JP6076971B2 - 摺動部品 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、メカニカルシール、軸受、その他、摺動部に適した摺動部品に関する。特に、摺動面に流体を介在させて摩擦を低減させるとともに、摺動面から流体が漏洩するのを防止する必要のある密封環または軸受などの摺動部品に関する。
摺動部品の一例である、メカニカルシールにおいて、密封性を長期的に維持させるためには、「密封」と「潤滑」という相反する条件を両立させなければならない。特に、近年においては、環境対策などのために、被密封流体の漏れ防止を図りつつ、機械的損失を低減させるべく、より一層、低摩擦化の要求が高まっている。低摩擦化の手法としては、回転により摺動面間に動圧を発生させ、液膜を介在させた状態で摺動する、いわゆる流体潤滑状態とすることにより達成できる。しかしながら、この場合、摺動面間に正圧が発生するため、流体が正圧部分から摺動面外へ流出する。軸受でいう側方漏れであり、シールの場合の漏れに該当する。シール面外周側に密封流体、内周側に大気があり、外周側の流体を密封している場合(「インサイド形」といわれている。)の内周側漏れ量は、次の式により表される。
Figure 0006076971
Q:摺動面内径r1における内周側漏れ量(マイナスで漏れ方向)
h:隙間高さ
η:流体粘度
p:圧力
上記式より、流体潤滑を促進し、動圧を発生させ、液膜を形成させるほど、内周端側の圧力勾配∂p/∂rが大きくなり、hが大きくなった結果、漏れ量Qが増大することがわかる。
したがって、シールの場合、漏れ量Qを減少させるには、隙間hおよび圧力勾配∂p/∂rを小さくする必要がある。
また、メカニカルシールの摩擦特性と類似の技術であるすべり軸受の摩擦特性については、図5に示す「ストライベック曲線」というものが知られている(参考文献:講談社、「トライボロジー」H.チコス著)。
図5の横軸は、粘度η×速度v/荷重Fであって、粘度及び荷重が一定の場合、速度になる。今、粘度及び荷重を一定とした場合、中速域である混合潤滑領域「第2:h(隙間)≒R(表面粗さ)」及び高速域である流体潤滑領域「第1:h(隙間)>>R(表面粗さ)」では、摩擦係数は小さいが、起動時である境界潤滑領域「第3:h(隙間)→0」では摩擦係数はきわめて大きくなる。
一方、本願の発明者らの数値解析によれば、メカニカルシールにおいて、摺動面に施された溝深さと摺動面の摩擦係数の関係は、図6に示すとおりであり、摺動面の摺動速度によって溝深さと摺動面の摩擦係数の関係は異なっている。
そして、一般に、メカニカルシールに施される動圧発生溝は、常用回転数域で効果が出るように、また十分に流体を摺動面へ導入するという観点で設計されており、動圧発生溝の加工は、機械加工、ブラスト、及びレーザで行われ、数μm以上の溝深さであった。そのため、中速域及び高速域では低摩擦になるが、低速域では負荷容量を得ることはできず、低摩擦を実現することは困難であった。特に、起動または停止時に十分な動圧が発生できないために十分な潤滑特性を発揮できず、起動または停止時に鳴きの発生や摺動面の過度な接触が生起されるという問題があった。
また、近年、摺動面間への被封止流体の導入及びその保持を良好に行えるようにすることで、過大な漏洩を発生させることなく、摩擦係数を低減させるようにしたメカニカルシール摺動材として、摺動面に相手摺動材との相対回転によって摺動面間に動圧を生成する動圧生成溝が周方向に複数設けられたものにおいて、動圧生成溝が摺動方向に対して傾斜角を有する直線状の溝あるいは曲線状のスパイラル溝から形成され、動圧生成溝の加工がフェムト秒レーザによって行われ、溝深さが1μm以下のものも提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかし、特許文献1及び2に記載の発明は、摺動面に相手摺動材との相対回転によって摺動面間に動圧を生成することを目的とするものであって、高圧で中・高速域では低摩擦になるが、低圧で中・高速域、または起動・停止時に十分な動圧が発生できないために十分な潤滑特性を発揮できないという問題があった。また、動圧生成溝により摺動面間への被封止流体の導入を図るものであるため、漏洩量を少なくするためには摺動面の低圧側に漏洩防止用の環状溝などを設ける必要があった。
国際公開第2009/087995号 特開2011−196429号公報
本発明は、被密封流体の漏洩量をより少なくしつつ、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上させ、回転時には流体潤滑で作動させ、密封と潤滑を両立させることのできる摺動部品を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため本発明の摺動部品は、第1に、一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面には、前記摺動面とほぼ平行にサブミクロンの段差を有する極浅平行溝からなる正圧発生機構が周方向に独立して複数設けられ、前記極浅平行溝は、高圧流体側とは連通し、低圧流体側とはシール面により隔離されていることを特徴としている。
第1の特徴により、極浅平行溝内に浸入する被密封流体が極薄の流体膜を形成し、表面張力の作用により、漏れを増大することなく流体をシールできる圧力域を高くすることができ、回転時には、相手側摺動面との相対的な摺動により動圧が発生され、動圧効果で摺動面を必要最低限浮上させることができるので、漏れを増大することなく良好な潤滑性能を維持でき、特に、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
また、本発明の摺動部品は、第2に、前記極浅平行溝は、溝深さhが10nm〜1μmであり、溝底部の表面粗さaが1〜100nmであって、h>aの関係にあることを特徴としている。
また、本発明の摺動部品は、第3に、前記極浅平行溝は、好ましくは、溝深さhが50〜500nmであり、溝底部の表面粗さaが1〜30nmであって、h>aの関係にあることを特徴としている。
第2及び第3の特徴により、より一層、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
また、本発明の摺動部品は、第4に、第1乃至第3のいずれか特徴において、前記極浅平行溝は、深さの異なる複数の溝から形成されていることを特徴としている。
第4の特徴により、例えば、深さの異なる複数の溝を周方向に隣接して形成した場合、相手側摺動面の回転方向により正圧の発生に差異をもたらすことができる。さらに、例えば、深さの異なる複数の溝を径方向に隣接して形成した場合、摺動面の外径側に浅溝を、内径側に深溝を設けることで、潤滑液保持能力機能が向上することができる。
また、本発明の摺動部品は、第5に、第1乃至第4のいずれかの特徴において、前記極浅平行溝は、摺動面の面積に対し、好ましくは、5〜70%の範囲で設けられることを特徴としている。
第5の特徴により、摺動面の面圧を良好な状態に保つとともに、漏れを少なくし、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
また、本発明の摺動部品は、第6に、第1乃至第5のいずれかの特徴において、一対の摺動部品が互いに相対回転するメカニカルシールの静止側摺動部材又は回転側摺動部材として使用される環状体からなることを特徴としている。
第6の特徴により、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性が著しく向上されたメカニカルシールを得ることができる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面には、前記摺動面とほぼ平行にサブミクロンの段差を有する極浅平行溝からなる正圧発生機構が周方向に独立して複数設けられ、前記極浅平行溝は、高圧流体側とは連通し、低圧流体側とはシール面により隔離されていることにより、極浅平行溝内に浸入する被密封流体が極薄の流体膜を形成し、表面張力の作用により、漏れを増大することなく流体をシールできる圧力域を高くすることができ、回転時には、相手側摺動面との相対的な摺動により動圧が発生され、動圧効果で摺動面を必要最低限浮上させることができるので、漏れを増大することなく良好な潤滑性能を維持でき、特に、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
(2)極浅平行溝は、深さの異なる複数の溝から形成されていることにより、例えば、深さの異なる複数の溝を周方向に隣接して形成した場合、相手側摺動面の回転方向により正圧の発生に差異をもたらすことができる。さらに、例えば、深さの異なる複数の溝を径方向に隣接して形成した場合、摺動面の外径側に浅溝を、内径側に深溝を設けることで、潤滑液保持能力機能が向上することができる。
(3)極浅平行溝は、摺動面の面積に対し、好ましくは、5〜70%の範囲で設けられることにより、摺動面の面圧を良好な状態に保つとともに、漏れを少なくし、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
(4)一対の摺動部品が互いに相対回転するメカニカルシールの静止側摺動部材又は回転側摺動部材として使用される環状体からなることにより、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性が著しく向上されたメカニカルシールを得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る摺動部品の摺動面を説明するためのものであって、(a)は摺動面の平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。 動圧効果を説明する図であって、(a)本発明の場合を、(b)は従来技術の場合を示すものである。 摺動面に形成された極浅平行溝の平面形状を示すものであって、(a)は極浅平行溝の内周と摺動面の内周との間が狭い場合を、(b)は極浅平行溝の内周と摺動面の内周との間が広い場合を示したものであり、また、(c)は極浅平行溝の平面形状の変形例を示したものである。 本発明の実施の形態2に係る摺動部品の摺動面を説明するためのものであって、(a)は摺動面の平面図、(b)はC−C断面図である。 軸受の摩擦特性を説明する図であって、横軸が軸受け特性数G(無次元)、縦軸が摩擦係数fを示している。 メカニカルシールにおいて、摺動面に施された溝深さと摺動面の摩擦係数の関係を摺動面の摺動速度に応じて求めたものである。
本発明に係る摺動部品を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
〔実施形態1〕
本発明の実施の形態1に係る摺動部品を図1を参照しながら説明する。
図1(a)に示すように、摺動部品1は環状体を成しており、通常、摺動部品1の摺動面Sの内外周の一方側に高圧の被密封流体が存在し、また、他方側は大気である。
そして、この被密封流体を摺動部品1を用いて効果的にシールすることができる。例えば、この摺動部品1をメカニカルシール装置における一対の回転用密封環及び固定用密封環のいずれかに用いる。回転用密封環の摺動面と、これに対向する固定用密封環の摺動面とを密接させて摺動面の内外周のいずれか一方に存在する被密封流体をシールする。また、円筒状摺動面の軸方向一方側に潤滑油を密封しながら回転軸と摺動する軸受の摺動部品として利用することも可能である。
図1においては、説明の都合上、外周側に高圧の被密封流体が存在する場合について説明する。
図示例では、摺動部品1の断面形状は、図1(c)に示すように凸形状をしており、その頂面が摺動面Sを構成している。この摺動面Sには、図1(b)に示すような摺動面Sとほぼ平行にサブミクロンの段差を有する極浅平行溝2からなる正圧発生機構が、周方向に独立して複数設けられている。極浅平行溝2は、摺動面Sの径方向の幅全体ではなく、高圧流体側寄りに設けられるもので、高圧流体側と連通し、低圧流体側とはシール面3により隔離されている。
極浅平行溝2は、溝深さhが10nm〜1μmの範囲にあり、溝底部の表面粗さaが1〜100nmの範囲にあって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係にあるように設定される。
また、極浅平行溝2は、好ましくは、溝深さhが50〜500nmの範囲であり、溝底部の表面粗さaが1〜30nmの範囲であって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係に設定される。
ここで、本発明における「極浅平行溝からなる正圧発生機構」について説明する。
正圧発生機構を構成する極浅平行溝2は、極浅であること、例えば、溝深さhが10nm〜1μmの範囲にあり、溝底部の表面粗さaが1〜100nmの範囲であって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係にあるため、極浅平行溝2内に浸入する被密封流体が極薄の流体膜を形成し、表面張力の作用により、漏れを増大することなく流体をシールできる圧力域を高くすることができる。回転時には、相手側摺動面との相対的な摺動により動圧が発生され、動圧効果で摺動面を浮上させる。このように、極浅平行溝2により構成された正圧発生機構により、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
回転時には、相手側摺動面との相対的な摺動により動圧が発生され、動圧効果で摺動面を浮上させる点について、図2に基づいて説明する。
図2(a)に示すように、本発明の場合、極浅平行溝2は、極浅であって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係にあるため、相手側摺動面との相対的な摺動により発生する動圧の圧力分布は大きくなる。
一方、図2(b)に示すように、従来技術の場合、動圧発生溝は、溝の深さとほぼ同じ高さ分、動圧発生溝が形成されているため、相手側摺動面との相対的な摺動により発生する動圧の圧力分布は、流体の導入効率が低いため本発明の場合に比べて小さい。
本発明においては、極浅であるため起動又は停止時における漏れが少なく、また、極浅であるにもかかわらず、回転時においては、流体の導入効率が高く潤滑効果を発揮することができる。
また、極浅平行溝2は、摺動面Sの面積に対し、好ましくは、5〜70%の範囲で設けられる。図示の例では、極浅平行溝2は周方向に16等配に配設されているが、これに限定されることなく、例えば、4等配以上に配設されてもよい。
摺動面S自体は鏡面加工によって、極浅平行溝2が明瞭になる程度の表面粗さに設定される。
このような極浅平行溝は、例えば、エッチングによって加工される。しかし、エッチングに限らず、溝深さhが10nm〜1μmの範囲にあり、溝底部の表面粗さaが1〜100nmの範囲にあって、溝深さh>溝底部の表面粗さaになるように加工できるものであれば他の加工方法でもよい。
次に、摺動面Sに設けられた極浅平行溝2の形状について、図3を参照しながら説明する。
図3(a)は、極浅平行溝2は略扇形をなし、その外周4は高圧流体側に連通し、極浅平行溝2の内周5と摺動面Sの内周6との間が狭い場合を示したものである。この形状の場合、潤滑特性は良いが、比較的漏れやすくなる。
図3(b)は、極浅平行溝2は略扇形をなし、その外周4は高圧流体側に連通し、極浅平行溝2の内周5と摺動面Sの内周6との間が広い場合を示したものである。この形状の場合、漏れにくくなるが、潤滑特性は比較的悪くなる。
図3(c)は、極浅平行溝2の平面形状の変形例を示したものである。
図3(a)(b)の極浅平行溝2は略扇型であるが、図3(c)の極浅平行溝2は、略楕円形をなし、高圧流体側と連通する外周4が狭く、内周側に向かって末広がりをなし、内周5は低圧流体側に向かって円弧状の凸をなし、円弧状の頂点付近は摺動面Sの内周6との間が狭く、その両側では摺動面Sの内周6との間が広くなっている。この形状の場合、高圧流体側から極浅平行溝2内への浸入はしづらいが、一旦浸入した被密封流体は溝内に閉じ込められ、低圧流体側には漏れにくい。このため、比較的漏れにくく、特に停止時の潤滑特性は良い。
〔実施形態2〕
本発明の実施の形態2に係る摺動部品を図4を参照しながら説明する。
なお、図4において、実施の形態1の符号と同じ符号は実施の形態1と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
摺動面Sには、図4(b)に示すような摺動面Sとほぼ平行にサブミクロンの段差を有する極浅平行溝10からなる正圧発生機構が、周方向に独立して複数設けられている。極浅平行溝10は、1段目の段差を有する極浅平行溝(浅溝)10−1と2段目の段差を有する極浅平行溝(深溝)10−2が周方向に隣接して形成されている。2段目の段差を有する極浅平行溝(深溝)10−2の溝深さhは10nm〜1μmの範囲にあり、溝底部の表面粗さaは1〜100nmの範囲であって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係にある。また、1段目の段差を有する極浅平行溝(浅溝)10−1の溝深さは2段目の段差を有する極浅平行溝(深溝)10−2の溝深さhの約半分に設定されている。この1段目の段差を有する極浅平行溝(浅溝)10−1においても、溝深さ約h/2>溝底部の表面粗さaの関係にある。
極浅平行溝が図4(b)のような2つの段差を有する場合、相手側摺動面の回転方向により正圧の発生に差異が生じる。すなわち、相手側摺動面の回転方向が矢印Rで示す方向である場合、より大きな正圧が発生する。
図4では、極浅平行溝10が、1段目の段差を有する極浅平行溝(浅溝)10−1と2段目の段差を有する極浅平行溝(深溝)10−2が周方向に隣接して形成されているが、2段目の段差を有する極浅平行溝(深溝)10−2を内径側に、1段目の段差を有する極浅平行溝(浅溝)10−1を外径側に配設し、両者を隣接させるようにしてもよい。この場合、シール面3の潤滑液保持能力機能が向上することができる。したがって、図3(a)に示した平面形状の極浅平行溝に適している。
本発明の実施の形態に係る摺動部品の作用・効果は以下のとおりである。
正圧発生機構を構成する極浅平行溝2は、極浅であること、例えば、溝深さhが10nm〜1μmの範囲にあり、溝底部の表面粗さaが1〜100nmの範囲であって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係にあるため、極浅平行溝2内に浸入する被密封流体が極薄の流体膜を形成し、表面張力の作用により、漏れを増大することなく流体をシールできる圧力域を高くすることができる。回転時には、相手側摺動面との相対的な摺動により動圧が発生され、動圧効果で摺動面を浮上させる。このように、極浅平行溝2により構成された必要最低限の正圧発生機構により、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
また、極浅平行溝2は、好ましくは、溝深さhが50〜500nmの範囲であり、溝底部の表面粗さaが1〜30nmの範囲であって、溝深さh>溝底部の表面粗さaの関係に設定されるため、より一層、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
また、極浅平行溝2は、深さの異なる複数の溝から形成されているため、例えば、深さの異なる複数の溝を周方向に隣接して形成した場合、相手側摺動面の回転方向により正圧の発生に差異をもたらすことができる。さらに、例えば、深さの異なる複数の溝を径方向に隣接して形成した場合、例えば、浅溝10−1を外形側、深溝10−2を内径側に形成した場合、潤滑液保持能力機能が向上することができるので、摺動面Sでの潤滑効果を良好なものとすることができる。
また、極浅平行溝2は、摺動面Sの面積に対し、好ましくは、5〜70%の範囲で設けられるため、摺動面Sの面圧を良好な状態に保つとともに、漏れを少なくし、起動または停止時の潤滑特性を著しく向上することができる。
また、一対の摺動部品を互いに相対回転するメカニカルシールの静止側摺動部材又は回転側摺動部材として使用される環状体とした場合、漏れを増大することなく、起動または停止時の潤滑特性が著しく向上されたメカニカルシールを得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、摺動部品をメカニカルシール装置における一対の回転用密封環及び固定用密封環のいずれかに用いる例について説明したが、円筒状摺動面の軸方向一方側に潤滑油を密封しながら回転軸と摺動する軸受の摺動部品として利用することも可能である。
また、例えば、前記実施の形態では、外周側に高圧の被密封流体が存在する場合について説明したが、内周側が高圧流体の場合にも適用でき、その場合、極浅平行溝を内周側に連通させて配設すればよい。
1 摺動部品
2 極浅平行溝
3 シール面
4 極浅平行溝の外周
5 極浅平行溝の内周
6 摺動面の内周
10 極浅平行溝
S 摺動面

Claims (6)

  1. 一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面には、前記摺動面とほぼ平行にサブミクロンの段差を有する極浅平行溝からなる正圧発生機構が周方向に独立して複数設けられ、前記極浅平行溝は、略楕円形の溝底部からなり、高圧流体側とは連通し、低圧流体側とはシール面により隔離されており、前記略楕円形の溝底部は、高圧流体側が狭く、低圧流体側に向かって末広がりをなし、更に低圧流体側に向かって円弧状の凸形状をなすことを特徴とする摺動部品。
  2. 前記極浅平行溝は、溝深さhが10nm〜1μmであり、前記溝底部の表面粗さaが1〜100nmであって、h>aの関係にあることを特徴とする請求項1記載の摺動部品。
  3. 前記極浅平行溝は、溝深さhが50〜500nmであり、前記溝底部の表面粗さaが1〜30nmであって、h>aの関係にあることを特徴とする請求項2記載の摺動部品。
  4. 前記極浅平行溝は、深さの異なる複数の溝から形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の摺動部品。
  5. 前記極浅平行溝は、摺動面の面積に対し、5〜70%の範囲で設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の摺動部品。
  6. 一対の摺動部品が互いに相対回転するメカニカルシールの静止側摺動部材又は回転側摺動部材として使用される環状体からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の摺動部品。
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