JP6052032B2 - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、コンデンサの誘電体フィルムなどとして好適に使用される二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、優れた耐電圧性能、低い誘電損失特性などの電気特性を有し、さらに高い耐湿性を備えていることから、例えばコンデンサ用の誘電体フィルムとして広く利用されている。具体的には、高電圧コンデンサや、各種スイッチング電源、コンバータ、インバータ等のフィルタ用および平滑用として用いられるコンデンサ類等に好ましく用いられている。
特に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いたコンデンサは、近年需要が高まっている電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動モータを制御するインバータ電源回路において、平滑用コンデンサとして広く用いられ始めている。
このような自動車等に用いられるインバータ電源機器用コンデンサは、小型・軽量・高容量でありながら、およそ−40℃〜100℃という広い温度範囲において、長期にわたり高電圧に耐え、かつ、静電容量を維持し、安定した動作を継続しなければならない。
そのため、コンデンサ用の誘電体フィルムとして用いられるフィルムには、コンデンサの小型化、高容量化の要求に応えるために、1〜6μm厚と極薄(高延伸性能)化をなしつつ、かつ、より高温下でより高い直流電圧を負荷しても絶縁破壊されないという、高い高温絶縁破壊強度が求められる。
絶縁破壊強度の向上には、例えば特許文献1等に示されるように、ポリプロピレン樹脂の高立体規則性化・高結晶性化が有効である。また高温下で高い絶縁破壊強度を示すためには、例えば特許文献2に例示されるようにポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が低い、分子量分布の狭い樹脂を用いることが有効である。
しかしながら、これら高結晶性化や分子量分布の狭幅化は、極薄のフィルムを安定して生産し、ばらつきの少ない電気特性を得るために必要な延伸性や、フィルムの厚みの均一性の向上とは一般的に相容れず、高い高温での絶縁破壊強度をもつ、厚み等のばらつきの少ない極薄のフィルムの製造は極めて難しいのが現状である。
一方で、高い絶縁破壊強度を保ちながら延伸性も良化させる方法としては、特許文献3に例示されるように、分子量分布を広幅化して超高分子量の成分と低分子量成分を多く含ませることにより延伸性を付与する方法が開示されている。しかしながら、このように分子量分布を広くした際に含有される低分子量で結晶性が低い成分が多いと、高温時においてフィルム内で移動する等して絶縁欠陥の要因となるためか、高温での絶縁破壊強度の低下を招く場合があり、近年のコンデンサ使用温度の高温化の要求に対しては、性能が不十分な場合があった。
特開平8−294962号公報 特開2012−209541号公報 特開2007−137988号公報
以上のように市場が要求する(1)高温での絶縁破壊強度の向上、および、(2) フィルム極薄化(コンデンサ素子の高電気容量化)のための延伸性や厚みの均一性の向上を同時に充たし得るコンデンサ用プロピレンフィルムを得るのは、非常に難しい状況にある。
本発明の目的は、これら2つの特性を兼ね備えた、小型で大容量かつ高温での使用が可能な電子・電気機器用コンデンサを製造できる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの提供にある。
本発明は以下の構成を有する。
[1]ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、5以上10以下であるアイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)と、分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるポリプロピレン樹脂(B)とが混合された混合樹脂からなる、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[2]前記ポリプロピレン樹脂(B)の、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率[mmmm]が、30%以上60%以下である、[1]に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[3]前記アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の混合比率が80質量%以上99.5質量%以下、前記ポリプロピレン樹脂(B)の混合比率が0.5質量%以上20質量%以下で混合された混合樹脂からなる、[1]または[2]のいずれかに記載の二軸延伸ポリポリプロピレンフィルム。
[4]前記ポリプロピレン樹脂(B)が、シングルサイト触媒を用いて重合して得たポリプロピレン樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[5]前記ポリプロピレン樹脂(B)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法で測定した重量平均分子量(Mw)が3万以上15万以下である、 [1]〜[4]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[6]前記ポリプロピレン樹脂(B)が、プロピレンの単独重合体である、[1]〜[5]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[7]前記アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法で測定した重量平均分子量(Mw)が25万以上45万以下である、 [1]〜[6]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[8]前記アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率[mmmm]が、95%以上98.5%以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[9]二軸延伸ポリプロピレンフィルムの、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法による分子量の微分分布曲線において、対数分子量Log10(M)=4.5のときの微分分布値からLog10(M)=6のときの微分分布値を引いた差(Δdw)が14%以上22%以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[10]二軸延伸ポリプロピレンフィルムのJIS−C2330に準じて測定したヘーズ度が、1%以上5%以下である、[1]〜[9]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
本発明によれば、高い高温での絶縁破壊強度と、フィルム極薄化(コンデンサ素子の高電気容量化)のための延伸性や厚みの均一性を兼ね備えた、小型で大容量かつ高温での使用が可能な電子・電気機器用コンデンサを製造できる二軸延伸ポリオレフィンフィルムを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A))
アイソタクチックポリプロピレン樹脂は結晶性を有する樹脂であり、電気特性の点からコンデンサの誘電体フィルムへの使用に適している。アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)はプロピレンの単独重合体である。アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)を製造する際の重合方法としては、公知の重合方法を採用できる。該重合方法としては、例えば、気相重合法、塊状重合法、スラリー重合法が挙げられる。重合触媒としては、特に制限はなく、チタン、マグネシウム、ハロゲンを含む固体状チタン触媒等を使用できる。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、5以上10以下のものである。分子量分布(Mw/Mn)は6以上10以下がより好ましく、8以上9.5以下がさらに好ましい。分子量分布(Mw/Mn)の値が上記範囲にあるアイソタクチックポリプロピレン樹脂は、延伸性を良化させ易く、また二軸延伸ポリプロピレンフィルムの絶縁破壊強度を向上させ易い。
分子量分布(Mw/Mn)が10を超えた場合は、高温での絶縁破壊強度の低下を招き易く好ましくない。その理由は必ずしも定かではないが、このように分子量分布を非常に広くした際に、おそらく、例えば分子量3000以下といったような低分子量で結晶性が低い成分もが多く生成されてしまい、それが高温時においてフィルム内で移動する等して絶縁欠陥の要因となるものと推定される。
一方、分子量分布(Mw/Mn)が5未満である場合は、延伸性が劣って破断等が発生して安定的に生産できない場合や、延伸時の厚み均一性が劣ったフィルムとなる傾向が有り好ましくない。
GPC法に使用されるGPC装置には特に制限はなく、ポリオレフィン類の分子量分析が可能な一般に市販されている高温型GPC装置、例えば、東ソー(株)社製、示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機、HLC−8121GPC−HT等が利用できる。
具体的には、GPCカラムとして東ソー(株)社製、TSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結させたものが用いられ、カラム温度は140℃に設定され、溶離液にはトリクロロベンゼンが用いられ、流速1.0ml/分にて測定される。検量線の作製には東ソー(株)社製の標準ポリスチレンが用いられ、測定結果はポリプロピレン値に換算される。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)は、GPC法により得られる重量平均分子量(Mw)が25万以上50万以下であることが好ましく、35万以上45万以下がより好ましい。重量平均分子量が50万以下であると樹脂流動性が優れ、非常に薄い二軸延伸ポリオレフィンフィルムを製造する際の延伸性に優れる。重量平均分子量が25万以上であると、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みの均一性、力学特性、熱−機械的特性等の点で優れる。
前述の値に分子量分布(Mw/Mn)や重量平均分子量(Mw)を制御する方法としては、重合の際の、重合温度、重合時間、重合触媒の種類および量を適宜調整すればよい。
また分子量分布(Mw/Mn)を制御するため、過酸化処理によってアイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の分子量分布を調整してもよい。
ポリプロピレンのような崩壊型ポリマーに過酸化水素や有機(過)酸化物などの分解剤を添加すると、ポリマーからの水素引抜き反応が起こり、生じたポリマーラジカルは一部再結合し架橋反応も起こすが、殆どのラジカルは二次分解(β開裂)を起こし、より分子量の小さな二つのポリマーに分かれることが知られている。したがって、高分子量成分から高い確率で分解が進行し、それにより低分子量成分が増大し、分子量分布を制御できる。
過酸化処理の方法としては、例えば、重合して得たポリプロピレン樹脂の重合粉あるいはペレットに対して、有機(過)酸化物(例えば1,3−ビス−(ターシャリー−ブチルパーオキサイドイソプロピル)−ベンゼンなど。)を0.001〜0.5質量%程度の範囲内で、目標とする分子量分布を考慮しながら添加し、溶融混練機にて例えば180〜300℃程度の温度で溶融混練する方法等が例示できる。
また前述の分子量分布(Mw/Mn)や重量平均分子量(Mw)の範囲を満たすよう、少なくとも2種類以上のアイソタクチックポリプロピレン樹脂を、ドライブレンドあるいは溶融混錬して使用しても良い。
ドライブレンドに使用するミキサーや、溶融混錬に使用する混練機には特に制限はなく、混練機としては、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、多軸スクリュータイプのものを適宜使用できる。また、2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のどちらの混練タイプでもよい。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)は、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率[mmmm]が、95%以上98.5%以下であることが好ましく、96%以上98%以下であることがより好ましい。
メソペンタッド分率[mmmm]が95%以上であると、高い立体規則性成分により樹脂の結晶性が向上し、高い高温での絶縁破壊強度が得易くなる。一方、メソペンタッド分率[mmmm]を98.5%以下とすることで、後述のキャストシート製造工程におけるキャストシートの固化(結晶化)の速さを適度な速さとし、キャストシート成形用の金属ドラム(冷却成型ロール)からの剥離性を向上させ、延伸性を良化させ易くなる。
メソペンタッド分率[mmmm]の測定に使用される高温NMR装置には、特に制限はなく、ポリオレフィン類の立体規則性の測定が可能な一般に市販されている高温核磁気共鳴(NMR)装置、例えば、日本電子(株)社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)、JNM−ECP500等が利用可能である。
観測核は13C(125MHz)であり、測定温度は135℃、溶媒にはオルト−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1(V/V)))が用いられる。高温NMRによる方法は、公知の方法、例えば「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、610頁」に記載の方法などにより行える。
測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は9.1μ秒(45°パルス)、パルス間隔5.5秒、積算回数4500回、シフト基準はCH(mmmm)=21.7ppmとされる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrmなど)に由来する各シグナルの強度積分値より百分率で算出される。mmmmやmrrmなどに由来する各シグナルの帰属に関しては、例えば「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」などのスペクトルの記載が参照される。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の、DSC(示差走査型熱量計=Differential Scanning Calorimetry)法にて測定される融点は、158℃以上が好ましく、161℃以上がさらに好ましい。158℃以上とすることで高温での絶縁破壊強度が良好となる傾向が有り好ましい。上限は170℃以下が好ましく168℃以下がより好ましい。170℃以下とすることで、フィルムの延伸性や厚みの均一性を良化させ易くなる。
融点の測定に使用されるDSC装置には、特に制限はなく、ポリオレフィン類の融点の測定が可能な一般に市販されているDSC装置、例えば、Perkin Elmer,Inc.社製Diamond DSC等が利用可能である。
融点の測定条件は以下の通りである。まず、ポリプロピレン樹脂を約5mg量りとり、アルミニウム製のサンプルホルダーに封入し、DSC装置にセットする。窒素流下、30℃から280℃まで20℃/分の速度で昇温し、5分間保持する。その後20℃/分の速度で30℃まで降温し、5分間保持する。次いで、20℃/分で再度昇温して結晶の融解ピークを測定して、吸熱ピークのトップの温度を測定する。複数の吸熱ピークを示す場合は、最大の吸熱ピークのトップの温度を測定する。上記測定を3回繰り返し、3点の平均値を融点とした。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の、JIS−K7210(1999)に準じて、測定温度230℃、荷重21.18Nで測定した溶融流動指数(MFR)は、2g/10分以上、7g/10分以下であることが好ましく、3g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましい。この範囲内とすることで、フィルムの延伸性や厚みの均一性を良化させ易くなる。
(ポリプロピレン樹脂B)
ポリプロピレン樹脂Bは、前述のGPC法により得られる分子量分布(Mw/Mn)が3以下の、プロピレンの単独重合体またはプロピレンを主成分とする結晶性樹脂組成物である。プロピレンの単独重合体を使用すると絶縁破壊強度が高くなる傾向が有り好ましい。ポリプロピレン樹脂Bは1種類単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
分子量分布(Mw/Mn)の値は小さいほど分子量分布が狭いことを意味し、その下限としては理論上その値は1となるが、これは単一分子量の樹脂を意味し、工業的に得ることは現状困難であり、実用上は1.5以上である。
分子量分布(Mw/Mn)は、2.8以下、2.6以下、2.5以下、2.3以下、2.0以下、1.8以下とすることができるが、2.5以下とすると好ましい。分子量分布(Mw/Mn)を3以下とすることで、フィルムを高温で使用した際に絶縁欠陥の要因となると思われる、低分子量で結晶性が低い成分を殆ど生成されなくすることができると考えられる。
しかし、このようなMw/Mnが小さいポリプロピレン樹脂を単独で使用すれば、フィルムの延伸性が低下したり、また厚みの均一性が低下する傾向が有る。しかしながらこれを前述のアイソタクチックポリプロピレン樹脂Aと混合して使用することで、フィルムの延伸性や厚みの均一性が良好な状態で使用することが可能であることを、本発明者らは見出した。
ポリプロピレン樹脂(B)は、GPC法により得られる重量平均分子量(Mw)が、3万以上15万以下であることが好ましく、6万以上13万以下がより好ましい。重量平均分子量を3万以上とすることで、フィルムを高温で使用した際に絶縁欠陥の要因となると思われる、低分子量で結晶性が低い成分を殆ど生成されなくすることができると考えられる。また15万以下とすることで、フィルムの延伸性や厚みの均一性を良化させ易くなる。
狭い分子量分布のポリプロピレン樹脂を得る方法としては、あらかじめ重合して得たポリプロピレン樹脂の重合粉あるいはペレットに対して、有機(過)酸化物を添加して溶融混練する方法等もあるが、分子量分布(Mw/Mn)が3以下といった非常に分子量分布が狭いポリプロピレン樹脂(B)を得るには、シングルサイト触媒を用いて重合して得る方法が好ましく用いられる。
シングルサイト触媒とは、実質的に、均質な重合活性点によって構成された触媒を指称し、具体的には、メタロセン系遷移金属化合物(いわゆるカミンスキー触媒)、あるいは、非メタロセン系遷移金属化合物(ブルックハルト系触媒、フェノキシイミン系錯体等)と、助触媒(メチルアルミノキサンや硼素化合物等)から構成される重合触媒等が挙げられる。
好ましいシングルサイト触媒としては、メタロセン系遷移金属化合物を主成分とするメタロセン触媒を挙げることができる。メタロセン触媒として、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、あるいは、その置換体等の非架橋型メタロセン触媒を使用することもできる。また、特開WO2003/087172号公報11〜22頁に記載される触媒を、好適に用いることができる。
ポリプロピレン樹脂(B)は、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率[mmmm]は、20%以上、25%以上、27%以上、30%以上、32%以上、35%以上、37%以上、40%以上、42%以上、70%以下、65%以下、62%以下、60%以下、57%以下、55%以下、52%以下、50%以下、47%以下とすることができる。メソペンタッド分率[mmmm]は、30%以上60%以下とすることが好ましく、35%以上55%以下とすることがより好ましく、40%以上50%以下とすることがさらに好ましい。
メソペンタッド分率[mmmm]を30%以上とすることで、フィルムを高温で使用した際に絶縁欠陥の要因となると思われる、低分子量で結晶性が低い成分を殆ど生成されなくすることができると考えられる。また60%以下とすることで、フィルムの延伸性や厚みの均一性を良化させ易くなる。
ポリプロピレン樹脂(B)としては、出光興産(株)社より、「エルモーデュ(L−MODU)(登録商標)シリーズ」として販売されているものを好適に使用できる。具体的な商品名としては、「L−MODU S400」、「L−MODU S600」、「L−MODU S900」、「L−MODU S901」等が挙げられる。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の混合比率は、アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の混合比率が80%以上99.5%以下、ポリプロピレン樹脂(B)の混合比率が0.5%以上20%以下で混合されることが好ましい。より好ましい混合比率は、アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の混合比率が85%以上99%以下、ポリプロピレン樹脂(B)の混合比率が1%以上15%以下、さらに好ましい混合比率は、アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の混合比率が94%以上98%以下、ポリプロピレン樹脂(B)の混合比率が2%以上6%以下である。
上記混合比率とすることで、高温での絶縁破壊強度の向上とフィルムの延伸性や厚みの均一性の向上を両立し易い。
このアイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の混合物からなるフィルムの、GPC法による分子量の微分分布曲線における微分分布値は、GPC法において以下のように得られる。即ち、GPCの示差屈折(RI)検出計において検出される強度分布の時間曲線(一般には、溶出曲線と呼ぶ。)を、分子量既知の物質から得た検量線を用い、対数分子量(Log10(Mw))に対する分布曲線に変換する。ここでRI検出強度は、成分濃度と比例関係にあるので、次に、分布曲線の全面積を100%とした場合の対数分子量Log10(Mw)に対する積分分布曲線を得る。微分分布曲線は、この積分分布曲線をLog10(Mw)で微分することによって得る。このように、ここで言う微分分布とは、濃度分率の分子量に対する微分分布を意味する。この曲線から、特定のLog10(Mw)のときの微分分布値を読み取ることができる。
対数分子量とは、重量平均分子量(Mw)の対数(Log10(Mw))であり、低分子量成分の代表値としてLog10(Mw)=4.5における微分分布値を、高分子量成分の代表値として、Log10(Mw)=6のときの微分分布値を採用し、「対数分子量が4.5のときの微分分布値から対数分子量が6のときの微分分布値を引いた差(Δdw)とは、重量平均分子量(Mw)が104.5である成分(低分子量成分)の量が、重量平均分子量(Mw)が10である成分(高分子量成分)の量よりもどれだけ多いかの指標となる値である。差(Δdw)の値が「正」であることは、低分子量成分の量が高分子量成分の量よりも多いことを意味する。
GPC法による分子量の微分分布曲線において、対数分子量Log10(M)=4.5のときの微分分布値からLog10(M)=6のときの微分分布値を引いた差(Δdw)が14%以上21%以下であることが好ましく、16%以上19%以下であることがより好ましい。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の混合により分子量の分布を調整し、重量平均分子量(Mw)が104.5である成分(低分子量成分)の微分分布値から、重量平均分子量(Mw)が10である成分(高分子量成分)の微分分布値を引いた差(Δdw)を上記範囲とすると、フィルムの高温での絶縁破壊強度と、フィルムの延伸性や厚みの均一性とを両立し易い。
(その他の成分)
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、酸化防止剤を配合してもよい。酸化防止剤には、二軸延伸ポリプロピレンフィルム製造時の押出成形機内での熱・酸化劣化を抑制する目的で配合される1次剤としての役割と、コンデンサとして長期使用した際の経時的な劣化を抑制する目的で配合される2次剤としての役割とが少なくともある。
これら2つの役割に応じて、各々異なる種類の酸化防止剤を用いても構わないし、1種類の酸化防止剤に2つの役割を持たせてもよい。
異なる種類の酸化防止剤を用いる場合、押出成形機内での劣化抑制を目的とする1次剤としては、例えば2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−パラ−クレゾール(一般名称:BHT)をポリプロピレン樹脂組成物中に1000〜4000ppm程度添加することが好ましい。この目的で配合された酸化防止剤は、押出成形機内での成形工程でほとんどが消費され、二軸延伸ポリプロピレンフィルム中にはほとんど残存しない。そのため、一般的には残存量は100ppmより少なくなり、酸化防止剤によるフィルム特性への影響がほとんど無い点で好ましい。
2次剤としては、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤を1種類以上用いることが好ましい。これにより、二軸延伸ポリプロピレンフィルムに対して、コンデンサとして長期使用した際の経時的な劣化を抑制する効果を付与できる。
カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリー−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:イルガノックス245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス259)、ペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:イルガノックス1076)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:イルガノックス1098)などが挙げられるが、高分子量であり、ポリプロピレンとの相溶性に富み、低揮発性かつ耐熱性に優れたペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が最も好ましい。
カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、質量基準による二軸延伸ポリプロピレンフィルム中の存在量(残存量)として、4000〜6000ppmが好ましく、4500〜6000ppmがより好ましい。4000ppm未満の場合、コンデンサとして長期使用した際の経時的な劣化を抑制する効果が不充分となり易い傾向にある。一方、6000ppmを超えると、酸化防止剤自身が電荷のキャリア(ある種の不純物)となる場合があり、結果として高電圧下において電流を発生し、熱暴走または破裂等と呼ばれるコンデンサ素子の破壊現象が発生し易い等、逆に長期耐性を失う場合がある。
カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム製造時の押出成形機内において、少なくともその一部は消費される。そのため、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤の二軸延伸ポリプロピレンフィルム中の存在量を上記範囲とするためには、押出成形前の添加量を目的とする存在量よりも1000〜2000ppm程度多めとすることが好適である。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、必要に応じて、各種添加剤(塩素吸収剤や紫外線吸収剤等の安定剤、滑剤、可塑剤、難燃化剤、帯電防止剤など。)を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加できる。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム中に含まれる総灰分は、絶縁破壊強度を良化するために可能な限り少ないことが好ましく、50ppm以下が好ましく、40ppm以下がより好ましい。
[二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法]
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)と、ポリプロピレン樹脂(B)と、必要に応じて添加される酸化防止剤や各種添加剤とを混合し、ポリプロピレン樹脂組成物を調製する調製工程と、調製工程により得られたポリプロピレン樹脂組成物からキャストシートを製造するキャストシート製造工程と、得られたキャストシートを二軸延伸する延伸工程とを有する方法により製造できる。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの層構成は、1層構成でもよく、また2層以上の構成でもよいが、2層以上の構成の場合、各層がいずれも本発明に必要な要件を満たしている必要が有る。本発明に必要な要件を満たしていれば、各層毎に樹脂の種類や混合比率等が異なっていても、また同じであってもよい。
(調製工程)
調製工程は、ドライブレンドまたは溶融混錬により行えるが、工程が簡易であり製造コストが優位であるドライブレンドが好ましい。
ドライブレンドの際の混合装置としては、タンブラーやウイングミキサー等のバッチ式や、連続式の計量混合機が、いずれも好ましく使用できる。
溶融混錬の場合は、樹脂温度は200〜250℃が好ましい。250℃を超えると、アイソタクチックプロピレン樹脂が熱劣化して、フィルムの絶縁破壊強度が低下する可能性がある。溶融混練時の樹脂温度が200℃より低いと混錬が不十分となりフィルムの成分が不均一となり、延伸性や厚みの均一性が低下する場合もある。
混練機には特に制限はなく、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、多軸スクリュータイプのものを適宜使用できる。2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のどちらの混練タイプでも、樹脂劣化が大きくならないよう混錬条件を調整することで使用可能ではあるが、1軸スクリュータイプ、同方向回転の2軸スクリュータイプを用いると、樹脂が熱劣化し難く好ましい。
(キャストシート製造工程)
延伸前のキャストシート(原反シート)を成形するキャストシート製造工程は、上述の調製工程において調製された粉状またはペレット状等のポリプロピレン樹脂組成物を押出成形機に供給し、加熱溶融し、ろ過フィルタを通した後、Tダイから溶融押出する。
押出成形時の樹脂温度は210〜250℃が好ましい。250℃を超えると、アイソタクチックプロピレン樹脂が熱劣化して、フィルムコンデンサの絶縁破壊電圧が低下する可能性がある。溶融混練時の樹脂温度が210℃より低いと混錬が不十分となりフィルムの成分が不均一となり、延伸性や厚みの均一性が低下したりすることがある。
溶融押出に用いるTダイのリップ部の開度および温度を適宜調整することで、キャストシートの厚みや延伸後の厚みを微調整することが出来る。延伸後の厚みを連続的に測定し、その結果より、厚みがより均一になるよう、Tダイのリップ部の開度および温度を調節することは好適に行われる。
ついで、Tダイから溶融押出された樹脂層は、10〜140℃に保持された1つ以上の冷却成型ロールで冷却、固化され、これにより未延伸のキャストシートが得られる。冷却成型ロールの温度は、70〜110℃が好ましく、80〜105℃がより好ましく、90〜100℃がさらに好ましい。
2つ以上の冷却成型ロールを使用する場合、2段目(2つ目)の冷却成型ロールには、1段目の冷却成型ロールに接触した面とは反対側の面を接触させることが好ましく、2段目の冷却成型ロールの温度は、30〜90℃が好ましい。
冷却成型ロールの温度は、キャストシート内に生成されるβ晶の大きさや量に影響を与える。キャストシートのβ晶は、延伸時に加熱されることでα晶に結晶変態して、延伸フィルムの表面に主としてクレータ状の形状となる凹凸を形成することはよく知られている。
一般に冷却成型ロールの温度が低いと、この凹凸が少なくかつ/または小さくなり、フィルムの厚みが局所的に薄くなって絶縁欠陥の原因となることを抑制し易く、また一般に冷却成型ロールの温度が高いと、この凹凸が多くかつ/または大きくなり、フィルムの巻き取り、巻き戻しなどの加工時やコンデンサを製造する際の素子巻き加工時において、フィルム間に適度な空隙が生じ、フィルムのすべり、シワ、横ズレ等が起こりにくく加工適性が良化する傾向が有る。
一方で冷却成型ロールの温度は、キャストシートの厚みの均一性や延伸後フィルムの厚みの均一性にも影響を与え、温度が高すぎても低すぎても厚みの均一性が低下する場合がある。
そのため絶縁破壊強度、および厚みの均一性が良好となるよう、冷却成型ロールの温度を前述の温度範囲に制御することが好ましい。
前述の凹凸の量や大きさを制御するため、延伸後のフィルムの、JIS−K7136に準じたヘーズ度を測定することは好ましい。透明フィルムにおいては、ヘーズ度は表面における光の散乱に起因して変化しているので、フィルム表面の粗化状態を間接的に評価し得る。かつJIS−K7136に準じたヘーズ度に換算可能な測定を連続的に実施できる装置が市販されているため、好適な指標として用いることが出る。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムのへーズ度は、1%以上4%以下が好ましく。1.5%以上3.5%以下がより好ましい。
なおポリプロピレン樹脂(B)の添加量が多いほど、ヘーズ度が若干低下する傾向があるが、前述の混合量の範囲内であれば、冷却成型ロールの温度を若干高く調整することで上記ヘーズ度の範囲に調整可能である。
キャストシート製造工程において、製造されるキャストシートの厚みには特に制限はないが通常0.05〜2mmである。この厚みは、延伸後の厚みを連続的に測定し、その結果を目標の厚さにするために適宜調節されるのが好ましい。
(延伸工程)
延伸工程では、キャストシート製造工程で得られたキャストシートに二軸延伸処理を行う。二軸延伸方法としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれも採用可能である。
逐次二軸延伸方法の例としては、まず、キャストシートを好ましくは130〜155℃、より好ましくは135〜150℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向(縦方向、MD方向)に4〜8倍に縦延伸する(縦延伸工程)。引き続き、縦延伸された延伸フィルムをテンターに導いて、好ましくは155℃以上、より好ましくは160〜175℃の温度で、流れ方向と直交する方向(横方向、幅方向、TD方向)に8〜12倍に横延伸した後(横延伸工程)、横延伸の倍率を10%程度、緩和・熱固定する(緩和工程)。
同時二軸延伸方法の例としては、キャストシートをテンターに導いて、好ましくは155℃以上、より好ましくは160〜175℃の温度で、流れ方向に4〜12倍に縦延伸するとともに、流れ方向と直交する方向に4〜12倍に横延伸し(延伸工程)、縦延伸および横延伸の倍率を10%程度、緩和・熱固定する(緩和工程)。
各延伸工程での温度を上記範囲に適切に調整することにより、延伸性や厚みの均一性良く延伸することが可能である。また各延伸工程での温度が高いと前述のヘーズ度が上昇する傾向があるため、ヘーズ度を測定しながら各延伸工程での温度を適宜調節するのが好ましい。
緩和・熱固定されたフィルムは、必要に応じて後述のコロナ放電処理が施され、ワインダーで巻き取られる。巻き取られたフィルムは、20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施された後、所望の製品幅に断裁される。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの総延伸倍率が高くなると、フィルムコンデンサとした際の絶縁破壊強度が向上する傾向が有る。これは、高延伸倍率に延伸されたフィルムの分子鎖は延伸方向に強く配向することで、電圧が印加されても電流が流れ難くなることに起因すると推定される。
フィルムの、緩和後の縦方向の延伸倍率と、緩和後の横方向の延伸倍率の積である総延伸倍率は、好ましくは40倍以上、より好ましくは45倍以上であると、フィルムの絶縁破壊強度を向上させる効果が大きい。一方、総延伸倍率が高くなり過ぎると、延伸破断を引き起こして生産性が低下する可能性があるため、総延伸倍率は70倍以下であることが好ましい。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚さは、フィルムコンデンサの小型化の点、および安定した生産性の点から、1〜6μmが好ましく、1.5〜4μmがより好ましく、1.5〜3.5μmがさらに好ましく、1.8〜3μmが特に好ましい。
(コロナ放電処理工程)
延伸工程の後には、金属蒸着膜を設けるなどの後工程での接着特性を高める目的で、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの粗面化表面に対して、オンラインまたはオフラインにて、コロナ放電処理を行うことが好ましい。コロナ放電処理には公知の方法を採用できるが、雰囲気ガスとしては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、及びこれらの混合ガスを用いることが好ましい。
なお、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面にコロナ放電処理し、両面に金属蒸着膜を設けてもよい。
(フィルムコンデンサ作製例)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに金属蒸着膜を設ける方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられ、生産性や経済性などの点からは、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法としては、るつぼ法式、ワイヤー方式などの公知の方法から適宜選択すればよい。
金属蒸着膜を構成する金属としては、亜鉛、鉛、銀、クロム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの単体、複数種の混合物、合金などを使用でき、環境面、経済性、フィルムコンデンサ性能などの点からは、亜鉛、アルミニウムが好ましい。
金属蒸着膜のマージンパターンには特に制限はないが、フィルムコンデンサの保安性等の点からは、フィッシュネットパターン、Tマージンパターン等のいわゆる特殊マージンを含むパターンが好ましい。特殊マージンを含むパターンで金属蒸着膜を設けて得られた二軸延伸ポリポリプロピレンフィルムを用いると、フィルムコンデンサは保安性に優れ、フィルムコンデンサの破壊やショートを抑制できる。
マージンを形成する方法としては、蒸着時にテープによりマスキングをするテープ法、オイルの塗布によりマスキングをするオイル法等の公知の方法を採用できる。
金属蒸着膜を設けた本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、フィルムの長尺方向に沿って巻き付ける巻き付け加工を経て、フィルムコンデンサに加工される。フィルムコンデンサの構成としては、例えば、巻き付け加工により得られた巻回物(素子本体)の両端に、金属を溶射して外部電極を設け、さらに外部電極に対してリード線を溶接する方法等で製造される。
本発明の二軸延伸ポリオレフィンフィルムは、高温での絶縁破壊強度に優れ、また厚みの均一性が良いため静電容量等の素子性能のばらつきも少なく、また延伸性が良いため厚みを上述の薄い範囲とし易く、高い静電容量も発現し易い。そのため、小型で、かつ静電容量が5μF以上、好ましくは10μF以上、さらに好ましくは20μF以上の高容量のコンデンサに好適に使用できる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の部は「質量部」を示し、%は「質量%」を示す。
以下の各例では、アイソタクチックポリプロピレン樹脂として、以下の市販の樹脂(a)〜(d)を用いた。各樹脂(a)〜(d)はいずれも、酸化防止剤としてペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を5500ppm含有する。また、アイソタクチックポリプロピレン樹脂(d)は、1,3−ビス−(ターシャリー−ブチルパーオキサイドイソプロピル)−ベンゼンを用いて過酸化物処理が施されたものである。
・アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)
Mw:40万、Mw/Mn:8.9、[mmmm]値:97.8%、融点162℃、MFR4.1g/10分。
・アイソタクチックポリプロピレン樹脂(b)
Mw:35万、Mw/Mn:7.9、[mmmm]値:95.8%、融点163℃、MFR3.1g/10分。
・アイソタクチックポリプロピレン樹脂(c)
Mw:30万、Mw/Mn:4.3、[mmmm]値:93.7%、融点160℃、MFR2.9g/10分。
・アイソタクチックポリプロピレン樹脂(d)
Mw:33万、Mw/Mn:10.8、[mmmm]値:97.2%、融点162℃、MFR6.4g/10分。
〔実施例1〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)を96質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S901(Mw:12万、Mw/Mn:2、[mmmm]値:44.6%)4質量%を、連続式計量混合機にて混合し1軸混錬タイプの押出成形機に供給した。
押出成形機にて樹脂温度が230℃となるように加熱溶融し、フィルタを通した後、Tダイから溶融押し出しし、表面温度96℃の1段目の冷却成型ロールにエアナイフを用いて押し当てた。次いで、反対面を表面温度70℃の2段目の冷却成型ロールに押し当てて冷却固化しキャストシートを得た。なお随時測定した二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みが2.5μmとなるよう、キャストシートの厚みを適宜調整した。キャストシートの厚みは0.15mm前後であった。
引き続きこのキャストシートを146℃まで加熱し、速度差を設けたロール間に通して縦方向に5倍に延伸した。次いで、当該延伸フィルムをテンターに導いて165℃まで加熱し、横方向に10倍に延伸した後、9倍まで緩和し170℃で熱固定した。
次いで、この二軸延伸フィルムの1段目の冷却成型ロールに押し当てられた面側に、空気雰囲気下でコロナ放電処理を行い、ワインダーで巻き取った。巻き取られたロールは35℃の雰囲気下で24時間エージング処理を施し、厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムについて、各種測定および評価を行った結果を表1に示す。
〔実施例2〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)を88質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S901を12質量%とした以外は、実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔実施例3〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)を82質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S901を18質量%とした以外は、実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔実施例4〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)を99質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S600(Mw:7万、Mw/Mn:2、[mmmm]値:44.6%)を1質量%とした以外は、実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔実施例5〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(b)を88質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S901を12質量%とした以外は、実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔比較例1〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)を100質量%とし、ポリプロピレン樹脂(B)を用いなかった以外は実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔比較例2〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(b)を100質量%とし、ポリプロピレン樹脂(B)を用いなかった以外は実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔比較例3〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(c)を96質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S901を4質量%とした以外は、実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔比較例4〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(d)を100質量%とし、ポリプロピレン樹脂(B)を用いなかった以外は実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔比較例5〕
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(d)を96質量%、ポリプロピレン樹脂(B)として、出光興産(株)社製L−MODU(登録商標)S901を4質量%とした以外は、実施例1と同様にして厚みが2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
また、実施例1と同様の測定および評価を行った各結果を表1に示す。
〔各種測定方法および評価方法〕
上述の実施例および比較例における各種測定方法、評価方法を以下に示す。
(1)重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、差(Δdw)の測定
GPCを用い、以下の条件で測定を行った。
測定機:東ソー(株)社製、示差屈折計(RI)内蔵高温GPC、HLC−8121GPC−HT型
カラム:東ソー(株)社製、TSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結
カラム温度:140℃
溶離液:トリクロロベンゼン
流速:1.0ml/min
検量線の作製には、東ソー(株)社製の標準ポリスチレンを用い、測定結果はポリプロピレン値に換算した。
なお、差(Δdw)は次のような方法で得た。
まず、RI検出計において検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、検量線を用いて分子量(Log10(Mw))に対する分布曲線とした。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(Mw)に対する積分分布曲線を得た後、この積分分布曲線をLog10(Mw)で、微分することによって、Log10(Mw)に対する微分分布曲線を得た。
この微分分布曲線から、Log10(Mw)=4.5およびLog10(Mw)=6のときの微分分布値を読み取り、その差(Δdw)を求めた。
なお、微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、通常、GPC測定装置に内蔵の解析ソフトウェアを用いて行える。
(2)ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率[mmmm]の測定
ポリプロピレン樹脂を溶媒に溶解し、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)を用いて、以下の条件でメソペンタッド分率[mmmm]を求めた。
測定機:日本電子(株)社製、高温FT−NMR JNM−ECP500
観測核:13C(125MHz)
測定温度:135℃
溶媒:オルト−ジクロロベンゼン〔ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1(V/V))〕
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:9.1μsec(45°パルス)
パルス間隔:5.5sec
積算回数:4500回
シフト基準:CH(mmmm)=21.7ppm
5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrmなど)に由来する各シグナルの強度積分値より、百分率(%)で算出した。mmmmやmrrmなどに由来する各シグナルの帰属に関し、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」などのスペクトルの記載を参考とした。
(3)ポリプロピレン樹脂の融点の測定
Perkin Elmer,Inc.社製Diamond DSCを用いて、以下の条件で測定した。
まず、ポリプロピレン樹脂を約5mg量りとり、アルミニウム製のサンプルホルダーに封入し、DSC装置にセットする。窒素流下、30℃から280℃まで20℃/分の速度で昇温し、5分間保持する。その後20℃/分の速度で30℃まで降温し、5分間保持する。次いで、20℃/分で再度昇温して結晶の融解ピークを測定して、吸熱ピークのトップの温度を測定する。複数の吸熱ピークを示す場合は、最大の吸熱ピークのトップの温度を測定する。上記測定を3回繰り返し、3点の平均値を融点とした。
(4)ポリプロピレン樹脂の溶融流動指数(MFR)測定
JIS−K7210(1999)に準じて、(株)東洋精機製作所社製メルトインデクサーを用いて、測定温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(5)フィルムのヘーズ度の測定
日本電色工業(株)社製ヘーズメーターNDH−5000を用いて、JIS−K7136に準拠して測定した。
(6)フィルムの厚み測定
シチズンセイミツ(株)社製紙厚測定器MEI−11を用いて、JIS−C2330に準拠して測定した。
(7)フィルムの厚みの均一性の評価
(6)同様の方法でフィルムの幅方向について等間隔に10点測定する。この際、フィルム幅長の80%以上の長さの領域につき、等間隔に10点測定する。各々の測定値の最大、最小値からばらつき(最大値−最小値)を算出する。算出した値を次の基準で判定した。
◎:ばらつきがフィルム厚みの4%未満であり非常に良好。
○:ばらつきがフィルム厚みの4%以上6%未満であり良好。
△:ばらつきがフィルム厚みの6%以上8%未満であり、使用にやや問題が有る。
×:ばらつきがフィルム厚みの8%以上であり、使用に問題が有る。
(8)フィルムの延伸性の評価
二軸延伸時の状況に付き、次の基準で判定した。
○:フィルムに破れや延伸ムラが認められず、良好。
△:フィルムに破れは無いが、延伸ムラが認められ、製造上やや問題が有る。
×:フィルムに破れが生じ、製造上問題がある。
(9)フィルムの高温での絶縁破壊強度の評価
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性は、JIS−C2330 7.4.11.2(絶縁破壊電圧・平板電極法:B法)に準じ、絶縁破壊電圧値を直流(DC)にて測定することによって評価した。送風循環式恒温槽内にフィルム及び電極冶具をセットして、評価温度100℃にて測定を行った。昇圧速度は100V/sec、破壊の際の遮断電流は10mAとした。測定された平均電圧値をフィルムの厚みで割ったものを高温での絶縁破壊強度として評価に用いた。
高温での絶縁破壊強度は、420VDC/μm以上が実用上好適である。450VDC/μm以上であるとさらに好ましい。
Figure 0006052032
(考察)
アイソタクチックポリプロピレン樹脂(a)を使用し、ポリプロピレン樹脂(B)を4質量%含有する実施例1、および12質量%含有する実施例2の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、延伸性や厚みの均一性と、高温での絶縁破壊強度が共に非常に優れていた。
ポリプロピレン樹脂(B)を18質量%含有する実施例3、およびポリプロピレン樹脂(B)を1質量%含有する実施例4の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、延伸性や厚みの均一性と、高温での絶縁破壊強度が共に実施例1よりは劣るものの、優れていた。
一方、ポリプロピレン樹脂(B)を含有しない比較例1および比較例2ポリメチルペンテンを4質量%含有する比較例2の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、延伸性や厚みの均一性と、高温での絶縁破壊強度が共に劣るものだった。
分子量分布(Mw/Mn)が7.9であるアイソタクチックポリプロピレン樹脂(b)を使用した実施例5の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、延伸性や厚みの均一性と、高温での絶縁破壊強度が共に優れていたが、分子量分布(Mw/Mn)が4.3であるアイソタクチックポリプロピレン樹脂(c)を使用した比較例3の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、延伸性や厚みの均一性と、高温での絶縁破壊強度が共に劣るものだった。
ポリプロピレン樹脂(B)を使用せずに過酸化物処理により分子量分布を調整したアイソタクチックポリプロピレン樹脂(d)を使用した比較例4の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、延伸性や厚みの均一性は優れていたものの、高温での絶縁破壊強度が劣るものだった。
分子量分布(Mw/Mn)が10.8であるアイソタクチックポリプロピレン樹脂(d)にポリプロピレン樹脂(B)を4質量%含有する比較例5の二軸延伸ポリプロピレンフィルムも、延伸性や厚みの均一性は優れていたものの、高温での絶縁破壊強度が劣るものだった。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、高電圧、耐熱性が要求される自動車や電力用途などの小型かつ大容量型のコンデンサに好ましく利用できる。

Claims (10)

  1. 二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、
    前記フィルムは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、5以上10以下であるアイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)と、分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるポリプロピレン樹脂(B)とが混合された混合樹脂からな
    前記ポリプロピレン樹脂(B)の、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率[mmmm]が、30%以上60%以下であり、
    前記ポリプロピレン樹脂(B)が、プロピレンの単独重合体である、
    ことを特徴とする、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. 前記アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の混合比率が80質量%以上99.5質量%以下、前記ポリプロピレン樹脂(B)の混合比率が0.5質量%以上20質量%以下で混合された混合樹脂からなる、請求項1に記載の二軸延伸ポリポリプロピレンフィルム。
  3. 前記ポリプロピレン樹脂(B)が、シングルサイト触媒を用いて重合して得たポリプロピレン樹脂である、請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 前記ポリプロピレン樹脂(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法で測定した重量平均分子量(Mw)が3万以上15万以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 前記アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法で測定した重量平均分子量(Mw)が25万以上45万以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  6. 前記アイソタクチックポリプロピレン樹脂(A)の、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率[mmmm]が、95%以上98.5%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  7. 二軸延伸ポリプロピレンフィルムの、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法による分子量の微分分布曲線において、対数分子量Log10(M)=4.5のときの微分分布値からLog10(M)=6のときの微分分布値を引いた差(Δdw)が14%以上22%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  8. 二軸延伸ポリプロピレンフィルムのJIS−C2330に準じて測定したへーズ度が、1%以上5%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに金属蒸着膜が形成されている金属蒸着膜含有フィルム。
  10. 請求項9に記載の金属蒸着膜含有フィルムを含むフィルムコンデンサ。
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