JP6062312B2 - シリンダブロックの冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のシリンダボアが一列に形成された多気筒内燃機関におけるシリンダブロックの冷却構造に関する。
内燃機関では、燃焼ガスによってシリンダブロックやシリンダヘッドが高温になるため、これらの内部にウォータージャケットが形成されることがある。直列多気筒エンジンにおいては、シリンダブロックにいわゆるサイアミーズ型を採用することが多い。サイアミーズ型シリンダブロックでは、ウォータージャケットが、互いに隣接するシリンダボアの間には形成されず、すべてのシリンダボアを囲むように環状に形成される。
このようなウェータージャケットにおいて、冷却水入口から流入した冷却水がウォータージャケットを一方向に略全周して冷却水出口からシリンダヘッドに向けて流出するように、冷却水入口と冷却水出口との間に弾性体からなる仕切りを設けたシリンダブロックの冷却構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ウォータージャケットにおける冷却水入口の下流側近傍に第1仕切部材を設け、冷却水出口の上流側近傍に第2仕切部材を設け、第1仕切部材がウォータージャケットを構成する溝の上部および下部において冷却水を流通させるように配置され、第2仕切部材が溝の上部のみにおいて冷却水を流通させるように配置された発明も知られている(特許文献2参照)。
一方、ウォータージャケットの冷却水入口と冷却水出口との間に嵌装される仕切部材の下端とウォータージャケットを構成する溝の底面との間に流通路が形成されるように仕切部材を配置した発明も公知である(特許文献3参照)。
特開昭57−124057号公報 特開2003−97264号公報 特許第3573416号公報
しかしながら、特許文献2の発明では、冷却水入口と冷却水出口との間に仕切壁が設けられないため、冷却水入口から流入した冷却水の多くがウォータージャケットを周回することなく冷却水出口から流出してしまう。そのため冷却効果が低い。この問題に対し、冷却水出口を絞ることが考えられるが、このようにした場合にはウォータージャケット全体としての流路抵抗が非常に大きくなってしまう。そのため、冷却水量を確保するためにはポンプ性能を高くする必要があり、ポンプの大型化や燃費の悪化を招いてしまう。
一方、特許文献1や特許文献3の発明では、ウォータージャケットの流路抵抗は比較的小さいが、特にウォータージャケットの下流側において流路の全断面で冷却水の流速が均一になりやすく、高い冷却効果を得ることができない。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、ウォータージャケットの流路抵抗を比較的低く維持しつつ、高い冷却効果を得ることができるシリンダブロックの冷却構造を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、複数のシリンダボア(2a〜2d)を一列に形成するシリンダブロック(1)の内部に当該複数のシリンダボアを囲むように環状に形成されたウォータージャケット(5)と、前記シリンダブロック(1)の一端側に形成され、ウォーターポンプから吐出された冷却水を前記ウォータージャケット(5)に流入させる冷却水入口(9)と、前記シリンダブロック(1)の前記一端側に形成され、前記ウォータージャケット(5)を流通した冷却水を前記シリンダブロックの上面(1t)に締結されるシリンダヘッドに向けて流出させる冷却水出口(10)と、前記シリンダブロック(1)の前記一端側において前記ウォータージャケット(5)に挿入され、前記ウォータージャケット(5)を前記冷却水入口(9)側と前記冷却水出口(10)側とに仕切る第1仕切部材(12)とを有し、前記冷却水入口(9)から前記ウォータージャケット(5)に流入した冷却水を、前記シリンダブロック(1)の排気(1e)側でシリンダ列方向の他端側へ流通させた後、最も前記他端側のシリンダボア(2d)を周回させ、前記シリンダブロック(1)の吸気(1i)側でシリンダ列方向の前記一端側へ流通させて前記冷却水出口(10)から流出させるシリンダブロック(1)の冷却構造であって、前記シリンダ列方向の他端側において前記ウォータージャケット(5)に挿入され、前記ウォータージャケット(5)の一部を仕切ることによって流路断面積を縮小させた連通路(16,17)を形成する第2仕切部材(15)を更に有する構成とする。
この構成によれば、第2仕切部材が形成する連通路によってウォータージャケットの流路断面積が絞られるため、第2仕切部材よりも下流側となる吸気側において冷却水の流速が高まり、シリンダブロックを効果的に冷却することができる。また、ウォータージャケットの流路抵抗を比較的低く維持できる。
また、本発明の一側面によれば、前記第2仕切部材(15)は、前記ウォータージャケットの上部に第1連通路(16)を形成する構成とすることができる。
シリンダブロックが高温になる主な要因は燃焼室内での燃焼熱であり、シリンダブロックは上部ほど高温になる。これに対し、この構成によれば、シリンダブロックの吸気側においてウォータージャケットの上部で冷却水の流速が高まるため、シリンダブロックにおける熱源近傍を効果的に冷却することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記第2仕切部材(15)の上部には、前記第1連通路(16)を形成する切欠(15a)が形成された構成とすることができる。
この構成によれば、第2仕切部材をシリンダブロックの上面まで延在するかたちでウォータージャケットに設置できるため、第2仕切部材の位置合わせが容易になるうえ、第2仕切部材の上方への移動をシリンダブロックにより規制することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記第2仕切部材(15)は、前記ウォータージャケット(5)の下部に前記第1連通路(16)よりも流路断面積が小さな第2連通路(17)を形成する構成とすることができる。
この構成によれば、シリンダブロックの吸気側においてウォータージャケットの下部にも冷却水が流れるため、ウォータージャケットの下部に冷却水が滞留してシリンダブロックの下部の冷却効果が低くなり過ぎることを抑制できる。
また、本発明の一側面によれば、前記第2仕切部材(15)は、前記ウォータージャケット(5)の深さよりも短く形成され、前記第2連通路(17)を形成する隙間が下方に形成されるように前記ウォータージャケット(5)に配置された構成とすることができる。
この構成によれば、第2仕切部材を切り欠いて前記第2連通路を形成する場合に比べ、第2連通路に必要な流路断面積をより小さな高さで確保できるうえ、他の部材や部位のレイアウトを阻害することなく第2連通路を形成することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記冷却水入口(9)は、前記ウォータージャケット(5)の上部であって、前記複数のシリンダボア(2a〜2d)の中心線(2Xa〜2xd)を通るブロック中心面(1X)に対して前記排気(1e)側に形成されており、前記第1仕切部材(12)は、前記ブロック中心面(1X)に対して前記排気(1e)側に配置され、前記第2仕切部材(15)は、前記ブロック中心面(1X)に対して前記吸気(1i)側に配置されている構成とすることができる。
この構成によれば、シリンダブロックの排気側においてウォータージャケットの上部で冷却水の流速が高まるため、シリンダブロックにおける熱源近傍を効果的に冷却することができる。また、第1仕切部材および第2仕切部材がブロック中心面に対してそれぞれ排気側および吸気側に配置されたことにより、シリンダブロックの排気側および排気側においてシリンダ列方向へ流れる冷却水の流速低下を抑制でき、シリンダブロックをより均等に冷却できる。
また、本発明の一側面によれば、前記冷却水入口(9)は、前記ウォータージャケット(5)の上部であって、前記複数のシリンダボア(2a〜2d)の中心線(2Xa〜2xd)を通るブロック中心面(1X)と直交する方向から見たときに最も前記一端側のシリンダボア(2a)の中心線(2Xa)に対して前記他端側に偏倚した位置に形成された構成とすることができる。
この構成によれば、冷却水入口から流入する冷却水がシリンダ列方向の他端側へ流れやすくなり、ウォータージャケットの全体としての流路抵抗を小さくすることができる。
このように本発明によれば、ウォータージャケットの流路抵抗を比較的低く維持しつつ、高い冷却効果を得ることができるシリンダブロックの冷却構造を提供することができる。
本発明に係る冷却構造を適用したシリンダブロックの斜視図 図1のII方向から見た冷却水入口周辺のシリンダブロックの平面図 図2中のIII−III断面図 図1のIV方向から見たシリンダブロックの要部平面図 図4中のV−V断面図 図1のVI方向から見た冷却水入口周辺のシリンダブロックの側面図 図6中のVII−VII断面図 (A)排気側から(B)吸気側からそれぞれ斜めに見た図1に示すウォータージャケットにおける冷却水流れの説明図 実施形態に係る冷却構造の圧力損失を他の構造と比較したグラフ
以下、図面を参照して、本発明に係るシリンダブロック1の冷却構造の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、シリンダブロック1は、4つのシリンダボア2(2a〜2d)を一列に形成する直列4気筒エンジン用であり、燃焼室の上部を画成する別体のシリンダヘッド3(図3参照)がガスケット4(図3参照)を介して上面1tに結合されるオープンデッキ型として構成されている。シリンダブロック1には、上面1tに開口し、かつ互いに隣接するシリンダボア2の間を通らずに4つのシリンダボア2を囲むように形成されたウォータージャケット5が環状溝として形成されている。すなわち、シリンダブロック1は、シリンダボア2の外周部分(上部)にウォータージャケット5によって互いに分断された外壁6とシリンダバレル7とが形成され、4つのシリンダバレル7が一体に結合されたいわゆるサイアミーズ型として構成されている。なお、シリンダブロック1はアルミニウム合金などを素材とする鋳造品として形成される。
以下、シリンダブロック1のシリンダ列方向に沿う面を側面と称し、シリンダヘッド3に形成される吸気ポート側の側面を吸気側面1i、排気ポート側の側面を排気側面1eと称するものとする。また、図1の手前側から順に、第1シリンダボア2a、第2シリンダボア2b、第3シリンダボア2c、第4シリンダボア2dと称し、シリンダ列方向における第1シリンダボア2a側を一端側、第4シリンダボア2d側を他端側と称するものとする。
図2に併せて示すように、シリンダブロック1の排気側面1eの一端側には、図示しなウォーターポンプから吐出されて接続通路8を流通する冷却水をウォータージャケット5に流入させる冷却水入口9が形成されている。一方、ウォータージャケット5を流通した冷却水の冷却水出口10は、シリンダブロック1の上面1tの一端側であって、第1〜第4シリンダボア2a〜2dの各中心線2Xa〜2Xdを通る面(以下、ブロック中心面1Xと称する)に対して排気側面1e側(以下、単に排気側と称する。)に偏倚した位置に形成される。図3に示すように、シリンダブロック1とシリンダヘッド3との間には、ガスケット4が介装されており、ガスケット4に形成された貫通孔によってシリンダヘッド内ウォータージャケットの冷却水の入口を兼ねる冷却水出口10(図2)が形成される。
なお、ガスケット4には、上記冷却水出口10を構成する貫通孔以外にも、これに比べて小さな貫通孔がシリンダボア2間などの適所に設けられており、これらの貫通孔がシリンダブロック1のウォータージャケット5からシリンダヘッド内ウォータージャケットへの連通路となっている。したがって、シリンダブロック1側のウォータージャケット5では上流側に比べて下流側で冷却水流量が小さくなる。
シリンダブロック1のウォータージャケット5は、平面視において略同一幅の環状溝として形成されており、鋳造時の型抜きのために下方ほど幅が狭くなるテーパ状断面形状とされている。平面視において冷却水入口9と冷却水出口10との間には、外壁6の一部に凹みが形成されて溝幅が大きくされた第1拡幅部11が形成され、この第1拡幅部11には仕切壁をなす第1仕切部材12が上方から挿入されている。
図3に示すように、第1拡幅部11は、下方ほど幅が狭くなるテーパ状断面形状とされている。第1仕切部材12は、弾性体を少なくとも表面部に含み、ウォータージャケット5の深さよりも短い棒状を呈しており、第1拡幅部11の断面形状に適合するテーパ形状とされている。第1仕切部材12は、上端がシリンダブロック1の上面1tと一致し、かつ下方に隙間が形成されるように第1拡幅部11に配置される。第1仕切部材12は、第1拡幅部11に配置された状態では、全高(全長)にわたって外壁6およびシリンダバレル7に当接する。これにより、第1仕切部材12の下方の隙間(すなわち第1仕切部材12の欠損部)が一端側連通路13となる。
このように第1仕切部材12が配置されることにより、冷却水入口9から流入した冷却水の一部が一端側連通路13から吸気側面1i側(以下、単に吸気側を称する。)へ流通し、冷却水入口9から流入した冷却水の大部分は、ウォータージャケット5の排気側を他端側へ流通し、第4シリンダボア2dを周回してウォータージャケット5の吸気側を一端側へ流通し、冷却水出口10を通ってシリンダヘッド3に向けて流出する。
図1および図4に示すように、4つのシリンダボア2の中心を対称点として第1仕切部材12と点対称となる位置、すなわちウォータージャケット5の他端側であってブロック中心面1Xに対して吸気側に偏倚した位置には、外壁6の一部に凹みが形成されて溝幅が大きくされた第2拡幅部14が形成され、仕切壁をなす第2仕切部材15が第2拡幅部14に上方から挿入されている。
図5に示すように、第2拡幅部14は、下方ほど幅が狭くなるテーパ状断面形状とされている。第2仕切部材15は、弾性体を少なくとも外周部に含み、ウォータージャケット5の深さよりも短くかつ上部の1側面に切欠15aが形成された棒状を呈しており、第2拡幅部14の断面形状に適合するテーパ形状とされている。第2仕切部材15は、上端がシリンダブロック1の上面1tと一致し、かつ切欠15aを内側に向けて、切欠15aよりも小さな断面積を有する隙間が下方に形成されるように第2拡幅部14に配置される。第2仕切部材15は、第2拡幅部14に配置された状態では、切欠15a以外の部分でシリンダバレル7に当接し、かつ全高にわたって外壁6に当接する。これにより、第2仕切部材15はウォータージャケット5の流路断面積を縮小させ、切欠15aがウォータージャケット5の上部に他端側第1連通路16を形成し、第2仕切部材15の下方の隙間が他端側第1連通路16よりも流路断面積が小さな他端側第2連通路17をウォータージャケット5の下部に形成している。
このように第2仕切部材15が配置されることにより、冷却水入口9から流入してウォータージャケット5の排気側を他端側へ流通した冷却水は、大部分が他端側第1連通路16を通ってウォータージャケット5の吸気側の上部へ流通し、一部が他端側第2連通路17を通ってウォータージャケット5の吸気側の下部へ流通する。
図6および図7に示すように、冷却水入口9は、シリンダブロック1を排気側から見たとき、すなわちブロック中心面1Xと直交する方向から見たときに、最も一端側の第1シリンダボア2aの中心線2Xaに対して他端側(第2シリンダボア2b側)に寸法Dだけ偏倚した位置に形成されている。また冷却水入口9は、平面視(図7)でブロック中心面1Xと直交する方向にシリンダブロック1の外壁6を貫通する貫通孔として形成されている。貫通孔は、シリンダブロック1を排気側から見たときに(図6)、下流端が円形を呈し、上流端が下流端の円形を含みかつ上下方向に長い長円形を呈するテーパ形状とされている。つまり、冷却水入口9は、中心線9Xが下流側へ向けて上方に傾斜するように(図6参照)延在するテーパ形状とされている。
冷却水入口9がこのように形成されることにより、冷却水は冷却水入口9からウォータージャケット5へ向けて上向きに流入し、かつ図7に示すように衝突するシリンダバレル7が全体として他端側(第2シリンダボア2b側)へ傾斜していることによって他端側へ流通しやすくなっている。
次に、このような形成されたシリンダブロック1の冷却構造の作用効果について図8を参照して説明する。図8中の(A)は、一端側、排気側および上方から斜めに見たウォータージャケット5を示しており、(B)は、他端側、吸気側および上方から斜めに見たウォータージャケット5を示している。また図中の矢印は、冷却水の流れ方向と流速を示しており、矢印の密度や矢印の長さが大きいほど流速が高いことを示している。なお、図8では、シリンダブロック1などが透視され、ウォータージャケット5を実体のあるもののように描いている。
図示するように、冷却水入口9に高い流速をもって流入する冷却水は、シリンダバレル7(図7)に衝突して放射状に流れるが、第1仕切部材12の存在によって、また、前述した冷却水入口9の位置および形状によって、ウォータージャケット5の排気側の上部で高い流速をもって冷却水の大部分が他端側へ流れる。なお、一部の冷却水は一端側連通路13を通って冷却水出口10から流出するが、このように一端側連通路13から冷却水が流出することによって、ウォータージャケット5における第1仕切部材12に対して吸気側の下部において冷却水が淀むことがなく、この部分の冷却効果が低くなり過ぎることが防止される。
ウォータージャケット5の排気側の第4シリンダボア2d周辺では、ウォータージャケット5の上部における冷却水の流速が下がってくる。一方、第4シリンダボア2dを周回した冷却水は、第1仕切部材12の存在によって流路断面積が縮小されるため、再びウォータージャケット5の吸気側の上部および下部を高い流速をもってその大部分が他端側へ流れる。これにより、シリンダブロック1が効果的に冷却される。
また、この際、前述したように他端側第1連通路16の断面積が他端側第2連通路17の断面積よりも大きいことから、より多くの冷却水が他端側第1連通路16を流通する。これにより、ウォータージャケット5の吸気側においても冷却水の大部分が上部を高い流速をもって他端側へ流れる。これにより、シリンダブロック1の熱源となる燃焼室近傍が効果的に冷却される。また、冷却水が他端側第2連通路17をも通過することにより、ウォータージャケット5における第1仕切部材12に対して下流側の下部において冷却水が淀むことがなく、この部分の冷却効果が低くなり過ぎることが防止される。
本実施形態では、図5に示すように他端側第1連通路16が切欠15aによって形成されることにより、上面1tがガスケット4に当接する位置を第2仕切部材15の設計位置とすることができ、第2仕切部材15の位置合わせが容易になっている。また、第2仕切部材15が、ウォータージャケット5の深さよりも短く形成され、他端側第2連通路17を形成する隙間が下方に形成されるようにウォータージャケット5に配置されたことにより、第2仕切部材15を切り欠いて他端側第2連通路17を形成する場合に比べ、他端側第2連通路17に必要な流路断面積がより小さな高さで確保可能になるうえ、他の部材や部位のレイアウトを阻害することなく他端側第2連通路17の形成が可能になる。
また本実施形態では、図1に示すように冷却水入口9がウォータージャケット5の上部であってブロック中心面1Xに対しての排気側に形成され、第1仕切部材12がブロック中心面1Xに対して排気側に配置され、第2仕切部材15がブロック中心面1Xに対して吸気側に配置されている。これにより、図8に示すようにシリンダブロック1の排気側においてウォータージャケット5の上部で冷却水の流速が高まり、シリンダブロック1における熱源近傍が効果的に冷却されるうえ、シリンダブロック1の排気側および吸気側においてシリンダ列方向へ流れる冷却水の流速の低下が抑制されることにより、シリンダブロック1がより均等に冷却される。
このように本実施形態に係るウォータージャケット5では、吸気側においても上部の冷却水の流速を高めることができた一方、図9に示すように、第2仕切部材15を設けたことによって、第2仕切部材15を設けない従来と同様の構成のウォータージャケット5に比べて圧力損失が若干高くなる(第2仕切部材あり)。これに対し、本実施形態では、冷却水入口9を上向きとしかつテーパ形状としたこと(流入口形状)に加え、冷却水入口9を前述したように第1シリンダボア2aの中心線2Xaに対して第2シリンダボア2b側に配置したことにより(流入口配置)、ウォータージャケット5全体としての圧力損失の低減が図られている。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、一例として直列4気筒エンジンに適用したが、2気筒や直列3気筒、V型6気筒エンジンなどにも適用可能である。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示したシリンダブロック1の冷却構造の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 シリンダブロック
1X ブロック中心面
1e 排気側面
1i 吸気側面
1t 上面
2a〜2d 第1〜第4シリンダボア
2Xa〜2Xd 各シリンダボアの中心線
3 ウォータージャケット
7 冷却水入口
8 冷却水出口
12 第1仕切部材
15 第2仕切部材
15a 切欠
16 他端側第1連通路
17 他端側第2連通路

Claims (8)

  1. 複数のシリンダボアを一列に形成するシリンダブロックの内部に当該複数のシリンダボアを囲むように環状に形成されたウォータージャケットと、
    前記シリンダブロックの一端側に形成され、ウォーターポンプから吐出された冷却水を前記ウォータージャケットに流入させる冷却水入口と、
    前記シリンダブロックの前記一端側に形成され、前記ウォータージャケットを流通した冷却水を前記シリンダブロックの上面に締結されるシリンダヘッドに向けて流出させる冷却水出口と、
    前記シリンダブロックの前記一端側において前記ウォータージャケットに挿入され、前記ウォータージャケットを前記冷却水入口側と前記冷却水出口側とに仕切る第1仕切部材とを有し、
    前記冷却水入口から前記ウォータージャケットに流入した冷却水を、前記シリンダブロックの排気側でシリンダ列方向の他端側へ流通させた後、最も前記他端側のシリンダボアを周回させ、前記シリンダブロックの吸気側でシリンダ列方向の前記一端側へ流通させて前記冷却水出口から流出させるシリンダブロックの冷却構造であって、
    シリンダ列方向の前記他端側において前記ウォータージャケットに挿入され、前記ウォータージャケットの一部を仕切ることによって流路断面積を縮小させた連通路を形成する、前記第1仕切部材とは別体の第2仕切部材を更に有し、
    前記冷却水入口が前記ウォータージャケットの上部に形成され、
    前記第2仕切部材が前記ウォータージャケットの上部に第1連通路を形成することを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  2. 前記冷却水入口が、下流側へ向けて上方に傾斜する中心線を有することを特徴とする、請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  3. 前記冷却水入口が、下流側へ向けて狭くなるテーパ形状とされていることを特徴とする、請求項2に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  4. 前記第2仕切部材の上部には、前記第1連通路を形成する切欠が形成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  5. 前記第2仕切部材は、前記ウォータージャケットの下部に前記第1連通路よりも流路断面積が小さな第2連通路を形成することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  6. 前記第2仕切部材は、前記ウォータージャケットの深さよりも短く形成され、前記第2連通路を形成する隙間が下方に形成されるように前記ウォータージャケットに配置されたことを特徴とする、請求項に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  7. 前記冷却水入口は、前記複数のシリンダボアの中心線を通るブロック中心面に対して前記排気側に偏倚した位置に形成されており、
    前記第1仕切部材は、前記ブロック中心面に対して前記排気側に配置され、
    前記第2仕切部材は、前記ブロック中心面に対して前記吸気側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  8. 前記冷却水入口は、前記複数のシリンダボアの中心線を通るブロック中心面と直交する方向から見たときに最も前記一端側のシリンダボアの中心線に対して前記他端側に偏倚した位置に形成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のシリンダブロックの冷却構造。
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