JP6069722B2 - エステル交換油脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、白土を、油脂の低温白土処理に利用することにより、その後のエステル交換反応における酵素の活性低下を抑制し、当該酵素の安定化を図るものである。具体的には、油脂と白土とを、30〜80℃で接触させて反応基質を得る低温白土処理工程;及び前記反応基質をリパーゼ含有組成物の存在下でエステル交換反応させる工程;を含むことを特徴とする、エステル交換油脂の製造方法に関する。
リパーゼは、脂肪酸などの各種カルボン酸とモノアルコールや多価アルコールなどのアルコール類とのエステル合成反応、アルコール類とカルボン酸エステル、またはカルボン酸とカルボン酸エステル、または複数のカルボン酸エステル間のエステル交換反応などに幅広く使用されている。このうち、エステル交換反応は、動植物油脂類の改質をはじめ、各種脂肪酸のエステル、糖エステルやステロイドエステルの製造法として重要な技術である。これらの反応の触媒として、油脂加水分解酵素であるリパーゼを用いると、室温〜約130℃程度の温和な条件下でエステル交換反応を行うことができ、従来の化学反応に比べ、副反応の抑制やエネルギーコストが低減化されるだけでなく、触媒としてのリパーゼが天然物であることから安全性も高い。また、その基質特異性や位置特異性により目的物を効率良く生産することができる。
このようなリパーゼは高価であるため、リパーゼの酵素活性を活性化し及び活性低下を抑制し、当該リパーゼの酵素活性を安定化する試みが行われてきた。例えば、リパーゼを用いた原料油脂のエステル交換をする前に、当該原料油脂を、陰イオン交換樹脂のようなアミノ基を有する物質で処理することにより、酵素活性の低下を抑制することが行われてきた(特許文献1)。また、当該特許文献1では、脱色工程として原料油脂と白土とを110℃で接触させている。しかし、当該工程はあくまで油脂の脱色を行う工程であり、酵素活性の低下を抑制するものではない。また、110℃で油脂と白土とを接触させても、酵素を活性化することはできない。このように、エステル交換反応の前に、原料油脂と白土を接触させて酵素活性の安定を図る研究はなされていない。
特開平8−140689号公報
本発明は、リパーゼを用いたエステル交換反応で油脂を製造する方法において、当該リパーゼの活性の低下を極力抑えてリパーゼ含有組成物を繰り返し使用することができるエステル交換油脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため、リパーゼを用いたエステル交換反応で油脂を製造する方法において、脱色工程とは異なる条件下で、油脂を白土で処理することにより、続く油脂のエステル交換反応において、エステル交換反応に用いられるリパーゼの活性を大きく低下することなく、所望のエステル交換油脂を製造できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明が取り得る態様は、
1.(1)油脂と白土とを、30〜80℃で接触させて反応基質を得る低温白土処理工程;及び
(2)前記反応基質をリパーゼ含有組成物の存在下でエステル交換反応させる工程;
を含むことを特徴とする、エステル交換油脂の製造方法に関する。
2.前記低温白土処理工程で用いる油脂が、90〜150℃で白土と接触させて脱色する脱色処理工程を経た油脂であることを特徴とする、上記1に記載の方法に関する。
3.前記低温白土処理工程において、前記反応基質が前記白土との接触後に前記白土から分離される、上記1又は2に記載の方法に関する。
4.前記脱色処理工程を経た油脂が、前記脱色処理工程の後、脱臭工程を経たものであることを特徴とする上記1〜3のいずれか1に記載の方法に関する。
5.前記リパーゼ含有組成物が、粉末状物の形態にある、上記1〜4のいずれか1に記載の方法に関する。
6.前記低温白土処理工程が、さらに脂肪酸エステルの存在下で行われる、上記1〜5のいずれか1に記載の方法に関する。
本発明によれば、エステル交換反応による油脂の製造方法において、脱色工程とは異なる条件下で、油脂を白土で処理することにより、当該リパーゼ含有組成物を繰り返し使用しても、リパーゼの活性が大きく低下することがないものである。
特に、本発明は、油脂と白土とを90〜150℃の高温で接触させる脱色工程のみではリパーゼの活性の安定化を図れないのに対し、脱色工程とは異なる条件で油脂と白土とを30〜80℃の比較的低温下で接触させる低温白土処理工程を加えることにより、リパーゼの活性の活性化及び安定化を飛躍的に向上することができるものである。
<エステル交換油脂の製造方法>
本発明は、
(1)油脂と白土とを、30〜80℃で接触させて反応基質を得る低温白土処理工程;及び
(2)前記反応基質をリパーゼ含有組成物の存在下でエステル交換反応させる工程;を含むことを特徴とする、エステル交換油脂の製造方法である。この方法について、以下詳細に説明する。
<油脂>
本発明で用いる油脂は、その後のエステル交換反応の基質となる油脂が使用されるが、油脂としてトリグリセリドの他、任意に水や後述する脂肪酸エステル、及び脂肪酸等が存在していてもよい。
油脂としては、例えば、構成脂肪酸の炭素数が8〜24のトリグリセリドが好ましく、特に植物油、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、パーム油、パーム核油、綿実油、やし油、サル脂、シア脂、イリッペ脂、コクム脂、ココアバター、中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群から選ばれる植物油およびその分別油や硬化油が好ましい。
また、油脂に水が含まれていてもよい。油脂に含まれる水の量は、油脂全体の質量に対し、例えば、10〜5000ppm、好ましくは、150〜5000ppm、より好ましくは150〜800ppm、最も好ましくは200〜400ppmであることが適当である。
本発明で用いる油脂は、一般的な油脂の精製工程や加工工程を経た油脂を用いることができる。精製工程としては、脱ガム工程、アルカリ脱酸工程、水洗工程、脱水乾燥工程、脱色工程、脱臭工程、ウィンターリング工程などがあり、加工工程としては、エステル交換反応工程、水素添加工程、ブレンド工程、分別工程などがあり、これらのいずれか1工程以上を経た油脂を用いることができる。特に脱色処理工程を経た油脂を用いることがより好ましい。脱色処理工程は、油脂を白土、活性炭などから選ばれる吸着剤と接触させるが、一般的にはリパーゼの不存在下で白土と接触させて行われる。用いられる白土としては、活性白土、中性白土、酸性白土、アルカリ白土が使用可能で、特に活性白土、もしくは酸性白土が好ましい。具体的には、例えば、油脂と白土(油脂に対して0.5〜2質量%)とを脱色処理槽に入れ、減圧下、90〜150℃(好ましくは、105〜120℃)で5〜40分程度、接触させることによって行われる。当該範囲内であれば、白土による油脂の脱色を十分に行うことができる。また、白土に含まれる水分を除去して、吸着能力を高めるために減圧下で脱色することが好ましい。脱色処理槽としては、例えば、タンク、カラム、ろ過器などを用いることができる。タンクの場合は、攪拌機付のタンクであることが好ましく、油脂と白土とを接触した後、ろ過もしくは遠心分離機等で白土を分離できることが好ましい。ろ過を容易にするために、これらの脱色処理工程が、ろ過助剤等の助剤の存在下で行われていてもよい。ろ過助剤としては、例えば、セライトなどの無機ろ過助剤及びセルロースなどの繊維やその粉砕物などの有機ろ過助剤が挙げられる。また、カラムやろ過器に白土を充填・保持し、油脂を当該カラムやろ過器に通液してもよい。油脂を通液することにより、通液と同時に白土も分離でき、装置もタンクに比べてコンパクトになるので好ましい。ろ過器としては、例えば、単板ろ過器、フィルタープレス、アマフィルター等を用いることが好ましい。タンク、カラム、ろ過器は、ガラス製、プラスチック製もしくは鉄、ステンレスなどの金属製を用いることができるが、耐久性の点から金属製であることが好ましい。本脱色処理工程は、油脂の脱色を目的としている。
上記脱色処理工程を経た油脂は、脱色処理工程の前後に、脱ガム工程、アルカリ脱酸工程、水洗工程、脱水乾燥工程、脱臭工程、ウィンターリング工程など、油脂の一般的な他の精製工程を行ってもよく、また、脱臭工程、ウィンターリング工程などの精製工程のほか、エステル交換反応工程、水素添加工程、ブレンド工程、分別工程などの加工工程を行ってもよい。例えば本発明の脱色処理工程を経た油脂として、脱色処理工程を行い、エステル交換し、さらに分別した油脂を用いてもよい。なお、これらの精製条件や加工条件は、油脂で行われる一般的な方法である。
<油脂の低温白土処理工程>
本発明は、低温白土処理工程において、反応基質となる油脂と白土とを、30〜80℃で接触させて反応基質を得る低温白土処理工程を含む。この処理工程は、リパーゼによる反応工程ではないので、処理工程においてリパーゼは必須でなく、存在しないことが好ましい。
なお、反応基質としては、油脂の他、脂肪酸エステル、脂肪酸も用いられることがある。これらは、低温白土処理工程は必須ではない。しかし、これらの脂肪酸エステルや脂肪酸は、油脂とブレンドして低温白土処理工程を行うか、油脂と別々に低温白土処理工程を行うことが好ましい。
脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数4〜30、好ましくは8〜22の、直鎖又は分枝鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸エステルが好適である。ここで脂肪酸には、例えば、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、及びベヘン酸などが挙げられる。エステルのアルコールとしては、直鎖または分岐鎖の飽和アルコールが好適である。ここでアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノールや高級アルコールなどが挙げられる。特に好ましい脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸エチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸メチルが挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、炭素数4〜30、好ましくは8〜22の、直鎖又は分枝鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸が好適である。ここで脂肪酸には、例えば、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、及びベヘン酸などが挙げられる。
低温白土処理工程は、具体的には、例えば、前記油脂と白土とを30〜80℃で、接触させることによって行われる。接触させる容器としては、例えば、上述した脱色処理と同様に、タンク、カラム、ろ過器などを用いることができる。タンクの場合は、攪拌機付のタンクであることが好ましく、油脂と白土とを接触した後、ろ過もしくは遠心分離機等で白土を分離できることが好ましい。また、カラムやろ過器に白土を充填・保持し、油脂を当該カラムやろ過器に通液してもよい。油脂を通液することにより、通液と同時に白土も分離でき、装置もタンクに比べてコンパクトになるので好ましい。ろ過器としては、例えば、単板ろ過器、フィルタープレス、アマフィルター等を用いることが好ましい。タンク、カラム、ろ過器は、ガラス製、プラスチック製もしくは鉄、ステンレスなどの金属製を用いることができるが、耐久性の点から金属製であることが好ましい。本低温白土処理工程は、油脂のエステル交換反応の前処理を目的としている。
油脂と白土との接触は、30〜80℃、好ましくは、50〜80℃で行われる。当該範囲内であれば、油脂を、白土により十分に処理することができる。
油脂と白土との接触は、酸素とできるだけ接触しないように行われることが適当である。タンクで接触させる場合には、例えば減圧下又は不活性ガス存在下で行うことが望ましい。カラムやろ過機を利用して通液する場合には、油脂で満たされているため酸素との接触はほとんどないため好ましい。特に好ましくは、窒素、アルゴン等の不活性ガスで低温白土処理槽を加圧することである。加圧する際の圧力としては、例えば、0.001〜10MPa、好ましくは、0.05〜1MPaが適当である。減圧は、真空ポンプ等を用いて実現することができる。
油脂と白土とは、5秒以上接触することが好ましく、30秒〜30分接触させることがより好ましい。さらに好ましくは、1〜15分であり、最も好ましくは、2〜10分である。タンクを用いる場合などは油脂と白土の長時間接触による悪影響はないが、作業的に、48時間以内の接触が好ましい。例えば、カラムで行う場合、白土1kgに対して、質量比で1〜2000倍の油脂を通液させる。好ましくは200〜1000倍である。また、通液速度は、白土1kgに対して、油脂を0.5〜100kgを1時間かけて、通液することが好ましい。特に好ましくは、油脂を5〜30kgを1時間かけて通液することが適当である。さらに、油脂(ステアリン酸エステル等他の物質との混合物の場合は混合物)の通液速度が白土1gに対して、0.01〜10ml/分、好ましくは、0.05〜1ml/分、より好ましくは0.1〜1ml/分である。
このようにして油脂と白土とを接触させ、次のエステル交換反応工程で使用される反応基質を得ることができる。
低温白土処理工程で使用される白土は、例えば、活性白土、中性白土、酸性白土、アルカリ白土及びこれらの混合物からなる群から選択される。上述の脱色処理工程で使用した白土と同一でも異なっていてもよい。
さらに、上記低温白土処理工程が、ろ過助剤等の助剤の存在下で行われていてもよい。ろ過助剤としては、例えば、セライトなどの無機ろ過助剤及びセルロースなどの繊維やその粉砕物などの有機ろ過助剤が挙げられる。ろ過助剤としては、有機ろ過助剤、特に有機高分子ろ過助剤が好ましく、なかでもセルロースパウダーなどが好ましい。ろ過助剤は、粉状であるのが好ましい。しかし、送液の際の圧力やろ過漏れなどに問題がなければろ過助剤は使用しないのが最も好ましい。低温白土処理工程における白土:ろ過助剤の質量比は、例えば、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:1〜3:1、特に好ましくは2:1である。
<反応基質>
本発明は、低温白土処理工程を経て、エステル交換反応させる工程を経るものであるが、反応基質として、低温白土処理工程を経た油脂を用いるが、低温白土処理工程を単独で処理された油脂を用いても、複数の油脂を混合して用いてもかまわない。また、低温白土処理工程を経た油脂と脂肪酸エステルや脂肪酸等の他の反応基質を混合して用いてもかまわない。混合は、低温白土処理工程前でも、低温白土処理工程後でもかまわないが、脂肪酸エステルや脂肪酸は蒸留したものであることが好ましい。また、低温白土処理工程を経たものが好ましい。
なお、反応基質として、脂肪酸エステルや脂肪酸と油脂の質量比は、例えば、9:1〜1:9、好ましくは、8:2〜2:8、より好ましくは、7:3〜5:5が適当である。
<エステル交換反応させる工程>
本発明は、さらに、(2)前記反応基質をリパーゼ含有組成物の存在下でエステル交換反応させる工程を含む。
本発明のエステル交換反応の条件については、特に限定するものではなく、常法により行うことができる。
一般的には、加水分解の原因となる水分の混入を避けながら、常圧又は減圧下にて行なわれる。反応温度としては、使用する反応基質の凝固点や使用する酵素の至適温度や安定性にもよるが、20〜130℃程度で行うことが好ましく、凝固点により限定されなければ、40〜60℃で行うことがより好ましい。
具体的には、例えば、反応基質を反応槽に入れ、リパーゼ含有組成物中のリパーゼに接触させることによって行われる。反応槽としては、例えば、タンク、カラム、ろ過器などを用いることができる。タンクの場合は、攪拌機付のタンクであることが好ましく、原料とリパーゼとを接触した後、ろ過もしくは遠心分離機でリパーゼを除去できることが好ましい。また、カラムやろ過器に固定化リパーゼもしくは粉末リパーゼを充填・保持し、反応基質を当該カラムやろ過器に通液することで反応させてもよい。この時のろ過器としては、例えば、単板ろ過器、フィルタープレス、アマフィルター等を用いることが好ましい。タンク、カラム、ろ過器は、ガラス製、プラスチック製もしくは鉄、ステンレスなどの金属製を用いることができるが、耐久性の点から金属製であることが好ましい。
タンクを用いたバッチ処理によるエステル交換反応においては、リパーゼの種類及び活性の程度により異なるが、通常の粉末リパーゼ、固定化リパーゼなどのリパーゼ含有組成物を用いた場合は、反応基質の合計質量に対するリパーゼ含有組成物の添加量が、例えば、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%となるように接触させることが適当である。なお、バッチ処理では、リパーゼ量は少ないほど、コスト的に好ましいが、リパーゼの状態(活性、至適温度、安定性など)に基づいて、リパーゼ量は適宜調整される。このように接触させることで、反応時間1〜100時間でエステル交換反応を終了することができ、適当である。また、カラム等を用いて連続でエステル交換反応を行う場合は、リパーゼ含有組成物1kgに対して、質量比で、100〜100000倍の反応基質を通液させることが適当である。なお、通液速度は、リパーゼ含有組成物1kgに対して、0.5〜200kgの反応基質を1時間かけて、通液することが好ましい。特に好ましくは、5〜100kgの反応基質を1時間かけて通液することが適当である。なお、カラムの場合は通液させる基質が多いほど好ましく、通液速度も目的とする反応油の品質が維持できる範囲内で速い方が、生産能力の点からも好ましい。カラムの通液量および通液速度は、使用するリパーゼの状態(活性、至適温度、安定性など)に基づいて、適宜調整される。通液中のカラム内温度は、20〜90℃が好ましく、30〜70℃がより好ましい。最も好ましくは、40〜60℃である。最適なリパーゼ含有組成物の添加及び反応基質の通液量は、反応温度、設定する反応時間、リパーゼ含有組成物中のリパーゼの活性等により決定される。このようにしてリパーゼと反応基質とを接触させ、エステル交換反応により反応基質中の油脂を改質し、エステル交換油脂を製造することができる。
本発明のリパーゼ含有組成物は、リパーゼのみからなっていてもよく、また、リパーゼ以外に、リパーゼの培地に用いた成分、助剤及び固定化担体を任意に含んでいてもよい。
本発明において使用できるリパーゼとしては、リポプロテインリパーゼ、モノアシルグリセロリパーゼ、ジアシルグリセロリパーゼ、トリアシルグリセロリパーゼ、ガラクトリパーゼ、フォスフォリパーゼ等が挙げられる。これらのうち、トリアシルグリセロリパーゼが好ましい。
これらのリパーゼを産生する微生物としては、細菌、酵母、糸状菌、放線菌等特に限定されるものではないが、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、アスロバクター属(Arthrobacter sp.)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus sp.)、トルロプシス属(Torulopsis sp.)、エスチエリシア属(Escherichia sp.)、マイコトルラ属(Mycotorula sp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterum sp.)、クロモバクテリウム属(Chromobacterum sp.)、キサントモナス属(Xanthomonas sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)、クロストリデイウム属(Clostridium sp.)、キャンデイダ属(Candida sp.)、ジオトリカム属(Geotrichum sp.)、サッカロマイコプシス属(Sacchromycopsis sp.)、ノカルデイア属(Nocardia sp.)、フザリウム属(Fuzarium sp.)、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)、リゾムコール属(Rhizomucor sp.)、ムコール属(Mucor sp.)、サーモマイセス属(Thermomyces sp.)リゾプス属(Rhizopus sp.)、ペニシリウム属(Penicillium sp.)、フィコマイセス属(Phycomyces sp.)、プチニア属(Puccinia sp.)、バチルス属(Bacillus sp.)、ストレプトマイセス属(Streptmyces sp.)、などが挙げられる。
本発明では、これらのうち、アルカリゲネス属、シュードモナス属、リゾムコール属、ムコール属、サーモマイセス属、リゾプス属又はペニシリウム属由来のリパーゼが好ましい。中でも、アルカリゲネス属のAlcaligenes sp.由来のリパーゼ、リゾムコール属のリゾムコール ミーヘイ(Rhizomucor miehei)由来のリパーゼ、サーモマイセス属のサーモマイセス ラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)由来のリパーゼ、リゾプス属のリゾプス デレマー(Rhizopus delemar)由来のリパーゼ、及びリゾプス属のリゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼがより好ましい。リゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼが特に好ましい。
本発明のリパーゼ含有組成物で使用するリパーゼとしては、培養し、リパーゼの培地成分等を含有したリパーゼ含有水性液体を乾燥して得られたものでもよいが、これらを含有していないもの、つまり実質的にリパーゼ自体から構成されるものが好ましい。本発明のリパーゼ含有組成物としては、リパーゼの培養後、菌体を除去し、固定化したもの、もしくはさらに粉末化したものがより好ましい。
本発明で用いるリパーゼは、位置特異性を有していても有していなくてもよい。位置特異性を有している場合、1,3−特異性であるのが好ましい。
・リパーゼ含有組成物の形態
本発明のリパーゼ含有組成物は、固定化物(固定化リパーゼ)又は粉末状物(粉末リパーゼ)の形態であり得る。
固定化リパーゼは、上記リパーゼをシリカ、セライト、珪藻土、パーライト、ポリビニールアルコール、陰イオン交換樹脂、フェノール吸着樹脂、疎水性担体、陽イオン交換樹脂、キレート樹脂等の固定化担体に固定化したものが好ましい。このような固定化リパーゼは、例えば、ノボザイムズA/S社からリポザイムTL−IMとして入手することができる。固定化リパーゼは、そのまま使用するか、又は該固定化リパーゼを粉砕したものを使用することができる。
粉末リパーゼは、リパーゼ粉末製剤の形で用いてもよい。リパーゼ粉末製剤は、例えば、リパーゼと、穀物粉末及び/又は糖類粉末とを水性液体に溶解及び/又は分散させて得たリパーゼ含有水性液体を、さらに乾燥して粉末化することによって得られる。
リパーゼとしては、上記列挙したリパーゼの中でも、特にディー・エス・エムジャパン株式会社の商品:ピカンターゼR8000や、天野エンザイム株式会社の商品:リパーゼF−AP15等が好適に用いられる。最も適した粉末リパーゼとしては、Rhizopus oryzae由来の、天野エンザイム株式会社の商品:リパーゼDF“Amano”15−K(リパーゼDともいう)やリパーゼD “アマノ”コンクが挙げられる。
穀物粉末及び/又は糖類粉末としては、例えば、全脂大豆粉末、脱脂大豆粉末等の大豆粉末、小麦粉、米粉、デキストリンが挙げられる。穀物粉末及び/又は糖類粉末は、リパーゼに対して、例えば250〜1000質量%、好ましくは、500〜1000質量%、より好ましくは、500〜750質量%であることが適当である。
また、リパーゼ含有組成物中にセルロースパウダー、セライト等のろ過助剤が存在していてもよい。リパーゼ:ろ過助剤の質量比は、例えば、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:2〜2:1、特に好ましくは1:1である。
<分離工程>
上記低温白土処理工程(1)、エステル交換反応させる工程(2)及びその他の任意工程は、油脂や反応基質等から白土やリパーゼ含有組成物等を分離する工程をさらに含んでいてもよい。分離する工程には、例えば、ろ過、遠心分離等が用いられる。好ましくは、白土を収容するカラムであれば、当該カラムにフィルターを取り付けて白土のみをカラムに残し、油脂や反応基質をろ過・分離することが好ましい。
上記フィルターとしては、濾布、ろ紙、ガラスフィルター(ポアサイズ:1〜10μm、好ましくは5μm)が好ましい。
次に本発明を製造例及び実施例により詳細に説明する。
[リパーゼ含有組成物Aの調製]
天野エンザイム株式会社の商品:リパーゼDF “Amano” 15−K (リパーゼDともいう:リゾプス オリザエ由来)の酵素溶液(150000U/ml)を準備した。この酵素溶液中の水の量は、リパーゼDの質量に対し、15倍の量であった。また、穀物粉末として脱臭全脂大豆粉末(商品名:アルファプラスHS−600、日清オイリオグループ株式会社製)10質量%水溶液を準備した。上記脱臭全脂大豆粉末の質量は、上記リパーゼDの質量に対して500質量%であった。上記脱臭全脂大豆粉末を、上記リパーゼDの酵素溶液に、該溶液を攪拌しながら加えた。得られた混合溶液に0.5N NaOH溶液を1ml加えて混合溶液全体をpH7.8に調整後、ノズル並流型のスプレードライ(噴霧乾燥、上記混合溶液の温度30℃、送風の入口温度100℃、出口温度50℃、東京理科器械株式会社、SD−1000型)を行ってリパーゼ粉末製剤A(リゾプス オリザエ由来の粉末リパーゼ)を得た。このリパーゼ粉末製剤Aにろ過助剤としてセルロースパウダーを加えリパーゼ含有組成物Aとした。得られたリパーゼ含有組成物Aに含まれる粉末リパーゼ:ろ過助剤の質量比は、1:1であった。
[リパーゼ含有組成物Bの調製]
ノボザイムズA/S社製の商品:リポザイムTL−IM(サーモマイセス ラヌゲノウス由来の固定化リパーゼ)5gを特殊機化工業(株)製L型マイコロイダーを用いて粉砕し、リパーゼ含有組成物Bを得た。なお、株式会社堀場製作所の粒度分布測定装置(LA−500)を用いて、リパーゼ含有組成物Bの平均粒子径を測定したところ、66.7μmであった。
[低温白土処理槽(カラム)1]
活性白土(商品名:ガレオンアースV2、水澤化学工業(株)社製)1gとセルロースパウダー0.5gを混合し、ガラスカラム(東京理科器械(株)社、内径8mm、長さ100mm)に充填し、低温白土処理槽(カラム)1を作製した。また、当該カラムは、ガラスフィルター(ポアサイズ:5μm)のようなフィルターを有する。
[低温白土処理槽(カラム)2]
活性白土の代わりに中性白土(商品名:PREMIUM、WANTOTIK SDN.BHD社製、pH6.6)を用いた以外は、低温白土処理槽(カラム)1と同様にして低温白土処理槽(カラム)2を作製した。
[低温白土処理槽(カラム)3]
活性白土の代わりにアルカリ白土(商品名:NB14000、Natural Bleach SDN.BHD社製、pH9.5)を用いた以外は、低温白土処理槽(カラム)1と同様にして低温白土処理槽(カラム)3を作製した。
[低温白土処理槽(カラム)4]
活性白土の代わりにアルカリ白土(商品名:KRISTAL、Taiko Clay Marketing SDN.BHD社製、pH8.5)を用いた以外は、低温白土処理槽(カラム)1と同様にして低温白土処理槽(カラム)4を作製した。
[低温白土処理槽(ベッド)5]
中性白土(商品名:PREMIUM、WANTOTIK SDN.BHD社製、pH6.6)を5gとセルロースパウダー2.5gを混合し、ハイオレイックヒマワリ油100gを加え、スターラーを用いて1時間攪拌した。その後得られた混合物をろ紙(5C 110mm, アドバンテック東洋(株)社製)を敷いた単板濾過器(KST−90, アドバンテック東洋(株)社製)に供し、窒素で0.1MPaの圧力をかけることで低温白土処理槽(ベッド)5を作成した。
[反応槽Aの作成]
上述のようにして調製したリパーゼ含有組成物A0.3gにハイオレイックヒマワリ油10gを加え、スターラーを用いて1時間攪拌した。その後、ガラスカラム(東京理科器械(株)社、内径8mm、長さ100mm)に供し、カラムの片側を真空ポンプで引くことで充填して反応槽(カラム)Aを作製した。当該カラムは、ガラスフィルター(ポアサイズ:5μm)のようなフィルターを有する。
[反応槽Bの作成]
上述のようにして調製したリパーゼ含有組成物B0.5gにハイオレイックヒマワリ油10gを加え、スターラーを用いて1時間攪拌した。その後、ガラスカラム(東京理科器械(株)社、内径8mm、長さ100mm)に供し、カラムの片側を真空ポンプで引くことで充填して反応槽(カラム)Bを作製した。
[評価方法]
反応基質および、リパーゼの1,3−選択性の違いに基づいて以下の方法を選択し、評価を行った。
・エステル交換反応の活性(XOX%)
油脂とステアリン酸エチルを反応基質とし、1,3−選択性の高いリパーゼの活性を調べる場合、リパーゼ活性の程度(安定性)をトリグリセリド中のPOSとSOSの合計質量を比較することで評価した。具体的には、リパーゼ含有組成物を使用したエステル交換反応で得られた油脂をガスクロマトグラフィーで分析を行い、全トリグリセリドの質量に対する該トリグリセリド中のPOS(1−ステアロイル−2−オレオイル−3−パルミトイルグリセリン又は1−パルミトイル−2−オレオイル−3−ステアロイルグリセリン)及びSOS(1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセリン)の合計質量%をXOX%とし、各実施例及び比較例のXOXを比較した。
(XOX%)=(トリグリセリド中のPOS質量%)+(トリグリセリド中のSOSの質量%)
XOX%の値が高ければリパーゼ活性が高い、即ちリパーゼが安定的に使用できると判断できる。
・エステル交換反応の活性(SOO%)
油脂とステアリン酸エチルを反応基質とし、1,3−選択性の低いリパーゼの活性を調べる場合、リパーゼ活性の程度(安定性)をトリグリセリド中のSOOの質量を比較することで評価した。具体的には、リパーゼ含有組成物を使用したエステル交換反応で得られた油脂をガスクロマトグラフィーで分析を行い、全トリグリセリドの質量に対する該トリグリセリド中のSOO(1−ステアロイル−2,3−ジオレオイルグリセリン、又は1,2−ジオレオイル−3−ステアロイルグリセリン)の合計質量%をSOO%とし、各実施例及び比較例のSOOを比較した。SOO%の値が高ければリパーゼ活性が高い、即ちリパーゼが安定的に使用できると判断できる。
・エステル交換反応の活性(C44%)
油脂と中鎖脂肪酸トリグリセリドを反応基質とする場合、リパーゼ活性の程度(安定性)をトリグリセリドに結合している脂肪酸の総炭素数が44のトリグリセリドの合計質量を比較することで評価した。具体的には、リパーゼ含有組成物を使用したエステル交換反応で得られた油脂をガスクロマトグラフィーで分析を行い、全トリグリセリドの質量に対する該トリグリセリド中の(カプリル−ジオレオイルグリセリン、カプリル−ジステアロイルグリセリンなど)の合計質量%をC44%とし、各実施例及び比較例のC44を比較した。C44%の値が高ければリパーゼ活性が高い、即ちリパーゼが安定的に使用できると判断できる。
[分析方法]
トリグリセリド中のPOS質量%、SOS質量%、SOO質量%は、JAOCS(Journal of The American Oil Chemists' Society).vol.70,no.11,p1111−1114(1993)に準拠した方法で測定した。トリグリセリド中のC44質量%は、JAOCS(Journal of The American Oil Chemists' Society).vol.80,no.4,p353−356(2003)に準拠した方法で測定した。
[比較例1]
ハイオレイックヒマワリ原油を110℃で20分、1質量%の活性白土(商品名:ガレオンアースV2、水澤化学工業(株)社製)を用いて脱色し、続いて260℃で90分、400Pa下に維持して脱臭を行い、精製ハイオレイックヒマワリ油を得た。ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)及び精製ハイオレイックヒマワリ油を質量比で6:4の比率で混ぜ合わせた後、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質1とした。上述のようにして調製した反応槽Aおよび反応基質1を50℃に調節し、当該反応槽A(カラム)に反応基質1を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂1を得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油のXOX(%)を分析した。
[比較例2]
比較例1で用いたステアリン酸エチル、精製ハイオレイックヒマワリ油のそれぞれに中性白土(商品名:PREMIUM、WANTOTIK SDN.BHD社製)をステアリン酸エチルまたは精製ハイオレイックヒマワリ油に対して2質量%加え、減圧下110℃で20分間加熱した。その後ろ過により白土を除去し、脱色ステアリン酸エチルおよび再脱色ハイオレイックヒマワリ油1を得た。得られた脱色ステアリン酸エチルと再脱色ハイオレイックヒマワリ油1を6:4の質量比でブレンドして、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質2とした。
上記中性白土(商品名:PREMIUM、WANTOTIK SDN.BHD社製)の代わりにアルカリ白土(商品名:NB14000、Natural Bleach SDN.BHD社製)、又は、アルカリ白土(商品名:KRISTAL、Taiko Clay Marketing SDN.BHD社製)を用いた以外は、上記再脱色ハイオレイックヒマワリ油1と同様にして再脱色ハイオレイックヒマワリ油2及び3をそれぞれ得た。上記再脱色ハイオレイックヒマワリ油1の代わりに再脱色ハイオレイックヒマワリ油2及び3を用いた以外は、上記反応基質2と同様にして反応基質3および4を得た。上述のようにして調製した反応槽A(カラム)および反応基質2〜4を50℃に調節し、当該反応槽A(カラム)に各反応基質2〜4を0.2ml/分の速度で64時間送液し、それぞれエステル交換油脂2〜4を得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油2〜4のXOX(%)を分析した。
[比較例3]
比較例2で得られた再脱色ハイオレイックヒマワリ油1〜3を500Paの減圧下、水蒸気を吹き込みながら250℃で90分間加熱して脱臭し、再脱色脱臭ハイオレイックヒマワリ油1〜3を得た。得られた再脱色脱臭ハイオレイックヒマワリ油1〜3と、比較例2で得られた脱色ステアリン酸エチルを4:6の比率(質量比)で混ぜ合わせた後、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質5〜7をそれぞれ得た。上述のようにして調製した反応槽A(カラム)および反応基質5〜7をそれぞれ50℃に調節し、当該反応槽A(カラム)に反応基質5〜7を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂5〜7をそれぞれ得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油5〜7のXOX(%)を分析した。
[実施例1] 上記[低温白土処理槽1〜4]をそれぞれ50℃に調節し、比較例1で用いた精製ハイオレイックヒマワリ油とステアリン酸エチルを4:6の比率(質量比)で混ぜ合わせた混合油を0.2ml/分の速度で各低温白土処理槽1〜4(50℃)に送液した後、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質8〜11をそれぞれ得た。混合油と白土との接触時間は10分であった。上述のようにして調製した反応槽Aおよび反応基質8〜11を50℃に調節し、当該反応槽Aに反応基質8〜11を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂8〜11をそれぞれ得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油8〜11のXOX(%)を分析した。
表1
Figure 0006069722
表2
Figure 0006069722
上記表1および2のXOX(%)の値から分かるように、本発明の低温白土処理工程を行うことにより(実施例1)、いずれの白土を用いた場合でも通常の油脂の精製(脱色・脱臭)を再度行った場合と比較してリパーゼの活性低下が抑制され、ひいてはリパーゼの安定性が向上していた。
[実施例2]
比較例1で用いた精製ハイオレイックヒマワリ油とステアリン酸エチルを4:6の比率(質量比)で混ぜ合わせた混合油を30℃、50℃、80℃のいずれかの温度に加熱し、それぞれの温度で、上記[低温白土処理槽(ベッド)5]で加圧ろ過(窒素で0.1MPaの圧力をかけた)を行った後に、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質12〜14を得た。なお、精製ハイオレイックヒマワリ油とステアリン酸エチルとの混合油と白土との接触時間は約1分であった。上述のようにして調製した反応基質12〜14、および反応槽Aを50℃に調節し、当該反応槽A(カラム)に反応基質12〜14を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂12〜14をそれぞれ得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油12〜14のXOX(%)を分析した。
[実施例3]
実施例1で用いた精製ハイオレイックヒマワリ油とステアリン酸エチルを4:6の比率(質量比)で混ぜ合わせた混合油および低温白土処理槽2を、30℃、50℃、80℃のいずれかの温度に加熱し、0.2ml/分の速度で低温白土処理槽2に送液した後、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質15〜17をそれぞれ得た。上述のようにして調製した反応槽Aおよび反応基質15〜17を50℃に調節し、当該反応槽A(カラム)に反応基質15〜17を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂15〜17をそれぞれ得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油15〜17のXOX(%)を分析した。
表3
Figure 0006069722
表4
Figure 0006069722
低温白土処理工程としては、バッチ式(実施例2)、連続式(実施例3)ともに温度を30℃〜80℃で白土と油脂を接触させると、何も行わない場合(比較例1)や通常の脱色処理(比較例2)と比較して、リパーゼの安定性が向上していた。特に、50℃〜80℃で処理した場合、リパーゼの活性改善等の非常に優れた効果が得られた。またバッチ式(実施例2)と連続式(実施例3)を比較した場合、連続式の方がリパーゼの活性改善等のより優れた効果が得られた。
[比較例4]
比較例1で用いた反応基質1と反応槽Bを50℃に調節し、当該反応槽Bに反応基質1を0.15ml/分の速度で86時間送液し、エステル交換油脂18を得た。反応開始2時間後、および86時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油のSOO(%)を分析した。
[実施例4]
実施例1で用いた反応基質9と反応槽Bを50℃に調整し、当該反応槽Bに反応基質9を0.15ml/分の速度で86時間送液し、エステル交換油脂19を得た。反応開始2時間後、および86時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油19のSOO(%)を分析した。
表5
Figure 0006069722
低温白土処理工程を行った実施例4は、何も行わない場合(比較例4)に比べて、リパーゼの安定性が向上している。
[比較例5]
コーン原油を脱色(110℃、20分、1質量%の活性白土(商品名:ガレオンアースV2、水澤化学工業(株)社製))、脱臭(260℃、90分400Pa)を行い、精製コーン油を得た。精製コーン油と中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:O.D.O、日清オイリオグループ(株)社製)を質量比で86.5:13.5の比率で混ぜ合わせた後、油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質20とした。上述のようにして調製した反応槽Aおよび反応基質20を50℃に調節し、当該反応槽A(カラム)に反応基質を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂20を得た。反応開始64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油20のC44(%)を分析した。
[実施例5]
比較例5で用いた精製コーン油と中鎖脂肪酸トリグリセリドを質量比で86.5:13.5の比率で混ぜ合わせた混合油を50℃に加温し、0.2ml/分の速度で低温白土処理槽2(50℃)に送液し、低温白土処理混合油を得た。原料(油脂)と白土との接触時間は10分であった。得られた低温白土処理混合油中の水分の質量分率を200ppmに調節して反応基質21を得た。上述のようにして調製した反応槽A(カラム)および反応基質21を50℃に調節し、当該反応槽Aに反応基質21を0.2ml/分の速度で64時間送液し、エステル交換油脂21を得た。反応開始2時間後、および64時間後に反応槽出口より得られたエステル交換油21のC44(%)を分析した。
表6
Figure 0006069722
低温白土処理工程を行った実施例5は、何も行わない場合(比較例5)に比べて、リパーゼの安定性が向上している。

Claims (6)

  1. (1)水以外の溶媒の不存在下かつ油脂全体の質量に対し200〜400ppmの水の存在下、油脂と白土とを、30〜80℃で接触させて反応基質を得る低温白土処理工程、ここで前記白土は、活性白土、中性白土、又は酸性白土である;及び
    (2)前記反応基質をリパーゼ含有組成物の存在下でエステル交換反応させる工程;
    を含むことを特徴とする、エステル交換油脂の製造方法。
  2. 前記低温白土処理工程で用いる油脂が、90〜150℃で白土と接触させて脱色する脱色処理工程を経た油脂であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記低温白土処理工程において、前記反応基質が前記白土との接触後に前記白土から分離される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記脱色処理工程を経た油脂が、前記脱色処理工程の後、脱臭工程を経たものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記リパーゼ含有組成物が、粉末状物の形態にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記低温白土処理工程が、さらに脂肪酸エステルの存在下で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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