本発明の実施の形態に係る点灯装置及び照明器具について、図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる点灯装置100の回路構成図である。点灯装置100は、交流電源1から電力の供給を受けて光源50を点灯させるものである。点灯装置100は、整流回路2、コンバータ部3、制御部4を有する。整流回路2は交流電源を整流する。具体的には交流電源1から入力した交流電圧を全波整流する。この全波整流電圧は、コンバータ部3の動作中は平滑されず、交流電源1の2倍の周波数を含む脈動電圧となる。
本実施の形態1においては、光源50としてLED(Light Emitting Diode)を用いる。
整流回路2にはコンバータ部3が接続されている。コンバータ部3は、フィルタコンデンサC1、インダクタL1、例えばMOSFETで構成されるスイッチング素子SW1、カップリングコンデンサC2、インダクタL2、ダイオードD1、出力平滑コンデンサC3a、C3bを備えている。コンバータ部3は、これらの回路素子によって構成されたSEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)回路である。コンバータ部3の出力は、点灯装置100の出力端102を介して、光源50と接続する。出力平滑コンデンサC3aは、点灯装置100の出力端102に対して並列に接続しており、光源50とも並列接続する。コンバータ部3は、さらに、出力平滑コンデンサC3bに直列接続する電流制限抵抗R2と、電流制限抵抗R2と並列に設けられたスイッチング素子SW2とを備えている。電流制限抵抗R2およびスイッチング素子SW2からなる並列回路が、出力平滑コンデンサC3bに対して直列接続され、これら3つの回路要素で直並列回路が構成されている。この直並列回路は、出力平滑コンデンサC3aと並列接続するとともに、光源50とも並列接続している。
インダクタL1は、1次巻き線L1aと、この1次巻き線L1aに磁気的に結合した2次巻き線L1bとを備えている。インダクタL1とインダクタL2はそれぞれ個別のコア(磁心)に巻き線を巻きつけても良いし、一つのコアにインダクタL1とインダクタL2の両方を巻きつけて、コアを共有化しても良い。
また、出力平滑コンデンサC3aとGNDライン間には光源電流検出抵抗R1を備える。ここでは出力平滑コンデンサC3a及びC3bの合計充電電流を検出する位置に光源電流検出抵抗R1を備えたが、出力平滑コンデンサC3a及びC3bの合計放電電流を検出する位置、すなわち光源50と直列に光源電流検出抵抗R1を設けても構わない。出力平滑コンデンサC3a及びC3bの合計充電電流と合計放電電流の平均電流値は等しいので、何れの電流からでも光源に流れる電流値を検出可能である。
コンバータ部3は、制御部4の制御を受けて動作する。コンバータ部3は、整流回路2が全波整流した電圧を光源50の点灯に適した直流電流および直流電圧に変換する。制御部4は、電圧比較部5、ゼロ電流検出部6、駆動部7、出力コンデンサ制御部8を備えている。制御部4は、光源50に流れる電流の平均値が目標の電流値になるようにスイッチング素子SW1を駆動制御する。
電圧比較部5は、光源電流検出抵抗R1に発生する信号を平均化し、目標光源電流に相当する目標信号E1と比較し、両信号の差に応じた信号を出力する。駆動部7は、電圧比較部5の信号を受けてスイッチング素子SW1のオン時間を決定する。
ゼロ電流検出部6は、インダクタL1の2次巻き線L1bからの信号を受けて、スイッチング素子SW1がオフした後、ダイオードD1を介して負荷側に流れるインダクタL1及びインダクタL2の合計電流がゼロになることを検出する。ゼロ電流検出部6が2次巻き線L1bからの信号により負荷側に流れる電流がゼロになったことを検出すると、駆動部7はスイッチング素子SW1をオンする。なお、2次巻線L1bの代わりにインダクタL2に2次巻線を設けてゼロ電流を検出しても良い。
出力コンデンサ制御部8は、スイッチング素子SW2のオンオフ制御、つまりスイッチング素子SW2の導通と遮断とを切替える制御を行う。スイッチング素子SW2がオン(つまり導通)となると、電流制限抵抗R2の両端はスイッチング素子SW2で短絡される。スイッチング素子SW2は等価的に逆並列に接続された寄生ダイオードを有するMOSFETを用いている。スイッチング素子SW2として、寄生ダイオードを有しないトランジスタあるいはIGBTを用いる場合は、図2に示すように、スイッチング素子SW2と逆並列にダイオードD2を接続するものとし、電流制限抵抗R2を介さないで出力平滑コンデンサC3bが放電可能となるようにする。
次に、実施の形態1にかかる点灯装置100の動作を説明する。
点灯装置100に交流電源1が印加されると、整流回路2は入力された交流電圧を全波整流し、整流された電圧がフィルタコンデンサC1の両端に印加される。フィルタコンデンサC1は、スイッチングリプルを除去する目的で設けられたものであり、ここでは交流電源1の周波数成分を平滑するためのものではない。したがってコンバータ部3動作中は、電源周波数の2倍周波数で脈動する全波整流電圧がコンバータ部3に印加される。
定常動作状態におけるコンバータ部3の動作を説明する。スイッチング素子SW1が駆動部7によりオンしている状態とする。スイッチング素子SW1がオンすると交流電源1はインダクタL1を介して短絡されるので、インダクタL1とスイッチング素子SW1の経路で電流が供給され、インダクタL1にエネルギが蓄えられる。このとき、インダクタL1の電流は増加していく。
また、同時にカップリングコンデンサC2の電圧がインダクタL2に印加される。このため、カップリングコンデンサC2、スイッチング素子SW1、インダクタL2の経路で電流が流れ、カップリングコンデンサC2のエネルギがインダクタL2に蓄えられる。このとき、インダクタL2の電流は増加していく。
駆動部7により設定されたスイッチング素子SW1のオン時間が経過すると、スイッチング素子SW1はオフする。スイッチング素子SW1がオフするとインダクタL1に蓄えられたエネルギが放出され、インダクタL1、カップリングコンデンサC2、ダイオードD1、出力平滑コンデンサC3aまたはC3bの経路で電流が流れる。これにより、カップリングコンデンサC2と出力平滑コンデンサC3a、C3bを充電することができる。
また、同時にインダクタL2に蓄えられたエネルギが放出され、インダクタL2、ダイオードD1、出力平滑コンデンサC3aまたはC3bの経路で電流が流れる。これにより、出力平滑コンデンサC3a、C3bを充電する。このように負荷側にエネルギを伝達して、最終的に出力平滑コンデンサC3a、C3bから光源50に直流電流が供給され、光源50が発光する。スイッチング素子SW1はこの動作を高速に繰り返す。例えばスイッチング素子SW1の駆動周波数は数十kHz〜数百kHzとなる。
光源50に流れる電流は、光源電流検出抵抗R1で電圧信号として検出され、検出された電圧信号は電圧比較部5に入力され、平均化される。目標信号E1よりも光源電流検出抵抗R1で発生する平均電圧の方が高ければ電圧比較部5はスイッチング素子SW1のオン時間が短くなる方向へ出力信号を調整する。駆動部7はこれを受けてスイッチング素子SW1のオン時間を減少させる方向に動作し、光源50の電流を減少させる。目標信号E1よりも光源電流検出抵抗R1で発生する平均電圧の方が低ければ電圧比較部5はスイッチング素子SW1のオン時間が長くなる方向へ出力信号を調整する。駆動部7はこれを受けてスイッチング素子SW1のオン時間を増加させる方向に動作し、光源50の電流を増加させる。このように光源50の平均電流値が目標電流値となるように定電流フィードバック制御される。
次に光源電流が交流電源1の2倍の周波数成分で脈動することについて述べる。
スイッチング素子SW1をオンすると、インダクタL1の電流IL1は、全波整流電圧の瞬時値Eに比例し、インダクタL1のインダクタンスL1に反比例する。すなわち、インダクタL1の電流IL1はE/L1の傾きでオン時間に比例してほぼ直線的に上昇していく。
仮にスイッチング素子SW1のオン時間t(ON)を固定として、(全波整流波形なので)交流電源1の半周期分動作させた場合のインダクタL1電流波形及び交流電源1の電圧波形を図3に示す。インダクタンスL1は一定値であるため、各スイッチング周期におけるインダクタL1の電流のピーク値は電源電圧に比例する。そのため、図に示すように、包絡線が正弦波状の波形となる。
インダクタに蓄えられるエネルギは電流値の2乗に比例するため、交流電源1の電圧がゼロクロス付近では出力側へのエネルギ投入量が小さく、交流電源1のピーク電圧付近では出力側へのエネルギ投入量が大きくなる。したがって、交流電源1の電圧がゼロクロス付近では光源50の電流が減少し、交流電源1の電圧がピーク付近では光源50の電流が増加するため、交流電源1の2倍周波数で脈動する電流となり、ちらつきの原因となるおそれがある。
また、制御部4は光源50に目標電流を供給するために、定電流フィードバック制御を実施しているが、定電流フィードバックにより光源電流の脈動を抑制しようとすると、交流電源1の半周期内にスイッチング素子SW1のオン時間が定電流フィードバック制御のために大きく変動してしまうことになり、インダクタL1の電流ピーク値の包絡線が図3のような正弦波状とならず、大きく歪むことから力率が低下し入力電流の高調波電流が増加する可能性がある。
そこで一般的には定電流フィードバック制御の応答時間については、定電流フィードバック制御のループゲインを交流電源1の1周期の1/2周期以上で1倍(0dB)以下となるように設定する。言い換えると、交流電源1の周波数の2倍以下の周波数で1倍(0dB)以下となるように応答時間を設定する。例えば、電源周波数が50Hzの場合、その半周期(半波)にあたる100Hz以下、すなわち周期10ms以上で定電流フィードバック制御のループゲインを1倍(0dB)以下とすることにより、定電流フィードバック制御を電源周期の1/2より短い周期で応答しないように設定する。これにより電源周期の1/2周期以内においては、スイッチング素子SW1のオン時間の変動が抑制され、インダクタL1の電流ピーク値の包絡線が正弦波状の波形となる。すなわち図3で示したように、スイッチング素子のオン時間は、交流電源1の1周期の1/2周期期間でほぼ固定となる。したがって、光源電流の、交流電源1の周波数の2倍の脈動については、定電流フィードバック制御では平滑化できない。
そこで、実施の形態1においては、光源電流の脈動を抑制するために、出力側に複数の出力平滑コンデンサC3a、C3bを搭載することにより、出力コンデンサの合成容量を増加させている。そして、出力平滑コンデンサC3bと直列に電流制限抵抗R2と、抵抗R2と並列に接続されたスイッチング素子SW2を接続しており、この動作について図4を用いて説明する。
図4のt0時点において、交流電源1を投入したとする。このとき、出力平滑コンデンサC3a及びC3bに蓄積された電荷はゼロとして、電圧はゼロであるものとする。交流電源1を投入すると、コンバータ部3が動作を開始するため、出力平滑コンデンサC3a及びC3bに電流が流れ、充電が開始される。これに伴い、出力平滑コンデンサC3a及びC3bの両端電圧は上昇する。図4のt0からt1の期間はスイッチング素子SW2がオフ状態であるため、出力平滑コンデンサC3bは電流制限抵抗R2を介して充電される。従って電流制限抵抗R2により充電電流が制限されるため、出力平滑コンデンサC3aと比較して電圧は時間的にゆっくり上昇していく。また、この期間においては、電圧上昇の早い出力平滑コンデンサC3aの電圧が光源50の点灯開始電圧に達していないため、光源50は消灯状態である。
次に図4のt1時点となると、出力平滑コンデンサC3aの電圧が光源50の点灯開始電圧に達し、光源電流が流れ始める。このとき、出力平滑コンデンサC3bの電圧は、電流制限抵抗R2を介して充電されるため、光源50の点灯開始電圧には達していない。したがって出力平滑コンデンサC3bから光源50に電流は供給されない。図4のt0からt1の期間においては、出力平滑コンデンサC3bの電圧の方が出力平滑コンデンサC3aの電圧より低いため、出力平滑コンデンサC3bは光源電流の脈動低減には寄与せず、出力平滑コンデンサC3aのみが光源電流の平滑化に寄与している状態である。なお、図4の光源電流波形は本来、交流電源1の2倍周波数の脈動が重畳する波形となるが、図4では脈動の描画を省略している。
次に図4のt2時点となると、出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aとほぼ同一電圧となる。すると出力コンデンサ制御部8からスイッチング素子SW2をオンする信号が出力される。これによりスイッチング素子SW2がオンし、電流制限抵抗R2がスイッチング素子SW2により短絡され、これ以降は出力平滑コンデンサC3bは電流制限抵抗R2を介さずに充電が可能となる。これにより、出力平滑コンデンサC3aとC3bは等価回路的に抵抗を介さず並列接続されたことになり、光源電流は出力平滑コンデンサC3aとC3bの合成容量で平滑されることとなり、t1〜t2期間の光源電流と比較して交流電源1の2倍周波数の脈動成分が低減される。
次に、スイッチング素子SW2によるスイッチ切替制御の効果について述べる。交流電源1投入時はスイッチング素子SW2はオフ状態であるため、出力平滑コンデンサC3bについては、電流制限抵抗R2を介して充電することになるため、充電電流が制限され、電圧上昇に時間が掛かる。すなわち、出力平滑コンデンサC3bへの充電電流は電流制限抵抗R2の制限により十分小さいため、コンバータ部3のインダクタL1及びインダクタL2のエネルギ放電電流の大部分は出力平滑コンデンサC3aの充電に寄与する。これにより、出力平滑コンデンサC3aの電圧上昇時間が早くなり、交流電源1を投入してから光源50が点灯するまでの時間を高速化することができる。
ただし、この状態では出力平滑コンデンサC3bは光源電流の平滑化に寄与しないため、光源電流の脈動が大きい状態となる。そこで、実施の形態1では、出力平滑コンデンサC3bの電圧が時間経過により出力平滑コンデンサC3aとほぼ同等電圧に達した場合には、スイッチング素子SW2をオンして抵抗R2を短絡する。これにより、光源電流は出力平滑コンデンサC3aとC3bの合成容量で平滑化され、脈動の小さい電流で光源50を点灯でき、ちらつきを抑制することができる。なお、実施の形態1では、出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aとほぼ同等電圧に上昇してからスイッチング素子SW2をオンしているが、本発明はこれに限られるものではない。光源50が点灯した後、出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aの電圧に到達する前にスイッチング素子SW2をオンしてもよい。このような場合も、電源1を投入してから光源50が点灯するまでの時間を高速化することができ、光源電流の平滑化も可能である。スイッチング素子SW2を切替える制御のバリエーションについては後述する。
ただし、2つのコンデンサの電圧がほぼバランスされた状態でスイッチング素子SW2をオンしたほうが、スイッチング素子SW2オン時に2つの出力平滑コンデンサC3aとC3bの電圧不均衡に起因するコンデンサ間の充放電電流を抑制することができる。仮に、出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aの電圧より低い状態でスイッチング素子SW2をオンし、並列状態となると、出力平滑コンデンサC3aから出力平滑コンデンサC3bに急峻な充電電流が流れ込み、瞬間的に出力平滑コンデンサC3aの電圧が低下し、光源50の電流が不安定となり、ちらつきが発生する可能性がある。実施の形態1では、このような現象を抑制することができる好ましい形態として、光源50が点灯後も2つのコンデンサの電圧がバランスされた状態となるまで待機し、その後スイッチング素子SW2をオンとしている。
以上説明したように、実施の形態1にかかる制御部4によれば、コンバータ部3がスイッチング素子SW1のスイッチング動作を開始してから、光源50が点灯するまでの期間は、スイッチング素子SW2をオフ(遮断)とすることで、電流制限抵抗R2を介して出力平滑コンデンサC3bを充電することができる。また、光源50が点灯した後は、スイッチング素子SW2をオン(導通)とすることで、スイッチング素子SW2を介して出力平滑コンデンサC3bを充電することができる。これにより、交流電源1の投入時は、光源の点灯開始までの時間を優先するように出力コンデンサの容量を等価的に小さな状態として素早く起動(つまり光源点灯)できる。また、光源点灯後の通常点灯状態では出力コンデンサの容量が等価的に大きい状態とするので、交流電源1の2倍周波数の脈流を抑制することができる。
ここで、スイッチング素子SW2を切替える制御のバリエーションについて説明する。光源が点灯した時点以後にスイッチング素子SW2をオフ(遮断)からオン(導通)に切替える条件は、出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aの電圧に達したか否かを基準としてもよく、具体例として、下記に述べる(1)電圧条件と、(2)時間条件とのいずれかを設定してもよい。
(1)まず、回路内の電圧を検知してスイッチング素子SW2を切替える条件(つまり電圧条件)の設定方法について説明する。出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aの電圧に達したか否かの判断については、点灯装置100内に図示しない電圧検出手段を設けて、この電圧検出手段を出力コンデンサ制御部8に接続してもよい。この電圧検出手段により出力平滑コンデンサC3aの電圧と出力平滑コンデンサC3bの電圧を直接比較しても良い。あるいは、スイッチング素子SW2をオフとした状態で出力平滑コンデンサC3aの充電電圧の飽和値(図4のV3a)が回路設計上予め定まっており、電流制限抵抗R2によって出力平滑コンデンサC3bが必ず出力平滑コンデンサC3aよりも遅く充電されるという条件下においては、出力平滑コンデンサC3bの電圧のみを検知するものであってもよい。この場合には、出力平滑コンデンサC3aの充電電圧飽和値V3aと同じ値に予め定めた所定判定値と、出力平滑コンデンサC3bの電圧とを比較することで、出力平滑コンデンサC3aと出力平滑コンデンサC3bの電圧比較を間接的に行っても良い。比較を行う際には、電圧検出手段で検出した出力平滑コンデンサC3aの電圧(あるいは予め定めた所定判定値)と出力平滑コンデンサC3bの電圧との差がゼロとなった場合にスイッチング素子SW2をオンとしても良く、ゼロではなくともその差が予め定めた所定範囲内に収まったら、出力平滑コンデンサC3a、C3bの電圧が実質的に同一、言い換えれば略同一となったものとみなして、スイッチング素子SW2をオンとしてもよい。さらに、他の変形例として、出力平滑コンデンサC3aの電圧には達してはいなくとも、出力平滑コンデンサC3bの電圧がある程度高い電圧となった場合にスイッチング素子SW2をオンするものであってもよい。例えば、上記の所定範囲の下限を、充電電圧飽和値V3aよりも低く定めた予め定めた下限閾値に設定してもよく、出力平滑コンデンサC3bの電圧がこの下限閾値に達したらスイッチング素子SW2をオンするという条件を設定してもよい。この下限閾値は、所望の値に設定してもよく、例えば出力平滑コンデンサC3aの充電電圧飽和値V3aに予め定めた係数をかけた所定割合(例えば出力平滑コンデンサC3aの充電電圧飽和値V3aの95%、90%、85%、・・・60%等)であってもよい。
(2)つぎに、特定の回路動作等を起算点として経過時間を計測し、この経過時間に基づいてスイッチング素子SW2を切替える条件(つまり時間条件)の設定方法について説明する。理論計算あるいは実験等により、予め定めた起算点から、出力平滑コンデンサC3aの電圧と出力平滑コンデンサC3bの電圧がほぼ一致する時点までの時間長を予め求めておく。上記起算点からの経過時間が予め求めた時間長に達したときに、スイッチング素子SW2をオンするように制御部4が出力コンデンサ制御部8に対して信号を発するようにしてもよい。この場合には、制御部4は時間を計測するタイマ機能を有するものであってもよい。起算点の定め方について説明すると、コンバータ部3がスイッチング素子SW1のスイッチング動作を開始した時点t0以後、かつ出力平滑コンデンサC3aの電圧と出力平滑コンデンサC3bの電圧とが一致する時点より前の期間内に、任意の起算点を予め設定してもよい。起算点は、図4における時点t0であってもよく、この場合にはスイッチング素子SW1のスイッチング動作開始から制御部4のタイマが時間を計測してもよい。予め理論計算等で算出した、t0から出力平滑コンデンサC3aの電圧と出力平滑コンデンサC3bの電圧とが一致する予測時点までの時間長を、制御部4のメモリ(図示せず)に記憶しておいてもよい。これ以外の変形例の一つとして、起算点は光源点灯時点t1であってもよい。その場合には、光源50と直列に光源電流検出抵抗R1を設けたうえで光源電流検出抵抗R1に発生する信号を検出するなどして光源電流を検知してもよく、時点t1から出力平滑コンデンサC3aの電圧と出力平滑コンデンサC3bの電圧とが一致する予測タイミングまでの時間長を制御部4のメモリに記憶しておいてもよい。また、光源点灯時点t1の検出は、必ずしもコンバータ部3の電気的パラメータに限られず、光源50の点灯を検知する光センサ等を備える場合にはその光センサの検知信号に基づいてもよい。また、他の変形例として、起算点は、出力平滑コンデンサC3aの電圧値が予め定められた一定値に達した時点としてもよく、この場合の起算点はt0とt1の間に設けられる。
以上のようにスイッチング素子SW2をオンとする条件を例示したが、本発明は必ずしも上述の電圧条件、時間条件を設けるものに限定されない。電源投入時にはスイッチング素子SW2をオフとしその後所望のタイミングでスイッチング素子SW2をオンとすることで、交流電源1の投入時に出力コンデンサの容量を等価的に小さくし光源点灯後の通常点灯状態では出力コンデンサの容量が等価的に大きくできるという効果が得られる。
また、本実施の形態では、出力平滑コンデンサを2個用いた例について示したが、これに限定するものではなく、光源が点灯開始するまでの時間に応じて、あるいは光源電流の脈動に応じて、出力平滑コンデンサを更に増やしても良い。例えば図5に示すように、出力平滑コンデンサC3bと並列に出力平滑コンデンサC3cを追加しても良い。出力平滑コンデンサC3cの高電位側端子は出力平滑コンデンサC3bの高電位側端子と接続しており、出力平滑コンデンサC3cの低電位側端子は出力平滑コンデンサC3bの低電位側端子と電流制限抵抗R2との接続点に接続している。この場合、出力平滑コンデンサC3bとC3cに対して、スイッチング素子SW2及び電流制限抵抗R2は共用化できるため、部品点数の増加を抑制できる。
また、本実施の形態ではSEPIC方式の点灯装置を例として説明したが、他の方式でも良く、例えばバックブーストコンバータ方式およびフライバックコンバータ方式にも適用でき、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、光源50がLEDを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。光源の発光素子として、例えば有機EL(Electro Luminescence)素子を用いてもよい。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる点灯装置110の回路構成図である。実施の形態1と同様の構成部分は、同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2に係る点灯装置110は、電源電圧検出抵抗R3、電源電圧検出部9、を備え、駆動部7は、商用周波数の2倍の周波数成分で振動するリップル成分を抑制し、光源電流が平滑化されるようにスイッチング素子SW1を駆動する点で、実施の形態1の点灯装置100とは異なる。
制御部4は、光源50に流れる電流の平均値が目標の電流値になるように制御しつつ、商用周波数の2倍の周波数成分で振動するリップル成分を抑制し、光源電流が平滑化されるようにスイッチング素子SW1を駆動する。
電源電圧検出部9は電源電圧検出抵抗R3に発生する電圧信号から交流電源1の位相を検出し、駆動部7は電圧比較部5と電源電圧検出部9の出力信号を受けてスイッチング素子SW1のオン時間を決定する。
次に、実施の形態2にかかる点灯装置110の動作を説明する。
まず、出力コンデンサ制御部8がスイッチング素子SW2をオフしている状態で、光源50が点灯している場合の動作について述べる。スイッチング素子SW2がオフしている状態では、光源電流の平滑に寄与する出力コンデンサはC3aのみであるから、光源電流の脈動が大きい状態となる。
そこで、実施の形態2では、光源電流の脈動を抑制するために、交流電源1の電圧位相に応じて、スイッチング素子SW1のオン時間が予め設定されたパターンに従って変化するように、スイッチング素子SW1を駆動する。図7に交流電源1の電圧位相とスイッチング素子SW1のオン時間の関係例を示す。これより、交流電源1の位相が電圧ピーク付近でスイッチング素子SW1のオン時間を減少させ、交流電源1の位相がゼロクロス付近でオン時間を増加させる。すなわち、整流回路2の出力側の全波整流電圧が低くなるほどスイッチング素子SW1のオン時間を増加させ、出力側へのエネルギ供給量を増加させ、光源電流の低下を抑制するとともに、全波整流電圧が高くなるほどスイッチング素子SW1のオン時間を減少させ、出力側へのエネルギ供給量を絞る。このようなスイッチング素子SW1のオン時間増減制御を、以下、「リップル抑制制御」とも称す。
図8にリップル抑制制御を実現する制御部4の詳細ブロック図の一例を示す。電圧比較部5はオペアンプ5aと、コンデンサ5b、抵抗5cからなる位相補償回路からなる誤差増幅器を構成している。目標信号E1に対して、オペアンプ5aの反転入力端子側に入力される光源電流検出抵抗R1で検出された信号の方が大きければオペアンプ5aの出力信号は減少していき、光源電流検出抵抗R1で検出された信号の方が小さければオペアンプ5aの出力信号は上昇していく。
駆動部7は乗算器7a、コンパレータ7b、フリップフロップ回路7c、オシレータ7d、ドライブ回路7eからなる。乗算器7aは電圧比較部5の出力信号と、電源電圧検出部9の出力信号を乗算する。電源電圧検出部9は電源電圧検出抵抗R3に発生した電圧信号から電源電圧の位相を求め、位相に応じて、乗算器7aに入力する波形を生成する。例えば電圧信号1−|0.5*sinθ|を生成するものとする。ここでθは交流電源1の電圧位相で、図9に示すように電源電圧に同期した波形となる。ここでは交流電源1の位相角が90度、270度のとき、電源電圧検出部9の信号電圧は最も低くなり、交流電源1の位相角が0度、180度、360度のとき電源電圧検出部9の信号電圧が最も高くなる。
乗算器7aの出力はコンパレータ7bの反転入力端子に入力され、コンパレータ7bの非反転入力端子に接続されたオシレータ7dの出力信号と比較される。オシレータ7dは鋸歯状の三角波信号を出力するものとする。オシレータ7dは、コンパレータ6a、基準電圧6bからなるゼロ電流検出部6の信号により信号波形がリセット、即ち0Vとなり、再び上昇するものとする。また、ゼロ電流検出部6の信号はフリップフロップ回路7cのセット端子Sに入力されている。フリップフロップ回路7cのリセット端子Rにはコンパレータ7bの出力が接続されている。フリップフロップ回路7cの出力端子Qの出力信号はドライブ回路7eに接続され、ドライブ回路7eにてスイッチング素子SW1を駆動する信号に変換され、スイッチング素子SW1はこの信号により駆動する。なお、制御部4はマイクロコンピュータ等を用いてソフトウェア制御により実現しても良い。ソフトウェア制御により実現する際には、演算処理部と、この演算処理部で実行すべき演算プログラムおよびこの演算プログラムに使用すべきパラメータを記憶したメモリと、必要に応じて電圧値等をデジタル値に変換するA/D変換回路などが含まれても良い。
次に駆動部7の詳細動作について説明する。まず、スイッチング素子SW1がオンしている状態とし、インダクタL1、L2の電流は時間経過と共に上昇しているものとする。オシレータ7dの出力信号は時間経過とともに上昇し、乗算器7aの出力信号の電圧レベルを超えるとコンパレータ7bはHIGH信号(例えば5V)を出力する。これによりフリップフロップ回路7cのリセット端子RにHIGH信号が入力され、フリップフロップ回路7cの出力端子QはLOW信号(例えば0V)を出力する。ドライブ回路7eはこれを受けてスイッチング素子SW1をオフする。
スイッチング素子SW1がオフすると、インダクタL1、L2に蓄えられたエネルギが出力側に放出される。インダクタL1の2次巻線L1bには出力電圧すなわち光源50に印加される電圧に比例した電圧が発生し、コンパレータ6aの反転入力端子に入力される。このとき、基準電圧6bより高い電圧となっており、コンパレータ6aの出力からはLOW信号が出力されている。
インダクタL1、L2がエネルギ放出を終えると出力側への放電電流、即ちダイオードD1の電流がゼロとなり、インダクタL1の2次巻線L1bの電圧は急激に低下する。そして2次巻線電圧L1bの電圧が基準電圧6bを下回るとオペアンプ6aの出力はHIGH信号を出力する。すると、オシレータ7dの出力信号はリセットされ、0Vとなり、同時にフリップフロップ回路7cのセット端子SにHIGH信号が入力されることによりフリップフロップ回路7cの出力端子QはHIGH信号を出力する。ドライブ回路7eはこれを受けてスイッチング素子SW1をオンする。これにより再びインダクタL1、L2の電流が流れ始めると共に、ゼロリセットされたオシレータ7dの出力は上昇を開始する。
ここでは、インダクタL1、L2エネルギ放出により、ダイオードD1の電流がゼロとなってから次のスイッチングサイクルが開始するため、ダイオードD1のリカバリー特性に伴う損失を低減できる。また、ダイオードD1の電流がゼロに到達後、直ちに次のスイッチングサイクルが開始されるため、インダクタL1とスイッチング素子SW1の寄生容量による振動電圧が発生する期間がなく、コンバータ部3からのノイズの発生が小さいというメリットがある。
以上のように、スイッチング素子SW1のオン時間は、オシレータ7dと乗算器7aの信号の比較結果に基づいて決定する。ここで、光源電流の定電流フィードバック制御について説明すると、まず上述の通り、目標信号電圧E1と、オペアンプ5aの反転入力端子側に入力される光源電流検出抵抗R1からの検出信号の比較が行われる。目標信号E1よりも光源電流検出抵抗R1の検出信号の方が小さければオペアンプの出力電圧は時間経過と共に上昇し、スイッチング素子SW1のオン時間は増加する方向に変化する。また、目標信号E1よりも光源電流検出抵抗R1の検出信号の方が大きければオペアンプ5aの出力電圧は時間経過と共に下降し、スイッチング素子SW1のオン時間は減少する方向に変化する。
しかしながら前述のとおり、定電流フィードバック制御の応答速度は少なくとも交流電源1の半周期の期間では応答しないように低速化しているため、交流電源1の半周期間ではオペアンプ5aの出力電圧はほぼ一定とみなすことができる。したがって、乗算器7aの出力信号は電源電圧検出部9の出力信号にほぼ比例した電圧信号となる。これにより、スイッチング素子SW1は、定電流フィードバック制御による影響を受けず、電源電圧検出部9の出力信号にほぼ比例したオン時間で駆動する。したがって交流電源の位相に応じて正確にスイッチング素子をコントロールすることができるため、光源電流のリプルを確実に抑制することができる。なお、定電流フィードバック制御の応答速度はコンデンサ5b、抵抗5cからなる位相補償回路の定数により設定することができる。
定電流フィードバック制御により光源電流リプルを抑制する場合は、定電流フィードバック制御の応答を高速化する必要があるが、前述のとおり入力電流波形が大きく歪み力率を悪化させる可能性があるばかりか、応答を高速化することにより動作が不安定となり、最悪制御が発振し、光源のちらつきおよび点灯装置の故障を引き起こすおそれもある。本発明においては、定電流フィードバック制御の応答時間を交流電源の1周期の1/2倍以上に設定するため、安定した動作が可能となる。
このように、整流回路2の出力電圧が高くなるほどスイッチング素子SW1のオン時間を減少させ、整流回路2の出力電圧が低くなるほどオン時間を増加させることにより、等価的に出力コンデンサの容量が小さくなるスイッチング素子SW2がオフ時でも光源電流の脈動を小さくすることができる。
なお、リップル抑制制御は、図3に示した制御に対して、スイッチング素子SW1のオン時間を入力電流高調波が増加する方向に変調する制御となる。リップル抑制制御を実施すると、リップル抑制制御を実施しない場合と比べて入力電流波形は歪む方向となる。出力平滑コンデンサC3bの電圧が出力平滑コンデンサC3aの電圧に到達後は、スイッチング素子SWを出力コンデンサ制御部8によりオンするので、出力コンデンサの容量が等価的に増加し、光源電流の脈動を低減できる。そこで、スイッチング素子SW2がオンした後はリップル抑制制御を停止するか、または電源電圧検出部9の出力信号の振幅を小さくしてもよい。すなわちリップル抑制制御の制御量を小さくすることで、通常点灯時の入力電流高調波の増加を抑制することができる。
図10に電源電圧検出部9の出力信号振幅の一例を示す。図10には、電源電圧検出部9の出力信号振幅として曲線a、bが例示されている。点灯装置110の動作について前述したように、スイッチング素子SW1のオン時間と電源電圧検出信号9の出力信号の値との間には比例的な関係がある。図10において振幅の大きい曲線aを電源電圧検出部9に出力させると、スイッチング素子SW1のオン時間の変動が大きくなる。曲線aのようにオン時間の変動が大きいと、光源電流の脈動抑制効果は大きくなるが、入力電流波形の歪みが大きくなる。これに対し、相対的に振幅が小さい曲線bを電源電圧検出部9に出力させると、スイッチング素子SW1のオン時間の変動も小さくなる。曲線bのようにオン時間の変動が小さいと、光源電流の脈動抑制効果は小さいが、入力電流波形の歪みを小さくできる。直線cはリップル抑制制御を実施しない場合の信号波形である。
スイッチング素子SW2がオフ(遮断)のときは曲線aに従ってスイッチング素子SW1を駆動することが好ましく、スイッチング素子SW2がオン(導通)のときは曲線bまたは直線cに従ってスイッチング素子SW1を駆動することが好ましい。すなわち交流電源の1/2周期において、スイッチング素子SW2がオフのときの「スイッチング素子SW1の最長オン時間を最短オン時間で除した値」を、スイッチング素子SW2がオンのときの「スイッチング素子SW1の最長オン時間を最短オン時間で除した値」よりも、大きく設定することが好ましい。便宜上、スイッチング素子SW1の最長オン時間をスイッチング素子SW1の最短オン時間で除した値(つまり「最長オン時間/最短オン時間」)を、「オン時間変動比」とも称す。因みに直線cを用いて制御した場合は、交流電源の1/2周期において、オン時間は一定となるので、オン時間変動比は最小の1となる。
なお、本実施の形態においては、電源電圧検出部9の出力信号波形を、図10に示した曲線a、bのようにサイン波の山を下側に凸とした波形としたが、本発明はこれに限られない。整流回路2の出力電圧の瞬時値が高い部分において、スイッチング素子SW1のオン時間が短く、整流回路2の出力電圧の瞬時値が低い部分において、スイッチング素子のオン時間が長くなるように設定すれば良い。したがって図10に示すような曲線波形に限定するものではない。例えば図11に示すような三角波としてもよく、図12に示すような台形波形としてもよく、これらの波形でも光源電流の脈動を低減する効果がある。なお、図10で振幅を互いに異ならしめた曲線a、bを準備したのと同様に、図11の三角波においても、振幅(つまり図11縦軸における下端頂点の位置)を互いに異ならしめた複数個の三角波を切替可能となるように電源電圧検出部9を構成してもよい。これは図12でも同様であり、図12の台形波においても、振幅(つまり図12縦軸における、台形波の下底位置)を互いに異ならしめた複数個の台形波を切替え可能となるように電源電圧検出部9を構成してもよい。これらの複数個の三角波あるいは台形波は、スイッチング素子SW2のオンオフに応じて曲線a、bが選択的に使用されたのと同様に、選択的に使用される。つまり、スイッチング素子SW2がオフのときは、振幅がより大きな波形に従ってスイッチング素子SW1を駆動し、スイッチング素子SW2がオンのときは、振幅がより小さな波形または直線に従ってスイッチング素子SW1を駆動するように、複数個の三角波あるいは台形波を切替可能な電源電圧検出部9を設けてもよい。
また、本実施の形態ではSEPIC方式の電源を例として説明したが、これ以外にも、1コンバータで力率改善(高調波電流低減)と定電流制御を行う方式であれば、他の方式でも良く、例えばバックブーストコンバータ方式およびフライバックコンバータ方式においても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、光源50がLEDを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。光源の発光素子として、例えば有機EL(Electro Luminescence)素子を用いてもよい。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3にかかる点灯装置120の回路構成図である。実施の形態2と同様の構成等あるいは実施の形態2と類似する構成等は、同一の符号を付して適宜に説明を省略する。実施の形態3に係る点灯装置120は、光源50の明るさをコントロールするために点灯装置120の外部に設けられた調光コントローラ11からの調光信号を読み取る調光信号インターフェース10を備える点で、実施の形態2の点灯装置110とは異なる。
調光信号インターフェース10は、調光信号を受けて、目標信号E1の信号電圧を目標電流に相当する信号となるように調整する。また、目標電流に応じて電源電圧検出部9の出力信号を制御する。
次に、実施の形態3にかかる点灯装置120の動作を説明する。
実施の形態2と同様、点灯装置120は、制御部4の制御によりコンバータ部3を駆動し、光源50に目標信号E1で決まる目標電流が供給される。また、制御部4は、スイッチング素子SW1のオン時間が、交流電源1の電圧位相に応じて、予め設定されたパターンとなるようにリップル抑制制御を実施する。
ここで、実施の形態3においては、調光コントローラ11から入力される調光信号、すなわち目標光源電流に応じて、リップル抑制制御のスイッチング素子オン時間のパターンを変更する。つまり、調光コントローラ11からの調光信号を受けた調光信号インターフェース10は、その調光信号に応じて、電源電圧検出部9に対して出力信号の振幅を指定する信号を送る。
図14に調光率に応じた電源電圧検出部9の出力信号の出力例を示す。最も光出力の大きい全光状態では、光源50でのエネルギ消費が大きいため、光源電流の脈動も大きくなる。従って、実施の形態3では、全光状態を指定する調光信号を受けた調光信号インターフェース10は、電源電圧検出部9に図14の曲線aに示す波形を出力させるように信号を送り、電源電圧検出部9の出力信号の振幅を大きくする。曲線aによれば、電源電圧のゼロクロス付近のスイッチング素子のオン時間と、電源電圧ピーク付近のスイッチング素子のオン時間の変化の割合を大きくできる。
光源電流が小さい場合、光源でのエネルギ消費が小さいため、光源電流の脈動は小さくなる。そこで、実施の形態3では、光源電流が比較的小さくされる場合、より具体的には例えば光源電流を全光状態未満の予め定めた第1所定電流値以下に絞る調光信号を受けた場合には、調光信号インターフェース10は、電源電圧検出部9に図14の曲線bに示す波形を出力させるように信号を送る。このようにして、調光により光源電流が小さくなると電源電圧検出部9の出力信号の振幅を小さくする。これにより、電源電圧のゼロクロス付近のスイッチング素子のオン時間と、電源電圧ピーク付近でスイッチング素子のオン時間との間の、変化の割合を小さくできる。
実施の形態3では、さらに光源電流が小さくなる場合、より具体的には上記第1所定電流値未満に予め定めた微小な第2所定電流値以下に絞る調光信号を受けた場合には、調光信号インターフェース10は、電源電圧検出部9に図14の直線cに示す一定値を出力させるように信号を送り、電源電圧検出部9の出力信号を一定値の信号レベルとする。このとき、電源電圧のゼロクロス付近のスイッチング素子のオン時間と、電源電圧ピーク付近のスイッチング素子のオン時間はほぼ等しくなる。すなわちリップル抑制制御が実施されない。以上のように、実施の形態3にかかる調光信号インターフェース10は、現在の調光信号で指定される光源電流が大、中、小の三段階に区分された光源電流範囲のいずれかに属するかに応じて、曲線a、bおよび直線cのいずれの出力信号を発すべきか電源電圧検出部9に対して指示信号を出す。
上述した曲線a、bおよび直線cの切替えによれば、交流電源の1/2周期において、光源電流が大きい場合のスイッチング素子SW1の「最長オン時間を最短オン時間で除した値」を、光源電流が小さい場合のスイッチング素子SW1の「最長オン時間を最短オン時間で除した値」よりも大きく設定することができる。便宜上、スイッチング素子SW1の最長オン時間を最短オン時間で除した値のことを「オン時間変動比」とも称する。交流電源の1/2周期において、光源電流が大きい場合のオン時間変動比が、光源電流が小さい場合のオン時間変動比よりも大きく設定される。また、リップル抑制制御を実施しない場合(図14の直線c)、交流電源の1/2周期において、オン時間は一定となるので、スイッチング素子SW1の最長オン時間を最短オン時間で除した値(つまりオン時間変動比)は最小の1となる。なお、図3に示したように、交流電源1の1/2周期の期間はスイッチング素子のオン時間はなるべく一定であるほうが入力電流の高調波は低減する。
以上のように、実施の形態3では、調光率すなわち光源電流に応じて、電源電圧検出部9の出力信号を可変とする。そして光源電流が大きい場合、電源電圧検出部9は光源電流の脈動抑制が優先となるように出力信号を設定し、光源電流が小さい場合、電源電圧検出部9は入力電流の高調波抑制が優先となるように出力信号を設定する。これにより、脈動によるちらつきが問題とならない調光領域における入力電流高調波の発生を抑制することができる。なお、実施の形態3で示す制御方法は、スイッチング素子SW2がオン状態あるいはオフ状態の何れの状態においても適用することが出来る。すなわち、スイッチング素子SW2がオフ状態のときにおける調光状態と、スイッチング素子SW2がオン状態における調光状態でそれぞれ光源電流の脈動状態が異なるため、独立したリップル抑制制御を実施できる。
なお、実施の形態3にかかる点灯装置120は、実施の形態1、2と同様に、「出力平滑コンデンサC3b、電流制限抵抗R2、スイッチング素子SW2、および出力コンデンサ制御部8」を備えている。しかしながら、点灯装置120から「出力平滑コンデンサC3b、電流制限抵抗R2、スイッチング素子SW2、および出力コンデンサ制御部8」を省略してもよい。その場合であっても、「調光コントローラ11から入力される調光信号、すなわち目標光源電流に応じて、リップル抑制制御のスイッチング素子オン時間のパターンを変更する」という実施の形態3の技術的特徴を備えた点灯装置が提供される。
なお、実施の形態3においては、電源電圧検出部9の出力信号波形を図14に示したようなサイン波の山を下側に凸とした波形としたが、本発明はこれに限られるものではない。整流回路2の出力電圧の瞬時値が高い部分においてスイッチング素子SW1のオン時間が短く、整流回路2の出力電圧の瞬時値が低い部分においてスイッチング素子SW1のオン時間が長くなるように、電源電圧検出部9の出力信号波形を設定すれば良い。したがって図14の波形に限定するものではなく、例えば図11に示すような三角波でもよく、図12に示すような台形波形でもよく、これらの波形でも光源電流の脈動を低減する効果がある。振幅が互いに異なる複数個の三角波あるいは台形波は、調光信号に応じて曲線a、bが選択的に使用されたのと同様に、電源電圧検出部9において切替えられる。つまり、光源電流を大きくするように調光信号が変更された場合には、大きな振幅を有する波形に従ってスイッチング素子SW1を駆動し、光源電流を小さくするように調光信号が変更された場合には、小さな振幅を有する波形または直線に従ってスイッチング素子SW1を駆動するように、電源電圧検出部9が複数個の三角波あるいは台形波を切替えてもよい。
また、実施の形態3ではSEPIC方式の電源を例として説明したが、これ以外にも、1コンバータで力率改善(高調波電流低減)と定電流制御を行う方式であれば、他の方式でも良く、例えばバックブーストコンバータ方式およびフライバックコンバータ方式においても、同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3においては、光源50がLEDを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。光源の発光素子として、例えば有機EL(Electro Luminescence)素子を用いてもよい。
実施の形態4
図15は、本発明の実施の形態3における照明器具200の断面図である。照明器具200は、照明器具本体40、コネクタ41、光源基板42、点灯装置43を備える。照明器具本体40は、点灯装置43などを取り付けるための筺体である。コネクタ41は、商用電源などの交流電源から電力の供給を受けるための接続部である。光源基板42は、LEDまたは有機EL素子などの発光素子を電気的光源として実装した基板である。
点灯装置43には、コネクタ41、配線44を介して交流電源からの電力が入力される。点灯装置43は配線45を介して光源基板42に接続している。点灯装置43は、入力された電力を光源基板42に供給する電力へと変換し、変換した電力を光源基板42に供給する。光源基板42の光源は、点灯装置43からの供給電力により点灯する。
点灯装置43の回路構成は、上述した実施の形態1にかかる点灯装置100と同じであるものとする。これにより、実施の形態1にかかる点灯装置100の利点を備えた点灯装置43および照明器具200が提供される。
なお、点灯装置43の回路構成を、実施の形態2、3にかかる点灯装置110、120のいずれか一方と同じものとしてもよい。
実施の形態4にかかる照明器具200によれば、実施の形態1〜3で述べた点灯装置100〜120のいずれか1つを組み込むことで、照明器具の小型化、低コスト化、高効率化が実現でき、交流電源を投入してから光源が点灯するまでの時間を高速化でき、且つ光源のちらつきを抑制することができる。