相手側端子2とが導通接触する。
本明細書中では、コネクタ1において、複数の端子4の配列方向に沿う幅方向をX方向、コネクタ1へのFPCやFFC等の平型導体5の挿入方向に沿う前後方向をY方向、高さ方向(上下方向)をZ方向として説明する。またコネクタ1は、後述する嵌合ハウジング6と、保持ハウジング7とを高さ方向Zに沿って重ねるように固定することで構成されている。
高さ方向Zにおける嵌合ハウジング6の側を「上側」とし、保持ハウジング7側を「下側」として説明する。さらに、前後方向Yにおいて、コネクタ1への平型導体5の挿入方向における奥側を「前側」とし、手前側を「後側」として説明する。しかし、これらによってコネクタ1の実装方法や使用方法を限定するものではない。
実施形態〔図1〜図26〕:
本実施形態のコネクタ1は図1,図2で示すように、「第1のハウジング」としての嵌合ハウジング6と、「第2のハウジング」としての保持ハウジング7と、端子4と、リテーナ8とを備える。
〔嵌合ハウジング〕
嵌合ハウジング6は絶縁性樹脂でなり、図3〜図6で示すように略箱型状でなる。また、嵌合ハウジング6は、本体部6aと、側壁部6bと、保持ハウジング受け部6dと、壁部6eと、平型導体挿通部6fとを有する。
本体部6aは、略直方体形状でなる。またその天面側には図示しない相手側コネクタ(図示略)との嵌合状態を解除する操作部6a1が設けられる。操作部6a1は片持ち梁状に形成され、押圧されて弾性変形することができる。また本体部6aには、操作部6a1が本体部6aから離間する方向への過度な変形を防止する規制部6a2を有する。規制部6a2は橋状でなり、幅方向Xで操作部6a1の一端側から他端側にかけて、操作部6a1の上側を渡すように形成されている。
側壁部6bは、本体部6aの幅方向Xにおける両端側に繋がって1つずつ設けられる。側壁部6bは高さ方向Zに沿う板面を有しており、後述する保持ハウジング7の係止部7aが係止する「係止部」としての被係止部6cを有する。被係止部6cは係止部7aに対応する位置に、前後方向Yに沿って複数設けられる。本実施形態では特に、被係止部6cが2つ設けられる。このように被係止部6cを前後方向Yに沿って複数有することで、保持ハウジング7を嵌合ハウジング6に対してぐらつかせることなく確実に固定することができる。
壁部6eは前後方向Yにおける前側に配置される。壁部6eは、前後方向Yに沿う貫通孔でなる「挿入口」としての複数の相手側端子挿入口6e1を有する。それら複数の相手側端子挿入口6e1は、幅方向Xに沿って並列に配置される。
保持ハウジング受け部6dは、本体部6aの下側に配置されており平滑なカバー部6d1と、側壁部6bと、壁部6eとによって形成される凹部6gを有する。この凹部6gに保持ハウジング7が収容される。保持ハウジング7を後述の保持ハウジング受け部6dに収容して固定した状態で、壁部6eが保持ハウジング7の前側を覆うように配置される。また、この状態で壁部6eの端子相手側端子挿入口6e1は保持ハウジング7の端子保持溝7bに保持されている端子4の嵌合空間部9dと連通する。
平型導体挿通部6fは、前後方向Yにおける後側に配置される。また平型導体挿通部6fは、後述するリテーナ8を収容する凹部を有する。平型導体挿通部6fには側壁部6bよりも幅方向Xで突出する固定部6f1が設けられる。固定部6f1にはリテーナ係止孔6f2が設けられ、リテーナ係止孔6f2はその板厚を幅方向Xに沿って貫通する貫通孔として設けられる。リテーナ係止孔6f2には後述するリテーナ8の係止部7aが凹部の内側から嵌まり込む。こうしてリテーナ8が嵌合ハウジング6に対して固定され、平型導体挿通部6fとリテーナ8との間に平型導体5を挿通する挿入口6hが形成される。
〔保持ハウジング〕
保持ハウジング7は絶縁性樹脂でなり、図7〜図10で示すように略箱型状でなる。また保持ハウジング7は、底板7cと、複数の隔壁7dと、端子保持溝7bと、係止部7aとを有する。
底板7cは、裏面が平滑な板面でなる。底板7cの上面からは、複数の隔壁7dが上側に向けて伸長する。複数の隔壁7dは幅方向Xに沿って並列配置される。隔壁7dは前後方向Yに沿って伸長する略矩形の板状をなし、Y−Z平面に沿う板面を有する。
端子保持溝7bは、底板7cと、互いに隣接する2つの隔壁7dとによって形成される。また端子保持溝7bは上側に開口部7eを有しており、端子4の伸長方向の形状に沿う細長い溝状でなる。また、複数の端子保持溝7bが幅方向Xに沿って並列に配置されている。端子保持溝7bには、位置決め部7b1と、抜け止め部7b2と、端子押さえ部7b3とが設けられており、それらが前後方向Yにおける前側から後側に向かって順次配置されている。
位置決め部7b1は、端子保持溝7bの前後方向Yにおける前端側に設けられる。位置決め部7b1は、底板7cから端子保持溝7bの内側に向けて突出する。また、本実施形態では位置決め部7b1が端子保持溝7bにおいて幅方向Xにおける両端側に1つずつ配置される。
抜け止め部7b2は、底部7b4の前後方向Yにおける略中央から上側に向けて突出して設けられる。抜け止め部7b2は基部側から先端側に向けて先細る、断面略台形でなる。
端子押さえ部7b3は、隔壁7dの前後方向Yにおける略中央の上側から、端子保持溝7bの内部に向けて突出して設けられる。各端子保持溝7bには端子押さえ部7b3が複数設けられる。特に本実施形態では、隔壁7dの幅方向Xにおける両面側に端子押さえ部7b3が設けられるため、各端子保持溝7bには端子押さえ部7b3が2つずつ設けられる。
係止部7aは、保持ハウジング7の幅方向Xにおける両端側に配置される。係止部7aはカギ状でなり、嵌合ハウジング6の被係止部6cに対して外側から引っ掛かるように係止される。また、係止部7aは保持ハウジング7に前後方向Yに沿って複数設けられる。本実施形態では、保持ハウジング7の各側面には、被係止部6cが前後方向Yに沿って2つ設けられるため、保持ハウジング7は全体として4つの係止部7aを有する。
〔平型導体〕
平型導体5は図17で示すように、導電部5aと、第1の絶縁部5bと、第2の絶縁部5cとを有する。
導電部5aは細長い薄片状のアルミニウム材でなり、板幅方向に沿って複数並列に配置されている。
第1の絶縁部5bと第2の絶縁部5cは、絶縁性の熱可塑性樹脂材でなる。第1の絶縁部5bと第2の絶縁部5cは導電部5aのそれぞれ一面側と他面側に積層される。具体的には第1の絶縁部5bは導電部5aの一面側を覆う。また、第2の絶縁部5cは導電部5aの他面側を覆う。こうして導電部5aは、両面の各全面を絶縁部5b,5cによって覆われる。アルミニウム材は電蝕を生じやすい性質を有するが、このように絶縁部5b,5cで両面を覆うことで、アルミニウムでなる導電部5aに水分や異物を付着し難くすることができるため、電蝕の発生を抑制することができる。また、平型導体5の先端側であって、導電部5aと、絶縁部5b,5cとが積層している部分は、後述する端子4の挟持部12に挟持されて導通接続する接続部分5Aとなる。
〔端子〕
端子4は、銅板を打ち抜いて形成した金属板をプレス成型することで得られる。端子4は、図12〜図15で示すように、接点接続部9と、連結部10と、導体接続部11とを有する。なお、端子4は、導電性金属であって、平型導体5を導体接続部11に固定できる程度の強度があれば銅以外の金属で設けても良い。
接点接続部9は、下片部9aと、連結片部9bと、上片部9cとを有する。接点接続部9は、端子片を端子4の長手方向で折り返して形成される。接点接続部9は側方から見ると、下片部9aと、連結片部9bと、上片部9cとが略Z字状に形成される。
下片部9a板状でなり、その板面はX−Y平面に対して平行に設けられる。下片部9aの幅方向Xにおける両端側にはY−Z平面に対して平行な側片部9a2が設けられる。側片部9a2は下片部9aの幅方向Xにおける両端側から1つずつ伸長する。また、側片部9a2には凹凸形状でなる係合部9a3が設けられる。
また、下片部9aの前端には、保持ハウジング7の位置決め部7b1が係止する係止部9a4が設けられる。さらに、下片部9aの後端には、保持ハウジング7の抜け止め部7b2が係止する係止部9a1が設けられる。本実施形態では、下片部9aが有する係止部9a4及び係止部9a1は端子4を形成する金属板の板縁に設けられる。
連結片部9bは、下片部9aと上片部9cを連結する略U字状の金属片でなる。連結片部9bは、下片部9aに繋がるガイド片部9b1を有しており、ガイド片部9b1は下片部9aの上側かつ後側に向けて傾斜して設けられる。相手側コネクタ(図示略)の相手側端子2の挿入方向におけるガイド片部9b1の後端部には、相手側コネクタとの嵌合状態における相手側端子2に向かって突出する接点突起9b2が形成される。また、接点突起9b2と対向する位置の連結片部9bには接点突起9b3が形成される。接点突起9b2と接点突起9b3とが相手側端子2を両側から挟み込むようにして導通接触する。
上片部9cは連結片部9bに繋がって下片部9aと対向し、板面同士が互いに平行になるように設けられる。上片部9cにはY−Z平面に対して平行な側片部9c2が形成されている。側片部9c2は上片部9cの幅方向Xにおける両端側から1つずつ伸長する。側片部9c2には被係合部9c3が設けられており、被係合部9c3は係合部9a3の形状に対応する凹凸形状を有する。下片部9aの係合部9a3と上片部9cの被係合部9c3とが互いに係合することで、接点接続部9の袋状ないしボックス構造の全体形状を維持することができる。
このように接点接続部9がボックス構造を形成した状態で、上片部9cと連結片部9bとの間には相手側コネクタ(図示略)の相手側端子2を収容する嵌合空間部9dが形成される。
連結部10は、接点接続部9に繋がり後側に向けて伸長する。連結部10は連結板部10aと、支持部10a1とを有する。連結板部10aはY−Z平面に沿う板面を有し、下片部9aの側片部9a2,9a2から後側に伸長して設けられる。連結部10は連結板部10aを複数有する。本実施形態のコネクタ1は、連結板部10aを2つ有しており、各連結板部10aは互いに平行に対向配置される。また、連結板部10aからは高さ方向Zに沿って下側に向けて伸長する支持部10a1を有する。
導体接続部11は連結片部9bに繋がり、その後側に設けられる。導体接続部11は、平型導体5を挟持する挟持部12と、連結部12cとを有する。
挟持部12は、図12,図13で示すように、第1の挟持片部12aと、第2の挟持片部12bとを有する。
第1の挟持片部12aは、第1の挟持板12a1と、第1の突出部12a2と、第1の接点突部12a5とを有する。
第1の挟持板12a1は平坦な板面を有する略矩形の板状でなる。
第1の突出部12a2は、第1の挟持板12a1から対向する第2の挟持板12b1の側に向けて突出して設けられる。また、第1の挟持片部12aは、第1の突出部12a2を第1の挟持板12a1の長手方向に沿って2つ有する。第1の突出部12a2はアーチ状でなり、第1の挟持板12a1の長手方向に沿う断面が略逆U字状でなる(図12,図13)。第1の突出部12a2は、第1の挟持板12a1に切り込みが入れられ、さらに押圧されて突出することで形成されており、切込み部分には開口部12a3が設けられる。第1の突出部12a2において最も突出する部分は、第1の挟持板12a1の短手方向に沿う線状でなる突条部12a4である。
第1の接点突部12a5は、第1の突出部12a2,12a2の間に配置される。第1の接点突部12a5は第1の突出部12a2と同様にアーチ状でなり、断面が略逆U字状である。しかし、第1の接点突部12a5は、第1の突出部12a2よりも第1の挟持板12a1からの突出量が小さい。具体的には、第1の突出部12a2と第2の突出部12b2との先端同士が接触した状態で、第1の接点突部12a5の先端が平型導体5の第1の絶縁部5bを貫通して導電部5aの表面に接触したり、わずかにめり込む程度の突出量を有する。
第2の挟持片部12bは、第1の挟持片部12aの上側に配置される。第1の挟持片部12aと類似の構造でなり、第2の挟持板12b1と、第2の突出部12b2と、第2の接点突部12b5とを有する。
第2の挟持板12b1は、平坦な板面を有する略矩形の板状でなる。第2の挟持板12b1は、第1の挟持板12a1と平型導体5を介して対向する。
第2の突出部12b2は、第2の挟持板12b1から対向する第1の挟持板12a1の側に向けて突出して設けられる。また、第2の挟持片部12bは、第2の突出部12b2を第2の挟持板12b1の長手方向に沿って2つ有する。第2の突出部12b2,12b2は、互いに同形状でなり、第2の挟持板12b1から同じ高さ分だけ突出する。また、第2の突出部12b2はアーチ状でなるが、第1の突出部12a2とは異なり、第2の挟持板12b1の短手方向に沿う断面が略U字状でなる(図12,図13)。第2の突出部12b2は第2の挟持板12b1に切込みが入れられ、さらに押圧されて形成されており、切込み部分には開口部12b3が設けられる。第2の突出部12b2において最も突出する部分は、第2の挟持板12b1の長手方向に沿う線状でなる突条部12b4である。
第2の接点突部12b5は、第2の突出部12b2,12b2の間に配置される。第2の接点突部12b5は第2の突出部12b2と同様にアーチ状でなり、断面が略U字状である。しかし、第2の接点突部12b5は、第2の突出部12b2よりも第2の挟持板12b1からの突出量が小さい。具体的には、第1の突出部12a2と第2の突出部12b2との先端同士が接触した状態で、第2の接点突部12b5の先端が平型導体5の第2の絶縁部5cを貫通して導電部5aの表面に接触したり、わずかにめり込む程度の突出量を有する。そのため、第1の接点突部12a5と第2の接点突部12b5とは溶接するほど強く接触することが無い。
第1の突出部12a2と第2の突出部12b2は互いに対向する。そのため、第1の突出部12a2の突条部12a4と第2の突出部12b2の突条部12b4とは挟持板12a1,12b1の平面視で互いに交差する。特に本実施形態では、それらは直交する。こうした突条部12a4,12b4によって平型導体5の導電部5aを挟持することで、突出部12a2,12b2が導電部5aに対して両面から確実に導通接続することができる。
連結部12cは断面略U字状でなり、第1の挟持片部12aと第2の挟持片部12bとを連結する。また、連結部12cは2つの連結板部10aに繋がる。
〔リテーナ〕
リテーナ8は絶縁性樹脂でなり、図11で示すように略板状にて形成される。リテーナ8は、保持ハウジング7に平型導体5付きの端子4が固定された状態で平型導体挿通部6fの凹部に収容される。リテーナ8は係止部8aを有しており、係止部8aが嵌合ハウジング6のリテーナ係止孔6f2に挿入されることで、リテーナ8が嵌合ハウジング6に対して固定される。そして、平型導体挿通部6fとリテーナ8とによって挿入口6hが形成される。
〔保持ハウジングへの端子の固定方法の説明〕
まず、図16で示すように端子4を保持ハウジング7の端子保持溝7bに固定する。端子保持溝7bの上側には開口部7eが設けられており、端子4を開口部7eから高さ方向Zに沿って端子保持溝7bに挿入する。その際、複数の端子4を図示しないキャリアに接続した状態で保持ハウジング7に挿入することで、複数の端子4をまとめて保持ハウジング7に挿入することができる。端子4の係止部9a4は、位置決め部7b1によって位置決めされる。こうして端子4が端子保持溝7bに固定された状態で、端子4の連結部10は保持ハウジング7の端子押さえ部7b3の下側に配置される。また、端子押さえ部7b3の真下にあたる連結部10からは、下側に向けて伸長する支持部10a1が設けられている。支持部10a1の先端が端子保持溝7bの底部7b4に接触し、支持部10a1が端子押さえ部7b3と底部7b4との間に嵌まり込むように配置されることで、連結部10が端子押さえ部7b3によって上側から押圧されても、下側に向けて撓まないようにすることができる。しかし、端子押さえ部7b3は常に端子4の連結部10を下側に向けて押圧する必要はない。仮に端子4が端子保持溝7bに収容された状態で端子押さえ部7b3が連結部10と接触しない状態であっても、端子4が端子保持溝7bから抜け方向に引っ張られた際に端子押さえ部7b3によって抜け止めすることができる。
その後、図17で示すように、端子保持溝7bに端子4を収容した状態で端子4に平型導体5を固定する。この固定方法としては、本実施形態では超音波振動を用いる。先に複数の端子4を端子保持溝7bに固定した状態でこうした平型導体5を端子4に固定することで、端子4が超音波振動を受けても、平型導体5に対して位置ずれしないようにすることができる。よって、保持ハウジング7に端子4を固定する前に端子4に平型導体5を固定する場合と比較して、端子4への平型導体5の固定作業を容易に行うことができる。その固定方法の詳細については後述する。
〔嵌合ハウジングと保持ハウジングの固定方法の説明〕
図18で示すように、端子4を固定した状態の保持ハウジング7の上側から重ね合わせるように嵌合ハウジング6を固定する。その後、保持ハウジング7の係止部7aを嵌合ハウジング6の側面に設けられる被係止部6cに対して外側から引っかけるように係止する。その際、保持ハウジング7を壁部6eによって嵌合ハウジング6に対して位置決めすることができる。この状態で、端子保持溝7bの開口部7eが嵌合ハウジング6によって覆われる。また、相手側端子挿入口6e1と端子4の接点接続部9の嵌合空間部9dが連通する。こうして嵌合ハウジング6と、保持ハウジング7と、端子4とを備えるコネクタ本体1Aが形成される(図19〜図21参照)。嵌合ハウジング6と、保持ハウジング7と、端子4とを高さ方向Zに沿って重ね合わせるようにしてコネクタ本体1Aを組み立てることができるため、例えば保持ハウジング7の孔に端子4を挿入したり、嵌合ハウジング6の収容空間に保持ハウジング7を挿入したりするといった繊細で高い精度が求められる作業を要しないため、容易に組立が可能なコネクタ1とすることができる。こうしたコネクタ1は、特にロボットによる自動組み立てを行うことができる。よって、より効率よく組み立てを行うことができる。
〔リテーナの取付方法の説明〕
続いて、図22で示すように、コネクタ本体1Aの下側にリテーナ8を取付ける。具体的には、コネクタ本体1Aの下側から露出する端子4の第1の挟持片部12aを覆うように、嵌合ハウジング6に対してリテーナ8を固定する。リテーナ8の係止部8aを嵌合ハウジング6が有する固定部6f1のリテーナ係止孔6f2に挿入することで、リテーナ8が嵌合ハウジング6に対して固定される。よって、リテーナ8もまた、高さ方向Zに沿ってコネクタ本体1Aに対して容易に取り付けることができる。
本実施形態では、端子4を保持ハウジング7に固定し、この保持ハウジング7を嵌合ハウジング6に固定した状態では、端子4の第2の挟持片部12bの一面側(上側)は嵌合ハウジング6によって覆われている。しかし、端子4の第1の挟持片部12aの他面側(下側)は、保持ハウジング7の底板7cによって覆われずに露出した構造となっている。これは、後述するように本実施形態では、端子4を保持ハウジング7に固定した状態で平型導体5を端子4に固定する際に、超音波溶着を用いるためである。すなわち、この超音波溶着処理を行う際、アンビル13bとホーン13aで挟持部12を上下から挟み込む。よって、保持ハウジング7に端子4を固定し、嵌合ハウジング6を固定していない状態で、第2の挟持板12b1の上面と第1の挟持板12a1の底面を保持ハウジング7から露出させることで、そうした作業が行いやすくなっている。
そのため、保持ハウジング7を嵌合ハウジング6に固定した状態で相手側コネクタ(図示略)にコネクタ1を使用すると、第1の挟持片部12aに他の部材がぶつかって平型導体5から外れたり、異物が接触して導通接触が不安定になったりしやすくなる。そこで、リテーナ8で第1の接触片部12aを覆った状態で固定することで、そうした第1の挟持片部12aと平型導体5との接触部分を保護することができる。
こうしてコネクタ1の組み立てが完了する。
この状態でコネクタ1を相手側コネクタ(図示略)と嵌合する。図26で示すように、相手側端子2は相手側端子挿入口6e1から嵌合空間部9dに差し込まれ、その先端がガイド片部9b1によってガイドされて嵌合空間部9dの奥側(前後方向Yにおける後側)まで挿入される。こうして相手側端子2は接点突起9b2,9b3の間の間隙に挿入される。接点突起9b2と接点突起9b3との間の間隔は、相手側端子2の幅よりも短く形成されているため、相手側端子2は接点突起9b2,9b3間を押し広げるように挿入される。その際、仮に相手側端子2から接点接続部9が強く押圧されても、上記上片部9cの被係合部9c3と下片部9aの係合部9a3とによって接点接続部9のボックス構造を維持することができる。また、接点接続部9がボックス構造でなるため、相手側端子2は接点接続部9から外部に離脱することなく、接点突起9b2,9b3と確実に導通接触することができる。
〔超音波振動による平型導体に対する端子の固定方法の説明〕
まず、図23(A),(B)で示すように平型導体5の先端側であって、導電部5aと、第1の絶縁部5bと、第2の絶縁部5cとが積層している接続部分5Aを端子4の挟持部12に挿入する。具体的には、第1の挟持片部12aと第2の挟持片部12bの間に接続部分5Aを挿入する。対向する突出部12a2,12b2同士の間隔を平型導体5の板厚よりも長くすることで、この挿入作業を容易に行うことができる。各絶縁部2a,2bは各突出部12a2,12b2のいずれの側に接触させても良いが、本実施形態では上記の様に、第1の突出部12a2が第1の絶縁部5bと接触し、第2の突出部12b2が第2の絶縁部5cと接触する場合を例示する。
続いて図23(C)で示すように、端子4及び平型導体5を、第1の挟持片部12a側を下にして超音波装置(図示略)のアンビル13bに載せる。そして、ホーン13aを第2の挟持片部12bに当接して超音波振動を加える。ここで、第2の突出部12b2はあらかじめ第2の絶縁部5cに接触させてもよいが、ホーン13aによって第2の突出部12b2を押圧して第2の絶縁部5cに接触させても良い。
端子4に対して超音波振動が加えられることで、各突出部12a2,12b2及び接点突部12a5,12b5が振動する。突出部12a2,12b2及び接点突部12a5,12b5と絶縁部5b,5cとの接触部分には摩擦熱が生じ、その熱で絶縁部5b,5cが軟化又は溶融する(図24(A)、図25(A))。この処理を超音波振動で行うことで、目的の部位を局所的に軟化又は溶融することができる。また、超音波振動によれば、視認しにくい部分や外部に露出していない部分であっても容易に軟化又は溶融することができる。こうして突出部12a2,12b2及び接点突部12a5,12b5と接触する位置の絶縁部5b,5cを軟化又は溶融させつつ、ホーン13aによって第2の挟持板12b1を第1の挟持板12a1の側に向けて押圧する。そして突出部12a2,12b2の先端を絶縁部5b,5cの内部に侵入させて導電部5aの表面に接触させる。挟持片部12a,12bの開口部12a3,12b3は、挟持片部12a,12bを絶縁部5b,5cに対して押圧する際に軟化又は溶融した絶縁部5b,5cの樹脂材5dを外部に押し出して逃がすことができる。これにより、樹脂材5dを開口部12a3,12b3から押し出して逃がしながら、絶縁部5b,5cから受ける負荷を低減し、容易に突出部12a2,12b2の先端を導電部5aに到達させることができる。こうして突出部12a2,12b2が平型導体5の導電部5aを挟持することができる。
ところで、本実施形態の導電部5aはアルミニウム材でなるため、端子4を形成する銅材などと比較して柔らかく変形しやすい。よって、突出部12a2,12b2の先端を導電部5aに対して両面側から接触させた状態から、さらに第2の突出部12b2を第1の突出部12a2に近づく方向に押圧することで、導電部5aに対して両面側からめり込んで貫通孔5eを形成する(図24(B)参照)。そこから更にホーン13aで第2の突出部12b2を押圧すると、導電部5aの貫通孔5eの内側で突出部12a2,12b2の突条部12a4,12b4を含む先端部12a6,12b6同士が、導電部5aを形成するアルミニウム材を挟み込んだ状態で接触する。そうした先端部12a6,12b6同士は互いに押圧し合い、変形することで湾曲部12a7,12b7を形成する。
金属の表面には異物が付着していたり、酸化皮膜を形成したりする。そのため、同種の金属同士であっても押圧するだけでは溶接し難く、異種金属間ではさらに困難が生じる場合がある。そこで、超音波振動を加えながら2つ以上の金属を互いに押圧接触させて酸化皮膜や異物を除去することで、金属同士を溶接させる超音波溶接が知られている。アルミニウムは特に厚い酸化皮膜を形成するため、導電部5aがアルミニウム材でなる場合には、その酸化皮膜を破らなければ端子4との導通接続が困難である。
しかし、この超音波溶接によれば、そうした端子4との導通接続も容易に可能となる。そこで、本実施形態では端子4に超音波振動を加えることにより、突出部12a2,12b2の突条部12a4,12b4を形成する銅材と、それらの間に挟み込んだ導電部5aを形成するアルミニウム材とを溶接することができる(図25(B)で示す溶接部14)。このように、突出部12a2,12b2をなす銅材と導電部5aをなすアルミニウム材とが溶接されることで、導電部5aと端子4とが、より離間し難くなり、確実に導通接続することができる。
また、挟持部12が備える接点突部12a5,12b5は、上述のとおり突出部12a2,12b2と比較して挟持板12a1,12b1からの高さ方向Zの突出量が短い。そのため、突出部12a2,12b2が接触し、押圧し合っている状態で接点突部12a5,12b5は導電部5aの表面と導通接触又は導電部5aにめり込んだ状態で導通接触することができる。よって、突出部12a2,12b2は超音波溶接により確実に固定され、その一方で接点突部12a5,12b5が導電部5aと導通接触することができる。こうして突出部12a2,12b2に平型導体5に対して移動しないように固定される役割を担わせつつ、接点突部12a5,12b5には確実に導電部5aと導通接触させることができる。
本実施形態では、上述のように、第1の突出部12a2と第2の突出部12b2をアーチ状とし、第1の突出部12a2の突条部12a4と第2の突出部12b2の突条部12b4とが挟持板12a1,12b1の平面視で互いに交差するように設ける。よって、例えば端子4に超音波振動を加える際に、振動により第2の突出部12b2が第1の突出部12a2に対して位置ずれした場合であっても、突条部12a4,12b4の長さ分だけ接触可能な距離を延長することができる。よって、より長い距離の位置ずれを許容することができる。
アーチ状の突出部12a2,12b2の先端部12a6,12b6同士が前記の通り押圧接触する際に互いに押圧し合って相手側にめり込むように変形して湾曲部12a7,12b7を形成する。こうした湾曲部12a7,12b7を形成することで、先端部12a6,12b6と導電部5aとの接触面積を増やすことができるため、それらの間により多くの導電部5aを挟み込んで閉じ込めやすくすることができる。よって、端子4を形成する銅材と導電部5aを形成するアルミニウム材とをより広い範囲で接触させて溶接することができ、それらを確実に離間させ難くすることができる。こうして突条部12a4,12b4を含む先端部12a6,12b6と、導電部5aによって溶接部14が形成される。また、突出部12a2,12b2同士もまた、部分的に導電部5aを貫通し、互いに接触して超音波溶接される(図25(B)で示す突出部同士の溶接部16)。さらに、先端部12a6,12b6における突条部12a4,12b4以外の部分では、導電部5aを貫通せずに、導電部5aを挟持した状態で溶接部14を形成することができる。
超音波溶接による挟持部12の導電部5aに対する固定処理が完了した状態で超音波振動処理を止める。これにより軟化又は溶融した絶縁部5b,5cが冷えて、固化体でなる超音波融着痕15を形成する。本実施形態の端子4は銅材でなり、導電部5aはアルミニウム材でなるため、異種金属接触による電蝕が生じやすい。しかし、超音波融着痕15が、突出部12a2,12b2と導電部5aとの溶接部14の周囲を覆うシール部15aを形成することで、その溶接部14に水分や異物が付着し難くなるように封止することができる。これにより、端子4と導電部5aの異種金属接触による上記電蝕の発生を抑えることができる。
また、軟化又は溶融した絶縁部5b,5cが端子4の挟持片部12a,12bに付着し、その状態のまま固化した超音波融着痕15により、シール部15aが設けられる。シール部15aが端子4に対して固着することで、平型導体5に端子4を固定するための構造を新たに設ける必要が無い。そのため、端子4や平型導体5をより単純な構造とすることができる。また、シール部15aが端子4の突出部12a2,12b2と導電部5aの溶接部14の周囲を封止する役割と、平型導体5の端子3に対して固定される役割を両立することができるため、それらの役割を異なる部材が担う場合と比較して、より部品点数を減らすことができる。
さらに、挟持片部12a,12bを平型導体5に対して押圧する際に開口部12a3,12b3から端子4の外部に押し出された軟化又は溶融した樹脂材5dは、固化した後、端子4を保持する保持部5d1となる。すなわち、樹脂材5dは突出部12a2,12b2において絶縁部5b,5cと接触する側とは反対側に回り込んだ状態で固化することで、保持部5d1として端子4を保持することができる。
上記端子4と平型導体5の接続方法によれば、端子4に超音波振動を加えることで絶縁部5b,5cを軟化又は溶融して端子4と導電部5aとを接触させる作業と、溶接部14の周囲をシール部15aで覆って封止する作業と、平型導体5を端子4に固定する作業とを連続して行うことができる。そのため、端子4の平型導体5への接続作業を効率的に、より容易に行うことができる。また、導電部5aは平型導体5によって両面の各全面を覆われており、かつ端子4と平型導体5を接続させる工程においても導電部5aが外部に露出しない。よって、より確実に導電部5aに水分や異物の付着から保護することができる。また、絶縁部5b,5cでシール部15aを形成することで、他の部材を用いることなく、水分や異物などの導電部5aへの付着を抑制できる。そのため導電部5aをアルミニウム材などの電蝕が生じやすい金属材で設ける場合には、電蝕の発生を抑える点で有利である。さらに、端子4に固定用の構造を設けたりすることなく、平型導体5を端子4に対して固定することができる。よって、より作業工程を少なくすることができる。
このように、本実施形態のコネクタ1は、嵌合ハウジング6と、保持ハウジング7と、端子4とを同じ方向で重ねるように組み立てることができるため、容易に組立が可能なコネクタ1とすることができる。また、平型導体5を端子4に対して容易、かつ確実に固定することができる。
実施形態の変形例:
前記実施形態では、平型導体5の導電部5aがアルミニウム材でなり、端子4が銅材でなる例を示した。これに対して導電部5aも端子4も共に銅材でなるものとすることもできる。こうした場合であっても、突出部12a2,12b2によって導電部5aを挟持して超音波溶接を行うことで接続信頼性を高めることができる。
前記実施形態では、平型導体5が、第1の絶縁部5bと第2の絶縁部5cとが、導電部5aに積層されて設けられる例を示した。これに対して2つの絶縁部5b,5cのうち、少なくとも何れか一方が導電部5aとは別体であるものとしても良い。この場合、端子4を導電部5aに接続する前に、導電部5aとは別体でなる絶縁部5b,5cを導電部5aに重ね、この状態の平型導体5を挟持部12で挟み込んで端子4に超音波振動を加える。こうすることで、絶縁部5b,5cでシール部15aを設け、溶接部14を封止することができる。
また、前記実施形態では、絶縁部5b,5cをなす樹脂材5dを軟化又は溶融する方法として、超音波振動を用いた。しかし、樹脂材5dを軟化又は溶融した後で再度固化することができれば、他の方法でも良い。例えば、端子4を熱して、その熱で絶縁部5b,5cをなす樹脂材5dの目的の部位を軟化又は溶融しても良い。また、絶縁部5b,5cをなす樹脂材5dに薬品処理を行って軟化又は溶融しても良い。
さらに前記実施形態では、端子4が挟持片部12a,12bを有する挟持部12を設ける例を示した。これに対し、挟持部12が第1の挟持片部12aと第2の挟持片部12bの何れか一方のみを有することとしても良い。この場合、突出部12a2,12b2の何れか一方及び、接点突部12a5,12b5の何れか一方のみを有することとなる。そして、端子4は導電部5aに対して何れか一方面に対してのみ導通接続する。また、前記挟持片部12a,12bの何れか一方は、他の部材との間で平型導体5を挟持することで、突出部12a2,12b2が絶縁部5b,5cを貫通して平型導体5を固定し、導電部5aと導通接続することができる。
1 コネクタ
1A コネクタ本体
2 相手側端子
4 端子
5 平型導体
5A 接続部分
5a 導電部
5b 第1の絶縁部
5c 第2の絶縁部
5d 樹脂材
5d1 保持部
5e 貫通孔
6 嵌合ハウジング
6a 本体部
6a1 操作部
6a2 規制部
6b 側壁部
6c 被係止部
6d 保持ハウジング受け部
6d1 カバー部
6e 壁部
6e1 相手側端子挿入口
6f 平型導体挿通部
6f1 固定部
6f2 リテーナ係止孔
6g 凹部
6h 挿入口
7 保持ハウジング
7a 係止部
7b 端子保持溝
7b1 位置決め部
7b2 抜け止め部
7b3 端子押さえ部
7b4 底部
7c 底板
7d 隔壁
7e 開口部
8 リテーナ
8a 係止部
9 接点接続部
9a 下片部
9a1 係止部
9a2 側片部
9a3 係合部
9a4 係止部
9b 連結片部
9b1 ガイド片部
9b2 第1の接点突起
9b3 第2の接点突起
9c 上片部
9c2 側片部
9c3 被係合部
9d 嵌合空間部
10 連結部
10a 連結板部
10a1 支持部
11 導体接続部
12 挟持部
12a 第1の挟持片部
12a1 第1の挟持板
12a2 第1の突出部
12a3 開口部
12a4 突条部
12a5 第1の接点突部
12a6 先端部
12a7 湾曲部
12b 第2の挟持片部
12b1 第2の挟持板
12b2 第2の突出部
12b3 開口部
12b4 突条部
12b5 第2の接点突部
12b6 先端部
12b7 湾曲部
12c 連結部
13a ホーン
13b アンビル
14 溶接部
15 超音波融着痕
15a シール部
16 溶接部

Claims (10)

  1. 第1のハウジングと、
    第2のハウジングと、
    接続対象物と平型導体とを導通接続する端子とを有するコネクタにおいて、
    前記第1のハウジングは、第2のハウジングに対して重ね合わせて配置されており、重ね合わせた第2のハウジングに対する係止部を有しており、
    前記第2のハウジングは、第1のハウジングを重ね合わせる方向で前記端子を嵌め込む端子保持溝を有しており、
    前記端子は、前記平型導体に対する固定部を有しており、
    前記固定部は、前記平型導体を板厚方向で挟んで固定する挟持部であることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記固定部は、端子が端子保持溝に保持された状態で第2のハウジングから露出している請求項1記載のコネクタ。
  3. さらに前記固定部を覆うリテーナを備える請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
  4. 前記第1のハウジングが、端子保持溝の伸長方向における一端側を覆う壁部を有しており、該壁部は、前記端子保持溝の一端側と連通する接続対象物の挿入口を有する請求項1〜請求項3何れか1項記載のコネクタ。
  5. 前記第1のハウジングが前記第2のハウジングを固定する複数の前記係止部を有する請求項1〜請求項4何れか1項記載のコネクタ。
  6. 前記挟持部が、前記平型導体の一面と接触する第1の挟持片部と、他面と接触する第2の挟持片部とを備える請求項1、請求項2、請求項4、請求項5何れか1項記載のコネクタ。
  7. 前記挟持部が、前記平型導体の一面と接触する第1の挟持片部と、他面と接触する第2の挟持片部とを備える請求項3記載のコネクタ。
  8. 前記リテーナが前記第1の挟持片部を覆い、
    前記第1のハウジングが前記第2の挟持片部を覆うものである請求項7記載のコネクタ。
  9. 前記端子保持溝は、前記端子を挿入する開口部と、収容されている端子よりも前記開口部側に配置される端子押さえ部とを有しており、
    前記端子は前記端子押さえ部と前記端子保持溝の底部との間に配置される支持部を有する請求項1〜請求項8何れか1項記載のコネクタ。
  10. 前記平型導体は導電部と絶縁性樹脂とを有しており、
    前記端子は平型導体を、前記絶縁性樹脂の超音波融着痕により保持するものである請求項1〜請求項9何れか1項記載のコネクタ。
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