JP6074197B2 - 鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置、及び熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置、及び熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱延鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及びその製造方法に関し、詳しくは冷却均一性に優れる鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及びその製造方法に関する。
高強度の熱延鋼板を製造するためには、熱間圧延直後に鋼板を急冷することが有効である。そして急冷のためには鋼板に対して単位面積あたりに噴射される冷却水の流量、すなわち水量密度を増加させることがよい。しかしながら水量密度を増加させると鋼板上に滞留する水(滞留水)も増加する。
なお、圧延機の直後には、冷却水を噴射するノズルや他の部材に跳ね上がった鋼板が衝突したり引っ掛りたりすることを防止するため、ガイドが設けられている。従ってガイドは鋼板が通過するライン(パスライン)とノズルとの間に設置されている。
上記したように水量密度を増加させると、ガイドと鋼板との間には、冷却水と大気(空気)とが混じり合った気液混合の滞留水で満たされる。このため、鋼板に向けて噴射された冷却水は鋼板に衝突するまでに拡散しやすくなり、隣り合った冷却水噴流同士で結合、分離を繰り返す。これにより鋼板面での冷却水噴流の衝突力や衝突痕形状といった冷却水噴流が鋼板に衝突する態様が、滞留水がない場合の態様とは異なる。
鋼板冷却において、均一性が高い冷却をするためには、冷却水噴流の噴射パターンの規則性が重要であり、さらに冷却水噴流が意図した噴射パターン通りに規則的に鋼板に衝突することで、噴射パターン通りの衝突圧分布、冷却能力分布が得られ、均一な冷却が可能となる。冷却水噴流の噴射パターンにより冷却均一性を得る方法としては例えば特許文献1に記載されているように、ノズルを碁盤目状または千鳥状に規則的に配置する冷却方法がある。
ところが、水量密度が10m/(m・min)以上といった高い水量密度の条件では、適切な噴射パターンを得るようにノズルを規則的に配列したとしても、上述したように滞留水が厚く形成され、その中で冷却水噴流同士で結合、分離を繰り返すことから、衝突圧分布は時間的に変動し、鋼板面において予定していた冷却水噴流の噴射パターン通りの衝突圧分布を得ることは困難であった。このようにある一定以上衝突圧分布が乱れると、必要な冷却均一性を達成することができなくなる。従って、ガイドと鋼板との間が気液混合の滞留水で満たされた場合において、必要な冷却均一性を得るためには、噴流の結合、分離が生じることなく予定した冷却水噴流の規則性が得られるように、冷却水噴流の貫通性を高めることが必要とされる。
冷却水噴流の貫通性を高める方法としては冷却水噴流に対する滞留水の抵抗を減らす、冷却水噴流自体の貫通力を高める等といった対策を講じることが考えられる。
冷却水噴流に対する滞留水の抵抗を減らすにはガイド板を下げる方法がある。例えば特許文献2ではガイド板と鋼板との間の距離を10mm〜50mmにしての急冷を行っている。
一方、冷却水噴流自体の貫通力を高めるには、冷却水噴流の圧力を上昇させることが有効であると考えられるが、これは得られる効果に対して電力、設備コストが非常に高くなり、費用に対する効果が著しく低い。
また、特許文献3、4には、鋼板上の滞留水を減少させるため、鋼板が通過する部位の上方に位置する上面ガイドから冷却水を排出できるよう上面ガイド上に流路を形成することや、板幅方向の流れを促進することで排水性の向上を図ることが開示されている。
特許文献5には、ノズルの配列等が所定の式により特定される関係を満たすことにより板幅方向で均一な冷却が可能になる旨が開示されている。
特許文献6には、ガイド板が流入孔と流出孔とを具備することにより、板幅方向における冷却の均一性が高められる旨が開示されている。
特開2008−212943号公報 特開2004−066308号公報 特開2011−11217号公報 特開2011−11218号公報 特許第3801145号公報 特許第4029871号公報
しかしながら、特許文献2に記載のように、ガイドを下げる方法では、ガイドを下げすぎると、通板時に鋼板の先端が突っかかるといった通板性の問題が発生しやすくなる。ガイドを下げる目安としては、たとえば、仕上圧延機直近ではガイドと鋼板との距離が100mm未満までガイドを下げると鋼板先端の突っかかりが発生しやすくなることが知られている。
また、特許文献2では鋼板先端がガイドに突っかからないよう、拘束ロールにより鋼板を通板方向前後で拘束している。この場合、鋼板の先端が通過した後に鋼板を拘束してから冷却水を噴射する必要があり、鋼板を先端から冷却することができない。
一方、ガイド板が高すぎても鋼板の先端が浮き上がり易くなり、引っ掛り易くなる不具合がある。そのため、ガイドはパスラインから100mm〜350mmの範囲で設置することが一般的である。また、ガイドを場合に応じて上下動させる方法もあるが、これは機構が複雑な分だけ設備コストが高くなる。また、例えば圧延機のハウジング内といった限定された狭い空間では機構を設置すること自体が困難である。
特許文献3、4のように排水性を向上させる技術では、発明者らはそれだけではガイド板と鋼板との間の気液混合の滞留水を無くすことはできず、冷却水噴流の圧力がそれほど高くない条件での大流量、高い水量密度の冷却において、冷却均一性を十分に維持するには難があるとの知見を得た。
特許文献5に記載の技術では、鋼板上の滞留水が大量に発生した場合、冷却水噴流は鋼板面到達までに乱れてしまい、鋼板面において噴射パターンから想定される冷却水噴流の衝突圧分布にはなりえず、均一な冷却をするには難があるとの知見を得た。
特許文献6に記載の技術では、冷却水噴流の圧力がそれほど高くない条件における大流量、高い水量密度の冷却では、冷却均一性を十分に維持する上で難があるとの知見を得た。
そこで本発明は、高い水量密度の冷却水を供給しても、高い冷却の均一性を維持することができる鋼板の冷却装置を提供することを課題とする。また、このような鋼板の冷却装置を備える熱延鋼板の製造装置、及び熱延鋼板の製造方法を提供する。
発明者らは、鋭意検討の結果、つぎのような知見を得た。
水量密度が10m/(m・min)以上といった高い水量密度での冷却時に、鋼板面での冷却水噴流の衝突圧分布を計測すると、鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲(板幅方向において冷却すべき対象となる範囲)が0.4m以下という場合のように、鋼板上に滞留水がほとんど発生しない条件では、冷却水噴流の衝突痕が噴射パターン通りに明確に現れた。一方、鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上という場合のように、幅広で鋼板上に滞留水が形成される条件では、ガイドと鋼板との距離(以下、「ガイド高さ」)Hが大きくなるにつれて、次第に噴流の衝突痕形状は噴射パターンから外れて崩れていき、最終的には噴射パターンが全く見られなくなる。これはガイド高さHが大きくなるにつれて滞留水の厚さも増すことから、冷却水噴流に対する滞留水の抵抗が増大し、噴射形状が崩れ拡散しやすくなるためである。
冷却水噴流の衝突痕から噴射パターンが見られなくなった場合、一見、水噴流が直接衝突した箇所と水噴流が直接衝突していない箇所とでの衝突圧の分布の偏りが減り、冷却時の温度差が減少するようにも思われる。しかしながら、水噴流同士で結合、分離を繰り返していることから衝突圧分布は時間的に変動してしまうことに加え、噴射パターン通りに冷却水噴流が鋼板に衝突していないことから、冷却時の鋼板の面内における温度差は増大する。このため、上記したように冷却水噴流の噴射パターンにより必要な冷却均一性を確保するためには鋼板面においてある一定以上の冷却水噴流の衝突痕形状、衝突力を保つことが重要である。
従って、大量の冷却水を高い水量密度で供給する場合には、ガイド高さHやノズルに供給される冷却水の圧力Pを適切に定め、冷却水噴流の貫通性を向上させることで、冷却水噴流の衝突痕形状、衝突力を保ち、高い冷却均一性を維持できると考えた。
以上より、大量の冷却水を高い水量密度で供給する場合でも鋼板面においてある一定以上の冷却水噴流の衝突痕形状、衝突力を保つためには、「ガイド板高さHを下げ、冷却水噴流に対する滞留水の抵抗を減らす」、「ノズルに供給される冷却水の圧力Pを上げ、冷却水噴流自体の貫通力を高める」という方針が考えられる。しかしながら、上記したように、ガイド板を下げすぎても上げすぎても通板時に鋼板の先端の引っ掛りが発生しやすくなるといった問題があり、供給圧力を高くすると費用対効果に問題がある。
そこで、通板性を悪化させず、コストを抑えた上で、一定以上の冷却水噴流の衝突痕形状、衝突力を保てるよう鋭意研究を進めて以下の発明を完成させた。
請求項1に記載の発明は、熱間仕上圧延機より下工程側に配置され、鋼板のパスラインの上方からパスラインに向けて冷却水を供給可能で、パスラインの方向に並列された複数のノズル、及び、パスラインとノズルとの間に配置される上面ガイドを備える冷却装置であって、複数のノズルにより、水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を噴射可能であるとともに、鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上であり、ノズルから噴射された冷却水がノズルの噴射パターン通りに鋼板に衝突した際、その衝突圧が最大となる位置における衝突圧をPC1(kPa)、衝突圧が最小となる位置における衝突圧をPC2(kPa)とし、ノズルから噴射された冷却水の平均衝突圧をP(kPa)としたとき、次式(1)が成立し、
(PC1−PC2)/P≧1.4 (1)
平均衝突圧P (kPa)は、ノズルへと供給可能な冷却水の流量の最大値をQ (m /min)、ノズルに供給される冷却水の水圧をP (MPa)、冷却水噴流の衝突面積をA (m )としたとき、次式(2)から求められることを特徴とする、鋼板の冷却装置である。
= 0.689・Q /A ・P 0.5 (2)
請求項2に記載の発明は、熱間仕上圧延機より下工程側に配置され、鋼板のパスラインの上方からパスラインに向けて冷却水を供給可能で、パスラインの方向に並列された複数のノズル、及び、パスラインとノズルとの間に配置される上面ガイドを備える冷却装置であって、複数のノズルにより、水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を噴射可能であるとともに、鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上であり、ノズルへ供給される水圧と冷却水が鋼板に衝突するときの衝突角の正弦値との積をPnw(MPa)、冷却水が上面ガイドを通過した後鋼板に衝突するまでの距離をHgw(m)としたとき、0.5≦Pnw≦3.0、かつ、0.1≦Hgw≦0.35であり、さらに次式が成立することを特徴とする、鋼板の冷却装置である。
−9.6・Hgw+0.61・Pnw+3.5≧1.4
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の鋼板の冷却装置において、上面ガイドは、ノズルから噴射される冷却水が通過すべき流入孔と、鋼板の通板方向に隣り合うノズルから噴射される冷却水同士の衝突により跳ね上げられた水が通過可能に設けられた流出孔と、鋼板側とは反対側に設けられ、流出孔に通じる流路である排水通路形成部と、を備える。
請求項4に記載の発明は、熱間仕上圧延機と、熱間仕上圧延機の下工程側に配置される請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板の冷却装置と、を備える、熱延鋼板の製造装置である。
請求項5に記載の発明は、熱間仕上圧延機で圧延された鋼板に上方から、鋼板の通板方向に配置された複数のノズルにより冷却水を供給して鋼板を冷却する熱延鋼板の製造方法であって、複数のノズルにより水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を鋼板の板幅方向において冷却水の噴射範囲が1m以上となるように噴射し、ノズルから噴射された冷却水がノズルの噴射パターン通りに鋼板に衝突した際、その衝突圧が最大となる位置における衝突圧をPC1(kPa)、衝突圧が最小となる位置における衝突圧をPC2(kPa)とし、ノズルから噴射された冷却水の平均衝突圧をP(kPa)としたとき、次式(1)が成立し、
(PC1−PC2)/P≧1.4 (1)
平均衝突圧P (kPa)は、ノズルへと供給可能な冷却水の流量の最大値をQ (m /min)、ノズルに供給される冷却水の水圧をP (MPa)、冷却水噴流の衝突面積をA (m )としたとき、次式(2)から求められることを特徴とする、熱延鋼板の製造方法である。
= 0.689・Q /A ・P 0.5 (2)
請求項6に記載の発明は、熱間仕上圧延機で圧延された鋼板に上方から、鋼板の通板方向に配置された複数のノズルにより冷却水を供給して鋼板を冷却する熱延鋼板の製造方法であって、複数のノズルにより水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を鋼板の板幅方向において冷却水の噴射範囲が1m以上となるように噴射し、ノズルへ供給される水圧と冷却水が鋼板に衝突するときの衝突角の正弦値との積をPnw(MPa)、冷却水が鋼板とノズルとの間に配置される上面ガイドを通過した後鋼板に衝突するまでの距離をHgw(m)としたとき、0.5≦Pnw≦3.0、かつ、0.1≦Hgw≦0.35であり、さらに次式が成立することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法である。
−9.6・Hgw+0.61・Pnw+3.5≧1.4
本発明により、高い水量密度の冷却水を供給しても、冷却水噴流が滞留水を貫通し鋼板面において十分な衝突痕、衝突圧が得られ、それにより必要な冷却均一性が維持できる。
1つの実施形態を説明する図で、鋼板の冷却装置、及び熱延鋼板の製造装置の一部を模式的に示した図である。 図2(a)は図1のうち、冷却装置が配置される部分で該冷却装置全体を含むように拡大した図である。図2(b)は、図2(a)のうち上工程側に注目した図である。 ノズルからの噴流の態様を模式的に示す斜視図である。 ノズルからの噴流の態様を模式的に示す平面図である。 ノズル配置の他の例を説明する図である。 フラットスプレーノズルのPC1及びPC2の例を示す図である。 フルコーンノズルのPC1及びPC2の例を示す図である。 式に用いられる記号を説明する図である。 の定義の例を説明する図である。 図10(a)は上面ガイド30の平面図、図10(b)が上面ガイド30の断面図である。 上面ガイド30’の平面図である。 上面ガイド30における排水について説明する図である。 図13(a)は上面ガイド130の断面図、図13(b)は上面ガイド130’の断面図である。 図14(a)は上面ガイド230の断面図、図14(b)は上面ガイド230’の断面図である。 dqと温度差との関係を示すグラフである。 図16(a)はNo.1における時間と衝突圧の関係、図16(b)はNo.5における時間と衝突圧との関係を表すグラフである。 nwとPdqとの関係を示すグラフである。 gwとPdqとの関係を示すグラフである。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、1つの実施形態を説明する図であり、鋼板の冷却装置20(以下、「冷却装置20」と記載することがある。)、及び冷却装置20を備えた熱延鋼板の製造装置10(以下、「製造装置10」と記載することがある。)の一部を概略的に示した図である。図1では、鋼板1は紙面左(上流側、上工程側)から右(下流側、下工程側)の方向へと搬送されており、紙面上下方向が鉛直方向である。当該上工程側(上流側)から下工程側(下流側)方向を通板方向と記載することがあり、これに直交する方向で、通板される鋼板の板幅の方向を板幅方向と記載することがある。また、図において見易さのため繰り返しとなる符号の記載は省略することがある。
図1に示すように、製造装置10は、熱間仕上圧延機列11、搬送ロール12、ピンチロール13、及び冷却装置20を備えている。また図示及び説明は省略するが、熱間仕上圧延機列11より上工程側には、加熱炉や粗圧延機列等が配置され、熱間仕上圧延機列11に入るための鋼板の条件を整えている。一方、ピンチロール13の下工程側には他の冷却装置や巻き取り機等が設けられ、鋼板コイルとして出荷するための各種設備が配置されている。
熱延鋼板は概ね次のように製造される。すなわち、加熱炉から抽出され粗圧延機で所定の厚さまで圧延された粗バーが、温度を制御されながら連続的に熱間仕上圧延機列11で所定の厚さまで圧延される。その後、冷却装置20内で急速に冷却される。ここに、冷却装置20は、熱間仕上圧延機列11の最終スタンド11gにおいて、ワークロールを支持するハウジング11ghの内側からワークロールに極力近接するようにして設置されている。そして、ピンチロール13を通過して他の冷却装置により所定の巻き取り温度まで冷却され、巻き取り機によりコイル状に巻き取られる。
熱延鋼板の製造装置10は、上記の通り熱間仕上圧延機列11を備えている。本実施形態では、7機のスタンド11a、…、11f、11gが通板方向に沿って並列されている。ぞれぞれのスタンド11a、…、11f、11gは、圧延機を具備し、最終製品において必要とされる厚さ、機械的性質、表面品質等の条件を満たすことができるように圧下率等が設定されている。ここで、各スタンド11a、…、11f、11gの圧下率は製造される鋼板が有するべき性能を満たすように設定されるが、高圧下圧延を行ってオーステナイト粒を微細化するとともに鋼板に圧延歪を蓄積させ、圧延後に得られるフェライト粒の微細化を図る観点から最終スタンド11gにおいて圧下率が大きいことが好ましい。
各スタンド11a、…、11f、11gの圧延機は、実際に鋼板を挟んで圧下する一対のワークロールと、該ワークロールに外周同士を接するように配置された一対のバックアップロールとを有している。また、圧延機はワークロール及びバックアップロールを内側に含み、スタンド11a、…、11f、11gの外殻を形成し、ワークロール及びバックアップロールを支持するハウジング(スタンド11gでは符号11ghで表した。)を備えている。該ハウジングは対向して立設された立設部を有している。すなわち、ハウジングの立設部は、鋼板1(パスラインP)を板幅方向に挟むように立設されている。また最終スタンド11gの立設部は、冷却装置20の一部及び鋼板1(パスラインP)を板幅方向に挟むように立設されている。
搬送ロール12は、鋼板1のテーブルであるとともに該鋼板1を通板方向に搬送するロールである。このような搬送ロール12は熱間仕上圧延機列11の下工程側に複数、通板方向に配列されている。搬送ロール12としては公知のものを適用することができる。
ピンチロール13は、水切りを兼ねており、冷却装置20の下工程側に設けられている。これにより、冷却装置20内で噴射された冷却水が鋼板1の下工程側へと流出することを防止することが可能になる。
さらには、ピンチロール13により鋼板1に張力を与え、冷却装置20における鋼板1の波打ちを抑制して、特に、鋼板1の先端が巻き取り機に噛み込む前の時点における鋼板1の通板性を向上させることができる。ここでピンチロール13のロールのうち上側のロール13aは上下に移動可能とされている。
冷却装置20は熱間仕上圧延機列11で圧延された鋼板1を急速に冷却する装置であり、熱間仕上圧延機列11とピンチロール13との間に配置されている。図2は、図1のうち冷却装置20が備えられた部位を拡大して示した図である。図2(a)は冷却装置20の全体が表れるように拡大した図、図2(b)は、さらに最終スタンド11gの近傍に注目した図である。冷却装置20は、上面給水手段21、下面給水手段22、上面側のガイド板30、下面側のガイド板40を備えている。
上面給水手段21は、鋼板1(パスライン)の上方から冷却水を供給する手段であり、ヘッダ21a、各ヘッダ21aに複数列をなして設けられた導管21b、及び該導管21bの先端に取り付けられたノズル21cを備えている。本実施形態では、ヘッダ21aは通板方向に直交する方向、すなわち板幅方向である図2の紙面奥/手前方向に延在する配管であり、このようなヘッダ21aが通板方向に複数配列されている。
導管21bは各ヘッダ21aから分岐する複数の細い配管であり、その開口端部が鋼板(パスライン)の上面側に向けられている。導管21bは、ヘッダ21aの管長方向に沿って、すなわち板幅方向に複数、櫛歯状に設けられている。
各導管21bの先端にはノズル21cが取り付けられている。本実施形態のノズル21cは、扇状の冷却水噴流(例えば、5mm〜30mm程度の厚さ)を形成可能なフラットタイプのスプレーノズルである。図3には噴流のイメージを表した斜視図、図4にはノズル21cにより鋼板表面に形成される冷却水噴流の衝突態様を概念的に示した。図4において、白丸で表したのはノズル21cの直下の位置を表している。また、太線で冷却水噴流の衝突位置、形状を模式的に表している。図3、図4には通板方向と板幅方向の向きも示している。図4からわかるように本実施形態では、隣り合うノズル列では、板幅方向の位置をずらすようにノズルを配置し、さらにその隣のノズル列とはノズルの板幅方向位置が同じとなるように、いわゆる千鳥状配列としている。これにより搬送される鋼板の板幅方向における噴流の衝突領域が、ノズル列を通過するごとに均一化され、板幅方向における冷却ムラを低減させることが可能となる。ここでは下工程側2つ目のノズル列(図4ではノズル列Aに対してノズル列C)でノズルの板幅方向位置が一致するような千鳥配列を説明したが、例えば図5に示したようにノズル列Aに対して下工程側4つ目のノズル列Eではじめてノズルの板幅方向位置が一致するような周期、すなわち3つ目以上下工程側のノズル列で板幅方向位置が一致するような周期でノズルをずらす千鳥状の配列も有効である。
本発明では上面給水手段21は、10m/(m・min)以上の水量密度で冷却水を噴射可能に構成されている。
また、本発明では噴流の貫通性(スプレー貫通性)Pdqを定義する。冷却水噴流の貫通性が良いほど、Pdqは高い値となる。スプレー貫通性Pdqは、板幅方向における冷却水の噴射範囲のうち中央付近で計測する衝突圧に基づいて次式(1)から求めることができる。
dq=(PC1−PC2)/P (1)
図6にPC1、PC2を説明するため冷却水が鋼板に衝突したときに生じる衝突圧の分布を示した。式(1)でPC1(kPa)はノズルから噴射された冷却水が噴射パターン通りに鋼板に衝突したときに衝突圧が最大となる位置の衝突圧である。これは例えば図6にPC1で示したように鋼板に噴射パターン通りに衝突している冷却水噴流の中心位置の衝突圧に相当し、候補が複数ある場合には基本的にはその中の任意の点を選べばよい。しかしながら、実際にはノズル流量のバラツキにより複数の候補の間でも値がばらつくので、その中で衝突圧が最大となっている位置の衝突圧を用いることが望ましい。
式(1)のPC2(kPa)はノズルから噴射された冷却水が噴射パターン通りに鋼板に衝突したときに衝突圧が最小となる位置の衝突圧である。これは、例えば図6にPC2で示したような鋼板に衝突した後の冷却水噴流の2次流れが通板方向で前後に衝突する領域(2次流れ衝突部)付近において、通板方向に衝突圧が最小となる点を結んだ板幅方向のライン上の衝突圧に相当し、基本的にはその中の任意の点を選べばよい。ただし、冷却水噴流の貫通性を確保するための衝突圧差は最大衝突圧近傍で発生する最小衝突圧との差をとるべきなので、上記ライン上のうちでPC1の位置に最も近い位置の衝突圧が望ましい。ここで、噴射された冷却水が噴射パターン通りに鋼板に衝突するときとは、鋼板上に滞留水がない状況、又はほとんどない状況での冷却水噴流の衝突状況に相当する。
また、図7にフルコーンノズルを使用して冷却した場合のPC1、PC2の取り方の例を示す。図7はフルコーンノズルを使用した場合における冷却水が鋼板に衝突したときの衝突圧の分布である。フルコーンノズルの場合はPC2もライン上に分布せず、図7のように離散的に分布する場合がある。
式(1)のP(kPa)は平均衝突圧であり、次式(2)から求められる。
= 0.689・Q/A・P 0.5 (2)
ここでQ(m/min)はノズルへと供給可能な冷却水の流量の最大値である。
(MPa)はノズルに供給される冷却水の水圧である。
また、A(m)は冷却水噴流の衝突面積であり、例えばフラットスプレーノズルであれば、次式(3)で定義される。
=L・40/1000 (3)
式(3)において、図4に表したようにL(mm)は冷却水噴流衝突域の長軸長さを表し、式(4)で表すことができる。また式(4)で用いた記号を説明する図を図8に示した。
=2×H/cosγ×tan(α/2) (4)
式(4)において、H(mm)はノズルの先端における鋼板へ向けて噴射された冷却水の中心点と鋼板の表面との距離である。α(°)は冷却水噴流が鋼板へと衝突することにより形成される冷却水衝突域の長軸の両端とノズル先端における冷却水の中心点とで形成される三角形の冷却水の中心点における頂角を表している。γ(°)は冷却水の中心線と鋼板の表面の垂線とのなす角である。
また、冷却水噴流衝突域の長軸長さLは板幅方向に複数のノズルを並べる場合に、板幅方向に均一な冷却能分布が得られるようにするための基準となる長さで以下に述べるような値とすることもできる。ノズル単体における代表的な流量分布を図9に示す。図9からわかるように、板幅方向中央から所定の幅まで概ね均一な流量分布が得られるが、その両側では外側に向けてほぼ直線的に減少する流量分布となる。このとき冷却水噴流衝突域の長軸長さLは、例えば、図9に示すように、板幅方向中央の均一な流量分布域での平均流量をQとする時、流量が直線的に減少する両側の領域でQ/2となる位置を冷媒噴流衝突域の長軸の両端とし、その間の長さをLと定義することもできる。但し、Lの定義方法としては、上述のように板幅方向に複数のノズルを並べる場合に、均一な冷却能分布を得る目的から決められるものであれば、この例に限るものではなく、使用するノズルから得られる流量分布の形状によって定義方法を変えてもよい。
上記式(3)で表したAはフラットスプレーノズルを使用したときの式であるが、長方円ノズル、フルコーンノズルについても同様の式で求めることが可能であり、例えばフルコーンノズルであれば、A(m)は次式(5)で定義される。
=π・(H/cosγ・tan(α/2)) (5)
以上のように定義されるスプレー貫通力Pdqについて、発明者らが鋭意検討した結果、Pdqが1.38以上あたり(概ね1.4)から板幅方向における冷却時の鋼板の温度差は小さく、1.38未満あたりから冷却の温度差が急激に大きくなっている知見を得た。また、Pdqが大きい場合ではPC1とPC2の差も大きく安定しており、冷却水噴流は噴射パターン通りに鋼板に衝突しているため、冷却時の鋼板の温度差は小さくなる。逆にPdqが小さい場合ではPC1とPC2の差も小さく、冷却水噴流は噴射パターン通りに鋼板に衝突しておらず、さらに時間方向で衝突圧が大きく変動して安定していないため、冷却時の鋼板の温度差は大きくなる。以上より、板幅方向に温度差が小さく、必要な冷却均一性を確保するための板幅方向における冷却水の噴射範囲の中央付近におけるPdqの条件は次式(6)で表される。
dq=(PC1−PC2)/P≧1.4 (6)
ノズルからの噴流が式(6)を満たすことにより、板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上である場合に、高い水量密度の冷却水を供給しても、冷却水噴流が滞留水を貫通し鋼板面において十分な衝突痕、衝突圧が得られ、それにより必要な冷却均一性が維持できる。
本実施形態では、図4からわかるように鋼板表面における板幅方向の全ての位置にわたって冷却水噴流を少なくとも2回通過できるように冷却ノズルを配置した。すなわち、通板される鋼板のある点Dは、図4の直線矢印に沿って移動する。その際にノズル列Aで2回(A、A)、ノズル列Bで2回(B、B)、ノズル列Cで2回(C、C)、…というように、各ノズル列において当該ノズル列に属するノズルからの噴流が2回衝突する。ここでは2回通過としたが、これに限定されることはなく、3回以上通過するように構成してもよい。なお、板幅方向における冷却能の均一化を図るという観点から、通板方向で隣り合うノズル列では、互いに逆の方向に冷却ノズルを捻った。
ここで、本実施形態では、上記のように隣り合うノズル列では、互いに逆の方向にノズルを捻じった形態を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、全てが同じ方向に捻じってある形態であってもよい。また、捻じり角(上記β)も特に限定されるものではなく、必要とされる冷却能や設備配置の納まり等の観点から適宜決定することができる。さらに、本実施形態では、上記利点の観点から通板方向に隣り合うノズル列を千鳥状配列とする形態としたが、これに限定されるものではなく、ノズルが通板方向に直線上に並列される形態であってもよい。
上面給水手段21が備えられる位置、特にノズル21cが配置されるべき位置は特に限定されるものではないが、熱間仕上圧延機列11における最終スタンド11gの直後に、該最終スタンド11gのハウジング11ghの内側から当該最終スタンド11gのワークロール11gwに極力近接するように配置させることが好ましい。このように配置することで、熱間仕上圧延機列11による圧延直後の鋼板1を急冷することが可能になるとともに、鋼板1の先端部を安定して冷却装置20に誘導することができる。本実施形態では、図2(a)からわかるように、ワークロール11gwに近いノズル21cは鋼板1に近づけて配置する。
さらに各ノズル21cの冷却水噴射口から噴射される冷却水の噴射方向は鉛直方向を基本とする一方、最終スタンド11gのワークロール11gwに最も近い冷却ノズルからの冷却水の噴射は、鉛直よりもワークロール11gwの方向に傾けられることが好ましい。これにより、鋼板1が最終スタンド11gで圧下されてから冷却が開始されるまでの時間をより一層短くし、圧延で蓄積された圧延歪が回復する時間をほぼゼロにすることも可能となる。従って、より微細な組織を有する鋼板を製造することができる。
下面給水手段22は、鋼板1(パライン)に下方から冷却水を供給する手段であり、ヘッダ22a、ヘッダ22aに複数列をなして設けられた導管22b、及び該導管22bの先端に取り付けられたノズル22cを備えている。下面給水手段22は、上記した上面給水手段21に対向して設けられ、冷却水の噴射方向が異なるが、その構造は概ね上面給水手段21と同様であるのでここでは説明を省略する。
次に上面ガイド30について説明する。図10に上面ガイド30を概念的に示した。図10(a)は上面ガイド30を冷却装置20の上方から見た図で一部を破断して示している。図10(b)は上面ガイド30を側面側から見た図である。図10にはノズル21cの位置、及び鋼板1の位置も併せて示している。
上面ガイド30は、板状であるガイド板31と、ガイド板31の上面側に配置された排水通路形成部35と、を備えている。
ガイド板31は、板状の部材であるとともに、流入孔32及び流出孔33が設けられている。
流入孔32は上記したノズル21cに対応する位置に設けられ、その形状も噴流の形状に対応するものとしている。従って、流入孔32は、板幅方向に並列されて流入孔列32Aを形成するとともに、該流入孔列32Aが通板方向にさらに並列されている。ここで、流入孔の形状は特に限定されるものではなく、ノズル21cからの噴流がガイド板31にできるだけ当たらないように形成されていればよい。具体的には使用されるノズルの噴流の特性にもよるが、1つのノズル21cからの単位時間当りの冷却水噴出量の10%以上は上面ガイド30のガイド板31に衝突しないように通過する形状であることが好ましい。さらに限られたスペースに効率よく当該流入孔32を設ける観点から、流入孔の開口形状は、冷却水噴流の横断面形状(噴出方向軸に直交する断面)に略相似形であることが好ましい。
一方、流出孔33は、矩形の孔であり、該孔は板幅方向に複数並列されて流出孔列33Aを形成している。2つの流出孔33、33間にガイド板31の一部が残ることにより搬送される鋼板の先端の流出孔33への入り込みが防止され、これが鋼板侵入防止手段33sとなる。該流出孔列33Aは、上記した複数の流入孔列32A、32A間に配置されている。すなわち、ガイド板31では通板方向に沿って流入孔列32Aと流出孔列33Aとが交互に配置されている。
ここでは、流出孔33の好ましい開口形状として、上記のような並列された矩形を説明した。これにより限られたスペースで効率良く大きな開口面積を得ることができる。ただしこれに限定されるものではなく、適切な排水量を確保することができ、鋼板の引っ掛かりを防止することが可能であればよい。すなわち、流出孔の開口形状は上記した矩形に限定されるものではなく、例えば、円形や、台形を挙げることができる。そして鋼板侵入防止手段は、当該開口形状に対応した形状となる。例えば流出孔が通板方向に上底下底を有する台形の場合には、鋼板侵入防止手段は通板方向から傾いた平行四辺形の形状とすることもできる。
図11に流出孔の変形例を示した。図11に示した変形例の上面ガイド30’では、流出孔33’が異なるのみで他の部位は上記した上面ガイド30と同じなので、当該同じ部位については、符号も同じものを用い、説明も省略した。上面ガイド30’の1つの流入孔33’は、幅方向に1つの長い孔33A’であるとともに、ここに網材33B’が張られている形態である。これによっても流出孔を形成することもできる。網材33B’のいわゆるメッシュの細かさは冷却水の流れへの影響が少なく、かつ、ゴミ等の異物のつまりが生じ難いとの観点から5mm×5mm以上の網目であることが好ましい。
また、図10に示したように、流出孔33の縁のうち、通板方向に直交する向きの縁からは上方に向けて逆流防止片33pが立設されている。この逆流防止片33pは、流出孔33に入った水が再び流出孔33から元の位置へ逆流することを防止するために設けられるものであり、この逆流防止片33pを設けることで、より多くの排水量を確保することができ、排水性を向上させることが可能となる。
本実施形態では2つの逆流防止片33p、33pは略平行に立設されているが、逆流防止片を、その下端より上端側が狭くなるように立設させてもよい。これにより、逆流防止片と後述する排水通路形成部の立設される片(35a、35c)との間の流路断面積を広く確保することができる。
排水通路形成部35は、図10(b)からわかるように、片35a、35b、35cにより囲まれた凹状断面を有して板幅方向に延在する部材である。排水通路形成部35は、ガイド板31の上面側から、凹状の開口部を該ガイド板31に向けて被せるように配置される。このとき、開口部、すなわち片35aと片35cとの間にガイド板31の上面の一部及び流出孔列33Aが含まれるように被せる。また、隣り合う排水通路形成部35、35間は所定の間隔を有し、該間隔の間に流入孔列32A及びノズル21cが配置される。また、流出孔列33Aと対向する片35bの流出孔列33A側には該流出孔列33Aの真上となる位置に整流片36が設けられている。整流片36の形状は、片35bに衝突する排水を後述するように逆流防止片33p、33pが設けられた排水通路の底面方向へ分離するように整流化できる形状が好ましい。例えば、逆三角形、台形、楔型やその他突起型形状が考えられる。
ここで、排水通路形成部35の高さは、特に限定されるものではないが、上記した上面給水手段21の導管21bの内径をdとしたとき、5d〜20dの範囲であることが好ましい。これは導管21bが20dより長いと圧力損失が大きくなり好ましくなく、また、5dより短いと冷却ノズルからの噴射が安定しない虞があることによる。
以上のような上面ガイド30は、図2に示したように配置される。本実施形態では3つの上面ガイド30、30、30が用いられ、これが通板方向に並列される。いずれの上面ガイド30も冷却ノズル21cの高さ方向位置に対応するように配置されている。すなわち、本実施形態では最終スタンド11gに近い上面ガイド30では最終スタンド11g側端部が低く、他端側が高くなるように傾斜して配置されている。他の2つの上面ガイド30、30は、通板面から所定の間隔を有して該通板面と略平行に配置されている。
ここで、ノズルへ供給される水圧Pと冷却水噴流の鋼板に対する衝突角の正弦値との積をPnwで定義すると、Pnwは式(7)で表される。
nw=P×sin(90−γ) (7)
また、ガイド板と鋼板との間における冷却水噴流の通過距離Hgw(m)とは図8に示されるような、冷却水噴流がガイド板を通過した後から鋼板に衝突するまでの距離であり、式(8)で示される。ここでHは上記の通りガイド高さである。
gw=H/cosγ (8)
これについて発明者らは、Pdqは0.5≦Pnw≦3.0の範囲でPnwを用いて線形近似でき、Pdqは0.1≦Hgw≦0.35の範囲でHgwを用いて線形近似できる知見を得た。これにより、当該範囲において、Pdqは次式(9)で近似可能である。
dq=−9.6・Hgw+0.61・Pnw+3.5 (9)
式(9)よれば、Pnwが高くなると冷却水噴流の貫通性Pdqは上昇し、Hgwが高くなると冷却水噴流の貫通性Pdqは減少する。従って、冷却水噴流が十分に貫通し、必要な冷却能力、冷却均一性が得られる冷却装置の条件は、0.5≦Pnw≦3.0、かつ0.1≦Hgw≦0.35のとき、式(10)で表される。
dq=−9.6・Hgw+0.61・Pnw+3.5≧1.4 (10)
式(10)はノズルから噴射された冷却水が鋼板とガイドとの間から大気中に排出されるまでの流路において、流路内が全て冷却水のみであると仮定して計算される圧力損失が7(kPa)以下になるような冷却装置に適用が可能であり、極端に冷却水の排水性が悪い場合には上式は適用できない虞があることから、上記した構造を採用する等、排水性を十分に確保することが好ましい。
式(10)を満たすような冷却水噴流及び上面ガイド高さを満たすことにより、板幅方向における冷却水噴射範囲が1m以上の場合に、高い水量密度の冷却水を供給しても、冷却水噴流が滞留水を貫通して鋼板面において十分な衝突痕、衝突圧が得られ、それにより必要な冷却均一性が維持できる。
また、上記したようなガイド板31を備えることにより、上面ガイドとしての基本的な機能であるところの鋼板先端部の通板時に該先端部が冷却ノズル等に引っ掛かる不具合を解消することができる。さらに、排水通路形成部35を備えることにより、鋼板上面側に供給された大量の冷却水を適切に排出することが可能となる。第一に、上面給水手段21により供給された冷却水は鋼板を冷却した後その一部は板幅方向に流れ、下方に落下して排水される。しかしながら供給された冷却水量、密度が大きいと当該排水では追い付かずに滞留水が厚く形成されてしまう。これに対して上面ガイド30ではさらなる排水通路を設けることにより滞留水を薄く維持することが可能となる。詳しくは次の通りである。
図12に説明のための図を示した。図12ではわかり易さのため符号を省略しているが、対応するものは図10(b)の符号を参照できる。板幅方向からの排水が追い付かない程の高い冷却水供給密度、冷却水供給量の場合には、ノズル21cからの水流も勢いが強い。かかる場合には、鋼板1の上面に噴射された冷却水は、図12に矢印Rで示したように通板方向前後にも移動し、衝突する。このような衝突が生じることにより冷却水はその向きを変え矢印Sで示したように上方に移動して流出孔33を通過し、排水通路形成部35の片35bに衝突する。このとき該片35bには上記したように楔型の整流片36が設けられ、冷却水が矢印Tで示したように方向転換される。このとき整流片36により当該方向転換の抵抗が低く抑えられ、確実かつ効率よく行われる。これによりガイド板31の上面側に達した冷却水は図12の紙面奥/手前方向に移動して排水される。このとき流出孔33の縁には逆流防止片33pが設けられているので、再び流出孔33から冷却水が戻ることを抑制している。
このように、さらなる排水手段が設けられることにより上面側に供給された冷却水が大量、高い水量密度になった場合であっても滞留水を抑えることができる。また、冷却水が給水される孔と排出される孔とを分けるとともに、上記のような構造により冷却に供される冷却水と排水されるために移動し始めた冷却水とが途中で衝突することを抑えられる。これにより給排水が円滑に行われ、滞留水を薄くすることができ、冷却効率を高くすることが可能となる。このように円滑な排水と滞留水の抑制により板幅方向における冷却ムラを小さく抑えることも可能となる。これにより均一な品質を有する鋼板を得ることができる。冷却ムラは、冷却水の板幅方向温度ムラが±30℃以内であることが好ましい。
本実施形態では、1つの流出孔列33Aに含まれる流出孔33を上面ガイド30の板幅方向全部に亘って配置したが、これに限定されることはない。例えば滞留水が厚くなる傾向が大きい板幅方向中央部付近にのみこのような流出孔を設けてもよい。
ガイド板31の上面に達した冷却水をガイド板31の板幅方向両端から排水することにおいて、その排水性をさらに向上させるための構成が加えられていてもよい。例えば次のようなものを挙げることができる。ガイド板31の上面側のうち板幅方向中央を高く形成し、幅方向両端に向けて低くなるように傾斜を設けても良い。これによれば高低差により、排水がガイド板31の両端に移動しやすくなり、さらに円滑な排水を促進することができる。また、ポンプ等を設置して強制的に排水させたり、排水通路形成部内を負圧にすることにより冷却水を排水通路形成部内に導入しやすくし、さらに排水性を向上させてもよい。また、上面ガイド自体を上下方向に移動可能に形成し、上面ガイド30を通板に影響を与えない範囲で下方に移動することで滞留水に押しつけ、強制的に排水通路形成部内に冷却水を導く構成としてもよい。
またガイド板31に設けられる流出孔33や幅方向両端部では、その縁部分(エッジ)に面取りやRを取る(エッジを円弧状に形成すること。)処理をしてもよい。これにより、通板される鋼板の引っ掛かりを減らしたり、冷却水の円滑な流動を促進することもできる。
ガイド板31の材質は、ガイドとして必要とされる強度や耐熱性を有する一般的な材料を用いることができ、特に限定されるものではない。ただし、通板される鋼板がガイド板31に接触したときの鋼板への擦り傷等を減らす目的で、強度、及び耐熱の問題が生じない部位には鋼板よりも軟質である樹脂等の材料を用いてもよい。
図13には他の形態の上面ガイド130、130’のうち図10(b)に相当する図を示した。図13(a)が上面ガイド130、図13(b)が上面ガイド130’である。ここでは上記した上面ガイド30と共通する部材については同じ符号で示し、説明も省略する。上面ガイド130では、排水通路形成部135がガイド板31から分離して形成されている。従って、排水通路形成部135では、片35aと逆流防止片33pとが底板135dにより連結され、片35cと逆流防止片33pとが底板135eにより連結され、排水通路の底部を形成している。このような上面ガイド130としてもよい。上面ガイド130’では、さらに逆流防止片133p’がガイド板31の上面側に延在している形態である。
図14にはさらなる他の形態の上面ガイド230、230’のうち図10(b)に相当する図を示した。図14(a)が上面ガイド230、図14(b)が上面ガイド230’である。ここでは上記した上面ガイド30、130と共通する部材については同じ符号で示し、説明も省略する。上面ガイド230でも、排水通路形成部235がガイド板31から分離して形成されている。従って、排水通路形成部235では、片35aと逆流防止片233pとが底板235dにより連結され、片35cと逆流防止片233pとが底板235eにより連結され、排水通路の底部を形成している。また、逆流防止片233pがガイド板31の上面側に延在している。上面ガイド230では、ガイド板31と排水通路形成部235との間に冷却ノズル21cの他、ヘッダ21a及び導管21bもここに含んでいる。このような上面ガイド230としてもよい。
上面ガイド230’では、上記上面ガイド230において、隣り合う排水通路形成部235を1つの排水通路形成部235’とした。これによっても図14(b)にT’で示した排水経路を確保することができる。これによれば排水経路T’の流路断面積を大きく取ることが可能となる。
次に図2に戻り、下面ガイド40について説明する。下面ガイド40は、下面給水手段22とパスラインP(鋼板1)との間に配置される板状の部材である。これにより、特に鋼板1を製造装置10に通す際に、鋼板1の最先端が下面給水手段22や搬送ロール12に引っ掛かることを防止できる。また、下面ガイド40には下面給水手段22からの噴流を通過させる流入孔が設けられている。これにより、下面給水手段22からの噴流が該下面ガイド40を通過して鋼板1の下面に達し、鋼板1の適切な冷却をすることが可能となる。ここで用いられる下面ガイド40の形状は特に限定されるものではなく公知の下面ガイドを用いることが可能である。また、下面ガイド40には排水のための孔が設けられてもよい。
このような下面ガイド40は、図2に示したように配置される。本実施形態では4つの下面ガイド40、40、…が用いられ、ワークロール11gw、ピンチローラ13、搬送ロール12間のそれぞれに配置される。いずれの下面ガイド40も搬送ロール12上端部に対してあまり低くならない高さに配置される。
本実施形態では下面ガイドを備えた例を説明したが、下面ガイドは必ずしも設けられなくてもよい。
上記した熱延鋼板の製造装置10により例えば次のように鋼板の製造をおこなう。すなわち、先行する鋼板が巻き取り機により巻き取られ、後行の鋼板の圧延が開始されるまでの非圧延時間では冷却装置20における冷却水の噴射は停止される。そして、冷却装置20の下流側のピンチロール13は、上記非圧延時間中に、冷却装置20の上面ガイド30よりも高い位置まで上側ロール13aが移動され、その後、後行の鋼板の圧延が開始される。当該後行の鋼板1の先端が熱間仕上圧延機列11の最終スタンド11gに噛み込む数秒前に、冷却装置20の冷却水の噴射が開始され、鋼板の先端が冷却装置20を通過した直後に冷却水の噴射圧力がほぼ所定値となるように制御される。また、鋼板1の先端がピンチロール13を通過した直後に上側ロール13aを下降させ、鋼板1のピンチを開始する。
鋼板1の先端が冷却装置20内へと搬送される前から冷却水の噴射を開始することで、鋼板先端における非定常冷却部の長さを短くすることが可能になるほか、噴射される冷却水により、鋼板1の通板性を安定化させることが可能になる。すなわち、鋼板1が浮き上がって上面ガイド30へと近づこうとする場合には、鋼板1がノズル21cより噴射される冷却水噴流から受ける衝突力が増し、鋼板1に鉛直方向下向きの力が作用する。そのため、鋼板1が上面ガイド30へと衝突した場合であっても、冷却水噴流から受ける衝突力によりその衝撃力が緩和されるとともに、鋼板1と上面ガイド30との摩擦熱が低減されるため、鋼板表面に生じる擦り疵を低減することが可能になる。従って、このように操業される冷却装置20を熱間仕上圧延機列11の下流側に備える熱延鋼板の製造装置により、熱延鋼板を製造すれば、高密度、大量の冷却水を用いて冷却することが可能になる。すなわち、かかる製造方法により熱延鋼板を製造することで、組織が微細化された熱延鋼板を製造することが可能になる。
そして、上記した式(6)、式(10)を満たすように冷却をおこなうことで均一性にもすぐれた鋼板を製造することができる。
また、熱間仕上圧延機列での通板速度は通板開始部分を除いて一定としてもよい。これにより、鋼板全長に亘って機械的強度が高められた鋼板を製造することができる。
図4に示したようなノズル配列で水量密度が17m/(m・min)、冷却水の板幅方向の噴射範囲を1.6mとして、ガイド板高さH(m)やノズルに供給される冷却水の水圧P(MPa)を変化させて、衝突圧、及び冷却均一性を測定した。表1に測定条件及び測定結果を示す。
表1に示した条件及び結果に基づいてPdqと温度差との関係を整理したグラフを図15に示した。図15からわかるように、Pdqが1.38以上から鋼板の板幅方向の温度差が小さく、1.38未満では温度差が急激に上昇している。従って、式(6)、式(10)で示したようにPdqが1.4以上であることにより均一性を向上させることができることと一致する。
図16には、衝突圧PC1、PC2の時間変化を表した。図16(a)はNo.1の結果でPdqが1.4以上(=3.02)である例、図16(b)はNo.5の結果でPdqが1.4未満(=0.41)の例である。
図16からわかるように、式(6)、式(10)を満たす場合にはPC1とPC2との差も安定している。一方、式(6)、式(10)を満たさない場合にはPC1とPC2との差異が小さく、安定していない。
このようにPC1とPC2との差の安定も鋼板の温度の均一性に影響を与える。
図17には、PnwとPdqとの関係をグラフで示した。図17からわかるように、Pdqは0.5≦Pnw≦3.0の範囲でPnwに線形近似できる。
図18には、HgwとPdqとの関係をグラフで示した。図18からわかるように、Pdqは0.1≦Hgw≦0.35の範囲でHgwに線形近似できる。
1 鋼板
10 熱延鋼板の製造装置
11 熱間仕上圧延機列
11g 最終スタンド
12 搬送ロール
13 ピンチロール
20 冷却装置
21 上面給水手段
21a ヘッダ
21b 導管
21c ノズル
22 下面給水手段
22a ヘッダ
22b 導管
22c ノズル
30 上面ガイド
31 ガイド板
32 流入孔
33 流出孔
35 排水通路形成部
40 下面ガイド

Claims (6)

  1. 熱間仕上圧延機より下工程側に配置され、鋼板のパスラインの上方からパスラインに向けて冷却水を供給可能で、前記パスラインの方向に並列された複数のノズル、及び、前記パスラインと前記ノズルとの間に配置される上面ガイドを備える冷却装置であって、
    複数の前記ノズルにより、水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を噴射可能であるとともに、前記鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上であり、
    前記ノズルから噴射された前記冷却水が前記ノズルの噴射パターン通りに前記鋼板に衝突した際、その衝突圧が最大となる位置における衝突圧をPC1(kPa)、衝突圧が最小となる位置における衝突圧をPC2(kPa)とし、前記ノズルから噴射された冷却水の平均衝突圧をP(kPa)としたとき、次式(1)が成立し、
    (PC1−PC2)/P≧1.4 (1)
    前記平均衝突圧P (kPa)は、前記ノズルへと供給可能な冷却水の流量の最大値をQ (m /min)、前記ノズルに供給される冷却水の水圧をP (MPa)、冷却水噴流の衝突面積をA (m )としたとき、次式(2)から求められることを特徴とする、鋼板の冷却装置。
    = 0.689・Q /A ・P 0.5 (2)
  2. 熱間仕上圧延機より下工程側に配置され、鋼板のパスラインの上方からパスラインに向けて冷却水を供給可能で、前記パスラインの方向に並列された複数のノズル、及び、前記パスラインと前記ノズルとの間に配置される上面ガイドを備える冷却装置であって、
    複数の前記ノズルにより、水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を噴射可能であるとともに、前記鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上であり、
    前記ノズルへ供給される水圧と前記冷却水が前記鋼板に衝突するときの衝突角の正弦値との積をPnw(MPa)、前記冷却水が前記上面ガイドを通過した後前記鋼板に衝突するまでの距離をHgw(m)としたとき、
    0.5≦Pnw≦3.0、かつ、0.1≦Hgw≦0.35であり、さらに次式が成立
    することを特徴とする、鋼板の冷却装置。
    −9.6・Hgw+0.61・Pnw+3.5≧1.4
  3. 前記上面ガイドは、
    前記ノズルから噴射される前記冷却水が通過すべき流入孔と、
    前記鋼板の通板方向に隣り合う前記ノズルから噴射される冷却水同士の衝突により跳ね上げられた水が通過可能に設けられた流出孔と、
    前記鋼板側とは反対側に設けられ、前記流出孔に通じる流路である排水通路形成部と、を備える、請求項1又は2に記載の鋼板の冷却装置。
  4. 熱間仕上圧延機と、
    前記熱間仕上圧延機の下工程側に配置される請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板の冷却装置と、を備える、熱延鋼板の製造装置。
  5. 熱間仕上圧延機で圧延された鋼板に上方から、前記鋼板の通板方向に配置された複数のノズルにより冷却水を供給して前記鋼板を冷却する熱延鋼板の製造方法であって、
    複数の前記ノズルにより水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を前記鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上となるように噴射し、
    前記ノズルから噴射された前記冷却水が前記ノズルの噴射パターン通りに前記鋼板に衝突した際、その衝突圧が最大となる位置における衝突圧をPC1(kPa)、衝突圧が最小となる位置における衝突圧をPC2(kPa)とし、前記ノズルから噴射された前記冷却水の平均衝突圧をP(kPa)としたとき、次式(1)が成立し、
    (PC1−PC2)/P≧1.4 (1)
    前記平均衝突圧P (kPa)は、前記ノズルへと供給可能な冷却水の流量の最大値をQ (m /min)、前記ノズルに供給される冷却水の水圧をP (MPa)、冷却水噴流の衝突面積をA (m )としたとき、次式(2)から求められることを特徴とする、熱延鋼板の製造方法。
    = 0.689・Q /A ・P 0.5 (2)
  6. 熱間仕上圧延機で圧延された鋼板に上方から、前記鋼板の通板方向に配置された複数のノズルにより冷却水を供給して前記鋼板を冷却する熱延鋼板の製造方法であって、
    複数の前記ノズルにより水量密度が10m/(m・min)以上の冷却水を前記鋼板の板幅方向における冷却水の噴射範囲が1m以上となるように噴射し、
    前記ノズルへ供給される水圧と前記冷却水が前記鋼板に衝突するときの衝突角の正弦値との積をPnw(MPa)、前記冷却水が前記鋼板と前記ノズルとの間に配置される上面ガイドを通過した後前記鋼板に衝突するまでの距離をHgw(m)としたとき、
    0.5≦Pnw≦3.0、かつ、0.1≦Hgw≦0.35であり、さらに次式が成立
    することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法。
    −9.6・Hgw+0.61・Pnw+3.5≧1.4
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