JP6058951B2 - 扁平形電池 - Google Patents

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Description

本発明は、コイン形電池等の扁平形電池に関する。
従来より、有底筒状の外装缶と、該外装缶の開口を覆うように配置され、外周側で該外装缶に接続される封口缶とを備えた扁平形電池は知られている。このような扁平形電池としては、例えば特許文献1、2に開示されるように、外装缶の底部の外周部分が中央部分よりも外装缶の開口側に位置するように、該底部を段状に形成したものが知られている。
一般に、高温環境下で電池を使用した場合、電池内も高温になるため、電池の構成要素の膨張や電解液の気化等によって、電池内部の圧力が高くなり、電池が変形しやすくなる。
前記特許文献1、2に開示されている構成の電池では、外装缶の底部の中央部分が変形するだけで、該外装缶の底部の外周側や周壁部はほとんど変形しない。これにより、外装缶の底部の外周側で電池内の空間の封止性が低下する。
特開2008−262905号公報 国際公開WO02/013290号パンフレット
ところで、前記特許文献1、2に開示されている構成の電池では、外装缶と封口缶との接続部分において、シール性等の観点から、外装缶の開口端部と封口缶の開口端部とが重なる領域が或る程度、必要になる。また、前記特許文献1、2に開示されているように、外装缶の底部を段状に形成する場合、外装缶の中央部分が外周部分よりも突出している分、電池の厚みが大きくなる。そのため、前記特許文献1、2のような構成では電池全体として小型化を図るのが難しくなる。
そこで、外装缶の底部を平面状にした構成の電池が考案されている。このような電池では、外装缶の底部が平面であるため、前記特許文献1、2のような外装缶の底部の段差がなくなり、電池全体として、小型化を図ることができる。
しかしながら、外装缶の底部を平面にした構成の電池を、例えば、高温環境下で使用した場合、電池の構成要素の膨張や電解液の気化等によって、外装缶の底部が筒軸方向に変形する。そうすると、外装缶の底部の変形に伴い、外装缶の底部の内面とガスケットとの間の圧縮力が低下する。その結果、外装缶と封口缶との接続が緩む可能性がある。
そこで、本発明の目的は、上記問題点に鑑み、外装缶の底部が平面である扁平形電池において、高温環境下で外装缶が変形した場合であっても、外装缶と封口缶との接続部分が緩むのを防止可能な構成を実現することにある。
本発明の一実施形態にかかる扁平形電池は、筒軸方向に延びる筒状の外装缶側壁部と該外装缶側壁部の一端側を覆う底部とを有する有底筒状の外装缶と、前記筒軸方向に延びる筒状の封口缶側壁部を有し、前記外装缶の開口を覆うように配置されるとともに、前記封口缶側壁部が前記外装缶側壁部に接続される封口缶と、前記外装缶と前記封口缶とによって形成される空間内に配置される電極材と、を備え、前記外装缶の底部の内面には、溝部が形成されていて、前記溝部は、前記筒軸方向から見て前記電極材よりも外側に形成されている(第1の構成)。
この構成により、高温環境下の扁平形電池は、外装缶の底部の内面に設けた溝部によって、外装缶の筒軸方向から見て、外装缶の底部の溝部よりも内側部分が変形する一方、外装缶の底部の溝部よりも外側の部分はあまり変形しない。すなわち、外装缶の底部の外周側はほとんど変形しない。このため、封口缶と外装缶との接続部分が緩むのを防止できる。また、溝部は、前記筒軸方向から見て電極材よりも外側に形成されているので、外装缶と電極材とを安定して接触させることができる。
前記第1の構成において、前記溝部は、前記筒軸方向から見て、前記封口缶側壁部よりも内側に形成されている(第2の構成)。
この構成により、扁平形電池の封止性が低下することを防止できる。すなわち、溝部を、外装缶の筒軸方向から見て封口缶側壁部よりも外側に形成した場合、外装缶の底部の溝部よりも内側が変形を生じると、封口缶の内側の空間と外側の空間とが繋がるため、封止性が大きく低下する。これに対し、上述の構成のように、溝部を、外装缶の筒軸方向から見て、封口缶側壁部よりも内側に形成した場合、外装缶の底部の変形は封口缶側壁部の内方で生じるため、封口缶と外装缶とによって形成される空間の封止性を確保することができる。
前記第1または第2の構成において、前記外装缶側壁部と前記封口缶側壁部との間に配置される側壁部と、前記封口缶側壁部と前記外装缶の底部との間に配置されるベース部とを有するガスケットをさらに備え、前記溝部は、前記筒軸方向から見て前記ガスケットの前記ベース部よりも内側に形成されている(第3の構成)。
この構成により、封口缶側壁部と外装缶の底部との間に挟まれるガスケットのベース部において、封口缶と外装缶とによって形成される空間の封止性が、溝部によって低下するのを防止できる。すなわち、溝部はガスケットのベース部よりも内側に位置するため、溝部によって前記空間と外部とが繋がるのを防止できる。
前記第1から第3の構成のうちいずれか一つの構成において、前記溝部の深さは、前記外装缶の底部の厚みの半分以下である(第4の構成)。
この構成により、外装缶の溝部よりも内側の変形を許容しつつ、外装缶が溝部で裂けるのを抑制することができる。
前記第1から第4の構成のうちいずれか一つの構成において、前記外装缶および前記封口缶は、それぞれ、有底円筒状であり、前記溝部は、前記筒軸方向から見て円環状に形成されている(第5の構成)。
この構成により、溝部よりも内側を全体的に変形させることができるとともに、外装缶の溝部よりも外側の変形を抑制することができる。その結果、外装缶が高温環境下で変形した場合であっても、封口缶と外装缶との接続部分が緩むのをより確実に防止できる。
前記第5の構成において、前記外装缶の底部の中心から前記底部の半径の0.75倍以上の位置に形成されている(第6の構成)。
この構成により、外装缶が高温環境下で変形した場合の封止性の低下を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、外装缶の底部が平面状の扁平形電池において、高温環境下で外装缶が変形した場合であっても、該外装缶と封口缶との接続部分が緩むのを防止可能な構成を実現することができる。
図1は、第1実施形態に係る扁平形電池の概略構成を示す断面図である。 図2は、第1実施形態に係る扁平形電池の概略構成を拡大して示す拡大断面図である。 図3は、溝部の位置に対する中央部のたわみ量および封止部のたわみ量の関係を示すグラフである。 図4は、溝部の位置に対する中央部のたわみ量および封止部のたわみ量の関係を示すグラフである。 図5は、溝部の位置に対する中央部のたわみ量および封止部のたわみ量の関係を示すグラフである。 図6は、溝部の位置に対する中央部のたわみ量および封止部のたわみ量の関係を示すグラフである。 図7は、扁平形電池の内圧が高い場合において、(a)溝部を扁平形電池の内側に設けた場合の正極缶の底部の変形と、(b)溝部を扁平形電池1の外側に設けた場合の正極缶の底部の変形との相違について説明するための図である。 図8は、扁平形電池の内圧が高い場合において、(a)溝部を扁平形電池の内側に設けた場合の正極缶の底部に生じる応力分布と、(b)溝部を扁平形電池の外側に設けた場合の正極缶の底部に生じる応力分布との相違について説明するための図である。 図9は、扁平形電池に設けられた溝部の幅に対する中央部のたわみ量および封止部のたわみ量の関係を示すグラフである。 図10は、第1実施形態に係る扁平形電池の製造方法を説明するための図である。 図11は、第1実施形態に係る扁平形電池の製造方法を説明するための図である。 図12は、第1実施形態に係る扁平形電池の製造方法を説明するための図である。 図13は、他の実施形態に係る溝部111aの断面形状を示す拡大断面図である。 図14は、他の実施形態に係る溝部112aの断面形状を示す拡大断面図である。 図15は、他の実施形態に係る溝部113aの断面形状を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について、説明する。
<1:全体構成>
図1は、本発明の一実施形態である扁平形電池1の概略構成を示す断面図である。この扁平形電池1は、有底円筒状の正極缶10(外装缶)と、該正極缶10の開口を覆う負極缶20(封口缶)と、正極缶10の外周側と負極缶20の外周側との間に配置されるガスケット30と、正極缶10及び負極缶20の間に形成される空間内に収納される発電要素40とを備えている。扁平形電池1は、正極缶10と負極缶20とを合わせることによって、全体が扁平なコイン状に形成されている。扁平形電池1の正極缶10及び負極缶20の間に形成される空間内には、発電要素40以外に、非水電解液(図示省略)も封入されている。
正極缶10は、ステンレスなどの金属材料からなり、プレス成形によって有底円筒状に形成されている。正極缶10は、円形状の底部11と、その外周に該底部11と連続して形成される円筒状の周壁部12(外装缶側壁部)とを備えている。正極缶10の底部11の内面には、後述する溝部11aが設けられている。周壁部12は、縦断面視で、底部11に対して筒軸方向に延びるように設けられている。正極缶10は、後述するように、負極缶20との間にガスケット30を挟んだ状態で、周壁部12の開口端側が内側に折り曲げられて、該負極缶20の外周部に対してかしめられている。
負極缶20も、正極缶10と同様、ステンレスなどの金属材料からなり、プレス成形によって有底円筒状に形成されている。負極缶20は、円形状の平面部21と、その外周に該平面部21と連続して形成される円筒状の周壁部22(封口缶側壁部)とを備えている。この周壁部22は、縦断面視で、平面部21に対して筒軸方向に延びるように設けられている。周壁部22は、該周壁部22の基端部22aに対して径が段状に大きくなる拡径部22bを有している。すなわち、周壁部22には、基端部22aと拡径部22bとの間に段部22cが形成されている。図1に示すように、この段部22cに対して、正極缶10の周壁部12の開口端側が折り曲げられてかしめられている。これにより、正極缶10と負極缶20とが、それらの周壁部12、22で接続されている。
ガスケット30は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分としており、PPSにオレフィン系エラストマーを含有した樹脂組成物からなる。ガスケット30は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間に挟みこまれるように配置される。具体的には、ガスケット30は、図1に示すように、リング状のベース部31と、該ベース部31の外周縁から突出する外筒壁32(側壁部)と、該ベース部31の内周縁から外筒壁32と同じ方向で且つベース部31の内周に向かって斜めに延びる連結部33と、該連結部33からから該外筒壁32と同じ方向に伸びる内筒壁34とを備えている。本実施形態では、ガスケット30は、ベース部31、外筒壁32、連結部33及び内筒壁34が一体で形成されている。
ガスケット30は、図1に示すように、ベース部31が、後述する正極リング44のフランジ部44bとともに、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11の外周部分との間に挟み込まれている。
また、ガスケット30は、負極缶20の拡径部22bを覆うように配置されている。すなわち、ガスケット30は、負極缶20の拡径部22bが、ガスケット30の外筒壁32と内筒壁34との間に位置づけられるように、負極缶20の拡径部22bに配置される。
これにより、ガスケット30の外筒壁32は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間に挟みこまれる。ガスケット30のベース部31及び外筒壁32は、正極缶10と負極缶20との間に挟みこまれた状態で、該正極缶10と負極缶20との隙間をシールできるような厚みを有している。
このように、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間にガスケット30を配置することにより、該正極缶10と負極缶20とをそれらの外周側で絶縁することができる。また、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間にガスケット30を挟みこんだ状態で、該正極缶10の周壁部12を折り曲げて負極缶20の周壁部22にかしめることにより、該ガスケット30によって正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間を封止することができる。すなわち、ガスケット30は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の段部22cとの間に挟みこまれる外筒壁32、及び、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11との間に挟みこまれるベース部31が、それぞれ、シールとして機能する。
また、ガスケット30のベース部31と正極缶10の底部11との間に、後述する正極リング44のフランジ部44bを配置することで、該フランジ部44bをガスケット30のベース部31と正極缶10の底部11とによって挟み込むことができる。これにより、正極リング44のフランジ部44bを、正極缶10の底部11に溶接することなく、該正極缶10に対して固定することができる。
発電要素40は、正極活物質等を円盤状に成形した正極材(電極材)41と、負極活物質の金属リチウムまたはリチウム合金を円盤状に形成した負極材42と、不織布製のセパレータ43とを備えている。図1に示すように、正極缶10の内方には正極材41が位置付けられている一方、負極缶20の内方には負極材42が位置付けられている。正極材41と負極材42との間にはセパレータ43が配置されている。
正極材41は、正極活物質として二酸化マンガンを含有している。この正極材41は、次のようにして形成される。まず、二酸化マンガンに、黒鉛、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して正極合剤を調整する。所定の金型内に正極リング44をセットした後に、前記正極合剤を金型内に充填して加圧成形し、成形された部材を加熱して円盤状に形成する。これにより、正極材41が得られる。
正極材41には、該正極材41を保持するように、該正極材41の底面及び側面のそれぞれ一部を覆う正極リング44が装着されている。この正極リング44は、所定の剛性及び導電性を有するステンレス鋼等によって構成されている。正極リング44は、正極材41の側面に接する円筒部44aと、円筒部44aの一端側から該円筒部44aの外方に向かって延びてガスケット30のベース部31の底面に接する円環状のフランジ部44bとが一体形成されたものである。このような構成の正極リング44によって、該正極リング44内の正極材41の径方向への変形を規制することができる。
セパレータ43は、ポリブチレンテレフタート製の繊維を素材とする不織布を用いて構成される。このセパレータ43は、扁平形電池1内で非水電解液によって含浸されている。なお、セパレータ43の厚みは、例えば、約0.3〜0.4mm程度である。
非水電解液は、プロピレンカーボネイトと1,2−ジメトキシエタンとを混合した溶液にLiClOを溶解した溶液である。
(1.1:溝部の構成)
正極缶10の底部11に設けられた溝部11aについて図1及び図2を用いて以下で詳細に説明する。
正極缶10の底部11の内面には、該正極缶10の筒軸方向から見て、略円形状の溝部11aが形成されている。図1及び図2に示すように、溝部11aの断面形状は、略矩形状である。
また、溝部11aは、正極缶10の筒軸方向から見て、ガスケット30のベース部31よりも内側であって、かつ、正極材41よりも外側の領域に形成されている。このように、溝部11aを正極缶10の筒軸方向から見てガスケット30のベース部31よりも内側に形成することで、正極缶10の底部11の中央部分のみが変形を生じる一方、ガスケット30のベース部31が位置づけられる正極缶10の底部11の外周側はほとんど変形を生じない。これにより、高温環境下で正極缶10が変形した場合であっても、正極缶10と負極缶20との接続部分が緩むのを防止できる。よって、正極缶10が膨らんだ場合の封止性の低下を効果的に抑制できる。また、溝部11aが正極材41よりも外側の領域に形成されることで、正極缶10と正極材41とを安定して接触させることができる。したがって、溝部11aは、正極缶10の筒軸方向から見てガスケット30のベース部31よりも内側であって、かつ、正極材41よりも外側の領域に、形成されることが好ましい。
特に、溝部11aの位置は、正極缶10の底部11の中心から該底部11の半径の0.75倍以上の位置が好ましい。この位置を、図1を用いて以下で説明する。
図1に示すように、断面視において、正極缶10の底部11の中心を通る筒軸を「P」(中心軸P、中心点P)とし、ガスケット30のベース部31の内周縁の位置を「Y」とし、正極缶10の底部11の外周縁の位置を「Z」とする。PZ間の距離をRとし、中心軸Pから(0.75R)の距離の位置を「X」とすると、溝部11aは、位置Xと位置Yとの間の領域に形成されるのが好ましい。図1の場合、溝部11aは、位置Yの近傍領域に形成されている。
溝部11aの幅は、例えば、正極缶10の底部11の直径が20mmの場合、0.1〜0.2mmである。
溝部11aの深さは、正極缶10の厚みの半分以下が好ましい。溝部11aの深さが正極缶10の厚みの半分よりも大きくなると、正極缶10の膨れにより溝部11aの残肉部分が裂ける可能性がある。
(1.1.1:溝部の位置)
次に、溝部11aを、正極缶10の底部11の中心から底部11の半径の0.75倍以上の位置に形成することが好ましい点について、図3〜図6を用いて、説明する。なお、図3〜図6において、正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けた場合を内面溝といい、正極缶10の底部11の外面に溝部を設けた場合を外面溝という。
図3は、正極缶10の底部11の直径が20mmであり、正極缶10の底部11の厚みが0.2mmであり、溝部11aの溝幅が0.2mmである扁平形電池1において、扁平形電池1の内圧を1MPaとした場合(以下、「条件1」という。)の溝部11aの位置と封止部および中央部のたわみ量との関係を示すグラフである。
図3において、破線の折れ線KS1で示すグラフ(菱形でプロットしたグラフ)は、溝部11aの位置と封止部のたわみ量との関係を示している。なお、「封止部のたわみ量」とは、図1のY点における正極缶10の筒軸方向の変形量である。つまり、「封止部のたわみ量」とは、変形のない状態の正極缶10のY点の位置と、正極缶10が変形した状態の正極缶のY点の位置との変位量である。また、「溝部11aの位置」は、正極缶10の中心点(図1のP点)から溝部11aの溝幅方向の中央までの距離である。
図3において、実線の折れ線KC1で示すグラフ(正方形でプロットしたグラフ)は、溝部11aの位置と中央部のたわみ量との関係を示している。なお、「中央部のたわみ量」とは、図1のP点(中心軸Pの位置)における正極缶10の筒軸方向の変形量である。つまり、「中心部のたわみ量」とは、変形のない状態の正極缶10のP点の位置と、正極缶10が変形した状態の正極缶のP点の位置との変位量である。
なお、図3において、黒三角形で示した点(データ)は、正極缶10に溝部を設けない場合の封止部のたわみ量を示している。また、図3において、バツ印で示した点(データ)は、正極缶10に溝部を設けない場合の中央部のたわみ量を示している。
図3のグラフから分かるように、正極缶10の底部11に、溝部11aを中心点Pから7.5mm以上離れた位置に設けた場合、溝部11aを設けない場合(図3の黒三角形)に比べて、中央部のたわみ量は大きくなる。また、溝部11aを中心点Pから7.5mm以上離れた位置に設けた場合には、溝部11aを中心点Pから7.5mm未満の距離の位置に設けた場合に比べて、封止部のたわみ量は小さくなる。つまり、条件1の場合、溝部11aを、正極缶10の底部11の中心から該底部11の半径の75%以上離れた位置に設けることで、封止部の変形を抑制することができる。
次に、条件1における正極缶10の底部11の厚みを変更した場合の溝部11aの位置と封止部および中央部のたわみ量との関係について、説明する。
図4は、正極缶10の底部11の厚みを0.3mmにした場合の溝部11aの位置と封止部および中央部のたわみ量との関係を示すグラフである。正極缶10の底部11の厚み以外の条件については、条件1と同じである(以下、この条件を「条件2」という。)。
図4において、破線の折れ線KS2で示すグラフ(菱形でプロットしたグラフ)は、条件2における溝部11aの位置と封止部のたわみ量との関係を示している。なお、「封止部のたわみ量」および「溝部11aの位置」については、上記図3と同様の定義である。また、図4において、黒三角形で示した点(データ)およびバツ印で示した点(データ)も、上記図3で説明したものと同様である。また、図4において、実線の折れ線KC2で示すグラフ(正方形でプロットしたグラフ)は、条件2における溝部11aの位置と中央部のたわみ量との関係を示している。
図4のグラフから分かるように、正極缶10の底部11に、溝部11aを中心点Pから7.5mm以上離れた位置に設けた場合、溝部11aを設けない場合(図4の黒三角形)に比べて、中央部のたわみ量は大きくなる。また、溝部11aを中心点Pから7.5mm以上離れた位置に設けた場合には、溝部11aを中心点Pから7.5mm未満の距離の位置に設けた場合に比べて、封止部のたわみ量は小さくなる。条件2の場合、すなわち、正極缶10の底部11の厚みを変更した場合でも、溝部11aを、正極缶10の底部11の中心から該底部11の半径の75%以上離れた位置に設けることで、封止部の変形を抑制することができる。
次に、条件2における正極缶10の外径を変更した場合の溝部11aの位置と封止部および中央部のたわみ量との関係について、説明する。
図5は、正極缶10の直径を24mmにした場合の溝部11aの位置と封止部および中央部のたわみ量との関係を示すグラフである。正極缶10の直径以外の条件については、条件2と同じである(以下、この条件を「条件3」という。)。
図5において、破線の折れ線KS3で示すグラフ(菱形でプロットしたグラフ)は、条件3における溝部11aの位置と封止部のたわみ量との関係を示している。なお、「封止部のたわみ量」および「溝部11aの位置」については、上記図3と同様の定義である。また、図5において、三角形で示した点(データ)およびバツ印で示した点(データ)についても、上記図3で説明したものと同様である。また、図5において、実線の折れ線KC3で示すグラフ(正方形でプロットしたグラフ)は、条件3における溝部11aの位置と中央部のたわみ量との関係を示している。
なお、図5において、横軸に括弧で示した数値は、正極缶10の半径に対する比率である。
図5のグラフから分かるように、正極缶10の底部11に、溝部11aを中心点Pから9mm以上離れた位置(正極缶10の底部11の中心から底部11の半径の75%離れた位置)に設けた場合、溝部11aを設けない場合に比べて、中央部のたわみ量は大きくなる。また、溝部11aを中心点Pから9mm以上離れた位置に設けた場合には、溝部11aを中心点Pから9mm未満の位置に設けた場合に比べて、封止部のたわみ量は小さくなる。条件3の場合、すなわち、正極缶10の外径を変更した場合でも、溝部11aを、正極缶10の底部11の中心から該底部11の半径の75%以上離れた位置に設けることで、封止部の変形を抑制することができる。
ここで、参考のため、正極缶10の底部11の外面に溝部を設けた場合における溝部の位置と封止部および中央部のたわみ量との関係について、図6を用いて説明する。さらに、封止部のたわみ量について、(1)正極缶10の底部11の外面に溝部を設けた場合、(2)正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けた場合、および、(3)正極缶の底部の外周側に段差を設けた構造の正極缶(以下、「段付正極缶」という。)を用いた場合について、比較する。図6において、破線の折れ線KS4で示すグラフ(菱形でプロットしたグラフ)は、正極缶10の底部11の外面に溝部を設けた場合における溝部の位置と封止部のたわみ量との関係を示している。なお、「封止部のたわみ量」および「溝部11aの位置」については、上記図3と同様の定義である。また、図6において、実線の折れ線KC4で示すグラフ(正方形でプロットしたグラフ)は、正極缶10の底部11の外面に溝部を設けた場合における溝部の位置と中央部のたわみ量との関係を示している。
図6は、溝部が正極缶10の底部11の外面に設けられた扁平形電池において、上記条件1と同一条件における溝部の位置と封止部および中央部のたわみ量との関係を示すグラフである。
また、図6の点PS1は、正極缶10の底部11の内面に、底部11の中心から8.75mmの位置に溝部11aを設けた場合の封止部のたわみ量を示す。
また、図6の点PS5は、正極缶10の底部11の外面に底部11の中心から8.75mmの位置に溝部11aを設けた場合の封止部のたわみ量を示す点である。
また、図6の点PS6は、段付正極缶の内圧を1MPaとした場合の該段付正極缶の封止部のたわみ量を示す点である。なお、段付正極缶は、底部の外径が約20mmであり、底部に段差を形成するように突出した突出部分の外径が約17mmである。また、段付正極缶の突出量(段差)は、約0.4mmである。つまり、段付正極缶の底部の突出部分は、該底部の外周側に対して、約0.4mm突出している。
また、図6において、三角形で示した点(データ)およびバツ印で示した点(データ)は、上記図3で説明したものと同様である。
図6のグラフから、点PS1(正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けた場合)における封止部のたわみ量が点PS5(正極缶10の底部11の外面に溝部を設けた場合)に比べてかなり小さいことが分かる。つまり、正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けた場合、正極缶10の外面に溝部を設けた場合に比べて封止部のたわみ量を小さくできる。さらに、図6から、点PS1(内面溝の場合)における封止部のたわみ量は、点PS6(段付缶の場合)における封止部のたわみ量と同等であることが分かる。
つまり、正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けることで、封止部のたわみ量を、正極缶10の外面に溝部を設ける場合に比べて小さくして、段付缶と同等のレベルにまで抑制できる。
以上の通り、図3〜図6から分かるように、扁平形電池1の正極缶10の底部11の内面において、溝部11aを、正極缶10の底部11の中心から底部11の半径の0.75倍以上の位置に形成することで、封止部のたわみ量は抑制されるが、中央部のたわみ量は、大きくなる。
次に、図7および図8を用いて、溝部を正極缶10の底部11の内面に設ける場合と、溝部を正極缶10の底部11の外面に設ける場合とにおける正極缶10の底部11の変形の違いについて、説明する。
図7は、扁平形電池1の内圧を高くした場合(例えば、扁平形電池1の内圧を1MPaにした場合)において、正極缶10の底部11の一部(図1の位置P〜位置Zまでの領域)の変形状態を示した図である。具体的には、図7(a)は、正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けた構成の正極缶10の底部11の一部(図1の位置P〜位置Zまでの領域)の変形状態を、図7(b)は、正極缶10の底部11の外面に溝部11bを設けた構成の正極缶10の底部11の一部(図1の位置P〜位置Zまでの領域)の変形状態を、それぞれ示している。
また、図8(a)、(b)に、扁平形電池1の内圧を高くした場合(例えば、扁平形電池1の内圧を1MPaにした場合)に、正極缶10の底部11において応力が高い部分(破線)を示す。
なお、図7および図8における2点鎖線は、変形前の底部11の内面および外面の位置を示す。
図7(a)、(b)から分かるように、図7(a)の場合の中心部のたわみ量C1は、図7(b)の場合の中心部のたわみ量C2とほぼ同等であるが、図7(a)の場合の封止部のたわみ量S1は、図7(b)の場合の封止部のたわみ量S2に比べて、かなり小さい。つまり、正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けた場合には、扁平形電池1の底部11の外側に溝部11bを設けた場合に比べて、封止部のたわみ量をかなり小さくすることができる。
このような変形の違いは、以下の理由によるものと考えられる。正極缶10の底部11の内面に溝部11aが形成されている場合、扁平形電池1の内圧が高くなると、正極缶10の底部11は、溝部11aの開口部が開く方向に変形を生じやすい。そのため、正極缶10の底部11において、溝部11aよりも外側の部分の変形量は抑制される。一方、底部11において、溝部11aよりも内側の部分の変形量は大きくなる。このことは、図8(a)に示すように、扁平形電池1の内圧を高くした場合、溝部11aの内側の領域AR1に、応力が高い領域が存在することからも裏付けされる。
一方、正極缶10の底部11の外面に溝部11bが形成されている場合、扁平形電池1の内圧が高くなると、正極缶10の底部11は、溝部11bの開口部が閉じる方向に変形を生じやすい。そのため、底部11の内面の溝部11bの残肉部分の領域全体が変形する。その結果、底部11において、溝部11bよりも外側の部分の変形量を抑制することができない。このことは、図8(b)に示すように、扁平形電池1の内圧を高くした場合、正極缶10の底部11において溝部11aよりも内面側の領域AR2に、応力が高い領域が存在することからも明らかである。
(1.1.2:溝部の幅)
図9を用いて、溝部11aの幅と、中央部のたわみ量および封止部のたわみ量との関係について、説明する。
図9は、正極缶10の底部11の直径が20mmであり、正極缶10の底部11の厚みが0.2mmであり、溝部11aの位置が正極缶10の中心から8.7mmの位置である扁平形電池1において、扁平形電池1の内圧を1MPaとした場合(以下、「条件5」という。)の溝部11aの幅と封止部および中央部のたわみ量との関係を示すグラフである。なお、「封止部のたわみ量」および「中央部のたわみ量」については、上記図3と同様の定義である。
図9において、折れ線KC5で示すグラフ(正方形でプロットしたグラフ)は、条件5における溝部11aの幅(溝幅)と中央部のたわみ量との関係を示している。
図9から分かるように、溝部11aの溝幅が大きくなる程、封止部のたわみ量が小さくなり、かつ、中央部のたわみ量が大きくなる傾向にある。
以上のような構成の溝部11aを、正極缶10の底部11の底部11の内面に設けることで、高温環境下での扁平形電池1の使用によって、扁平形電池1の内圧が高くなった場合でも、中央部のたわみ量は大きくなるが、封止部の変形量を抑制できる。これにより、溝部11aよりも外側の領域(封止部)は大きく変形しないため、正極缶10の周壁部12における負極缶20の段部22cとの接続部分が変形するのを効果的に防止することができる。したがって、上述の構成により、高温環境下で扁平形電池1を使用した場合に、正極缶10と負極缶20との接続部分が緩むのを効果的に防止することができる。
<2:扁平形電池の製造方法>
次に、扁平形電池1の製造方法を、図10から図12を用いて説明する。なお、扁平形電池1を組み立てる際は、図10から図12に示すように、図1の状態とは上下逆の状態で組み立て作業を行う。
ステップ1では、正極缶10の底部11の内面に、底部11の中心から該底部11の半径の75%以上離れた位置(図1の位置Xより外側の領域)であって、かつ、ガスケット30のベース部31(正極缶10側の接触面)よりも内側の領域(図1の位置Yより内側の領域)に、溝部11aを形成する。なお、負極缶の底部11が円形である場合、溝部11aは、円環状に形成することが好ましい。また、溝部11aは、楕円状に形成する、あるいは、円環状または楕円状に破線になるように形成してもよい。
なお、溝部11aを形成するタイミングは、例えば、周壁部12を形成した後であってもよいし、また、周壁部12を形成する前であってもよい。
ステップ2では、図10に示すように、負極缶20を平面部21が底面になるように配置し、該負極缶20の周壁部22の開口端部にガスケット30を装着する。
ステップ3では、負極缶20の内面に負極材42を導電性接着剤等で固定した後、該負極材42の上にセパレータ43及び正極材41を重ねて配置する(図11参照)。
ステップ4では、負極缶20内に非水電解液を注入し、該負極缶20に対して正極缶10を被せる(図12参照)。このとき、負極缶20の周壁部22と正極缶10の周壁部12との間にガスケット30を挟みこんだ状態で、該周壁部12の開口端側を、負極缶20の段部22cを覆うように正極缶10の内側に折り曲げてかしめる。これにより、ガスケット30は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間に挟みこまれた状態となる。
すなわち、上述のような製造方法によって、ガスケット30は、外筒壁32が負極缶20の段部22cと正極缶10の周壁部12の開口端側との間に挟みこまれる。また、ベース部31も負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11との間に挟みこまれる。
以上により、図1に示すような構成の扁平形電池1が得られる。
なお、ステップ1は、ステップ4において正極缶10を負極缶20に被せる作業よりも前であれば、どのタイミングで実行してもよい。
≪第1実施形態の効果≫
以上の構成を有する扁平形電池1では、正極缶10の底部11の内面に溝部11aを設けることにより、高温環境下で、該底部11の溝部11aよりも内側が大きく変形する一方、該底部11の溝部11aよりも外側はほとんど変形を生じない。これにより、負極缶20の周壁部22の段部22cにかしめられる正極缶10の周壁部12もほとんど変形を生じない。このため、扁平形電池1では、正極缶10と負極缶20とのかしめ部分が緩むのを防止できる。よって、上述の構成により、高温環境下でも扁平形電池1内の非水電解液が漏れないような構成を実現できる。
しかも、上述の構成により、従来構成のように正極缶の底部を段状に形成する必要がなくなるため、その分、扁平形電池1の高さ(厚み)を小さくすることができる。
また、溝部11aを、正極缶10の底部11の内面に、正極缶10の筒軸方向から見てガスケット30のベース部31よりも内側であって、かつ、正極材41よりも外側の領域に形成する。これにより、正極缶10が膨らんだ場合の封止性能の低下を効果的に抑制できる。また、溝部11aを正極材41よりも外側の領域に形成することで、正極缶10と正極材41とを安定して電気的に接触させることができる。なお、正極リングのフランジ部44bをガスケット30のベース部31と正極缶10の底部11との間に挟み込むことによって、正極缶10と正極材41とをより安定して電気的に接触させることができる
さらに、溝部11aを、正極缶10の底部11の中心から底部11の半径の0.75倍以上の位置に形成することで、正極缶10が膨らんだ場合の封止性の低下を効果的に抑制できる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、溝部11aを、正極缶10の底部11の内面において、ガスケット30のベース部31よりも内側であって、かつ、正極材41よりも外側の領域に形成している。しかしながら、溝部11aを、正極材41よりも外側の位置であればどこに設けてもよい。なお、溝部11aを、正極缶10の筒軸方向から見て、負極缶20の拡径部22bよりも内側、すなわち負極缶20の周壁部22よりも内側に形成するのが好ましい。これにより、負極缶20と正極缶10との間で封止性が低下するのを防止できる。すなわち、溝部が負極缶20の拡径部22bよりも外側に位置していると、正極缶10の底部11が溝部よりも内側で変形した際に、該正極缶10と負極缶20の拡径部22bとの間に隙間が生じる。これに対し、上述のように、溝部11aを、負極缶20の拡径部22bよりも内側に形成することで、正極缶10の底部11の変形によって該正極缶10と負極缶20との封止性が影響を受けることを防止できる。
上記実施形態では、溝部11aを、正極缶10の底部11の内面に、正極缶10の筒軸方向から見て略円形状に形成しているが、この限りではなく、溝部を略円形状以外の形状に形成してもよい。
上記実施形態では、正極材41を正極リング44によって保持している。しかしながら、正極リング44を設けずに、正極材41を正極缶10内に直接、配置してもよい。
上記各実施形態では、ガスケット30を、正極缶10及び負極缶20とは別部材として形成している。しかしながら、ガスケット30を負極缶20にモールド成形してもよい。
上記実施形態では、正極材41の正極活物質として二酸化マンガンを含有した材料を用いていて、負極材42の負極活物質として金属リチウムまたはリチウム合金を用いている。しかしながら、正極活物質または負極活物質として機能する材料であれば、これ以外のものを正極材41及び負極材42として用いてもよい。
上記実施形態では、正極缶10を外装缶としていて、負極缶20を封口缶としているが、逆に正極缶が封口缶で、負極缶が外装缶であってもよい。
上記実施形態では、正極缶10の底部11の内面に形成する溝部11aの断面が略矩形状である場合について説明した。しかしながら、溝部11aの断面の形状は、これに限定されることはない。例えば、図13に示すように、半円と矩形とを組み合わせたような断面を有する溝部111aを、底部11に形成してもよい。また、図14や図15に示すように、三角形状の断面を有する溝部112aや矩形状の断面を有する溝部113aを、正極缶10の底部11に形成してもよい。なお、溝部の断面形状としては、応力集中を考慮すると、図14に示す三角形状の断面よりも図15に示す矩形状の断面の方が好ましい。また、これらの溝部111a〜113aの深さt1も、上記実施形態と同様、正極缶10の厚みの半分以下であることが好ましい。また、溝部111a〜113aも、上記実施形態と同様、正極缶10の底部11の内面において、正極缶10の筒軸方向から見てガスケット30のベース部31よりも内側であって、かつ、正極材41よりも外側の領域に形成されることが好ましい。
また、上記実施形態における扁平形電池の製造方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
本発明による扁平形電池は、高温環境下で使用される機器の電池として利用可能である。
1:扁平形電池、10:正極缶(外装缶)、11:底部、11a、111a、112a、113a:溝部、12:周壁部(外装缶側壁部)、20:負極缶(封口缶)、21:平面部、22:周壁部(封口缶側壁部)、30:ガスケット、31:ベース部、32:外筒壁、40:発電要素、41:正極材(電極材)、P:筒軸

Claims (5)

  1. 筒軸方向に延びる筒状の外装缶側壁部と該外装缶側壁部の一端側を覆う底部とを有する有底筒状の外装缶と、
    前記筒軸方向に延びる筒状の封口缶側壁部を有し、前記外装缶の開口を覆うように配置されるとともに、前記封口缶側壁部が前記外装缶側壁部に接続される封口缶と、
    前記外装缶と前記封口缶とによって形成される空間内に配置される電極材と、
    を備え、
    前記外装缶側壁部は、前記筒軸方向から見て、前記封口缶側壁部よりも外側に配置されており、
    前記外装缶の底部の内面には、溝部が形成されていて、
    前記溝部は、前記筒軸方向から見て前記電極材よりも外側であり、かつ、前記封口缶側壁部よりも内側に形成されている、
    扁平形電池。
  2. 前記外装缶側壁部と前記封口缶側壁部との間に配置される側壁部と、前記封口缶側壁部と前記外装缶の底部との間に配置されるベース部とを有するガスケットをさらに備え、
    前記溝部は、前記筒軸方向から見て前記ガスケットのベース部よりも内側に形成されている、
    請求項1に記載の扁平形電池。
  3. 前記溝部の深さは、前記外装缶の底部の厚みの半分以下である、
    請求項1又は2に記載の扁平形電池。
  4. 前記外装缶および前記封口缶は、それぞれ、有底円筒状であり、
    前記溝部は、前記筒軸方向から見て円環状に形成されている、
    請求項1からのいずれか一つに記載の扁平形電池。
  5. 前記溝部は、前記外装缶の底部の中心から前記底部の半径の0.75倍以上の位置に形成されている、
    請求項に記載の扁平形電池。
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