JP6070564B2 - 触媒粒子、触媒インク、及びこれらの製造方法、並びに、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池の各々の製造方法 - Google Patents

触媒粒子、触媒インク、及びこれらの製造方法、並びに、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池の各々の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6070564B2
JP6070564B2 JP2013538500A JP2013538500A JP6070564B2 JP 6070564 B2 JP6070564 B2 JP 6070564B2 JP 2013538500 A JP2013538500 A JP 2013538500A JP 2013538500 A JP2013538500 A JP 2013538500A JP 6070564 B2 JP6070564 B2 JP 6070564B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
particles
polymer electrolyte
carbon particles
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013538500A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013054689A1 (ja
Inventor
早織 岡田
早織 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Publication of JPWO2013054689A1 publication Critical patent/JPWO2013054689A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6070564B2 publication Critical patent/JP6070564B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/8663Selection of inactive substances as ingredients for catalytic active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/8668Binders
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/88Processes of manufacture
    • H01M4/8825Methods for deposition of the catalytic active composition
    • H01M4/8828Coating with slurry or ink
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9041Metals or alloys
    • H01M4/905Metals or alloys specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC
    • H01M4/9058Metals or alloys specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC of noble metals or noble-metal based alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9075Catalytic material supported on carriers, e.g. powder carriers
    • H01M4/9083Catalytic material supported on carriers, e.g. powder carriers on carbon or graphite
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M2008/1095Fuel cells with polymeric electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本開示の技術は触媒粒子、触媒インク、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池に関する。さらに本開示はそれらの製造方法に関する。特に触媒物質を担持した炭素粒子からなる触媒粒子を用いて、触媒インクや電極触媒層を製造する方法に関する。
原料ガスの反応エネルギーを電気エネルギーに直接的に変換する燃料電池の一つには、イオン伝導体として高分子電解質膜を用いる固体高分子形燃料電池が知られている。固体高分子形燃料電池は、他の燃料電池と比べて起動時間が短く、また常温で作動することが可能でもあるため、自動車、鉄道、コージェネレーションシステム等のエネルギー源として期待されている。
このような固体高分子形燃料電池は、上述のように起動時間や動作温度の観点で優れている一方、さらなる実用化に際しては、発電効率が低いという問題を有している。そのため、固体高分子形燃料電池の製造技術には、従来から、出力電圧を高めるための各種の提案がなされている。たとえば特許文献1に開示される技術では、電極触媒層の形成に用いられる触媒インクの製造に際し、アイオノマーを含む溶液の比誘電率が、製造の途中で所定範囲内に抑えられる。これによって触媒粒子に対するアイオノマーの被覆性が高まる、と意図されている。つまり触媒物質担持炭素体としての担持炭素体に対するアイオノマーの被覆性が、高まると意図されている。担持炭素体とアイオノマーとの均一性が電極触媒層において高まるので、膜電極接合体における触媒粒子の利用効率が高まり、ひいては固体高分子形燃料電池の出力電圧が高まる、と意図されている。
特開2010−257929号公報
具体的には特許文献1に開示される技術では、まず触媒粒子が分散された分散液と、比誘電率が30以上となるアイオノマーの溶液とがそれぞれ生成される。次いでこれら分散液とアイオノマーの溶液とが互いに混合されることで混合液が生成され、この混合液に、比誘電率が20以下の分散媒が添加される。こうすることでアイオノマーの凝集やゲル化が抑えられ、溶液の粘度は、電極触媒層の製造に求められる粘度にまで高まると意図されている。つまりこうした工程を経ることで、触媒インク中の触媒粒子に対し、アイオノマーの被覆性が高まると意図されている。
しかし、アイオノマーの凝集やゲル化が抑えられた上記混合液に、比誘電率が20以下の分散媒が添加される過程では、前記混合液に分散媒が均一に添加されない限りは、少なからずアイオノマーの凝集やゲル化が局所的に生じる。そしてそもそも、アイオノマーの凝集やゲル化が生じない程度に、混合液に分散媒を均一に添加することが困難である。結局、上述した技術であっても、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めるには依然として改善の余地が残る。
本開示の技術の目的は、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めることにある。
本開示の一側面によって提供される触媒粒子の製造方法は、触媒物質を担持した炭素粒子である触媒粒子と、高分子電解質とを触媒インクの溶媒に分散させるよりも前に、前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことを有し、前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことは、前記触媒物質を担持した前記炭素粒子としての触媒粒子の含水率を、4.8質量%以上11.4質量%以下にすることを有する。
上記の態様によれば、触媒物質を担持した炭素粒子と高分子電解質とが互いに混合される前に炭素粒子が加湿雰囲気に曝される。よって、たとえばこうした加湿が炭素粒子に施されないような方法と比べて、炭素粒子の表面と高分子電解質との親和性が高まる。それゆえに、触媒物質を担持した炭素粒子と高分子電解質とが分散した触媒インクにおいて、炭素粒子と高分子電解質との均一性が高められる。ひいては電極触媒層において、触媒物質の利用効率が高まることになる。上記製造方法によって製造された電極触媒層を有する固体高分子形燃料電池において、出力電圧を高めることも可能となる。また、触媒粒子の含水率が4.8質量%以上11.4質量%以下であるから、上記加湿による効果のバラツキを所定範囲内に抑えることが可能となる。触媒粒子の含水率が11.4質量%以下であることによれば、触媒粒子の含水率が過剰に高まることが抑えられる。すなわち加湿処理の時間が過大になることを抑えることが可能になる。ひいては、加湿を行う時間や手間で電極触媒層の生産性が低下する、というようなことを抑えることが可能となる。
一態様では前記製造方法はさらに、前記炭素粒子を前記加湿雰囲気に曝すよりも前に、前記炭素粒子が前記触媒物質を担持するようにさせることを有する、
電極触媒層の製造では、触媒物質を担持した炭素粒子つまり触媒粒子と高分子電解質とが互いに混合される前に、前記炭素粒子に加熱処理が施される場合がある。たとえば炭素粒子に触媒物質を担持させることで、炭素粒子の表面における触媒物質の析出が、触媒物質と炭素粒子とを含む溶液の蒸発乾固で行われる場合がある。仮に触媒物質の担持が上述した加湿の後に行われると、加湿後の触媒粒子の含水率が、蒸発乾固時の加熱に応じて低下してしまう。その結果、たとえば炭素粒子による触媒物質の担持が加湿の前に行われる方法と比べて、加湿による上記の効果が減少してしまう。
この点、上記の態様によれば、炭素粒子が触媒物質を担持した後に、触媒粒子(炭素粒子)が加湿される。このため、触媒物質の担持の際に炭素粒子が加熱されるとしても、炭素粒子の加湿による効果が減少しにくい。むしろ、触媒物質の担持で炭素粒子が加熱される場合には、たとえば炭素粒子が加熱されないような場合と比べて、触媒粒子の含水率がそもそも低くなっている。このため、加湿による上記の効果がより顕著となる。
一態様では前記製造方法はさらに、前記炭素粒子が前記溶媒に加えられるまでは、前記炭素粒子の温度を、前記加湿雰囲気の温度未満であるようにすることを有する。
上述したように、電極触媒層の製造では、触媒物質を担持した炭素粒子つまり触媒粒子と高分子電解質とが互いに混合される前に、炭素粒子が大気圧下で加熱される場合がある。この点、上記の態様によれば、炭素粒子が溶媒に加えられるまで、炭素粒子の温度が加湿温度未満に保たれる。そのため、加湿後の触媒粒子の含水率が低くなることを抑えることができる。ひいては加湿による上記の効果が低くなることを抑えられる。
一態様では前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことは、80℃以上130℃以下の温度を有する前記加湿雰囲気に、前記炭素粒子を曝すことを有する。
上記態様によれば、加湿雰囲気の温度が80℃以上130℃以下である。よって、たとえば加湿雰囲気の温度が室温であるような場合と比べて、加湿雰囲気における飽和蒸気圧を高めることが可能になる。それゆえに、たとえば加湿雰囲気の温度が室温であるような場合と比べて、触媒粒子の含水率を所定値にまで高めるための加湿時間を短くすることが可能である。
一態様では前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことは、90%RH以上100%RH未満の相対湿度を有する前記加湿雰囲気に、前記炭素粒子を曝すことを有する。
上記態様によれば、加湿雰囲気の相対湿度が90%RH以上100%RH未満である。たとえば前記相対湿度が90%RHに満たない場合と比べて、触媒粒子の含水率を所定値にまで高めるための加湿時間を短くすることが可能である。
一態様では前記製造方法はさらに、前記加湿雰囲気に曝す前記炭素粒子として、JIS K 6217−2を用いて測定された200m/g以上1500m/g以下の比表面積の炭素粒子を用意することを有する。
上記態様によれば、加湿雰囲気において触媒粒子が有する微細孔が含水されやすくなる。ひいては膜電極接合体におけるガスの拡散性が適切な範囲に保たれる。
本開示によって提供される触媒インクの製造方法は、前記触媒粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させることで、触媒インクを生成することと;前記触媒物質を担持した前記炭素粒子である触媒粒子の重量に対する、前記高分子電解質の重量の比である重量比率を、0.04以上3.00以下にすることとを有する。
上記態様によれば、上記加湿による効果が重量比率の差異によってバラつくことを所定範囲に抑えることが可能となる。
本開示によって提供される触媒粒子は、触媒物質と、前記触媒物質を担持した炭素粒子とからなり、前記触媒粒子の含水率は4.8質量%以上11.4質量%以下である。
このような触媒粒子の含水率は、触媒粒子と高分子電解質とが互いに混合される前に、触媒粒子が加湿雰囲気に曝されることで実現される。そしてこのような含水率を有する触媒粒子と高分子電解質とが溶媒に分散されると、触媒粒子の表面と高分子電解質との親和性が高まる。それゆえに、触媒粒子と高分子電解質とが分散した触媒インクにおいて、炭素粒子と高分子電解質との均一性が高められる。ひいては電極触媒層において触媒物質の利用効率が高まるし、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めることも可能となる。
一態様ではJIS K 6217−2を用いて測定された前記触媒粒子の比表面積は、200m/g以上1500m/g以下である。
上記態様によれば、加湿雰囲気において触媒粒子が有する微細孔が含水されやすくなる。ひいては膜電極接合体におけるガスの拡散性が適切な範囲に保たれる。
本開示によって提供される触媒インクは、前記触媒粒子と、高分子電解質とが溶媒に分散された触媒インクであって、前記触媒粒子の重量に対する、前記高分子電解質の重量の比である重量比率は、0.04以上3.00以下である。
上記態様によれば、上記加湿による効果が重量比率の差異によってバラつくことを、所定範囲に抑えることが可能となる。
本開示によって提供される燃料電池用の電極触媒層の製造方法は、上記触媒粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させることで、触媒インクを生成することと;前記触媒インクを基材に塗布して前記基材に電極触媒層を形成することとを有する。
上記態様によれば、触媒担持量が少なくても、触媒粒子と高分子電解質とが互いに混合される前に炭素粒子が加湿雰囲気に曝されることで、炭素粒子の表面と高分子電解質との親和性が高まる。
本開示によって提供される固体高分子形燃料電池の膜電極接合体の製造方法は、上記電極触媒層を、燃料極と空気極とのうちの少なくとも空気極を構成するために用いて、膜電極接合体を形成することを有する。
一般に燃料電池では、燃料極における反応の反応障壁よりも、空気極における反応の反応障壁の方が大きい。このため、空気極における反応の活性の方が、電極反応の進行に与える影響が大きい。この点、上記態様によれば、空気極の電極触媒層において触媒物質の利用効率が高まるため、少なくとも空気極における反応が活性化される。その結果、たとえば燃料極の一部を構成する電極触媒層のみが事前の加湿を経て製造されるような場合と比較して、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めることが可能となる。
本開示によって提供される固体高分子形燃料電池の製造方法は、上記膜電極接合体を用いて、前記膜電極接合体と、前記膜電極接合体を間に挟む一対のセパレーターとを有する固体高分子形燃料電池を形成することを有する。
このような固体高分子形燃料電池では、出力電圧を効率的に高めることが可能となる。
本開示における燃料電池用の電極触媒層の製造方法を具体化した一実施形態の各工程の流れを示すフローチャート。 図1の製造方法における触媒粒子の状態を示す模式図であり、図2(a)は担持工程における触媒粒子の状態を示す模式図、図2(b)は加湿工程(加湿処理)における触媒粒子の状態を示す模式図、図2(c)は分散工程における触媒粒子の状態を示す工程図。 図1の製造方法によって製造された電極触媒層を有する固体高分子形燃料電池の出力電圧を、比較例の出力電圧と共に示す棒グラフ。 さらなる実施例と比較例の出力電圧を、触媒担持量の観点で示す折れ線グラフ。 固体高分子形燃料電池の内部構造を示す分解斜視図。
図1〜図5は、本開示を具体化した一実施形態に係る触媒粒子、触媒インク、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池を説明する。さらにそれらの製造方法を説明する。本実施形態における固体高分子形燃料電池は、高性能な電極触媒層を有するため、部品の中では電極触媒層を主に説明する。本開示の技術は、以下に記載する実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づく設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本開示の実施形態の範囲に含まれる。はじめに固体高分子形燃料電池の概要を説明する。
図5に示すように、固体高分子形の燃料電池50は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly(MEA))56と、当該膜電極接合体56の両面を挟持する一対のセパレーター57A,57Fとを有する。膜電極接合体56は、高分子電解質膜51と、高分子電解質膜51を挟んで互いに向い合うカソードとしての空気極54と、アノードとしての燃料極55とを有する。空気極54は、高分子電解質膜51の一方の面に接合される電極触媒層52Aと、この電極触媒層52Aに接合されるガス拡散層53Aとを有する。燃料極55は、高分子電解質膜51の残りの面に接合される電極触媒層52Fと、この電極触媒層52Fに接合されるガス拡散層53Fとを有する。セパレーター57A,57Fのうち、それぞれ膜電極接合体56に向かう面には溝状のガス流路58A,58Fがストライプ状に形成され、膜電極接合体56とは反対に向かう面には、ガス流路58A,58Fとは直交するストライプの溝状の冷却水通路59A,59Fが形成されている。
上述した固体高分子形燃料電池50では、冷却水通路59A,59Fに冷却水が流され、空気極54のガス流路58Aには、たとえば酸素ガスが流される。燃料極55のガス流路58Fには、たとえば水素ガスが流される。触媒の存在下で酸素ガスと水素ガスとが電極反応を進めることによって、一対のガス拡散層53A,53Fの間に起電力が生成する。
図1に示すように、固体高分子形燃料電池50に用いられる膜電極接合体56の製造方法は、ステップS11としての担持工程、ステップS12としての加湿工程、ステップS13としての分散工程、ステップS14としての成膜工程、およびステップ15としての接合工程をこの順に含む。このうちステップS11〜S14は、電極触媒層52A,52Fの製造方法を示す。ステップS11〜S12は、所望の含水率を有する触媒粒子の製造方法を示し、ステップS11〜S13は触媒インクの製造方法を示す。
[ステップS11の担持工程]
図2(a)に示すように、まずステップS11の担持工程では炭素粒子P1が、金属元素からなる触媒物質P2を担持する。たとえば触媒物質P2を構成する金属元素からなる金属塩と、炭素粒子の前駆体とが互いに混合されることで混合物が生成される。その後、前記混合物が焼成されることで、炭素粒子P1が触媒物質P2を担持する。以下、触媒物質P2を担持した炭素粒子P1を、炭素粒子担持炭素体つまり担持炭素体ということがあり、担持炭素体は触媒粒子P3である。つまり触媒粒子P3は、たとえば触媒物質P2と炭素粒子P1とを含む溶液が焼成されることで形成される。
炭素粒子P1は、炭素が構成元素となりかつ導電性を有した微粒子であり、触媒物質P2に侵されないものであればよく、黒鉛質炭素、炭素繊維、カーボンナノチューブ、ナノホーン、フラーレンが好適に用いられる。炭素粒子P1の粒径は、10nm以上1μm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。たとえば炭素粒子P1の粒径が10nm未満であるような場合には、電子伝導のパスが形成され難く、反対に、たとえば炭素粒子P1の粒径が1μmを超えるような場合には、電極触媒層52A,52Fにおけるガスの拡散性が低下し、触媒物質P2の利用率が低下してしまう。
触媒物質P2は、燃料電池50における電池反応(電極反応)の反応速度を速める物質であり、たとえば白金や白金合金が用いられる。白金合金に含まれる金属元素には、パラジウム、ルテニウム、モリブデンなどが用いられ、特にルテニウムが好適に用いられる。白金合金には、タングステン、スズ、レニウムなどが添加金属として含まれていてもよい。このような添加合金が添加された白金合金は、たとえば添加合金が添加されていないような白金合金と比べて、一酸化炭素の耐被毒性が高まる。白金合金に添加される添加金属は、白金合金における金属間化合物として存在してもよく、あるいは合金を形成してもよい。触媒物質P2の粒径は、0.5nm以上20nm以下が好ましく、1nm以上5nm以下がより好ましい。たとえば触媒物質P2の粒径が20nmを超えるような場合には、触媒物質P2の活性が低下し、反対にたとえば触媒物質P2の粒径が0.5nm未満であるような場合には、触媒物質P2の安定性が低下してしまう。
[ステップS12の加湿工程]
次いでステップS12の加湿工程つまり加湿処理では、図2(b)に示すように、触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3が、加湿雰囲気Mに曝される。たとえば所定相対湿度、温度、及び圧力であるように管理された加湿雰囲気Mを有する恒温槽内に触媒粒子P3が搬入され、前記触媒粒子P3が所定時間だけ加湿雰囲気Mに曝される。これによって、触媒粒子P3の表面及び内部の含水率が高まる。図2(b)は、触媒粒子P3が含水したことを点模様のハッチングで示す。
日本工業規格JIS K 6217−2を用いて測定された触媒粒子P3の比表面積は、200m/g以上1500m/g以下であるとよい。比表面積が200m/g以上であれば、触媒粒子P3が有する微細孔は、ステップS12の加湿工程において含水しやすくなる。比表面積が1500m/g以下であれば、膜電極接合体56のガスの拡散性が適切な範囲に保たれる。
JIS K 6217−2は、「ゴム用カーボンブラック ―基本特性― 第2部: 比表面積の求め方―窒素吸着法―単点法」(Carbon black for rubber industry―Fundamental characteristics― Part2:Determination of specific surface area− Nitrogen adsorption method―Single−point procedures―)を規定する。JIS K 6217−2は、ISO 4652−1:1994, Rubber compounding ingredients―Carbon black― Determination of specific surface area by nitrogen adsorption methods−Part1:Single−point proceduresを基礎として用いている。
炭素粒子P1に触媒物質P2を担持させるステップS11の担持工程では、触媒物質P2と炭素粒子P1とを含む溶液が加熱されることで蒸発乾固した結果、炭素粒子P1の表面に触媒物質P2が析出する場合がある。仮にステップS11の担持工程が、ステップS12の加湿工程の後に行われるような場合には、ステップS12で加湿後の触媒粒子P3の含水率が、ステップS11での炭素粒子P1の加熱に応じて低下することもありうる。しかし本実施形態では、ステップS11で炭素粒子P1が触媒物質P2を担持した後に、ステップS12で炭素粒子P1が加湿される。したがって、仮にステップS11の担持工程で炭素粒子P1が加熱されても、ステップS12を経た炭素粒子P1の含水率は減少しにくい。
触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3に結露が発生しないように、また炭素粒子P1が収容される収容室内に結露が発生しないように、加湿雰囲気Mの温度としての加湿温度では、水蒸気圧が飽和水蒸気圧よりも小さいことが好ましい。仮に炭素粒子P1や触媒粒子P3に結露が発生したり、炭素粒子P1が収容される収容室内に結露が発生したりすると、触媒粒子P3ごとの含水率にバラツキが生じてしまう。
加湿雰囲気Mの温度は、40℃以上130℃以下が好ましく、且つ加湿雰囲気Mの相対湿度は、60%RH以上100%RH未満であることが好ましい。より好ましくは、加湿雰囲気Mの温度が80℃以上130℃以下、且つ相対湿度RHが90%以上100%RH未満であると良い。加湿温度が室温よりも高まると、加湿雰囲気Mにおける飽和水蒸気圧が高まる。よって、たとえば加湿温度が室温である場合や、あるいは室温よりも低いような場合と比べて、加湿温度が室温よりも高いと、触媒粒子P3の含水率を所定値に高めるまでの時間を短くすることが可能になる。炭素粒子P1が加湿雰囲気Mに曝されて以後、炭素粒子P1が溶媒に加えられるまでは、上述の加湿温度が最高温度であることが好ましい。こうした温度推移であれば、炭素粒子P1が溶媒に加えられるまでは、炭素粒子P1の温度が加湿温度未満に保たれる。このため、加湿工程後の炭素粒子P1の含水率が低くなることを抑えることが可能となる。
触媒粒子P3の質量のうち、触媒粒子P3に含まれる水の質量の割合を含水率(質量%)とする。触媒粒子P3の含水率を単位量だけ増加するために必要とされるステップS12の加湿工程の工程時間は、触媒粒子P3の含水率が高くなるほど長くなる。上述した粒径における触媒粒子P3の含水率は、20質量%程度で概ね飽和する。そのため、炭素粒子P1が加湿雰囲気Mに曝される時間は、触媒粒子P3の含水率を4.8質量%以上20質量%以下にする時間であることが好ましく、4.8質量%以上11.4質量%以下にする時間がより好ましい。たとえば加湿雰囲気Mの温度が80℃以上130℃以下、且つ相対湿度が90%RH以上100%RH未満である場合には、炭素粒子P1が加湿雰囲気Mに曝される時間は20時間以上100時間以下であることが好ましい。
触媒粒子P3と高分子電解質PEとが互いに混合される前に炭素粒子P1が加湿雰囲気Mに曝されることで、炭素粒子P1の表面と高分子電解質PEとの親和性が高まる。したがって炭素粒子P1に担持される触媒物質P2の担持量は、0.1mg/cm以上0.3mg/cm以下程度の範囲、より詳細には0.17mg/cm以上0.22mg/cm以下の範囲とすることができる。よって、より少ない触媒物質P2の担持量でも固体高分子形燃料電池50の所望の出力電圧を得ることができる。すなわち、触媒粒子P3と高分子電解質PEとが互いに混合される前に炭素粒子P1が加湿雰囲気Mに曝されることで、炭素粒子P1に担持される触媒物質P2の担持量が少なくても固体高分子形燃料電池50の出力電圧を高めることができる。
[ステップS13の分散工程]
次いでステップS13の分散工程では、図2(c)に示すように、ステップS12の加湿工程を経た触媒粒子P3と、高分子電解質PEとがインク溶媒Sに分散されることで、触媒インクが生成される。つまり本実施形態では、触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3と、高分子電解質PEとがステップS13で互いに混合される前に、ステップS12で触媒粒子P3が加湿雰囲気Mに曝される。このため、たとえばこうした加湿工程つまりステップS12が触媒粒子P3に施されないような方法と比べて、触媒粒子P3の表面と高分子電解質PEとの親和性が高まる。それゆえに本実施形態によれば、触媒物質P2を担持した炭素粒子P1と、高分子電解質PEとが分散した触媒インクにおいて、触媒粒子P3と高分子電解質PEとの均一性が高まる。触媒インクの生成に際しては、触媒インクの粘度を所定値に調整すべく、また触媒インク中の粒子のサイズを所定値に調整すべく、分散機を用いた分散処理が必要に応じて行われる。分散処理には、たとえばボールミルやロールミルを用いた処理、剪断ミルを用いた処理、湿式ミルを用いた処理、超音波分散機を用いた処理、遠心力で攪拌を行うホモジナイザーなどを用いた処理などが挙げられる。
高分子電解質PEには、プロトン伝導性を有する高分子材料が用いられ、たとえばフッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質が用いられる。フッ素系高分子電解質には、たとえばデュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)が用いられる。なかでも、固体高分子形燃料電池50の出力電圧を高めるうえでは、デュポン社製NAFION(登録商標)が好適に用いられる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。
インク溶媒Sとしては、炭素粒子P1、触媒物質P2、及び高分子電解質PEのいずれをも浸食しない溶媒であり、かつ流動性を有した状態で高分子電解質PEを溶解するか、または微細ゲルとして高分子電解質PEを分散させる溶媒が用いられる。こうしたインク溶媒Sには、揮発性の有機溶媒が含まれることが好ましい。インク溶媒Sに含まれる有機溶媒には、たとえばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤;その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどの極性溶剤;あるいはこれらの溶剤のうち二種以上が互いに混合された溶媒が用いられる。上記有機溶媒として低級アルコールが用いられる場合には、インク溶媒Sの発火温度を高めるうえで、インク溶媒Sを水との混合溶媒とすることが好ましい。高分子電解質PEとの親和性を高めるうえでも、たとえば高分子電解質PEがインク溶媒Sから分離して白濁が生じたり、高分子電解質PEがゲル化したりはしない程度に、インク溶媒Sが水を含むことが好ましい。
触媒インクの中には、固形分として、触媒粒子P3や高分子電解質PEが含まれる。仮にこうした固形分の含有量が過大になると、触媒インクの粘度が高くなり、電極触媒層52A,52Fの表面にクラックが生じやすくなる。反対に、固形分の含有量が過小になると、電極触媒層52A,52Fの成膜速度が遅くなり、電極触媒層52A,52Fの生産性が低下してしまう。そのため、電極触媒層52A,52Fの表面にクラックが生じないことと、電極触媒層52A,52Fの成膜速度が確保されることとを満たすために、触媒インクの粘度は、0.1mPa・s〜0.5Pa・s(0.1cP〜500.0cP)程度が好ましく、また5.0mPa・s〜0.1Pa・s(5.0cP〜100.0cP)がより好ましい。触媒インクにおける固形分の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
一方、固形分の含有量が互いに等しい触媒インク同士であっても、触媒インクにおける炭素粒子P1(触媒粒子P3)の割合が大きくなるほど触媒インクの粘度は高くなり、反対に触媒インクにおける炭素粒子P1の割合が小さくなるほど、触媒インクの粘度は低くなる。そのため、固形分における炭素粒子P1の濃度は、10質量%以上80質量%以下が好ましい。触媒インクにおける固形分の含有量の調整と、固形分における炭素粒子P1の濃度の調整との他にも、上記分散処理の際に触媒インクに分散剤が添加されることで、触媒インクの粘度を所定値に調整することも可能である。触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3に対する高分子電解質PEの重量比率は、0.04以上3.00以下であることが好ましい。このような範囲の重量比率であれば、上述した特徴を満たすことが容易である。さらに、たとえばこうした重量比率の差異の影響で上記加湿工程による効果がバラつくようなことを、所定範囲内に抑えられる。
上述した触媒粒子P3、高分子電解質PE、及びインク溶媒Sの他、触媒インクには造孔剤が含まれても良い。形成後の電極触媒層52A,52Fから造孔剤が除去されることで、電極触媒層52A,52Fに細孔を形成する。こうした造孔剤としては、たとえば酸やアルカリや水に溶解する物質、ショウノウなどのように昇華する物質、熱分解する物質などが用いられる。温水に溶解する物質が造孔剤として用いられてもよい。つまり固体高分子形燃料電池50の発電時に発生する水によって、造孔剤が除去される態様であってもよい。酸やアルカリや水に溶解する造孔剤としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの酸可溶性無機塩類;アルミナ、シリカゲル、シリカゾルなどのアルカリ水溶液に可溶性の無機塩類;アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、鉄などの酸またはアルカリに可溶性の金属類;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸−ナトリウムなどの水溶性無機塩類;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの水溶性有機化合物類;あるいはこれらの二種以上が互いに混合された造孔剤が用いられる。
[ステップS14の成膜工程]
次いでステップS14の成膜工程では、上記触媒インクが基材上に塗布され、触媒インクの乾燥工程を経ることで電極触媒層52A,52Fが形成される。先に行われたステップS12の加湿工程とステップS13の分散工程とによって触媒粒子P3と高分子電解質PEとの均一性が高められているため、電極触媒層52A,52Fでも同じく、触媒粒子P3と高分子電解質PEとの均一性が高まることになる。基材には、高分子電解質膜51、ガス拡散層53A,53F、及び転写シートのうちの少なくとも一つが用いられる。基材として転写シートが用いられる場合には、転写シートにそれぞれ形成された電極触媒層52A,52Fが、高分子電解質膜51の両面に接合される。その後、電極触媒層52A,52Fから転写シートが剥がされる。一方、高分子電解質膜51及びガス拡散層53A,53Fのうちの少なくとも一つが基材として用いられる場合には、電極触媒層52A,52Fから基材を剥離する工程がそもそも不要である。
高分子電解質膜51は、プロトン伝導性を有する高分子膜であり、高分子電解質膜51の材料には、たとえばフッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、たとえばデュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)を用いることができる。なかでも、固体高分子形燃料電池50の出力電圧を高めるうえでは、デュポン社製NAFION(登録商標)を好適に用いることができる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。電極触媒層52A,52Fと高分子電解質膜51との密着性を確保するうえでは、電極触媒層52A,52Fと高分子電解質膜51とが同一の材料から形成されていることが好ましい。
ガス拡散層53A,53Fは、ガス拡散性と導電性とを有する材料からなるシートであり、たとえばカーボンクロス、カーボンペーパー、不織布などのポーラスカーボン材が用いられる。ガス拡散層53A,53Fが基材として用いられる場合には、触媒インクが塗布されるガス拡散層53A,53Fの塗布面に、予め目処め層が形成されていることが好ましい。目処め層は、触媒インクがガス拡散層53A,53Fの中に染み込むことを抑える層である。触媒インクの塗布量が少ない場合には、目処め層上に触媒インクが堆積することで目処め層が三相界面を形成するため、特に好ましい。このような目処め層には、たとえば炭素粒子が分散したフッ素系樹脂溶液が、フッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結されることで形成された層が用いられる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
転写シートは、電極触媒層52A,52Fを剥離可能な材料からなるシートであり、たとえばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂が用いられる。ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子シート、高分子フィルムも転写シートの一例として用いられる。
触媒インクを基材に塗布する塗布方法には、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などが用いられる。これらのうち、加圧スプレー法、超音波スプレー法、静電噴霧法などのスプレー法が好ましく、こうした方法によれば、塗工された触媒インクが乾燥する際に触媒インクの凝集が起こり難いため、空孔率の高い均質な電極触媒層52A,52Fを得ることが可能となる。
[ステップS15の接合工程]
次いでステップS15の接合工程では、高分子電解質膜51の両面に電極触媒層52A,52Fが接合され、さらに電極触媒層52A,52Fの上にガス拡散層53A,53Fが接合されることで、膜電極接合体56が形成される。
まず上記製造方法によって製造された2つの電極触媒層52A,52Fが、高分子電解質膜51の両面を挟み込んで向き合うように、2つの電極触媒層52A,52Fと高分子電解質膜51とが位置合わせして配置される。
たとえば上述した基材として高分子電解質膜51が用いられる場合には、前記高分子電解質膜51の両面に既に電極触媒層52A,52Fが形成されているので、既に上述の配置が実現される。続いて、高分子電解質膜51の両面に電極触媒層52A,52Fの上からガス拡散層53A,53Fが配置され、これらが加熱及び加圧されることで一つの膜電極接合体56が形成される。
あるいは、上述した基材としてガス拡散層53A,53Fが用いられる場合には、電極触媒層52A,52Fが形成された一対のガス拡散層53A,53Fの間に、高分子電解質膜51が配置される。そしてこれらが加熱及び加圧されることで一つの膜電極接合体56が形成される。
あるいは、上述した基材として転写シートが用いられる場合には、高分子電解質膜51の両面に、電極触媒層52A,52Fが形成された転写シートが配置され、まずこれらが加熱及び加圧されることで膜構造体が形成される。次いで膜構造体から転写シートが剥がされることで、電極触媒層52A,52Fを有する高分子電解質膜51が得られる。この高分子電解質膜51の両面を挟むようにガス拡散層53A,53Fが配置され、そしてガス拡散層53A,53F及び高分子電解質膜51が加熱及び加圧されることで、一つの膜電極接合体56が形成される。
[固体高分子形燃料電池50の製造方法]
上記のようにして形成された膜電極接合体56が、一対のセパレーター57A,57Fで挟持されることで固体高分子形燃料電池50が製造される。セパレーター57A,57Fには、たとえばカーボンタイプあるいは金属タイプが用いられる。セパレーター57A,57Fは、ガス拡散層53A,53Fと予め一体的に構成されてもよい。セパレーター57A,57Fまたは電極触媒層52A,52Fが、ガス拡散層53A,53Fと同じくガスの拡散機能を有する場合には、ガス拡散層53A,53Fが省略されてもよい。
上述した電極触媒層52A,52Fの製造方法及び固体高分子形燃料電池50の製造方法について、以下に挙げる具体的な実施例及び比較例が説明される。実施例1〜実施例4および比較例1の測定結果を、表1と図3に示す。
(実施例1)
[ステップS12の加湿工程]
触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3として、白金担持カーボン(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を用いる。温度が80℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧となる加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、触媒粒子P3を加湿雰囲気Mに100時間曝した。実施例1の触媒粒子P3の含水率を、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)によって計測した。この際、まず実施例1の触媒粒子P3を窒素雰囲気の室温下で1時間保持し、その後に実施例1の触媒粒子P3の重量を初期重量として計測した。次いで触媒粒子P3を1℃/分の昇温速度で180℃まで昇温させ、触媒粒子P3を180℃で5時間保持した後、触媒粒子P3の重量と先の初期重量との差分から含水率を算出した。
[ステップS13の分散工程]
次に、高分子電解質PE及びインク溶媒Sとして、20質量%の高分子電解質溶液であるナフィオン(登録商標、デュポン社製)を用い、高分子電解質溶液と実施例1の触媒粒子P3とを遊星ボールミル(商品名:P−7、フリッチュ・ジャパン社製)を用いて分散することで触媒インクを得た。この際、ボールミルのポット及びボールにはジルコニア製のものを用いた。触媒粒子P3の質量と高分子電解質PEの質量との比が1:0.8になるように、触媒粒子P3と高分子電解質PEとの組成を調整した。超純水の体積と1−プロパノールの体積との比が1:1になるように、インク溶媒Sの組成を調整した。
[ステップS14の成膜工程]
次いで実施例1の触媒インクを、ドクターブレード法によって転写シートに塗布した。転写シート上に塗布された触媒インクを、温度が80℃の大気雰囲気中で5分間乾燥させることで実施例1の電極触媒層52A,52Fを得た。この際、触媒物質P2の担持量が0.4mg/cmになるように、電極触媒層52A,52Fの厚さを調節した。
[ステップS15の接合工程]
続いて、高分子電解質膜51としてナフィオン(登録商標)212(デュポン社製)を用い、5cmの正方形状に打ち抜かれた実施例1の電極触媒層52A,52Fと、高分子電解質膜51の両面とが互いに向い合うように、2つの転写シートと高分子電解質膜51とを配置した。その後、これら2つの転写シートで挟まれた高分子電解質膜51を、130℃に加熱するとともに加圧下で10分間保持するホットプレスを行った。さらに、ガス拡散層53A,53Fとして目処め層が形成された2つのカーボンクロスを用い、実施例1の膜電極接合体56の両面に一対のカーボンクロスを配置し、これらを一対のセパレーター57A,57Fで挟持することで、実施例1における単セルの固体高分子形燃料電池50を得た。燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製APMT−02)を用い、実施例1の固体高分子形燃料電池50のI−V特性を計測した。この際、燃料ガスとして純水素を用い、酸化剤ガスとして空気を用い、参照電極として可逆水素電極(RHE)を用い、0.5A/cm出力時の出力電圧を計測した。実施例1の触媒粒子P3の含水率を表1に示し、実施例1の固体高分子形燃料電池50における出力電圧の測定結果を図3に示す。
(実施例2)
温度が80℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに白金担持カーボンつまり触媒粒子P3を20時間曝した。その後、実施例1と同様の工程を経て、実施例2の電極触媒層52A,52F及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(実施例3)
温度が130℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに触媒粒子P3を20時間曝することでステップS12の加湿工程を行った。その後、実施例1と同様の工程を経て、実施例3の電極触媒層52A,52F及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(実施例4)
温度が40℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに触媒粒子P3を1時間曝することでステップS12の加湿工程を行った。その後、実施例1と同様の工程を経て、実施例4の電極触媒層52A,52F及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(比較例1)
上述したステップS12の加湿工程を行うことなく、それ以外の工程を実施例1と同じくして、比較例1の電極触媒層及び固体高分子形燃料電池を得た。
Figure 0006070564
表1に示すように、実施例1〜4の含水率は、いずれも比較例1の4.1%よりも大きいことが認められた。炭素粒子P1が加湿雰囲気Mに曝される時間が長いほど触媒粒子P3の含水率が大きいことと;加湿雰囲気Mの温度が高いほど触媒粒子P3の含水率が大きいこととが認められた。図3に示すように、実施例1〜4の出力電圧は、いずれも比較例1の0.632(V)よりも大きいことと;触媒粒子P3の含水率が大きいほど出力電圧が大きいこととが認められた。
すなわち上記のステップS12の加湿工程を経ることで、触媒粒子P3の含水率は比較例1の4.1%よりも大きいことと;触媒粒子P3の含水率が4.8質量%以上11.4質量%以下の範囲において固体高分子形燃料電池50の出力電圧が高まることとが認められた。触媒粒子P3(炭素粒子P1)が加湿雰囲気Mに曝される時間が長いほど、触媒粒子P3の含水率が大きくなることと;それに伴い固体高分子形燃料電池50の出力電圧が高まることとが認められた。触媒粒子P3(炭素粒子P1)が加湿雰囲気Mに曝される時間が同じであれば、加湿雰囲気Mの温度が高いほど、触媒粒子P3の含水率が大きくなることと;それに伴い固体高分子形燃料電池50の出力電圧が高まることとも認められた。とくに加湿雰囲気Mの温度が80℃以上130℃以下であれば、20時間程度の加湿によって、固体高分子形燃料電池50の出力電圧が十分に高まることが認められた。これらの事象は、触媒インク中における触媒粒子P3(炭素粒子P1や触媒物質P2)及び高分子電解質PEの均一性が、上記のステップS12の加湿工程によって高まることを示唆する。
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることが可能である。
(1)触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3と、高分子電解質PEとがステップS13で互いに混合される前に、ステップS12で触媒粒子P3(炭素粒子P1)が加湿雰囲気Mに曝される。このため、たとえばこうした加湿工程が触媒粒子P3(炭素粒子P1)に施されないような方法と比べて、触媒粒子P3(炭素粒子P1)の表面と高分子電解質PEとの親和性が高まる。それゆえに触媒インクにおいて、触媒粒子P3と高分子電解質PEとの均一性が高まる。ひいては電極触媒層52A,52Fにおいて、触媒物質P2の利用効率が高まる。つまり上記製造方法によって製造された電極触媒層52A,52Fを有する固体高分子形燃料電池50の、出力電圧が高まる。
(2)ステップS13で触媒インクを製造する際には、触媒粒子P3(炭素粒子P1)の表面と高分子電解質PEとの親和性がステップS12の加湿工程によって予め高められている。このため、触媒粒子P3(炭素粒子P1)と高分子電解質PEとの均一性を高めるためのステップS13の分散処理の処理時間を短くすることが可能である。あるいはステップS13の分散処理そのものを省くことが可能である。
(3)ステップS11で炭素粒子P1が触媒物質P2を担持した後に、ステップS12で炭素粒子P1が加湿される。このため、仮にステップS11の触媒物質P2の担持工程で炭素粒子P1が加熱されるとしても、ステップS12を経た触媒粒子P3(炭素粒子P)1が奏する加湿による効果は減少しない。むしろ、ステップS11の担持工程で触媒粒子P3(炭素粒子P1)が加熱される場合には、たとえばステップS11で触媒粒子P3(炭素粒子P1)が加熱されないような場合と比べて、ステップS11の触媒粒子P3の含水率がそもそも低いことがある。このため上記(1),(2)の効果、つまりステップS12の加湿工程を経ることで得られる効果がより顕著となる。
(4)ステップS13で炭素粒子P1がインク溶媒Sに加えられるまで、触媒粒子P3(炭素粒子P1)の温度が加湿温度未満に保たれる。そのため、たとえばステップS12での加湿工程後の炭素粒子P1の含水率が低くなるようなことを、抑えることができる。ひいては、加湿工程によって得られる上記(1)〜(3)の効果が低くなるようなことを、抑えられる。
(5)触媒粒子P3の含水率を、4.8質量%以上11.4質量%以下に設定することが可能である。よって、上記のステップS12の加湿工程による効果のバラツキを所定範囲内に抑えられる。触媒粒子P3の含水率を11.4質量%以下に設定するので、触媒粒子P3(炭素粒子P1)を加湿雰囲気Mに曝す処理の時間が過大になることを抑えることができる。ひいては、たとえば加湿工程を行うことで電極触媒層52A,52Fの生産性が低下するようなことを、抑えられる。
(6)加湿雰囲気Mの温度が、80℃以上130℃以下である。よって、たとえば加湿雰囲気Mの温度が室温であるような場合と比べて、加湿雰囲気Mにおける飽和蒸気圧を高めることが可能になる。それゆえに、たとえば加湿雰囲気Mの温度が室温であるような場合と比べて、触媒粒子P3の含水率を所定値にまで高めるための加湿時間を短くすることが可能となる。
(7)加湿雰囲気Mの相対湿度が、90%RH以上100%RH未満である。よって、たとえば相対湿度が90%RHに満たないような場合と比べて、触媒粒子P3の含水率を所定値にまで高めるための加湿時間を短くすることが可能となる。
(8)触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3に対する、高分子電解質PEの重量比率は、0.04以上3.00以下である。従って、たとえば重量比率の差異の影響で上記加湿工程による効果がバラつくようなことを、所定範囲内に抑えることが可能となる。
(9)日本工業規格JIS K 6217−2を用いて測定された触媒粒子P3の比表面積が200m/g以上1500m/g以下であれば、触媒粒子P3が有する微細孔は、含水しやすくなる。また膜電極接合体56におけるガスの拡散性は、適切な範囲に保たれる。
さらなる実施例と比較例の測定結果を、表2と図4に示す。
(実施例11)
温度が130℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、白金担持カーボン(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)としての触媒粒子P3を加湿雰囲気Mに10時間曝した。その後、実施例1と同様の工程を経て、実施例11の電極触媒層52A,52F及び固体高分子形燃料電池50を得た。
実施例11では、0.3A/cm出力時と0.5A/cm出力時との出力電圧をそれぞれ計測し、測定結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例11と同様の加湿工程,分散工程,および成膜工程を経て空気極54用の電極触媒層52Aを得た。一方、ステップS12の加湿工程を行わずに、実施例11と同様の分散工程と成膜工程を経て燃料極55用の電極触媒層52Fを得た。こうして得られた空気極54用の電極触媒層52Aと、燃料極55用の電極触媒層52Fとを用い、実施例11と同様の接合工程を経て、実施例12の膜電極接合体56を得た。電極触媒層52Aが配された面を空気極54とし、電極触媒層52Fが配された面を燃料極55として、実施例12の固体高分子形燃料電池50を得た。実施例11と同様に出力電圧を測定した。
(実施例13)
ステップS12の加湿工程を行わずに、実施例11と同様の分散工程と成膜工程を経て空気極54用の電極触媒層52Aを得た。一方、実施例11と同様の加湿工程,分散工程,および成膜工程を経て、燃料極55用の電極触媒層52Fを得た。こうして得られた電極触媒層52Aと電極触媒層52Fを用い、実施例11と同様の接合工程を経て、実施例13の膜電極接合体56を得た。
(実施例14)
温度が80℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに白金担持カーボンである触媒粒子P3を20時間曝すことでステップS12の加湿工程を行った。その後、実施例11と同様の工程を経て、実施例14の膜電極接合体56及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(実施例15)
温度が40℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに触媒粒子P3を10時間曝すことでステップS12の加湿工程を行った。その後、実施例11と同様の工程を経て、実施例15の膜電極接合体56及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(比較例2)
空気極54用の電極触媒層52Aと、燃料極55用の電極触媒層52Fとの双方を、ステップS12の加湿工程を行うことなく、それ以外の工程を実施例11と同じくすることで製造した。そして比較例2の膜電極接合体と固体高分子形燃料電池を得た。
(実施例16)
上記の実施例や比較例では、触媒物質P2の担持量つまり白金担持量が0.4mg/cmであった。しかし実施例16では、触媒物質P2の担持量を0.22mg/cmにした。たとえばステップS14の製膜工程での電極触媒層52A,52Fの厚さを調節することで、触媒物質P2の担持量を変更した。ステップS12の加湿工程では、実施例11と同様に温度が130℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに触媒粒子P3を10時間曝した。その後、実施例11と同様の工程を経て、実施例16の膜電極接合体56及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(実施例17)
触媒物質P2の担持量を実施例16よりも減らし、0.17mg/cmにした。ステップS12の加湿工程では、実施例16と同様に温度が130℃、相対湿度が90%RH、圧力が大気圧である加湿雰囲気Mを恒温槽内に形成し、加湿雰囲気Mに触媒粒子P3を10時間曝した。その後、実施例16と同様の工程を経て、実施例17の膜電極接合体56及び固体高分子形燃料電池50を得た。
(比較例3)
触媒物質P2の担持量を、比較例2よりも減らして0.30mg/cmにした。他の工程は比較例2と同様にした。つまり空気極54用の電極触媒層52Aと、燃料極55用の電極触媒層52Fとの双方を、ステップS12の加湿工程を行わずに製造した。そして比較例3の膜電極接合体と固体高分子形燃料電池を得た。
Figure 0006070564
表2に示すように、実施例11〜13の出力電圧は、0.3A/cm出力時と0.5A/cm出力時とのいずれの場合においても、比較例2よりも大きいことが認められた。すなわち上記のステップS12の加湿工程によれば、固体高分子形燃料電池50の出力電圧が高まることが認められた。これは、加湿工程によって触媒粒子P3の含水率が高まる結果、触媒インク中における触媒粒子P3及び高分子電解質の均一性が高まることを示唆する。
実施例11,14,15を比較すると、加湿雰囲気Mの温度が高いほど出力電圧が高まることも認められた。これは、加湿雰囲気Mの温度が高いほど触媒粒子P3の含水率が高まることを示唆する。
実施例12,13を比較すると、実施例12の出力電圧が、実施例13の出力電圧よりも大きいことが認められた。すなわち加湿工程が行われた電極触媒層が、膜電極接合体56の一方の面のみに用いられる場合には、加湿工程が行われた電極触媒層を燃料極55よりも空気極54に用いた方が、燃料電池50の出力電圧が高いことが認められた。上述のように燃料電池では、燃料極55よりも空気極54の反応の活性の方が、燃料電池50全体の電極反応の進行に与える影響が大きい。実施例12では空気極54の一部を構成する電極触媒層52Aにおける触媒粒子P3の含水率が、加湿工程によって高まったので、触媒物質P2の利用効率が向上された。つまり実施例12では空気極54の反応が活性化されたので、たとえば加湿工程が行われた電極触媒層52Fを燃料極55のみに用いた実施例13よりも、燃料電池50の出力電圧が高まったことが示唆される。
実施例16と実施例17の出力電圧は実施例11よりも低く、そして比較例3の出力電圧は比較例2の出力電圧よりも低い。しかし実施例16と実施例17の出力電圧は、比較例3の出力電圧とほぼ同程度を維持できる。つまり実施例16も実施例17も触媒物質P2の担持量は比較例3よりも少ないが、実施例16と実施例17はステップS12の加湿工程を経ることで、より少ない触媒物質P2の担持量に拘わらず出力電圧を高めることができる。
上記実施例によれば、上記効果に加えてさらに以下に列挙する効果を得ることが可能である。
(11)膜電極接合体56が有する2つの電極触媒層52A,52Fのうち、空気極54の一部を構成する電極触媒層52Aを、加湿工程を経て形成してもよい。これによれば、空気極54の電極触媒層52Aにおいて触媒物質P2の利用効率が高まる。このため空気極54の反応が活性化されるので、たとえば燃料極55の一部を構成する電極触媒層52Fのみが加湿工程を経て形成されるような場合と比較して、固体高分子形燃料電池50の出力電圧が高まる。
(12)ステップS12の加湿工程を経ることで、より少ない触媒物質P2の担持量に拘わらず固体高分子形燃料電池50の出力電圧を高めることができる。
上記実施形態を以下のように変更することが可能である。
・膜電極接合体56が有する2つの電極触媒層52A,52Fのうち、ステップS12の加湿工程を経て形成される電極触媒層は、一方のみであってもよい。すなわち高分子電解質膜51の両面のうちの一方の面に配置される電極触媒層のみを、ステップS12の加湿工程を経て形成し、他方の面に配置される電極触媒層を、加湿工程を経ずに形成してもよい。
一般に燃料電池では、燃料極における反応の反応障壁よりも、空気極における反応の反応障壁のほうが大きい。このため、空気極の反応を活性させるほうが、燃料電池全体の電極反応の進行に与える影響が大きい。したがって、たとえば膜電極接合体56の電極触媒層52A,52Fのうち一方のみを、ステップS12の加湿工程を経て形成する場合には、好ましくは空気極54を構成する電極触媒層52Aを、ステップS12の加湿工程を経て形成する。
・要求される固体高分子形燃料電池50の性能に応じて、触媒粒子P3と高分子電解質PEとの重量比率を、空気極54の一部を構成する電極触媒層52Aと、燃料極55の一部を構成する電極触媒層52Fとで異ならせるようにしてもよい。
・触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3の重量に対する、高分子電解質PEの重量の比としての重量比率は、0.04よりも小さくてもよく、あるいは3.00よりも大きくてもよい。このような方法であっても、上記に準じた効果を得ることは可能である。
・ステップS12の加湿雰囲気Mの相対湿度は、90%RHよりも小さくてもよく、このような方法であっても、上記に準じた効果を得ることは可能である。
・ステップS12の加湿雰囲気Mの温度は、80℃よりも低くてもよく、あるいは130℃よりも高くてもよい。このような方法であっても、上記に準じた効果を得ることは可能である。
・触媒粒子P3(炭素粒子P1)がインク溶媒Sに加えられるまでに、触媒粒子P3の温度が加湿温度以上になる方法であってもよい。このような方法でも、上述したステップS12の加湿工程を経た触媒粒子P3の含水率は、たとえば加湿工程を経ない触媒粒子P
3よりも大きい。このため、少なからず上記に準じた効果を得ることは可能である。
要は本実施形態の方法では、触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3と、高分子電解質PEとが互いに混合する前に、触媒粒子P3(炭素粒子P1)は加湿雰囲気Mに曝されればよい。
・ステップS12の加湿工程において含水した炭素粒子P1中の水分の少なくとも一部が、ステップS13での分散工程まで炭素粒子P1に保持されるのであれば、ステップS11の担持工程の前に、ステップS12の加湿工程が行われてもよい。あるいはステップS11の担持工程の途中で、ステップS12の加湿工程が行われてもよい。このような方法でも、少なからず上記に準じた効果を得ることは可能である。
・ステップS12の加湿雰囲気Mの圧力は、大気圧よりも高くてもよい。このような加湿雰囲気Mであれば、上述した効果が得られることに加え、たとえば負圧あるいは大気圧の加湿雰囲気であるような場合に比べて、触媒粒子P3(炭素粒子P1)の含水を促進することが可能にもなる。
・ステップS11で触媒物質P2を担持した炭素粒子P1つまり触媒粒子P3と、高分子電解質PEとがステップS13で互いに混合されるまで、ステップS12による加湿工程後の触媒粒子P3は、加湿雰囲気Mに保存されてもよい。このような方法であれば、上述した効果が得られる。さらに、加湿工程後の炭素粒子P1が含水率を保つことによって得られる効果が、低くなってしまうようなことを確実に抑えられる。つまり、加湿工程によって得られた上述の効果が低くなってしまうようなことを、確実に抑えられる。
・ステップS12の加湿雰囲気Mに含まれる水分子の一部は、触媒粒子P3(炭素粒子P1)が有する極性とは逆の静電電荷を帯びていてもよい。このような加湿雰囲気Mであれば、上述した効果が得られることに加え、触媒粒子P3の含水を促進することが可能にもなる。
・ステップS12の加湿工程では、加湿雰囲気Mに曝される触媒粒子P3が、外部から振動等のエネルギーを受けてもよい。こうした外部からのエネルギーによって、触媒粒子P3の含水が促進されてもよい。
・日本工業規格JIS K 6217−2を用いて測定された触媒粒子P3の比表面積が200m/gよりも小さくてもよく、あるいは1500m/gよりも大きくてもよい。このような方法であっても、上記に準じた効果を得ることは可能である。
・一対のセパレーター57A,57Fによって挟まれる膜電極接合体56の数量は、2つ以上であってもよい。2つ以上の膜電極接合体56が挟まれる場合には、これらが積層される態様が好ましい。このような態様であっても、上記に準じた効果を得ることは可能である。
・固体高分子形燃料電池50は、ガス流路58A,58Fにガスを供給するガス供給装置や、冷却水通路59A,59Fに冷却水を流す冷却装置などを有してもよい。つまり固体高分子形燃料電池50は、上述した膜電極接合体56及びセパレーター57A,57Fに付随する装置を有する構成でもよい。
M…加湿雰囲気、S…インク溶媒、P1…炭素粒子、P2…触媒物質、P3…触媒物質担持炭素体としての触媒粒子P3、PE…高分子電解質、50…固体高分子形燃料電池、51…高分子電解質膜、52A,52F…燃料電池用の電極触媒層、53A,53F…ガス拡散層、54…空気極、55…燃料極、56…膜電極接合体、57A,57F…セパレーター、58A,58F…ガス流路、59A,59F…冷却水通路。

Claims (13)

  1. 触媒物質を担持した炭素粒子である触媒粒子と、高分子電解質とを触媒インクの溶媒に分散させるよりも前に、前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことを有し、
    前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことは、
    前記触媒物質を担持した前記炭素粒子としての触媒粒子の含水率を、4.8質量%以上11.4質量%以下にすることを有する、
    触媒粒子の製造方法。
  2. 前記製造方法はさらに、
    前記炭素粒子を前記加湿雰囲気に曝すよりも前に、前記炭素粒子が前記触媒物質を担持するようにさせることを有する、
    請求項1記載の製造方法。
  3. 前記製造方法はさらに、
    前記炭素粒子が前記溶媒に加えられるまでは、前記炭素粒子の温度を、前記加湿雰囲気の温度未満であるようにすることを有する、
    請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことは、
    80℃以上130℃以下の温度を有する前記加湿雰囲気に、前記炭素粒子を曝すことを有する、
    請求項1〜何れか一項記載の製造方法。
  5. 前記炭素粒子を加湿雰囲気に曝すことは、
    90%RH以上100%RH未満の相対湿度を有する前記加湿雰囲気に、前記炭素粒子を曝すことを有する、
    請求項1〜何れか一項記載の製造方法。
  6. 前記製造方法はさらに、前記加湿雰囲気に曝す前記炭素粒子として、JIS K 6217−2を用いて測定された200m/g以上1500m/g以下の比表面積の炭素
    粒子を用意することを有する、
    請求項1〜何れか一項記載の製造方法。
  7. 請求項1〜何れか一項記載の製造方法で製造された前記触媒粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させることで、触媒インクを生成することと;
    前記触媒物質を担持した前記炭素粒子である触媒粒子の重量に対する、前記高分子電解質の重量の比である重量比率を、0.04以上3.00以下にすることと
    を有する、
    触媒インクの製造方法。
  8. 請求項1〜6何れか一項記載の製造方法で製造された前記触媒粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させることで、触媒インクを生成することと;
    前記触媒インクを基材に塗布して前記基材に電極触媒層を形成することと
    を有する、
    燃料電池用の電極触媒層の製造方法。
  9. 請求項8記載の製造方法で製造された前記電極触媒層を、燃料極と空気極とのうちの少なくとも空気極を構成するために用いて、膜電極接合体を形成することを有する、
    固体高分子形燃料電池の膜電極接合体の製造方法。
  10. 請求項9記載の製造方法で製造された前記膜電極接合体を用いて、前記膜電極接合体と、前記膜電極接合体を間に挟む一対のセパレーターとを有する固体高分子形燃料電池を形成することを有する、
    固体高分子形燃料電池の製造方法。
  11. 触媒物質と、前記触媒物質を担持した炭素粒子とからなる触媒粒子であって、
    前記触媒粒子の含水率は4.8質量%以上11.4質量%以下である、
    触媒粒子。
  12. JIS K 6217−2を用いて測定された前記触媒粒子の比表面積は、200m/g以上1500m/g以下である、
    請求項11記載の触媒粒子。
  13. 請求項11または12記載の触媒粒子と、高分子電解質とが溶媒に分散され触媒インクであって、
    前記触媒粒子の重量に対する、前記高分子電解質の重量の比である重量比率は、0.04以上3.00以下である、
    触媒インク。
JP2013538500A 2011-10-14 2012-10-02 触媒粒子、触媒インク、及びこれらの製造方法、並びに、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池の各々の製造方法 Expired - Fee Related JP6070564B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011226914 2011-10-14
JP2011226914 2011-10-14
JP2012071731 2012-03-27
JP2012071731 2012-03-27
PCT/JP2012/075456 WO2013054689A1 (ja) 2011-10-14 2012-10-02 触媒粒子、触媒インク、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池並びにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013054689A1 JPWO2013054689A1 (ja) 2015-03-30
JP6070564B2 true JP6070564B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=48081746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013538500A Expired - Fee Related JP6070564B2 (ja) 2011-10-14 2012-10-02 触媒粒子、触媒インク、及びこれらの製造方法、並びに、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池の各々の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9843051B2 (ja)
EP (1) EP2768054A4 (ja)
JP (1) JP6070564B2 (ja)
KR (1) KR20140082971A (ja)
CN (1) CN103858261B (ja)
WO (1) WO2013054689A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017176306A1 (en) 2016-04-04 2017-10-12 Dioxide Materials, Inc. Catalyst layers and electrolyzers
JP2015090851A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 凸版印刷株式会社 固体高分子形燃料電池用電極触媒層を形成する触媒インクの製造方法、固体高分子形燃料電池の製造方法、固体高分子形燃料電池用電極触媒層が含む白金担持炭素粒子
US20150167181A1 (en) * 2013-12-16 2015-06-18 Timothy D. Vaden Synthesis of Molybdenum Catalyst Formulations for Hydrogen Generation
JP6142963B2 (ja) * 2014-03-24 2017-06-14 日産自動車株式会社 ガス拡散層、その製造方法ならびにこれを用いる膜電極接合体および燃料電池
US11456463B1 (en) * 2018-05-31 2022-09-27 Triad National Security, Llc 3D-printed electrode, gas diffusion electrode (GDE) and gas diffusion layer (GDL) for fuel cell applications

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3573771B2 (ja) * 1993-11-09 2004-10-06 株式会社豊田中央研究所 燃料電池
JP3273591B2 (ja) 1996-02-05 2002-04-08 本田技研工業株式会社 燃料電池用電極構造体の製造方法
KR100441800B1 (ko) * 2000-08-04 2004-07-27 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 고분자 전해질형 연료전지 및 그 제조방법
JP2003282074A (ja) * 2002-03-26 2003-10-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用電極とその製造方法
JP2004199915A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子電解質型燃料電池の製造方法
JP4533108B2 (ja) * 2004-11-25 2010-09-01 新日本製鐵株式会社 固体高分子形燃料電池用電極
EP1748509B1 (en) 2004-04-22 2017-03-01 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Fuel cell and gas diffusion electrode for fuel cell
JP4896393B2 (ja) * 2004-11-12 2012-03-14 株式会社エクォス・リサーチ 燃料電池の電極用ペーストの製造方法、燃料電池の電極の製造方法、燃料電池の膜電極接合体の製造方法及び燃料電池システムの製造方法
JP2006331845A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Gs Yuasa Corporation:Kk 固体高分子形燃料電池用触媒粉末およびその製造方法ならびにその触媒粉末を含む固体高分子形燃料電池用電極。
US20070160899A1 (en) * 2006-01-10 2007-07-12 Cabot Corporation Alloy catalyst compositions and processes for making and using same
CN100452509C (zh) * 2007-04-27 2009-01-14 新源动力股份有限公司 催化层支撑质子交换膜燃料电池复合膜电极及其制备方法
JP2010198844A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Toyota Motor Corp 燃料電池用電極触媒層およびその製造方法
JP5374273B2 (ja) 2009-03-31 2013-12-25 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 燃料電池用電極触媒スラリーの製造方法ならびに固体高分子型燃料電池用の電極および膜・電極接合体
CN101615677A (zh) * 2009-07-24 2009-12-30 华南理工大学 用于燃料电池膜电极的电催化剂及其制备方法及燃料电池膜电极

Also Published As

Publication number Publication date
KR20140082971A (ko) 2014-07-03
EP2768054A4 (en) 2014-11-05
WO2013054689A1 (ja) 2013-04-18
US9843051B2 (en) 2017-12-12
CN103858261B (zh) 2016-10-12
JPWO2013054689A1 (ja) 2015-03-30
EP2768054A1 (en) 2014-08-20
CN103858261A (zh) 2014-06-11
US20140220474A1 (en) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5481820B2 (ja) マイクロポーラス層およびこれを有するガス拡散層
JP5458503B2 (ja) 電解質膜−電極接合体の製造方法
JP6070564B2 (ja) 触媒粒子、触媒インク、及びこれらの製造方法、並びに、燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池の各々の製造方法
JP5532630B2 (ja) 膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池
KR20180036107A (ko) 담체, 연료전지용 전극, 막-전극 접합체 및 이를 포함하는 연료전지
WO2010070994A1 (ja) 固体高分子型燃料電池のアノード触媒層
JP2015162309A (ja) 膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池
JP5332294B2 (ja) 膜電極接合体の製造方法
JP6364821B2 (ja) 触媒インクの製造方法、固体高分子形燃料電池の製造方法、及び白金担持炭素粒子
JP2014007099A (ja) 燃料電池用電極触媒層およびその製造方法
JP2013073892A (ja) 燃料電池用膜電極接合体の製造方法
JP2015191704A (ja) 膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体及びその膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池
JP4271127B2 (ja) 固体高分子型燃料電池の電極構造体
JP6074978B2 (ja) 燃料電池用膜電極接合体の製造方法および固体高分子形燃料電池の製造方法
CN111095637B (zh) 制备催化剂层的方法、催化剂层和包括该催化剂层的膜电极组件及燃料电池
JP5885007B2 (ja) 燃料電池用電極シートの製造方法
JP6252065B2 (ja) 膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池
JP5501044B2 (ja) 膜電極接合体および燃料電池
WO2014155929A1 (ja) 燃料電池用触媒層の製造方法、燃料電池用触媒層および燃料電池
KR102187990B1 (ko) 연료전지용 전극 촉매층 형성을 위한 촉매 잉크의 제조 방법
JP5634013B2 (ja) 燃料電池用触媒層の製造方法、触媒層転写シート及び触媒層−電解質膜積層体
JP6620467B2 (ja) 固体高分子形燃料電池の製造方法
JP2006331845A (ja) 固体高分子形燃料電池用触媒粉末およびその製造方法ならびにその触媒粉末を含む固体高分子形燃料電池用電極。
JP2015090851A (ja) 固体高分子形燃料電池用電極触媒層を形成する触媒インクの製造方法、固体高分子形燃料電池の製造方法、固体高分子形燃料電池用電極触媒層が含む白金担持炭素粒子
JP2010257669A (ja) 膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6070564

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees