JP6078124B1 - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバーの操舵入力に応じて車両の挙動を最適に制御する。【解決手段】本発明に係る車両の制御装置200は、操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するパワーステアリングゲイン調整部205と、前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御する操安制御部220と、を備え、前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データとされる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。
従来、例えば下記の特許文献1には、車両の電動パワーステアリング装置において、操舵周波数が所定値以下の範囲で操舵角特性を増大し、操舵周波数が所定値以上の範囲で操舵角特性を低減する補正を行い、車両応答の悪化を抑制しつつ、操舵フィーリングの悪化をも防ぐ実現するものが開示されている。
また、下記の特許文献2には、車両の電動パワーステアリング制御装置において、操舵トルクの周波数が第1設定値を超えると、補正アシスト量のゲイン特性が徐々に低減し、推定路面反力の周波数が第2設定値を超えると補正アシスト量のゲイン特性が徐々に増大するようにアシスト量を補正することにより、車両のヨー応答を低下させることなくロール振動を抑制するもの開示されている。
また、下記の特許文献3には、レーンキープアシストにおけるEPS制御において、基本アシストトルクから、操舵の粘性分を減算した制御目標トルクを付与することで、操舵感の向上とドライバーの疲労軽減を図る制御を行っている。特許文献3には、ヨーレート偏差が0に近づくにつれて粘性トルクを増大させる機能と、車速が大きくなる場合は、粘性トルクを減少させる機能と、操舵速度に応じて粘性トルクを算出する機能を有することが記載されている。
また、下記の特許文献4には、目標スタビリティファクタと実スタビリティファクタの差分を用いて制駆動力制御を実施することが記載されている。
特開2009−126186号公報 特開2013−103664号公報 特開2014−141174号公報 特開2012−210832号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された手法では、操舵に関する周波数が大きくなると、操舵の制御量が低下するため、車両の旋回性が低下する問題が生じる。このため、ドライバーの操舵と車両の旋回との間に齟齬が生じ、ドライバーの想定している走行軌跡で車両を旋回させることができなくなるおそれがある。従って、操舵に関する周波数の増加に応じて、車両の旋回性能を補償することが求められていた。
また、上記特許文献3に記載された技術では、悪路走行時に路面の凸凹で舵が取られると、直進時は粘性トルクを大きくしているため、舵が取られた際に生じるセルフアライニングトルクを抑制しやすい。しかしながら、直進走行であっても、高車速域の場合は粘性トルクを下げているため、路面に舵が取られ、車線維持制御をキャンセルするほどのセルフアライニングトルクが発生した場合、ドライバーが意図しないタイミングで制御が終了する可能性があり、ドライバーに違和感を与えたり、車両挙動が不安定になるおそれがある。更に、ステアリング単体で制御しているため、操舵量に対する車両の応答特性を変更できず、ステアリングに対する車両の応答特性(操舵に対するヨーの位相)を制御できない問題がある。更に、高μでは旋回支援、低μでは安定性能重視といった切り分けができない。また、低μ走行時で、低車速域で操舵した場合は、粘性トルクが高くなっているため、車両挙動を安定させやすいが、低μ走行時で、高車速域で操舵した場合は、粘性トルクが低くなっているため、ドライバーの想定以上に車両が旋回し、車両の安定性能が低下するおそれがある。
また、上記特許文献4に記載された技術では、スタビリティファクタの目標値と実値(算出値)から制御量を算出しモータ駆動しているため、この技術で実現できる機能は、車両運動制御上、公知のヨーレートフィードバック制御と同一であり、走行状態に応じてスタビリティファクタの特性(目標値)が推移する構成ではない。従って、旋回支援を重視するか、あるいは車両の安定性能の何れかの機能しか満たせない上、操舵ふらつきに対するを抑制する制御を行っていないため、低μ路面等で修正舵が繰り返される場合は、車両の安定性能が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ドライバーの操舵入力に応じて車両の挙動を最適に制御することが可能な、新規かつ改良された車両の制御装置及び車両の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するパワーステアリング調整部と、前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御する操安制御部と、を備え、前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、前記操安制御部は、車両の目標ヨーレートと車両速度及び操舵角との関係を車両諸元から求まる目標スタビリティファクタによって規定した車両モデルから、前記目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出部と、操舵に関する前記周波数関連データに高周波成分が含まれる際に、パワーステアリング制御による旋回量の低下を補償すべく目標スタビリティファクタを変更する補正処理部と、を備える車両の制御装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するパワーステアリング調整部と、前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御する操安制御部と、を備え、前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、前記パワーステアリング調整部は、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記アシスト量を低下させ、前記パワーステアリング調整部は、ステアリングモデルに基づいて、前輪舵角の基準値及び操舵トルクを算出する算出部と、前記操舵トルク又はドライバーの操舵量を周波数解析して前記周波数関連データを算出、若しくは前記操舵トルクの変化率の推移又は前記操舵量の変化率の推移から前記周波数関連データを算出する周波数関連データ算出部と、前記周波数関連データに基づいて、前記前輪舵角の基準値を補正するためのステアリング補正ゲインを算出するステアリング補正ゲイン算出部と、前記ステアリング補正ゲインを前記前輪舵角の基準値に乗算して、パワーステアリング機構へ出力するための前輪舵角の要求値を算出する操舵アシスト量調整部と、を有する、車両の制御装置が提供される。
また、前記周波数関連データは、ドライバーの操舵トルク、ドライバーの操舵量を周波数解析した結果、前記操舵トルクの変化率、又は前記ドライバーの操舵量の変化率の推移から得られたものであっても良い。
また、前記パワーステアリング調整部は、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記アシスト量を低下させるものであっても良い。
また、前記周波数関連データ算出部は、周波数解析した波形を積分して求まる第1の面積と、所定の周波数帯以上の波形を積分して求まる第2の面積との比率に基づいて前記周波数関連データを算出するものであっても良い。
また、前記目標ヨーレート算出部は、前記目標スタビリティファクタの値が減少するほど、前記目標ヨーレートを増加させるものであっても良い。
また、車両が発生しているヨーレートとして、前記目標ヨーレートと比較するためのフィードバックヨーレートを取得するフィードバックヨーレート取得部と、前記目標ヨーレートと前記フィードバックヨーレートとの差分に基づいて、制御目標モーメントを算出する制御目標モーメント算出部を備え、前記制御目標モーメント算出部は、前記差分に基づいて算出される定常的な減衰制御モーメントと前記差分に基づいて算出される過渡的な慣性補償モーメントとを加算して前記制御目標モーメントを算出し、前記周波数関連データに基づいて、前記減衰制御モーメント又は前記慣性補償モーメントを補正するものであっても良い。
また、前記制御目標モーメント算出部は、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記慣性補償モーメントの値を減少させるものであっても良い。
また、前記フィードバックヨーレート取得部は、車両モデルから求まる第1のヨーレートとヨーレートセンサから求まる第2のヨーレートを取得し、前記第1のヨーレートと前記第2のヨーレートとの差分に基づいて、当該差分が小さい場合は前記第1のヨーレートの配分を大きくし、当該差分が大きい場合は前記第2のヨーレートの配分を大きくして、前記第1及び第2のヨーレートから前記フィードバックヨーレートを算出するものであっても良い。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するステップと、前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御するステップと、を備え、前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、前記制御量を制御するステップは、車両の目標ヨーレートと車両速度及び操舵角との関係を車両諸元から求まる目標スタビリティファクタによって規定した車両モデルから、前記目標ヨーレートを算出するステップと、操舵に関する前記周波数関連データに高周波成分が含まれる際に、パワーステアリング制御による旋回量の低下を補償すべく目標スタビリティファクタを変更するステップと、を含む車両の制御方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するステップと、前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御するステップと、を備え、前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、前記アシスト量を調整するステップにおいて、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記アシスト量を低下させ、前記アシスト量を調整するステップは、ステアリングモデルに基づいて、前輪舵角の基準値及び操舵トルクを算出するステップと、前記操舵トルク又はドライバーの操舵量を周波数解析して前記周波数関連データを算出、若しくは前記操舵トルクの変化率の推移又は前記操舵量の変化率の推移から前記周波数関連データを算出するステップと、前記周波数関連データに基づいて、前記前輪舵角の基準値を補正するためのステアリング補正ゲインを算出するステップと、前記ステアリング補正ゲインを前記前輪舵角の基準値に乗算して、パワーステアリング機構へ出力するための前輪舵角の要求値を算出するステップと、を含む車両の制御方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、ドライバーの操舵入力に応じて車両の挙動を最適に制御することが可能となる。
本実施形態に係る車両を示す模式図である。 本実施形態に係る車両が行う旋回制御を示す模式図である。 制御装置の構成を示す模式図である。 本実施形態で行われる基本的な処理を示すフローチャートである。 制御装置で行われる処理を説明するための模式図である。 操舵に関する周波数関連データとして、操舵トルクをFFT解析した結果を示す特性図である。 操舵に関する周波数関連データとして、操舵トルクをFFT解析した結果を示す特性図である。 周波数解析した波形で表せる面積Sと、所定の周波数帯(TH_FREQ)以上の波形で表せる面積Sとの比率Srを操舵に関する周波数関連データとする例を示す模式図である。 周波数解析した波形で表せる面積Sと、所定の周波数帯(TH_FREQ)以上の波形で表せる面積Sとの比率Srを操舵に関する周波数関連データとする例を示す模式図である。 ステアリング補正ゲイン算出部がステアリング補正ゲイン(SteerGain)を算出する際に用いるマップを示す模式図である。 フィードバックヨーレート演算部が重み付けゲインκを算出する際のゲインマップを示す模式図である。 目標スタビリティファクタSfTgtを算出するマップを示す特性図である。 慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTransを算出するマップを示す特性図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動を説明するための模式図である。 本実施形態、比較例1、比較例2について、操舵トルク、操安制御部によるモータの制御量、操舵角、車両の旋回量を比較して示した模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
1.車両の構成例
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る車両1000の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両1000を示す模式図である。図1に示すように、車両1000は、前輪100,102、後輪104,106、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれを駆動する駆動力発生装置(モータ)108,110,112,114、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれの車輪速を検出する車輪速センサ116,118,120,122、ステアリングホイール124、舵角センサ130、パワーステアリング機構140、ヨーレートセンサ150、加速度センサ160、外部認識部170、制御装置(コントローラ)200を有して構成されている。
本実施形態に係る車両1000は、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれを駆動するためにモータ108,110,112,114が設けられている。このため、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれで駆動トルクを制御することができる。従って、前輪100,102の操舵によるヨーレート発生とは独立して、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれを駆動することで、トルクベクタリング制御によりヨーレートを発生させることができる。特に、本実施形態では、後輪104,106のトルクを個別に制御することで、ハンドル操舵系とは独立してヨーレートを発生させる。後輪104,106は、制御装置200の指令に基づき、後輪104,106に対応するモータ112,114が制御されることで、駆動トルクが制御される。
パワーステアリング機構140は、ドライバーによるステアリングホイール124の操作に応じて、トルク制御又は角度制御により前輪100,102の舵角を制御する。舵角センサ130は、運転者がステアリングホイール124を操作して入力した舵角θhを検出する。ヨーレートセンサ150は、車両1000の実ヨーレートγを検出する。車輪速センサ116,118,120,122は、車両1000の車両速度Vを検出する。
なお、本実施形態はこの形態に限られることなく、前輪100,102を駆動するモータ108,110が設けられておらず、後輪104,106のみがモータ112,114で独立して駆動力を発生する車両であっても良い。また、本実施形態は、駆動力制御によるトルクベクタリングに限定されるものではなく、後輪の舵角を制御する4WSのシステム等においても実現可能である。
図2は、本実施形態に係る車両1000が行う旋回制御を示す模式図であって、操舵による旋回制御(操安制御)を示す模式図である。操舵による旋回制御では、ドライバーによるステアリングホイール124の操作に応じて前輪100,102のタイヤ舵角が変化し、車両1000が旋回する。また、操舵による旋回制御では、後輪104,106に駆動力差を生じさせることで、車両1000の旋回を支援する。図2に示す例では、ドライバー(運転者)の操舵により車両1000が左に旋回している。また、後輪104,106の駆動力差によって、右側の後輪106に前向きの駆動力を発生させ、左側の後輪104には右側の後輪106に対して駆動力を抑制、または後ろ向きに駆動力を発生させることで、左右に駆動力差を発生させ、左回りの旋回を支援する方向にモーメントを発生させている。
本実施形態では、操舵などドライバーが車両1000に与える入力の周波数に関連するパラメータに基づき、ステアリング制御で生じる転舵量とモータ駆動力制御で用いる目標スタビリティファクタを調整することで、旋回時のハンチングや路面入力による高周波成分の影響を抑制し、パワーステアリングによる転舵制御と、モータによる車両制駆動力制御に伴う旋回支援量を維持しつつ、滑らかな操舵を実現する。本実施形態では、ステアリングモデルベースで操舵トルクとその周波数を算出し、これに基づいてパワーステアリングの制御定数と操安制御のモータ制御のための制御定数を変化させる。以下、詳細に説明する。
2.制御装置の構成例
図3は、制御装置200の構成を示す模式図である。制御装置200は、車載センサ210、パワーステアリングゲイン調整部205、操安制御部220、モータ要求トルク演算部280を有している
パワーステアリングゲイン調整部205は、ステアリングモデル205a、周波数関連データ算出部205b、ステアリング補正ゲイン算出部205c、操舵アシスト量調整部205dを有して構成されている。
操安制御部220は、補正処理部222、車両モデル224、減算部228、制御目標ヨーレート演算部(目標ヨーレート算出部)230、フィードバックヨーレート演算部(フィードバックヨーレート取得部)232、減算部233、制御目標モーメント演算部(制御目標モーメント算出部)250を有している。また、制御目標ヨーレート演算部230は、タイヤ舵角換算処理部230a、γ_Tgt演算部230bを有している。また、制御目標モーメント演算部250は、減衰制御モーメント演算部250a、慣性補償モーメント演算部250b、及び加算部250cを有している。
図4は、本実施形態で行われる基本的な処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS10では、パワーステアリングゲイン調整部205がパワーステアリングのゲインを調整する。次のステップS12では、補正処理部222が目標スタビリティファクタSfTgを算出する。次のステップS14では、目標スタビリティファクタSfTgtに基づいて、制御目標ヨーレート演算部230が制御目標ヨーレートγ_Tgtを算出する。次のステップS16では、フィードバックヨーレート演算部232がフィードバックヨーレートγF/Bを算出する。次のステップS18では、制御目標ヨーレートγ_Tgtとフィードバックヨーレートγ_F/Bとの差分Δγ_Tgt(ヨーレート補正量)に基づいて、制御目標モーメント演算部250が制御目標モーメントMgTgtを算出する。
図5は、制御装置200で行われる処理を説明するための模式図である。なお、図5は、図3と同様に制御装置200の構成要素を示すとともに、各構成要素が行う処理を詳細に示したものである。以下では、図3〜図5に基づいて、制御装置200で行われる処理について説明する。車載センサ210は、上述した舵角センサ130、ヨーレートセンサ150、加速度センサ160、車輪速センサ116,118,120,122を含む。
3.パワーステアリングゲイン調整部の構成
パワーステアリングゲイン調整部205は、操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じて、パワーステアリング機構140のアシスト量を調整する。操舵のしやすさに関連する状態量として、例えば操舵トルク、舵角速度などが挙げられる。操舵のしやすさに関連する状態量から高周波に相当する成分を検知した場合には、ハンドル操作にハンチングが生じていたり、ハンドル操作がふらついているため、周波数に関連するデータの推移に応じて操舵アシスト量を変化させ、ハンドル入力に伴う操舵系の振動、及び、それによって生じる車両振動を抑制する。
例えば、本発明の一例として示しているステアリングモデル205aは、操舵角θh、車両速度V、ヨーレートγを入力とするステアリングモデルであって、ステアリングモデル205aから舵角基準値(δStd)と操舵トルク(Trq)が算出される。
具体的には、ステアリングモデル205aでは、ドライバーのステアリング操作によって発生する前輪操角δと、操舵トルクThを下記の式(1)、式(2)に従って算出する。なお、操舵角αは、舵角センサ130によって検出された操舵角θhをキングピン相当に換算した値である。
Figure 0006078124
なお、変数、定数は以下の通りである。
:キングピン周りの慣性モーメント(ハンドルの慣性モーメントに相当)
:ハンドルシャフトの粘性摩擦係数
:キングピン周りの粘性摩擦係数
:キングピン周りの等価弾性係数
:ドライバーによって付与される操舵トルク
ξ:ニューマチックトレール
α:操舵角(キングピン相当に換算)
δ:前輪舵角(タイヤ転舵角)
V:車両速度
β:車体横すべり角
γ:ヨーレート(=γ_clc)
:車両重心点から前輪中心までの距離
:コーナーリングパワー
なお、以下では、式(1)、式(2)で算出した前輪舵角δを、操舵角の基準値(δStd)として取り扱う。
一方、周波数関連データ算出部205bは、制御時の応答性能を補償するため、ステアリングモデル205aから算出した操舵トルクに周波数解析を施し、周波数データに変換する。本実施形態では、操舵トルクを公知の手法でFFT解析した結果を、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データ(TrqFreqData)として算出する。操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)は、操舵のし易さに関連する状態量に相当し、これに基づいてドライバーによる操舵の状況を判断することができる。そして、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)を、パワーステアリングゲイン調整部205によるパワーステアリングの制御定数と、操安制御部220による制駆動力制御の制御定数を変更する指標として用いる。
図6及び図7は、操舵に関する周波数関連データとして、操舵トルクをFFT解析した結果を示す特性図である。ここで、図6は、高周波成分が比較的低く、操舵が滑らかなパターンを示している。また、図7は、高周波成分が比較的高く、操舵が滑らかでない状態や、操舵がふらついている状態を示している。操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)は、操舵トルクをFFT解析した結果から、高周波成分が高いほど大きな値となる。従って、図7の解析結果の方が図6の解析結果よりも操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値が大きくなる。
また、図8及び図9は、図6及び図7の例において、操舵トルクの周波数だけではなく、周波数解析した波形で表せる面積Sと、所定の周波数帯(TH_FREQ)以上の波形で表せる面積Sとの比率Srを操舵に関する周波数関連データとする例を示している。ここで、図8は図6に対応し、図9は図7に対応している。周波数解析した波形を積分して求まる面積Sと、所定の周波数帯以上の波形を積分して求まる面積Sとの比率に基づいて周波数関連データを算出する。図8及び図9に示す比率Srによれば、高周波側の成分が大きいか否かを判定できる。従って、比率Srの推移に応じて、パワーステアリングゲイン調整部205によるパワーステアリングの制御定数と、操安制御部220による制駆動力制御の制御定数を変更しても良い。
なお、操舵に関する周波数関連データは、他のパラメータで代替しても良い。例えば、操舵トルクの微分値、又は操舵角の微分値(舵角速度)で代替したり、操舵角に周波数解析を施すことによって算出したもので代替しても良い。なお、操舵に関する周波数関連データとして、ドライバーインフォメーションを表す状態量をFFT処理したパラメータ、またはドライバーインフォメーションを表す状態量を微分し、変化率をモニターして得られたパラメータ、ドライバーインフォメーションを表すパラメータがゼロクロスする時間や、その時間から算出する周波数などを用いても良い。更に、ドライバーの筋電を検出して、操舵に関する周波数関連データとしても良い。
また、トルクセンサで検出されるドライバーの実操舵トルクを用いて、フィードバック制御を行う構成でもよく、この場合、実操舵トルクを周波数解析した結果、又は実操舵トルクの微分値を操舵に関する周波数関連データとしても良い。なお、実操舵トルクは、パワーステアリング機構140に含まれるトルクセンサによって検出することができる。また、ステアリングモデル205aで算出されるトルクと、トルクセンサで検出される実操舵トルクとの差分を周波数解析した結果、もしくは、実操舵トルクの周波数に関連する状態量を指標として、パワーステアリングの制御定数と、操安制御部220による制駆動力制御の制御定数(後述する慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTrans)を変更しても良い。
また、操舵角の周波数解析結果や操舵速度などの操舵トルク以外のドライバーインフォメーションを示す指標を用いてもよく、それらのパラメータを基に、制御定数を変更しても良い。
更に、制御定数を切り替える指標として、上記以外にも車両運動パラメータを併用しても良く、車両1000のヨーレートや横Gなどの旋回状態を検知する指標が所定のしきい値を超えた領域で制御定数を変化させる構成、操舵トルク、又は計測器から取得した筋電等、ドライバーインフォメーションを表す指標の周波数解析結果を用いて制御定数を変化させる構成も、本発明の一形態として含まれる。
ステアリング補正ゲイン算出部205cは、算出した操舵の周波数関連データ(TrqFreqData)を入力とするマップ処理により、ステアリング補正ゲイン(SteerGain)を算出する。
図10は、ステアリング補正ゲイン算出部205cがステアリング補正ゲイン(SteerGain)を算出する際に用いるマップを示す模式図である。図10において、縦軸のSteerGain(MAX_GAIN)はステアリング補正ゲイン(高ゲイン側)、SteerGain(MIN_GAIN)はステアリング補正ゲイン(低ゲイン側)をそれぞれ示している。また、横軸のTH_LOW_Pはステアリング補正ゲイン(SteerGain)の切り替えのしきい値(低周波入力側)、TH_HIGH_Pはステアリング補正ゲイン(SteerGain)の切り替えのしきい値(高周波入力側)、をそれぞれ示している。なお、+側のしきい値の大小関係はTH_LOW_P<TH_HIGH_Pとし、−側のしきい値の大小関係はTH_LOW_M>TH_HIGH_Mとする。図10に示すように、TH_LOWとTH_HIGHの間のステアリング補正ゲイン(SteerGain)は線形補間で算出される。
ル205aから舵角基準値(δStd)と操舵トルク(Trq)が算出される。
そして、操舵アシスト量調整部205dは、以下の式(3)より、ステアリング補正ゲイン(SteerGain)を前輪舵角の基準値(δStd)に乗算することで、パワーステアリングのアシスト量を補正した後の前輪舵角の要求値(δReq)を算出する。操舵システム(パワーステアリング機構140)は、前輪舵角の要求値(δReq)に基づいて、前輪舵角を変化させ、パワーステアリングのアシスト量(転舵量、トルク)を変化させる制御を行う。
Figure 0006078124
従って、パワーステアリングゲイン調整部205によれば、図6に示すような高周波成分が比較的低く、操舵が滑らかな場合は、ステアリング補正ゲイン(SteerGain)の値が大きくなるため、前輪舵角の要求値(δReq)が大きくなり、旋回を促進させることができる。
また、図7に示すような高周波成分が比較的高く、操舵が滑らかでない場合は、ステアリング補正ゲイン(SteerGain)の値が小さくなるため、前輪舵角の要求値(δReq)が小さくなり、旋回を抑制することができる。従って、高周波成分が多い場合は、前輪の転舵量が少なくなり、操舵量に対する前輪舵角へのアシスト量が調整される。これにより、特にハンドル操作がハンチングしている場合など、ハンドル操作が小刻みに変化している場合は、パワーステアリング機構140により前輪舵角の変化が抑制され、パワーステアリング機構によるアシスト量(転舵量、トルク)が低減されるため、車両挙動を安定させることができる。
なお、図10のマップにおいて、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値が0近傍の場合は、操舵の際にハンチング等が生じていないため、パワーステアリングアシスト量を抑制しなくても良い。従って、この場合は、ステアリング補正ゲイン(SteerGain)を1としても良い。
4.操安制御部の構成
一方、制御目標ヨーレート演算部230は、一般的な平面2輪モデルを表す以下の式(4)から操安制御用の制御目標ヨーレートγ_Tgtを算出する。制御目標ヨーレートγ_Tgtは、平面2輪モデルの式(4)における車両ヨーレートγに相当し、式(4)の右辺に各値を代入することによって算出される。
Figure 0006078124
なお、変数、定数は以下の通りである。
<変数>
γ:車両ヨーレート
V:車両速度
δ:タイヤ舵角(前輪舵角)
θh:ハンドル操舵角
<定数>
l:車両ホイールベース
:車両重心点から前輪中心までの距離
:車両重心点から後輪中心までの距離
m:車両重量
:コーナリングパワー(フロント)
:コーナリングパワー(リア)
Gh:ハンドル操舵角からタイヤ舵角への変換ゲイン(ステアリングギヤ比)
御目標ヨーレートγ_Tgt(式(4)の左辺のγ)は、車両速度V、及びタイヤ舵角δを変数として、式(4)から算出される。式(4)のタイヤ舵角δは、直接センシングできないため、制御目標ヨーレート演算部230のタイヤ舵角換算処理部230aは、式(5)から、ハンドル操舵角θhを変換ゲインGhで除算することでタイヤ舵角δを算出する。なお、上述したステアリングモデルに基づいてタイヤ舵角δを算出しても良い。変換ゲインGhとして、ステアリングギア比が用いられる。式(4)における目標スタビリティファクタSfTgtは一般的には車両の特性を表す定数Aとして式(6)から算出されるが、本実施形態では、補正処理部222が目標スタビリティファクタSfTgtを補正する。制御目標ヨーレート演算部230のγ_Tgt演算部230bは、タイヤ舵角換算処理部230aが算出したタイヤ舵角δを用いて、式(4)から制御目標ヨーレートγ_Tgtを算出する。制御目標ヨーレートγ_Tgtは、減算部233へ入力される。
なお、操安制御部220で用いる制御目標ヨーレートγ_Tgtは、ステレオカメラなどから構成される外部認識部170やナビゲーションシステム等の外界認識部から取得した環境情報から算出してもよい。また、制御目標ヨーレートγ_Tgtは、これらの外界認識部から算出する制御目標ヨーレートと、操舵と車速から式(4)に基づいて算出される制御目標ヨーレートγ_Tgtと、を重みづけした状態量から算出しても良い。
一方、車両モデル224は、車両1000が発生しているヨーレートを計算により求める。車両モデル224は、車両ヨーレートを算出するための車両モデル(平面2輪モデル)を表す以下の式から、ヨーレートモデル値γ_clcを算出する。具体的には、以下の式(7)、式(8)へ車両速度V、ステアリングの操舵角θhを代入し、式()、式(8)を連立して解くことで、ヨーレートモデル値γ_clc(式(7)、式(8)におけるγ)を算出する。なお、式(7)、式(8)から式(4)を導出することができるため、車両モデル224は、操舵角θhと車両速度Vとに基づき、制御目標ヨーレート演算部230と同様の手法により車両モデルの式(4)からヨーレートモデル値γ_clcを算出しても良い。
Figure 0006078124
なお、Iは車両のヨー慣性、βは車両の横滑り角である。
ヨーレートモデル値γ_clcはフィードバックヨーレート演算部232へ入力される。また、ヨーレートセンサ150が検出した実ヨーレートγは、フィードバックヨーレート演算部232へ入力される。
減算部228は、ヨーレートモデル値γ_clcから実ヨーレートγを減算し、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγとの差分γ_diffを求める。差分γ_diffは、フィードバックヨーレート演算部232へ入力される。ここで、差分γ_diffは路面状況を表すパラメータに相当するため、減算部228は路面状況を表すパラメータを取得する構成要素に相当する。
以上の様にして、フィードバックヨーレート演算部232には、ヨーレートモデル値γ_clc、実ヨーレートγ、差分γ_diffが入力される。フィードバックヨーレート演算部232は、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγとの差分γ_diffに基づいて、差分γ_diffに応じて変化する重み付けゲインκを算出する。そして、フィードバックヨーレート演算部232は、以下の式(9)に基づき、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγを重み付けゲインκによって重み付けし、フィードバックヨーレートγF/Bを算出する。算出されたフィードバックヨーレートγF/Bは、減算部233へ入力される。
γF/B=κ×γ_clc+(1−κ)×γ ・・・・(9)
図11は、フィードバックヨーレート演算部232が重み付けゲインκを算出する際のゲインマップを示す模式図である。図11に示すように、重み付けゲインκの値は、車両モデル224の信頼度に応じて0から1の間で可変する。車両モデル224の信頼度を図る指標として、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγとの差分(偏差)γ_diffを用いる。図11に示すように、差分γ_diffの絶対値が小さい程、重み付けゲインκの値が大きくなるようにゲインマップが設定されている。フィードバックヨーレート演算部232は、差分γ_diffに図11のマップ処理を施し、車両モデル224の信頼度に応じた重み付けゲインκを演算する。
図11において、TH1_Pは重み付けゲインκの切り替えのしきい値(+側)、TH2_Pは重み付けゲインκの切り替えしきい値(+側)、TH1_Mは重み付けゲインκの切り替えしきい値(−側)、TH2_Mは重み付けゲインκの切り替えしきい値(−側)、をそれぞれ示している。なお、+側のしきい値の大小関係はTH1_P<TH2_Pとし、−側のしきい値の大小関係はTH1_M>TH2_Mとする。
図11に示すゲインマップの領域A1は、差分γ_diffが0に近づく領域であり、例えばS/N比が小さい領域や、タイヤ特性が線形の領域(ドライの路面)に相当し、車両モデル216から算出されるヨーレートモデル値γ_clcの信頼性が高い状態を表している。このため、重み付けゲインκ=1として、式(9)よりヨーレートモデル値γ_clcの配分を100%としてフィードバックヨーレートγF/Bが演算される。これにより、実ヨーレートγに含まれるヨーレートセンサ150のノイズの影響を抑止することができ、フィードバックヨーレートγF/Bからセンサノイズを排除することができる。従って、車両1000の振動を抑制して乗り心地を向上することができる。
特に、運転支援制御では、車両1000がコーナーに進入する前の直進状態から、推定走行路に基づいて車両1000が旋回する量を予見的に制御する。従って、車両1000の旋回時のみならず、車両1000の直進状態においても、センサノイズの影響を排除することで、車両1000に振動を生じさせることなく、安定して直進させることが可能である。
このように、ヨーレートモデル値γ_clcの信頼度が高い領域は、差分γ_diffと走行状況から指定することができる。図11に示したように、ドライ路面(高μ)走行時であり、かつ転舵量が小さい場面(低曲率での旋回など)においては、重み付けゲインκが1となる様に差分γ_diffと重み付けゲインκを関係づけることが、マップによる係数設定の一例として想定される。なお、上述した平面2輪モデルは、タイヤのスリップ角と横加速度との関係(タイヤのコーナーリング特性)が線形である領域を想定している。タイヤのコーナーリング特性が非線形になる領域では、実車のヨーレートと横加速度が舵角に対して非線形になり、平面2輪モデルと実車でセンシングされるヨーレートとが乖離する。このため、タイヤの非線形性を考慮したモデルを使用すると、ヨーレートに基づく制御が煩雑になるが、本実施形態によれば、ヨーレートモデル値γ_clcの信頼度を差分γ_diffに基づいて容易に判定することが可能である。
また、図11に示すゲインマップの領域A2は、差分γ_diffが大きくなる領域であり、例えばウェット路面走行時、雪道走行時、または高Gがかかる旋回時など、タイヤが滑っている限界領域に相当する。この領域では、車両モデル216から算出されるヨーレートモデル値γ_clcの信頼性が低くなり、差分γ_diffがより大きくなる。このため、重み付けゲインκ=0として、式(9)より実ヨーレートγの配分を100%としてフィードバックヨーレートγF/Bが演算される。これにより、実ヨーレートγに基づいてフィードバックの精度を確保し、実車の挙動を反映したヨーレートのフィードバック制御が行われる。従って、実ヨーレートγに基づいて車両1000の旋回を最適に制御することができる。また、タイヤが滑っている領域であるため、ヨーレートセンサ150の信号にノイズの影響が生じていたとしても、車両1000の振動としてドライバーが感じることはなく、乗り心地の低下も抑止できる。図11に示す低μの領域A2の設定については、設計要件から重み付けゲインκ=0となる領域を決めても良いし、低μ路面を実際に車両1000が走行した時の操縦安定性能、乗り心地等から実験的に決めても良い。
また、図11に示すゲインマップの領域A3は、線形領域から限界領域へ遷移する領域(非線形領域)であり、実車である車両1000のタイヤ特性も必要に応じて考慮して、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγの配分(重み付けゲインκ)を線形に変化させる。領域A1(高μ域)から領域A2(低μ域)への遷移、ないし領域A2(低μ域)から領域A1(高μ域)へ遷移する領域においては、重み付けゲインκの急変に伴うトルク変動、ヨーレートの変動を抑えるため、線形補間で重み付けゲインκを演算する。
また、図11に示すゲインマップの領域A4は、実ヨーレートγの方がヨーレートモデル値γ_clcよりも大きい場合に相当する。例えば、車両モデル216に誤ったパラメータが入力されてヨーレートモデル値γ_clcが誤計算された場合等においては、領域A4のマップにより実ヨーレートγを用いて制御を行うことができる。更に、領域A4のマップによれば、フィルタ処理に伴う実ヨーレートγの位相遅れに起因して、一時的にヨーレートモデル値γ_clcが実ヨーレートγよりも小さくなった場合においても、実ヨーレートγを用いて制御を行うことができる。なお、重み付けゲインκの範囲は0〜1の間に限定されるものではなく、車両制御として成立する範囲であれば任意の値を取れる様に構成を変更することも、本発明の技術で成し得る範疇に入る。
補正処理部222は、制御目標ヨーレート演算部230が、式(4)〜(6)から制御目標ヨーレートγ_Tgtを算出するに際し、目標スタビリティファクタSfTgtを補正する。図12は、目標スタビリティファクタSfTgtを補正するマップを示す特性図である。図12に示すように、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に基づき、車両の旋回性能に関わるパラメータである目標スタビリティファクタSfTgtを補正する。図12において、縦軸のSf1は、車両1000の自転(ヨー運動)を促進するための回頭性を重視したスタビリティファクタを示しており、Sf2は車両1000の過度の自転(ヨー運度)を抑制し、旋回時の安定性能を確保するための安定性を重視したスタビリティファクタをそれぞれ示している。また、横軸のTH1〜TH4は、ゲインマップ切り替えしきい値を示しており、Pはプラス側、Mはマイナス側を示している。図12に示すように、TH_lとTH_2の間、TH_3とTH_4の間の目標スタビリティファクタSfTgtは線形補間で算出される。従って、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)がTH_lとTH_2の間、TH_3とTH_4の間に属する場合は、各しきい値からの乖離度合に応じてSf1とSf2を配分してSfTgtを算出する。
補正処理部222は、操舵のしやすさに関連する指標から算出される、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData))の推移に応じて目標スタビリティファクタSfTgtを補正することで、操安制御部220による制駆動力制御の出力を増減させる。これにより、パワーステアリングゲイン調整部205による前輪タイヤ舵角の要求値(δReq)に応じたアシスト量の増減分を補償することができる。
図12に示すように、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に基づいて、周波数関連データ(TrqFreqData)の絶対値が所定の閾値(TH1_P,TH1_M)よりも高い場合には、目標スタビリティファクタSfTgtを回頭性を重視したSf1側(OS側)に推移させる。これにより、式(4)から算出される操安制御用の制御目標ヨーレートγ_Tgtの値が大きくなり、操安制御部220による制駆動力制御の目標値が増加する。従って、周波数関連データ(TrqFreqData)の絶対値が大きい場合には、図10のマップに従って前輪タイヤ舵角の要求値(δReq)が基準値(δStd)よりも低下するが、制御目標ヨーレートγ_Tgtの値が増加するため、パワーステアリングによる転舵制御と操安制御部220による制駆動力制御を同時に行うことで、パワーステアリングのアシスト量(操舵量、トルク)の減少分を補償することができる。
また、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に基づいて、周波数関連データ(TrqFreqData)の絶対値が所定の閾値(TH1_P,TH1_M)よりも低い場合には、目標スタビリティファクタSfTgtを安定性を重視したSf2側(US側)に推移させる。これにより、式(4)から算出される操安制御用の制御目標ヨーレートγ_Tgtの値が小さくなり、操安制御部220による制駆動力制御の旋回目標値が減少する。従って、周波数関連データ(TrqFreqData)の絶対値が大きい場合には、図10のマップに従って前輪タイヤ舵角の要求値(δReq)を減少させるとともに、制御目標ヨーレートγ_Tgtの値も減少させるべく、パワーステアリングによる転舵制御と操安制御部220による制駆動力制御を同時に制御することで、車両が旋回し過ぎる状態を抑止できる。
このように、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に基づいて目標スタビリティファクタSfTgtを補正することで、周波数が低い状態で操舵が行われている場合は、制御目標ヨーレートγ_Tgtを通常の旋回量相当の値で算出する一方、周波数が高い状態で操舵が行われている場合は、制御目標ヨーレートγ_Tgtを通常の旋回量以上の値で算出することで、車両旋回を促進する。この様に、周波数関連データに基づいて目標スタビリティファクタSfTgtを補正することで、操舵の状態に応じた最適な制御目標ヨーレートγ_Tgtを演算することができる。
特に、式(4)における目標スタビリティファクタSfTgtは、式(6)に示すように車両1000の諸元に応じて定まる値であり、車両1000の操安特性を物理的に示すパラメータである。従って、制御目標ヨーレートγ_Tgtを制御する際に、目標スタビリティファクタSfTgtを補正して制御することで、より自然な車両挙動を実現することができ、滑らかな旋回が可能となる。
なお、図12に示すように、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の絶対値が所定の閾値(TH3_P,TH3_M)よりも高い場合には、目標スタビリティファクタSfTgtをSf2側に推移させる。周波数関連データ(TrqFreqData)が過度に高周波である場合は、操安制御部220による駆動力制御の制御量も過度に大きくなるおそれがあるため、目標スタビリティファクタSfTgtをSf2側に制御することで車両1000の過度の旋回を抑えるのも、操舵状況や走行状態に応じてSfTgtを推移させる一例として与えられる。
減算部233には、制御目標ヨーレート演算部230から制御目標ヨーレートγ_Tgtが入力され、フィードバックヨーレート演算部232からフィードバックヨーレートγF/Bが入力される。減算部233は、制御目標ヨーレートγ_TgtからフィードバックヨーレートγF/Bを減算し、γ_TgtとγF/Bとの差分(ヨーレート補正量)Δγ_Tgtを求める。すなわち、差分Δγ_Tgtは、以下の式(10)から算出される。
Δγ_Tgt=γ_Tgt−γF/B ・・・・(10)
差分Δγ_Tgtは、制御目標モーメント演算部250へ出力される。
制御目標モーメント演算部250は、差分Δγ_Tgtに基づいて車両挙動を補正するためのモーメントを算出する。制御目標モーメント演算部250は、差分Δγ_Tgtを用いて、制御目標モーメントを算出するとともに、調整ゲインにより、制御目標モーメントを補正することで、低周波のハンドル操作時の安定性確保と、高周波のハンドル操作時の旋回支援制御を両立させ、車両旋回時における定常的な挙動と過渡的な挙動の双方の観点から操縦安定性能を制御する。このため、制御目標モーメント演算部250は、車両1000のヨーレートを収束させるためのパラメータである「目標減衰モーメントMgDampTgt」を算出する減衰制御モーメント演算部(定常項算出部)250aと、車両1000のヨー慣性を補償するパラメータである「目標慣性補償モーメントMgTransTgt」を算出する慣性補償モーメント演算部(過渡項演算部)250bとを有している。
減衰制御モーメント演算部(定常項算出部)250aは、公知の平面2輪モデル(ヨー運動)をヨーモーメントについて整理した以下の式(11)において、ヨーレートに掛かっている係数D1(減衰モーメント演算係数)をΔγ_Tgtに乗じることで、車両旋回時の収束性能を向上させる「目標減衰モーメントMgDampTgt」を演算する。
Figure 0006078124
つまり、目標減衰モーメントMgDampTgtは、以下の式(12)から算出される。
Figure 0006078124
目標減衰モーメントMgDampTgtは、駆動力制御で用いる減衰モーメントの基本量に相当する。ここで、係数D1は、式(11)でγに掛かっている2/V(l +l )に相当する。「目標減衰モーメントMgDampTgt」により、特に車両1000の定常的な挙動に対して、車両挙動を安定させることができる。
また、慣性補償モーメント演算部(過渡項演算部)250bは、公知の平面2輪モデル(ヨー運動)をヨーモーメントについて整理した式(11)において、ヨー加速度に掛かっている係数T1(慣性補償モーメント演算係数)をΔγ_Tgtの微分値に乗じることで、車両旋回時におけるヨー慣性を補償する「目標慣性補償モーメントMgTransTgt」の基本量MgTransBasisを演算する。つまり、基本量MgTransBasisは以下の式(13)から算出される。基本量MgTransBasisは、駆動力制御で用いる慣性補償モーメントの基本量に相当する。ここで、係数T1は、式(11)でdγ/dtに掛かっているI(車両のヨー慣性)に相当する。この際、慣性補償モーメント演算部(過渡項演算部)250bは、「目標慣性補償モーメントMgTransTgt」の基本量MgTransBasisに対して、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に応じて設定されたゲインを乗算することで、基本量MgTransBasisを補正し、「目標慣性補償モーメントMgTransTgt」を算出する。これにより、「目標慣性補償モーメントMgTransTgt」により、特に車両1000の瞬間的な挙動に対して、車両挙動を安定させることができる。
Figure 0006078124
より詳細には、慣性補償モーメント演算部250bは、慣性補償モーメントを補正するゲインGainMgTransを算出し、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に応じてゲインGainMgTransを可変させる機能を有する。また、慣性補償モーメント演算部250bは、操舵の周波数関連データ(TrqFreqData)に基づいて、操舵に対する車両挙動の安定度合いを判別するとともに、高周波のハンドル操作では慣性補償モーメントの出力を制限する機能も併せ持つ補正ゲインGainMgTransを算出する。そして、ハンドル操舵が高周波域に遷移していると判断される場合は、ゲインを負の値まで低減させ、過渡的な逆モーメントを付加することで車両1000の安定性能を確保する。一方で、より高周波の入力で操舵が行われた場合や限界領域に到達したと判断される場合には、過渡的な逆モーメントを付加せずに旋回性能を抑え過ぎないようにして、高周波数領域でも車両1000の旋回性能を保持する制御を行う。
このように、慣性補償モーメント演算部250bは、操舵の周波数関連データ(TrqFreqData)の大小に応じて、目標慣性補償モーメントMgTransTgtの基本量MgTransBasisを補正するためのゲインGainMgTransを算出する。そして、操舵の入力に応じて、緩操舵時など低周波入力が主の場合には車両1000の応答性能を重視する一方、操舵のふらつきなど高周波入力が主の場合には、逆モーメントを付与することで車両の安定性能を確保する。これにより、特に高周波の操舵入力に対して制御の収束性を高めることができる。
このため、慣性補償モーメント演算部250bは、先ず、Δγ_Tgtの微分値に係数T1を乗算して基本量MgTransBasisを算出する。そして、算出した基本量MgTransBasisと、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)に応じて変化する慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTransを乗算して目標慣性補償モーメントMgTransTgtを算出する。
図13は、慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTransを算出するマップを示す特性図である。図13において、TH1〜TH6は、ゲインマップ切り替えのしきい値を示しており、Pはプラス側、Mはマイナス側を示している。
図13に示すように、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)がTH1_Pよりも大きくなると、慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTransが負の値となり、目標減衰モーメントMgDampTgtと目標慣性補償モーメントMgTransTgtを加算して得られる制御目標モーメントMgTgtの値が減少する。従って、過度な旋回を抑制する狙いに沿った制御目標モーメントMgTgtを指定することができる。
また、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)がTH3_Pよりも大きくなり、より高周波の入力で操舵が行われた場合や、限界領域に到達したと判断される場合には、逆モーメントを付加せずに慣性補償モーメント補正ゲインGainrMgTransを0(ニュートラル)に近づける。これにより、旋回性能を抑え過ぎないようにして、高周波数領域でも車両1000の旋回性能を保持する制御を行う。
なお、図13のマップは一例であって、車両制御が成立する範囲であれば、0や負の値を含め、慣性補償モーメント補正ゲインGainrMgTransとして任意の値を設定することができる。
以上のように、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値が大きく、高周波のハンチングや操舵のふらつきが生じている場合は、車両1000の過渡的な動きを抑えることによってハンチングやふらつきを抑え、車両挙動を安定させることができる。従って、慣性補償モーメント補正ゲインGainrMgTransが負の値として逆モーメントを付加することで、過渡的な動きを抑えて車両挙動を安定させることができる。
なお、上述した例では、操安制御部220による制駆動力制御の制御目標モーメントに含まれる過渡項(目標慣性補償モーメントMgTransTgt)を補正する例を示したが、操舵トルク、操舵角等の周波数解析結果に基づき、制駆動力制御の制御目標モーメントに含まれる定常項(目標減衰モーメントMgDampTgt)に対してゲインを乗じて、高周波の操舵入力に対して収束性を高める制御定数を指定する手法も、本発明の一形態として含まれる。目標減衰モーメントMgDampTgtを補正することで、車両1000の比較的緩やかな定常的な旋回性能を補正することができる。
以上のようにして目標減衰モーメントMgDampTgt及び目標慣性補償モーメントMgTransTgtが算出されると、制御目標モーメント演算部250の加算部250cは、目標減衰モーメントMgDampTgtと目標慣性補償モーメントMgTransTgtとを加算して、操安制御で用いる制御目標モーメントMgTgtを算出する。すなわち、制御目標モーメントMgTgtは以下の式(14)から算出される。
Figure 0006078124
制御目標モーメント演算部250が算出した制御目標モーメントMgTgtは、モータ要求トルク演算部280へ入力される。モータ要求トルク演算部280は、制御目標モーメントMgTgtに基づいてモータ要求トルクを算出する。
5.本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動について
次に、図14〜図26に基づいて、本実施形態の制御を行った場合の各制御量、及び車両挙動について説明する。最初に操舵がふらついている状態について、図14〜図24に基づいて説明する。ここでは、図14に示すような実車相当のハンドル操作を行い、一定の車速で走行した場合に、シミュレーションにより得られた各制御量が変化する様子を説明する。図14〜図24において、時間軸は一致している。また、図14〜図24においては、説明のため特性を拡大した各領域を特性図の下に示している。
また、図15〜図24、図26において、実線の特性(本実施形態)は、本実施形態に係るパワーステアリングゲイン調整部205及び操安制御部220による制御を行った場合を示している。また、破線の特性(比較例2)は、パワーステアリングゲイン調整部205に相当する制御のみを行った場合を示している。また、一点鎖線の特性(比較例1)は、パワーステアリングゲイン調整部205及び操安制御部220に相当する制御の双方で制御量の補正を行わない場合を示している。図27は、本実施形態、比較例1、比較例2について、操舵トルク、操安制御部によるモータの制御量、操舵角、車両の旋回量を比較して示した模式図である。図27に示すように、本実施形態及び比較例2では、パワーステアリングゲイン調整部205に相当する制御により、特に高周波のステアリング操作時に操舵トルク及び操舵角が減少する。また、本実施形態では、操安制御部220による制御による制御量が増加する。また、比較例2では、パワーステアリングゲイン調整部205に相当する制御(すなわち高周波入力に対する出力抑制)のみを行うため、ドライバーの操舵に対して車両1000の旋回量が少なくなる。本実施形態では、パワーステアリングゲイン調整部205及び操安制御部220による制御を行うため、車両1000のドライバーの操舵に対して車両1000の旋回量が維持される。
図15は、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値を示している。図14のハンドル操作を示す特性では、領域Aでは滑らかなハンドル操作が行われ、領域B、領域Cでは操舵がふらついて(いびつな操舵)いる。この場合に、図15に示すように、図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値が一定値(ここでは、一例として“1”とする)となるため、3つの特性のいずれにおいても、パワーステアリング機構140のアシスト量を増加させずに通常通りの制御が行われる。
また、図14のハンドル操作を示す特性において、領域B、領域Cでは操舵がふらついて(いびつな操舵になって)いる。この場合、図15に示すように、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面では、操舵量を補正するため、実線(本実施形態)の特性と破線の特性では、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値が1以下の値とされる。一方、一点鎖線の特性では、パワーステアリングゲイン調整部205に相当する制御が行われないため、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値は“1”とされる。
また、図16は、前輪舵角の要求値(δReq)を示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、図15に示したように周波数関連データ(TrqFreqData)の値が“1”となるため、パワーステアリングのアシスト量を減少させることなく、通常の制御が行われる。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面では、操舵に関する周波数関連データ(TrqFreqData)の値に応じて、実線及び破線の特性では一点鎖線の特性に比べて前輪舵角の要求値(δReq)が低下する。従って、操舵がふらついている場合に前輪の転舵を抑えることができる。
また、図17は、目標スタビリティファクタSfTgtを示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線の特性において、目標スタビリティファクタSfTgtの補正は行われず、通常通りの制御が実施される。また、破線及び一点鎖線の特性では目標スタビリティファクタSfTgtは補正されず、一定値であるため、通常通りの制御が実施される。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性では、目標スタビリティファクタSfTgtが補正される。破線及び一点鎖線の特性では、目標スタビリティファクタSfTgtは一定値である。
図18は、制御目標ヨーレートγ_Tgtを示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても、目標スタビリティファクタSfTgtの値が一致しているため、制御目標ヨーレートγ_Tgtは同一の値となり、通常通りの制御が実施される。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性では、目標スタビリティファクタSfTgtが補正されるため、制御目標ヨーレートγ_Tgtの絶対値が増加する。破線及び一点鎖線の特性では、目標スタビリティファクタSfTgtは一定値である。従って、実線の特性では、破線及び一点鎖線の特性に比べて制御目標ヨーレートγ_Tgtの絶対値が増加することで、車両旋回が促進されることが判る。
図19は、慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTransを示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線の特性ではゲインGainMgTransの補正は行われない。破線、一点鎖線の特性では、ゲインGainMgTransの値は常に一定である。従って、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても、ゲインGainMgTransの値は一致している。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性ではゲインGainMgTransが補正され、その値が減少し、負の値に到達するものの、破線、一点鎖線の特性では、ゲインGainMgTransの値は補正されない。
図20は、目標慣性補償モーメントMgTransTgtを示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線の特性ではゲインGainMgTransの補正は行われない。従って、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても通常通りの制御が行われ、目標慣性補償モーメントMgTransTgtの値はほぼ一致している。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性ではゲインGainMgTransを入力状態に応じ、正の値から負の値へ徐々に変化させることで、破線、一点鎖線の特性と比較すると、過渡的な制御モーメントを抑制、ないし過渡的な逆モーメントを付加することによって、目標慣性補償モーメントMgTransTgtの絶対値が減少する。従って、車両1000の安定性能を確保することができる。
図21は、制御目標モーメントMgTgtを示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線の特性では慣性補償モーメント補正ゲインGainMgTransの補正は行われない。従って、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても通常通りの制御が行われ、制御目標モーメントMgTgtの値はほぼ一致している。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性では、破線、一点鎖線の特性と比較すると、過渡的な逆モーメントを付加することによって、制御目標モーメントMgTgtの絶対値が減少する。従って、車両1000の安定性能を確保することができる。
図22は、車両1000の実ヨーレートを示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても、同等の実ヨーレートとなる。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、破線の特性は、一点鎖線の特性に比べ、パワーステアリングのアシスト量を減少しているため、ふらつきを抑制しやすくなるものの、操舵量に対する走行軌跡が変わり、ドライバーの違和感に繋がる。ところが、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性は、ふらつきを抑えることができ、且つ一点鎖線と同等の走行軌跡を補償することができ、操舵制御による走行軌跡のずれとドライバーの違和感や負担を軽減できることが判る。
図23は、車両1000の横加速度(Gy)を示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても、同等の横加速度となる。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、破線の特性は、一点鎖線の特性に比べ、パワーステアリングのアシスト量を減少しているため、ふらつきを抑制しやすくなるものの、操舵量に対する走行軌跡が変わり、ドライバーの違和感に繋がる。ところが、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性は、ふらつきを抑えることができ、且つ一点鎖線と同等の走行軌跡を補償することができ、操舵制御による走行軌跡のずれとドライバーの違和感や負担を軽減できることが判る。
図24は、車両1000の横方向への移動量を示している。図14の領域Aに相当する操舵が滑らかな場面では、実線、破線、一点鎖線のいずれの特性においても、同等の移動量となる。一方、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、破線の特性は、一点鎖線の特性に比べ、パワーステアリングのアシスト量を減少しているため、ふらつきを抑制しやすくなるものの、操舵量に対する走行軌跡が変わり、横方向への移動量の絶対値が低下するため、ドライバーの違和感に繋がる。ところが、図14の領域B、領域Cに相当する操舵がふらついている場面において、実線の特性は、ふらつきを抑えることができ、且つ一点鎖線と同等の走行軌跡を補償することができ、操舵制御による走行軌跡のずれとドライバーの違和感や負担を軽減できることが判る。
次に、操舵がふらついていない状態について、図25及び図26に基づいて説明する。ここでは、図25に示すようにハンドル操作を行い、一定の車速で走行した場合に、図26に示す各制御量(実ヨーレートγ、横加速度Gy、横方向への移動量)が変化する様子を説明する。図25及び図26において、時間軸は一致している。また、図26において、実線の特性は、本実施形態に係るパワーステアリングゲイン調整部205及び操安制御部220による制御を行った場合を示している。また、破線の特性は、パワーステアリングゲイン調整部205に相当する制御のみを行った場合を示している。また、一点鎖線の特性は、パワーステアリングゲイン調整部205及び操安制御部220に相当する制御の双方を行わない場合を示している。
操舵がふらついていない状態では、図14の領域Aと同様に、実線の特性ではパワーステアリングゲイン調整部205及び操安制御部220の制御は行われない。また、破線の特性では、パワーステアリングゲイン調整部205に相当する制御は行われない。従って、図26において、各制御量(実ヨーレートγ、横加速度Gy、横方向への移動量)は実線、破線、一点鎖線の特性でほぼ一致する。従って、実線の本実施形態の制御によれば、操舵がふらついていない状態においても、安定した車両挙動を実現することができ、横方向への移動量を確保することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
200 制御装置
205 パワーステアリングゲイン調整部
205a ステアリングモデル
205b 周波数関連データ算出部
205c ステアリング補正ゲイン算出部
205d 操舵アシスト量調整部
220 操安制御部
222 補正処理部
230 制御目標ヨーレート演算部
232 フィードバックヨーレート演算部
250 制御目標モーメント演算部

Claims (11)

  1. 操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するパワーステアリング調整部と、
    前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御する操安制御部と、
    を備え
    前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、
    前記操安制御部は、
    車両の目標ヨーレートと車両速度及び操舵角との関係を車両諸元から求まる目標スタビリティファクタによって規定した車両モデルから、前記目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出部と、
    操舵に関する前記周波数関連データに高周波成分が含まれる際に、パワーステアリング制御による旋回量の低下を補償すべく目標スタビリティファクタを変更する補正処理部と、を備えることを特徴とする、車両の制御装置。
  2. 操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するパワーステアリング調整部と、
    前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御する操安制御部と、
    を備え、
    前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、
    前記パワーステアリング調整部は、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記アシスト量を低下させ、
    前記パワーステアリング調整部は、
    ステアリングモデルに基づいて、前輪舵角の基準値及び操舵トルクを算出する算出部と、
    前記操舵トルク又はドライバーの操舵量を周波数解析して前記周波数関連データを算出、若しくは前記操舵トルクの変化率の推移又は前記操舵量の変化率の推移から前記周波数関連データを算出する周波数関連データ算出部と、
    前記周波数関連データに基づいて、前記前輪舵角の基準値を補正するためのステアリング補正ゲインを算出するステアリング補正ゲイン算出部と、
    前記ステアリング補正ゲインを前記前輪舵角の基準値に乗算して、パワーステアリング機構へ出力するための前輪舵角の要求値を算出する操舵アシスト量調整部と、
    を有することを特徴とする、車両の制御装置。
  3. 前記周波数関連データは、ドライバーの操舵トルク、ドライバーの操舵量を周波数解析した結果、前記操舵トルクの変化率、又は前記ドライバーの操舵量の変化率の推移から得られたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記パワーステアリング調整部は、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記アシスト量を低下させることを特徴とする、請求項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記周波数関連データ算出部は、周波数解析した波形を積分して求まる第1の面積と、所定の周波数帯以上の波形を積分して求まる第2の面積との比率に基づいて前記周波数関連データを算出することを特徴とする、請求項2に記載の車両の制御装置。
  6. 前記目標ヨーレート算出部は、前記目標スタビリティファクタの値が減少するほど、前記目標ヨーレートを増加させることを特徴とする、請求項1に記載の車両の制御装置。
  7. 車両が発生しているヨーレートとして、前記目標ヨーレートと比較するためのフィードバックヨーレートを取得するフィードバックヨーレート取得部と、
    前記目標ヨーレートと前記フィードバックヨーレートとの差分に基づいて、制御目標モーメントを算出する制御目標モーメント算出部を備え、
    前記制御目標モーメント算出部は、前記差分に基づいて算出される定常的な減衰制御モーメントと前記差分に基づいて算出される過渡的な慣性補償モーメントとを加算して前記制御目標モーメントを算出し、前記周波数関連データに基づいて、前記減衰制御モーメント又は前記慣性補償モーメントを補正することを特徴とする、請求項1又は6に記載の車両の制御装置。
  8. 前記制御目標モーメント算出部は、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記慣性補償モーメントの値を減少させることを特徴とする、請求項7に記載の車両の制御装置。
  9. 前記フィードバックヨーレート取得部は、車両モデルから求まる第1のヨーレートとヨーレートセンサから求まる第2のヨーレートを取得し、前記第1のヨーレートと前記第2のヨーレートとの差分に基づいて、当該差分が小さい場合は前記第1のヨーレートの配分を大きくし、当該差分が大きい場合は前記第2のヨーレートの配分を大きくして、前記第1及び第2のヨーレートから前記フィードバックヨーレートを算出することを特徴とする、請求項7又は8に記載の車両の制御装置。
  10. 操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するステップと、
    前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御するステップと、
    を備え、
    前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、
    前記制御量を制御するステップは、
    車両の目標ヨーレートと車両速度及び操舵角との関係を車両諸元から求まる目標スタビリティファクタによって規定した車両モデルから、前記目標ヨーレートを算出するステップと、
    操舵に関する前記周波数関連データに高周波成分が含まれる際に、パワーステアリング制御による旋回量の低下を補償すべく目標スタビリティファクタを変更するステップと、
    を含むことを特徴とする、車両の制御方法。
  11. 操舵のし易さに関連する状態量の推移に応じてパワーステアリングによる転舵のアシスト量を調整するステップと、
    前記状態量の推移に応じて各車輪を駆動力制御するための制御量を制御するステップと、
    を備え、
    前記状態量は、ドライバーの操舵入力に関する周波数関連データであり、
    前記アシスト量を調整するステップにおいて、前記周波数関連データに高周波成分が多く含まれるほど、前記アシスト量を低下させ、
    前記アシスト量を調整するステップは、
    ステアリングモデルに基づいて、前輪舵角の基準値及び操舵トルクを算出するステップと、
    前記操舵トルク又はドライバーの操舵量を周波数解析して前記周波数関連データを算出、若しくは前記操舵トルクの変化率の推移又は前記操舵量の変化率の推移から前記周波数関連データを算出するステップと、
    前記周波数関連データに基づいて、前記前輪舵角の基準値を補正するためのステアリング補正ゲインを算出するステップと、
    前記ステアリング補正ゲインを前記前輪舵角の基準値に乗算して、パワーステアリング機構へ出力するための前輪舵角の要求値を算出するステップと、を含むことを特徴とする、車両の制御方法。
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