JP6064805B2 - 絶縁ブスバー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大容量の電力変換装置に用いられる絶縁ブスバー及びその製造方法に関する。
従来より、半導体素子(パワーモジュール)を用いた電機機器では、高周波化に対応するために、主回路の接続に絶縁ブスバーが利用されることがある。
図9は、従来の絶縁ブスバーの構成を示す断面図である。図9に示すように、従来の絶縁ブスバー100は、平板状の導体110(110A,110B)と、絶縁体120とを交互に積層接着(ラミネート化)して構成された積層体130と、その厚み方向に貫通して導体110A,110Bのそれぞれに接合した貫通端子140とを有する。このような構成の絶縁ブスバー(以下、ラミネートブスバーということがある。)は、導体110A,110B間を狭めることで相互インダクタンスが作用し、結果としてインダクタンスを低減することができる。
しかし、このようなラミネートブスバーの採用により、高速スイッチング時のサージ低減を実現することができたが、SiCデバイスの開発推進による近年のさらなる高耐圧機器の需要を受け、より高耐圧化、高耐熱化された絶縁ブスバーが求められてきている。
そこで、このような絶縁ブスバーの高耐圧化、高耐熱化について、特許文献1〜4に開示された技術が提案されている。
特許文献1に開示された技術は、接着層を抵抗体とすることにより、特に、積層体において貫通端子を嵌挿する貫通孔の周辺の電界の緩和を行い、高耐圧化が期待できるとしたものである。
また、特許文献2,3では、板状導体で構成したケースの内部に、溶融樹脂を流しいれて絶縁する技術が提案されている。また、特許文献4では、ラミネートブスバーの典型的な構造として、接着層を用いてラミネート構造を形成した技術が開示されている。
特開2010−259139号公報 特開2010−274602号公報 特開2010−274603号公報 特許第4618211号公報
従来の絶縁ブスバーは、積層される絶縁体の材料として、熱可塑性のあるフィルム、又はシート状の絶縁材料(ポリプロピレンや、ポリエチレンテレフタレート等)を利用することが多い。また、高耐熱の高分子シートや絶縁紙を絶縁材としたラミネートブスバーにおいては、接着層を設ける場合がある。
しかしながら、特許文献1〜3に開示されたように、板状の導体間に絶縁体を設けた構成をなす絶縁ブスバーにあっては、導体の表面に対して絶縁体の表面が追随して接合されてない接合界面A(図9参照)が生じることで機械的・電気的に弱点となる問題があった。また、特許文献4に開示された接着層においても、絶縁性能が低く、部分放電の発生や絶縁破壊のボトルネックになるため、耐圧能を向上させる阻害要因となりうる。このように、従来のラミネートブスバーには、半導体素子接続用の貫通端子の周辺に構成された(圧着)接合界面の状態や接着界面の存在が絶縁性能の低下を招く可能性があり、絶縁ブスバーの高耐圧化に改善の余地があった。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、より高耐圧化された絶縁ブスバー及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、絶縁ブスバーを、より高耐圧化するためには、絶縁性能の低下を招くような以下(a),(b)の条件を満たすことが重要であることを知見した。
(a)導体と絶縁体との接合界面、又は絶縁体同士の接合界面を形成しない。
(b)絶縁層とならない接着剤を使用しない。接着層を設けない。
本発明は、本発明者による上記知見に基づくものであり、上記課題を解決するための本発明の絶縁ブスバーのある態様は、網目状の導体と網目状の絶縁シートとが積層された積層体と、該積層体を貫通するように接合された貫通端子とを有し、
上記網目状の導体と、上記網目状の絶縁シートと、上記貫通端子とがそれぞれに含浸された絶縁樹脂によって一体成形されている。
このような構成により、導体と絶縁シート(絶縁体)との接合界面も接着層もなく、絶縁シートが絶縁体としての機能のみならず接着層としての機能も兼ねるので、導体と絶縁体との剥離を防ぎ、高耐圧化された絶縁ブスバーを提供することができる。
ここで、上記絶縁ブスバーは、上記網目状の絶縁シートの材質が、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、上記絶縁樹脂の含浸性がある絶縁紙、又はグラスファイバーであってもよい。
また、上記絶縁ブスバーは、上記絶縁樹脂と一体化した沿面距離確保部を有することが好ましい。
また、上記課題を解決するための本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある態様は、網目状の導体と網目状の絶縁シートとを積層して積層体を作製する積層体作製工程と、
上記積層体を貫通するように貫通端子を接合する貫通端子設置工程と、
上記貫通端子が設置された上記積層体を金型に固定し、絶縁樹脂を真空引きすることによって、上記網目状の導体と上記網目状の絶縁シートとを上記絶縁樹脂でそれぞれ含浸して、上記貫通端子と共に一体成形した樹脂含浸工程とを含む。
このように、網目状の絶縁シート(絶縁体)と網目状の導体を交互に積層した積層体を、金型内に設置し、例えば真空引きにより積層体内に樹脂を含浸させることで、板状の導体及び板状の絶縁体を用いた場合に比べて絶縁領域のボイドの発生が少なくなる。そして、導体と絶縁体との接合界面も接着層もなく、絶縁シートが絶縁体としての機能のみならず接着層としての機能も兼ねるので、導体と絶縁体との剥離を防ぎ、高耐圧化された絶縁ブスバーの製造方法を提供することができる。
ここで、上記絶縁ブスバーの製造方法は、上記網目状の絶縁シートの材質が、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、上記絶縁樹脂の含浸性がある絶縁紙、又はグラスファイバーであることが好ましい。
また、上記絶縁ブスバーの製造方法は、上記脂含浸工程において、上記絶縁樹脂と一体化した沿面距離確保部を形成することが好ましい。
以上説明したように、本発明のある態様の絶縁ブスバーによれば、より高耐圧化された絶縁ブスバー及びその製造方法を提供することができる。
本発明の絶縁ブスバーのある実施形態における構成を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある実施形態における積層体作製工程を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある実施形態における貫通端子設置工程を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある実施形態における樹脂含浸工程を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある実施形態における樹脂含浸工程を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの他の実施形態における構成を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの製造方法の他の実施形態における樹脂含浸工程を示す断面図である。 本発明の絶縁ブスバーの他の実施形態における構成を示す断面図である。 従来の絶縁ブスバーの構成を示す断面図である。
(絶縁ブスバー)
以下、本発明の絶縁ブスバーの実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の絶縁ブスバーのある実施形態における構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の絶縁ブスバー1は、網目状(メッシュ状)の導体10と、網目状(メッシュ状)の絶縁シート20とが交互に積層された積層体30と、該積層体30をその厚み方向に貫通し、網目状の導体10に接合された貫通端子40とを有する。そして、網目状の導体10と、網目状の絶縁シート20と、貫通端子40とがそれぞれに含浸された絶縁樹脂50によって一体成形されている。
ここで、網目状の導体10は、「樹脂含浸性を有する導体」として、銅線などの金属からなる導体を平編みし、多数の細孔が形成された(=網目状)態様をなすものである。
一方、網目状の絶縁シート20も、「樹脂含浸性を有する絶縁体」として、意図的であるか否かを問わず「網目状」に形成されたシート状の絶縁体の態様をなすものである。なお、上記「網目状」は、意図的に形成された網目形状や、繊維による形状を含む。また、「絶縁シート」は、ほぼ均一の厚みを有するシート状の絶縁体であればよい。このような絶縁シートの態様としては、ガラスクロス(網目形状)、グラスファイバー、絶縁紙(繊維)が挙げられ、繊維(例えば、炭素繊維)を熱硬化性樹脂によって被覆した、いわゆるプリプレグが用いられてもよい。また、絶縁シートの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
網目状の導体10には、その網目状の導体10及び網目状の絶縁シート20によって構成される積層体30における貫通端子50の設置位置に応じて、貫通端子40が挿入される複数の貫通穴11,12が形成されている。具体的には、網目状の導体10Aには、ある貫通端子40Aに対して離隔距離dの空隙を設けられた貫通穴11Aと、他の貫通端子40Bに対して、ロウ付け、又はハンダ付けにより接合される貫通穴11Bとが形成される。一方、網目状の導体10Bには、ある貫通端子40Aに対して、ロウ付け、又はハンダ付けにより接合される貫通穴11Bと、他の貫通端子40Bに対して離隔距離dの空隙を設けられた貫通穴11Aとが形成される。
一方、網目状の絶縁シート20には、貫通端子40の断面形状に応じた同寸法の貫通穴21が複数形成されている。これら貫通穴21の貫通端子40に対する離隔距離dは、網目状の導体10の貫通穴11,12の内周端部を覆う形状とするために、上記離隔距離dより小さいことが好ましい。
なお、本実施形態では、図1に示すように、積層体30が、網目状の絶縁シート20、網目状の導体10A、網目状の絶縁シート20、網目状の導体10B、及び網目状の絶縁シート20の順で積層されている態様を例として説明している。
[離隔距離]
離隔距離d(mm)は、網目状の導体10A,10Bに発生する最大電位差に応じて設定される。また、離隔距離dは、絶縁樹脂50の絶縁性能により異なるため、下記式(1)により設定される。なお、下記式(1)において、V(Vrms)は網目状の導体10A,10B間の最大電位差、S(Vrms/mm)は絶縁樹脂50の絶縁耐力、aは安全係数(ただし3.0以上)である。
d≧(V×a)/S・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
例として、網目状の導体10A,10B間の最大電位差Vが10kVであり、絶縁耐力Sが15kV/mmの絶縁樹脂50を用いる場合、少なくとも2mm以上の離隔距離(d)が算出される。
このように、網目状の導体10及び網目状の絶縁シート20に絶縁樹脂50が含浸され、一体化された積層体30を構成する本実施形態の絶縁ブスバーによれば、貫通端子40の周辺に接合界面や接着層がないため、絶縁の弱点(図9における「A」)が形成されない。
また、本実施形態の絶縁ブスバーは、導体と絶縁体との積層構造が、板状体と板状体との接着構造ではないため、絶縁ブスバーに曲げや応力が加わっても導体と絶縁体との剥離が発生し難い。
また、本実施形態の絶縁ブスバーは、接着層を設けることなく、網目状の導体10と網目状の絶縁シート20とが絶縁樹脂50で一体化されているため、製造コストを低減することができる。
さらに、本実施形態の絶縁ブスバーは、絶縁樹脂50に熱硬化性樹脂を用いることにより、特許文献1〜4のように熱可塑性樹脂を用いるよりも、高耐熱の絶縁ブスバーを提供することができる。
加えて、本実施形態の絶縁ブスバーは、網目状の導体間が網目状の絶縁シートにより一定間隔を保ち、一般的なブスバーと比較し低インダクタンスであり、一体構造であるため、取り付けが容易であるという、従来の絶縁ブスバーの特徴も兼ね備えている。
したがって、パワーモジュール周辺の小型化も期待でき、今後開発が進むSiCデバイスとして求められる要素に適う、より高耐圧化された絶縁ブスバーを提供することができる。
(絶縁ブスバーの製造方法)
次に、本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある態様について図面を参照しながら説明する。
図2〜図5は、本発明の絶縁ブスバーの製造方法のある態様を示す断面図である。
本実施形態の絶縁ブスバーの製造方法は、「積層体作製工程」と、「貫通端子設置工程」と、「樹脂含浸工程」とを含む。
<積層体作製工程>
[導体の穴空け加工]
まず、網目状の導体10A,10Bに対し、貫通端子40を遊嵌させる貫通穴11A,11Bと、貫通端子40に接合させるための貫通穴12A,12Bを設ける。貫通穴11A,11Bは、その内周面と貫通端子40との距離が、網目状の導体10A,10Bに発生する最大電位差に応じた上述の離隔距離d以上となるように設定される。
[絶縁シートの穴空け加工]
次に、導体の穴空け加工と同様に、網目状の絶縁シート20に、一定の空隙を設けるように穴空け加工を施して貫通穴21を設ける。ここで、上記空隙は、導体10A,10Bの貫通穴11A,11Bを覆う形状とするために、貫通穴21の内周面と貫通端子40との距離が上述の離隔距離dより狭くなることが好ましい。
[積層体の作製]
図2に示すように、穴空け加工された網目状の導体10及び穴空け加工された網目状の絶縁シート20を、それぞれの貫通穴11,12の位置が厚み方向に一致するように積層して積層体30を作製する。この積層体30は、例えば、絶縁シート20,導体10A,絶縁シート20,導体10B,絶縁シート20の順で厚み方向に積層して作製される。
<貫通端子設置工程>
貫通端子設置工程は、積層体30を貫通するように貫通端子40を接合する工程である。具体的には、図3に示すように、積層体30を作製する際に、厚み方向に積層体30を貫通するように位置合わせされた「導体の穴空け加工」及び「絶縁シートの穴空け加工」において設けられた貫通穴11,12に貫通端子40を設置する工程である。位置合わせされた貫通端子40は、網目状の導体10A,10B、又は絶縁シート20に対してロウ付け、又はハンダ付けにより接合される。
この貫通端子設置工程によって、図3に示すように、網目状の導体10Aには、ある貫通端子40Aに対して離隔距離dの空隙を設けられた貫通穴11Aと、他の貫通端子40Bに対して、ロウ付け、又はハンダ付けにより接合される貫通穴11Bとが形成される。一方、網目状の導体10Bには、ある貫通端子40Aに対して、ロウ付け、又はハンダ付けにより接合される貫通穴11Bと、他の貫通端子40Bに対して離隔距離dの空隙を設けられた貫通穴11Aとが形成される。
また、網目状の絶縁シート20には、貫通端子40の断面形状に応じた同寸法の貫通穴21が複数形成されている。これら貫通穴21の貫通端子40に対する離隔距離は、網目状の導体10の貫通穴11,12の内周端部を覆う形状とするために、上記離隔距離dより小さいことが好ましい。
<樹脂含浸工程>
次に、図4に示すように、貫通端子40が設置された積層体30を金型81に固定する。具体的に、貫通端子40の貫通方向の一方の端部と他方の端部がそれぞれ、一対の金型81の内面81a,81aに挟まれるようにして積層体30が固定される。
なお、金型81は、後述する溶融した絶縁樹脂50が貫通端子40と金型81との間から漏れ出さないように、互いに共締めされる金型固定治具82,83によって強固に固定される。この際、金型81にはシーリング剤(例えば真空グリースなど)や剥離剤が塗布されていることが好ましい。
また、金型81の材料は、本実施形態の樹脂含浸工程において導体10及び絶縁シート20に対する絶縁樹脂50の含浸に影響を及ぼさない物であれば特に制限はなく、樹脂又は金属からなることが好ましい。
その後、絶縁樹脂50を真空引きすることによって、網目状の導体10と、網目状の絶縁シート20とをそれぞれ絶縁樹脂50で含浸して貫通端子40と共に一体成形する。具体的には、図5に示すように、積層体30を内部に固定した金型81には、長手方向の両端に開口部81A,81Bが設けられている。そして、真空ポンプ等により、一方の開口部81Aから積層体30が固定された金型81の内部を減圧し、他方の開口部81Bから溶融した絶縁樹脂50Aを吸引しながら、網目状の導体10及び網目状の絶縁シート20の含浸を行う。このとき、貫通穴21と貫通端子40によって形成される領域(離隔距離dで示される領域)にも溶融した絶縁樹脂50Aが流入し、硬化することによって絶縁樹脂50で封止される。
その後、絶縁樹脂50の硬化条件に従って硬化を行う。硬化プロセスは、減圧条件よりも常圧、又は加圧条件で行うと、絶縁樹脂50の内部にボイドが残留しにくくなり、絶縁耐圧の向上が期待できる。
ここで、導体10及び絶縁シート20に含浸させる絶縁樹脂(例えばエポキシ樹脂)にフィラーが添加される場合には、導体10及び絶縁シート20の網目(メッシュ)間隔は、上記フィラーの径より、少なくとも2倍以上大きい必要がある。このように導体10及び絶縁シート20の網目(メッシュ)間隔を規定することで、本工程において積層体30の内部にボイドが残存せず、絶縁樹脂50が積層体30内に十分に行渡る。
また、貫通端子40は、図9に示す半導体素子200の接続ねじ201との導通を保つため、導体部分を露出させる必要があるが、金型固定治具82,83のようなボルトナットにより締結する以外に、金型81をプレスしておいてもよく、また、樹脂含浸後に機械加工により貫通端子40の導体部分を露出させてもよい。
また、本工程における絶縁樹脂50の導体10及び絶縁シート20に対する含浸は、溶融した絶縁樹脂50の粘度によって上述した真空引きだけでなく、他方の開口部81Bから加圧して押し出してもよく、真空引きと加圧押し出しを併用してもよい。
以上の工程により、交互に積層した網目状の導体10と網目状の絶縁シート20とを、真空引きにより絶縁樹脂50を含浸し、一体化することで絶縁樹脂50内にボイドが形成され難いという効果を奏する。
また、本実施形態で製造された絶縁ブスバーは、貫通端子40の周辺に接合界面や接着層がないため、絶縁の弱点(図9における「A」)が形成されない。
また、本実施形態で製造された絶縁ブスバーは、導体と絶縁体との積層構造が、板状体と板状体との接着構造ではないため、絶縁ブスバーに曲げや応力が加わっても導体と絶縁体との剥離が発生し難い。
また、本実施形態で製造された絶縁ブスバーは、接着層を設けることなく、網目状の導体10と網目状の絶縁シート20とが絶縁樹脂50で一体化されているため、製造コストを低減することができる。
さらに、本実施形態で製造された絶縁ブスバーは、絶縁樹脂50に熱硬化性樹脂を用いることにより、特許文献1〜4のように熱可塑性樹脂を用いるよりも、高耐熱の絶縁ブスバーを提供することができる。
加えて、本実施形態で製造された絶縁ブスバーは、網目状の導体間が網目状の絶縁シートにより一定間隔を保ち、一般的なブスバーと比較し低インダクタンスであり、一体構造であるため、取り付けが容易であるという、従来の絶縁ブスバーの特徴も兼ね備えている。
したがって、パワーモジュール周辺の小型化も期待でき、今後開発が進むSiCデバイスとして求められる要素に適う、より高耐圧化された絶縁ブスバーの製造方法を提供することができる。
(他の実施形態)
図6は、本発明の絶縁ブスバーの他の実施形態における構成を示す断面図である。また、図7は、本発明の絶縁ブスバーの製造方法の他の実施形態を示す断面図である。なお、本実施形態の絶縁ブスバー及びその製造方法は、樹脂含浸工程において用いられる金型及びそれによって形成される沿面距離確保部の構成が上述した実施形態と異なるだけであるため、上述の実施形態と重複又は相当する部材等については図に同一符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、絶縁ブスバーの他の実施形態として、絶縁樹脂50と一体化され、厚み方向に突出した複数の突起を有する沿面距離確保部60を備えてもよい。この沿面距離確保部60は、図7に示すように、複数の凹部81bが内面に形成された金型81を用いることにより作製することができる。
ここで、従来の半導体素子においては、2つの外部導出端子の間に凹凸形状を施すことにより、沿面距離D(図9参照)を長くして絶縁性能を高めたものが多く提案されている。これに対して、従来のラミネートブスバーは、プレス加工により導体及び絶縁体を圧着して作製するため、絶縁ブスバーの表面は概ね平坦形状となり、沿面距離D(D<D)が短く、互いに十分な絶縁性能を発揮することができないことがあった。そこで、相互の絶縁性能を高めるためには、沿面距離が長くなるように成型されたひだ溝構造体などを絶縁ブスバーの表面に設けることとなる。しかし、このようなひだ溝構造体を別の部材として絶縁ブスバーの表面に設置することとなった結果、その設置によって機械的・電気的な問題(剥離や部分放電、絶縁破壊)が新たに生じることがあった。
このような問題に対して、本実施形態のように、絶縁ブスバーの表面にひだ溝構造をなす沿面距離確保部60を絶縁樹脂50と一体に形成することで、機械的・電気的な問題を生じることなく、長い沿面距離D(D>D(図9参照))を確保することができる。
また、金型81の凹部81bの形状の変更によって、沿面距離確保部60や積層体30の形状に自由度があるため、従来の絶縁ブスバーでは実現困難な沿面距離を確保することができる。例えば、一部を湾曲させた形状の金型を用いることで、図8に示すように、積層体30の貫通端子40A,40B間を湾曲させた湾曲部70を有する絶縁ブスバーを作製することができ、より長い沿面距離D(D>D(図9参照))を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
10・・・網目状の導体
20・・・網目状の絶縁シート
30・・・積層体
40・・・貫通端子
50・・・絶縁樹脂
60・・・沿面距離確保部
81・・・含浸注型金型
82・・・金型固定治具
83・・・金型固定治具
84・・・恒温樹脂槽

Claims (6)

  1. 網目状の導体と網目状の絶縁シートとが積層された積層体と、該積層体を貫通するように接合された貫通端子とを有し、
    前記網目状の導体と、前記網目状の絶縁シートと、前記貫通端子とがそれぞれに含浸された絶縁樹脂によって一体成形されたことを特徴とする絶縁ブスバー。
  2. 前記網目状の絶縁シートの材質が、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、前記絶縁樹脂の含浸性がある絶縁紙、又はグラスファイバーであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ブスバー。
  3. 前記絶縁樹脂と一体化した沿面距離確保部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁ブスバー。
  4. 網目状の導体と網目状の絶縁シートとを積層して積層体を作製する積層体作製工程と、
    前記積層体を貫通するように貫通端子を接合する貫通端子設置工程と、
    前記貫通端子が設置された前記積層体を金型に固定し、絶縁樹脂を真空引きすることによって、前記網目状の導体と前記網目状の絶縁シートとを前記絶縁樹脂でそれぞれ含浸して、前記貫通端子と共に一体成形した樹脂含浸工程とを含むことを特徴とする絶縁ブスバーの製造方法。
  5. 前記網目状の絶縁シートの材質が、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、前記絶縁樹脂の含浸性がある絶縁紙、又はグラスファイバーであることを特徴とする請求項4に記載の絶縁ブスバーの製造方法。
  6. 前記樹脂含浸工程は、前記絶縁樹脂と一体化した沿面距離確保部を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の絶縁ブスバーの製造方法。
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