JP6047715B2 - 回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法 - Google Patents

回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6047715B2
JP6047715B2 JP2012240044A JP2012240044A JP6047715B2 JP 6047715 B2 JP6047715 B2 JP 6047715B2 JP 2012240044 A JP2012240044 A JP 2012240044A JP 2012240044 A JP2012240044 A JP 2012240044A JP 6047715 B2 JP6047715 B2 JP 6047715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotary atomizing
coating machine
paint
supply
supply paths
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012240044A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014087757A (ja
Inventor
達也 梅本
達也 梅本
藤原 茂樹
茂樹 藤原
山崎 勇
山崎  勇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Trinity Industrial Corp
Original Assignee
Trinity Industrial Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Trinity Industrial Corp filed Critical Trinity Industrial Corp
Priority to JP2012240044A priority Critical patent/JP6047715B2/ja
Publication of JP2014087757A publication Critical patent/JP2014087757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6047715B2 publication Critical patent/JP6047715B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nozzles (AREA)
  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、回転霧化頭を用いて塗料を噴霧する回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法に関するものである。
自動車ボディや自動車部品の塗装においては、厳しい塗装品質が要求されるため、均一で高品質の塗装を行うことができる回転霧化式塗装機が用いられている。この塗装機は、回転霧化頭を備え、回転霧化頭を回転させることで生じる遠心力によって塗料を霧化して噴霧する。
また、例えば自動車ボディの塗装ラインでは、塗装色の異なる自動車ボディが混在して搬送されるため、自動車ボディに応じて色替塗装することができるように回転霧化式塗装機が構成されている。そして、その塗装機において、前色塗料から次色塗料に色替えをする際、洗浄剤を用いて塗装機内の塗料供給経路中に残存した塗料を洗浄することで色混じりを防止している。
図11に示されるように、従来の回転霧化式塗装機31において、塗料供給装置(図示略)から供給される塗料W1は、塗装機本体32内に設けられた1本のフィードチューブ33を通してその先端の開口34から回転霧化頭35(ベルカップ)に供給される。回転霧化頭35は、塗装機本体32内に設けられたエアモータ36により回転される。そして、その遠心力により、回転霧化頭35に付着した塗料W1が均一に展延され、さらに塗料W1が霧化された状態で回転霧化頭35から噴霧される。この構成の回転霧化式塗装機31において、吐出可能な塗料W1の吐出量(吐出可能領域)は、例えば150cc/min〜600cc/minとなっている。また、回転霧化頭35のセンターコーン部37には、色替え洗浄時に使用するセルフクリーニング穴38が形成されている。センターコーン部37は回転の中心部に位置するため、そのセンターコーン部37には遠心力が加わり難い。このため、フィードチューブ33を通じて供給された洗浄剤(シンナーなどの洗浄液)をセルフクリーニング穴38に流すことで、センターコーン部37の洗浄が行われる。セルフクリーニング穴38はテーパ状に貫通形成されており、回転霧化頭35の遠心力によってそのセルフクリーニング穴38内には回転霧化頭35の前面側から背面側に引き込むようなポンピンク効果が作用する。このため、吐出可能領域内の吐出量となるよう設定された塗料W1が開口34からセンターコーン部37に供給された場合、その塗料W1はセルフクリーニング穴38を通過しないようになっている。
因みに、特許文献1,2の回転霧化式塗装機において、フィードチューブとして機能するノズル本体内には、塗料の色毎に異なる複数の塗料ノズルが設けられるとともに、洗浄剤を供給するための洗浄ノズルが設けられている。
特開平9−75789号公報 特開平6−134354号公報
ところで、回転霧化式塗装機31を用いて、例えば自動車ボディを塗装する場合、ボンネットなどの塗装領域が広い場所の塗装では、塗料W1の吐出量を多くし、ピラーなどの塗装領域が狭い場所の塗装では、塗料W1の吐出量を少なくする必要がある。ところが、従来の回転霧化式塗装機31では、吐出可能領域が150cc/min〜600cc/minと狭いため、吐出量の調整を的確に行い塗装品質を向上させることが困難となる場合がある。
具体的に、回転霧化式塗装機31において、フィードチューブ33により小吐出量(150cc/min以下)の塗料W1を供給すると、フィードチューブ33の先端の開口34が広いため、塗料W1の流速が低下する。この場合、塗料W1は開口34から下方に流れ落ちるため、回転霧化頭35のセンターコーン部37に塗料W1を安定して供給できなくなる。このため、回転霧化頭35において塗料W1が均一に展延されなくなり、回転霧化頭35から吐出される霧化塗料の液糸が不均一となることで息継ぎと呼ばれる塗装不良が生じてしまう。
また、回転霧化式塗装機31において、フィードチューブ33により大吐出量(600cc/min以上)の塗料W1を供給すると、フィードチューブ33の開口34が狭いため、塗料W1の供給圧力が高くなる。この場合、その供給圧力が回転霧化式塗装機31の付帯機器であるホースや塗料供給装置等の耐圧を超えてしまうといった問題が生じる。また、フィードチューブ33の開口34から回転霧化頭35に供給される塗料W1の流速が速くなる。このため、セルフクリーニング穴38を通じて塗料W1が飛び出してしまい、スピットと呼ばれる塗装不良が生じる。
特許文献1,2の回転霧化式塗装機では、複数の塗料ノズルが設けられているが、それらは各色専用のノズルとして設けられており、塗料の吐出可能領域を拡大することができない。従って、塗料の吐出可能領域を超えて塗料を吐出する場合、上述した息継ぎやスピットなどの塗装不良が生じてしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗料の吐出可能領域を拡げ、効率よく塗装することができる回転霧化式塗装機を提供することにある。また、別の目的は、上記回転霧化式塗装機を用いて効率よく塗装することができる塗装方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、筒状の塗装機本体と、前記塗装機本体内に設けられたエアモータにより回転される筒部と、その筒部の先端に設けられた回転霧化頭とを備え、前記筒部内においてその軸線方向に延設され、前記回転霧化頭に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成された回転霧化式塗装機であって、前記回転霧化頭に向けて前記塗料を吐出する開口を有する複数の供給経路が形成されるとともに、前記複数の供給経路について前記開口の断面積がそれぞれ異なっており、前記複数の供給経路は、前記開口が前記回転霧化頭のセンターコーン部に向くように、前記筒部の中心線に対して傾斜した状態で形成されていることを特徴とする回転霧化式塗装機をその要旨とする
また、手段2に記載の発明は、筒状の塗装機本体と、前記塗装機本体内に設けられたエアモータにより回転される筒部と、その筒部の先端に設けられた回転霧化頭とを備え、前記筒部内においてその軸線方向に延設され、前記回転霧化頭に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成された回転霧化式塗装機であって、前記回転霧化頭に向けて前記塗料を吐出する開口を有する複数の供給経路が形成されるとともに、前記複数の供給経路について前記開口の断面積がそれぞれ異なっており、前記複数の供給経路のうち、前記開口の断面積が最も大きい供給経路が前記筒部の中心部に配設され、その周囲にそれ以外の供給経路が配設されていることを特徴とする回転霧化式塗装機をその要旨とする。
手段1、2に記載の発明によると、断面積がそれぞれ異なる開口を有する複数の供給経路が形成されており、それら供給経路の開口から回転霧化頭に向けて塗料が吐出される。ここで、塗装機における塗料の吐出量を変える場合、その吐出量に応じた断面積の開口を有する1つまたは複数の供給経路を選択して塗料を吐出すると、小吐出量から大吐出量の塗料を安定して回転霧化頭に供給することができる。従って、本発明の回転霧化式塗装機を用いれば、従来技術と比較して下限側や上限側の吐出可能領域を拡げた場合でも、塗装不良(息継ぎやスピット等)を回避することができ、均一で高品質の塗装を行うことができる
さらに手段1に記載の発明では、前記複数の供給経路は、前記開口が前記回転霧化頭のセンターコーン部に向くように、前記筒部の中心線に対して傾斜した状態で形成されている。各供給経路を介して供給される塗料は、開口から回転霧化頭のセンターコーン部に向けて吐出されるので、回転霧化頭の遠心力によって塗料を確実に噴霧することができる。従って、回転霧化式塗装機の塗装品質をより向上させることができる。
ここで、回転霧化式塗装機は、塗装対象となる塗装部品の種類や形状などによっては、開口の断面積が小さい供給経路よりも開口の断面積が大きい供給経路の方が使用頻度が高くなる場合がある。この場合、手段2に記載の発明のように、開口の断面積が最も大きい供給経路を筒部の中心部に配設すると、その供給経路の開口から回転霧化頭のセンターコーン部に向けて確実に塗料を吐出することができる。また、開口の断面積が小さい供給経路は、大きい供給経路よりも開口の向きを容易に傾斜させることが可能であり、開口の向きを傾斜させることで、回転霧化頭のセンターコーン部に向けて確実に塗料を吐出することができる。なお、手段2に記載の発明において、前記複数の供給経路は、前記開口が前記回転霧化頭のセンターコーン部に向くように、前記筒部の中心線に対して傾斜した状態で形成されていてもよい(手段3)。
手段に記載の発明は、手段1乃至3のいずれか1項において、前記複数の供給経路は、前記筒部の中空部内に収容されるとともに、内径がそれぞれ異なる複数本のフィードチューブにより構成されていることをその要旨とする。
手段に記載の発明によると、塗料の吐出量に応じて塗料供給に使用するフィードチューブを選択的に切り換えることで、小吐出量から大吐出量の塗料を安定して回転霧化頭に供給することができる。
手段に記載の発明は、手段1乃至3のいずれか1項において、前記複数の供給経路は、前記筒部に収納される経路形成用部材を穴加工することで形成されるとともに、内径がそれぞれ異なる複数本の透孔により構成されていることをその要旨とする。
手段に記載の発明によると、経路形成用部材において塗料の吐出量に応じて塗料供給に使用する透孔を選択的に開閉させることで、小吐出量から大吐出量の塗料を安定して回転霧化頭に供給することができる。
手段6に記載の発明は、筒状の塗装機本体と、前記塗装機本体内に設けられたエアモータにより回転される筒部と、その筒部の先端に設けられた回転霧化頭とを備え、前記筒部内においてその軸線方向に延設され、前記回転霧化頭に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成された回転霧化式塗装機であって、前記回転霧化頭に向けて前記塗料を吐出する開口を有する複数の供給経路が形成されるとともに、前記複数の供給経路について前記開口の断面積がそれぞれ異なっていることを特徴とする回転霧化式塗装機を用いて塗装を行う方法であって、小吐出量領域では、それぞれ断面積が異なる開口を有する複数の供給経路のうちから選択される1つのものを使用して回転霧化頭に塗料を供給する一方、大吐出量領域では、前記複数の供給経路のうちから選択される2つ以上のものを組み合わせて同時に使用して前記回転霧化頭に塗料を供給することを特徴とする塗装方法をその要旨とする。
手段6に記載の発明によると、その時々の塗料の吐出量に応じて複数の供給経路のうちから使用する供給経路を選択することで、小吐出量から大吐出量の塗料を安定して回転霧化頭に供給することができる。従って、本発明の塗装方法によれば、従来技術と比較して下限側や上限側の吐出可能領域を拡げた場合でも、塗装不良(息継ぎやスピット等)を回避することができ、均一で高品質の塗装を行うことができる。
以上詳述したように、手段1〜6に記載の発明によると、回転霧化式塗装機における塗料の吐出可能領域を拡げることができ、効率よく塗装することができる。
一実施の形態の回転霧化式塗装機を示す側面図。 一実施の形態の回転霧化式塗装機を示す要部断面図。 各フィードチューブの供給経路を示す断面図。 回転霧化頭及び複数本のフィードチューブの先端部分を示す拡大断面図。 複数本のフィードチューブの先端部分を示す正面図。 小量の塗料吐出時の状態を示す説明図。 大量の塗料吐出時の状態を示す説明図。 別の実施の形態の複数の供給経路を示す断面図。 別の実施の形態の複数の供給経路を示す断面図。 別の実施の形態の複数本のフィードチューブの先端部分を示す側面図。 従来の回転霧化式塗装機を示す要部断面図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施の形態の回転霧化式塗装機1は、例えば自動車ボディの塗装を行うための静電塗装機であり、ロボットアーム2の先端に装着されている。そして、図示しない制御装置がロボットアーム2を駆動制御することにより、回転霧化式塗装機1から噴霧される塗料の吹き付け方向や位置が変更される。
図2に示されるように、回転霧化式塗装機1は、筒状の塗装機本体11と、塗装機本体11内に設けられたエアモータ12により回転される中空の筒部13と、筒部13の先端に設けられた回転霧化頭14(ベルカップ)と、筒部13の中空部内においてその軸線方向に延設される複数のフィードチューブ15a〜15cとを備える。図3に示されるように、本実施の形態では、チューブ収納用の配管16内に、三本のフィードチューブ15a〜15cが収納され、樹脂製固定部材17(または樹脂充填部材)によってフィードチューブ15a〜15cがそれぞれ離間した状態で固定されている。また、図4に示されるように、筒部13は、円筒形状に形成されており、筒部13内において、各フィードチューブ15a〜15cを収納した配管16が筒部13の内面に接触しないように配置されている。さらに、各フィードチューブ15a〜15cは、先端側(図2及び図4では左側)の一部が配管16の開口から突出した状態で配置されている。
図3〜図5に示されるように、各フィードチューブ15a〜15cには、回転霧化頭14に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路18a〜18cが形成されている。各供給経路18a〜18cにおいて、先端側(図4では左側)には回転霧化頭14に向けて塗料や洗浄剤を吐出する開口19a〜19cを有している。各フィードチューブ15a〜15cの先端部における各供給経路18a〜18cは、各開口19a〜19cが回転霧化頭14のセンターコーン部23に向くように、筒部13の中心線L0に対して傾斜した状態で形成されている。さらに、回転霧化頭14において、各供給経路18a〜18cの開口19a〜19cと対向するセンターコーン部23には、セルフクリーニング穴24が形成されている。
図2に示されるように、各フィードチューブ15a〜15cの基端側(図2では右側)は、バルブ装置26を介して塗料供給装置27に接続されている。バルブ装置26及び塗料供給装置27は、塗装機本体11においてエアモータ12の後側に収納されている。
塗料供給装置27は、図示しない制御装置の制御信号に基づいて、所定量の塗料や洗浄剤をバルブ装置26を介して各供給経路18a〜18cに吐出するよう構成されている。具体的には、塗料供給装置27は、供給する塗料を異なる色の塗料に切り換えたり塗料から洗浄剤に切り換えたりするバルブや配管等を備えている。また、塗料供給装置27は、塗料や洗浄剤の吐出量を調整するためのポンプ等を備える。さらに、塗装機本体11には、回転霧化頭14に印加するための高電圧(例えば、−90kV)を発生する電圧印加手段としての高電圧発生器(図示略)が設けられている。この高電圧発生器によって回転霧化頭14に高電圧が印加され、回転霧化頭14で霧化された塗料粒子が帯電された状態で噴霧されるようになっている。
バルブ装置26は、各フィードチューブ15a〜15cの各供給経路18a〜18cを開閉させる複数のバルブ(図示略)を備えている。バルブ装置26は、その時々の塗装領域に応じた塗料を供給するために複数の供給経路18a〜18cを選択的に開閉させる。図3及び図5に示されるように、各フィードチューブ15a〜15cにおける各供給経路18a〜18cはそれぞれ内径(開口19a〜19cの断面積)が異なっている。具体的には、フィードチューブ15aの供給経路18aは小口径の経路であり、フィードチューブ15bの供給経路18bは中口径の経路であり、フィードチューブ15cの供給経路18cは大口径の経路である。
本実施の形態では、これら小口径の供給経路18a、中口径の供給経路18b及び大口径の供給経路18cを選択的に使用して塗料を供給することで、各供給経路18a〜18cの開口19a〜19cを介して吐出可能な塗料の吐出量(吐出可能領域)を広く設定している。
表1には、各供給経路18a〜18cの一本ずつ使用した場合の吐出可能領域(吐出量)、及び各供給経路18a〜18cを組み合わせて使用した場合の吐出可能領域(吐出量)を示している。表1に示されるように、小口径の供給経路18aの吐出可能領域は、80cc/min〜400cc/minであり、中口径の供給経路18bの吐出可能領域は、150cc/min〜600cc/minである。また、大口径の供給経路18cの吐出可能領域は、300cc/min〜1000cc/minである。本実施の形態の回転霧化式塗装機1では、各供給経路18a〜18cを選択的に使用することで、吐出可能領域は、80cc/min以上2000cc/min以下となる。従って、回転霧化式塗装機1の吐出可能領域は、一本の中口径のフィードチューブを使用した従来の塗装機31の吐出可能領域(150cc/min〜600cc/min)よりも広くなる。
Figure 0006047715
次に、本実施の形態の回転霧化式塗装機1の作用について説明する。
先ず、回転霧化式塗装機1を用いて自動車ボディにおけるピラーなどの塗装領域が狭い場所の塗装を行う場合、塗料供給装置27から供給する塗料の供給量が、小吐出量領域である80cc/minに設定される。この場合、図示しない制御装置の制御信号に基づいてバルブ装置26が駆動され、各フィードチューブ15a〜15cにおける各供給経路18a〜18cのうちから小口径の供給経路18aのみが選択され、その供給経路18aが開状態とされる。そして、図6に示されるように、供給経路18aを使用して開口19aから回転霧化頭14に塗料W1が供給される。このとき、開口19aは断面積が小さいため、80cc/minといった少量の塗料W1でも所定の速度以上の流速で開口19aから塗料W1が吐出され、回転霧化頭14のセンターコーン部23に確実に供給される。この結果、回転霧化頭14において、塗料W1が均一に展延されて霧化される。そして、霧化された塗料W1が回転霧化頭14から均一に噴霧されることで、自動車ボディにおいて塗装領域の狭い場所がムラがなく均一に塗装される。
一方、回転霧化式塗装機1を用いて自動車ボディにおけるボンネットなどの塗装領域が広い場所の塗装を行う場合、塗料供給装置27から供給する塗料W1の供給量が、大吐出量領域である2000cc/minに設定される。この場合、図示しない制御装置の制御信号に基づいてバルブ装置26が駆動され、各フィードチューブ15a〜15cにおける各供給経路18a〜18cの全てが選択されて各供給経路18a〜18cが開状態とされる。そして、図7に示されるように、3本の供給経路18a〜18cを使用して各開口19a〜19cから回転霧化頭14に塗料W1が供給される。このとき、開口19a〜19cの合計の断面積は十分に広いため、2000cc/minの大量の塗料W1でも所定の速度以下の流速で開口19a〜19cから塗料W1が吐出され、回転霧化頭14のセンターコーン部23に供給される。ここで、塗料W1の流速が適度に抑えられるため、塗料W1はセルフクリーニング穴24を通過することなく回転霧化頭14において確実に霧化される。そして、霧化された塗料W1が回転霧化頭14から均一に噴霧されることで、自動車ボディにおいて塗装領域の広い場所が効率よく均一に塗装される。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の回転霧化式塗装機1では、複数本のフィードチューブ15a〜15cによって、断面積がそれぞれ異なる開口19a〜19cを有する複数の供給経路18a〜18cが形成されている。この回転霧化式塗装機1において、1つまたは複数の供給経路18a〜18cを選択して塗料W1を吐出することにより、小吐出量から大吐出量の塗料W1を安定して回転霧化頭14に供給することができる。従って、本実施の形態の回転霧化式塗装機1を用いれば、従来技術と比較して吐出可能領域を拡げることができ、塗装不良(息継ぎやスピット等)のない均一で高品質の塗装を行うことができる。
(2)本実施の形態の回転霧化式塗装機1では、複数の供給経路18a〜18cは、開口19a〜19cが回転霧化頭14のセンターコーン部23に向くように、筒部13の中心線L0に対して傾斜した状態で形成されている。このようにすると、各供給経路18a〜18cを介して供給される塗料W1は、開口19a〜19cから回転霧化頭14のセンターコーン部23に向けて吐出されるので、回転霧化頭14の遠心力によって塗料W1を確実に噴霧することができる。従って、回転霧化式塗装機1の塗装品質をより向上させることができる。
(3)本実施の形態の回転霧化式塗装機1において、2000cc/minといった大量の塗料W1を吐出する際に、3本の供給経路18a〜18cの全てが開状態とされて、各開口19a〜19cから回転霧化頭14に塗料W1が供給される。この場合、開口19a〜19cの合計の断面積は十分に広いため、塗料W1の供給圧力が塗料供給装置27等の耐圧を超えることがなく、回転霧化式塗装機1を確実に稼動させることができる。
(4)本実施の形態の回転霧化式塗装機1において、断面積がそれぞれ異なる開口19a〜19cを有する複数の供給経路18a〜18cが形成されている。この場合、断面積が同じ開口を有する複数の供給経路を形成する場合と比較して、供給経路やその経路を開閉させるバルブの数を増加させることなく吐出可能領域を確実に拡大させることができる。さらに、塗料W1の吐出量に応じた各供給経路18a〜18cの開閉制御がシンプルになるため、回転霧化式塗装機1における装置コストを抑えることができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態の回転霧化式塗装機1では、内径がそれぞれ異なる複数本のフィードチューブ15a〜15cによって複数の供給経路18a〜18cが構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図8に示されるように、円柱状の経路形成用部材28を穴加工することで内径がそれぞれ異なる複数本の透孔を形成し、それら複数本の透孔により複数の供給経路18a〜18cを構成してもよい。この経路形成用部材28は、各フィードチューブ15a〜15cと同様に、筒部13の中空部に収納され、回転霧化頭14と対向する先端側には、各供給経路18a〜18cについて断面積の異なる開口19a〜19cを有している。また、経路形成用部材28における各供給経路18a〜18cの基端側は、バルブ装置26に接続されており、そのバルブ装置26によって各供給経路18a〜18cが選択的に開閉されるように構成される。このように構成しても、小吐出量から大吐出量の塗料W1を安定して回転霧化頭14に供給することができる。
また、経路形成用部材28では、複数の数の供給経路18a〜18cのうち、開口19cの断面積が最も大きい供給経路18cが筒部13の中心部に配設され、その周囲にそれ以外の供給経路18a,18cが配設されている。この回転霧化式塗装機を用いて自動車ボディを塗装する場合、開口19a,19bの断面積が小さい供給経路18a,18bよりも開口19cの断面積が大きい供給経路18cの方が使用頻度が高くなる。従って、開口19cの断面積が最も大きい供給経路18cを筒部13の中心部に配設すると、その供給経路18cの開口19cから回転霧化頭14のセンターコーン部23に向けて確実に塗料W1を吐出することができる。また、開口19a,19bの断面積が小さい供給経路18a,18bは、大きい供給経路18cよりも開口19a,19bの向きを容易に傾斜させることが可能であり、その向きを傾斜させることで、回転霧化頭14のセンターコーン部23に向けて確実に塗料W1を吐出することができる。なお、開口19aの断面積が小さい供給経路18aの使用頻度が高い場合、複数の供給経路18a〜18cのうち、開口19aの断面積が最も小さい供給経路18aを筒部13の中心部に配設し、その周囲にそれ以外の供給経路18b,18cを配設するよう回転霧化式塗装機を構成してもよい。
・上記実施の形態の回転霧化式塗装機1では、断面が円形の供給経路18a〜18cが形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図9に示される経路形成用部材28のように、円形の供給経路18cに加え、三日月状の断面を有する複数の供給経路18d,18eを形成してもよい。さらに、三角形や四角形などの多角形状の断面を有する複数の供給経路を形成してもよい。なおこの場合、複数の供給経路において、三日月の欠け具合や多角形状のサイズや形状などを変形して、断面積がそれぞれ異なる開口を形成する。このように各供給経路を形成しても、塗料供給に使用する各供給経路を選択的に開閉することにより、小吐出量から大吐出量の塗料W1を安定して回転霧化頭14に供給することが可能となる。
・上記実施の形態の回転霧化式塗装機1では、各供給経路18a〜18cの開口19a〜19cは、筒部13の中心線L0に直交する平面上に開口形成されていたが、これに限定されるものではない。各供給経路18a〜18cにおいて、例えば注射針先端の開口のように中心線L0に対して傾斜するよう開口19a〜19cを形成してもよい。
・上記実施の形態の回転霧化式塗装機1では、各供給経路18a〜18cの開口19a〜19cは、回転霧化頭14に対して等間隔の位置に配置されるものであったが、これに限定されるものではなく、図10に示されるように、それぞれ異なる間隔を離した位置に開口19a〜19cを設けてもよい。なお、図10では、開口19cの断面積が最も大きい大口径の供給経路18cの開口端が、それよりも開口19a,19bの断面積が小さい小口径及び中口径の供給経路18a,18bの開口端よりも回転霧化頭14側(図10では左側)に近接した位置に配置されている。なお、中口径の供給経路18bの開口端は、小口径の供給経路18aの開口端と大口径の供給経路18cの開口端との中間位置に配置されている。このようにすると、使用頻度が高い大口径の開口19cからセンターコーン部23に向けて確実に塗料W1を吐出することが可能となる。
・上記実施の形態の回転霧化式塗装機1では、各供給経路18a〜18cの開口19a〜19cを介して吐出可能な塗料W1の吐出量(吐出可能領域)は、80cc/min以上2000cc/min以下であったが、これに限定されるものではない。塗装部品のサイズや形状に応じた適切な吐出量となるよう、供給経路18a〜18cの本数、各開口19a〜19cの形状やサイズなどを適宜変更してもよい。
・上記実施の形態の回転霧化式塗装機1は、自動車ボディを塗装するものであったが、バンパーなどの自動車部品やそれ以外の部品を塗装してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1乃至5のいずれかにおいて、前記複数の供給経路を開閉させるバルブ装置を備え、前記バルブ装置は、その時々の塗装領域に応じた塗料を供給するために前記複数の供給経路を選択的に開閉させることを特徴とする回転霧化式塗装機。
(2)手段1乃至5のいずれかにおいて、前記複数の供給経路のうち、前記開口の断面積が最も大きい供給経路の開口端が、それよりも前記開口の断面積が小さい他の供給経路の開口端よりも前記回転霧化頭側に近接して設けられていることを特徴とする回転霧化式塗装機。
(3)手段1乃至5のいずれかにおいて、1つまたは複数の前記供給経路の開口を介して吐出可能な前記塗料の吐出量は、80cc/min以上2000cc/min以下であることを特徴とする回転霧化式塗装機。
(4)手段1乃至5のいずれかにおいて、前記回転霧化頭に高電圧を印加する電圧印加手段を備え、前記回転霧化頭で霧化された塗料粒子が帯電された状態で噴霧されることを特徴とする回転霧化式塗装機。
(5)手段1乃至5のいずれかにおいて、前記複数の供給経路は、前記筒部の中空部内に収容されるとともに、口径がそれぞれ異なる大口径、中口径及び小口径の開口を有する3本のフィードチューブにより構成されていることを特徴とする回転霧化式塗装機。
1…回転霧化式塗装機
11…塗装機本体
12…エアモータ
13…筒部
14…回転霧化頭
15a〜15c…フィードチューブ
18a〜18e…供給経路
19a〜19c…開口
23…センターコーン部
28…経路形成用部材
L0…中心線
W1…塗料

Claims (6)

  1. 筒状の塗装機本体と、前記塗装機本体内に設けられたエアモータにより回転される筒部と、その筒部の先端に設けられた回転霧化頭とを備え、前記筒部内においてその軸線方向に延設され、前記回転霧化頭に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成された回転霧化式塗装機であって、
    前記回転霧化頭に向けて前記塗料を吐出する開口を有する複数の供給経路が形成されるとともに、前記複数の供給経路について前記開口の断面積がそれぞれ異なっており、
    前記複数の供給経路は、前記開口が前記回転霧化頭のセンターコーン部に向くように、前記筒部の中心線に対して傾斜した状態で形成されている
    ことを特徴とする回転霧化式塗装機。
  2. 筒状の塗装機本体と、前記塗装機本体内に設けられたエアモータにより回転される筒部と、その筒部の先端に設けられた回転霧化頭とを備え、前記筒部内においてその軸線方向に延設され、前記回転霧化頭に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成された回転霧化式塗装機であって、
    前記回転霧化頭に向けて前記塗料を吐出する開口を有する複数の供給経路が形成されるとともに、前記複数の供給経路について前記開口の断面積がそれぞれ異なっており、
    前記複数の供給経路のうち、前記開口の断面積が最も大きい供給経路が前記筒部の中心部に配設され、その周囲にそれ以外の供給経路が配設されている
    ことを特徴とする回転霧化式塗装機。
  3. 前記複数の供給経路は、前記開口が前記回転霧化頭のセンターコーン部に向くように、前記筒部の中心線に対して傾斜した状態で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の回転霧化式塗装機。
  4. 前記複数の供給経路は、前記筒部の中空部内に収容されるとともに、内径がそれぞれ異なる複数本のフィードチューブにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転霧化式塗装機。
  5. 前記複数の供給経路は、前記筒部に収納される経路形成用部材を穴加工することで形成されるとともに、内径がそれぞれ異なる複数本の透孔により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転霧化式塗装機。
  6. 筒状の塗装機本体と、前記塗装機本体内に設けられたエアモータにより回転される筒部と、その筒部の先端に設けられた回転霧化頭とを備え、前記筒部内においてその軸線方向に延設され、前記回転霧化頭に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成された回転霧化式塗装機であって、前記回転霧化頭に向けて前記塗料を吐出する開口を有する複数の供給経路が形成されるとともに、前記複数の供給経路について前記開口の断面積がそれぞれ異なっていることを特徴とする回転霧化式塗装機を用いて塗装を行う方法であって、
    小吐出量領域では、それぞれ断面積が異なる開口を有する複数の供給経路のうちから選択される1つのものを使用して回転霧化頭に塗料を供給する一方、
    大吐出量領域では、前記複数の供給経路のうちから選択される2つ以上のものを組み合わせて同時に使用して前記回転霧化頭に塗料を供給する
    ことを特徴とする塗装方法。
JP2012240044A 2012-10-31 2012-10-31 回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法 Expired - Fee Related JP6047715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012240044A JP6047715B2 (ja) 2012-10-31 2012-10-31 回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012240044A JP6047715B2 (ja) 2012-10-31 2012-10-31 回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014087757A JP2014087757A (ja) 2014-05-15
JP6047715B2 true JP6047715B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=50790167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012240044A Expired - Fee Related JP6047715B2 (ja) 2012-10-31 2012-10-31 回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6047715B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2776951B2 (ja) * 1990-03-29 1998-07-16 マツダ株式会社 回転霧化静電塗装装置
JP3182062B2 (ja) * 1995-09-13 2001-07-03 エービービー株式会社 回転霧化頭型塗装機
JPH09122543A (ja) * 1995-10-27 1997-05-13 Abb Ind Kk 回転霧化頭型静電塗装機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014087757A (ja) 2014-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4428973B2 (ja) 回転霧化塗装装置および塗装方法
JP5733996B2 (ja) 回転霧化式塗装装置
JP2017185491A (ja) 吹付塗装装置およびシステム
JP4554334B2 (ja) 回転霧化頭および回転霧化塗装装置
JPH09117697A (ja) 噴霧塗装装置
CA2988061C (en) Painting device
US20080047591A1 (en) Bell cup cleaning system and method
JP6005497B2 (ja) 回転霧化頭式塗装機
JP5378238B2 (ja) 塗装装置
JP5653874B2 (ja) 塗装装置及びそれを用いた塗装方法
JP6047715B2 (ja) 回転霧化式塗装機及びそれを用いた塗装方法
JP2002224611A (ja) 塗装方法
JP2007000826A (ja) ベル型塗装装置
JP5981304B2 (ja) 回転霧化式塗装機
JP2005177607A (ja) 回転霧化塗装装置
JP5684672B2 (ja) 塗装方法及び塗装装置
JP2011194304A (ja) 接着剤塗布装置
JP5812967B2 (ja) 塗装ガン及び塗装方法
JP6944883B2 (ja) 塗装用ノズル
JP2011206640A (ja) 回転霧化塗装機
JP5653875B2 (ja) 塗装装置
JP6810549B2 (ja) 塗装ガン洗浄装置
JP5736273B2 (ja) 塗装方法及び塗装装置
JP2013000611A (ja) 回転霧化式塗装装置
JP5474638B2 (ja) 静電塗装方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161012

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20161003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6047715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees