JP6050227B2 - 多価糖ペプチド構築物およびその使用 - Google Patents

多価糖ペプチド構築物およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6050227B2
JP6050227B2 JP2013514400A JP2013514400A JP6050227B2 JP 6050227 B2 JP6050227 B2 JP 6050227B2 JP 2013514400 A JP2013514400 A JP 2013514400A JP 2013514400 A JP2013514400 A JP 2013514400A JP 6050227 B2 JP6050227 B2 JP 6050227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
item
cancer
carbohydrate
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013514400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013528229A (ja
JP2013528229A5 (ja
Inventor
サミュエル ジェイ. ダニシェフスキー,
サミュエル ジェイ. ダニシェフスキー,
ゴビンド ラグパティ,
ゴビンド ラグパティ,
フィリップ オー. リビングストン,
フィリップ オー. リビングストン,
ジャンロン ジュ,
ジャンロン ジュ,
カーシック イアー,
カーシック イアー,
グワンビン ヤン,
グワンビン ヤン,
Original Assignee
スローン − ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ
スローン − ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スローン − ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ, スローン − ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ filed Critical スローン − ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ
Publication of JP2013528229A publication Critical patent/JP2013528229A/ja
Publication of JP2013528229A5 publication Critical patent/JP2013528229A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6050227B2 publication Critical patent/JP6050227B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K17/00Carrier-bound or immobilised peptides; Preparation thereof
    • C07K17/02Peptides being immobilised on, or in, an organic carrier
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • A61K39/001169Tumor associated carbohydrates
    • A61K39/001171Gangliosides, e.g. GM2, GD2 or GD3
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/107General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides
    • C07K1/1072General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides by covalent attachment of residues or functional groups
    • C07K1/1075General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides by covalent attachment of residues or functional groups by covalent attachment of amino acids or peptide residues
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/60Medicinal preparations containing antigens or antibodies characteristics by the carrier linked to the antigen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/60Medicinal preparations containing antigens or antibodies characteristics by the carrier linked to the antigen
    • A61K2039/6031Proteins
    • A61K2039/6081Albumin; Keyhole limpet haemocyanin [KLH]

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年6月11日出願の米国特許仮出願第61/353,722号に対する優先権を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
政府支援
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号CA28824およびPO1CA052477のもとに米国政府支援を受けて行われた。米国政府は、本発明においてある種の権利を有する。
悪性の形質転換細胞が、多くの場合、正常かつ健常な細胞と腫瘍細胞を特徴的に区別するのに役立つ特徴として、異常なレベルおよび種類の表面グリコシル化を示すことが良く知られている。腫瘍細胞表面上のこの異常なグリコシル化パターンは、腫瘍免疫学者が癌治療処置用の炭水化物ベースの抗癌ワクチンを開発する潜在的な機会を提供する。免疫系への腫瘍関連炭水化物抗原を含有するワクチン構築物の適切な曝露は、相当する抗体の形成を刺激するであろう。これらの抗体は、次いで、それらの炭水化物エピトープを過剰発現する腫瘍細胞に選択的に結合し、かつそれらを根絶する助けとなるであろう。
このような目的で、合成化学者および癌免疫学者は、癌免疫療法に効果的な炭水化物ベースの抗癌ワクチンの開発を目指している。近年、この分野における重要な進歩が、他の人々(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8)、ならびに出願人(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)によって報告されている。
Ingale,S.、Wolfert,M.A.、Gaekwad,J.、Buskas,T.、Boons,G.−J.Nat.Chem.Biol.2007,3,663 Buskas,T.、Ingale,S.、Boons,G.−J.Angew.Chem.,Int.Ed.2005,44,5985 Kunz,H.、Dziadek,S.、Wittrock,S.、Becker,T.ACS Symposium Series 2008,989(Carbohydrate−Based Vaccines),293 Westerlind,U.、Hobel,A.、Gaidzik,N.、Schmitt,E.、Kunz,H.Angew.Chem.,Int.Ed.2008,47,7551 Wittrock,S.、Becker,T.、Kunz,H.Angew.Chem.,Int.Ed.2007,46,5226−5230 Dziadek,S.、Brocke,C.、Kunz,H.Chem.Eur.J.2004,10,4150 Hermans,I.F.、Silk,J.D.、Gileadi,U.、Salio,M.、Mathew,B.、Ritter,G.、Schmidt,R.、Harris,Adrian L.、Old,L.、Cerundolo,V.J.Immunol.2003,171,5140 Schmidt,R.R.、Castro−Palomino,J.C.、Retz,O.Pure Appl.Chem.1999,71、729 Danishefsky,S.J.、Bilodeau,M.T.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1996,35,1380 Danishefsky,S.J.、Allen,J.R.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.2000,39,836 Keding,S.J.、Danishefsky,S.J.Carbohydrate−Based Drug Discovery 2003,1,381 Warren,J.D.、Geng,X.、Danishefsky,S.J.Top.Curr.Chem.2007,267,109
上に記載され、かつ本明細書に記載の他の参考文献に記載されるように、いくつかの合成構築物が近年開発されているが、より持続的または効果的(かつ好ましくは選択的)な免疫応答を誘発することのできる新規の構築物を開発するためのさらなる研究の必要性が未だ存在する。明らかに、この目標を達成する目的で、免疫原性応答を誘導するための新しい組成物および方法、ならびに癌治療のために改善された方法および/または新規の方法を開発することは有用であろう。
実施例1に示される五価KLH構築物2で免疫されたマウスからのELISA力価データを示す。マウスは、Globo−Hセラミド、GM2セラミド、STn(OSM)、TF(dPSM)、およびTn(dOSM)を含む炭水化物抗原の全てに対応する抗体のかなりの力価を産生した。 Gb5糖アミノ酸の合成のための合成スキームを示す。 Gb5糖アミノ酸の合成のための合成スキームを示す。 Gb5−脂質化合物4−4の合成スキームを示す。 五価GloboH−Gb5−STn−TF−Tn化合物の合成のための合成スキームを示す。 五価GloboH−Gb5−STn−TF−Tn化合物の合成のための合成スキームを示す。 五価GloboH−Gb5−STn−TF−Tn化合物の合成のための合成スキームを示す。 五価GloboH−Gb5−STn−TF−Tn化合物G−1のH NMRスペクトルである。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
癌に罹患する対象における癌を治療する方法であって、前記対象に、治療的に有効な量の免疫原性複合糖質を投与することを含み、前記免疫原性複合糖質は、少なくとも5つのアミノ酸残基で構成されるペプチド骨格を有する多抗原性糖ペプチドを含み、前記アミノ酸のうちの5つ以上は、独立して、以下の構造を有し、


式中、
は、置換または非置換の脂肪族またはヘテロ脂肪族部分であり、
Aは、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基であり、
少なくとも1つのAの出現は、Gb5またはGM2である、
方法。
(項目2)
前記糖ペプチドは、5〜7つのAが出現する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記糖ペプチドは、7つのAが出現する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記糖ペプチドは、6つのAが出現する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記糖ペプチドは、5つのAが出現する、項目1に記載の方法。
(項目6)
それぞれのAの出現が異なる、項目5に記載の方法。
(項目7)
それぞれのL は、独立して、以下の構造を有するアミノ酸を提供する−CH (CH O−であり、


式中、それぞれのnは、独立して、1〜8である、項目1に記載の方法。
(項目8)
それぞれのnは、独立して、3〜5である、項目7に記載の方法。
(項目9)
それぞれのnは、独立して、3または5である、項目8に記載の方法。
(項目10)
は、−O−(CHMe)−または−O−CH −ではない、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記治療的に有効な量は、腫瘍成長を阻害するのに有効な量を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記治療的に有効な量は、前記炭水化物決定基のうちの少なくとも1つを認識する抗体を誘発するのに有効な量を含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記治療的に有効な量は、前記炭水化物抗原のそれぞれを認識する抗体を誘発するのに有効な量を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記治療的に有効な量は、1つ以上の固形腫瘍を治療するのに有効な量である、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記癌は、乳癌または前立腺癌である、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記癌は、卵巣癌である、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記癌は、腹膜癌である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記癌は、卵管癌である、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記癌は、上皮癌である、項目14に記載の方法。
(項目20)
前記対象は、臨床的寛解期にあるか、または前記対象が手術によって治療された場合、限定された切除不能な疾患を有する、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記糖ペプチドは、免疫原性担体タンパク質、ペプチド、または脂質に直接または間接的に結合される、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記免疫原性担体は、ウシ血清アルブミン、ポリリジン、キーホールリンペットヘモシアニン、またはトリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリンである、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記方法は、1つ以上の免疫学的アジュバントを同時投与することをさらに含む、項目1〜22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記1つ以上の免疫学的アジュバントのうちの少なくとも1つは、サポニンアジュバントである、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記アジュバントは、QS−21である、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記1つ以上の免疫学的アジュバントのうちの少なくとも1つは、細菌またはリポソームである、項目23に記載の方法。
(項目27)
前記アジュバントは、サルモネラ・ミネソタ細胞またはカルメット・ゲラン桿菌である、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記方法は、薬学的に好適な担体を同時投与することをさらに含む、項目1〜22のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記複合糖質は、以下の構造を有し、

式中、
それぞれのR は、独立して、天然もしくは非天然アミノ酸側鎖であり、
は、水素またはアミノ保護基であり、
は、免疫原性担体であり、
前記クロスリンカーは、前記リンカー上の反応部分を前記免疫原性担体上の反応部分と接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分であり、
前記リンカーは、共有結合、2〜約20個のヒドロキシアシル残基を含むオリゴエステルフラグメント、2〜約20個のアミノアシル残基を含むペプチドフラグメント、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアリールカルボン酸エステル、または任意で置換された二価C 1〜20 飽和もしくは不飽和の線状もしくは分岐した炭化水素鎖であり、前記鎖の1〜6つのメチレン単位は、独立して、−CR −、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO −、−SO N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO −、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、または−C(=N )−によって置換され、
それぞれのRは、独立して、水素または任意で置換されたC 1〜6 脂肪族基であり、
mは、5〜20であり、
pは、0〜100であり、
qは、0または1であり、
tは、前記免疫原性担体に付着した糖ペプチド基の数である、
項目1に記載の方法。
(項目30)
mは、5〜7である、項目29に記載の方法。
(項目31)
mは、5である、項目30に記載の方法。
(項目32)
pは、0である、項目29に記載の方法。
(項目33)
tは、50〜1200である、項目29に記載の方法。
(項目34)
tは、200〜800である、項目33に記載の方法。
(項目35)
tは、少なくとも300である、項目33に記載の方法。
(項目36)
tは、少なくとも400である、項目35に記載の方法。
(項目37)
tは、少なくとも500である、項目36に記載の方法。
(項目38)
tは、500〜800である、項目37に記載の方法。
(項目39)
それぞれのAの出現が異なる、項目29に記載の方法。
(項目40)
前記複合糖質は、以下の構造を有する、項目29に記載の方法。

(項目41)
mは、5である、項目40に記載の方法。
(項目42)
nは、3〜5である、項目40に記載の方法。
(項目43)
それぞれのAは、Globo−H、STN、Tn、TF、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基であり、それぞれのAの出現が異なる、項目40に記載の方法。
(項目44)
それぞれのAは、Globo−H、STN、Tn、TF、およびGb5からなる群から選択される炭水化物決定基であり、それぞれのAの出現が異なる、項目40に記載の方法。
(項目45)
前記クロスリンカーは、前記担体の表面アミンと前記リンカーのチオールを接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分である、項目29に記載の方法。
(項目46)
前記クロスリンカーは、以下の構造を有する部分であり、


それによって、前記構造が、マレイミド安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルとリンカーとの接合時に生成される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記リンカーは、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアリールカルボン酸エステル、または任意で置換された二価C 1〜10 飽和もしくは不飽和の線状もしくは分岐した炭化水素鎖であり、前記鎖の1〜6つのメチレン単位は、独立して、−S−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−O−、または−C(O)−によって置換される、項目45に記載の方法。
(項目48)
前記リンカーは、−NH(CH 2−5 NHC(O)CH S−である、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記リンカーは、−NH(CH NHC(O)CH S−である、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記複合糖質は、以下の構造を有し、

式中、tは、前記免疫原性担体に付着した糖ペプチド基の数である、項目1または40に記載の方法。
(項目51)
前記複合糖質は、以下の構造を有し、

式中、tは、前記免疫原性担体に付着した糖ペプチド基の数である、項目1または40に記載の方法。
(項目52)
対象における抗体を誘導する方法であって、前記抗体は、ヒト腫瘍細胞に特異的に結合することができ、前記方法は、前記対象に、免疫原性複合糖質を投与することを含み、前記免疫原性複合糖質は、少なくとも5つのアミノ酸残基で構成されるペプチド骨格を有する多抗原性糖ペプチドを含み、前記アミノ酸のうちの5つ以上は、独立して、以下の構造であり、


式中、
は、置換または非置換の脂肪族またはヘテロ脂肪族部分であり、
Aは、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基であり、
少なくとも1つのAの出現は、Gb5またはGM2である、
方法。
(項目53)
誘導された前記抗体は、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、およびGM2からなる群から選択される前記炭水化物決定基のうちの少なくとも1つを認識する、項目52に記載の方法。
(項目54)
生成された前記抗体は、前記糖ペプチド上に存在する前記炭水化物決定基のそれぞれを認識する、項目52に記載の方法。
(項目55)
(a)架橋の準備が整った免疫原性担体タンパク質を提供するために、免疫原性担体タンパク質を、架橋剤とともにインキュベートするステップと、
(b)チオール含有生体分子を、好適なジスルフィド還元試薬で処置するステップと、
(c)免疫原性担体タンパク質−生体分子接合体を提供するために、好適な条件下で、前記架橋の準備が整った免疫原性担体タンパク質を、前記チオール含有生体分子と合わせるステップと、
を含む、方法。
(項目56)
架橋の準備が整った免疫原性担体タンパク質との接合の前に、チオール含有生体分子を新たに調製するステップをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目57)
(a)チオール含有生体分子を、好適なジスルフィド還元試薬で処置するステップと、
(b)架橋の準備が整った生体分子を提供するために、前記チオール含有生体分子を、架橋剤とともにインキュベートするステップと、
(c)免疫原性担体タンパク質−生体分子接合体を提供するために、好適な条件下で、前記架橋の準備が整った生体分子を、免疫原性担体タンパク質と合わせるステップと、
を含む、方法。
(項目58)
好適なジスルフィド還元試薬での処置の前に、チオール含有生体分子を新たに調製するステップをさらに含む、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記生体分子は、糖ペプチドである、項目55または57に記載の方法。
(項目60)
ステップ(a)において、未反応の架橋剤を除去するステップをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目61)
接合ステップ(c)後に、未反応の生体分子を除去するステップをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目62)
前記免疫原性担体タンパク質は、KLHである、項目55に記載の方法。
(項目63)
前記チオール含有生体分子は、糖ペプチドである、項目55に記載の方法。
(項目64)
前記架橋剤は、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドである、項目55に記載の方法。
(項目65)
チオール含有生体分子を、好適なジスルフィド還元試薬で処置する前記ステップは、TCEPを含む、項目55に記載の方法。
(項目66)
1つの免疫原性担体タンパク質につき少なくとも200個の生体分子の接合効率を有する、項目55または57に記載の方法。

(項目67)
1つの免疫原性担体タンパク質につき、少なくとも400個の生体分子の接合効率を有する、項目66に記載の方法。
(項目68)
1つの免疫原性担体タンパク質につき、少なくとも500個の生体分子の接合効率を有する、項目67に記載の方法。
(項目69)
1つの免疫原性担体タンパク質につき、200〜800個の生体分子の接合効率を有する、項目66に記載の方法。
(項目70)
以下の構造を有する複合糖質であって、

式中、
それぞれのAは、独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基であり、
それぞれのL は、独立して、置換または非置換の脂肪族またはヘテロ脂肪族部分であり、
それぞれのR は、独立して、天然もしくは非天然アミノ酸側鎖であり、
は、水素またはアミノ保護基であり、
は、免疫原性担体であり、
前記クロスリンカーは、前記リンカー上の反応部分を前記免疫原性担体上の反応部分と接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分であり、
前記リンカーは、共有結合、2〜約20個のヒドロキシアシル残基を含むオリゴエステルフラグメント、2〜約20個のアミノアシル残基を含むペプチドフラグメント、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアリールカルボン酸エステル、または任意で置換された二価C 1〜20 飽和もしくは不飽和の線状または分岐した炭化水素鎖であり、前記鎖の1〜6つのメチレン単位は、独立して、−CR −、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO −、−SO N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO −、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、または−C(=N )−によって置換され、
それぞれのRは、独立して、水素、またはC 1〜6 脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環複素環、もしくは窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される任意で置換された基であり、
mは、5〜20であり、
pは、0〜20であり、
qは、0または1であり、
tは、前記免疫原性担体に付着した糖ペプチド基の数であり、200より大きい、
複合糖質。
(項目71)
少なくとも1つのAの出現は、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、またはGM2から選択される、項目70に記載の接合体。
(項目72)
それぞれのAの出現は、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、またはGM2から選択される、項目70に記載の接合体。
(項目73)
それぞれのAの出現が異なる、項目70に記載の接合体。
(項目74)
少なくとも1つのAの出現は、二糖類以上の炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目75)
それぞれのAの出現は、二糖類以上の炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目76)
少なくとも1つのAの出現は、三糖類以上の炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目77)
それぞれのAの出現は、三糖類以上の炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目78)
少なくとも1つのAの出現は、350ダルトンよりも大きい分子量を有する炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目79)
少なくとも1つのAの出現は、500ダルトンよりも大きい分子量を有する炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目80)
少なくとも1つのAの出現は、750ダルトンよりも大きい分子量を有する炭水化物を含む、項目70に記載の接合体。
(項目81)
少なくとも1つのAの出現は、Globo−H、Gb5、またはGM2である、項目70に記載の接合体。
(項目82)
tは、400より大きい、項目70に記載の接合体。
(項目83)
tは、500より大きい、項目82に記載の接合体。
(項目84)
tは、200〜1200である、項目70に記載の接合体。
(項目85)
以下の構造を有する糖ペプチドであって、

式中、
それぞれのAは、独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基であり、少なくとも1つのAの出現は、Gb5であり、
それぞれのL は、独立して、置換または非置換の脂肪族またはヘテロ脂肪族部分であり、
それぞれのR は、独立して、天然もしくは非天然アミノ酸側鎖であり、
は、水素またはアミノ保護基であり、
は、水素または免疫原性担体であり、
前記クロスリンカーは、前記リンカー上の反応部分を前記免疫原性担体上の反応部分と接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分であり、
前記リンカーは、共有結合、2〜約20個のヒドロキシアシル残基を含むオリゴエステルフラグメント、2〜約20個のアミノアシル残基を含むペプチドフラグメント、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアリールカルボン酸エステル、または任意で置換された二価C 1〜20 飽和もしくは不飽和の線状または分岐した炭化水素鎖であり、前記鎖の1〜6つのメチレン単位は、独立して、−CR −、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO −、−SO N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO −、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、または−C(=N )−によって置換され、
それぞれのRは、独立して、水素、またはC 1〜6 脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環複素環、もしくは窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される任意で置換された基であり、
mは、5〜20であり、
pは、0〜20であり、
qは、0または1である、
糖ペプチド。
(項目86)
mは、5〜7である、項目85に記載の糖ペプチドまたは複合糖質。
(項目87)
pは、0である、項目85に記載の糖ペプチドまたは複合糖質。
(項目88)
それぞれのAは、Gb5、Globo−H、STN、Tn、およびTFからなる群から選択される炭水化物決定基である、項目85に記載の糖ペプチドまたは複合糖質。
(項目89)
それぞれのAの出現が異なる、項目88に記載の糖ペプチドまたは複合糖質。
(項目90)
以下の構造を有し、

式中、tは、KLHに付着した糖ペプチド基の数である、項目88に記載の複合糖質。
(項目91)
項目70〜90のいずれか一項に記載の糖ペプチドまたは複合糖質を含む薬学的組成物であって、薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
定義
本開示のある特定の化合物、および特定の官能基の定義が、以下により詳細に記載される。本開示の目的のために、化学元素は、CASバージョンの元素周期表、化学および物理学のハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics;第75版、内表紙)に従って同定され、特定の官能基は、概して、それらの中で記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般的な原理、ならびに特定の官能基および反応性は、「Organic Chemistry」(Thomas Sorrell、University Science Books,Sausalito:1999)に記載されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用されるとき、別途示されない限り、以下の定義が適用されるものとする。
本明細書で使用される「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和もしくは1つ以上の単位の不飽和を含有する、直鎖(すなわち、非分岐)もしくは分岐した、置換もしくは非置換の炭化水素鎖、または完全に飽和もしくは1つ以上の単位の不飽和を含有するが、芳香族ではなく(本明細書において、「炭素環」、「シクロ脂肪族」、または「シクロアルキル」とも称される)、残りの分子への付着の単一点を有する単環式炭化水素もしくは二環式炭化水素を意味する。別途特定されない限り、脂肪族基は、1〜12個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の脂肪族炭素原子を含有し、さらなる他の実施形態では、脂肪族基は、1〜2個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、「シクロ脂肪族」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、完全に飽和または1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく、残りの分子への付着の単一点を有する、単環式C〜C炭化水素を指す。好適な脂肪族基は、線状もしくは分岐した、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基、および(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニル等のそれらの混成体を含むが、それらに限定されない。
「低級アルキル」という用語は、C1〜4線状または分岐したアルキル基を指す。例示的な低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルである。
「低級ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲン原子と置換されるC1〜4線状または分岐したアルキル基を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄、窒素、リン、またはシリコン(窒素、硫黄、リン、もしくはシリコンの任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または複素環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおいて見られるような)、NH(ピロリジニルにおいて見られるような)、もしくはNR(N−置換ピロリジニルにおいて見られるような)を含む)のうちの1つ以上を意味する。
本明細書で使用される「不飽和」という用語は、1つ以上の不飽和単位を有する部分を意味する。
本明細書で使用される「二価飽和または不飽和の、線状または分岐した炭化水素鎖」という用語は、本明細書に定義される、線状または分岐した二価アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレン鎖を指す。
「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を指す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、−(CH−であり、式中、nは、正の整数、好ましくは、1〜6、1〜4、1〜3、1〜2、または2〜3である。置換アルキレン鎖は、1つ以上のメチレン水素原子が置換基で置換されるポリメチレン基である。好適な置換基は、置換脂肪族基について以下に記載されるものを含む。
「アルケニレン」という用語は、二価アルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、1つ以上の水素原子が置換基で置換される、少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基である。好適な置換基は、置換脂肪族基について以下に記載されるものを含む。
「アルキニレン」という用語は、二価アルキニル基を指す。置換アルキニレン鎖は、1つ以上の水素原子が置換基で置換される、少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基である。好適な置換基は、置換脂肪族基について以下に記載されるものを含む。
単独で、またはより大きな部分の一部として使用される「アシル」という用語は、カルボン酸からヒドロキシ基を除去することによって形成される基を指す。
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
「アラルキル」および「アリールアルキル」という用語は、同義に使用され、水素原子がアリール基で置換されたアルキル基を指す。そのような基は、限定なく、ベンジル、シンナミル、およびジヒドロシンナミルを含む。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようなより大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、合計5〜14個の環員を有する単環式または二環式環系を指し、系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、系中のそれぞれの環は、3〜7個の環員を含有する。「アリール」という用語を、「アリール環」という用語と同義で使用してもよい。
本開示のある特定の実施形態において、「アリール」は、1つ以上の置換基を担持し得るフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル等を含むが、それらに限定されない芳香族環系を指す。本明細書において使用されるとき、芳香族環がインダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチル等の1つ以上の非芳香族環に融合する基も、「アリール」という用語の範囲内に含まれる
「ヘテロアリール」、および単独で、またはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される「ヘテロアラ−」という用語は、5〜10個の環原子、好ましくは、5、6、または9個の環原子を有し、環式配列において共有される6、10、または14個のπ電子を有し、および炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基は、限定なく、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルを含む。本明細書で使用される「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」という用語は、ヘテロ芳香族環が1つ以上のアリール、シクロ脂肪族、またはヘテロシクリル環に融合し、ラジカルまたは付着点がヘテロ芳香族環上にある基も含む。非限定的な例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語を、それらの用語のうちのいずれかが任意で置換される環を含む、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と同義で使用してもよい。「ヘテロアラルキル」および「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール部分によって置換されるアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立して、任意で置換される。
本明細書で使用される「ヘテロ脂肪族」という用語は、1個もしくは2個の炭素原子が、独立して、酸素、硫黄、窒素、またはリンのうちの1つ以上によって置換される脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換、分岐または非分岐、環式または非環式であってもよく、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロ脂肪族」、または「複素環」基を含む。
本明細書で使用される「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」、および「ヘテロシクリル環」という用語は、同義に使用され、飽和または部分的に不飽和のいずれかであり、かつ上で定義されるように、炭素原子に加えて、1個以上、好ましくは、1〜4個のヘテロ原子を有する、安定した5〜7員単環式または7〜10員二環式複素環部分を指す。複素環の環原子に関して使用されるとき、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。例として、酸素、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和もしくは部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)、またはNR(N−置換ピロリジニルにおけるような)であり得る。
複素環を、安定した構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に付着させることができ、環原子のうちのいずれかを任意で置換することができる。そのような飽和もしくは部分的に不飽和の複素環ラジカルの例には、限定なく、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが含まれる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」、および「複素環ラジカル」という用語は、本明細書において同義に使用され、ヘテロシクリル環が、1つ以上のアリール、ヘテロアリール、またはインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、もしくはテトラヒドロキノリニル等のシクロ脂肪族環に融合し、ラジカルまたは付着点がヘテロシクリル環上にある基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されるアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部分は、独立して、任意で置換される。
本明細書で使用される「部分的に不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和」という用語は、本明細書に定義されるように、複数の不飽和部位を有する環を包含するよう意図されているが、アリールまたはヘテロアリール部分を含むようには意図されていない。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載される1つ以上の化合物の治療的に有効な量を含み、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加物)および/または希釈剤とともに製剤化される「薬学的に許容される」組成物を提供する。詳細に説明されるように、本開示の薬学的組成物を、固体または液体形態での投与用に特別に製剤化することができ、以下に適したものを含む:例えば、水薬(水溶液もしくは非水溶液または懸濁液)、例えば口腔、舌下、および体内吸収を目的とした錠剤、大丸薬、粉末、顆粒、舌への適用のためのペーストなどの経口投与;例えば滅菌溶液もしくは懸濁液、または持続放出性製剤としての、例えば皮下、筋肉内、静脈内、または硬膜外注入による非経口投与;例えば、クリーム、軟膏、または皮膚、肺もしくは口腔に適用される制御放出性パッチもしくはスプレーなどとしての局所適用;例えばペッサリー、クリームまたは泡などとしての、膣内または直腸内投与;舌下投与;眼内投与;経皮投与;経鼻投与、肺および他の粘膜面への投与。
「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内であり、妥当な利益対危険比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を有しない、ヒトおよび動物の組織との接触における使用に好適な化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すために、本明細書において採用される。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という語句は、1つの器官または体の一部から別の器官または体の一部への主題の化合物の担持または輸送に関与する、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤もしくは物質をカプセル化する溶媒等の薬学的に許容される物質、組成物、またはビヒクルを意味する。それぞれの担体は、製剤の他の成分と適合性があり、かつ患者に有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として働くことができる物質のいくつかの例には、例えばラクトース、ブドウ糖、およびショ糖等の糖;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン等のデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース等のセルロースならびにその誘導体;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;滑石;ココアバターおよび坐薬ワックス等の賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;pH緩衝液;ポリエステル、ポリカーボネート、および/またはポリ無水物;ならびに薬学的製剤に採用される他の非毒性適合性物質が挙げられる。
別途示されない限り、本明細書に示される構造は、構造の全ての異性体(例えば、鏡像異性、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座的))形態、例えば、それぞれの立体中心のRおよびS立体配置、ZおよびE二重結合異性体、ならびにZおよびE立体配座的異性体も含むように意図されている。したがって、単一の立体化学的異性体、ならびに本化合物の鏡像異性、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座的)混合物は、本開示の範囲内である。別途示されない限り、本開示の化合物の全ての互変異性形態は、本開示の範囲内である。
提供される化合物は、1つ以上のサッカライド部分を含み得る。別途特定されない限り、D立体配置およびL立体配置の両方、ならびにそれらの混合物は、本開示の範囲内である。別途特定されない限り、αおよびβ結合した実施形態、およびそれらの混合物は、本開示によって企図される。
例えば、本開示の化合物の特定の鏡像異性体が所望される場合、それを、不斉合成、キラルクロマトグラフィー、またはキラル補助基での誘導によって調製することができ、結果として得られるジアステレオマー混合物が分離され、補助基が切断されて、純粋な所望の鏡像異性体を提供する。あるいは、分子が、アミノ等の塩基性官能基またはカルボキシル等の酸性官能基を含有する場合、ジアステレオマー塩は、適切な光学活性酸または塩基で形成され、その後に、当技術分野において周知の分別結晶またはクロマトグラフ手段によってそのように形成されるジアステレオマーの分解、次に、純粋な鏡像異性体の回収が続く。
さらに、別途示されない限り、本明細書に示される構造は、1つ以上の同位体濃縮原子の存在においてのみ異なる化合物も含むように意図されている。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換を含む、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。そのような化合物は、例えば、本開示に従って、分析手段として、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または治療薬として有用である。
当業者であれば、本明細書に記載の合成法が、様々な保護基を利用することを理解する。本明細書で使用される「保護基」という用語は、特定の官能基、例えば、O、S、もしくはNが、マスクまたはブロックされ、所望の場合、多官能性化合物中の別の反応部位で選択的に実行される反応を可能にすることを意味する。好ましい実施形態において、保護基は、予測される反応に対して安定した保護基質を得るために、高収率で選択的に反応し、保護基は、好ましくは、容易に利用可能な好ましくは他の官能基を攻撃しない非毒性試薬によって選択的に除去可能であり、保護基は、分離可能な誘導体を(より好ましくは、新しい立体中心の生成なしで)形成し、かつ保護基は、好ましくは、さらなる反応部位を回避するために、最低限のさらなる官能性を有する。本明細書に詳述されるように、酸素、硫黄、窒素、および炭素保護基を利用することができる。非限定的な例として、ヒドロキシル保護基は、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアヤコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタリミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネートアルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチラート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノアート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ナイトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、サルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、およびトシレート(Ts)を含む。
1,2−または1,3−ジオールを保護するために、保護基は、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環式カーボネート、環式ボロネート、エチルボロネート、およびフェニルボロネートを含む。
アミノ保護基は、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンズイソキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンアミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノ、N’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロムまたはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを含む。例示的な保護基が本明細書に詳述されているが、本開示は、これらの保護基に限定されるよう意図されておらず、むしろ、様々なさらなる同等の保護基を、上の基準を使用して容易に同定し、かつ本開示の方法において利用することができることが理解される。さらに、様々な保護基は、当技術分野において周知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999で詳細に記載されるものを含む。
本明細書に記載されるように、本開示の化合物は、「任意で置換された」部分を含有し得る。概して、「置換された」という用語は、「任意で」という用語が先行するか否かに関わらず、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されることを意味する。別途示されない限り、「任意で置換された」基は、基のそれぞれの置換可能な位置に好適な置換基を有してもよく、任意の所与の構造における2つ以上の位置を、特定の基から選択される2つ以上の置換基と置換することができる場合、置換基は、あらゆる位置で同一であるか、または異なるかのいずれかであってもよい。本開示によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定しているか、または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらす組み合わせである。本明細書で使用される「安定した」という用語は、それらの産生、検出、ならびにある特定の実施形態において、それらの回収、精製、および本明細書に開示の目的のうちの1つ以上のための使用を可能にするための条件に供されるとき、実質的に変化していない化合物を指す。
「任意で置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0〜4R°;−(CH0〜4OR°;−O(CH0〜4;−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°);−(CH0〜4SR°;R°と置換され得る−(CH0〜4Ph;R°と置換され得る−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°と置換され得る−CH=CHPh;R°と置換され得る−(CH0〜4O(CH0〜1−ピリジル;−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR−;SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°;−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1〜4線状もしくは分岐したアルキレン)O−N(R°);または−(C1〜4線状もしくは分岐したアルキレン)C(O)O−N(R°)であり、式中、それぞれのR°は、以下で定義されるように置換されてもよく、かつ独立して、水素、C1〜6脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、−CH−(5〜6員ヘテロアリール環)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環であるか、あるいは上の定義にかかわらず、2つの独立したR°の出現は、それらの介在原子(複数を含む)と一緒になって、以下で定義されるように置換され得る、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員飽和、部分的に不飽和、またはアリールの単環式もしくは二環式環を形成する。
R°上の好適な一価置換基(または2つの独立したR°の出現をそれらの介在原子と一緒にすることによって形成される環)は、独立して、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH0〜2OR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4線状もしくは分岐したアルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、式中、それぞれのRは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンのみと置換され、かつ独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「任意で置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、以下:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、または−S(C(R ))2〜3S−を含み、式中、それぞれの独立したRの出現は、水素、以下で定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環から選択される。「任意で置換された」基の置換可能な隣接炭素に結合される好適な二価置換基は、−O(CR 2〜3O−を含み、式中、それぞれの独立したRの出現は、水素、以下で定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOを含み、式中、それぞれのRは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンのみと置換され、かつ独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環である。
「任意で置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基は、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)を含み、式中、それぞれのRは、独立して、水素、以下で定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環であるか、あるいは上の定義にかかわらず、2つの独立したRの出現は、それらの介在原子(複数を含む)と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換3〜12員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの単環式もしくは二環式環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、式中、それぞれのRは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンのみと置換され、かつ独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環である。
化学結合として使用されるとき、
は、炭素中心で未定義の立体化学を有する単一の炭素−炭素結合を示すと理解されるものとする。したがって、
結合で炭素原子に付着した置換基は、置換基が紙の平面から外に出ている実施形態、置換基が紙の平面の後ろにある実施形態、およびそれらの組み合わせ(すなわち、立体化学的混合物)を指す。
本明細書で使用される「生体分子」という用語は、自然に発生するか、または人工的に生成される(例えば、合成もしくは組換え方法によって)かにかかわらず、化学化合物のクラスに属する分子(例えば、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド、炭水化物、糖、脂質、核タンパク質、糖ペプチド、糖タンパク質、リポタンパク質、ステロイド等)を指し、通常、細胞および組織中に見出される。生体分子の例示的な種類には、糖ペプチド、酵素、受容体、神経伝達物質、ホルモン、サイトカイン、成長因子および化学走化性因子等の細胞応答修飾因子、抗体、ワクチン、ハプテン、毒素、インターフェロン、リボザイム、アンチセンス剤、プラスミド、DNA、ならびにRNAが含まれるが、それらに限定されない。
「炭水化物」という用語は、糖または糖のポリマーを指す。「糖類」、「多糖類」、「炭水化物」、および「オリゴ糖」という用語を、同義に使用することができる。ほとんどの炭水化物は、多くのヒドロキシル基を有するアルデヒドまたはケトンであり、通常、分子のそれぞれの炭素原子の上に1つある。炭水化物は、概して、分子式C2nを有する。炭水化物は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖、または多糖類であり得る。ほとんどの塩基性炭水化物は、ブドウ糖、ショ糖、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、およびフルクトース等の単糖類である。二糖類は、2つの単糖類が結合したものである。例示的な二糖類には、ショ糖、マルトース、セロビオース、およびラクトースが含まれる。典型的には、オリゴ糖は、3〜6つの単糖類単位(例えば、ラフィノース、スタキオース)を含み、多糖類は、6つ以上の単糖類単位を含む。例示的な多糖類には、デンプン、グリコーゲン、およびセルロースが含まれる。炭水化物は、ヒドロキシル基が除去される2’−デオキシリボース、ヒドロキシル基がフッ素で置換される2’−フルオロリボース、またはブドウ糖の窒素含有形態(例えば、2’−フルオロリボース、デオキシリボース、およびヘキソース)であるN−アセチルグルコサミン等の修飾された単糖類単位を含有し得る。炭水化物は、多くの異なる形態、例えば、配座異性体、環式形態、非環式形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、および異性体において存在し得る。
本明細書で使用される「天然アミノ酸側鎖」という用語は、自然発生タンパク質:グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、システイン(Cys)、およびメチオニン(Met)において見出される一般的な自然発生L−アミノ酸のうちのいずれか1つの側鎖基を指す。
本明細書で使用される「非天然アミノ酸側鎖」という用語は、天然アミノ酸ではない全てのアミノ酸の側鎖基を指す。そのようなアミノ酸は、20個の自然発生アミノ酸のうちのいずれかのD−異性体を含む。非天然アミノ酸は、ホモセリン、オルニチン、ノルロイシン、およびチロキシンも含む。さらなる非天然アミノ酸は、当業者に周知であり、非天然脂肪族側鎖を含む。ある特定の実施形態では、非天然アミノ酸は、N−アルキル化、環化、リン酸化、アセチル化、アミド化、アジジル化、標識化等である。いくつかの実施形態において、非天然アミノ酸は、D−異性体である。いくつかの実施形態において、非天然アミノ酸は、L−異性体である。ある特定の実施形態では、非天然アミノ酸は、アルファアミノ酸である。他の実施形態では、非天然アミノ酸は、ベータアミノ酸である。
より一般に、本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、天然アミノ酸および非天然アミノ酸を包含する。
本明細書および特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途文脈が明確に示さない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「化合物(a compound)」への言及は、複数のそのような化合物を含む。
「化合物」、「接合体」、および「構築物」という用語は、本開示において同義に使用される。したがって、本明細書に記載される構築物または接合体は、化合物と見なされ、逆もまた同様である。
本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、通常、注入による、腸内および局所投与以外の投与様式を意味し、制限なく、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、および胸骨内注入(injection)ならびに点滴を含む。
本明細書で使用される「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」、および「末梢に投与される」という語句は、中枢神経系への直接投与以外の化合物、薬物、または他の物質の投与、例えば、皮下投与を意味し、その結果、それが患者の系に進入し、ひいては、代謝および他の同様のプロセスを受ける。
「苦痛緩和」という用語は、疾患の症状および/または治療レジメンの副作用の軽減に焦点が置かれているが、治療的ではない治療を指す。
本明細書で使用される「治療的に有効な量」という用語は、治療レジメンの一環として投与されるときに、所望の生物学的応答を誘発する物質(例えば、治療薬、組成物、および/または製剤)の量を意味する。いくつかの実施形態において、物質の治療的に有効な量は、疾患、障害、および/もしくは病気に罹患しているか、またはそれらにかかりやすい対象に投与されるとき、疾患、障害、および/もしくは病気を治療するのに十分な量である。当業者によって理解されるように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、標的細胞または組織等の要素に応じて変化し得る。例えば、疾患、障害、および/または病気を治療するのに効果的な製剤中の化合物の量は、疾患、障害、および/または病気の1つ以上の症状または特性を緩和し、改善し、軽減し、阻害し、予防し、その発現を遅延させ、その重症度を減少させ、および/またはその発生率を減少させる量である。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、単回用量で投与され、いくつかの実施形態において、複数の単位用量が、治療的に有効な量を送達するために必要とされる。
本明細書で使用される「治療する」、「治療」、もしくは「治療している」という用語は、疾患、障害、および/または病気の1つ以上の症状または特性を部分的もしくは完全に緩和し、改善し、軽減し、阻害し、予防し、その発現を遅延させ、その重症度を減少させ、および/またはその発生率を減少させるために使用される任意の方法を指す。治療を、疾患、障害、および/または病気の兆候を呈しない対象に施行することができる。いくつかの実施形態において、疾患、障害、および/または病気に関連した病態を発現する危険性を減少させるために、治療を、疾患、障害、および/または病気の初期兆候のみを呈する対象に施行することができる。
本明細書で使用される「単位用量」という表現は、治療される対象に適切な製剤の物理的に分離した単位を指す。しかしながら、本発明の製剤の1日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解される。任意の特定の対象または生物への特定の効果的な用量レベルは、治療される障害および障害の重症度;採用される特定の活性化合物の活性;採用される特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および食生活;採用される特定の活性化合物の投与時間および排出速度;治療期間;採用される特定の化合物(複数を含む)と組み合わせて、またはそれと同時に使用される薬物および/もしくは付加療法;ならびに医療分野において周知の同様の要素を含む様々な要素に依存し得る。特定の単位用量は、治療的に有効な量の治療薬を含有してもよく、または含有しなくてもよい。
疾患、障害、および/もしくは病気に「罹患している」個人は、疾患、障害、および/もしくは病気のそれらの1つ以上の症状と診断され、かつ/またはそれらを示す。
疾患、障害、および/または病気に「かかりやすい」個人は、疾患、障害、および/または病気と診断されていない。いくつかの実施形態において、疾患、障害、および/または病気にかかりやすい個人は、疾患、障害、および/または病気の症状を呈し得る。いくつかの実施形態において、疾患、障害、および/または病気にかかりやすい個人は、疾患、障害、および/または病気の症状を呈しない場合もある。いくつかの実施形態において、疾患、障害、および/または病気にかかりやすい個人は、疾患、障害、および/または病気を発現する。いくつかの実施形態において、疾患、障害、および/または病気にかかりやすい個人は、疾患、障害、および/または病気を発現しない。
ある特定の実施形態の詳細な説明
本発明は、癌の治療に有用であり、かつ/または複合糖質上に存在する全ての個々の炭水化物抗原に対して抗体を誘導するのに効果的である複合糖質ワクチンの必要性が未だ存在するという認識を包含する。
本発明は、とりわけ、複合糖質を生成するために糖ペプチドを担体に結合させる、新しい、および/または改善された技術を提供する。提供される技術は、予想外に大きな数の糖ペプチドを単一の担体に接合することを可能にする。いくつかの実施形態において、本発明に従って、300、350、400、350、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1000個より多い糖ペプチドを、特定の担体に接合することができる。
本発明は、とりわけ、本明細書に記載の糖ペプチドおよび/または複合糖質における使用のために、グリカンを提供および/またはカップリングする新規の技術も提供する。例えば、本発明は、GM2および/またはGb5グリカンの調製および/またはカップリングの技術を提供する。
本発明はさらに、GM2抗原を含むワクチン組成物が、対象の臨床的な展望を改善するというよりはむしろ悪化させ得るという従前の徴候にかかわらず、GM2を含むワクチン組成物が、発明の糖ペプチドおよび/または複合糖質との関連で、モデル系において有意な生物学的利益を示すことができるという驚くべき徴候を提供する。したがって、本発明は、GM2グリカンを含むワクチン組成物を投与することによって(例えば、糖ペプチドおよび/または複合糖質との関連で)、ある特定の癌に罹患しているか、またはそれにかかりやすい個人を治療する方法を提供する。
本発明は、様々な抗原、糖ペプチド、複合糖質、およびワクチン組成物、ならびにそれらの調製、同定、特徴付け、および/または使用に関連した種々の方法および試薬を提供する。
当業者であれば、本発明者が、炭水化物抗原、糖ペプチド、および/または複合糖質の調製、ならびにそれらの産生および使用に関する広範囲の経験を有することを理解する。本出願は、とりわけ、ある特定の炭水化物抗原を含有する組成物(例えば、糖ペプチド、複合糖質等)の調製、同定、特徴付け、および/または使用に関する方法ならびに試薬を説明する。いくつかの実施形態において、提供される物質および/または方法は、医学分野において有用である。いくつかの実施形態において、提供される物質および/または方法は、癌の治療において有用である。いくつかの実施形態において、提供される物質および/または方法は、固形腫瘍の治療において有用である。いくつかの実施形態において、提供される物質および/または方法は、上皮性起源の腫瘍の治療において有用である。いくつかの実施形態において、提供される物質および/または方法は、乳癌、卵巣癌、黒色腫、および前立腺癌の治療において有用である。
KLH担体タンパク質に接合された第1世代構築物において、5つの異なる前立腺癌および乳癌関連炭水化物抗原、Globo−H、Le、STn、TF、およびTnは、単一のペプチド骨格に組み込まれた(Keding,S.J.、Danishefsky,S.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2004,101,11937、Ragupathi,G.、Koide,F.、Livingston,P.O.、Cho,Y.S.、Atsushi,E.、Wan,Q.、Spassova,M.K.、Keding,S.J.、Allen,J.、Ouerfelli,O.、Wilson,R.M.、Danishefsky,S.J.J.Am.Chem.Soc.2006,128,2715)。その後、このKLH接合体を、好適なアジュバント(QS−21)と併用して、マウスにおいて評価し、その免疫原性を、対応するプールされた一価ワクチンのKLH接合体と比較した。実験結果は、このKLH接合体が、Leを除く炭水化物抗原の全てに対して抗体を誘導するのに最適であったことを示した。Le抗原で観察された期待外れの免疫原性は、それが比較的高いレベルで内因的に発現されるという事実に起因する可能性が高い。
蛍光活性化細胞選別(FACS)アッセイ分析は、この第1世代単分子五価ワクチンによって誘導された抗体が、それぞれ、対応する抗原のうちの2つ以上を高レベルで発現する3つの評価細胞株と著しく反応したことを示した。したがって、これらの累積データにより、個々の抗原の免疫学的特性が、これらの非常に精巧なワクチンにおいて保存されていることが示唆される。
Globo−H、GM2、STn、TF、およびTn炭水化物抗原(以下のスキーム1の4〜8を参照のこと)を提示するグリコシルアミノ酸のプールの組み立てを介する五価糖ペプチド構築物の合成は、以前に説明されている(Ragupathi,G.、Koide,F.、Livingston,P.O.、Cho,Y.S.、Atsushi,E.、Wan,Q.、Spassova,M.K.、Keding,S.J.、Allen,J.、Ouerfelli,O.、Wilson,R.M.、Danishefsky,S.J.J.Am.Chem.Soc.2006,128,2715)。この特定の構築物において、先に使用したペンタサッカライドLe抗原を、前立腺癌および乳癌関連テトラサッカライド抗原GM2で置換した。GM2誘導性抗体がヒトGM2陽性細胞に対して活性であることを示す報告に基づいて、GM2抗原が内包物として選択された。さらに、GM2のみを用いて行われたヒト臨床試験は、高められたGM2抗体レベルと生存との間の相関関係を示唆している(Livingston,P.O.、Natoli,E.J.、Calves,M.J.、Stockert,E.、Oettgen,H.F.、Old,L.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1987,84,2911、Livingston P.O.、Wong,G.Y.、Adluri,S.、Tao,Y.、Padavan,M.、Parente,R.、Hanlon,C.、Calves,M.J.、Helling,F.、Ritter,G.J.Clin.Oncol.1994,12,1036)。しかしながら、本開示より前には、この五価構築物の免疫原性は未知であった。
本出願は、とりわけ、医学分野において、例えば、卵巣癌、前立腺癌、および/または乳癌等の固形腫瘍の治療において有用な優れた第2世代単分子五価構築物の合成および使用を具体的に説明する。
GM2を含む癌ワクチンの臨床研究は、ある程度の成功を収めており、現在、腫瘍学の分野において、議論の的になっている話題である。黒色腫ワクチンのための大規模な第3相試験であるEORTC18961は、中間分析が治療の安全性および/または有効性に関する重大な問題を提起した後、早期に中断された(Eggermont,A.M.M.et al.,Annals of Oncology 20(Supplement 6):vi30−vi34,2009、Saul,H.,European Journal of Cancer,Issue 16,2008)。具体的には、分析は、治療を受けた患者の生存する可能性は、観察結果と比較して低いことを明らかにした。主要エンドポイントである無再発生存期間について、試験は、全く効果がないと見なされた(すなわち、観察群における事象の数は、ワクチン群と全く同一であった)。
別の黒色腫試験であるECOG1694は、高用量インターフェロン(HDI)をGM2ベースのワクチンと比較した。中間分析は、HDI治療がより良好に働き、かつワクチンが効果のないものと見なされたと判断した。その後の分析は、この結論が、値するよりも否定性が一層低く、かつワクチン治療が、実際には、観察結果よりも効果が低いことを示唆する(Saul、上記)。
任意の特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、本出願者は、GM2を含有する以前の癌ワクチンが、細胞表面補体の亜溶解レベルのそれらの活性化が原因で不成功であった可能性を提唱する。したがって、本発明は、いくつかの実施形態において、以前は未知であった問題の原因の同定を提供する。免疫学において、ある特定の閾値を上回る補体カスケードの活性化が、標的細胞の浸透圧溶解をもたらすことができることは周知である。しかしながら、補体の不完全な活性化または亜溶解活性化は、細胞保護的(すなわち、血管新生、増殖等の促進)であり得る。GM2が黒色腫細胞上で高度に発現されないため、上述の黒色腫研究において使用されたGM2ワクチンが、細胞表面補体をそのような亜溶解レベルで活性化した可能性もある。他の理論も提唱されている(Saul、上記)。
それにも関わらず、本明細書に記載の教示より前には、当業者は、GM2抗原を含有するワクチンが、特有の安全性および/または有効性の課題または他の欠陥を示し得ると理解していた。この背景に逆らって、本開示は、癌(例えば、乳癌、ならびに例えば黒色腫、前立腺癌、および卵巣癌等の他の癌)の治療において、本明細書に記載のGM−2を含有する組成物の有用性および有効性の驚くべき証拠を示す。
本出願者は、Globo−H、GM2、STn、TF、およびTn抗原を含む五価接合体が、5つの炭水化物抗原のそれぞれに対してIgGおよびIgM抗体を誘導することを見出した。さらに、産生された抗体は、これらの炭水化物抗原を発現する癌細胞株と反応することができた。
本発明は、別の炭水化物抗原であるGb5を、多抗原性免疫原性複合糖質を調製するために使用することができるという認識を包含する(Park,T.K.et al.,Tet.Lett.Vol.36,No.50,9089−9092,1995、国際特許出願公開第WO2010/005598号、米国特許出願公開第2009/0317411号)。いくつかの実施形態において、本発明は、炭水化物決定基としてGb5を含む糖ペプチドおよび/または複合糖質を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、以下の構造を有する糖ペプチドを提供し、
式中、
それぞれのAは、独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基であり、少なくとも1つのAの出現は、Gb5であり、
それぞれのLは、独立して、置換または非置換の脂肪族またはヘテロ脂肪族部分であり、
それぞれのRは、独立して、天然もしくは非天然アミノ酸側鎖であり、
は、水素またはアミノ保護基であり、
は、水素または免疫原性担体であり、
クロスリンカーは、リンカー上の反応部分を免疫原性担体上の反応部分と接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分であり、
リンカーは、共有結合、2〜約20個のヒドロキシアシル残基を含むオリゴエステルフラグメント、2〜約20個のアミノアシル残基を含むペプチドフラグメント、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアリールカルボン酸エステル、または任意で置換された二価C1〜20飽和もしくは不飽和の線状もしくは分岐した炭化水素鎖であり、鎖の1〜6つのメチレン単位は、独立して、−Cy−、−CR−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、または−C(=N)−によって置換され、
Cy−は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意で置換された5〜8員の二価、飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの環であるか、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する任意で置換された8〜10員の二価、飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの二環式環であり、
それぞれのRは、独立して、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環複素環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される任意で置換された基であり、
mは、3〜20であり、
pは、0〜100であり、
qは、0または1である。
当業者であれば、以下の部分:

は、pの括弧内の単位およびmの括弧内の単位の出現が、任意の組み合わせで、または角括弧内の順に生じ得るように、本明細書において式中で示されることを理解する。例えば、単位を、…p−m−p−m−p−m…、…p−p−m−p−m−m−p…、…m−m−m−p−p−p…等に配列することができる。
いくつかの実施形態において、mは、5〜20である。いくつかの実施形態において、mは、4〜10である。いくつかの実施形態において、mは、5〜7である。いくつかの実施形態において、mは、3である。いくつかの実施形態において、mは、4.いくつかの実施形態において、mは、5である。いくつかの実施形態において、mは、6である。いくつかの実施形態において、mは、7である。いくつかの実施形態において、mは、8である。いくつかの実施形態において、mは、9である。いくつかの実施形態において、mは、10である。いくつかの実施形態において、mは、11である。いくつかの実施形態において、mは、12である。いくつかの実施形態において、mは、13である。いくつかの実施形態において、mは、14である。いくつかの実施形態において、mは、15である。いくつかの実施形態において、mは、16である。いくつかの実施形態において、mは、17である。いくつかの実施形態において、mは、18である。いくつかの実施形態において、mは、19である。いくつかの実施形態において、mは、20である。
いくつかの実施形態において、pは、0である。いくつかの実施形態において、pは、1〜100である。いくつかの実施形態において、pは、1〜80である。いくつかの実施形態において、pは、1〜50である。いくつかの実施形態において、pは、1〜40である。いくつかの実施形態において、pは、1〜30である。いくつかの実施形態において、pは、1〜25である。いくつかの実施形態において、pは、0〜20である。いくつかの実施形態において、pは、0〜50である。いくつかの実施形態において、pは、1〜20である。いくつかの実施形態において、1つ以上のpの出現は、mの出現の間にある。
ある特定の実施形態では、qは、0である。ある特定の実施形態では、qは0であり、Rは水素であり、リンカーは共有結合である。他の実施形態では、qは、1である。
ある特定の実施形態では、1つのAの出現は、Gb5であり、Aの他の出現は、それぞれ独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、それぞれのAの出現は、Gb5である。いくつかの実施形態において、それぞれのAは、独立して、フコシルGM1、Le、Gb3、KH−1、N3、globo−H、グリコホリン、Tn、TF、STN、(2,3)ST、2,6−STn、Le、GM2、およびGb5からなる群から選択される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、それぞれのAは、独立して、Gb5、Globo−H、STN、Tn、およびTFからなる群から選択される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、それぞれのAの出現が異なる。
いくつかの実施形態において、それぞれのRは、独立して、天然アミノ酸側鎖である。いくつかの実施形態において、それぞれのRは、独立して、非天然アミノ酸側鎖である。
いくつかの実施形態において、Rは、−Acである。他の実施形態では、Rは、水素である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、免疫原性担体である。いくつかの実施形態において、Rは、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、カチオン化ウシ血清アルブミン、ポリリジン、OMPC、またはKLHから選択される免疫原性担体タンパク質である。いくつかの実施形態において、免疫原性担体タンパク質は、KLHである。ある特定の実施形態では、免疫原性担体は、以下の構造を有する脂質であり、

式中、m’、n’、およびp’は、それぞれ独立して、約8〜20の整数であり、Rは、水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐鎖低級アルキル、または置換もしくは非置換のフェニルである。ある特定の例示的な実施形態において、m’、n’、およびp’は、それぞれ、14であり、脂質は、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリン(例えば、PamCys)である。
いくつかの実施形態において、それぞれのLは、独立して、分岐脂肪族またはヘテロ脂肪族部分である。いくつかの実施形態において、Lは、天然または非天然アミノ酸側鎖を含む。いくつかの実施形態において、それぞれのLの出現は、独立して、以下の構造を有するアミノ酸を提供する−CH(CHO−であり、

式中、nは、1〜8である。いくつかの実施形態において、nは、1である。いくつかの実施形態において、nは、2である。いくつかの実施形態において、nは、3である。いくつかの実施形態において、nは、4である。いくつかの実施形態において、nは、5である。いくつかの実施形態において、nは、6である。いくつかの実施形態において、nは、7である。いくつかの実施形態において、nは、8である。
いくつかの実施形態において、Lは、−O−(CHMe)−または−O−CH−以外である。
ある特定の実施形態では、提供される糖ペプチドは、以下の構造を有する。
いくつかの実施形態において、提供される複合糖質は、以下の構造を有し、

式中、Rは、免疫原性担体であり、tは、免疫原性担体に付着した糖ペプチド基の数である。ある特定の実施形態では、tは、1である。いくつかの実施形態において、tは、200〜1200である。いくつかの実施形態において、tは、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、または少なくとも1100である。いくつかの実施形態において、免疫原性担体は、KLHである。
接合体を使用する方法
ある特定の実施形態では、本発明は、対象に、治療的に有効な量の免疫原性複合糖質を投与することを含む、癌に罹患する対象における癌を治療する方法を提供し、免疫原性複合糖質は、少なくとも3つのアミノ酸残基で構成されるペプチド骨格を有する多抗原性糖ペプチドを含み、該アミノ酸のうちの3つの以上は、独立して、以下の構造であり、

式中、
それぞれのLは、独立して、本明細書において上で定義され、かつクラスおよびサブクラスで説明される通りであり、
それぞれのAは、独立して、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基であり、
少なくとも1つのAの出現は、Gb5またはGM2である。
ある特定の実施形態では、糖ペプチドは、3つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、4つのAが出現する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象に、治療的に有効な量の免疫原性複合糖質を投与することを含む、癌に罹患する対象における癌を治療する方法を提供し、免疫原性複合糖質は、少なくとも5つのアミノ酸残基で構成されるペプチド骨格を有する多抗原性糖ペプチドを含み、前記アミノ酸のうちの5つ以上は、独立して、以下の構造であり、

式中、
それぞれのLは、独立して、本明細書において上で定義され、かつクラスおよびサブクラスで説明される通りであり、
それぞれのAは、独立して、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基であり、
式中、少なくとも1つのAの出現は、Gb5またはGM2である。
いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、5〜7つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、5つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、6つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、7つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、8つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、9つのAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、10個のAが出現する。いくつかの実施形態において、糖ペプチドは、10個を超えるAが出現する。
いくつかの実施形態において、それぞれのAの出現が異なる。他の実施形態では、それぞれのAの出現は、同一である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、GM2である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、Gb5である。ある特定の実施形態では、1つのAの出現は、Gb5であり、他のAの出現は、それぞれ独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基である。ある特定の実施形態では、1つのAの出現は、GM2であり、他のAの出現は、それぞれ独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、GM2であり、それぞれの残りのAは、独立して、フコシルGM1、GM2、Le、Gb3、KH−1、N3、globo−H、グリコホリン、Tn、TF、STN、(2,3)ST、2,6−STn、Le、およびGb5からなる群から選択される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、Gb5であり、それぞれの残りのAは、独立して、フコシルGM1、GM2、Le、Gb3、KH−1、N3、globo−H、グリコホリン、Tn、TF、STN、(2,3)ST、2,6−STn、Le、およびGb5からなる群から選択される炭水化物決定基である。
ある特定の実施形態では、5つのAが出現し、1つのAの出現は、Gb5であり、他のAの出現は、それぞれ独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基である。ある特定の実施形態では、5つのAが出現し、1つのAの出現は、GM2であり、他のAの出現は、それぞれ独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基である。
いくつかの実施形態において、それぞれのAは、独立して、フコシルGM1、GM2、Le、Gb3、KH−1、N3、globo−H、グリコホリン、Tn、TF、STN、(2,3)ST、2,6−STn、Le、およびGb5からなる群から選択される炭水化物決定基である。
いくつかの実施形態において、それぞれのAは、独立して、GM2、Gb5、Globo−H、STN、Tn、およびTFからなる群から選択される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、5つのAが出現し、それぞれのAは、独立して、Gb5、Globo−H、STN、Tn、およびTFからなる群から選択される炭水化物決定基である。いくつかの実施形態において、5つのAが出現し、それぞれのAは、独立して、GM2、Globo−H、STN、Tn、およびTFからなる群から選択される炭水化物決定基である。
いくつかの実施形態において、それぞれのLは、独立して、分岐脂肪族またはヘテロ脂肪族部分である。いくつかの実施形態において、Lは、天然または非天然アミノ酸側鎖を含む。いくつかの実施形態において、それぞれのLの出現は、独立して、以下の構造を有するアミノ酸を提供する−CH(CHO−であり、

式中、nは、1〜8である。いくつかの実施形態において、nは、1である。いくつかの実施形態において、nは、2である。いくつかの実施形態において、nは、3である。いくつかの実施形態において、nは、4である。いくつかの実施形態において、nは、5である。いくつかの実施形態において、nは、6である。いくつかの実施形態において、nは、7である。いくつかの実施形態において、nは、8である。
いくつかの実施形態において、Lは、−O−(CHMe)−または−O−CH−以外である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の免疫原性複合糖質の治療的に有効な量は、腫瘍成長を阻害するのに有効な量を含む。ある特定の実施形態では、治療的に有効な量は、IgMアイソタイプ抗体の相対量よりも高いIgGアイソタイプ抗体の相対量を誘導する免疫応答を誘導するのに有効な量を含む。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、炭水化物決定基のうちの少なくとも1つを認識する抗体を誘発するのに有効な量を含む。ある特定の実施形態では、治療的に有効な量は、炭水化物抗原のそれぞれに対する抗体を誘発するのに有効な量を含む。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、1つ以上の固形腫瘍を治療するのに有効な量である。
ある特定の実施形態では、免疫原性複合糖質は、免疫原性担体に共有結合される多抗原性糖ペプチドを含む。
いくつかの実施形態において、複合糖質は、以下の構造を有し、
式中、R、R、L、A、p、m、q、t、リンカー、およびクロスリンカーのそれぞれは、本明細書において上記、ならびにクラスおよびサブクラスで定義される通りであり、Rは、免疫原性担体である。
いくつかの実施形態において、mは、5〜20である。いくつかの実施形態において、mは、4〜10である。いくつかの実施形態において、mは、5〜7である。いくつかの実施形態において、mは、3である。いくつかの実施形態において、mは、4である。いくつかの実施形態において、mは、5である。いくつかの実施形態において、mは、6である。いくつかの実施形態において、mは、7である。いくつかの実施形態において、mは、8である。いくつかの実施形態において、mは、9である。いくつかの実施形態において、mは、10である。いくつかの実施形態において、mは、11である。いくつかの実施形態において、mは、12である。いくつかの実施形態において、mは、13である。いくつかの実施形態において、mは、14である。いくつかの実施形態において、mは、15である。いくつかの実施形態において、mは、16である。いくつかの実施形態において、mは、17である。いくつかの実施形態において、mは、18である。いくつかの実施形態において、mは、19である。いくつかの実施形態において、mは、20である。
いくつかの実施形態において、pは、0である。いくつかの実施形態において、pは、1〜20である。いくつかの実施形態において、1つ以上のpの出現は、mの出現の間にある。
ある特定の実施形態では、qは、0である。他の実施形態では、qは、1である。
ある特定の実施形態では、tは、1である。いくつかの実施形態において、tは、200〜1200である。いくつかの実施形態において、tは、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、または少なくとも1100である。いくつかの実施形態において、tは、50〜1200である。いくつかの実施形態において、tは、200〜800である。いくつかの実施形態において、tは、500〜800である。
ある特定の実施形態では、複合糖質は、以下の構造を有し、
式中、R、m、n、t、およびRのそれぞれは、本明細書において上で定義され、ならびにクラスおよびサブクラスで説明される通りである。
いくつかの実施形態において、mは、5であり、それぞれのnの出現は、3または5である。いくつかの実施形態において、mは、5であり、それぞれのnの出現は、3または5であり、それぞれのAは、Globo−H、STN、Tn、TF、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基であり、それぞれのAの出現が異なる。いくつかの実施形態において、mは、5であり、それぞれのnの出現は、3または5であり、それぞれのAは、Globo−H、STN、Tn、TF、およびGb5からなる群から選択される炭水化物決定基であり、それぞれのAの出現が異なる。
ある特定の実施形態では、複合糖質は、以下の構造を有し、
式中、tは、本明細書において上で定義され、ならびにクラスおよびサブクラスで説明される通りである。
ある特定の実施形態では、複合糖質は、以下の構造を有し、
式中、tは、本明細書において上で定義され、ならびにクラスおよびサブクラスで説明される通りである。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象における抗体を誘導する方法を提供し、抗体は、ヒト腫瘍細胞に特異的に結合することができ、本方法は、対象に、本明細書に記載の任意の免疫原性複合糖質を投与することを含み、免疫原性複合糖質は、本明細書に記載の任意の多抗原性糖ペプチドを含む。
いくつかの実施形態において、誘導された抗体は、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、およびGM2からなる群から選択される炭水化物決定基のうちの少なくとも1つを認識する。いくつかの実施形態において、抗体を誘導する方法は、IgMアイソタイプ抗体の相対量よりも高いIgGアイソタイプ抗体の相対量を誘導することを含む。ある特定の実施形態では、生成された抗体は、糖ペプチド上に存在する炭水化物決定基のそれぞれを認識する。
接合体
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)架橋の準備が整った免疫原性担体タンパク質を提供するために、免疫原性担体タンパク質を、架橋剤とともにインキュベートするステップ、
(b)チオール含有生体分子を、好適なジスルフィド還元試薬で処置するステップ、および
(c)免疫原性担体タンパク質−生体分子接合体を提供するために、好適な条件下で、架橋の準備が整った免疫原性担体タンパク質を、チオール含有生体分子と合わせるステップを含む方法を提供する。
ステップ(b)の代案として、および/またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、提供される方法は、架橋の準備が整った免疫原性担体タンパク質との接合の前に、チオール含有生体分子を新たに調製するステップを含む。ある特定の実施形態では、方法は、ステップ(a)において、未反応の架橋剤を除去するステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、接合ステップ(c)後に、未反応の生体分子を除去するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)チオール含有生体分子を、好適なジスルフィド還元試薬で処置するステップ、
(b)架橋の準備が整った生体分子を提供するために、チオール含有生体分子を、架橋剤とともにインキュベートするステップ、および
(c)免疫原性担体タンパク質−生体分子接合体を提供するために、好適な条件下で、架橋の準備が整った生体分子を、免疫原性担体タンパク質と合わせるステップを含む方法を提供する。
ステップ(b)の代案として、および/またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、提供される方法は、チオール含有生体分子を架橋剤とともにインキュベートする前に、チオール含有生体分子を新たに調製するステップを含む。ある特定の実施形態では、方法は、ステップ(b)において、未反応の架橋剤を除去するステップをさらに含む。
本明細書に記載の接合方法のある特定の実施形態では、免疫原性担体タンパク質は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、カチオン化ウシ血清アルブミン、ポリリジン、OMPC、またはKLHから選択される。いくつかの実施形態において、免疫原性担体タンパク質は、KLHである。
ある特定の実施形態では、チオール含有生体分子は、糖ペプチドである。いくつかの実施形態において、チオール含有生体分子は、本明細書に記載の任意の糖ペプチドである。
当業者は、提供される方法に従って使用することができる多数の好適な架橋試薬に精通している。そのような好適な架橋試薬は、Hermanson,G.T.(2008).Bioconjugate Techniques.2nd edition,Academic Press,New Yorkに記載されている。ある特定の実施形態では、架橋試薬は、ヘテロ二官能性試薬である。ある特定の実施形態では、架橋試薬は、ホモ二官能性試薬である。いくつかの実施形態において、二官能性架橋試薬は、ほんの数例を挙げると、以下から選択される:
i)マレイミド(ビスマレイミドエタン、1,4−ビスマレイミドブタン、ビスマレイミドヘキサン、トリス[2−マレイミドエチル]アミン、1,8−ビス−マレイミドジエチレングリコール、1,11−ビス−マレイミドジエチレングリコール、1,4−ビスマレイミジル−2,3−ジヒドロキシブタン、ジチオ−ビスマレイミドエタン)、
ii)ピリジルジチオール(1,4−ジ−[3’−(2’−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ブタン)、
iii)アリールアジド(ビス−[b−(4−アジドサリシルアミド)エチル]ジスルフィド)、
iv)NHSエステル/マレイミド(N−(a−マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル、N−[s−マレイミドプロピルオキシ]スクシンイミドエステル、N−[g−マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル、N−[g−マレイミドブチリルオキシ]スルホスクシンイミドエステル、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート、[N−e−マレイミドカプロイルオキシ]スクシンイミドエステル、[N−e−マレイミドカプロイルオキシ]スルホスクシンイミドエステルスクシンイミジル4−[p−マレイミドフェニル]ブチラート、スルホスクシンイミジル4−[p−マレイミドフェニル]ブチラート、スクシンイミジル−6−[s−マレイミドプロピオンアミド]ヘキサノエート、スクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシ−[6−アミドカプロエート]、N−[k−マレイミドウンデカノイルオキシ]スルホスクシンイミドエステル、スクシンイミジル−([N−マレイミドプロピオンアミド]−#エチレングリコール)エステル)、
v)NHSエステル/ピリジルジチオール(4−スクシンイミジルオキシカルボニル−メチル−a−[2−ピリジルジチオ]トルエン、4−スルホスクシンイミジル−6−メチル−a−(2−ピリジルジチオ)トルアミドヘキサノエート)、
vi)NHSエステル/ハロアセチル(N−スクシンイミジルヨードアセテート、スクシンイミジル3−[ブロモアセトアミド]プロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート、N−スルホスクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート)、
vii)ピリジルジチオール/アリールアジド(N−[4−(p−アジドサリシルアミド)ブチル]−3’−(2’−ピリジルジチオ)プロピオンアミド)、
viii)マレイミド/ヒドラジド(N−[s−マレイミドプロピオン酸]ヒドラジド、トリフルオロ酢酸塩、[N−e−マレイミドカプロン酸]ヒドラジド、トリフルオロ酢酸塩、4−(4−N−マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド塩酸塩、N−[k−マレイミドウンデカン酸]ヒドラジド)、
ix)ピリジルジチオール/ヒドラジド(3−(2−ピリジルジチオ)プロピオンylヒドラジド)、
x)イソシアネート/マレイミド(N−[p−マレイミドフェニル]イソシアネート)、および1,6−ヘキサン−ビス−ビニルスルホン。
任意の好適な還元剤を、提供される接合方法に従って使用することができる。いくつかの実施形態において、チオール含有生体分子を好適なジスルフィド還元試薬で処置するステップは、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)(TCEP)、2−メルカプトエチルアミン、システイン、2−メルカプトエタノール(BME)、またはジチオスレイトール(DTT)から選択されるジスルフィド還元剤を含む。いくつかの実施形態において、還元剤は、固定化試薬である。いくつかの実施形態において、還元剤は、TCEPゲルである。
ある特定の実施形態では、提供される接合方法は、1つの免疫原性担体タンパク質につき、少なくとも200個の生体分子の効率を有する。ある特定の実施形態では、提供される接合方法は、1つの免疫原性担体タンパク質につき、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、または少なくとも1100個の生体分子の効率を有する。ある特定の実施形態では、提供される接合方法は、1つの免疫原性担体タンパク質につき、約200〜約800個の生体分子の効率を有する。
ある特定の実施形態では、本発明は、生物接合体のエピトープ比の著しい増加を可能にする改善された生物接合プロトコルを提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、以下の構造を有する免疫原性接合体を提供し、
式中、R、R、R、L、A、p、m、q、リンカー、およびクロスリンカーのそれぞれは、本明細書において上で定義され、かつクラスおよびサブクラスで説明される通りであり、
それぞれのAは、独立して、腫瘍細胞上に見出される炭水化物決定基であり、
tは、免疫原性担体に付着した糖ペプチド基の数であり、200より大きい。ある特定の実施形態では、tは、300、400、500、600、700、800、900、または1000より大きい。
任意の特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、そのような接合体の高エピトープ比(すなわち、tの高い値)が、投与される接合体の高められた免疫原性と相関する可能性もある。さらに、血清中の抗体の効率的な産生は、対応する炭水化物抗原を発現する腫瘍細胞を根絶するのに役立ち得る。
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのAの出現は、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、またはGM2から選択される。ある特定の実施形態では、それぞれのAの出現は、Globo−H、STN、Tn、TF、Gb5、またはGM2から選択される。ある特定の実施形態では、それぞれのAの出現が異なる。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、二糖類以上の炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、それぞれのAの出現は、二糖類以上の炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、三糖類以上の炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、それぞれのAの出現は、三糖類以上の炭水化物を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのAの出現は、350ダルトンよりも大きい分子量を有する炭水化物を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのAの出現は、500ダルトンよりも大きい分子量を有する炭水化物を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのAの出現は、750ダルトンよりも大きい分子量を有する炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAの出現は、Globo−H、Gb5、またはGM2である。
ある特定の実施形態では、クロスリンカーは、上述の任意の二官能性架橋試薬に由来する。
リンカー
上述の方法、糖ペプチド、および複合糖質のある特定の実施形態では、リンカーは、共有結合である。いくつかの実施形態において、リンカーは、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアリールカルボン酸エステル、または任意で置換された二価C1〜10飽和もしくは不飽和の線状もしくは分岐した炭化水素鎖であり、鎖の1〜6つのメチレン単位は、独立して、−S−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−O−、または−C(O)−によって置換される。ある特定の実施形態では、リンカーは、−NH(CH2−5NHC(O)CHS−である。いくつかの実施形態において、リンカーは、−NH(CHNHC(O)CHS−である。
クロスリンカー
上述の方法、糖ペプチド、および複合糖質のある特定の実施形態では、クロスリンカーは、上述の二官能性架橋試薬に由来する部分である。いくつかの実施形態において、クロスリンカーは、担体の表面アミンとリンカーのチオールを接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分である。ある特定の実施形態では、クロスリンカーは、担体のヒドロキシル表面とリンカーのチオールを接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分である。いくつかの実施形態において、クロスリンカーは、担体のチオール表面とリンカーのチオールを接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分である。いくつかの実施形態において、クロスリンカーは、担体のカルボキシルの表面とリンカーのチオールを接合することができる二官能性架橋試薬に由来する部分である。いくつかの実施形態において、クロスリンカーは、以下の構造を有する部分であり、

それによって、該構造が、マレイミド安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルとリンカーとの接合時に生成される。
製剤
上述のように、本発明は、新規の治療薬、具体的には、完全合成癌ワクチンおよび/または治療薬の開発において有用な化合物ならびに合成方法論を提供する。概して、本明細書に開示されるように調製される化合物および糖ペプチドを、癌に罹患する対象における癌の治療および/または予防(好ましくは、再発の予防)に有用な複合糖質を生成するために、タンパク質担体または脂質に接合することができる。加えて、本明細書に開示のプロセスによって調製される複合糖質は、種々の腫瘍細胞と免疫反応する抗体を誘導することができるワクチンとして、アジュバント療法において有用である。そのようなアジュバント療法は、ある特定の癌の再発率を減少させ、手術後の生存率を増加させ得る。外科的癌治療が行われ、その後、免疫の前に抗体が不足している患者において見出される細胞表面分化抗原から調製されるワクチンで治療される患者における臨床試験において、無病期間の非常に著しい増加が観察され得る(P.O.Livingston,et al.,J.Clin.Oncol.,1994,12,1036)。
したがって、本発明は、任意で薬学的に許容される担体と組み合わせ、活性成分として、本明細書に開示の本発明の任意の化合物を含む、癌の治療および/または癌の再発を予防するための薬学的組成物を提供する。本発明の薬学的組成物は、他の治療的に活性な成分(例えば、化学療法薬および/または苦痛緩和剤)をさらに含み得る。例えば、苦痛緩和治療は、鎮痛剤、制吐薬、および抗吐き気薬を包含する。加えて、化学療法、放射線療法、および手術の全てを、苦痛緩和のために(すなわち、治療を試みることなく症状を軽減するためにであり、例えば、腫瘍を小さくし、ならびに圧力、出血、痛み、および癌の他の症状を軽減するために)使用することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の薬学的組成物または方法は、免疫学的アジュバント、または免疫学的アジュバントの組み合わせを含む。
ある特定の実施形態では、アジュバントは、サポニンアジュバントである(例えば、Marciani et al.,Vaccine,2000,18,3141、米国特許第6,080,725号および同第5,977,081号を参照されたく、それらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。サポニンアジュバントの一例には、選択された天然サポニンを修飾することによって得られる半合成アジュバントであるGPI−0100(Galenica Pharmaceuticals,Inc.,Frederick,MD)が挙げられるが、それらに限定されない。
キラヤ・サポナリア・モリナから単離されたサポニンは、2つのアシル部分、ノルモノテルペンカルボン酸およびノルモノテルペンカルボン酸グリコシドを含有し、それらは、C−28位に結合するフコシル残基に線状に結合される。これらの親油性アシル基が、これらのサポニンの毒性、および外来性抗原に対する細胞傷害性T細胞を刺激するそれらの能力に関与し得ることが仮定されている。フコシル残基とアシル基との間の結合は、不安定であり、弱酸性条件(pH≧6)下で加水分解するとともに、細胞媒介性免疫応答を刺激するサポニンの能力を失う。それらのサポニン前駆体とは異なり、GPI−0100アジュバントは、サポニンのグルクロン残基中に安定した非毒性親油性部分を含む。これらの半合成アジュバントを調製するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、GPI−0100アジュバントを、塩基性条件下で、(市販の)キラヤサポニンを加水分解することによって調製し、相当する脱アシル化産物を産出することができる。その後、脱アシル化中間体を、標準のカルボン酸部分活性化方法論を使用して、好適なアミン試薬と反応させて、所望の化合物を得ることができる。多種多様の手順は、サポニン化合物を抽出するのに効果的である。それらは、以下のように一般化される:(i)石油エーテル等の疎水性有機溶媒を用いた有機物の脱脂、(ii)好適なアルコール(例えば、メタノールもしくはエタノール)またはアルコール−水混合物での抽出、(iii)カルビノール溶媒の蒸発、および(iv)水と水で飽和したn−ブタノールとの間への乾燥アルコール抽出物の分配、続いて、好適な有機溶媒(例えば、ジエチルエーテル)を用いたn−ブタノール/水からの粗サポニンの沈殿。サポニン抽出物の精製は、複数の分離ステップを必要とし得る。例えば、予備分別を、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、液滴向流クロマトグラフィー(DCCC)、または遠心液体クロマトグラフィー(RLCC)等のより洗練されたクロマトグラフ技術と組み合わせて、従来のオープンカラムクロマトグラフィーまたはシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して実行することができる。これらの技術と分取TLCとの統合は、典型的には、分離および精製されたサポニンを産出する。
ある特定の実施形態では、アジュバントは、細菌もしくはリポソームであるか、または細菌もしくはリポソームを含む。ある特定の例示的な実施形態において、アジュバントは、サルモネラ・ミネソタ細胞、カルメット・ゲラン桿菌、GPI−0100、またはQS−21を含むが、それらに限定されない。
本発明の化合物を、薬学的に許容される担体と合わせて、薬学的組成物を形成することができる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的組成物を製剤化する際に使用される種々の担体、およびその調製についての既知の技術を開示する。ある特定の実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容される量の発明の化合物を含む。担体物質と合わせて、単一剤形を産生することができる活性成分の量は、治療する宿主および特定の投与様式に応じて変化する。担体物質と合わせて、単一剤形を産生することができる活性成分の量は、概して、治療効果をもたらす化合物の量である。概して、この量は、活性成分の約1%〜約99%、約5%〜約70%、または約10%〜約30%に及ぶ。
湿潤剤、乳化剤、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、防腐剤、および抗酸化剤も、本組成物中に存在し得る。
薬学的に許容される抗酸化剤の例には、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性抗酸化剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファトコフェロール等の油溶性抗酸化剤;およびクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤が挙げられる。
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、直腸、膣内、および/または非経口投与に好適なものを含む。本製剤を、単位剤形で提示することができ、かつ製薬学分野において周知の任意の方法で調製することができる。ある特定の実施形態では、本発明の製剤は、シクロデキストリン、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、および高分子担体、例えば、ポリエステルおよびポリ無水物からなる群から選択される賦形剤;ならびに本発明の化合物を含む。ある特定の実施形態では、前述の製剤は、本発明の化合物を経口的かつ生物学的に利用可能にする。
これらの製剤を調製する方法は、本発明の化合物を、担体および任意で1つ以上の副成分との会合に至らせるステップを含む。概して、本製剤は、本発明の化合物を、液体担体、もしくは微粉化された固体担体、またはそれらの両方との会合に均一かつ密接に至らせ、その後、必要に応じて産物を成形することによって調製される。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル、カシェー、丸薬、錠剤、薬用ドロップ(風味のある基礎原料、通常、ショ糖およびアカシアまたはトラガカントを使用)、粉末、顆粒の形態であり得るか、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水中油もしくは油中水液体エマルジョン、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤、またはトローチ剤(ゼラチンおよびグリセリン等の不活性基礎原料、またはショ糖およびアカシアを使用)および/またはうがい薬等として投与することができ、それぞれ、活性成分として本発明の化合物の所定量を含有する。本発明の化合物を、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与することもできる。
経口投与(カプセル、錠剤、錠剤、糖衣錠、粉末、顆粒等)のための本発明の固体剤形において、活性成分は、1つ以上の薬学的に許容される担体と混合され、その担体としては例えば、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム、および/または以下のうちのいずれかである:デンプン、ラクトース、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、および/もしくはケイ酸等の充填剤または増量剤;例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、および/またはアカシア等の結合剤;グリセロール等の保湿剤;寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤;パラフィン等の溶液緩染剤;第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤;例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、および非イオン界面活性剤等の湿潤剤;カオリンおよびベントナイト粘土等の吸収剤;滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物等の滑沢剤;ならびに着色剤。カプセル、錠剤、および錠剤の場合、薬学的組成物は、緩衝剤も含み得る。同様の種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等の担体を用いた軟質および硬質シェルゼラチンカプセル中の充填剤として、採用することもできる。
任意で1つ以上の副成分を伴って、錠剤を、圧縮または鋳造によって作製することができる。圧縮された錠剤を、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤、または分散剤を使用して調製することができる。粉末化合物の混合物を不活性液体希釈剤で湿らせる好適な機械の中で、鋳造された錠剤を作製することができる。
本発明の薬学的組成物の錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル、錠剤、および顆粒等の他の固体剤形を、任意でスコア化することができるか、または腸溶性コーティングおよび製剤処方の分野で周知の他のコーティング等のコーティングならびにシェルを用いて調製することができる。例えば、所望の放出特性を提供するための様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム、および/またはマイクロスフェアを使用して、それらを、その中で活性成分の持続放出または制御放出を提供するように製剤化することもできる。それらを、迅速な放出のために、例えば、凍結乾燥のために製剤化することができる。それらを、例えば、細菌保持フィルタを通す濾過によって、または使用直前に滅菌水もしくは他の注入可能な滅菌培地中に溶解することができる滅菌剤を滅菌固体組成物の形態で組み込むことによって滅菌することができる。これらの組成物は、乳白剤を任意で含有することもでき、かつそれらが、任意で、遅延性様式で、活性成分(複数を含む)を消化管のある特定の部分でのみ、またはその部分で優先的に放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。活性成分は、適切な場合、上述の賦形剤のうちの1つ以上を有するマイクロカプセル化形態であってもよい。
本発明の化合物の経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(具体的には、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物等の当技術分野において一般に使用される不活性希釈剤を含有し得る。
不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、ならびに防腐剤等のアジュバントを含むこともできる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天−寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物等の懸濁化剤を含有し得る。
直腸または膣内投与のための本発明の薬学的組成物の製剤を坐薬として提示することができ、それを、1つ以上の本発明の化合物を、室温では固体であるが、体温では液体になり、したがって、直腸または膣腔で融解して、活性化合物を放出する、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、もしくはサリチル酸塩を含む1つ以上の好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製することができる坐薬として提示することができる。
膣内投与に好適な本発明の製剤には、適切であるとして当技術分野において既知の担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、またはスプレー製剤も含まれる。
本発明の化合物の局所または経皮投与用の剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤が含まれる。活性化合物を、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、および必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝液、または推進剤と混合することができる。
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、滑石、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物等の賦形剤を含有し得る。
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有し得る。スプレーは、クロロフルオロ炭化水素ならびにブタンおよびプロパン等の揮発性非置換炭化水素等の通例の推進剤をさらに含有し得る。
経皮パッチは、身体への本発明の化合物の制御送達を提供する追加の利点を有する。適切な培地中に化合物を溶解または分散することによって、そのような剤形を作製することができる。吸収促進剤を使用して、皮膚の全域で化合物の流動を増加させることもできる。律速膜を提供するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に化合物を分散するかのいずれかによって、そのような流動の速度を制御することができる。
眼科製剤、眼軟膏剤、粉末、溶液等も、本発明の範囲内にあるとして企図される。
非経口投与に好適な本発明の薬学的組成物には、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液、もしくはエマルジョン、または使用直前に注入可能な滅菌溶液もしくは分散液に再構成することができる滅菌粉末と組み合わせた1つ以上の本発明の化合物が含まれ、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、製剤を目的とするレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含有し得る。
本発明の薬学的組成物において採用することができる好適な水性および非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油等の植物油、ならびにオレイン酸エチル等の注入可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性を、例えば、レシチン等のコーティング物質の使用によって、分散液の場合には要求される粒径の維持によって、かつ界面活性剤の使用によって維持することができる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤等のアジュバントも含有し得る。主題の化合物上での微生物の作用の阻止を、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の包含によって確実にすることができる。糖、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物に包含することも望ましくあり得る。加えて、注入可能な製剤の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の吸収を遅延させる作用物質の包含によってもたらされ得る。
ある場合には、薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注入からの薬物の吸収を減速することが望ましい。これを、難水溶性を有する結晶性または非晶質物質の液体懸濁液の使用によって達成することができる。その結果、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いで、結晶寸法および結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、油ビヒクル中で薬物を溶解または懸濁化することによって達成される。
注入可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中に主題の化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率および採用する特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注入可能なデポー製剤は、薬物を、体内組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に捕捉することによって調製される。
薬物溶出形態は、コーティングされたステントまたは薬用ステントおよび埋め込み型デバイスを含む。薬物溶出ステントおよび他のデバイスを、化合物または薬学的調製物でコーティングすることができ、持続放出するように設計されたポリマーをさらに含み得る。
ある特定の実施形態では、化合物または薬学的調製物は、経口投与される。他の実施形態では、化合物または薬学的調製物は、静脈内投与される。ある特定の実施形態では、化合物は、切断可能なリンカーを介して、カテーテルを用いて投与される固体支持体に取り付けられる。代替の投与経路は、舌下、筋肉内、および経皮投与を含む。
本発明の化合物が、薬剤としてヒトおよび動物に投与されるとき、それらを、それ自体で、または例えば、薬学的に許容される担体と組み合わせて、0.1%〜99.5%または0.5%〜90%の活性成分を含有する薬学的組成物として投与することができる。
本発明の調製物を、経口、非経口、局所、または直腸投与することができる。それらは、言うまでもなく、それぞれの投与経路に好適な形態で投与される。例えば、それらは、錠剤またはカプセル形態で、注入、吸入、点眼薬、軟膏、坐薬等によって、注入(injection)、点滴(infusion)、または吸入による投与によって、ローションまたは軟膏によって局所的に、かつ坐薬によって直腸的に投与される。
これらの化合物を、経口、経鼻(例えば、エアロゾル、スプレーによって等)、直腸、膣内、非経口、嚢内、ならびに口腔および舌下を含む局所(粉末、軟膏、または液滴によって等)を含む任意の好適な投与経路による治療のために、ヒトおよび他の動物に投与することができる。
選択される投与経路にかかわらず、好適な水和形態で使用することができる本発明の化合物、および/または本発明の薬学的組成物は、当業者に既知の従来の方法を用いて、薬学的に許容される剤形に製剤化される。
本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に害を及ぼすことなく、特定の患者の所望の治療応答を達成するのに効果的な量の活性成分、組成物、および投与様式を得ることができるように変化し得る。
選択される投与量レベルは、採用される特定の本発明の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、または採用される特定の化合物の投与経路、投与時間、排出もしくは代謝速度、または治療期間、または採用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、または年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態および治療される患者の以前の病歴、ならびに医療分野において周知の要素を含む様々な要素に依存する。
当業者を含む医師または獣医は、必要とされる薬学的組成物の有効量を容易に決定かつ処方することができる。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも低いレベルでの薬学的組成物中の採用される本発明の化合物の投与から開始し、その後、所望の効果が達成されるまで投与量を次第に増加させてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物または薬学的組成物は、長期にわたって対象に提供される。長期治療は、1ヶ月以上、1ヶ月〜1年、1年以上、またはそれ以上の期間の連続投与等の長期間の連続投与の任意の形態を含む。多くの実施形態において、長期治療は、本発明の化合物または薬学的組成物を対象の生涯にわたって繰り返し投与することを伴う。好ましい長期治療は、例えば、1日に1回以上、1週間に1回以上、または1ヶ月に1回以上の定期的な投与を伴う。概して、1日量等の本発明の化合物の好適な用量は、治療効果をもたらすのに効果的な最も低い用量である化合物の量である。そのような効果的な用量は、概して、上述の要素に依存する。概して、患者への本発明の化合物の用量は、望ましい効果を得るために使用されるとき、1日当たり、体重1kg当たり約0.0001〜約100mgの範囲である。好ましくは、1日投与量は、体重1kg当たり0.001〜50mgの化合物、さらにより好ましくは、体重1kg当たり0.01〜10mgの化合物の範囲である。しかしながら、より低い用量またはより高い用量を使用することができる。いくつかの実施形態において、対象に投与される用量を、年齢、疾患の進行、体重、または他の要素により対象の生理機能が変化するにつれて修正することができる。
所望の場合、活性化合物の効果的な1日量を、適切な間隔で別々に投与される、2、3、4、5、6つ以上の部分用量として、任意で、単位剤形で、1日を通して投与することができる。
本発明の化合物を単独で投与することは可能であるが、化合物を上述の薬学的製剤(組成物)として投与することが好ましい。
本発明に従う化合物を、他の薬剤から類推して、人間医学または獣医学で用いる任意の好都合な方法での投与用に製剤化することができる。
本発明は、発明の化合物の薬学的組成物を含むキットを提供する。ある特定の実施形態では、そのようなキットは、本発明の化合物と別の化学療法薬との組み合わせを含む。治療薬を、別々に、または一緒にパッケージングすることができる。キットは、任意で、薬物の処方に関する使用説明書を含む。ある特定の実施形態では、キットは、それぞれの治療薬の複数の用量を含む。キットは、1週間、2週間、3週間、4週間、または複数ヶ月間、対象を治療するのに十分な量のそれぞれの構成要素を含み得る。キットは、化学療法の全サイクルを含み得る。ある特定の実施形態では、キットは、化学療法の複数のサイクルを含む。
使用
進行性卵巣癌を有する患者の現在の標準的治療は、積極的な侵攻性腫瘍縮小手術、続いて、タキサンおよび白金ベースの化学療法から成る。卵巣癌、卵管癌、または原発性腹膜癌を有する患者は、初期のタキサンおよび白金ベースの化学療法への臨床応答を得る確率を80%有しており、かなりの割合が、治療の最後に臨床的完全寛解期に入る。最適にデバルクした患者の平均全生存期間が、65.6ヶ月に増加した一方で、患者の30%未満が疾患のないままであり、準最適にデバルクした疾患を有する患者の10%が疾患のないままであり、それぞれ、24ヶ月および18ヶ月間進行がないままである(Armstrong DK,Bundy B,Wenzel L,et al N Engl J Med 354:34−43,2006)。再発を有する患者は、概して、限られた期間のその後の応答を有し、最終的には、難治性疾患を発現する(Markman M,Markman J,Webster K,et al.J Clin Oncol 22:3120−5,2004)。寛解を長引かせ、および/または再発を予防するための選択肢が必要とされており、本発明によって提供される。
免疫指向型治療は、疾患の苦しみが最も低い臨床的寛解期にある患者に魅力的な治験中の治療戦略を代表する(Sabbatini P,Spriggs DR.J Clin Oncol 24:537−9,2006)。前臨床モデルは、受動的に投与された抗体およびワクチンで誘導された抗体の両方を用いた循環腫瘍細胞の排除および全身性微小転移巣の除去を実証している(Zhang H,Zhang,S,Cheung NK,et al.Vaccine23:3114−22,2005、Ragupathi G,Gathuru J,Livingston P.Cancer Treat Res 123:157−80,2005)。
ある特定の実施形態では、対象に、任意で、薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療的に有効な量の本明細書に開示の複合糖質のうちのいずれかを投与することを含む治療方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、免疫学的アジュバント(以下でさらに定義される)、または免疫学的アジュバントの組み合わせを同時投与することをさらに含む。ある特定の実施形態では、癌は、固形腫瘍または上皮腫瘍である。上述のように、癌の治療および/または癌の再発の予防のための方法が提供され、対象に、抗体を誘導するのに効果的な量の上で開示される複合糖質のうちのいずれかを投与することを含む。ヒト対象における抗体を誘導するための方法も提供され、抗体は、ヒト腫瘍細胞に特異的に結合することができる。ある特定の実施形態では、炭水化物抗原は、直接的に、またはクロスリンカーを介してのいずれかで、免疫原性担体に結合され、担体は、タンパク質、ペプチド、もしくは脂質である。ある特定の実施形態では、担体は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、カチオン化ウシ血清アルブミン、ポリリジン、OMPC、またはKLHである。ある特定の実施形態では、担体は、以下の構造を有する脂質であり、

式中、m’、n’、およびp’は、それぞれ独立して、約8〜20の整数であり、Rは、水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐鎖低級アルキル、または置換もしくは非置換のフェニルである。ある特定の例示的な実施形態において、m’、n’、およびp’はそれぞれ、14であり、脂質は、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリン(例えば、PamCys)である。
ある特定の実施形態では、提供される方法は、対象に、免疫原性担体と組み合わせて、任意で、薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療的に有効な量の本明細書に開示の化合物および/または糖ペプチドのうちのいずれかを投与することを含む。具体的には、ある特定の実施形態では、提供される方法は、免疫原性担体に接合される炭水化物抗原を投与することを含む。ある特定の実施形態では、提供される方法は、接合されていない炭水化物抗原および免疫原性担体を投与することを含む。むしろ、それらは、別々の構成要素として、同時に、または連続して投与される。
本発明のために、化合物/糖ペプチドおよび担体は、それらが、(i)化合物/糖ペプチドおよび担体を含有する単一の組成物として、または(ii)2つの別々の組成物として投与されるか、あるいは(iii)効果的な結果が、化合物/糖ペプチドおよび担体の両方が単一の組成物として投与されるときに得られる結果と同等である程度に短い期間内に別々の経路によって送達されるときに、同時に投与されると考えられている。
ある特定の実施形態では、本開示は、対象における抗体を誘発する方法を提供し、対象に、本開示の構築物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、本発明は、抗体を誘導する方法を提供し、免疫学的アジュバント、または免疫学的アジュバントの組み合わせを同時投与することをさらに含む。ある特定の実施形態では、アジュバントは、サポニンアジュバントである。ある特定の他の実施形態では、アジュバントは、細菌またはリポソームである。ある特定の実施形態では、アジュバントは、サルモネラ・ミネソタ細胞、カルメット・ゲラン桿菌、GPI−0100、またはQS21を含むが、それらに限定されない。具体的には、少なくとも2つの異なる抗原性ドメインを含む多抗原性糖ペプチドが使用されるとき、少なくとも2つの異なるタイプの抗体を誘導することが可能である。ある特定の実施形態では、糖ペプチド上に存在するそれぞれの抗原は、その抗原にタイプ特異的な抗体を誘発する。ある特定の実施形態では、産生される抗体は、糖ペプチド上に存在する少なくとも1つの抗原を認識する抗体である。ある特定の実施形態では、発明の多抗原性糖ペプチドは、対象に投与されるとき、糖ペプチド骨格上に存在する抗原のサブセットに対する抗体を産生する。ある特定の実施形態では、産生される抗体のうちのいくつかは、糖ペプチドの2つ以上の抗原を認識する。ある特定の実施形態では、発明の糖ペプチドは、炭水化物ドメイン、または腫瘍細胞上に見出される、その切断もしくは伸長バージョンを含む。
本発明の化合物を、生体外または生体内で使用することができる。本発明の化合物は、生体内での新生物または他の増殖性疾患の治療において特に有用であり得る。しかしながら、上述の発明の化合物を、研究または臨床目的のために(例えば、発明の化合物への患者の疾患の感受性を決定するため、作用機序を研究するため、細胞経路またはプロセス象を解明するため)、生体外で使用することもできる。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、医学分野における使用のために提供される。いくつかの実施形態において、本発明は、増殖性疾患に罹患する対象における増殖性疾患を治療する方法を提供し、本方法は、対象に、治療的に有効な量の発明の化合物を投与することを含む。ある特定の実施形態では、増殖性疾患は、良性新生物である。ある特定の実施形態では、増殖性疾患は、癌である。
本発明の化合物を、新生物の治療または予防において使用することができる。ある特定の実施形態では、新生物は、良性新生物である。他の実施形態では、新生物は、悪性新生物である。
いくつかの実施形態において、癌は、血液学的悪性腫瘍である。ある特定の実施形態では、癌は、固形腫瘍である。発明の化合物を使用して治療することができる例示的な癌には、ほんの数例を挙げると、結腸癌、肺癌、骨癌、膵臓癌、胃癌(stomach cancer)、食道癌、皮膚癌、脳癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、睾丸癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、神経内分泌癌、乳癌、胃癌(gastric cancer)、眼癌、胆嚢癌、喉頭癌、口腔癌、陰茎癌、腺管腫瘍、直腸癌、小腸癌、肉腫、癌腫、黒色腫、尿道癌、膣癌が含まれる。いくつかの実施形態において、癌は、小細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、卵巣癌である。いくつかの実施形態において、癌は、乳癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、子宮内膜起源である。いくつかの実施形態において、癌は、上皮起源である。いくつかの実施形態において、癌は、結腸癌である。いくつかの実施形態において、癌は、前立腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、胃癌である。いくつかの実施形態において、癌は、膵臓癌である。いくつかの実施形態において、癌は、腹膜癌である。いくつかの実施形態において、癌は、卵管癌である。いくつかの実施形態において、癌は、上述の器官または組織のうちのいずれか1つが起源である。
ある特定の実施形態では、本発明の化合物および薬学的組成物を、組み合わせ療法において採用することができ、すなわち、化合物および薬学的組成物を、1つ以上の他の所望の治療もしくは医療処置と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。組み合わせレジメンにおいて採用する特定の組み合わせ療法(治療薬または手順)は、所望の治療薬および/または手順と達成される所望の治療効果との適合性を考慮する。採用される療法が、同一の障害において所望の効果を達成することができる(例えば、発明の化合物を、別の抗癌剤と同時に投与することができる)か、またはそれらが、異なる効果(例えば、任意の副作用の制御)を達成することができることも理解される。
例えば、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる他の療法または抗癌剤には、数例を挙げると、手術、放射線療法(数例を挙げると、ガンマ放射線、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、陽子線治療、小線源治療、および全身性放射性同位体)、内分泌療法、生物学的応答修飾因子(数例を挙げると、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法および凍結療法、任意の副作用を減弱させる作用物質(例えば、制吐薬)、ならびにアルキル化薬(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗薬(メトトレキサート)、プリン拮抗剤およびピリミジン拮抗剤(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソウレア(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、ならびにホルモン(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド、およびメゲストロール)を含むが、それらに限定されない他の認可された化学療法薬が含まれる。さらに、本発明は、現在、臨床試験において使用され、かつ食品医薬品局によって最終的に承認され得る、ある特定の細胞毒性または抗癌剤(エポチロンおよびその類似体ならびにゲルダナマイシンおよびその類似体を含むが、それらに限定されない)の使用も包含する。最新の癌治療のより包括的な議論については、www.nci.nih.govおよびThe Merck Manual,Seventeenth Ed.1999を参照されたく、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、発明の化合物は、臨床的寛解期にある対象の治療において有用である。いくつかの実施形態において、対象は、手術によって治療されており、かつ限定された切除不能な疾患を有し得る。
例証
(実施例1)
Globo−H、GM2、STn、TF、およびTnを含有する単分子五価ワクチン構築物の合成:
単分子五価構築物KLH接合体(2)
本実施例は、接合体(2)の調製を説明する。以前の研究において、構造的に関連した第1世代単分子五価構築物は、1個のKLHにつき228個の糖ペプチドの接合効率で、KLH担体タンパク質に接合された(Keding,S.J.、Danishefsky,S.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2004,101,11937、Ragupathi 2006、上記、Biswas K,Coltart DM,Danishefsky SJ.Tetrahedron Lett 3:6107−10,2002、Cho YS,Wan Q,Danishefsky SJ.Bioorg Med Chem 13:5259−66,2005、Wan Q,et al.Olefin Cross−Metathesis:A powerful tool for constructingvaccines composed of multimeric antigens.J Carbohydrate Chem 24:425−40,2005、Keding SJ,et al.Tetrahedron Lett 44:3413−16,2003、Keding SJ,Edno A,Danishefsky SJ.Tetrahedron 59:7023−31,2003、Cho SC et al.Bioorg.Med.Chem.13,5259−5266,2005)。接合体(2)のより高いエピトープ/KLH比率を得ることによって、より強固な免疫応答を生成するのが望ましいと理解し、本出願者は、以下に記載の接合のための新しい手順を開発した。
スキーム1.Globo−H、GM2、STn、TF、およびTnを含有する接合体2の合成
担体タンパク質KLHを、最初に、pH6.0のリン酸緩衝液中で1時間、スルホ−MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミド)とともにインキュベートした。次に、接合していないスルホ−MBSを、G25セファデックスカラム上を通過させることによって除去し、その後、マレイミド活性化KLHを得た。糖ペプチド構築物1(新たに調製され、使用直前にTCEPゲルを通過させた)を、pH6.5〜7.0のリン酸緩衝液中で、新たに調製されたマレイミド活性化KLHと混合し、室温で4時間撹拌した。インキュベーション後、30,000分子量をカットオフするPellicon XL濾過器(Millipore)を使用して、未反応の糖ペプチドを除去した。最後に、リン酸緩衝溶液として、相当するKLH接合体2を得た。
KLH接合体に組み込まれた糖ペプチド構築物のコピーの数を、加水分解炭水化物分析(Lloyd,K.O.、Savage,A.Glycoconjugate J.1991,8,439、Hardy,M.R.、Townsend,R.R.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1988,85,3289)および標準のタンパク質分析(Bio−Rad色素結合法)によって、1個のKLHにつき505個であると決定した。接合収率は、単分子五価糖ペプチド構築物に対して50%であり、KLHの回収収率は、約98%であった。したがって、この修正された手順は、以前の接合負荷よりもはるかに高い効率の接合負荷(228/1)を提供した。任意の特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、高酸化性メルカプト基を含有する新たに調製された糖ペプチド構築物1の使用が、そのような高いエピトープ比を達成するのに有用である可能性もある。感応性メルカプト基の既知の可能性のある酸化のうちの1つは、ジスルフィド形成を介して、その推定上の二量体の形成をもたらす。したがって、二量体を減少させ、かつ糖ペプチド構築物1の回収を可能にするために、使用直前に本構築物をTCEPゲルに通過させることは有用である。無傷のメルカプト基の保存は、恐らくマレイミドへのマイケル付加を介して開始するその後の生物接合反応に重要である。五価接合体2を手にして、実施例2に記載されるように、前臨床マウス設定における免疫学的研究を行った。
(実施例2)
本実施例は、実施例1に記載される接合体の生物学的研究を説明する(Zhu,J.et al.,J.Am.Chem.Soc.131,9298−9303,2009)。
動物免疫
5匹のマウス群(雌、C57BL/6J)を、0、1、2、および5週間の時点で、200μLのPBS中に10μgの単分子五価構築物(UPC)と20μgのQS−21アジュバントを含有するワクチン(2)で、1つの部位の皮下に免疫した。「前処理」血清を、初回のワクチン接種の1週間前に取り出した。「後処理」血清を、3回目のワクチン接種の1週間後に取り出した。「追加免疫」血清を、4回目のワクチン接種1週間後に取り出した。
血清ELISAアッセイ
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を既に記述されているように実行し(Ragupathi,G.、Cappello,S.、Yi,S.S.、Canter,D.、Spassova,M.、Bornmann,W.G.、Danishefsky,S.J.、Livingston,P.O.Vaccine 2002,20,1030.(b)Ragupathi,G.、Koide,F.、Sathyan,N.、Kagan,E.、Spassova,M.、Bornmann,W.、Gregor,P.、Reis,C.A.、Clausen,H.、Danishefsky,S.J.、Livingston,P.O.Cancer Immunol.Immunother.2003,52,608)、個々の炭水化物抗原(Globo−H、GM2、STn、TF、およびTn)のそれぞれに関連した得られたIgMおよびIgG血清抗体力価を決定した。具体的には、Globo−Hセラミド、GM2セラミド、Gb5セラミド、Gb5−脂質(実施例4および5を参照のこと)、羊顎下腺ムチン(OSM、sTnを発現する)、脱シアル化豚顎下腺ムチン(dPSM、TFを発現する)、および脱シアル化羊顎下腺ムチン(dOSM、Tnを発現する)をそれぞれ、ELISAプレート上に0.1μg/ウェルの抗原用量でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。非特異的部位を、3%のヒト血清アルブミン(HSA)で2時間ブロックし、連続希釈した抗血清を、それぞれのウェルに添加した。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgMまたはIgGを1:200の希釈で添加した(Southern Biotechnology Associates Inc.,Birmingham,AL)。抗体力価を、正常な対照マウス血清の抗体力価より0.1以上高い吸収度を有する最も高い希釈として定義した。
表1および図1に示されるように、5匹のマウス由来のワクチン接種前血清のうちのいずれも、ワクチン中の5つの抗原に対して反応性を示さなかった。化合物2ワクチンおよびQS−21アジュバントで免疫されたマウス由来の免疫後の血清は、5つの炭水化物抗原:Globo−Hセラミド、GM2セラミド、STn(OSM)、TF(dPSM)、およびTn(dOSM)のそれぞれに対応するかなりの力価の抗体を産生した。抗原のうちの1つ(Lewis)に対する抗体をうまく誘導しなかった先の第1世代単分子五価構築物、KLH接合体とは異なり、この第2世代構築物、接合体2は、本構築物においてLewisを置換したGM2抗原を含む全ての5つの抗原に対する優れたIgGおよびIgM抗体力価を産生した。GM2は、前立腺および乳癌細胞株において過剰発現される重要なエピトープであるため(Livingston,P.O.、Natoli,E.J.、Calves,M.J.、Stockert,E.、Oettgen,H.F.、Old,L.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1987,84,2911、Livingston P.O.、Wong,G.Y.、Adluri,S.、Tao,Y.、Padavan,M.、Parente,R.、Hanlon,C.、Calves,M.J.、Helling,F.、Ritter,G.J.Clin.Oncol.1994,12,1036)、本出願者は、接合体2の免疫原性を大いに高めるために、GM2の構築物への組み込みに努めた。データの全ては、個々の炭水化物抗原の免疫学的特性が、これらの非常に複雑なワクチン構築物において保存されていることを示す。
五価ワクチン中の5つの抗原について試験した、ワクチン接種前およびワクチン接種後の血清のIgMまたはIgG抗体逆数力価。 既に記載のように(Ragupathi 2002 & 2003、上記)ELISAアッセイを実行し、IgMおよびIgG血清抗体力価を決定した。手短に書くと、Globo−Hセラミド、GM2セラミド、羊顎下腺ムチン(OSM、sTnを発現する)、脱シアル化羊顎下腺ムチン(dOSM、Tnを発現する)、または脱シアル化豚顎下腺ムチン(dPSM、TFを発現する)を、ELISAプレート上に0.1μg/ウェルの抗原量でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。非特異的部位を、1%のヒト血清アルブミン(HSA)で2時間ブロックし、連続希釈した抗血清を、それぞれのウェルに添加した。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgMまたはIgGを、1:400の希釈で添加した(Southern Biotechnology Associates Inc.,Birmingham,AL)。抗体力価を、正常な対照マウス血清の抗体力価より0.1以上高い吸収度を有する最も高い希釈と定義した。
フローサイトメトリー
接合体2ワクチンによって誘導された抗体の細胞表面反応性を、既に記載されているように(Sabbatini,P.J.、Kudryashov,V.、Ragupathi,G.、Danishefsky,S.J.、Livingston,P.O.、Bornmann,W.、Spassova,M.、Zatorski,A.、Spriggs,D.、Aghajanian,C.、Soignet,S.、Peyton,M.、O’Flaherty,C.、Curtin,J.、Lloyd,K.O.Int.J.Cancer.2000,87,79)、MCF−7乳癌細胞を用いたFACSアッセイ分析によって決定した。5×10細胞/管の単一細胞懸濁液を、3%のウシ胎仔血清を有するリン酸緩衝生理食塩水中で洗浄し、その後、20μLの1/200で希釈された抗血清とともに氷上で30分間インキュベートした。FITCで標識した合計20μLの1/15ヤギ抗マウスIgGまたはIgMを添加し、染色した細胞の陽性細胞パーセントおよび平均蛍光強度(MFI)を、FACScan(Becton Dickinson,San Jose,CA)を使用して分析した。
ワクチン2を受けた5匹のマウスに関するワクチン接種前の血清およびワクチン接種をブーストした血清フローサイトメトリー結果が、表2に記載される。これらのワクチン接種に対する血清学的応答は、ほぼ例外なくIgMであった。示されるように、ワクチン接種後の血清中の陽性細胞の平均百分率は、10%から36%に増加し、平均蛍光強度(MFI)は、85から302に増加した。ワクチン接種をブーストした血清は、陽性細胞のパーセンテージをさらに70%まで増加させたことを示し、MFIは486に増加した。これらの実験結果は、接合体2が、実際に、特にブースト注入と併せて、非常に効果的かつ臨床的に有用なワクチン候補であり得ることを示唆する。
MCF−7乳癌細胞株上で試験した、5μgの単分子五価−KLHワクチンならびにQS−21で免疫された5匹のマウスのIgMおよびIgGのFACSプロファイル。ワクチン接種前、ワクチン接種後、およびワクチン接種をブーストした血清の結果が、陽性細胞パーセント(MFI)で示される。FACS分析(v(a)):全ての5つの抗原を発現する(が、特にGlobo−Hを発現する)MCF−7ヒト乳癌細胞。5×10細胞/管の単一細胞懸濁液を、3%のウシ胎仔血清を有するリン酸緩衝生理食塩水中で洗浄し、20μLの1/200で希釈された抗血清とともに氷上で30分間インキュベートした。FITCで標識した合計20μLの1/15ヤギ抗マウスIgGまたはIgMを添加し、染色した細胞の陽性細胞パーセントおよび平均蛍光強度(MFI)を、FACScan(Becton Dickinson,San Jose,CA)を使用して分析した。ワクチン接種前、ワクチン接種後、およびワクチン接種をブーストした血清をともに分析し、処理前の陽性細胞パーセントを10%でゲーティングした。結果は、陽性細胞パーセントが負の対照の3倍であり(30%超の陽性細胞)、かつMFIが負の対照のMFIの150%以上であったときに、肯定的であると見なされた。
(実施例3)
Gb5糖アミノ酸10の合成

エタンチオスルホンアミド12の合成
−8℃の乾燥エーテル(80mL)中のグリカール11(2.0g、2.63mmol)、ベンゼンスルホンアミド(2.48g、15.8mmol)、および新たに活性化された粉末の4Å MS(2g)の撹拌した混合物に、I(sym−coll)ClO(4.92g、10.5mmol)を添加した。結果として得られた混合物を、暗所で一晩−8°Cで撹拌し、Na溶液(100mL)で反応停止処理した。エーテル(3×60mL)で濾過抽出した後、合わせた有機層を、飽和CuSO溶液(100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空内で濃縮した。粗生成物を、さらに精製することなく、次の反応に供した。−40℃の無水DMF(10mL)中のエタンチオール(1.94mL、26.2mmol)の溶液に、LHMDS(13.3mL、THF中の1.0M)を添加した。5分間の撹拌後、反応混合物を、カニューレを介して、−40℃のDMF(40mL)中のヨードスルホンアミド(粗)を含有するフラスコに移した。反応混合物を、0℃まで緩徐に温め、合計3時間撹拌した。エーテル(300mL)で希釈した後、有機層を、NHCl溶液(50mL)およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。10:1〜7:1のヘキサン/EtOAcを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーで、白色の泡として12(900mg、35%)および回収出発原料(420mg)を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.92(dd、2H、J=7.2Hz、J=1.3Hz)、7.58〜7.55(m、1H)、7.51〜7.47(m、2H)、5.39(bs、1H)、5.09(d、1H、J=9.0Hz)、4.67(bd、1H、J=8.9Hz)、4.49(d、1H、J=3.0Hz)、4.48(d、1H、J=1.5Hz)、4.31(d、1H、J=10.1Hz)、4.25(dd、1H、J=9.0Hz、J=5.4Hz)、4.09(s、1H)、3.92(dd、1H、J=9.1Hz、J=5.9Hz)、4.09(t、1H、J=2.6Hz)、3.92(dd、1H、J=9.6Hz、J=7.2Hz)、3.85(dd、1H、J=9.1Hz、J=5.3Hz)、3.81〜3.74(m、3H)、3.53(dt、1H、J=10.0Hz、J=6.6Hz)、3.47(t、1H、J=6.3Hz)、2.90(bd、1H、J=2.1Hz)、2.40(dq、1H、J=12.4Hz、J=7.4Hz)、2.20(dq、1H、J=12.4Hz、J=7.4Hz)、1.12〜1.05(m、42H)、0.90(s、9H)、0.24(s、3H)、0.19(s、3H);C4583NO12Si[M+Na]実測値についてのLRMS:1000.7;計算値:1000.5;[M−H]実測値:976.7;計算値:976.5。
Gb5ペンタサッカライド15の合成
チオグリコシド12(373mg、0.38mmol)およびアクセプター13(502mg、0.363mmol)の混合物を、無水ベンゼンで3回共沸し、高真空下で1時間留置した。新たに活性化された4Å MS(1.0g)を混合物に添加し、乾燥CHCl(3.3mL)および乾燥エーテル(6.6mL)中に取り込み、室温で5分間撹拌し、0℃まで冷却させた。混合物を0℃で5分間撹拌し、MeOTf(100μL)を滴加した。反応物を0℃で2時間撹拌した後、別の量のMeOTf(116μL)を0℃で滴加した。反応混合物を室温になるまで2日間緩徐に温めた。固体NaHCO(0.5g)を添加し、反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、濃縮した。9:1〜6:1〜4:1のヘキサン/EtOAcを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製によって、白色の泡として混合物13および14を得た。混合物13および14をMeOH(5mL)中に溶解し、NaOMe(0.1mL、MeOH中25%)を添加してpH=10にし、混合物を室温で一晩撹拌した。6:1〜4:1〜2:1のヘキサン/EtOAcを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーでの濃縮および精製によって、15(486mg、55%)を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.79(d、2H、J=7.5Hz)、7.34〜7.03(m、46H)、6.98(d、2H、J=7.0Hz)、5.83〜5.75(m、1H)、5.09(d、1H、J=3.2Hz)、5.05〜4.93(m、3H)、4.88〜4.84(m、2H)、4.79〜4.73(m、3H)、4.62〜4.55(m、2H)、4.53〜4.42(m、5H)、4.38〜4.36(m、1H)、4.32〜4.28(m、3H)、4.18〜4.04(m、9H)、3.95(d、1H、J=2.1Hz)、3.92〜3.77(m、8H)、3.71〜3.66(m、4H)、3.62〜3.49(m、7H)、3.46〜3.41(m、2H)、3.31〜3.21(m、5H)、2.72(t、1H、J=5.7Hz)、2.67(dd、1H、J=10.4Hz、J=3.2Hz)、2.59(bs、1H)、2.42(d、1H、J=3.1Hz)、2.14〜2.07(m、2H)、1.73〜1.64(m、2H)、1.08〜1.04(m、36H)、0.90(s、3H)、0.15(s、3H)、0.11(s、3H)。C128173NO27SSi[M+Na]実測値についてのLRMS:2295.0;計算値:2295.1。
Gb5ペンタサッカライド16の合成
乾燥THF(20mL)中の15(500mg、0.22mmol)の溶液に、TBAF(2.2mL、THF中1.0M)を室温で添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。1%〜2%〜4%のMeOH/DCMを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーでの濃縮および精製によって、6(352mg、86.7%)を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.82(d、2H、J=7.6Hz)、7.33〜7.05(m、46H)、6.92(d、2H、J=7.2Hz)、5.82〜5.77(m、1H)、5.07(d、1H、J=3.0Hz)、5.02〜4.73(m、8H)、4.64〜4.61(d、1H、J=10.8Hz)、4.57〜4.53(m、2H)、4.51〜4.48(m、2H)、4.46〜4.44(m、2H)、4.40〜4.37(m、1H)。4.34〜4.31(m、2H)、4.23(d、1H、J=8.4Hz)、4.20〜4.13(m、4H)、4.08〜4.04(m、4H)、3.95〜3.73(m、11H)、3.69〜3.64(m、6H)、3.62〜3.48(m、9H)、3.43〜3.40(m、2H)、3.34〜3.30(m、2H)、3.25〜3.18(m、4H)、3.02(bs、1H)、2.86(bs、2H)、2.74(dd、1H、J=10.2Hz、J=2.7Hz)、2.66(bs、1H)、2.62(t、1H、J=5.6Hz)、2.14〜2.12(m、2H)、1.76〜1.61(m、18H)、1.40〜1.35(m、2H)。C104119NO27SSi[M+Na]実測値についてのLRMS:1869.1;計算値:1868.1。
GB5ペンタサッカライド17の合成
Na(350mg、15.2mmol)を液体NH(30mL)に−78℃で添加し、混合物をアルゴン下で2分間撹拌して、青色の溶液を形成し、THF(2mL)中の化合物16(400mg、0.217mmol)を、青色の溶液に添加した。混合物を、−78℃で1時間撹拌し、固体NHCl(1.0g)で反応停止処理した。アンモニアをアルゴン流によって除去した。固体に、ピリジン(15mL)、無水酢酸(10mL)、および結晶性DMAPを添加した。混合物を室温で2日間撹拌した。1%〜4%〜10%のMeOH/DCMを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーでの濃縮および精製によって、17(300mg、88%)を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ5.82〜5.76(m、1H)、5.68(d、1H、J=5.7Hz)、5.59(d、1H、J=2.8Hz)、5.42(d、1H、J=3.0Hz)、5.34(d、1H、J=3.1Hz)、5.21〜5.09(m、%H)、5.03(d、1H、J=1.0Hz)、4.99〜4.95(m、2H)、4.92(d、1H、J=3.6Hz)、4.89(t、1H、J=8.1Hz)、4.75(dd、1H、J=10.9Hz、J=2.5Hz)、4.67(dd、1H、J=10.9Hz、J=3.4Hz)、4.61(d、1H、J=7.8Hz)、4.53(d、1H、J=7.7Hz)、4.46(d、1H、J=8.0Hz)、4.44(dd、1H、J=10.8Hz、J=1.5Hz)、4.41(dd、1H、J=10.9Hz、J=6.2Hz)、4.36(t、1H、J=6.3Hz)、4.22〜4.18(m、2H)、4.17〜4.03(m、7H)、4.00(d、1H、J=1.0Hz)、3.93(t、1H、J=6.1Hz)、3.89〜3.82(m、2H)、3.80〜3.75(m、2H)、3.62〜3.59(m、2H)、3.51〜3.44(m、1H)、3.27(m、3.23(m、1H)、2.14、2.12、2.11、2.10、2.10、2.087、2.086、2.08、2.07、2.06、2.056、2.056、2.056、2.04、1.97、1.93(16s、48H)、1.70〜1.62(m、2H)。13C NMR(125MHz、CDCl)δ170.89、170.45、170.45、170.34、170.30、170.24、170.21、170.11、170.01、169.79、169.66、169.31、169.31、169.28、168.94、168.69、137.59、114.91、100.67、100.42、100.35、99.27、98.93、76.55、76.31、74.24、72.60、72.53、72.36、72.26、71.80、71.47、71.09、70.72、70.47、70.35、69.88、69.51、69.12、69.01、68.90、68.43、67.50、66.77、62.11、61.48、61.24、61.00、60.13、54.96、53.56、29.60、28.36、23.30、20.78、20.71、20.68、20.59、20.57、20.55、20.51、20.51、20.51、20.47、20.44、20.44、20.38、20.30、20.25、13.98、13.87。C6793NO41[M+Na]実測値についてのLRMS:1590.6;計算値:1590.5。
Gb5糖アミノ酸10の合成
DCM(4mL)中の17(200mg、0.128mmol)およびアリルグリシン(450mg、1.05mmol)の溶液に、Hoveyda Grubbs I型触媒(36mg、0.06mmol)を添加した。混合物を35℃で2日間撹拌した。10:1〜3:1〜1:3のヘキサン/EtOAc、続いて、10%のMeOH/DCMを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーでの濃縮および精製によって、生成物の混合物および出発原料7(190mg)を得た。粗生成物をMeOH/水(10:1、10mL)中に溶解し、Pt(C)56mgを添加し、1気圧の水素のシリンダーに接続し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾過物を蒸発させ、残渣を、0.3%のHOAcを含有する7%のMeOH/DCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィーカラム上に装填した。生成物10を収集した。生成物をPTLC上に再装填し、AcOH−MeOH−CHCl(0.3:7:100)で溶出した。Gb5糖アミノ酸10を収集した(120mg、収率51%)。H NMR(500MHz、MeOD)δ7.81(d、2H、J=7.6Hz)、7.68(t、2H、J=7.1Hz)、7.40(t、2H、J=7.4Hz)、7.31(t、2H、J=7.4Hz)、5.65(d、1H、J=2.8Hz)、5.34(d、1H、J=3.2Hz)、5.32(d、1H、J=2.8Hz)5.19〜5.15(m、2H)、5.10〜4.93(m、5H)、4.81(t、1H、J=8.3Hz),4.70〜4.67(m、2H)、4.57(d、1H、J=8.0Hz)、4.48〜4.36(m、5H)、4.25〜3.94(m、17H)、3.83〜3.75(m、3H)、3.70〜3.67(m、1H)、3.52〜3.47(m、1H)、2.15、2.12、2.11、2.107、2.10、2.09、2.08、2.07、2.034、2.024、2.033、2.033、2.02、1.99、1.94、1.92、1.84〜1.80(m、1H)、1.68〜1.66(m、1H)、1.57〜1.54(m、2H)、13C NMR(125MHz、CDCl)δ171.98、170.66、170.60、170.57、170.46、170.42、170.36、170.24、170.14、170.06、170.00、169.63、169.56、169.41、169.30、168.90、256.67、101.06、100.49、100.17、99.35、98.74、79.41、76.06、74.39、72.89、72.65、72.43、70.05、71.89、71.78、71.20、70.96、70.75、70.14、70.03、69.97、69.20、68.94、67.97、67.68、66.74、62.20、62.12、61.15、61.10、60.89、36.94、35.80、32.57、30.00、29.22、28.89、28.38、25.57、25.33、23.59、23.22、20.96、20.93、20.93、20.88、20.80、20.80、20.80、20.77、20.77、20.77、20.77、20.69、20.68、20.65、20.54、20.50。C8511045[M+Na]実測値についてのLRMS:1901.7;計算値:1901.6。
(実施例4)
ELISAアッセイのためのGb5接合体の合成
Gb5−脂質4−4の合成
図3に示されるように、DCM/TFA(1/3、0.6mL)中の4−1(13mg、7.0μmol)の溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を、精製することなく、次のステップに直接取り入れた。残渣をDCM(1.0mL)および化合物4−2(30mg、41.7mmol)中に溶解し(Schmitt,L.、Dietrich,C.、Tampe,R.J.Am.Chem.Soc.1994,116,8485−8491)、DIPEA(50μL)を混合物に添加した。反応を室温で一晩撹拌した。1%〜5%のMeOH/DCMを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーでの濃縮および精製によって、4−3(14mg、85%)を得た。
MeOH(1.0mL)中の4−3(12mg、5.1μmol)の溶液に、NaOMe(25%のNaOMe/MeOH、12μL)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌し、反応物を、1N HClで反応停止処理して、最終的に6.5〜7.0のpHにした。溶媒を除去し、残渣をHO(1.0mL)中に溶解した。凍結乾燥後に生成物4−4(8mg、91%)を得た。MS(m/z):865.2[M+2H]、1730.2[M+H]
Gb5−KLHの合成
手順:20mgのクロロトリチル樹脂(0.02mmol)を、メルカプト酢酸(50uL+950uLの塩化メチレン)で1時間処理し、その後、DMFで3回洗浄した。次に、樹脂をDMF中で10分間、PyBOP(21mg、0.04mmol)およびDIEA(16mg、21uL、0.12mmol)を用いて活性化し、その後に、1,3−ジアミノプロパン(15mg、0.2mmol)を添加した。20分間後、樹脂をDMFで3回洗浄した。10mgの4−5(0.0054mmol)を、200uLのDMF中に溶解し、樹脂に添加した。150uLのDMF中のPyBOP(8mg、0.015mmol)およびDIEA(7.42mg、10uL、0.057mmol)を添加し、2時間混合した。樹脂をDMFで3回洗浄した。DMF中の30%のピペリジンで10分間、2回洗浄し、その後に、DMFで洗浄した(3回)。樹脂を、500uLのDMF中の20uLの無水酢酸で30分間処理し、その後、DMFで洗浄した(3回)。塩化メチレンで数回洗浄した。その後、保護炭水化物を、DCM中の50%のTFAでの10分間の処理によって樹脂から切断し、蒸発させた。油を、水中の50%のアセトニトリル中に再懸濁し、凍結させ、一晩凍結乾燥させ、白色の粉末を得た。粉末を0.3NのNaOHの溶液で2時間処理し、HClで中和し、逆相HPLC(C18)で精製した。化合物4−6で、白色の粉末を得た。4−6のMS(m/z)=1199.1(M+H)。
実施例5に記載のGb5−KLH接合体を調製するために、化合物4−6を、実施例1に記載の手順を使用して、KLHに接合した(段落[0192]を参照のこと)。
(実施例5)
本実施例は、実施例4で調製されたGb5−KLH接合体で免疫されたマウスを使用して実行した免疫原性研究を説明する。以下に別途示されない限り、実施例2に記載のプロトコルに従った。
任意の特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、追加でワクチン接種した血清のIgG値が、表3に示されるIgG値よりも高い可能性があるように見受けられる。初期データ収集の間、この実験におけるIgGの濃度は予想したよりもはるかに高く、表3に示されるIgG力価よりも高い値のIgG力価の定義においては、さらなる連続希釈が結果となる可能性が高い。
一価Gb5−KLHワクチン中の抗原について試験した、ワクチン接種前およびワクチン接種後の血清のIgMまたはIgG抗体相互力価。ELISAアッセイを実行して、前述のように、IgMまたはIgG血清抗体力価を決定した(Ragupathi 2002 & 2003、上記)。手短に、Gb5−脂質を、ELISAプレート上に0.1μg/ウェルの抗原用量でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。非特異的部位を1%のヒト血清アルブミン(HSA)で2時間ブロックし、連続希釈した抗血清をそれぞれのウェルに添加した。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgMまたはIgGを1:400の希釈で添加した(Southern Biotechnology Associates,Inc.,Birmingham,AL)。抗体力価を、正常な対照マウス血清の抗体力価より0.1以上高い吸収度を有する最も高い希釈と定義した。
(実施例6)
Globo−H、Gb5、STn、TF、およびTnを含有する単分子五価ワクチン構築物の合成(図4を参照のこと)
本実施例は、接合体G−2の調製を説明する。本構築物を合成および接合するための手順は、AcHN−GloboH−Gb5−STn−TF−Tn−CONH−(CH−NHCOCHSAc(G−0)の合成において、Gb5グリコシルアミノ酸が、GM2グリコシルアミノ酸に置き換えられたことを除いて、実施例1で接合体について記載された手順と実質的に同一である(Keding,S.J.、Danishefsky,S.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2004,101,11937−11942、Ragupathi,G.、Koide,F.、Livingston,P.O.、Cho,Y.S.、Endo,A.、Wan,Q.、Spassova,M.K.、Keding,S.J.、Allen,J.、Ouerfelli,O.、Wilson,R.M.、Danishefsky,S.J.J.Am.Chem.Soc.2006,128,2715−2725)。Globo−H、Gb5、STn、TF、およびTnを含有する完全に脱保護された単分子五価構築物のスキームについては、図4を参照されたい。
AcHN−GloboH−Gb5−STn−TF−Tn−CONH−(CH−NHCOCHSH(G−1)の合成
過アセチル化AcHN−GloboH−Gb5−STn−TF−Tn−CONH−(CH−NHCOCHSAc(G−0)(11.8mg、2.02μmol)を含有する丸底フラスコに、1.2mLの脱気した2:1のMeOH/0.3MのNaOH水溶液を添加した。結果として得られた透明無色の溶液を、アルゴン雰囲気下で、室温で24時間撹拌し、その後、1.2mLの脱気した0.3MのNaOH水溶液をさらに添加した。さらに40時間撹拌した後、反応混合物を、酢酸(27μL、0.472mmol)の滴加によって中和し、その後、回転蒸発によって濃縮した。結果として得られた溶液を、室温で2時間、TCEP(50μL、0.025mmol)で処理し、その後、溶出剤として水を用いて、Bio−Gel P−4カラム(1.5×17cm)上で精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、凍結乾燥させて、白色の粉末として92%の収率(7.1mg、1.87μmol)のG−1を得た。MS(ESI+)m/z1290.93[M+3Na]3+
Globo−H、Gb5、STn、TF、およびTn(G−2)を含有する単分子五価ワクチン構築物の接合
担体タンパク質KLHを、最初に、0.9Mの塩化ナトリウムを含有するpH7.4のリン酸緩衝液中で、スルホ−MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミド)とともに1時間45分インキュベートした。次に、接合されていないスルホ−MBSを、G25セファデックスカラム(PD MiniTrap G−25、GE Healthcare)上を通過させることによって除去し、マレイミド活性化KLHを得た。糖ペプチド構築物G−1(新たに調製され、使用直前にTCEPゲルを通過させた)を、0.9Mの塩化ナトリウムおよび100mMのEDTAを含有するpH7.4のリン酸緩衝液中で、新たに調製されたマレイミド活性化KLHと混合し、室温で4時間撹拌した。インキュベーション後、AmiconuLtra−4遠心分離濾過装置(50,000分子量をカットオフ、Millipore)を使用して、未反応の糖ペプチドを除去した。最後に、リン酸緩衝溶液として、相当するKLH接合体G−2を得た。
KLH接合体に組み込まれた糖ペプチド構築物のコピーの数を、加水分解炭水化物分析および標準のタンパク質分析(Bio−Rad色素結合法)によって、1個のKLHにつき593個であると決定した。
(実施例7)
本実施例は、とりわけ、実施例1および2に記載の五価構築物での免疫後に毒性を測定する研究、ならびに免疫原性および安全性の基準を満たす事前選択されたワクチン用量レベルの中で最も低い免疫原性用量の決定を説明する。本実施例に記載の方法および物質が実施例5に記載の五価構築物に及び得ることが理解される。
卵巣癌は、炭水化物エピトープGM2、Globo−H、Lewis、シアリルTn(sTn)、Tn、トンプソンフリードライヒ抗原(TF)、およびムチン1(Muc1)を含む、豊富な一連の細胞表面抗原を発現する(Federici MF,Kudryashov V,Saigo PE,et al.Int J Cancer 81:193−8,1999、Zhang S,Cordon−Cardo C,Zhang HS,et al.Int J Cancer 73:42−9,1997、Zhang S,Zhang HS,Cordon−Cardo C,et al.Clin Cancer Res 4:2669−76,1998、Zhang S,Zhang HS,Cordon−Cardo C,et al.Int J Cancer 73:50−6,1997)。種々の方法を使用して、そのような定義される抗原に対する免疫応答が生成されている。一価抗原を用いた先の作業において、研究者は、抗原を、免疫原性担体タンパク質であるキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、免疫学的アジュバントであるサポニンQS−21と接合させることによって、一貫した免疫原性を達成した(Livingston PO,Zhang S,Lloyd KO.Cancer Immunol Immunother45:1−9,1997)。一価ワクチン接種は、免疫学的応答をもたらした(Livingston PO,Natoli EJ,Calves MJ,et al.Proc Natl Acad Sci USA 84:2911−5,1987 Slovin SF,Ragupathig,Fernandez C,et al.Vaccine 23:3114−22,2005、Slovin SF,Ragupathig,Adluri S,et al.Proc Natl Acad Sci USA 96:5710−5715,1999、Sabbatini PJ,Kudryashov V,Ragupathi F,et al.Int J Cancer 87:79−85,2000)。しかしながら、腫瘍細胞表面抗原は、著明な異質性を示し、より広範囲の免疫応答を生成するための多価アプローチが魅力的である。
本出願者は、最近になって、臨床的第2寛解期および臨床的完全寛解期にある上皮卵巣癌、卵管癌、または腹膜癌を有する患者における、個別に構築された多価抗原−KLHおよびQS−21ワクチン構築物の安全性ならびに免疫原性を明らかにした(Sabbatini PJ,Ragupathig,Hood C,et al.Clin Ca Res 13(14):4170−7,2007)。このパイロット試験における11名の患者は、KLHに個別に接合され、かつアジュバントQS21(100μg)と混合された、GM2(10μg)、Globo−H(10μg)、LeY(10μg)、Tn(c)(3μg)、STn(c)(3μg)、TF(c)(3μg)、Tn−MUC1(3μg)を含有する多価ワクチンを皮下に受けた。ワクチン接種を、1週目、2週目、3週目、7週目、および15週目に施行した。安全性(CBC、包括的なパネル、アミラーゼ、TSH、検尿)および抗体産生(ELISA、FACS、CDC)を監視するために、血液および尿試料を定期的に得た。11名全ての患者が安全性分析に含まれ、11名のうち9名が、4回目のワクチン接種後少なくとも2週間、研究に留まり、免疫学的分析に含まれた(疾患進行のあった2名が脱退した)。ワクチンは、良好な耐容性を示した。自己限定性および軽度の疲労(2名の患者において最高で等級II)、発熱、筋肉痛、ならびに局所注入部位反応が最もよく見られた。臨床的に関連する血液学的異常は見られなかった。自己免疫の臨床的または実験的徴候は見られなかった。ELISAによる血清学的応答は、IgM応答およびIgG応答の両方が誘導されたTn−MUC1を除いて、大部分は、それぞれの抗原に対するIgMであった。抗体応答は、概して、免疫前は検出不可能であった。免疫後の平均IgM力価は、以下の通りであった:Tn−MUC1 1:640(IgG 1:80)、Tn 1:160、TF 1:640、Globo−H 1:40、およびSTn 1:80。1つのみの応答がLewis−Yに対して、2つの応答がGM2に対して見られた。9名のうち8名の患者が、少なくとも3つの抗原に対する応答を発現させた。抗体力価は、全ての患者において4〜8週目にピークに達した。FACSおよびCDC分析は、9名のうち7名の患者において、MCF7細胞に対する反応性の大幅な増加を示し、ある程度の増加が全ての患者において見られた。本出願者は、多価KLH接合体およびQS21ワクチンが、7個の抗原のうち5個の抗原に対する抗体応答を安全に誘導したことを結論付けており、かつ適切な力価の有効性試験が、ワクチン接種からの臨床的利益が存在するかを決定するための次のステップであると結論付ける。
利用可能な免疫原性および安全性データに基づいて、第III相無作為化二重盲式試験(n=164名の患者)を行い、アジュバント単独に対して免疫学的アジュバントとともに、それぞれKLHに個別に接合された抗原、GM2、Globo−H、Tn−Muc1、およびTFを含有する個別に構築された多価ワクチンを評価する。本出願者は、ワクチンを製造し、本研究を先導する中心の役割を果たす。規制要件は、(順次的な第1相試験にわたって行われた)ワクチン混合物のそれぞれの個々の構成要素の検証を必要とし、増加した量の担体タンパク質が必要とされ(それぞれの個々の構成要素の一定の量)、かつそれぞれの一価KLH構築物の合成が、収率の低い最終接合ステップを伴う。本実施例で提案された単分子構築物は、製造を大幅に簡略化し、容易な拡張性を提供する。
KLHに接合され、かつアジュバントとしてQS−21を有する抗原、Globo−H、sTn、Tn、Lewis、およびTFを担持する単分子五価ワクチンは、最近になって合成され、かつ前臨床設定において研究された(実施例2を参照のこと)(Ragupathig,Koide F,Livingston PO,et al.J Am Chem Soc 128:2715−25,2006)。マウスを免疫し、Lewis抗原を除いて、免疫学的応答が見られた(Lewis抗原を用いた免疫原性実証の困難は、一価の第I相試験において以前にも見られた)。実施例2に示されるELISAおよびFACSデータは、抗原の免疫学的特性が保存され、かつ単分子多抗原性合成ワクチンを考慮する概念を支持することを示唆する。本実施例は、第I相試験設定におけるヒト評価を説明する。
第I相試験について、KLHに接合され、かつQS−21と混合された抗原、Globo−H、GM2、sTn、TFおよびTnを担持する単分子多価ワクチンは、実施例1に記載されるように調製される。
接合
KLH分子量を8.6×10と想定して、抗原−KLH比が80:1〜1200:1の範囲になると予想した。SDS−Pageゲルを実行し、今後のロットとの比較のために、抗原−KLHのそれぞれのロットを用いてウエスタンブロット分析を行った。バイアルに入れた生成物を用いて、無菌および安全性試験を実行した。毒性試験を、臨床試験において使用される用量/平方メートルの50倍を超えて実行した。培養の成長もマウスにおける有害反応(10%以上の体重減少を含む)も認められなかった。3匹以上のマウスを、1〜2週間の間隔で3〜4回免疫し、免疫後血清を試験した。適切な免疫原性を確認するために、少なくとも4つの抗原に対する1:40以上の抗体力価および25%を超える抗原陽性細胞のFACS染色が必要とされた。
アジュバント
QS−21は、Antigenics Incorporationから入手した免疫学的アジュバントである。ワクチンをバイアルに入れた時に、これを多価抗原接合体と混合した。QS−21の用量は、100mcgである。最終的な五価抗原−KLHとQS−21アジュバントを合わせ、滅菌濾過し、バイアルに入れた。その後、生成物を、無菌、エンドトキシン、免疫原性、および安全性について試験した。ワクチンバイアルを摂氏−70〜−80度で保存する。
本研究は、単分子五価Globo−H−GM2−sTn−TF−Tn−KLH接合体ならびに免疫学的アジュバントQS−21での免疫後の安全性および免疫応答を調査する。これは、毒性および免疫原性を評価する第I相試験である。上皮卵巣癌、卵管癌、および腹膜癌を有する約24名の患者をワクチン接種する。
注入を、1週目、2週目、3週目、7週目、および19週目の間に皮下投与し、本研究にわたって合計で5回の注入となる。3つの用量レベル:25mcg、50mcg、および10mcgまたは100mcgを計画し、2つの用量制限毒性が観察されない場合、6名の患者をそれぞれの用量レベルでワクチン接種し、6名の患者の拡張コホートを、登録に成功した最も低い免疫原性用量レベルで登録する。
対象適格性の基準
対象包含基準:
1.診断時に、以下の危険性の高い属性のうちの1つを有する、卵巣、卵管、または腹膜で生じる組織学的に確認されるIII期もしくはIV期上皮癌腫:a)明細胞または粘液性の特徴もしくは組織構造、b)準最適なデバルク、あるいはc)一次化学療法の第3のサイクルによるCA−125の標準化の失敗。
2.一次治療の一環として少なくとも1つの白金ベースの化学療法レジメンを用いた腫瘍縮小手術および化学療法の経歴。
3.患者は、第1の臨床的完全寛解期にあるべきである。臨床的完全寛解期は、組織正常限度の範囲内の血清CA−125、検診陰性、ならびに腹部および骨盤のコンピュータ断層撮影(CT)による疾患の確定的な徴候なしとして定義される。1.0cm以下のリンパ節および/または軟組織の異常は、多くの場合、骨盤に存在し、疾患の確定的な徴候とは見なされない。適格性を、解剖学的画像化のみ(すなわち、MRIまたはCT)によって決定する。陽性のPET画像(もし実行される場合)は、たとえ他の基準が満たされ、かつ解剖学的画像が陰性である場合でも、患者を除外しない。
4.以下によって定義される適切な臓器機能:
a.骨髄機能:共通毒性基準(CTCAE v3.0)等級1と同等の1,000/mm3以上の絶対好中球数(ANC)。100,000/mm3以上の血小板。
b.腎臓機能:1.5×組織正常上限(ULN)、CTCAE v3.0等級1以下の血清中クレアチニン。
c.肝機能:2.5×ULN以下のビリルビン、SGOT、およびアルカリホスファターゼ。
5.グアヤック便は陰性である。
6.KPS:80%を超える。
7.年齢:18歳を超える。
8.患者は、先の化学療法由来の臨床的に明らかな副作用から回復していなければならない。
対象除外基準:
1.妊娠中または授乳中の女性。
2.過去5年以内に他の癌の徴候があった(またはある)他の浸潤性悪性腫瘍を有する患者、または以前の癌治療がこのプロトコル治療に禁忌を示す患者を除外する。非黒色腫皮膚癌は例外であり、いかなる患者をも除外しない。
3.シーフードアレルギーの病歴を有する患者。
4.本試験における抗原のうちのいずれかを有するワクチンを以前に受けた患者。
5.免疫不全または自己免疫疾患(治療された甲状腺機能低下症を除く)の病歴を有する患者。
6.活性CNS腫瘍を有する患者。
治療前評価
2週間以内:妊娠の可能性のある女性の妊娠検査。
3週間以内:全ての病歴および健康診断;差別的かつ包括的なパネルを有する完全血球算定(AST、ALT、ナトリウム、カリウム、塩化物、CO、カルシウム、ブドウ糖、総タンパク質、アルブミン、アルカリホスファターゼ、クレアチニン、BUN、ビリルビン);CA−125;甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル;検尿;便潜血。
4週間以内:腹部および骨盤(胸部を伴うか、または伴わない)のCTスキャンまたはMRI;CXR(CTが胸部を画像化する場合は必要とされない);標準の病理学的検査。
治療/介入計画
単分子五価ワクチンを、1週目、2週目、3週目、7週目、および19週目の間に投与する。ワクチンを、外来診療所において、皮下注入を介して投与する。上腕または大腿部上のランダムな部位を使用する。3つの用量レベルを使用する:25mcg、50mcg、ならびに最初の2つの用量レベルの免疫原性および安全性に応じて、10mcgまたは100mcgのいずれか。用量制限毒性が観察されない場合、それぞれの用量レベルで6名の患者に注入する。6名の患者の拡張コホートを、登録に成功した最も低い免疫原性用量レベルで登録する。試験のために約24名の患者を得る。
12名の患者への拡張は、登録に成功した最も低い免疫原性用量レベルで生じる。
所与のコホートの6名のうち1名を超えない患者が、DLTの徴候を示さずに計画された5つのワクチン接種のうち4つのワクチン接種を受けたとき、次のコホートまたは拡張コホートに進むことができる。
研究治療は、用量制限毒性(DLT)を理由に中断されるべきである。毒性を理由に研究治療が中断される場合、患者を追跡する。DLTは、以下によって定義される:
a.等級IIIアレルギー反応(等級IIは、発疹、顔面紅潮、蕁麻疹、呼吸困難、または摂氏38度を超える薬剤熱と定義され、等級IIIは、蕁麻疹を伴うか、または伴わない、非経口薬物を必要とする症状性気管支痙攣、アレルギー関連浮腫もしくは血管性浮腫と定義され、等級IVは、アナフィラキシーと定義される)。
b.等級III自己免疫反応(等級IIは、免疫抑制薬以外の治療を必要とする、重要ではない器官または機能を巻き込む自己免疫反応の兆候(例えば、甲状腺機能低下症)と定義され、等級IIIは、主要な器官を巻き込む可逆的自己免疫反応(例えば、結腸炎)である)。
c.発熱を含む、等級III以上の血液学的または非血液学的毒性(等級IIIの発熱は、24時間未満、40℃を超える)。
d.等級III注入部位反応(等級IIIは、重症もしくは長期であるか、または手術を必要とする潰瘍または壊死と定義される)。
免疫学的応答
患者の血清を、このワクチン中のそれぞれの個々の抗原に対する抗体について、ELISAを用いて試験する。FACS分析および補体依存性細胞毒性も、これらの特定の抗原を発現する(か、または発現しない)様々な細胞株に対して、選択した血清を用いて評価する。1週目および7週目の間に、末梢血液(60mL)を取り出す。2週目、3週目、11週目、15週目、19週目、および23週目の間に、末梢血液(30mL)を取り出す。その後、患者が、研究の結果、追跡されたままであり、かつ寛解期にある限り、血液を、3ヶ月毎に得る。
毒性/副作用
提案されるワクチンの予想される安全性は、卵巣癌を含む様々な悪性腫瘍を有する患者における、同一の抗原を利用する多価単量体ワクチン(単分子構築物を使用しない)を用いた臨床経験の蓄積に基づく。個々の構成要素でのワクチン接種は、前述のように良好な耐容性を示している(Gilewski T,Ragupathig,Bhuta S,et al.Proc Natl Acad Sci USA 98:3270−5,2001、Helling F,Zhang S,Shang A,et al.Cancer Res 55:2783−8,1995、Slovin SF,Ragupathig,Musselli C,et al.Cancer Immunol Immunother 54:694−702,2005、Slovin SF,Ragupathig,Musselli C,et al.J Clin Oncol 21:4292−8,2003)。毒性を、国立癌研究所(National Cancer Institute、NCI)によって開発された共通毒性基準バージョン3.0に従って等級化する。
治療応答/結果評価の基準
本研究の主要なエンドポイントは、免疫原性を説明し、毒性を評価し、かつ複数の用量レベルにわたって最も低い免疫原性用量を決定することである。主要なエンドポイントではないが、疾患の程度を、病歴および健康診断、CA−125決定、ならびに画像化を用いて評価する。
種々の抗原に対する抗体を、ELISAを用いて、そして適する場合にはヒト腫瘍細胞株に対しFACSを用いて、研究する。
もし可能な場合、ワクチン試験の完了後、疾患進行の徴候が見られるまで、CT画像化により、患者を3ヶ月毎に追跡する。
評価中または結果において、本研究に参加した全ての患者を説明する努力がなされるべきである。全ての患者を、安全性および免疫応答の評価が可能であると見なす。
患者は、本研究の開始時に寛解期にあり、かつ疾患進行の放射線学的徴候のため排除されるか、または以下のようにCA−125基準を利用して排除される。
4回目のワクチン接種の前に疾患進行を有し、かつ進行のみ(すなわち、さもなければDLTと定義される毒性がない)が原因で本研究から排除される患者を、毒性を評価する適切なコホートを有するために置き換える。
研究からの排除の基準
重度の許容し難い副作用、定義される用量制限毒性、定義される治療計画に従わない患者、患者が妊娠した場合、同意の取り消し要請または研究医師が中断することが適切であると感じる場合の任意の時点で、治療を中断することができる。
患者は、疾患進行のため研究から脱退する。疾患進行は以下によって定義することができる:1)疾患再発の検診もしくは放射線学的徴候、または2)正常上限の2倍(すなわち、70U/mL以上)へCA−125が上昇し、第2の試料が70U/mL以上であることによって確認される。生化学的再発による治療失敗までの期間を、第1の試料が70U/mL以上になった日として記録する。
生物統計学
これは、KLHに接合され、かつ免疫学的アジュバントQS−21と混合される、単一のポリペプチド骨格上にGlobo−H、GM2、sTn、TF、およびTnを担持する単分子五価炭水化物ベースのワクチンの安全性ならびに免疫原性を評価するように設計された第I相試験である。これは、これらの個々の抗原ならびにこれらの抗原を発現する腫瘍細胞に対するIgGおよびIgM抗体応答を誘導する。3つの五価ワクチン用量(25mcg、50mcg、および10または100mcg)のうちの1つに6名の患者を得、6名の患者の拡張コホートを、安全性が満たされる最も低い免疫原性用量レベルで登録する。それぞれの用量レベルで別々に安全性および免疫応答をさらに評価するために、用量レベル毎に6名の患者を得る。この試験のために約24名の患者を得る。第3の用量レベル(10または100mcg)を、最初の2つの用量レベルに対する血清学的応答に基づいて選択し、調製する。
次のコホートに進むかは、所与のコホートで観察される1つ以下のDLTに基づく。1つ以下のDLTが観察される場合、次の用量への増大が生じる。2名の患者がDLTを経験する場合、以前の用量レベルが安全であると見なされ、免疫応答がさらに考慮される。例えば、2つ以上のDLTが25mcgレベルで見られる場合、プロトコルは、10mcgに減少する。
この試験の主要なエンドポイントは、複数の抗原ワクチンに対する免疫学的応答(IR)を評価することである。患者は、23週までのフォローアップ時点のうちのいずれかで、ワクチンの5つの抗原のうちの少なくとも3つに対して血清学的応答を呈する場合、応答者であると見なされる。構成要素毎の血清学的応答は、1)検出可能なベースライン力価を有しない患者について、ELISAによる1:80以上の抗体力価、および2)検出可能なベースライン力価を有する患者について、ELISAによるベースラインの8倍以上増の抗体力価と定義される。応答者の割合を、それぞれの用量レベルについて推定する。
応答の最大数は、30である(6名の患者×5つの抗原)。用量レベル25mcgおよび50mcgの両方が安全であると見なされる場合、かつ2つの連続した用量レベルの30個の起こりうる結果のうち5つ以下の応答の差が観察され、6名の患者のうちの少なくとも5名が25mcgで応答する場合、用量レベル10mcgへの減少が生じる。さもなければ、隣接する用量レベルの間の差が、30個のうち5つを超えるか、または4名以下の患者が応答する場合、次のコホートは、100mcgで登録される。IRの差が30個のうち5つ以下であり、かつ両方の用量レベルが6名の患者のうちの少なくとも5名を応答させる、2つの連続した用量レベルのうち最も低い用量は、最も低い免疫原性用量レベルと定義される。
最も低い免疫原性用量レベルで12名の患者を得て、12名の患者のうちの少なくとも7名が、免疫応答基準に基づいて、3つ以上の抗原への応答者である場合、本研究は、肯定的であると見なされる。この計算は、帰無仮説(すなわち、活性なし)下での免疫応答の確率が、0.75の代替仮説(すなわち、目標とする応答確率)の確率に対して、0.35であることを想定する。一段二項割合試験(single stage binomial proportion test)を使用して、タイプIエラーを8%で設定し、タイプIIエラーを5%で設定する。7名未満の患者がIRを有する場合、本研究は、この集団におけるIR比率が35%以下であることを結論付ける(Yao TJ,Begg CB,Livingston P,Optimal sample size for a series of pilot trials of new agents.Biometrics,52(3):992−1001,1996)。
無進行生存期間は、1回目のワクチン接種から疾患進行または死までと定義される。カプラン・マイヤー方法論を用いて、PFSを推定する。DLTを、最大7週目(すなわち、4回目のワクチン接種)で決定し、1つ未満のDLTが、6名の登録患者のうち1名において7週目で観察される場合、次のコホートを登録することができる。

Claims (34)

  1. 卵巣癌に罹患するヒト対象における卵巣癌を治療するための組成物であって、治療的に有効な量の免疫原性複合糖質を含み、前記免疫原性複合糖質は、以下の構造を有し、
    式中、tは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に付着した糖ペプチド基の数であり、tは80〜1200である
    組成物。
  2. 前記治療的に有効な量は、腫瘍成長を阻害するのに有効な量を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記治療的に有効な量は、前記炭水化物抗原のそれぞれを認識する抗体を誘発するのに有効な量を含む、請求項に記載の組成物。
  4. 前記治療的に有効な量は、1つ以上の固形腫瘍を治療するのに有効な量である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記対象は、臨床的寛解期にあるか、または前記対象が手術によって治療された場合、限定された切除不能な疾患を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記組成物は、1つ以上の免疫学的アジュバントと組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記1つ以上の免疫学的アジュバントのうちの少なくとも1つは、サポニンアジュバントである、請求項に記載の組成物。
  8. 前記アジュバントは、QS−21である、請求項に記載の組成物。
  9. 前記1つ以上の免疫学的アジュバントのうちの少なくとも1つは、細菌またはリポソームである、請求項に記載の組成物。
  10. 前記アジュバントは、サルモネラ・ミネソタ細胞またはカルメット・ゲラン桿菌である、請求項に記載の組成物。
  11. 前記組成物は、薬学的に好適な担体と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  12. tは、200〜800である、請求項に記載の組成物。
  13. tは、少なくとも300である、請求項に記載の組成物。
  14. tは、少なくとも400である、請求項に記載の組成物。
  15. tは、少なくとも500である、請求項に記載の組成物。
  16. tは、500〜800である、請求項に記載の組成物。
  17. 卵巣癌に罹患するヒト対象における抗体を誘導するための組成物であって、前記抗体は、ヒト卵巣腫瘍細胞に特異的に結合することができ、前記組成物は、免疫原性複合糖質を含み、前記免疫原性複合糖質は、以下の構造を有し
    式中、tは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に付着した糖ペプチド基の数であり、tは80〜1200である
    組成物。
  18. 誘導された前記抗体は、Globo−H、STN、Tn、TF、およびGM2からなる群から選択される前記炭水化物決定基のうちの少なくとも3つを認識する、請求項17に記載の組成物。
  19. 生成された前記抗体は、前記糖ペプチド上に存在する前記炭水化物決定基のそれぞれを認識する、請求項17に記載の組成物。
  20. 治療的に有効な量の前記組成物が前記ヒト対象に投与される、請求項17に記載の組成物。
  21. 前記治療的に有効な量は、腫瘍成長を阻害するのに有効な量を含む、請求項0に記載の組成物。
  22. 前記治療的に有効な量は、1つ以上の固形腫瘍を治療するのに有効な量である、請求項0に記載の組成物。
  23. 前記ヒト対象は、臨床的寛解期にあるか、または前記対象が手術によって治療された場合、限定された切除不能な疾患を有する、請求項17に記載の組成物。
  24. 前記組成物は、1つ以上の免疫学的アジュバントと組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1723のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記1つ以上の免疫学的アジュバントのうちの少なくとも1つは、サポニンアジュバントである、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記アジュバントは、QS−21である、請求項24に記載の組成物。
  27. 前記1つ以上の免疫学的アジュバントのうちの少なくとも1つは、細菌またはリポソームである、請求項24に記載の組成物。
  28. 前記アジュバントは、サルモネラ・ミネソタ細胞またはカルメット・ゲラン桿菌である、請求項24に記載の組成物。
  29. 前記組成物は、薬学的に好適な担体と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1728のいずれか一項に記載の組成物。
  30. tは、200〜800である、請求項17に記載の組成物。
  31. tは、少なくとも300である、請求項17に記載の組成物。
  32. tは、少なくとも400である、請求項17に記載の組成物。
  33. tは、少なくとも500である、請求項17に記載の組成物。
  34. tは、500〜800である、請求項17に記載の組成物。
JP2013514400A 2010-06-11 2011-06-10 多価糖ペプチド構築物およびその使用 Expired - Fee Related JP6050227B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US35372210P 2010-06-11 2010-06-11
US61/353,722 2010-06-11
PCT/US2011/040074 WO2011156774A2 (en) 2010-06-11 2011-06-10 Multivalent glycopeptide constructs and uses thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013528229A JP2013528229A (ja) 2013-07-08
JP2013528229A5 JP2013528229A5 (ja) 2014-07-24
JP6050227B2 true JP6050227B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=45098716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013514400A Expired - Fee Related JP6050227B2 (ja) 2010-06-11 2011-06-10 多価糖ペプチド構築物およびその使用

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9493580B2 (ja)
EP (1) EP2579893A4 (ja)
JP (1) JP6050227B2 (ja)
CN (1) CN103108654A (ja)
AU (1) AU2011265184B2 (ja)
CA (1) CA2801922A1 (ja)
NZ (1) NZ604089A (ja)
WO (1) WO2011156774A2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5111705B2 (ja) 1999-08-20 2013-01-09 スローン−ケッタリング インスティトュート フォア キャンサー リサーチ 新規な複合多糖、グリコアミノ酸、これらへの中間体、及びこれらの使用
CA2734348A1 (en) 2008-07-11 2010-01-14 Samuel Danishefsky Glycopeptide constructs and uses thereof
US8900635B2 (en) 2010-11-15 2014-12-02 Humanetics Corporation Nanoparticle isoflavone compositions and methods of making and using the same
AU2013326584B2 (en) * 2012-10-02 2016-12-01 Glaxosmithkline Biologicals Sa Nonlinear saccharide conjugates
TWI611810B (zh) 2013-01-04 2018-01-21 台灣浩鼎生技股份有限公司 具有較高碳水化合物抗原密度之疫苗及其醫藥組成合物
AU2014391422A1 (en) * 2013-09-17 2015-12-17 Obi Pharma, Inc. Compositions of a carbohydrate vaccine for inducing immune responses and uses thereof in cancer treatment
US10738134B2 (en) 2013-09-27 2020-08-11 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Cross-metathesized polysaccharide derivatives and processes for preparing them
US9084726B2 (en) * 2013-11-26 2015-07-21 Humanetics Corporation Suspension compositions of physiologically active phenolic compounds and methods of making and using the same
EP3116887B1 (en) 2014-03-13 2021-02-17 Universität Basel Carbohydrate ligands that bind to igm antibodies against myelin-associated glycoprotein
US10851179B2 (en) 2014-03-14 2020-12-01 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Polysaccharide derivatives and cross-metathesis processes for preparing them
TW201622743A (zh) 2014-03-19 2016-07-01 財團法人臺灣基督長老教會馬偕紀念社會事業基金會馬偕紀念醫院 免疫原醣肽、包含該醣肽之組合物及其用途
JP6590474B2 (ja) * 2014-09-25 2019-10-16 国立大学法人埼玉大学 化学架橋ペプチドの作製方法、その方法を用いて作製した化学架橋ペプチド及びそのペプチドを用いて構築したcDNAディスプレイ法によるペプチドライブラリ
WO2017041027A1 (en) * 2015-09-04 2017-03-09 Obi Pharma, Inc. Glycan arrays and method of use
CA2996073A1 (en) 2015-09-16 2017-03-23 Universitat Basel Carbohydrate ligands that bind to antibodies against glycoepitopes of glycosphingolipids
US10980894B2 (en) 2016-03-29 2021-04-20 Obi Pharma, Inc. Antibodies, pharmaceutical compositions and methods
WO2017172990A1 (en) 2016-03-29 2017-10-05 Obi Pharma, Inc. Antibodies, pharmaceutical compositions and methods
AU2017252128A1 (en) 2016-04-22 2018-11-01 Obi Pharma, Inc. Cancer immunotherapy by immune activation or immune modulation via Globo series antigens
CA3032049C (en) 2016-07-27 2023-11-07 Obi Pharma, Inc. Immunogenic/therapeutic glycan compositions and uses thereof
TWI786054B (zh) 2016-07-29 2022-12-11 台灣浩鼎生技股份有限公司 人類抗體、醫藥組合物、及其方法
EP3541414A4 (en) 2016-11-21 2020-11-11 OBI Pharma, Inc. CONJUGATE BIOLOGICAL MOLECULES, PHARMACEUTICAL COMPOSITIONS AND PROCESSES
TW202035444A (zh) 2018-06-27 2020-10-01 台灣浩鼎生技股份有限公司 用於糖蛋白工程的糖苷合成酶變體及其使用方法

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5576894A (en) 1978-12-05 1980-06-10 Towa Kasei Kogyo Kk Epimerization of aldose
EP0513861B1 (en) 1987-11-03 1997-02-26 Syntex (U.S.A.) Inc. Vaccine adjuvant comprising a tetra-polyol
US6303120B1 (en) 1994-03-15 2001-10-16 Memorial Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Synthesis of glycoconjugates of the lewis y epitope and uses thereof
US5708163A (en) 1994-03-15 1998-01-13 Sloan-Kettering Institute Of Cancer Research Synthesis of the breast tumor-associated antigen defined by monoclonalantibody MBRL and uses thereof
US6184344B1 (en) 1995-05-04 2001-02-06 The Scripps Research Institute Synthesis of proteins by native chemical ligation
AU747899B2 (en) 1997-01-13 2002-05-30 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Colon cancer KH-1 and N3 antigens
JP4308918B2 (ja) 1997-04-16 2009-08-05 スローン−ケッタリング インスティトゥート フォア キャンサー リサーチ (2,6)−STエピトープクラスターを有するα−O−結合複合糖質、その製造方法および使用
US7550146B2 (en) 1997-04-16 2009-06-23 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Glycopeptide conjugates and uses thereof
US6080725A (en) 1997-05-20 2000-06-27 Galenica Pharmaceuticals, Inc. Immunostimulating and vaccine compositions employing saponin analog adjuvants and uses thereof
DE69828507T2 (de) 1997-05-20 2006-01-05 Galenica Pharmaceuticals, Inc. Triterpene-saponin analoga mit adjuvans und immunostimulierender wirkung
JPH1135594A (ja) 1997-07-24 1999-02-09 Meiji Milk Prod Co Ltd ムチン型糖鎖合成中間体
AU745555B2 (en) 1997-09-25 2002-03-21 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Fucosyl GM1-KLH conjugate vaccine against small cell lung cancer
DE19802748A1 (de) 1998-01-26 1999-07-29 Chemtec Leuna Ges Fuer Chemie Verfahren zur enzymatischen Synthese von Glycoaminosäurederivaten
US7018637B2 (en) 1998-02-23 2006-03-28 Aventis Pasteur, Inc Multi-oligosaccharide glycoconjugate bacterial meningitis vaccines
CA2324616A1 (en) 1998-03-25 1999-09-30 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Trimeric antigenic o-linked glycopeptide conjugates, methods of preparation and uses thereof
JP2002516824A (ja) 1998-05-29 2002-06-11 エピミューン, インコーポレイテッド 広範に反応性のdr拘束エピトープの同定
US7854934B2 (en) * 1999-08-20 2010-12-21 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Glycoconjugates, glycoamino acids, intermediates thereto, and uses thereof
US7824687B2 (en) 1999-08-20 2010-11-02 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Clustered multi-antigenic carbohydrate constructs, methods for their preparation, and uses thereof
JP5111705B2 (ja) 1999-08-20 2013-01-09 スローン−ケッタリング インスティトュート フォア キャンサー リサーチ 新規な複合多糖、グリコアミノ酸、これらへの中間体、及びこれらの使用
US7118737B2 (en) 2000-09-08 2006-10-10 Amylin Pharmaceuticals, Inc. Polymer-modified synthetic proteins
AU2002354804A1 (en) * 2001-07-06 2003-01-21 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Polyvalent conjugate vaccine for cancer
JP2006514981A (ja) 2002-12-03 2006-05-18 スローン − ケッタリング インスティチュート フォー キャンサー リサーチ Gp120特異抗原、その結合体;その調製と使用のための方法
WO2004060915A2 (en) 2002-12-03 2004-07-22 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostate specific antigens, conjugates thereof, methods for their preparation and uses thereof.
JP2007527864A (ja) 2003-09-05 2007-10-04 スローン − ケッタリング インスティチュート フォー キャンサー リサーチ 自然に起こる化学的連結による、多官能化ペプチドおよび/またはタンパク質の調製方法
WO2007079448A2 (en) 2006-01-03 2007-07-12 University Of Georgia Research Foundation, Inc. Three component carbohydrate vaccine
AU2007258550B2 (en) 2006-06-08 2013-09-19 University Of Georgia Research Foundation, Inc. Liposome-mediated native chemical ligation
JP2011524375A (ja) 2008-06-16 2011-09-01 アカデミア シニカ GloboHおよびSSEA3に特異的な免疫反応を誘起する組成物および癌治療におけるその使用
CA2734348A1 (en) * 2008-07-11 2010-01-14 Samuel Danishefsky Glycopeptide constructs and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013528229A (ja) 2013-07-08
CN103108654A (zh) 2013-05-15
WO2011156774A2 (en) 2011-12-15
WO2011156774A3 (en) 2012-04-19
CA2801922A1 (en) 2011-12-15
EP2579893A4 (en) 2014-01-01
NZ604089A (en) 2015-03-27
US20130095173A1 (en) 2013-04-18
US9493580B2 (en) 2016-11-15
AU2011265184A1 (en) 2013-01-10
AU2011265184B2 (en) 2016-08-04
EP2579893A2 (en) 2013-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6050227B2 (ja) 多価糖ペプチド構築物およびその使用
JP6770596B2 (ja) トリテルペンであるサポニン、その合成法および使用
US9598466B2 (en) Glycopeptide constructs and uses thereof
KR102424785B1 (ko) 최소 사포닌 유사체, 이의 합성법 및 용도
JP6900385B2 (ja) トリテルペンサポニン類似物
JP2021152043A5 (ja)
JP7177082B2 (ja) トリテルペンサポニン類似物
JP2022191284A (ja) トリテルペンサポニン類似物
AU2014271331A1 (en) Glycopeptide constructs and uses thereof
EP4190359A1 (en) Saponin-based adjuvants and vaccines
WO2023139145A1 (en) Saponin-based adjuvants and vaccines

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150528

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160902

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6050227

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees