JP6079713B2 - 車両の下部車体構造 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1の車両の下部車体構造では、リヤサイドフレームのキックアップ部の途中部から後方に延びる大型の補剛部材が必要になるため、生産コストや車体重量が増加する虞がある。
この走行振動に伴う入力荷重によって、リヤサイドフレームが構成する閉断面に断面崩れが生じることがあり、その結果、車体剛性が低下する虞がある。
また、上側ブラケットの前脚部と後脚部がクロスメンバの前壁部の延長面と後壁部の延長面に夫々沿うように形成されるため、サスペンションクロスメンバからサスボルトを介して入力された入力荷重を上側ブラケットの前脚部と後脚部を介してクロスメンバの前壁部と後壁部に分散伝達することができ、リヤサイドフレームとフロアパネルとにより構成された閉断面の断面崩れを抑制できる。
これによれば、上側ブラケットの支持剛性を高くすることができ、リヤサイドフレームとフロアパネルによって構成された閉断面の断面崩れを一層抑制できる。
本構成によれば、サスペンションクロスメンバからサスボルトを介して入力された入力荷重を補強フレームを介してリヤホイールハウスとクロスメンバとの2つの経路によって分散伝達することができ、リヤサイドフレームとフロアパネルにより構成された閉断面の断面崩れを更に抑制することができる。
図1〜図5に示すように、本実施例の車両Vは、フロアパネル1と、左右1対のリヤサイドフレーム2と、これら1対のリヤサイドフレーム2を車幅方向に連結するクロスメンバ3と、フロアパネル1の下側に配設された左右1対のリヤサスペンション機構(図示略)を支持するための左右1対の支持構造部4等を備えている。
フロアパネル1は、左右1対のリヤサイドフレーム2に亙って車幅方向に架け渡されると共に前後方向に延びるように設けられ、車両Vの床面を形成している。
このフロアパネル1は、前後方向途中部に形成された後方上がり傾斜状のキックアップ部Kと、このキックアップ部Kよりも後側に荷室を形成するためのリヤフロアと、スペアタイヤを収容するためのスペアタイヤパン等が設けられている。
キックアップ部Kには、後席の乗員が着座可能な左右1対のリヤシート(図示略)が支持されている。
図1,図2,図7,図8に示すように、左右1対のリヤホイールハウス5は、サイドパネルインナ6bの下端から車幅方向外側へ膨出するホイールハウスアウタ5aと、サイドパネルインナ6bの下端から車幅方向内側へ膨出するホイールハウスインナ5bとから夫々形成されている。尚、各左右1対の部材は、夫々左右対称の構造であるため、以下、右側の部材の構造について主に説明する。
サスペンションハウジング7は、正面視にて略L字状に形成され、リヤサスペンションのダンパ装置8を収容可能な柱状空間を形成している。このサスペンションハウジング7は、ホイールハウスインナ5bの頂部を含む前後方向略中央部分に設けられ、ダンパ装置8の上端部分を支持可能な支持部7aと縦壁部7bとにより形成されている。
サスペンションハウジング7の頂部は、補強部材9によってサイドパネルインナ6bに連結され、補強フレーム10によってフロアパネル1に連結されている。
補強フレーム10の下端側部分は、前壁部10b及び後壁部10cの上端部に形成された両フランジ部10d,10eをフロアパネル1の上面に夫々接合することにより、フロアパネル1と協働して車幅方向に延びる閉断面C3をフロアパネル1の上面側に構成している。
図3〜図5,図7〜図9に示すように、リヤサイドフレーム2は、その前側途中部においてキックアップ部Kに沿って後方上がり傾斜状に前後方向に延びるように形成されている。リヤサイドフレーム2は、前後方向に直交する縦断面が略水平状の底壁部2aと、この底壁部2aの車幅方向外側端部から上方に延びる外壁部2bと、底壁部2aの車幅方向内側端部から上方に延びる内壁部2cとを備え、各壁部2a〜2cによって前後方向と直交する縦断面が上方に開口した略コ字形状を構成している。
閉断面C1内において、キックアップ部Kの頂部に対応した部分には、支持構造部4が配設されている。
図3,図5,図8に示すように、クロスメンバ3は、左右1対のリヤサイドフレーム2間において、キックアップ部Kの頂部に対応した部分を車幅方向に連結している。
クロスメンバ3は、車幅方向に直交する縦断面が略水平状の底壁部3aと、この底壁部3aの前端部から前方上り傾斜状に延びる前壁部3bと、底壁部3aの後端部から後方上り傾斜状に延びる後壁部3cとを備え、各壁部3a〜3cによって車幅方向と直交する縦断面が上方に開口した略ハット形状を構成している。
図1,図2,図8に示すように、フロアパネル1には、閉断面C2の断面係数を増加するため、クロスメンバ3に対応して上方に突出した凸部1aが形成されている。
図3に示すように、クロスメンバ3の左右両端部は、各壁部3a〜3cから延長して形成されたフランジ部を左右両側の内壁部2cに夫々接合することによって左右1対のリヤサイドフレーム2の間を連結している。
支持構造部4は、リヤサスペンション機構のサスペンションクロスメンバ15をサスペンション装着用ボルト(以下、サスボルトと省略する)Bを介して支持する上側ブラケット11と、上側ブラケット11を下側から支持する下側ブラケット12とにより構成されている。
前脚部11bの車幅方向内側端部に設けられたフランジ部は、内壁部2cを介して前壁部3bの車幅方向外側端部に設けられたフランジ部と接合されている。
フランジ部11eは補強フレーム10のフランジ部10dよりも前側位置においてフロアパネル1の下面に接合されている。
後脚部11cの車幅方向内側端部に設けられたフランジ部は、内壁部2cを介して後壁部3cの車幅方向外側端部に設けられたフランジ部と接合されている。
図9に示すように、フランジ部11fは補強フレーム10のフランジ部10eとフロアパネル1を間に介して溶接にて3重接合されている。
前脚部12bは頂板部12aの前端部から前方下り傾斜状に延び、フランジ部12eはブラケット16の接合フランジとリヤサイドフレーム2の底壁部2aを間に介して溶接にて3重接合されている。後脚部12cは頂板部12aの後端部から後方下り傾斜状に延び、フランジ部12fはブラケット16の接合フランジとリヤサイドフレーム2の底壁部2aを間に介して溶接にて3重接合されている。
この車両の後部車体構造によれば、支持構造部4が、車幅方向と直交する縦断面が上方に開口した略ハット状の上側ブラケット11と、この上側ブラケット11の底板部11aに下方から接合された頂板部12aを有する下側ブラケット12とを備えるため、大型の補剛部材を新設することなく、上側ブラケット11を下側ブラケット12を用いてリヤサイドフレーム2とフロアパネル1とにより構成された閉断面C1内に配設することができる。また、上側ブラケット11の前脚部11bと後脚部11cがクロスメンバ3の前壁部3bの延長面と後壁部3cの延長面に夫々沿うように形成されるため、サスペンションクロスメンバ15からサスボルトBを介して入力された入力荷重を上側ブラケット11の前脚部11bと後脚部11cを介してクロスメンバ3の前壁部3bと後壁部3cに分散伝達することができ、リヤサイドフレーム2とフロアパネル1によって構成された閉断面C1の断面崩れを抑制できる。
1〕前記実施例においては、上側ブラケットの前脚部及び後脚部がクロスメンバの前壁部及び後壁部の延長面に夫々沿う例を説明したが、上側ブラケットの前脚部及び後脚部がクロスメンバの前壁部及び後壁部の延長面に夫々沿うと共に下側ブラケットの前脚部及び後脚部もクロスメンバの前壁部及び後壁部の延長面に夫々沿うように設定しても良い。
2 リヤサイドフレーム
2b 外壁部
2c 内壁部
3 クロスメンバ
3b 前壁部
3c 後壁部
4 支持構造部
5 リヤホイールハウス
10 補強フレーム
10d,10e (補強フレーム)フランジ部
11 上側ブラケット
11a 底板部
11d 上側フランジ部
11e,11f (上側ブラケット)フランジ部
12 下側ブラケット
12a 頂板部
12d 下側フランジ部
15 サスペンションクロスメンバ
V 車両
B サスボルト
C1 閉断面
Claims (3)
- フロアパネルと協働して車体前後方向に延びる閉断面をフロアパネルの下面側に夫々構成する左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームを車幅方向に連結するクロスメンバと、前記1対の閉断面内に配設されサスボルトを介してサスペンションクロスメンバを支持する左右1対の支持構造部とを備えた車両の下部車体構造において、
前記1対の支持構造部が、車幅方向と直交する縦断面が上方に開口した略ハット状の上側ブラケットと、この上側ブラケットの底板部に下方から接合された頂板部を有する下側ブラケットとを夫々備え、
前記上側ブラケットの前脚部と後脚部が前記クロスメンバの前壁部の延長面と後壁部の延長面に夫々沿うように形成されたことを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記上側ブラケットの底板部の車幅方向両端部から上方に夫々延びる1対の上側フランジ部と、
前記下側ブラケットの頂板部の車幅方向両端部から上方に夫々延びる1対の下側フランジ部とを備え、
前記1対の上側フランジ部と1対の下側フランジ部を夫々重ね合わせて前記リヤサイドフレームの左右両側の側壁部に夫々接合したことを特徴とする請求項1に記載の車両の下部車体構造。 - 前記フロアパネルの左右両端側に配設された左右1対のリヤホイールハウスと、
前記1対のリヤホイールハウスの車幅方向内側部及びその内側近傍部に夫々配設された左右1対の補強フレームであって、前記内側近傍部に配設された下半部分が1対のフランジ部によって前記クロスメンバに対応する位置で前記フロアパネルに接合された左右1対の補強フレームを備え、
前記上側ブラケットの前脚部と後脚部の上端に設けられた1対のフランジ部の少なくとも一方のフランジ部が前記補強フレームの1対のフランジ部の少なくとも一方と車体前後方向において略同位置で前記フロアパネルに接合されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の下部車体構造。
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