JP6054834B2 - ナノワイヤの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機金属を原料とした有機金属気相成長法で、金属微粒子を用いてナノワイヤを作製するナノワイヤの作製方法に関する。
径がナノメータスケールのIII−V族半導体からなるナノワイヤの、光デバイスやトランジスタなどへの応用が検討されている。このナノワイヤは、触媒金属の微粒子を用いた有機金属気相成長法による結晶成長によって、ボトムアップ的に作製することができる。このナノワイヤの作製方法は、原料の使用量を減らして効率よくナノワイヤを作製できる技術であるが、積層欠陥が入りやすく、また、低温での成長であるため、不純物の混入が懸念されている。
これに対し、成長中にHClガスをエッチングガスとして導入すると、エッチングガスを導入しない場合と比べてより高い温度でナノワイヤを成長することができ、炭素などの不純物の混入が減り、また、積層欠陥も入りにくくなることが報告されている(非特許文献1参照)。HClガスを導入することで、ナノワイヤの径方向の成長が抑えられ、InPナノワイヤによる発光素子の発光特性が改善されたことが報告されている(非特許文献1,非特許文献2参照)。
Thuy T T Vu1 et al. ,"High optical quality single crystal phase wurtzite and zincblende InP nanowires ", Nanotechnology, vol,24, 115705(6pp), 2013. Magnus T. Borgstrom1 et al. , "In Situ Etching for Total Control Over Axial and Radial Nanowire Growth",Nano Res ,vol.3, pp.264-270, 2010. Koichi Naniwae et al. , "Alloy composition control of InGaAs/InP grown by Cl-assisted MOVPE with tertiarybutylchloride", Journal of Crystal Growth, vol.248, pp.400-404, 2003.
しかしながら、上述した技術では、高い品質のナノワイヤが形成できるが、HClおよびPH3が用いられ、また、これらガスは高い圧力で保存されているため、取り扱いが容易ではなく、作製が容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より容易に高い品質のナノワイヤが形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係るナノワイヤの作製方法は、基板の上に触媒金属の微粒子を配置する微粒子配置工程と、微粒子を配置した基板の上に有機金属から構成された原料ガスを供給し、微粒子を触媒として原料ガスより結晶化したナノワイヤを成長するナノワイヤ成長工程とを備え、ナノワイヤ成長工程では、原料ガスに加えて(CH33CClのガスを供給する。
上記ナノワイヤの作製方法において、ナノワイヤ成長工程は、所定の原料ガスを供給して微粒子を触媒に第1ナノワイヤを成長する第1ナノワイヤ成長工程と、第1ナノワイヤの成長とは組成が異なる原料ガスを供給し、微粒子を触媒に第1ナノワイヤに連続して第2ナノワイヤを成長する第2ナノワイヤ成長工程とを備える。
上記ナノワイヤの作製方法において、第1ナノワイヤ成長工程および第2ナノワイヤ成長工程において(CH33CClのガスを供給する。
上記ナノワイヤの作製方法において、第1ナノワイヤ成長工程では(CH33CClのガスを供給せず、第2ナノワイヤ成長工程では(CH33CClのガスを供給する。
上記ナノワイヤの作製方法において、ナノワイヤ成長工程は、原料ガスとともに第1導電型の不純物となる第1不純物原料を供給して微粒子を触媒に第1導電型ナノワイヤを成長する第1導電型ナノワイヤ成長工程と、原料ガスを供給し、微粒子を触媒に第1導電型ナノワイヤに連続して不純物が導入されていないi型ナノワイヤを成長するi型ナノワイヤ成長工程と、原料ガスとともに第2導電型の不純物となる第2不純物原料を供給し、微粒子を触媒にi型ナノワイヤに連続して第2導電型ナノワイヤを成長する第2導電型ナノワイヤ成長工程とを備える。
以上説明したことにより、本発明によれば、より容易に高い品質のナノワイヤが形成できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるナノワイヤの作製方法を説明するフローチャートである。 図2は、作製したナノワイヤを走査型電子顕微鏡で観察した状態を示す写真である。 図3は、本発明の実施の形態2におけるナノワイヤの作製方法で作製したナノワイヤの構成を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態3におけるナノワイヤの作製方法で作製したナノワイヤの構成を示す構成図である。 図5は、本発明の実施の形態4におけるナノワイヤの作製方法で作製したナノワイヤの構成を示す構成図である。 図6は、本発明の実施の形態4におけるナノワイヤの作製方法で作製したナノワイヤを用いた発光素子の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるナノワイヤの作製方法を説明するフローチャートである。このナノワイヤの作製方法は、まず、工程S101で、基板の上に触媒金属の微粒子を配置する(微粒子配置工程)。例えば、主表面の面方位を(111)B面としたInP基板の上に、Auからなる直径10nm程度の微粒子を配置すればよい。
次に、工程S102で、上述したように微粒子を配置した基板の上に有機金属から構成された原料ガスを供給し、微粒子を触媒に、原料ガスより結晶化したナノワイヤを成長する(ナノワイヤ成長工程)。例えば、所定の成長温度条件で、原料ガスとしてトリメチルインジウムおよびターシャリブチルフォスフィンを供給することで、InおよびPよりなるIII−V族化合物半導体であるInPのナノワイヤが形成できる。このとき、本発明では、原料ガスに加えて(CH33CClのガスを供給する。なお、以下では、(CH33CClを、TBCl(ターシャリブチルクロライド)と称する。
このように、原料ガスに加えてTBClを成長雰囲気に供給することで、ナノワイヤ延在方向(軸方向)に垂直な径方向の成長が制御(抑制)され、軸方向に直径が均一なナノワイヤが形成できるようになる。なお、上述したナノワイヤの成長は、全て低圧(常圧以下)の飽和蒸気圧を持つ有機系化合物を材料とした有機金属気相成長法(MOCVD法)による、金属微粒子触媒を用いたVLS(vaor−liquid−solid)成長である。この作製方法によれば、ボンベなどを用いて高い圧力で保存されている、HClおよびPH3などの取り扱いが容易ではないガスを用いることがない。従って、実施の形態1によれば、より安全な環境下で容易に高い品質のナノワイヤが形成できるようになる。
ところで、有機金属気相成長法による化合物半導体の薄膜形成技術では、有機塩素化合物であるTBClを用いることで、このエッチング効果により、成長している薄膜の成長速度や組成が変化することが報告されている(非特許文献3参照)。この報告では、TBClを用いてないものと比較して遜色のない結晶が得られている。しかしながら、この技術は、触媒金属の微粒子を用いたナノワイヤの成長ではない。ナノワイヤの成長技術においては、上記薄膜形成の技術と同様のエッチングガスを成長中に供給する成長法が試された例はなく、ナノワイヤにおいて同様な効果が発現するかどうかは不明であった。
以下、実際に作製したナノワイヤについて、図2を用いて説明する。図2は、作製したナノワイヤを走査型電子顕微鏡で観察した状態を示す写真である。
まず、図2の(a),(a’)は、InPによるナノワイヤを示している。InPナノワイヤの作製では、まず、主表面の面方位を(111)BとしたInP基板を用いた。また、In基板の上には、直径10nmの複数のAu微粒子を配置した。この状態で、成長温度を375℃とし、TMIn(トリメチルインジウム)7sccm、TBP(ターシャリブチルフォスフィン)36sccmを、成長室内に30分供給することにより成長を行った。ここで、図2の(a’)は、原料ガスに加え、TBClのガスを流量0.8sccmで供給して成長した場合を示している。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1013hPaの流体が1分間に1cm3流れることを示す。
次に、図2の(b),(b’)はInAsPによるナノワイヤを示している。InAsPナノワイヤの作製では、まず、上述同様に、In基板の上に、直径10nmの複数のAu微粒子を配置した。この状態で、成長温度を330℃とし、TMIn7sccm、TBP36sccm、TBAs(ターシャリブチルアルシン)4sccmを20分供給することにより成長を行った。ここで、図2の(b’)は、原料ガスに加え、TBClのガスを流量6.4sccmで供給して成長した場合を示している。
次に、図2の(c),(c’)は、GaInAsによるナノワイヤを示している。GaInAsナノワイヤの作製では、まず、上述同様に、In基板の上に、直径10nmの複数のAu微粒子を配置した。この状態で、成長温度を330℃とし、TMIn11sccm、TEGa(トリエチルガリウム)15sccm、TBAs1sccmを40分供給することにより成長を行った。ここで、図2の(C’)は、原料ガスに加え、TBClのガスを流量9.6sccmで供給して成長した場合を示している。
成長温度が比較的高いため、図2の(a),(b),(c)に示すように、TBClを供給していない条件では、軸方向に垂直な径方向の成長により、基板側が太く、基板より離れる先端側が細くなる先細りした構造になっている。これに対し、TBClを供給した条件では、TBClより供給されるClのエッチングの効果により、反応種の成長表面での拡散が促進されるため、径方向の成長が極めて遅くなる。また、側壁を拡散する反応種が、先端のAu微粒子触媒で取り込まれるため軸方向の成長が促進される。これらの結果、組成の変化が少なく、また、直径の変化が少ない状態で、より直進性に優れたナノワイヤの構造が形成されるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2におけるナノワイヤの形成方法は、まず、第1工程で、基板の上に触媒金属の微粒子を配置する(微粒子配置工程)。例えば、主表面の面方位を(111)B面としたInP基板の上に、Auからなる直径10nm程度の複数の微粒子を配置する。例えば、Au微粒子が分散している分散液(コロイド溶液)を塗布し、この後、分散媒体を除去すればよい。
次に、第2工程で、上述したように、微粒子を配置した基板の上に有機金属から構成された原料ガスを供給し、微粒子を触媒に原料ガスより結晶化したナノワイヤを成長する(ナノワイヤ成長工程)。
ここで、実施の形態2では、ナノワイヤを成長する工程において、まず、所定の原料ガスを供給して微粒子を触媒に第1ナノワイヤを成長する(第1ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn1×10-6mol/min、TBP1.2×10-3mol/minを、MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl3×10-6mol/minを成長室内に供給し、第1ナノワイヤとしてInPナノワイヤを15分成長する。
次に、第1ナノワイヤの成長とは組成が異なる原料ガスを供給し、微粒子を触媒にして第1ナノワイヤに連続して第2ナノワイヤを成長する(第2ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn1×10-6mol/min、TBAs1.2×10-3mol/minを、上記MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl1×10-5mol/minを成長室内に供給し、第2ナノワイヤとしてInAsナノワイヤを1分成長する。
引き続き、再度、TMIn1×10-6mol/min、TBP1.2×10-3mol/minを、MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl3×10-6mol/minを成長室内に供給し、第1ナノワイヤとしてInPナノワイヤを1分成長する。引き続いて、TMIn1×10-6mol/min、TBAs1.2×10-3mol/minを、上記MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl1×10-5mol/minを成長室内に供給し、第2ナノワイヤとしてInAsナノワイヤを1分成長する。
引き続き、TMIn1×10-6mol/min、TBP1.2×10-3mol/minを、MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl3×10-6mol/minを成長室内に供給し、第1ナノワイヤとしてInPナノワイヤを1分成長する。引き続いて、TMIn1×10-6mol/min、TBAs1.2×10-3mol/minを、上記MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl1×10-5mol/minを成長室内に供給し、第2ナノワイヤとしてInAsナノワイヤを1分成長する。
この後、TMIn1×10-6mol/min、TBP1.2×10-3mol/minを、MOCVD装置の成長室内に供給し、また、同時に、TBCl3×10-6mol/minを成長室内に供給し、第1ナノワイヤとしてInPナノワイヤを10分成長する。上述した各成長における成長温度条件は、370℃とする。
以上の工程により、図3に示すように、InP基板301の上に、Au微粒子302を触媒にし、InPナノワイヤ303,InAsナノワイヤ304,InPナノワイヤ305,InAsナノワイヤ304,InPナノワイヤ305,InAsナノワイヤ304,InPナノワイヤ306が成長して積層した、ヘテロ接続構造のナノワイヤが得られる。
また、上述したプロセス条件とすることで、InPナノワイヤ303およびInPナノワイヤ306は、比較的長く形成され、InAsナノワイヤ304,InPナノワイヤ305,InAsナノワイヤ304,InPナノワイヤ305,InAsナノワイヤ304は、量子効果が発現される程度に短く形成される。この結果、InAsナノワイヤ304は、量子ドットとして機能させることができ、ナノワイヤ中に量子ドット構造を組み込むことができる。
実施の形態2においても、原料ガスに加えてTBClを成長雰囲気に供給しているので、ナノワイヤ延在方向(軸方向)に垂直な径方向の成長が制御(抑制)され、軸方向に直径が均一なナノワイヤが形成できるようになる。この作製方法によれば、ボンベなどを用いて高い圧力で保存されている、HCl,PH3,およびAsH3などの取り扱いが容易ではないガスを用いることがない。従って、実施の形態2においても、より容易に高い品質のナノワイヤが形成できるようになる。
また、実施の形態2では、原料ガスと同時にTBClを供給しているので、InAsのナノワイヤ成長層の周りにはInPが、InPのナノワイヤ成長層の周りにはInAsが、積層することがなくヘテロ構造のナノワイヤが形成できる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3におけるナノワイヤの形成方法は、まず、第1工程で、基板の上に触媒金属の微粒子を配置する(微粒子配置工程)。例えば、主表面の面方位を(111)B面としたGaAs基板の上に、Auからなる複数の微粒子を配置する。例えば、基板の上に蒸着法などによりAu層を形成し、形成したAu層を、よく知られたリソグラフィ技術によりパターニングし、直径20μmの円形のパターンが配列した配列パターンを形成する。この後、基板を加熱することで、基板の上に、複数のAu微粒子が配列した状態とすればよい。
次に、第2工程で、上述したように、微粒子を配置した基板の上に有機金属から構成された原料ガスを供給し、微粒子を触媒に原料ガスより結晶化したナノワイヤを成長する(ナノワイヤ成長工程)。
ここで、実施の形態3では、ナノワイヤを成長する工程において、まず、所定の原料ガスを供給して微粒子を触媒に第1ナノワイヤを成長する(第1ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn1×10-6mol/min、TEGa1×10-6mol/min、TBAs5×10-5mol/minを、MOCVD装置の成長室内に供給し、成長温度340℃で、第1ナノワイヤとしてGaInAsナノワイヤを15分成長する。ここでは、TBClは供給しない。
次に、第1ナノワイヤの成長とは組成が異なる原料ガスを供給し、微粒子を触媒として第1ナノワイヤに連続して第2ナノワイヤを成長する(第2ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn1×10-6mol/minとTBP1.2×10-3mol/minを供給し、成長温度420℃で、第2ナノワイヤとしてInPナノワイヤを20分成長する。この工程では、成長の終盤2分間に、TBCl3×10-6mol/minを成長室内に供給(導入)する。
上述したInPの成長では、図4の(a)に示すように、基板401の上に、Au微粒子402を触媒として成長したGaInAsナノワイヤ403が形成される。また、GaInAsナノワイヤ403の側部には、InPナノワイヤ404が成長する。しかしながら、途中からTBClを供給するので、GaInAsナノワイヤ403の側部に成長するInPの層がエッチングされ、図4の(b)に示すように、GaInAsナノワイヤ403の側部が露出する。この結果、GaInAsナノワイヤ403の上に、InPナノワイヤ405が連続して形成された状態が得られる。なお、TBClの供給は、InPナノワイヤの成長が終了した後で実施してもよい。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4におけるナノワイヤの形成方法は、まず、第1工程で、基板の上に触媒金属の微粒子を配置する(微粒子配置工程)。例えば、主表面の面方位を(111)B面としたInP基板の上に、Auからなる直径10nm程度の複数の微粒子を配置する。例えば、Au微粒子が分散している分散液(コロイド溶液)を塗布し、この後、分散媒体を除去すればよい。
次に、第2工程で、上述したように、微粒子を配置した基板の上に有機金属から構成された原料ガスを供給し、微粒子を触媒に原料ガスより結晶化したナノワイヤナノワイヤを成長する(ナノワイヤ成長工程)。
ここで、実施の形態4では、ナノワイヤを成長する工程において、まず、原料ガスとともに第1導電型の不純物となる第1不純物原料を供給し、微粒子を触媒に第1導電型ナノワイヤを成長する(第1導電型ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn1×10-6mol/min、TBP1.2×10-3mol/minをMOCVD装置の成長室内に供給し、また同時に、TBCl3×10-6mol/minを成長室内に供給する。加えて、第1不純物原料としてDTBS(ジターシャリブチル硫黄)5×10-8mol/minを導入し、成長温度条件370℃でn型のInPからなるn−InPナノワイヤを15分成長する。この場合、第1導電型がn型となる。
次に、原料ガスを供給し、微粒子を触媒とし、第1導電型ナノワイヤに連続して不純物が導入されていないi型ナノワイヤを成長する(i型ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn1×10-6mol/min、TBAs5.0×10-5mol/minを成長室内に供給し、また同時に、TBCl3×10-6mol/minを供給し、成長温度条件340℃でi型のInAsからなるi−InAsナノワイヤを10秒成長する。この工程では、不純物の導入を行わない。
次に、原料ガスとともに第2導電型の不純物となる第2不純物原料を供給し、微粒子を触媒とし、i型ナノワイヤに連続して第2導電型ナノワイヤを成長する(第2導電型ナノワイヤ成長工程)。例えば、TMIn2×10-6mol/min、TBP1.2×10-3mol/minを成長室内に供給し、また同時にTBCl1×10-6mol/minを成長室内に供給する。加えて、第2不純物原料として、DEZn(ジエチルジンク)5×10-7mol/minを導入し、成長温度条件370℃で、p型のInPからなるp−InPナノワイヤを15分成長する。この場合、第2導電型がp型となる。
以上の工程により、図5に示すように、InP基板501の上に、Au微粒子502を触媒とし、n−InPナノワイヤ503,i−InAsナノワイヤ504,p−InPナノワイヤ505が成長して積層した、ヘテロ接続構造のpin型ナノワイヤ511が得られる。また、得られたナノワイヤは、直径の変化が少ない状態で、より直進性に優れている。また、ナノワイヤの側部には、他の化合物の成長(堆積)がない。
次に、InP基板501より、pin型ナノワイヤ511を分離し、図6に示すように、サファイア基板601の上に配置する。次いで、AuZnNiからなるp型電極602をp−InPナノワイヤ505に接続させ、AuGeNiからなるn型電極603をn−InPナノワイヤ503に接続させて形成する。
例えば、pin型ナノワイヤ511上の位置を走査型電子顕微鏡で確認し、次いで、電子ビームリソグラフィにより電極パターンを片側ずつ形成する。次いで、p型電極材料およびn型電極材料を、各々電子ビーム蒸着装置により蒸着し、電極パターンをリフトオフし、上記各電極を形成する。また、各電極を形成した後、350℃まで加熱処理し、各電極とナノワイヤとのオーミックコンタクトをとる。
上述したように作製した発光素子によれば、p型電極602およびn型電極603により供給される電流は、活性層となるi−InAsナノワイヤ504に効率よく注入され、発光が得られる。i−InAsナノワイヤ504の長さを変えることにより、通信波長帯の1.55μm発光が可能である。
以上に説明したように、本発明によれば、有機金属気相成長法で触媒金属の粒子よりナノワイヤを成長させるときに、原料ガスの供給に加えて(CH33CClのガスも供給するようにしたので、より容易に高い品質のナノワイヤが形成できるようになる。本発明によれば、VLS法によるナノワイヤ成長技術により、より成長温度が高い条件で積層欠陥が少なく、かつ不純物量が少ない高品質のナノワイヤが成長できる。これにより、例えば、ボトムアップ的にかつ制御性良く、比較的容易に、大面積の光デバイスが作製できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、実施の形態4では、n−InPナノワイヤ,i−InAsナノワイヤ,p−InPナノワイヤの順に成長したが、p−InPナノワイヤ,i−InAsナノワイヤ,n−InPナノワイヤの順に成長してもよい。
301…InP基板、302…Au微粒子、303…InPナノワイヤ、304…InAsナノワイヤ、305…InPナノワイヤ、306…InPナノワイヤ。

Claims (6)

  1. 基板の上に触媒金属の微粒子を配置する微粒子配置工程と、
    前記微粒子を配置した前記基板の上に有機金属から構成された原料ガスを供給し、前記微粒子を触媒として前記原料ガスより結晶化したナノワイヤを成長するナノワイヤ成長工程と
    を備え、
    前記ナノワイヤ成長工程では、前記原料ガスに加えて(CH33CClのガスを供給する
    ことを特徴とするナノワイヤの作製方法。
  2. 請求項1記載のナノワイヤの作製方法において、
    前記ナノワイヤ成長工程は、
    所定の原料ガスを供給して前記微粒子を触媒として第1ナノワイヤを成長する第1ナノワイヤ成長工程と、
    前記第1ナノワイヤの成長とは組成が異なる原料ガスを供給し、前記微粒子を触媒として前記第1ナノワイヤに連続して第2ナノワイヤを成長する第2ナノワイヤ成長工程と
    を備えることを特徴とするナノワイヤの作製方法。
  3. 請求項2記載のナノワイヤの作製方法において、
    前記第1ナノワイヤ成長工程および前記第2ナノワイヤ成長工程において(CH33CClのガスを供給することを特徴とするナノワイヤの作製方法。
  4. 請求項2記載のナノワイヤの作製方法において、
    前記第1ナノワイヤ成長工程では(CH33CClのガスを供給せず、
    前記第2ナノワイヤ成長工程では(CH33CClのガスを供給する
    ことを特徴とするナノワイヤの作製方法。
  5. 請求項1記載のナノワイヤの作製方法において、
    前記ナノワイヤ成長工程は、
    前記原料ガスとともに第1導電型の不純物となる第1不純物原料を供給して前記微粒子を触媒として第1導電型ナノワイヤを成長する第1導電型ナノワイヤ成長工程と、
    前記原料ガスを供給し、前記微粒子を触媒として前記第1導電型ナノワイヤに連続して不純物が導入されていないi型ナノワイヤを成長するi型ナノワイヤ成長工程と、
    前記原料ガスとともに第2導電型の不純物となる第2不純物原料を供給し、前記微粒子を触媒として前記i型ナノワイヤに連続して第2導電型ナノワイヤを成長する第2導電型ナノワイヤ成長工程と
    を備えることを特徴とするナノワイヤの作製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノワイヤの作製方法において、
    前記触媒金属は、Auであることを特徴とするナノワイヤの作製方法。
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