JP6079092B2 - 板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主として変圧器や発電機等の鉄心に用いられる方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
Siを含有し、結晶方位が{110}<001>方位(Goss方位)や{100}<001>方位(Cube方位)に高度に配向した方向性電磁鋼板は、優れた軟磁気特性を示すことから、商用周波数領域で用いられる各種電気機器の鉄心材料として広く用いられている。このような用途に用いられる方向性電磁鋼板には、一般に、50Hzの周波数で1.7 T に磁化させた場合の鉄損であるW17/50 (W/kg)が低いことが重要である。すなわち、発電機や変圧器の電力損失はW17/50 の値が低い材料を用いることにより大幅に低減できることから鉄損の低い材料の開発が年々強く求められてきているのである。
さらなる低鉄損化としては、板厚の薄い材料で渦電流損を低減する方向に移行しつつあり、従来の板厚0.30mm中心の製品ニーズに対し、板厚0.25mm以下の製品ニーズが高まりつつあるといった方向にある。
板厚が薄くなると、インヒビタとよばれる析出物の仕上焼鈍中のオストワルド成長や表面への酸化分解反応が二次再結晶に影響しやすくなり、インヒビタの一次再結晶粒の粒成長に対するピン止め力が過剰に失われた場合には、二次再結晶が起こらないPoor Grain Growth(以下PGGと称す)と呼ばれる不良組織が形成され、大幅な鉄損劣化につながることとなる。
このような課題を解決するため、特許文献1では、Niを添加して組織を微細化するとともに、Sbおよび微量のBを添加することで、二次再結晶の発現安定性を増すことが開示されている。
特許文献2では、1ppm以下の微量の素材B量に応じて、1回目と2回目の冷間圧延の圧下率比を調整することで二次再結晶粒径を一定に制御し、安定して低鉄損の製品を製造する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1のような技術をもってしても仕上焼鈍時のコイルの外巻、内巻のような長手方向端部では、PGG型不良により鉄損が大幅に劣化する、という問題が生じていた。また、特許文献2の技術は、インヒビタとしてAlNを用いない系での技術であるとともに、その効果がPGGとは対極の二次再結晶が過度に発現しやすいことによる方位不良(Unfavorable Grain growth、以下UFGと称す)につながるものであるため、インヒビタとしてAlNを用いる系での検討が十分なされていなかった。
特許第3357601号公報 特開平10−245630号公報
そこで、本発明の課題は、板厚が0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板でも二次再結晶を安定して発現させ、製品コイル内の鉄損が低くかつ均一である方向性電磁鋼板およびその製造方法を提案することにある。
本発明は、以下の特徴を備えている。
[1] 成分組成として、C:0.04〜0.12mass%、Si:1.5〜5.0mass%、Mn:0.01〜1.0mass%、SおよびSeのうちから選ばれる1種または2種:合計0.005〜0.05mass%、sol.Al:0.010〜0.027mass%、N:0.0040〜0.0110mass%、sol.Al/N:1.50〜2.50、B:1.2mass ppm以下、
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、1250℃以上の温度に加熱した後、熱間圧延し、熱延板焼鈍および、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延をして最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍し、仕上焼鈍、さらには、平坦化焼鈍を施すことを特徴とする板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板の製造方法。
[2]前記仕上焼鈍時の加熱過程において750〜875℃で10〜200時間保定し、ついで900〜1150℃の加熱速度を5℃/hr以上とすることを特徴とする前記[1]に記載の板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板の製造方法。
[3] 前記成分組成に加えて、さらに、Sb、Sn、Ni、Cu、Moのうちから選ばれる1種または2種以上を合計で0.002〜1.0mass%含有する前記[1]または[2]に記載の板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる方向性電磁鋼板。
かくして、この発明に従い、方向性電磁鋼板を製造する場合において、スラブに残留するB量の低減、sol.Al/N比の限定、さらには、仕上焼鈍途中での温度保定処理およびその後の加熱過程の加熱速度の適正制御により、板厚0.25mm以下の薄手の方向性電磁鋼板においてもコイルの全長で鉄損が低くかつ均一な方向性電磁鋼板を得ることができる。
スラブに残留するB量とsol.Al/N比の製品磁気特性への影響を示した図である。
以下、この発明の基礎となった実験結果について説明する。
(実験1)
供試材には、B含有量およびsol.Al/N比の異なる鋼A〜Tを用いた。それぞれの化学成分は表1に示すとおりである。
上記した鋼スラブ(厚み230mm)を、それぞれ1400℃に加熱後、熱間圧延によって板厚2.0mmに仕上げ、960℃で熱間圧延を終了したのち、530℃でコイルに巻き取った。次いで、熱延コイルを、1020℃まで加熱する熱延板焼鈍を施し、酸洗後、冷間圧延により1.5mmの中間厚としたのち、1070℃×30秒間の中間焼鈍を施した。これらのコイルは酸洗後、180℃の温度での冷間圧延を施して最終板厚:0.20mmに仕上げた。その後、磁区細分化のための圧延直角方向への線状溝を電解処理により、深さ15μm、幅150μmの条件で付与した。そののち、露点:60℃の(50%N2+50%H2)雰囲気中にて850℃×120秒間の脱炭焼鈍を兼ねる一次再結晶焼鈍を施した。その後、マグネシア系の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してからコイルに巻き取った。
その後、仕上焼鈍として、75%H2+25%N2の雰囲気にて加熱途中の800℃から1150℃まで10℃/hrの速度で加熱した。さらに、H2中にて1150℃×5時間の均熱による純化処理を実施した。仕上焼鈍後は、未反応の焼鈍分離剤を除去したのち、コロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなるガラス系の張力コートを塗布・焼き付けて製品とした。
かくして得られた仕上焼鈍コイルのコイル外巻、長手中央分割部(中巻)および内巻の鉄損W17/50を測定した結果を表2および図1に示す。図1中で、○は外巻、中巻、内巻のすべてのW17/50の値が0.80W/kg以下であることを、×は外巻、中巻、内巻のいずれかのW17/50の値が0.80W/kg超であることを示す。ここで、鉄損の測定は、JIS C 2550に記載されている方法に従い評価した。また、コイル外巻、内巻とは、最外または最内の形状不良部の数ターンを除外した部位のことである。
図1からわかるように、Bを1.2mass ppm以下に低減するとともにsol.Al/Nを1.50〜2.50に制御することにより仕上焼鈍コイル外巻、長手中央分割部(中巻)、内巻でも良好な磁気特性を得られることが判明した。
Figure 0006079092
Figure 0006079092
(実験2)
さらに、表1の鋼Hについて、実験1と同様の方法で、一次再結晶焼鈍まで完了させたのち、仕上焼鈍時の加熱途中での保定温度を700〜880℃、保定時間を0〜250時間まで、さらにその後の900〜1150℃までの加熱速度を2.5℃/hr〜50℃/hrまで変更する実験を表3に示す11条件で実施した。仕上げ焼鈍後は、未反応の焼鈍分離剤を除去したのち、コロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなるガラス系の張力コートを塗布・焼き付けて製品とした。
かくして得られた仕上焼鈍コイルのコイル外巻、長手中央分割部(中巻)および内巻の鉄損W17/50を測定した結果を表3に併記する。表3に示すとおり、750〜875℃の温度域で10〜200時間保定するとともに900〜1150℃の加熱速度を5℃/hr以上とした場合にコイル外巻、長手中央分割部(中巻)および内巻のいずれにおいてもさらに良好な磁気特性が得られることが判明した。
Figure 0006079092
(実験3)
さらに、表4に示す鋼U〜Yについては、Sb、Sn、Ni、Cu、Moを添加し、実験2の条件3と同じ製造条件にて製造し、同様に仕上焼鈍コイルのコイル外巻、長手中央分割部(中巻)および内巻の鉄損W17/50を測定した。得られた結果を表5に示す。表5に示すように、比較の実験2の条件3に対して、Sb、Sn、Ni、Cu、Moを添加した鋼は、特性がさらに改善されていた。
Figure 0006079092
Figure 0006079092
以上の本発明による磁性改善の原因については、完全には明らかではないが、次のように考えられる。
板厚0.25mm以下のような薄手の方向性電磁鋼板の製造では、仕上げ焼鈍中のインヒビタ成分の分解が起こりやすく、一次再結晶粒の成長をピン止めできず、最終的に良好な二次再結晶組織が得られないPGG不良と、インヒビタ成分を過剰に添加した場合などに、二次再結晶の方位選択性が低下し、製品の鉄損が劣化するUFG不良が起こるため、製品の歩留まりが低下しやすい。
これに対し本発明では、不純物である微量のBとsol.AlとNの比の影響を見出し規定する。上記のようにBが仕上げ焼鈍のコイルの端部でのPGG不良に影響したのは、Alを含む系での主たるインヒビタ成分であるAlNと、BがNと結合して形成されるBNとが、Nとの結合に関して競合関係になり、AlNとしての析出量・析出形態が変化し、仕上焼鈍の非定常部である最外巻、最内巻のような温度、雰囲気など条件が振れやすいところで、析出状態の急激な変化が発生し、PGG不良を招いたものと考えている。そこで、本発明では、Bを1.2mass ppm以下に低減するとともにsol.Al/Nを1.50〜2.50に制御することとする。このようにBとsol.AlとNの比を規定することにより仕上焼鈍のコイル外巻、内巻といったコイル長手方向端部でのPGGの発生を抑制し、二次再結晶の安定的発現に至らしめることとなり、製品コイル内の鉄損が低くかつ均一である方向性電磁鋼板を製造するが可能となる。
さらに、仕上げ焼鈍の加熱過程で保定することは、二次再結晶核の生成を促進することにより二次再結晶の発現を安定化させる効果があるとともに、コイル全体の温度の均質化を促進し、引き続き行われる加熱過程でのコイル内の温度ばらつきの抑制に寄与するものと考えている。加熱速度の規定は、インヒビタの分解を適度に抑制しながら、二次再結晶の発生に至らしめるものと思われる。
Sb、Sn、Ni、Cu、Moについては、インヒビタの効果を補助する効果によりPGGを抑制するものと考えている。
本発明において、成分組成範囲を限定した理由は次のとおりである。
C:0.04〜0.12 mass%
Cは、熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化ならびにGoss方位の発達のために有用な元素であり、少なくとも0.04mass%以上を含有させる必要がある。しかし、0.12mass%を超えて添加すると、脱炭焼鈍で脱炭不足を起こし、磁気特性が劣化するおそれがあるので0.12mass%以下とする。よって、Cは0.04〜0.12mass%の範囲とする。好ましくは0.05〜0.10mass%の範囲である。
Si:1.5〜5.0 mass%
Siは、鋼板の比抵抗を高めて鉄損の低減に有効に寄与する元素であり、良好な磁気特性を確保する観点から、本発明では1.5mass %以上含有させる。一方5.0mass%を超える添加は、冷間加工性が著しく阻害されるようになる。よって、Siは1.5〜5.0mass%の範囲とする。好ましくは、2.0〜4.0mass%の範囲である。
Mn:0.01〜1.0 mass%
Mnは、熱間加工性を改善し、熱間圧延時の表面疵を防止するのに有効な元素であり、かかる効果を得るためには0.01mass%以上含有させる必要がある。しかし、1.0mass%を超えて添加すると、磁束密度が低下するようになる。よってMnは0.01〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.04〜0.2mass%の範囲である。
SおよびSe :合計で0.005〜0.05mass%
SおよびSeは、Cu2SやCu2Se等を、AlNと複合して微細析出させるために必要な必須の元素である。かかる目的のため、本発明では単独もしくは合計で0.005mass%以上を含有させる必要がある。しかし、0.05mass%を超えて添加すると、析出物の粗大化を招く。よって、SおよびSeは単独または合計で0.005〜0.05mass%の範囲とする。好ましくは0.01〜0.03mass%の範囲である。
sol.Al :0.010〜0.027mass%
sol.Alは、酸可溶性のAlのことであり、インヒビタであるAlNを構成する必須の元素である。sol.Al として0.010mass%未満では、熱延時や熱延板焼鈍の加熱過程等において析出するAlNの量が不足し、インヒビタの効果を得ることができない。一方、0.027mass%を超えて添加すると、析出するインヒビタが複合粗大化し逆に抑制力が低下してしまう。よって、AlNのインヒビタ効果を十分に得るためには、sol.Alで0.010〜0.027mass%の範囲とする必要がある。
N :0.0040〜0.0110mass%
Nは、Alと同様、インヒビタであるAlNを構成する必須の元素であり、Nが0.0040mass%未満ではインヒビタ成分量が不足する。一方、Nを0.0110mass%超えて添加した場合には、熱間圧延においてふくれを生じるおそれがある。よってNは0.0040〜0.0110mass%の範囲とする。
sol.Al/N:1.50〜2.50
sol.Al/Nは、インヒビタであるAlNの量と形態を規定する指標であり、1.50未満では、AlNの析出量が不足し、インヒビタの効果を得ることができない。一方、2.50を超えると仕上焼鈍中のインヒビタの粗大化が進行しやすくなる。よってsol.Al/Nは、1.50〜2.50の範囲とする。
B:1.2mass ppm以下
Bは、Nと結びついてBNを構成する可能性のある元素である。先に述べたように、Bは、1.2mass ppmを超えるとコイルの端部での二次再結晶組織が得られないPGG不良が発生するため、1.2mass ppm以下とする。好ましくは0.8mass ppm以下の範囲である。
残部はFeおよび不可避的不純物である。ただし、これらの成分元素に加えて、以下の合金元素を必要に応じて添加することができる。
Sb、Sn、Ni、Cu、Moのうちから選ばれる1種または2種以上:合計で0.002〜1.0mass%
これらの元素は、いずれも析出物を形成するか、結晶粒界や析出物の表面に偏析して抑制力を強化する補助的機能を果たす。かかる作用を得るためには、これらの元素を1種または2種類以上の合計で0.002mass%以上含有させる必要がある。しかし、1.0mass%を超える添加は、鋼の脆化や脱炭不良を招くようになるので、1.0mass%以下とする。よって、上記元素は合計で0.002〜1.0mass%の範囲で含有させるのが好ましい。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、上述した成分組成に調整した鋼スラブを1250℃以上に加熱した後、熱間圧延し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延し、一次再結晶焼鈍し、仕上焼鈍、さらには、平坦化焼鈍を施す一連の工程からなるものである。なお、上記において必要に応じて熱延板焼鈍を実施することも好ましい。
仕上焼鈍では、まず加熱過程の750〜875℃の温度域にて10〜200時間保定することが好ましい。保定温度域を750〜875℃としたのは、750℃よりも低温では、ゴス方位核の生成の効果が不十分であり、875℃よりも高温では、インヒビタの分解を過剰に促進してしまう場合があるからである。保定時間は、10時間を下回る範囲ではゴス方位核の生成の効果が不十分であり、200時間を超えるとインヒビタの分解を過剰に促進してしまうため、10〜200時間とする。
さらに、900〜1150℃の加熱速度を5℃/hr以上に制御することが好ましい。5℃/hr以上としたのは、5℃/hr未満では、二次再結晶途中でのインヒビタの分解が過剰となるためである。これに引き続き、不純物を除去するための純化焼鈍を施したのち冷却し、仕上焼鈍を完了する。
仕上焼鈍した鋼板は、その後、鋼板表面の未反応焼鈍分離剤を除去した後、必要に応じて、絶縁コーティングを塗布・焼付けし、平坦化焼鈍を施し製品板とする。上記絶縁コーティングは、鉄損を低減するためには、張力コーティングを用いることが好ましい。また鉄損を低減するため、仕上焼鈍後の鋼板にプラズマジェットやレーザー照射、電子ビーム照射を線状に施したり、突起状ロールで線状の歪を付与したりする公知の磁区細分化処理を施してもよい。また、磁区細分化のために物理的な溝を形成する場合には、最終の冷間圧延後に行うことも有効である。また仕上焼鈍で鋼板表面にフォルステライト被膜を形成しない場合には、鋼板表面をさらに鏡面化したり、NaCl電解などで粒方位選別処理を施したりした後、さらに、張力コーティングを施して製品板としてもよい。
表6に示した成分組成を有する1〜7の鋼スラブを熱間圧延して板厚:2.0mmの熱延板とし、950℃×20秒の熱延板焼鈍を施した後、酸洗し、冷間圧延して板厚:1.4mmの中間板厚とし、1050℃×60秒の中間焼鈍を施した後、酸洗し、冷間圧延して最終板厚0.12、0.18、0.23mmの3種類の板厚の冷延板とした。ここで、さらに電気化学的な方法で深さ15μm、幅200μmの磁区細分化のための溝を形成した。その後、上記冷延板を脱脂し、湿水素雰囲気下で820℃×2分の脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施し、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、1〜4の鋼については、仕上焼鈍の800℃から1150℃まで10℃/hrで一律に加熱した。一方5〜7については、仕上焼鈍の加熱過程の800℃で30時間保定処理したのち、900℃〜1150℃の間を18℃/hrで加熱した。その後、1200℃×5時間の純化焼鈍を施した。仕上焼鈍後の鋼板は、未反応の焼鈍分離剤を除去し、コロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなる張力コートを塗布・焼付けし、製品板とした。
かくして得たコイルの両端(外巻、内巻)および中央分割点(中巻)での鉄損測定結果を表7に示す。鉄損の測定は、JIS C 2550に記載されている方法に従い磁束密度1.7T、周波数50Hzでの鉄損W17/50を評価した。ここで、コイル両端部とは、最外または最内の形状不良部の数ターンを除外した部位のことである。
Figure 0006079092
Figure 0006079092
表7より、本発明例のコイル5〜7は、比較例の1に比べてコイルの全長で鉄損が低くかつ均一であった。

Claims (2)

  1. 成分組成として、C:0.04〜0.12mass%、Si:1.5〜5.0mass%、Mn:0.01〜1.0mass%、SおよびSeのうちから選ばれる1種または2種:合計0.005〜0.05mass%、sol.Al:0.010〜0.027mass%、N:0.0040〜0.0110mass%、sol.Al/N:1.50〜2.50、B:1.2mass ppm以下、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、1250℃以上の温度に加熱した後、熱間圧延し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延をして最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍し、加熱過程において750〜875℃で10〜200時間保定しついで900〜1150℃の加熱速度を5℃/hr以上とする仕上焼鈍、さらには、平坦化焼鈍を施すことを特徴とする板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記成分組成に加えて、さらに、Sb、Sn、Ni、Cu、Moのうちから選ばれる1種または2種以上を合計で0.002〜1.0mass%含有することを特徴とする請求項1に記載の板厚0.12〜0.25mmの方向性電磁鋼板の製造方法。
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