JP6052252B2 - 片持ち梁支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、一端が構造躯体に支持されるとともに、他端が屋外方向に突出する片持ち梁を支持する片持ち梁支持構造に関する。
一般に住宅等の建築物において、キャンティバルコニーやオーバーハングのように、下階の外壁面よりも屋外側に張り出す構造物を上階に設ける場合に、一端側が屋内側にあって建築物の構造躯体に支持され、他端が屋外方向に突出する片持ち梁によって、当該張り出し構造物を支持する。
そして、このような構造においては、張り出し構造物の荷重を、当該張り出し構造物の付け根にあたる下階の外壁面の位置で受けることになるため、片持ち梁には、下階の外壁面と直交する位置で、大きな鉛直荷重が加わる。そこで、この鉛直荷重に抗するために、下階の外壁面の位置で片持ち梁を支持する柱材が立設される場合が多い。
しかし一方で、建築物の間取りによっては、キャンティバルコニーやオーバーハングの下階に位置する外壁に大きな窓などの開口部を設けたいことも多く、このような場合に、下階の外壁面の位置に片持ち梁を支える柱材を設けることは困難である。
そこで、例えば特許文献1には、ラーメン柱と上下に間隔を開けたラーメン梁とを曲げモーメントの伝達が可能に接合して形成した門型のラーメン枠を下階の外壁面の位置に配置し、上下の梁ラーメン梁の間に片持ち梁を挿入して屋外側に突出させる構成が記載されている。この構成によると、ラーメン枠の内側を開口部とすることができるので、比較的大きな開口部を下階の外壁面に設けることができ、また、片持ち梁からラーメン枠に伝わる鉛直荷重は、ラーメン梁が上下に設けられることにより大きな曲げ剛性を有する点、及びラーメン梁とラーメン柱とが曲げモーメントに抵抗できるように接合されていることにより、ラーメン梁のたわみを小さく抑えることができる。
特開2008−255711号
しかし、上述のような門型のラーメン枠は、上下のラーメン梁の梁せいとその間の片持ち梁の梁せいがそれぞれ必要となるので、下階と上階との間に大きなスペースが必要となる。また、上述のようなラーメン枠では下側のラーメン梁に片持ち梁からの鉛直荷重が集中するものであり、下側のラーメン梁のたわみを十分に抑制することは困難である。
そこで、本発明は、下階の外壁面に大きな開口部を設けることが可能な片持ち梁支持構造であって、鉛直方向のたわみを十分に抑制することができる片持ち梁支持構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の片持ち梁支持構造は、2以上の階層からなる建物の下階の外壁面の屋内側に互いに間隔を開けて立設される一対の柱材と、前記柱材の上端に接合され、前記外壁面に直交し、一端が構造躯体に固定されるとともに他端が前記外壁面よりも屋外側に突出する一対の側部片持ち梁と、前記一対の側部片持ち梁の間で前記外壁面に直交し、一端が構造躯体に固定されるとともに他端が前記外壁面よりも屋外側に突出する1本以上の中間片持ち梁と、前記側部片持ち梁と前記中間片持ち梁との間、及び/又は、互いに隣接する前記中間片持ち梁の間にそれぞれ架設される複数の繋ぎ梁と、両端が前記一対の柱材の柱頭の側面に接合されるとともに、前記繋ぎ梁の下面に水平せん断抵抗を有する金物によって接合される段落ち梁と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の片持ち梁支持構造は、前記水平せん断抵抗を有する金物はホゾパイプであることを特徴としている。
請求項3に記載の片持ち梁支持構造は、前記ホゾパイプは、各繋ぎ梁ごとに互いに間隔を開けて2本以上設けられることを特徴としている。
請求項4に記載の片持ち梁支持構造は、前記ホゾパイプは、前記繋ぎ梁の長手方向の中央に寄った位置に設けられることを特徴としている。
請求項1に記載の片持ち梁支持構造によると、中間片持ち梁の下側に柱材が必要ないので、柱材に邪魔されることなく、下階の開口部を大きくとることができる。そして、複数の繋ぎ梁と、この繋ぎ梁の下面に接合される段落ち梁とは、水平せん断抵抗を有する金物によって接合されている。中間片持ち梁の屋外側に突出した部分に上部構造物の荷重が加わると、当該中間片持ち梁が鉛直方向下側に変位しようとするので、繋ぎ梁及び段落ち梁はそれぞれ一対の柱材の間で下側に湾曲するように変形しようとする。そして、繋ぎ梁及び段落ち梁が下側に向かって湾曲しようとすることで、それぞれの梁の上面に圧縮力が加わり、下面に引張力が加わり、繋ぎ梁の下面と段落ち梁の上面との間で水平せん断力が生じる。繋ぎ梁と段落ち梁とが水平せん断抵抗を有する金物によって接合されているので、繋ぎ梁の下面と段落ち梁の上面との間に生じる水平せん断力に抵抗することができ、繋ぎ梁及び段落ち梁の変形を抑制し、中間片持ち梁の下方変位を抑制できる。すなわち、中間片持ち梁、繋ぎ梁、及び段落ち梁が全体として一体として、剛性を高めることができ、鉛直荷重に対する耐力を高めることができる。
請求項2に記載の片持ち梁支持構造によると、水平せん断抵抗を有する金物はホゾパイプであるので、繋ぎ梁の下面と段落ち梁の上面とに設けられたホゾ孔に埋め込まれることで外部に露出することもなく、簡単に接合することができる。
請求項3に記載の片持ち梁支持構造によると、ホゾパイプは、各繋ぎ梁ごとに互いに間隔を開けて2本以上設けられているので、2本以上のホゾパイプが相乗的に作用して、より高い水平せん断抵抗を発揮することができる。
請求項4に記載の片持ち梁支持構造によると、前記ホゾパイプは、前記繋ぎ梁の長手方向の中央に寄った位置に設けられるので、繋ぎ梁及び段落ち梁と、中間片持ち梁、側梁、及び柱材との接合のための金物と干渉することがなく、接合部の強度低下を防ぐことができる。
第一実施形態の片持ち梁支持構造の外壁面及び開口部を表した一部省略斜視図。 第一実施形態の片持ち梁支持構造の外壁面及び開口部の記載を省略した一部省略斜視図。 第一実施形態の片持ち梁支持構造の各接合箇所を説明する正面図。 第一実施形態の片持ち梁支持構造の繋ぎ梁を接合する前の状態を示す図。 第二実施形態の片持ち梁支持構造の外観構成を示す斜視図。 第二実施形態の片持ち梁支持構造の各接合箇所を説明する正面図。 片持ち梁支持構造の耐力補強効果を示す曲げせん断実験の試験体を示し、(A)は、比較例下段の試験体を示し、(B)は、比較例上段の試験体を示し、(C)は、実施例の試験体を示す図。 片持ち梁支持構造の耐力補強効果を示す曲げせん断実験の比較例及び実施例の結果を示す表であって、表1が比較例の結果を示し、表2が実施例の結果を示す。 片持ち梁支持構造のたわみ低減効果を示すグラフ。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る片持ち梁支持構造1の第一実施形態について、各図を参照しつつ説明する。片持ち梁支持構造1は、主として二階建て以上の木造住宅に設けられる構造であり、図示しないが、キャンティバルコニーやオーバーハングのような、下階の外壁面2よりも屋外側に張り出す上部構造物を上階に設ける場合に用いられる片持ち梁支持構造1である。片持ち梁支持構造1は、図1及び図2に示すように、一対の柱材3と、当該一対の柱材3の上端にそれぞれ接合される一対の側部片持ち梁4と、一対の側部片持ち梁4の間に平行に設けられる中間片持ち梁5と、側部片持ち梁4及び中間片持ち梁5の間に架設される繋ぎ梁6と、両端が一対の柱材3に接合され、上面が繋ぎ梁6の下面に接合される段落ち梁7と、を有している。
一対の柱材3は集成材の角材であり、図示しないが、柱脚が図示しない土台に設けられた柱受け金物によって固定されて、土台上に立設されている。一対の柱材3の柱芯の間の長さは例えば2000mmである。
側部片持ち梁4は、集成材の角材である。側部片持ち梁4は、一端が、建物の屋内側において図示しない柱又は梁などの構造躯体に固定されており、図2及び図3に示すように、外壁面2の屋内側の位置で柱材3の上端に柱梁接合用ホゾパイプ8により固定されている。側部片持ち梁4は、他端が、外壁面2に直交して屋外側に突き出しており、キャンティバルコニー又はオーバーハングのような図示しない上部構造物の荷重の一部を支えている。本実施形態においては、側部片持ち梁4の梁せいは390mmである。なお、本実施形態に置いて「外壁面」は下階の外壁面2を意味する。
中間片持ち梁5は、図1及び図2に示すように、側部片持ち梁4と同様に集成材の角材である。中間片持ち梁5は、一端が、建物の屋内側において図示しない柱又は梁などの構造躯体に固定されており、他端が、外壁面2に直交して屋外側に突き出し、キャンティバルコニー又はオーバーハングのような図示しない上部構造物の荷重の一部を支えている。中間片持ち梁5の外壁面2の屋内側の位置の下側には、柱材3は設けられていないので、中間片持ち梁5に加わる鉛直荷重を受けるために片持ち梁支持構造1が必要となっている。なお本実施形態における、中間片持ち梁5の梁せいは、側部片持ち梁4の梁せいと同様に390mmである。
繋ぎ梁6は集成材の角材であり、図3及び図4に示すように、側部片持ち梁4及び中間片持ち梁5と同様に梁せいが390mmである。繋ぎ梁6は、側部片持ち梁4と中間片持ち梁5との間にそれぞれ架設されている。側部片持ち梁4の外壁面2の屋内側の位置には、中間片持ち梁5に対向する側面に梁受金物10aがボルトにより接合されている。また、中間片持ち梁5の外壁面2の屋内側の位置の両側面には、それぞれ、梁受金物10bがボルトにより接合されている。繋ぎ梁6の小口面には梁受金物10a,10bが挿入可能な溝11が設けられており、梁受金物10a,bを溝11に挿入した状態で、繋ぎ梁6の側面に設けられたピン孔12にドリフトピン13を挿入して繋ぎ梁6を側部片持ち梁4と中間片持ち梁5との間に架設する。
段落ち梁7は集成材の角材であり、両端が一対の柱材3の柱頭の側面に接合して一対の柱材3の間に架設されている。柱材3の柱頭の隣接する柱材3と対向する側面には、梁受金物10cがボルトにより接合されている。段落ち梁7の小口面には梁受金物10が挿入可能な溝11が設けられており、梁受金物10を溝11に挿入した状態で、段落ち梁7の側面に設けられたピン孔12にドリフトピン13を挿入して、段落ち梁7を一対の柱材3の間に架設する。
繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面とは、図3及び図4に示すように、ホゾパイプ9aによって接合されている。ホゾパイプ9aは水平せん断抵抗を有する金物であり、繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面との間に水平方向のずれが生じることを抑制できる。具体的には、段落ち梁7の上面に設けられたホゾ孔14にホゾパイプ9aの下部が挿入されて、ホゾパイプ9aの上部が段落ち梁7の上面から突出するように配置する。そして、その上方から繋ぎ梁6を段落ち梁7に当接させることにより、繋ぎ梁6の下面に形成されたホゾ孔14に当該ホゾパイプ9aの上部が挿入される。その後、繋ぎ梁6及び段落ち梁7の側面に設けられたピン孔12にドリフトピン13を挿入して、ホゾパイプ9aを繋ぎ梁6及び段落ち梁7に固定して、繋ぎ梁6と段落ち梁7とを接合する。なお、段落ち梁7と中間片持ち梁5との間にもホゾパイプ9bが埋設されて接合されている。
繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面とを接合するホゾパイプ9aは、繋ぎ梁6の長手方向に125mmピッチで、繋ぎ梁6毎に3本設けられている。当該ホゾパイプ9aの位置は、繋ぎ梁6の中央寄りに設けられており、3本のホゾパイプ9aのうち真ん中のホゾパイプ9aが繋ぎ梁6の長手方向のほぼ中央に設けられている。このようにホゾパイプ9aを繋ぎ梁6の長手方向の中央に寄って設けていることで、繋ぎ梁6及び段落ち梁7の端部付近にホゾパイプ9aが埋設されることがなく、中間片持ち梁5、側部片持ち梁4、及び柱材3との接合のための梁受金物10a,b,cがホゾパイプ9aに干渉することなく配置することができ、接合部の強度低下を防ぐことができる。
なお、ホゾパイプ9aは繋ぎ梁6毎に3本設けられているが、本発明のホゾパイプ9aの本数は繋ぎ梁6毎に3本に限定されるものではない。繋ぎ梁6と段落ち梁7との接合は、ホゾパイプ9aが2本以上設けられると、ホゾパイプ9aが1本だけ設けられる場合に比べて、2本以上のホゾパイプ9aが相乗的に作用して、より高い水平せん断抵抗を発揮することができる。すなわち、繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面の2箇所以上が互いに相対的に水平移動できないように拘束されるので、隣接するホゾパイプ9aの間も互いに水平方向に移動できなくなるので、ホゾパイプ9aが1本の場合に比べて広範囲で、繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面とがずれないように拘束することができ、繋ぎ梁6及び段落ち梁7が下方に湾曲することを顕著に防止することができる。
繋ぎ梁6毎に3本設けられているホゾパイプ9aのピッチは、本実施形態では125mmであるが、例えば75mmから250mmの範囲であることが好ましい。ホゾパイプ9a同士が接近しすぎている場合には、互いに隣接するホゾ孔14の間に割裂が生じやすくなる問題があり、一方ホゾパイプ9a同士が離反しすぎている場合には、ホゾパイプ9a同士が相乗的に作用し難くなり、独立したホゾパイプ9aの接合効果以上の効果が望めないからである。
なお、繋ぎ梁6と段落ち梁7とは、本実施形態においてはホゾパイプ9aによって接合しているが、ホゾパイプ9aに限定されるものではなく、繋ぎ梁6と段落ち梁7との間の長さ方向の水平せん断力に対して抵抗できる形状のものであればよい。なお、ホゾパイプ9aとすることで、接合金物が外部に露出することがないので見栄えが良く、また、簡単に接合する。
本実施形態の片持ち梁支持構造1によると、繋ぎ梁6と段落ち梁7とがホゾパイプ9aによって接合されることで、繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面との間に生じる水平せん断力に抵抗することができ、繋ぎ梁6及び段落ち梁7の変形を抑制し、中間片持ち梁5の下方変位を抑制できる。したがって、中間片持ち梁5、繋ぎ梁6、及び段落ち梁7が全体として一体として、剛性を高めることができ、鉛直荷重に対する耐力を高めることができるので、中間片持ち梁5の下方に柱材3を設けることなく、屋外側に突出した上部構造物の荷重を受けることができる。したがって、柱材3が設けられていないので下階の外壁面2に大きな開口部2aを設けることができる。
〔第二実施形態〕
片持ち梁支持構造1は、図5及び図6に示すように、中間片持ち梁5が2本以上設けられるものであっても良い。以下において、中間片持ち梁5が2本設けられた片持ち梁支持構造1の第二実施形態を説明する。なお、一対の柱材3、一対の側部片持ち梁4、及び各梁受金物10の構造は、上述した第一実施形態と同様の構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
片持ち梁支持構造1は、一対の柱材3と、当該一対の柱材3の上端にそれぞれ接合される一対の側部片持ち梁4と、一対の側部片持ち梁4の間に平行に設けられる2本の中間片持ち梁5と、側部片持ち梁4及び中間片持ち梁5の間、及び中間片持ち梁5同士の間に架設される繋ぎ梁6と、両端が一対の柱材3に接合され、上面が繋ぎ梁6の下面に接合される段落ち梁7と、を有している。
中間片持ち梁5は、一端が、建物の屋内側において図示しない柱又は梁などの構造躯体に固定されており、他端が、外壁面2に直交して屋外側に突き出し、キャンティバルコニー又はオーバーハングのような図示しない上部構造物の荷重の一部を支えてる構造であり、側部片持ち梁4の間に2本が等間隔で平行に設けられている。側部片持ち梁4と中間片持ち梁5との間、及び中間片持ち梁5同士の間の梁芯間の距離は1000mmである。したがって、一対の柱材3の柱芯間の距離は3000mmである。
繋ぎ梁6は、3本設けられており、一方の側部片持ち梁4とこれに隣接する中間片持ち梁5の間、中間片持ち梁5同士の間、及び他方の側部片持ち梁4とこれに隣接する中間片持ち梁5との間に、それぞれの対向する側面に設けられた梁受金物10a,bにより、接合されて架設されている。繋ぎ梁6の小口面には梁受金物10が挿入可能な溝11が設けられており、梁受金物10a,bを溝11に挿入した状態で、繋ぎ梁6の側面に設けられたピン孔12にドリフトピン13を挿入して繋ぎ梁6を架設している。
段落ち梁7は、両端が一対の柱材3の柱頭の側面に梁受金物10により接合して一対の柱材3の間に架設されている。繋ぎ梁6の下面と段落ち梁7の上面とを接合するホゾパイプ9aは、上述の実施形態と同様に、繋ぎ梁6の長手方向に125mmピッチで、繋ぎ梁6毎に3本中央寄りに設けられている。
第二実施形態の片持ち梁支持構造1によると、中間片持ち梁5が1本の場合に比べて、一対の柱材3の間の距離を長くすることができるので、下階の外壁面2に設けられる開口部2aをより一層大きくすることができる。
〔耐力補強効果〕
次に、本発明の片持ち梁支持構造1の耐力補強効果を示す曲げせん断実験について説明する。
(比較例)
比較例の試験体は、上段が中間片持ち梁5と、繋ぎ梁6とで構成し、下段が段落ち梁7で構成され、上段の中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6と、下段の段落ち梁7とをホゾパイプ9aで接合せずに曲げせん断実験することが好ましいが、上下段が接合されていない状態での実験は困難であるので、上段及び下段を分けて実験した。
(比較例・下段)
段落ち梁7は、図7(A)に示すように、梁せいが330mmで梁幅が120mmの集成材の角材である。そして、段落ち梁7の梁スパンが2000mmとなるように、段落ち梁7を単純支持する支持点Qを設け、支持点Qの間に段落ち梁7が架設された状態にした。段落ち梁7は両側が支持点Qから外側にそれぞれ440mmの位置まで伸ばした。そして、段落ち梁7の上面の中央に載荷点Pを設けて、段落ち梁7が破壊するまで鉛直方向下側に向かって単調加力した。
比較例下段の結果は、図8の表1に示すとおりである。段落ち梁7の「概ね破壊が始まる耐力」もしくは「設計で使う耐力」(破壊されない耐力)である降伏耐力は104.2kNであった。段落ち梁7の「完全に破壊される時点の耐力」である最大耐力は179.4kNであった。段落ち梁7の初期剛性は19.8kN/mmであった。
(比較例・上段)
中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6は、図7(B)に示すように、梁せいが390mmであり、梁幅が120mmである。中間片持ち梁5の材長は500mmとした。中間片持ち梁5の長手方向の中央側面に梁受金物10によって、繋ぎ梁6の小口面を接合した。そして、中間片持ち梁5の位置が中央に来るように、且つ、梁スパンが2000mmとなるように、繋ぎ梁6を単純支持する支持点Qを設けた。繋ぎ梁6は両側が支持点Qから外側にそれぞれ440mmの位置まで伸ばした。そして、中間片持ち梁5の上面の中央に載荷点Pを設けて、いずれかの梁が破壊するまで鉛直方向下側に向かって単調加力した。
比較例上段の結果は、図8の表1に示すとおりである。中間片持ち梁5又は繋ぎ梁6の「概ね破壊が始まる耐力」もしくは「設計で使う耐力」(破壊されない耐力)である降伏耐力は33.47kNであった。中間片持ち梁5又は繋ぎ梁6の「完全に破壊される時点の耐力」である最大耐力は58.62kNであった。中間片持ち梁5又は繋ぎ梁6の初期剛性は3.23kN/mmであった。
上述した比較例の上段と下段を単純加算すると、降伏耐力は137.7kNであり、最大耐力は371.9kNであり、初期剛性は36.9kN/mmである。上段が中間片持ち梁5と、繋ぎ梁6とで構成し、下段が段落ち梁7で構成し、上段の中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6と、下段の段落ち梁7とをホゾパイプ9aで接合しなかった場合の値がこれに近似するものと推認される。
(実施例)
次に本発明の実施例の曲げせん断実験について説明する。本実施例の試験体は、図7(C)に示すように、上段が中間片持ち梁5と、繋ぎ梁6とで構成し、下段が段落ち梁7で構成され、上段の中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6と、下段の段落ち梁7とをホゾパイプ9aで接合したものである。上段及び下段の構成は上述した比較例のものと全く同じであるので説明を省略する。下段の段落ち梁7と上段の繋ぎ梁6とは、125mm間隔に配置するホゾパイプ9aを3本用いて接合した。ホゾパイプ9aは直径31.8mm、高さ140mm、材厚2.3mmで、直径12mmのドリフトピン13で段落ち梁7及び繋ぎ梁6に接合した。また、段落ち梁7と中間片持ち梁5もホゾパイプ9bを1本用いて接合した。そして、段落ち梁7の梁スパンが2000mmとなるように、段落ち梁7を単純支持する支持点Qを設け、段落ち梁7及び繋ぎ梁6の両側が支持点Qから外側にそれぞれ440mmの位置まで伸ばした。そして、中間片持ち梁5の上面の中央に載荷点Pを設けて、いずれかの梁が破壊するまで鉛直方向下側に向かって単調加力した。
実施例の結果は、図8の表2に示すとおりである。降伏耐力は191.1kNであり、最大耐力は371.9kNであり、初期剛性は36.9kN/mmであった。したがって、比較例の上段及び下段を単純加算したものと比較して、本実施例は、降伏耐力が1.39倍となっており、最大耐力は1.56倍となっており、初期剛性は1.6倍となっているので、ホゾパイプ9a,bで上段の中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6と下段の段落ち梁7とを接合することにより、補強効果が見られることがわかる。
〔たわみ低減効果〕
次に、本発明の片持ち梁支持構造1のたわみ低減効果について図9を参照しつつ説明する。図9は、段落ち梁7の梁せいを150mmから450mmまで変化させた片持ち梁支持構造1において、中間片持ち梁5に30kN加力した場合のたわみを解析した結果をグラフに示しており、丸で示したものが本発明の実施例のたわみ低減効果を示しており、一点鎖線でしめすものが、上段の中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6と、下段の段落ち梁7とをホゾパイプ9aで接合しなかった比較例の場合のたわみ低減効果を示している。なお、ここで、たわみ低減効果とは、本願の実施例又は比較例の30kN加力した場合のたわみを、段落ち梁7のみに30kN加力した場合のたわみで除した値の逆数である。
図9に示すように、ホゾパイプ9aで上段の中間片持ち梁5及び繋ぎ梁6と下段の段落ち梁7とを接合することにより、たわみを低減する効果が見られることがわかる。
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る片持ち梁支持構造1は、木造住宅のオーバーハングやキャンティバルコニーを支持する片持ち梁を支える構造として、好適に用いることができる。
1 片持ち梁支持構造
2 外壁面
3 柱材
4 側部片持ち梁
5 中間片持ち梁
6 繋ぎ梁
7 段落ち梁
9a ホゾパイプ

Claims (4)

  1. 2以上の階層からなる建物の下階の外壁面の屋内側に互いに間隔を開けて立設される一対の柱材と、
    前記柱材の上端に接合され、前記外壁面に直交し、一端が構造躯体に固定されるとともに他端が前記外壁面よりも屋外側に突出する一対の側部片持ち梁と、
    前記一対の側部片持ち梁の間で前記外壁面に直交し、一端が構造躯体に固定されるとともに他端が前記外壁面よりも屋外側に突出する1本以上の中間片持ち梁と、
    前記側部片持ち梁と前記中間片持ち梁との間、及び/又は、互いに隣接する前記中間片持ち梁の間にそれぞれ架設される複数の繋ぎ梁と、
    両端が前記一対の柱材の柱頭の側面に接合されるとともに、前記繋ぎ梁の下面に水平せん断抵抗を有する金物によって接合される段落ち梁と、を備えることを特徴とする片持ち梁支持構造。
  2. 前記水平せん断抵抗を有する金物はホゾパイプであることを特徴とする請求項1に記載の片持ち梁支持構造。
  3. 前記ホゾパイプは、各繋ぎ梁ごとに互いに間隔を開けて2本以上設けられることを特徴とする請求項2に記載の片持ち梁支持構造。
  4. 前記ホゾパイプは、前記繋ぎ梁の長手方向の中央に寄った位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の片持ち梁支持構造。
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