JP6063355B2 - 溶接用ソリッドワイヤおよび溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、極低温用の9%Ni鋼(9%ニッケル鋼)の溶接に適した鉄基の溶接用ソリッドワイヤ、およびこうした溶接用ソリッドワイヤを用いた溶接方法、並びに当該溶接方法によって形成される溶接金属に関する。
液体窒素温度(−196℃)程度の極低温下で使用される高張力鋼(極低温用鋼)として、9%Ni鋼が知られており、この9%Ni鋼は高い耐力と卓越した極低温靱性を有している。そのため、9%Ni鋼はLNG(液化天然ガス)や液体窒素、液体酸素等の貯蔵タンクの素材として、或はその関連機器等の素材として広く用いられている。このような9%Ni鋼の優れた極低温靱性を有効に活用するためには、9%Ni鋼同士を溶接して形成される溶接継手の溶接金属(溶接接合部)においても、この母材と同程度の優れた特性を有していることが要求される。
こうした背景から、9%Ni鋼同士の溶接技術についてもこれまで様々の検討が加えられている。例えば、極低温用の9%Ni鋼母材と同じ或は母材に類似した成分の溶接ワイヤ(所謂共金系溶接ワイヤ)を用いてこれを溶接すれば、極低温特性の優れた溶接金属が得られるものと考えられる。溶接方法として、MIG溶接(Inert gas metal−arc welding)を採用すれば、TIG溶接(Inert gas tungsten−arc welding)よりも溶接効率が高くなるのであるが、安定した低温靱性は確保できないという問題がある。こうしたことから、MIG溶接よりも溶接効率が低いTIG溶接に限定され、溶接施工の作業性が著しく低下する。このため、共金系溶接ワイヤの適用例は殆どないのが実状である。
図1に、9%Ni鋼板同士の突合せ溶接継手例(溶接試験例)を模式的に示す。TIG溶接を適用するにしても、MIG溶接を適用するにしても、9%Ni鋼板2a,2b同士の溶接継手1aにおける溶接金属3を、大入熱によって、ビード(ビードとは、各パスによってつくられた溶接金属をいう。以下同じ)(1)〜(13)を多層盛りに、順次形成していく過程は同じである(図1中、5は裏当て材を示す)。尚、図1は良好なビード形状の状態を示しており、ビード形状が不良になると上向きに大きく膨らんだ状態となる。また、図1では、説明の便宜上、溶着ビード(4)〜(10)は図示していない。
TIG溶接では、溶着量を比較的小さくしてビードを薄くするため、後続するビード、例えばビード(13)によって、前のビード(12)が完全に逆変態される。これによって、各ビード層の比較的粗大な原質部(凝固組織)が微細な再熱組織(再熱処理組織)となっている。即ち、上層部のビードを溶接していくときの熱サイクルによって、適度の熱処理効果が得られるため、下層部のビード組織の微細化が図れ、下層部の低温靱性が高められる。
これに対して、溶接効率が高いMIG溶接では、溶着量が比較的大きいために、必然的に、前記再熱組織と、再熱されない原質部が板厚方向に交互に位置することになる。このため、溶接継手1aにおける溶接金属3においては、MIG溶接で形成されたものの方が、TIG溶接で形成されたものよりも、安定した低温靱性の確保が難しくなる傾向がある。
こうしたことから、高効率なMIG溶接による9%Ni鋼の溶接施工に際しては、Ni量が60%と比較的高いNi基合金(所謂INCONEL:登録商標)の溶接ワイヤが汎用されてきた。このようなNi基合金溶接ワイヤを用いた溶接継手では、−196℃でも溶接ままで優れた靱性を示すものの、強度、特に0.2%耐力は9%Ni鋼母材に比べて極めて低いものとなる。その結果、溶接母材として9%Ni鋼を使用しているにも拘わらず、溶接継手の強度が低くなるため、設計応力もこれに応じて下げざるを得ず、溶接継手での高い強度を確保するためには、溶接構造物全体の板厚を厚くしなければならないという不都合を招く。
上記のようなNi基合金溶接ワイヤを使用する限り、9%Ni鋼の高い強度が十分には活かされず、溶接構造物の板厚増加、重量の増加、高価なNi基合金溶接ワイヤの消費量増大という二重三重の負荷や負担を余儀なくされている。しかも、Ni基合金溶接ワイヤによる溶接では、どうしてもNiに伴う高温割れの問題がつきまとうばかりか、母材である9%Ni鋼とは、その成分組成が大きく異なるために、溶接時の互いの熱膨張係数差による、熱疲労発生の問題も顕在化してくる。
上記のような溶接施工上の制約から、9%Ni鋼自体は極低温用鋼としての卓越した性能を具備しているにも拘わらず、従来からその適用範囲が著しく制限されているのが実状である。このため、Ni基合金溶接ワイヤに代えて、9%Ni鋼母材と同じであるか或は母材に類似した化学成分組成の共金系溶接ワイヤを用いた溶接技術について、溶接継手の極低温靱性をより一層高めるための研究が検討されている。
こうした技術として、例えば特許文献1には、9%Ni鋼の共金系溶接ワイヤによる溶接施工法を工夫して溶接継手の極低温靱性を改善する方法が提案されている。この技術は、多層盛り溶接をして溶接金属を形成した後に、最終層のビード表面を150℃以下まで冷却し、次いで最終層のビード表面を不活性ガスでシールドしつつ、非消耗電極からのアークで再溶融させる方法である。この技術は、上層部溶接時の熱サイクルによる熱処理効果が期待できない開先中央部の最終層を、再溶融させることによって熱処理を加えて低温靱性を向上させようとするものである。しかしながら、このような技術では、溶接施工において工程数が増えるという問題と共に、あくまで溶接継手における最終溶接層のみの部分的な低温靱性の改善に止まるものである。従って、溶接継手の特性を支配する溶接金属全体の低温靱性の向上に関しては、必ずしも有効であるとはいえない。
本発明者らは、上記のような課題に対してかねてより研究を進めており、その研究の一環として特許文献2〜4のような技術を提案している。これらの技術は、9%Ni鋼の共金系溶接ワイヤにREM(希土類元素)を添加し、溶接金属における低温靱性および耐亀裂発生強度を改善するものである。即ち、溶接金属中に微細なREM酸化物を形成させることによって、結晶粒成長を抑制するピン止め粒子をして機能させる。これらの技術で低温靱性の評価は、鋼材一般の特性評価で用いられているシャルピー衝撃吸収値だけで行っており、このシャルピー衝撃吸収値では良好な値を示している。
溶接金属の低温靱性を評価するに当たっては、CTOD(Crack Tip Opening Displacement)試験による限界CTOD値で良好な値を示す特性(CTOD値により評価される特性を「CTOD特性」と呼ぶことがある)を有していることが重要である。限界CTOD値を高いレベルで維持することで、例えば溶接金属に欠陥のあった際の急激な破壊が抑制されることになる。しかしながら、これまで提案した技術では、CTOD特性が必ずしも良好であるとは言えなかった。
特開昭53−118241号公報 特開2009−101414号公報 特開2010−172907号公報 特開2011−056539号公報
本発明はこうした従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高効率なMIG溶接等のガスシールドアーク溶接法によって9%Ni鋼同士を溶接したときに、良好なCTOD特性を示す溶接金属が形成可能な溶接用ソリッドワイヤ、およびこのような溶接用ソリッドワイヤを用いて良好なCTOD特性を示す溶接金属を形成するための溶接方法、並びにこうした溶接方法によって得られ、良好なCTOD特性を示す溶接金属を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の溶接用ソリッドワイヤとは、C:0.10%(「質量%」の意味。以下、化学成分組成について同じ。)以下(0%を含まない)、Si:0.15%以下(0%を含まない)、Mn:0.10〜0.80%、Ni:8.0〜15.0%、REM:0.005〜0.040%、およびO:0.0065%以下(0%を含まない)を含有し、REMの含有量[REM]とOの含有量[O]の比([REM]/[O])が、4.3〜16.0であり、残部が鉄および不可避的不純物であることを特徴とする。
本発明の溶接用ソリッドワイヤにおいて、前記ソリッドワイヤの表面がCuめっき層で覆われており、このCuめっき層の量が、ソリッドワイヤ総質量に対して、0.10〜0.20%であることが好ましい。
本発明の溶接用ソリッドワイヤは、炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)で含むアルゴンガスまたは炭酸ガスを含まないアルゴンガス(純アルゴンガス、以下同じ)をシールドガスとする、パルス電源を用いたガスシールドアーク溶接に使用されるものであることが好ましい。
一方、本発明の溶接方法においては、シールドガスが、炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)で含むアルゴンガスまたは炭酸ガスを含まないアルゴンガスであることが好ましい。また、上記のような溶接用ソリッドワイヤを用い、炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)で含むアルゴンガスまたは炭酸ガスを含まないアルゴンガスをシールドガスとして、鋼材をガスシールドアーク溶接することで溶接金属を形成することもできる。
本発明は、上記の各溶接方法によって形成された溶接金属も包含する。
本発明では、化学成分組成を適切に規定することによって、高効率なMIG溶接等のガスシールドアーク溶接法によって9%Ni鋼同士を溶接したときに良好なCTOD特性を示す溶接金属を形成することができる。
良好なビード形状の9%Ni鋼板同士の突合せ溶接継手例を模式的に示す説明図である。 溶接金属のシャルピー衝撃試験片の採取位置を示す概略説明図である。
本発明者らは、高効率なMIG溶接による9%Ni鋼板同士の溶接において、溶接金属での良好な低温靱性、特に良好なCTOD特性を達成するための要件について、様々な角度から検討した。その結果、化学成分組成を適切に調整した溶接用ソリッドワイヤにおいて、特にREMの含有量[REM]とOの含有量[O]の比([REM]/[O])を、4.3〜16.0とすれば、高いCTOD値が得られることが判明した。
本発明者らは、溶接継手の良好なビード形状を得るには、REMの含有量[REM]とOの含有量[O]の比([REM]/[O])を、2.5〜4.2とすることが有効であることを見出している(前記特許文献4)。しかしながら、上記比([REM]/[O])を、2.5〜4.2の範囲にしたものでは、限界CTOD値が却って低下し、良好な低温靱性(CTOD特性)が得られない場合があることも分かった。
そこで、上記比([REM]/[O])の値を比較的高めにしてやれば、より良好な低温靱性を確保できるとの着想が得られた。しかしながら、上記比([REM]/[O])の値を高めにすれば、ビード形状が悪化することが予想される。こうしたビード形状の悪化は、溶接条件を適切に制御することによって補填すればよいとの着想も得られた(後述する)。そして、更に検討したところ、基本的にMIG溶接を実施する要件下で、シールドガス雰囲気の調整や、溶接電源をパルス電源とすれば、上記比([REM]/[O])の値を比較的高めすることによるビード形状の悪化を十分補填できることを見出した。
本発明の溶接用ソリッドワイヤにおいては、その化学成分組成を適切に調整する必要があるが、その範囲設定理由は下記の通りである。尚、溶接用ソリッドワイヤの化学成分組成は、基本的に溶接金属の化学成分組成を反映することになる。
(C:0.10%以下(0%を含まない))
Cは、少量でも溶接金属の引張強度(TS)を高める上で有効な元素である。そのため、0%を超える実質量を含有させるが、C含有量が過剰になると溶接金属の低温靱性が著しく低下する。こうした観点から、C含有量は0.10%以下とする必要がある。好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下である。尚、溶接金属の引張強度(TS)を確保するという観点から、C含有量の好ましい下限は、0.01%以上であり、より好ましくは0.02%以上である。
(Si:0.15%以下(0%を含まない))
Siは、溶接作業性の向上に有効に作用するので、0%を超える実質量を含有させるが、Si含有量が過剰になると溶接金属の低温靱性が著しく低下する。こうした観点から、Si含有量は0.15%以下とする必要がある。好ましくは0.12%以下であり、より好ましくは0.10%以下である。尚、溶接作業性を向上させるという観点から、Si含有量の好ましい下限は、0.01%以上であり、より好ましくは0.02%以上である。
(Mn:0.10〜0.80%)
Mnは、溶接作業性を改善すると共に、脱酸剤や硫黄捕捉剤として卓越した効果を発揮するため、重要な基本成分となる。こうした効果を有効に発揮させるためには、Mn含有量は0.10%以上とする必要がある。しかしながら、Mn含有量が過剰になると、溶接金属中に安定な残留オーステナイトが生じやすくなり、Niを過剰に含有させた場合と同様に(後述する)、溶接金属の低温靱性が著しく損なわれる。こうした観点から、Mn含有量は0.80%以下とする必要がある。尚、Mn含有量の好ましい下限は、0.2%以上、より好ましくは0.3%以上であり、好ましい上限は0.7%以下、より好ましくは0.6%以下である。
(Ni:8.0〜15.0%)
Niは、共金系溶接用ソリッドワイヤの使用対象となる9%Ni鋼の場合と同様に、良好な低温靱性を確保する上で重要な成分である。Ni含有量が8.0%未満では、溶接金属に対して十分な低温靱性を付与することができない。一方、Ni含有量が過剰になって15.0%を超えると、溶接金属の機械的強度が高くなり過ぎ、延性が極端に低下し、更には不安定な残留オーステナイトを生じることで、極低温下ではマルテンサイトに変態して低温靱性の低下を招く。尚、Ni含有量の好ましい下限は9.0%以上、より好ましくは10.0%以上であり、好ましい上限は13.0%以下、より好ましくは12.0%以下である。
(REM:0.005〜0.040%)
REM(希土類元素)は、本発明において重要な作用を有する元素である。REMは溶接金属中に含まれる微量の酸素と反応して微細な酸化物(REM酸化物)を形成する。このような微細なREM酸化物は、破壊起点としては作用せず、むしろ溶接凝固過程や凝固後の結晶粒成長を抑制するピン止め粒子として機能するため、溶接金属全体の強度や低温靱性(特にCTOD特性)を高めるのに有効に作用する。REM含有量が0.005%未満では、溶接金属に対して十分な低温靱性を付与することができない。一方、REM含有量が過剰になって0.040%を超えると、破壊起点として作用する粗大なREM酸化物の形成が促進されるため、溶接金属の低温靱性が却って低下する。REM含有量の好ましい下限は0.008%以上、より好ましくは0.010%以上であり、好ましい上限は0.025%以下、より好ましくは0.020%以下である。尚、本発明におけるREM(希土類元素)は、周期律表のLaからLuまでの15のランタノイド系列希土類元素を意味する。これらの元素は、いずれも同等の効果を発揮するので、上記15の元素から適宜選択して1種の元素を用いても良いし、複数の元素を用いても良い。
(O:0.0065%以下(0%を含まない))
Oは、低温靱性(特にCTOD特性)を向上させる微細REM酸化物を形成する上で必要な元素である。O含有量が過剰になると、粗大酸化物が形成されるようになり、特にCTOD特性に悪影響を及ぼすことになるので、0.0065%以下とする必要がある。O含有量の好ましい上限は0.0060%以下、より好ましくは0.0050%以下である。O含有量の下限については、特に規定されないが、後述する比([REM]/[O])の値が所定の範囲となるように制御する必要がある。
(比([REM]/[O]):4.3〜16.0)
低温での良好なCTOD特性を確保するためには、局部脆化域の形成を抑制する必要がある。REMの含有量[REM]とOの含有量[O]の比([REM]/[O])が、4.3を下回ると、おそらくはSi系酸化物が形成されるようになり、これが脆性破壊の起点となって所望のCTOD値が得られなくなる。また、比([REM]/[O])が16.0を上回ると、酸化物を形成していない固溶REMが増加し、マトリクス中の結晶粒界に偏析することで粒界を脆化させ、やはり所望のCTOD値が得られなくなる。尚、比([REM]/[O])の好ましい下限は4.5以上、より好ましくは5.0以上であり、好ましい上限は14.0以下、より好ましくは12.0以下である。
本発明の溶接用ソリッドワイヤの基本成分組成は上記の通りであり、残部は実質的に鉄である。但し、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避的不純物(例えば、Al,Ti,Ca,Cr,Mg,P,S,B,N等)も含み得るものである。これらの元素は、CTOD特性を含む低温靱性を低下させる傾向があるので、定法による製鋼工程での経済的な範囲内ではあるが、できるだけ低減することが好ましい。具体的には、Alは0.020%未満、Tiは0.020%未満、Caは0.002%未満、Crは0.01%未満、Mgは0.002%未満、Pは0.015%未満、Sは0.010%未満、Bは0.002%未満、Nは0.008%未満に制御されることが好ましい。
本発明の溶接用ソリッドワイヤは、上記のような化学成分組成の共金系の鋼線材の素線(原線)を、製品径(0.8〜1.6mmφの細径)まで、ローラダイスや孔ダイス線引き装置を用いた、公知の伸線工程で伸線することによって製造することができる。
上記のようにして製造された溶接用ソリッドワイヤは、スプールに巻装、或はペールパックに充填された収納形態で搬送され、溶接に供せられる。このように収納された溶接用ソリッドワイヤは、9%Ni鋼による低温構造物の溶接施工現場にて、送給機の送給ローラによりスプール(或はペールパック)から引き出され、後続するコンジットケーブル(フレキシブルなガイド管)に内包されたライナー等を経由して、溶接位置にあるMIG溶接のトーチ内の給電チップ部分まで送給される。
このような一連の溶接用ソリッドワイヤの送給作業の際に、送給条件によらず、一定速度で安定的に溶接用ソリッドワイヤが供給される。ワイヤの送給性をより安定的に確保するために、溶接用ソリッドワイヤの表面に、銅めっき層の形成や、潤滑剤若しくは防錆油等の塗布を施しても良い。これら銅めっき層や潤滑剤等には、送給ライナーからの送給抵抗を下げて、ワイヤの送給性を向上させる効果があり、伸線加工時の伸線性を大きく向上させ、通電性や防錆性などを向上させる効果がある。尚、溶接用ソリッドワイヤの表面に、銅めっき層を形成する場合には、めっき付着量は、めっき性および極低温靱性の両立という観点から、溶接用ソリッドワイヤ総質量に対して0.10〜0.20%程度であることが好ましい。めっき付着量が0.10%を下回ると、十分なめっき性が得られない。一方、0.20%を超えると、溶接金属中のCu濃度が上昇し、強度が過大となって極低温靱性が確保できなくなる。
但し、溶接用ソリッドワイヤ表面に銅めっき層、潤滑剤若しくは防錆剤を施す際には、環境上の問題を配慮して、これらの銅めっき層や潤滑剤或は防錆剤を表面に施さない裸の溶接用ソリッドワイヤの適用も可能である。また本発明の溶接用ソリッドワイヤは、通常の共金系のみからなる単一構造のソリッドワイヤだけでなく、公知の同軸複層ワイヤの構造を採用しても良い。
本発明の溶接用ソリッドワイヤを用いて鋼材を溶接するに当たっては、基本的な溶接方法は、MIG溶接が主たる溶接方法となる。本発明の溶接法としては、「ガスシールドアーク溶接法」と広義に規定している。これは、MIG溶接の定義が、「Metal Inert Gas Welding」であり、不活性ガス(Ar)をシールドガス(イナートガス)とする溶接法であるので、厳密には、シールドガスが100%Ar(純アルゴンガス)である場合を意味することになる。これに対し本発明では、前述のごとく、純アルゴンガスをシールドガスとして用いる場合だけでなく、シールドガス中に炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)という、わずかな炭酸ガスをArに混入させた場合も含むものである。こうした場合にあっても、MIG溶接と呼べるのかとなれば、前記定義からすれば、微妙な問題がある。従って、本発明では、このように炭酸ガスをわずかに含む場合も、明確に範囲に含まれることを明らかにする観点から、適用溶接方法を、MIG溶接より広義の「ガスシールドアーク溶接」と規定している。尚、シールドガス中の炭酸ガス量を2.0%未満(0%を含まない)と規定したのは、炭酸ガス量が2.0%以上となると、炭酸ガスに由来する酸素によって溶接金属中の酸素量が増加してしまい、溶接金属における良好なCTOD特性が確保できなくなるからである。シールドガス中の炭酸ガス量は、好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。
また本発明の溶接用ソリッドワイヤを用いて溶接を実施するに際し、通常の溶接電源(定常の溶接電源)を用いても良いが、パルス電源を用いることで、良好なビード形状が得られるようになるので好ましい。尚、パルス電源を用いることによって溶着金属が溶滴からスプレー状になりやすいこと、その結果として、ビード形状が良くなることは、既に知られているが、上記のような溶接用ソリッドワイヤとの組み合わせによって、良好なビード形状と良好な低温靱性の両特性を具備できることは、極めて有用なことである。
ガスシールドアーク溶接を実施するに際しては、シールドガスを二重とし、アウターガスを純アルゴン雰囲気とすることも有用である。こうした構成を採用することによって、溶接時における大気混入が極力抑制され、より一層良好な低温靱性を有する溶接金属が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1、2に示した化学成分組成を有する鋼線材を真空溶製により製造し、線引き加工によって製品径1.2mmの溶接用ソリッドワイヤを得た。このうち、一部の溶接用ソリッドワイヤについては、Cuめっきを施した。尚、表1におけるREMは、Ce、Laを主として含むミッシュメタルを用いた。
Figure 0006063355
Figure 0006063355
作製した溶接用ソリッドワイヤを用い、下記の溶接条件にてガスシールドアーク溶接を実施し、溶接金属の各種特性(ビート形状、シャルピー衝撃吸収値、CTOD特性)を評価した。このとき、下記表3に示す化学成分組成の溶接母材を用いた。
Figure 0006063355
(溶接条件)
母材(鋼材)板厚:25mm
開先角度:60°(V形開先)
ルート間隔:4mm
溶接姿勢:下向き
シールドガス:アルゴン(Ar)ガス+0〜1.8%CO2(一部のものには、シールドガスを二重とし、アウターガスを純アルゴン(Ar)ガスとした:下記表4、5)
溶接電流:260〜280A(直流電源、ワイヤプラス)
溶接電圧:23〜31V
溶接速度:24〜27cm/min
予熱/パス間温度:50〜125℃
積層方法:7層16パス
(ビード形状の評価)
パスごとにグラインダー処理を実施せずに、目視によって良好なビード形状の溶接金属が得られた場合(図1に示した状態)を「○」、得られなかった場合(ビード形状が上方に凸状になった状態)を「×」と評価した。
(シャルピー衝撃吸収値の評価)
溶接金属の板厚中央部より、図2に示したように、溶接線方向に垂直にシャルピー衝撃試験片(JIS Z 3111 4号Vノッチ試験片)を各3本採取し、JIS Z 2242に則って、−196℃でのシャルピー衝撃試験を実施し、シャルピー衝撃吸収値(vE-196)を測定した。3本のシャルピー衝撃吸収値の平均値が100J以上を示したものを低温靱性に優れると評価した。
(CTOD特性の評価)
BS−7448規格に基づき、疲労亀裂(切欠き)を溶接金属中央部に位置させたCTOD試験片を各3個製造し、−165℃での3点曲げCTOD試験を実施した。そして、3個ともポップイン(ポップインとは、疲労亀裂からの亀裂面上において微小な脆性亀裂が発生し、比較的短い進展で停止する現象である。この現象は不安定破壊の一種であり、ポップインが観察される材料では、実際の構造物における脆性破壊の危険性が高くなる。)が発生せずに、且つ限界CTOD値δの平均値が0.30mm以上を示したものを、CTOD特性に優れると評価した。
これらの結果を、溶接電源の種類、シールドガスの形態と共に、下記表4、5に示す。
Figure 0006063355
Figure 0006063355
この結果から次のように考察できる。試験No.1〜24は、本発明で規定する要件を満足する溶接用ソリッドワイヤを用いて溶接金属を形成した例であり、いずれも良好な低温靱性(vE-196:100J以上、限界CTOD値δ:0.30mm以上)を示していることが分かる。このうち、特に試験No.5〜11、13、14、16、17、19、20、22〜24のものでは、シールドガスの組成を適切にしつつ、パルス電源を用いて溶接金属を形成した例であり、ビード形状においても良好となっていることが分かる。
これに対して、試験No.25〜35は、本発明で規定するいずれかの要件を満足しない例であり、いずれかの特性が劣化している。即ち、試験No.25は、C含有量が過剰な溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.25)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。また、試験No.25は、通常の溶接電源を用いているので、ビード形状においても劣化している。試験No.26は、Si含有量が過剰な溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.26)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。また試験No.26は、通常の溶接電源を用いているので、ビード形状においても劣化している。
試験No.27は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、Mn含有量が不足する溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.27)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。試験No.28は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、Mn含有量が過剰な溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.28)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。
試験No.29は、Ni含有量が不足する溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.29)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。また試験No.29は、通常の溶接電源を用いているので、ビード形状においても劣化している。No.30は、Ni含有量が過剰な溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.30)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。また試験No.30は、通常の溶接電源を用いているので、ビード形状においても劣化している。
試験No.31は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、REM含有量が不足する溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.31)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(限界CTOD値δ)が劣化している。試験No.32は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、REM含有量が過剰な溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.32)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(vE-196、限界CTOD値δ)が劣化している。
試験No.33は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、O含有量が過剰な溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.33)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(限界CTOD値δ)が劣化している。
試験No.34は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、比([REM]/[O])の値が大きくなり過ぎた溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.34)を用いて溶接金属を形成した例であり、低温靱性(限界CTOD値δ)が劣化している。試験No.35は、パルス溶接電源を用いることによって良好なビード形状が得られているが、比([REM]/[O])の値が小さくなり過ぎた溶接用ソリッドワイヤ(ワイヤNo.35)を用いて溶接金属を形成した例であり、初期サイクルにおいてポップインが発生している。
1a 溶接継手
2a,2b 9%Ni鋼板
3 溶接金属
5 裏当て材

Claims (6)

  1. C :0.10%(「質量%」の意味。以下、化学成分組成について同じ。)以下(0%を含まない)、
    Si:0.15%以下(0%を含まない)、
    Mn:0.10〜0.80%、
    Ni:8.0〜15.0%、
    REM:0.005〜0.040%、および
    O :0.0065%以下(0%を含まない)
    を含有し、REMの含有量[REM]とOの含有量[O]の比([REM]/[O])が4.3〜16.0であり、残部が鉄および不可避的不純物であることを特徴とする溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 前記ソリッドワイヤの表面がCuめっき層で覆われており、このCuめっき層の量が、ソリッドワイヤの総質量に対して、0.10〜0.20%である請求項1に記載の溶接用ソリッドワイヤ。
  3. 炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)で含むアルゴンガスまたは炭酸ガスを含まないアルゴンガスをシールドガスとする、パルス電源を用いたガスシールドアーク溶接に使用されるものである請求項1または2に記載の溶接用ソリッドワイヤ。
  4. 請求項1または2に記載の溶接用ソリッドワイヤと、パルス電源とを用いて鋼材をガスシールドアーク溶接することで溶接金属を形成することを特徴とする溶接方法。
  5. シールドガスが、炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)で含むアルゴンガスまたは炭酸ガスを含まないアルゴンガスである請求項4に記載の溶接方法。
  6. 請求項1または2に記載の溶接用ソリッドワイヤを用い、炭酸ガスを2.0%未満(0%を含まない)で含むアルゴンガスまたは炭酸ガスを含まないアルゴンガスをシールドガスとして、鋼材をガスシールドアーク溶接することで溶接金属を形成することを特徴とする溶接方法。
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