JP6047462B2 - 浴室壁面の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浴室壁面の施工方法に関する。
近年、一戸建てやマンション等の住宅、老人保健施設、介護福祉施設、病院等の施設で、リフォームが盛んに行われている。
これらの建物においては、部屋や廊下だけでなく浴室のリフォームも求められている。その理由として、浴室の側壁や天井は汚れやすく、カビも繁殖しやすいことから、簡単に浴室の壁や天井をリフォームする方法が種々検討されている。
また、近年では、その施工の容易性の点から、浴室にユニットバスが用いられる場合が多くなってきている。ユニットバスとは、一般に、浴室を構成するためのFRPなどの硬質樹脂製の床パネル、側壁パネル、天井パネル、浴槽、洗面器等や、これらに付随する換気設備、電気設備等を適宜組み合わせ、予め一体に組み込んで構成されたものをいう(例えば特許文献1参照)。このようなユニットバスにおいて、硬質樹脂製の壁部は冬場には表面温度が低くなり易いので、接触温感の高い壁材が求められる場合もある。
このような浴室の側壁や天井をリフォームする方法としては、従来、ユニットバスを交換するか、再塗装を行う方法、既存の壁面および天井面に、陶磁器製、ガラス製のセラミックスのタイルや、硬質樹脂製パネルなどを接着剤で新たに貼設する方法が多く用いられていた。
特開2001−32546号公報
しかしながら、ユニットバスの交換は高額であり、再塗装は、強い臭気が発生し、作業者や周辺住民への健康被害を及ぼすおそれがある。また、陶磁器製、ガラス製のセラミックスのタイルは、数多くのタイルを壁面に貼り付ける必要があり、施工に長時間を要する上に目地の形成などに高度の技術を要する。また、FRP製パネルは、硬いため、切断を丸鋸等で行う必要があり、騒音を発生するため、集合住宅、病院等で使用するには不向きであり、また、柔軟性に乏しいため、被着体面の不陸に対して追従性が悪く、接着し難い、という問題がある。また、タイルやFRP製パネルでは、冬場には表面温度が低くなり易い、という問題は解決し得ない。
そこで、本発明者らは、樹脂シートがタイルやFRP製パネルよりも柔軟性、接触温感に優れていることに着目し、該樹脂シートを壁部に貼り付けることによって、壁面に比較的優れた衛生性、美観、接触温感を付与し、しかも施工性を向上させ得る技術を採用することを考え出した。かかる樹脂シートは、タイルと異なり例えば浴室の側壁一面のような比較的大きい面積を一度に覆っても、柔軟性が高いため、壁下地面の不陸に追随して施工することも可能である。
このような樹脂シートの貼り付け方法としては、例えば、両面に粘着剤層を有する粘着シートを介して壁部に樹脂シートを貼り付ける方法や、樹脂シートに粘着層を形成し、該粘着層を介して壁部に樹脂シートを貼り付ける方法が考えられる。
しかし、粘着層や粘着シートを介して貼り付ける方法では、一度貼り付けてしまうと、位置の調整や貼り直しが困難であること、皺が発生したり空気が入ったりすると取り除くことが困難であることなどが原因で、施工が困難であり、特に、樹脂シートの面積が大きくなるとより施工が難しくなる。
他の貼り付け方法としては、例えば、壁部に接着剤を塗布し、該接着剤を介して壁部に樹脂シートを貼り付ける方法が考えられる。
接着剤を用いて貼り付ける方法では、一度貼っても、接着剤が硬化するまでの間に位置の調整や貼り直しが可能であり、発生した皺や空気も接着剤が硬化するまでの間に取り除くことが可能である。このため、接着剤を用いた施工方法は、粘着層や粘着シートを用いた施工方法よりも、施工性が良好であるといえる。特に、樹脂シートの面積が大きいシートに好適である。
しかし、樹脂シートを十分な接着力で壁部に貼り付けるためには、空気が入り込まないように、不陸に追随させる必要があり、その分、作業時間を要するため、施工効率の低下につながる。
また、壁部に接着剤の塗り残しが存在すると、この塗り残しに起因して接着力が低下し、樹脂シートが剥がれ易くなる。さらには、塗り残し部分に、接着剤からのガスが集まり、樹脂シートに膨れや浮きが発生して、水分が浸入し易くなるため、一層、樹脂シートが剥がれ易くなり、しかも、カビや細菌が発生し易くなって不衛生となる。
本発明は、上記問題点に鑑み、浴室の壁部に樹脂シートを十分な接着力で効率的に貼り付けて衛生性、美観及び接触温感に比較的優れた浴室壁面を施工可能であり、しかも、下地となる壁部に多少の不陸がある場合でも、安定・確実に良好な防水性を保持しつつ、比較的容易に作業性良く浴室壁面を施工することができる施工方法を提供することを課題とする。
本発明の浴室壁面の施工方法は、
浴室の壁部に接着剤を塗布する塗布工程と、
塗布された接着剤を介して前記壁部に樹脂シートを貼り付ける貼付工程とを備え、
前記塗布工程では、多孔質ローラを用いて前記接着剤を塗布することにより、前記接着剤による複数の凸部を有する模様を前記壁部上に形成する。
ここで、本発明における多孔質ローラとは、その周面に多孔質部材を有するローラであり、このようなローラとしては、例えばマスチックハンドローラ、パターンローラ、砂骨ローラ、スポンジローラ等を挙げることができる。
かかる構成によれば、多孔質ローラを用いることによって、該多孔質ローラの表面部及び内部に比較的多量の接着剤を一旦保持させ、保持させた接着剤を壁部に供給することができる。これにより、浴室の壁部への接着剤の塗布量(多孔質ローラと壁部との1回の接触当たりの塗布量)を比較的多くすることができるため、十分な接着力を発揮させ得る量の接着剤を、比較的短時間で塗布することができる。よって効率的な施工が可能となる。
しかも、多孔質ローラを回転させるだけで簡易に塗布できるため、この点でも効率的な施工が可能となる。
また、多孔質ローラによって接着剤を壁部に塗布することにより、多孔質に起因して、接着剤による複数の凸部を有する模様が形成されることになる。このように、複数の凸部を有する模様が形成されるように接着剤を塗布することによって、接着剤の色調によらず、壁部において接着剤を塗布した部分と塗布していない部分との間で視認による判別が容易となるため、塗り残しを防止することができる。これにより、塗り残しに起因する部分的な接着力の低下を防止することができる。よって、この点からも十分な接着力が発揮され得る。また、目視によって接着剤の塗布量を把握することが可能となるため、容易に適量の接着剤を塗布することも可能となる。
また、接着剤は、初期の接着強度が比較的弱いため、さらには、上記のような凸部の形成によって接着剤と樹脂シートとの接触面積が比較的小さくなるため、施工時において樹脂シートの貼り直しが可能となり、施工性が向上する。かかる施工性の向上は、特に、大面積の壁部に樹脂シートを貼り付ける場合には一層顕著になり、迅速かつ美観に優れた施工を行うことができる。
さらに、上記凸部に起因する樹脂シートと接着剤との間に介在する空気を抜くだけで、樹脂シートと接着剤とをより密着させ、十分な接着性を発揮させることができる。
加えて、上記した十分な接着力により、壁部と樹脂シートとの間への水分の浸入を防止することができるため、カビや細菌の発生を抑制することができる衛生性に優れる壁面を施工することが可能となる。
従って、浴室の壁部に樹脂シートを十分な接着力で効率的に貼り付けて、衛生性、美観及び接触温感に比較的優れた浴室壁面を施工可能であり、しかも、下地となる壁部に多少の不陸がある場合でも、安定・確実に良好な防水性を保持しつつ、比較的容易に作業性良く浴室壁面を施工することができる。
また、上記構成の浴室壁面の施工方法においては、
前記塗布工程が、
前記多孔質ローラによって前記壁部の中央側に前記接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
櫛目ごてによって前記壁部の周縁側に前記接着剤を塗布する第2の塗布工程とを含むことが好ましい。
かかる構成によれば、第1の塗布工程によって、比較的面積が大きな壁部の中央側に対しては、上記と同様、多孔質ローラによって比較的多量の接着剤を容易かつ迅速に塗布することができる。
加えて、第2の塗布工程によって、多孔質ローラでは接着剤を塗布し難い壁部の周縁側に対しては、櫛目ごてによって比較的多量の接着剤を、より確実に塗布することができる。これにより、接着剤が硬化するまでの初期の樹脂シートの保持力を向上させることができる。
従って、浴室の壁部に樹脂シートを、より十分な接着力で貼り付けることができる。
また、上記構成の浴室壁面の施工方法においては、
前記貼付工程を実施した後、前記樹脂シートを押圧しながら擦ることによって前記壁部と前記樹脂シートとの間の空気を抜く空気抜き工程を、さらに備えることが好ましい。
かかる構成によれば、樹脂シートを押圧しながら擦ることによって、壁部と樹脂シートとの間に混入した空気を、壁部及び樹脂シートの周縁から、より確実に抜くことができる。しかも、樹脂シートと壁部とを、より密着させることができる。
従って、浴室の壁部に樹脂シートを、より十分な接着力で貼り付けることができる。
また、上記構成の浴室壁面の施工方法においては、
前記多孔質ローラは、その表面に1インチ(25mm)当たり5個〜30個の孔部が形成されてなることが好ましい。
ここで、1インチ、すなわち25mm当たりの孔部(セル)の個数(セル数)は、多孔質ローラの回転軸方向に沿って、該多孔質ローラの表面に1インチの仮想直線を引いたとき、この仮想直線と重なる孔部の個数を意味する。また、「仮想直線と重なる」には、仮想直線と孔部とが部分的に重なることも含まれる。なお、孔部の個数の計測は、JIS−K6767(1999:発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法)に規定される計測方法に基づいて行われる。また、セル数は、仮想直線1インチ上に存在する(重なる)セル数を目盛り付き拡大鏡などの装置を用いて目視で確認して求めたものである。
かかる構成によれば、多孔質ローラの表面に上記セル数の孔部が形成されていることによって、比較的多量の接着剤を、より確実に、多孔質ローラに保持させ、また、保持させた接着剤を壁部に塗布することができる。
従って、浴室の壁部に樹脂シートを、より十分な接着力で貼り付けることができる。
以上の通り、本発明によれば、浴室の壁部に樹脂シートを十分な接着力で効率的に貼り付けて、衛生性、美観及び接触温感に比較的優れた浴室壁面を施工可能であり、しかも、下地となる壁部に多少の不陸がある場合でも、安定・確実に良好な防水性を保持しつつ、比較的容易に作業性良く浴室壁面を施工することができる施工方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る浴室壁面の施工方法が適用される浴室内部を部分的に示す概略斜視図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法に用いられる多孔質ローラを示す概略斜視図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法に用いられる多孔質ローラの多孔質部材を示す概略斜視図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法に用いられる多孔質ローラの多孔質部材の孔部を模式的に示す拡大図。 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法に用いられる多孔質ローラの多孔質部材の孔部の一例を示す写真。 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法に用いられる櫛目ごてを示す概略平面図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法において図1の左側の側壁部に接着剤が塗布された第1の状態を示す概略図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法において図1の左側の側壁部に接着剤が塗布された第2の状態を示す概略図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法において側壁部に接着剤が塗布された状態の一例を示す写真 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法において側壁部に接着剤が塗布された状態を模式的に示す図であって、図10(a)は概略平面図であり、図10(b)は概略断面図 本実施形態に係る浴室壁面の施工方法において図1の左側の側壁部に樹脂シートが貼り付けられた状態を示す概略図
以下、本発明の一実施形態に係る浴室壁面の施工方法について図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態の浴室壁面の施工方法が適用される浴室について説明する。
図1に示すように、本実施形態の施工方法が適用される浴室1は、例えば浴槽2を囲むように配された壁部3を備えている。
壁部3は、側壁部3aと、天壁部(天井部)3bとを含んでいる。かかる壁部3の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、壁部3は、タイル、樹脂製パネル、木材等によって形成され得る。また、壁部3には、モルタル下地に塗料が塗布されたものも含まれる。
次に、本実施形態の浴室壁面の施工方法について説明する。
本実施形態の浴室壁面の施工方法は、図2〜図5に示す多孔質ローラ10と図6に示す櫛目ごて17によって浴室1の壁部3に、接着剤7を塗布する塗布工程(図7及び図8参照)と、塗布された接着剤7を介して前記壁部3に、樹脂シート5を貼り付ける貼付工程(図11参照)とを備える。
図2及び図3に示すように、本実施形態で用いる多孔質ローラ10は、孔部(セル)11bを複数有する円筒状のスポンジなどから形成される多孔質部材11と、該多孔質部材11の内側に嵌め込まれてこれを回転自在に支持する支持部材13とを有している。支持部材13は、多孔質部材11に嵌め込まれてこれを回転自在に支持する金属製又はプラスチック製の支持部13aと、該支持部13aの一端からL字状に折り曲げられて延出している金属製又はプラスチック製のアーム部13bと、該アーム部13bの先端に配されたプラスチック製、金属製又は木製のグリップ部(把持部)13cとを有している。
このように、多孔質ローラ10は、グリップ部13cが掴まれ、容器(不図示)等に収容された接着剤7に多孔質部材11が浸されることによって該多孔質部材11の表面部11a及び内部によって接着剤7を一旦保持し、接着剤7を保持した多孔質部材11が壁部3上で転がされることによって、多孔質部材11から接着剤7が壁部3に供給されて、壁部3に接着剤7が塗布されるように構成されている。
なお、このような多孔質ローラ10としては、マスチックハンドローラ、パターンローラ、砂骨ローラ、スポンジローラを挙げることができる。多孔質ローラ10としては、特に砂骨ロ−ラが好適である。また、本発明で言う「砂骨ローラ」とは、塗膜を厚く凹凸を付けて塗ることが可能な多孔質ローラを指す。
多孔質部材11の形成材料は、特に限定されるものではないが、該形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂などの発泡体が挙げられる。本実施形態の多孔質部材11としては、ポリウレタン樹脂を発泡させた後、所望の形状に加工されたものを用いることが、特に好ましい。
多孔質部材11が有する孔部11bの個数は、特に限定されるものではなく、適宜設定され得る。例えば、接着力を十分に発揮し得る量の接着剤7が、多孔質ローラ10に十分に保持され、また、多孔質ローラ10から壁部3に十分に供給され得るように、孔部11bの大きさ及び個数を適宜設定することができる。
例えば、孔部11bは、多孔質ローラ10の多孔質部材11の表面に1インチ、すなわち25mm当たり5〜30個の孔部が形成されてなることが好ましく、10〜25個の孔部が形成されてなることがより好ましい。この孔部11bの個数は、多孔質部材11の回転軸S方向に沿って、多孔質部材11の表面に任意の1インチの仮想直線を引いたとき、この1インチ当たりの複数の孔部11bが該仮想直線と重なるように、設定する。
1インチ当たりの孔部11bの個数が5個以上であることによって、視認性を確保することが可能な数の接着剤の凹凸を形成することができる。また、該個数が30個以下であることによって、凹凸の数が多すぎて視認性が低下することを防ぐことができる。このように孔部11bの個数を設定することにより、塗布した接着剤7の凹凸の視認性が良くなるという利点がある上、後述の孔径dも適切な大きさとすることができる。
図4及び図5に示すように、孔部11bは、不規則な形状を有しており、また、不規則に配列されている。かかる孔部11bの孔径dは、図4に模式的に示すように孔部11bの最長径で表す。また、孔部11b同士の間隔kは、幅方向において孔部11b同士を最短距離で結ぶ長さで表す、すなわち、孔部11b間を仕切る材料の厚み寸法で表す。
孔部11bの孔径dは、好ましくは0.05〜4.0mmであり、より好ましくは0.90〜2.0mmである。
例えば、図5に、図中の孔部11bの一部の孔径dを測定した結果を一例として示す。この図5において、孔径dは、L8、L10、L12、L14、L16、L18、L20、L22の値として示される。
孔径dが0.05mm以上であることによって、孔部11bに浸入する接着剤7の量が十分に多いため、接着剤7を壁部3に十分に供給することができる。これにより、接着に必要な単位面積当たりの接着剤7の塗布量(厚み)を確保することが可能となる。また、孔径dが4.0mm以下であることによって、接着剤の塗布量(厚み)が必要以上に多くならず、接着剤のぼた落ちや垂れを防ぐことができる。
また、孔部11b同士の間隔kは、好ましくは0.05〜4.0mmであり、より好ましくは0.10〜0.25mmである。
また、多孔質ローラ10の多孔質部材11の硬度が低すぎると、接着剤7表面に凹凸模様が充分に形成されず、硬度が高すぎると、壁部3による接着剤7の保持が不十分となる傾向にある。従って、例えばかかる観点を考慮して、ASKER(アスカー)F硬度計により測定した多孔質部材11の硬さは、通常は30〜60であり、好ましくは40〜50である。
多孔質部材11の外径Dは、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。該外径Dが30〜100mmであることによって、接着剤7の飛散を防止できる。
多孔質部材11の厚みTは、5.0〜30mmが好ましい。該厚みTが5.0〜30mmであることによって、壁部3への接着剤7の供給量のムラを抑制することができるため、よりムラ無く接着剤7を塗布することができる。
上記したように、多孔質部材11は、上記孔部11bの個数が1インチ当たり5個〜30個であり、厚みTが5.0〜30mmであり、且つ、外径Dが30〜150mmであるように構成されていることが好ましい。
また、多孔質部材11の長さ(幅)W1は、例えば、50〜500mmに設定することが好ましく、100〜250mmに設定することがさらに好ましい。W1が50mm未満であると、短か過ぎて、作業効率が悪くなるおそれがある。一方W1が500mmを超えると、長過ぎて、多孔質部材11に圧力が均等にかからずに、塗布斑が発生し、また、ハンドリングが悪くなり、作業性が悪化するおそれがある。
上記した多孔質部材11は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、ローラ型に発泡ウレタン樹脂などのベース樹脂組成物を流し込んだ後、発泡成形させて成形体を得る。次に、この成形体を型から取り出し、円筒状基材に巻き付けることによって、円筒状の樹脂の発泡体を作製し、これを所望の長さに切断することによって、多孔質部材11を製造することができる。この他に、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、円筒形状への発泡成形、回転成形などの方法により多孔質部材11を成形してもよい。
また、多孔質部材11の孔部11bの個数は、上記発泡体の作製において、ベース樹脂組成物に含有させる核剤の種類や量を調整することによって、適宜設定することができる。核剤としては、無機微粉末、例えば、タルク、シリカ、ケイソウ土、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。核剤の使用量は、所望する平均気泡膜数などに応じて選択できる。例えば、少数(量)の核剤を添加すると、単位容積当たりに少数であるが大きな気泡が得られ、多数の核剤を添加すると、単位容積当たりに多数であるが小さな気泡が生ずる傾向にある。従って、例えばかかる観点を考慮して、核剤の添加量は、前記ベース樹脂組成物100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5.0重量部程度の範囲から選択し得る。
尚、ベース樹脂組成物は、慣用の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤(酸化チタン、ベンガラ、アゾ系、ペリレン系、フタロシアニン系、複素環系など)、可塑剤や展着剤(例えば、ポリエチレングリコール、ミネラルオイルなど)などを含有していてもよい。
また、支持部材13の支持部13aの外径は、特に限定されるものではなく、多孔質部材11の外径、厚み、内径等に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態で用いる接着剤7は、図7、図8に例示されるように塗布された後、硬化することによって接着性を発揮するものである。かかる接着剤7は、湿度が高い浴室1内で用いられることから、耐水性を有する必要がある。
このような接着剤7としては、ウレタン系、エポキシ系、変性シリコン系、アクリル系接着剤等が挙げられる。
かかる接着剤7の粘度は、接着力を十分に発揮し得る量の接着剤7が、多孔質ローラ10に十分に保持され、また、多孔質ローラ10から壁部3に十分に供給されて塗布され得るように、多孔質ローラ10が有する孔部11bの個数等に応じて適宜設定され得る。
例えば、使用時における(すなわち、多孔質ローラ10を浸す際の)接着剤7の粘度は、5000〜100000mPa・sであることが好ましく、9000〜56000mPa・sであることがより好ましい。該粘度が5000mPa・s以上であることによって、多孔質ローラ10からの垂れ落ちを防止して、壁部3に十分な量を塗布され得る。また、該粘度が100000mPa・s以下であることによって、接着剤7が多孔質ローラ10の孔部11b内に十分に入り込み、また、該孔部11bから十分に出されることができるため、接着力を十分に発揮し得る量の接着剤7が、多孔質ローラ10によって壁部3に十分に塗布され得る。
上記接着剤7の粘度は、JISK6833に準じて、BH型粘度計(トキメック社製)及びロータNo.6を用い、23℃50%RH、モータの回転数10rpmの条件下で測定される値である。
また、上記BH型粘度計のモータの回転数を2rpmと20rpmとに設定して、これら回転数での接着剤7の粘度をそれぞれ測定したとき、2rpmでの粘度に対する20rpmでの粘度の比率を、接着剤7のTI値とする。TI値は、2.0〜7.0であることが好ましく、これによって、接着剤7が壁部3に対して塗布し易く、しかも壁部3から垂れ難いという利点がある。なお、このTI値が1.0のとき、接着剤はニュートン流体に相当し、TI値が1.0より大きいとき、接着剤はチキソ性があるといえる。
このような粘度の接着剤7を多孔質ローラ10によって塗布することによって、図9及び図10に示すように、壁部3上に塗布された接着剤7によって複数の凸部8を有する模様を形成することができる。具体的には、壁部3上に接着剤7を、該接着剤7が凹凸模様を有する形状、すなわち、多数の凸部8及び凹部9を有する形状となるように塗布することができる。また、換言すれば、壁部3上に接着剤7を、凸部8が点在するように塗布することができる。さらに換言すれば、図9に示すように、接着剤7による凹部9を海、凸部8を島とする海島構造が形成されるように、壁部3上に接着剤7を塗布することができる。また、壁部3上に形成された凸部8は、孤立していても良いし、部分的に繋がっていても良い。
図10(b)に示すように、壁部3の表面から凸部8の頂点までの高さは、0.2mm〜3.0mm、好ましくは0.25〜2.0mm、より好ましくは0.3〜1.0mmの範囲である。
凹部9は、僅かに接着剤7が塗布されて形成されていても、接着剤7が塗布されることなく形成されていてもよい。接着剤7が塗布されることなく凹部9が形成されるとは、壁部3上に凸部8が少なくとも部分的に接着剤7で繋がっていない状態で点在していることを意味する。かかる凹部9の厚みは、好ましくは、0.2mm以下である。
また、相互に隣接する凸部8と凸部8との間隔、すなわち凸部8の頂点間の距離は、好ましくは1.0mm〜20mmである。
本実施形態で用いる樹脂シート5(図11参照)は、浴室1内で水や湯が使用された場合であっても、これら水または湯との接触、または、これらによって発生した空気中の水分や水蒸気等との接触に対する耐久性を有しているような樹脂製のシートである。また、樹脂シート5は、壁部3の材料よりも柔軟性、接触温感に優れている。かかる樹脂シート5の形状は、特に限定されるものではなく、適宜設計され得る。
例えば、樹脂シート5は、壁部3の形状に応じて矩形状や多角形状に形成されればよい。また、樹脂シート5は、ロール状に巻かれたロール体帯状の樹脂シートから繰り出されて、所望の形状に切断されて形成されていてもよい。さらに、1つの壁部3に対して複数の樹脂シート5が並べられて貼り付けられるように形成されていてもよい。
また、樹脂シート5は、耐衝撃性を高める観点から、適度なクッション性を有していてもよく、さらに、浴室1における接触温感を、より高める観点から、より断熱性を有する発泡体であってもよい。
かかる樹脂シート5の厚みは、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。例えば、樹脂シート5の厚みは、0.5〜5.0mmが好ましい。
また、樹脂シート5は、1層の樹脂製のシートであっても、2層以上の樹脂製のシートの積層体であってもよい。樹脂シート5が積層体である場合、例えば、スパンボンド不織布等の基材と、樹脂シート5のベースとなり強度向上や下地の不陸隠蔽効果などを有するベース層と、意匠を表出するための印刷層と、これらを覆い主たる防水性を発揮する表層とがこの順に積層された積層体であってもよい。
次に、本実施形態の浴室壁面の施工方法の各工程について説明する。ここでは、壁部3のうち、側壁部3aに壁面20を施工する態様を例に挙げて説明するが、天壁部3bでも同様の作用効果が奏される。
図7及び図8に示すように、本実施形態の塗布工程では、多孔質ローラ10によって浴室1の側壁部3a(図1参照)に接着剤7を塗布することにより、接着剤7による複数の凸部8を有する模様を側壁部3a上に形成する。
また、本実施形態では、塗布工程が、上記多孔質ローラ10によって側壁部3aの中央部側の領域R1に接着剤7を塗布する第1の塗布工程と、図6に示す櫛目ごて17によって側壁部3aの周縁側の領域R2に接着剤7を塗布する第2の塗布工程とを含むことが好ましい。
図6に示すように、前記櫛目ごて17は、櫛目部17aを有しており、接着剤7をすくい、すくった接着剤17を櫛目部17aを介して壁部3に塗布するためのものである。また、櫛目ごて17は、すくった接着剤7を櫛目部17aを介して塗布することによって、塗布された表面形状を、塗布方向に沿って延びる溝部と凸部とを有する波状とし得るようになっている。
なお、本実施形態では、櫛目ごて17が、その1つの端縁に櫛目部17aを有する構成を示すが、その他、2つ以上の端縁、さらには全ての端縁に櫛目部17aを有する構成を採用してもよい。
櫛目部17aにおいて壁部3と接触する接触幅W2は、例えば、0.5〜3.0mmに設定することができ、壁部3と接触しない開口幅W3は、例えば、0.5〜2.0mmに設定することができ、櫛目の深さ(開口深さ)Hは、例えば、0.5〜2.0mmに設定することができる。
櫛目ごて17の大きさは、特に限定されるものではなく、扱い易さや、接着剤7の塗布幅等に応じて適宜設定することができる。
また、本実施形態では、櫛目ごて17の櫛目の形状が台形状(開口部分が三角形状)であるような構成を採用するが、本発明においては、かかる形状は、特に限定されるものではない。
前記第1の塗布工程では、まず、多孔質ローラ10の把持部13cを掴み(図2参照)、不図示の容器に収容された接着剤7に多孔質部材11を浸しつつ回転させながら付着させて、該多孔質部材11に接着剤7を一旦保持させる。次に、図7及び図8に示すように、接着剤7を保持させた多孔質部材11を側壁部3aの中央側の領域R1に塗布する。塗布された接着剤7の表面には、多孔質部材11の孔部11bに起因して、凹凸が点在して形成されることになる。多孔質ローラ10による塗布方向は、特に限定されるものではないが、塗布ムラを防止する点では、鉛直方向下側から上側に向かって多孔質ローラ10を回転移動させながら順次塗布することが好ましい(図7及び図8の白抜き矢印参照)。
また、第1の塗布工程においては、上記したように、上記孔部11bの個数が1インチ当たり5〜30個であり、厚みTが5.0〜30mmであり、且つ、外径Dが30〜100mmである多孔質部材11によって、粘度が5000〜100000mPa・sである接着剤7を壁部3に塗布することが好ましい。
前記第2の塗布工程では、まず、櫛目ごて17を掴み(図6参照)、上記容器または別の容器に収容された接着剤7を該櫛目ごて17ですくい、すくった接着剤7を、図7及び図8に示すように、櫛目部17aを介して側壁部3aの周縁側の領域R2に塗布する。塗布された接着剤7は、櫛目部17aの形状に応じて、櫛目ごて17の移動方向に沿った方向に延びる溝部と凸部(凸壁)とが形成されることになる。
かかる櫛目ごて17による塗布によって、側壁部3aの周縁側での接着剤7の塗布量を増加させることができるため、接着剤が硬化するまでの初期の樹脂シート5の保持力を向上させることができる。
なお、櫛目ごて17による塗布方向は、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
例えば、図7に示すように、側壁部3aの周縁から中央側に向かう方向に櫛目ごて17を移動させながら順次塗布することができる(白抜き矢印参照)。これにより、側壁部3aは、壁部3及び樹脂シート5の中央側から周縁側に向かう方向において接着剤7の溝部が延在する第1の状態になる。よって、樹脂シート5を貼り付けるとき、上記接着剤7の溝部に案内されて、側壁部3a及び樹脂シート5の周縁側から空気が排出されるため、側壁部3aとの間の接着力を向上させることができる。
また、例えば、図8に示すように、側壁部3aの周縁に沿った方向に櫛目ごて17を移動させながら順次塗布することができる(白抜き矢印参照)。これにより、側壁部3aは、接着剤7の凸部が、側壁部3a及び樹脂シート5の周縁に沿った方向に延在する第2の状態になる。よって、該凸部が障壁となって、側壁部3aと樹脂シート5の間への水分の浸入を防止することができる。
なお、図7及び図8に示す態様において、多孔質ローラ10によって塗布する側壁部3aの中央側の領域R1の範囲は、施工の効率と接着剤7の塗布し易さ等に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。一方、櫛目ごて17によって塗布する側壁部3aの端縁側の領域R2の範囲は、上記中央側の領域7よりも端縁側の部分とすることができる。また、多孔質ローラ10及び櫛目ごて17によって塗布される部分は、互いに重なり合ってもよい。
図11に示すように、本実施形態の貼付工程では、塗布された接着剤7を介して側壁部3aに樹脂シート5を貼り付ける。
具体的には、側壁部3aに塗布した接着剤7が硬化する前に、図11に示すように、接着剤7を介して側壁部3aに樹脂シート5を貼り付ける。これにより、貼り付けられた樹脂シート5の表面が、壁面20を構成する。
なお、接着剤7を塗布しながら、塗布した部分に対して順次樹脂シート5を貼り付けていってもよい。
上記したように、第1の塗布工程で塗布した接着剤7には凹凸が点在して形成されており、第2の塗布工程で塗布した接着剤7には溝部が形成されているため、樹脂シート5を貼り付けるとき、これら凹部及び溝部によって案内しながら、側壁部3aと樹脂シート5との間に混入した空気を、樹脂シート5の周縁から抜くことができる。よって、十分な接着性をより確実に発揮させ得る。
また、本実施形態の浴室壁面の施工方法は、図11に示すように、前記貼付工程を実施した後、樹脂シート5を押圧しつつ擦ることによって側壁部3aと樹脂シート5との間の空気を抜く空気抜き工程を、さらに備えることが好ましい。
該空気抜き工程では、具体的には、貼付工程を実施した後、接着剤7が硬化する前に、図11に示すように、例えばヘラ等といった先端が平坦な板状部材19によって樹脂シート5を側壁部3aに向かって押圧しながら、これを擦る(図11の白抜き矢印参照)。
これにより、上記第1の塗布工程及び第2の塗布工程で塗布した接着剤7の溝部及び凹部によって案内しながら、側壁部3aと樹脂シート5との間に混入した空気を、より確実に、樹脂シート5の周縁から抜くことができる。よって、十分な接着性をより確実に発揮させ得る。
上記した通り、本実施形態の浴室壁面の施工方法は、浴室1の壁部3(ここでは側壁部3a)に接着剤7を塗布する塗布工程と、塗布された接着剤7を介して壁部3に樹脂シート5を貼り付ける貼付工程とを備え、前記塗布工程では、多孔質ローラ10を用いて接着剤7を塗布することにより、接着剤7による複数の凸部8を有する模様を壁部3上に形成する。
かかる構成によれば、多孔質ローラ10を用いることによって、該多孔質ローラ10の表面部11a及び孔部11bの内部に比較的多量の接着剤7を一旦保持させ、保持させた接着剤を壁部3に供給することができる。これにより、浴室1の壁部3への接着剤7の塗布量(多孔質ローラ10と壁部3との1回の接触当たりの塗布量)を比較的多くすることができるため、十分な接着力を発揮させ得る量の接着剤7を、比較的短時間で塗布することができる。よって効率的な施工が可能となる。
しかも、多孔質ローラ10を回転させるだけで簡易に塗布できるため、この点でも効率的な施工が可能となる。
また、多孔質ローラ10によって接着剤7を壁部3に塗布することにより、多孔質に起因して、接着剤7による複数の凸部8を有する模様が形成されることになる。このように、複数の凸部8を有する模様が形成されるように接着剤7を塗布することによって、接着剤7の色調によらず、壁部3において接着剤7を塗布した部分と塗布していない部分との間で視認による判別が容易となるため、塗り残しを防止することができる。これにより、塗り残しに起因する部分的な接着力の低下を防止することができる。よって、この点からも十分な接着力が発揮され得る。また、目視によって接着剤7の塗布量を把握することが可能となるため、容易に適量の接着剤7を塗布することも可能となる。
また、接着剤7は、初期の接着強度が比較的弱いため、さらには、上記のような凸部8の形成によって接着剤7と樹脂シートとの接触面積が比較的小さくなるため、施工時において樹脂シート5の貼り直しが可能となり、施工性が向上する。かかる施工性の向上は、特に、大面積の壁部3に樹脂シートを貼り付ける場合には一層顕著になり、迅速かつ美観に優れた施工を行うことができる。
さらに、上記凸部8に起因する樹脂シート5と接着剤7との間に介在する空気を抜くだけで、樹脂シート5と接着剤7とをより密着させ、十分な接着性を発揮させることができる。
加えて、上記した十分な接着力により、壁部3と樹脂シート5との間への水分の浸入を防止することができるため、カビや細菌の発生を抑制することができる衛生性に優れた壁面20を施工することが可能となる。
従って、浴室1の壁部3に樹脂シート5を十分な接着力で効率的に貼り付けて、衛生性、美観及び接触温感に比較的優れた壁面20を施工可能であり、しかも、壁部3下地に多少の不陸がある場合でも、安定・確実に良好な防水性を保持しつつ、比較的容易に作業性良く壁面20を施工することができる。
また、本実施形態の浴室壁面の施工方法は、塗布工程が、多孔質ローラ10によって壁部3の中央側に接着剤7を塗布する第1の塗布工程と、櫛目ごて17によって壁部3の端縁側に接着剤7を塗布する第2の塗布工程とを含むことが好ましい。
かかる構成によれば、第1の塗布工程によって、比較的面積が大きな壁部3の中央側に対しては、上記と同様、多孔質ローラ10によって比較的多量の接着剤7を塗布することができる。
加えて、第2の塗布工程によって、多孔質ローラ10では接着剤7を塗布し難い壁部3の周縁側に対しては、櫛目ごて17によって比較的多量の接着剤7をより確実に塗布することができる。これにより、接着剤7が硬化するまでの初期の樹脂シート5の保持力を向上させることができる。
従って、浴室1の壁部3に樹脂シート5を、より十分な接着力で貼り付けることができる。
また、本実施形態の浴室壁面の施工方法は、貼付工程を実施した後、樹脂シート5を押圧しながら擦ることによって壁部3と樹脂シート5との間の空気を抜く空気抜き工程を、さらに備えることが好ましい。
かかる構成によれば、樹脂シート5を押圧しながら擦ることによって、壁部3と樹脂シート5との間の空気を、壁部3及び樹脂シート5の周縁から、より確実に抜くことができる。しかも、樹脂シート5と壁部3とを、より密着させることができる。
従って、浴室1の壁部3に樹脂シート5を、より十分な接着力で貼り付けることができる。
また、本実施形態の浴室壁面の施工方法においては、多孔質ローラ10は、その表面に1インチ当たり5個〜30個の孔部11bが形成されてなることが好ましい。
かかる構成によれば、多孔質ローラ10の表面に上記個数の孔部11bが形成されていることによって、比較的多量の接着剤7を、より確実に、多孔質ローラ10に保持させ、また、保持させた接着剤7を壁部3に塗布することができる。
従って、浴室1の壁部3に樹脂シート5を、より十分な接着力で貼り付けることができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
多孔質ローラの多孔質部材の形状を下記表1に示すように変化させて、接着剤を塗布したときの施工性を調べた。
多孔質部材の形成材料としては、ウレタンの発泡体を用いた。
接着剤としては、ウレタン系接着剤を用いた。
そして、多孔質部材を容器に収容された接着剤のたまりに4〜5往復させ、側壁部に、一方向塗布の条件で塗布した。
各多孔質部材について、孔部の個数を測定すると共に、表1に示す性能を評価した。
孔部(セル)の個数(セル数)の測定方法、評価方法、及び、評価基準は、下記に示す。
<孔部の測定方法>
孔部の個数は、JIS−K6767(1999:発泡プラスチック―ポリエチレン―試験方法)に規定される計測方法に基づいて計測された、発泡体の1インチ当たりのセル数である。セル数は、多孔質ローラの回転軸方向に沿って、仮想直線1インチ上に存在する、すなわち仮想直線と重なるセル数を、目盛り付き拡大鏡などの装置を用いて目視で確認して求めた。
<回転性>
多孔質ローラを用い、該多孔質ローラを回転させながら壁部に接着剤を実際に塗布し、塗布の際に手に感じる抵抗を官能評価することによって、ローラの回転性を調べた。抵抗をほとんど感じなかった場合を“4"と表し、抵抗を多少感じたものの施工上の問題がなかった場合を“3”と表し、抵抗を感じるものの施工上の問題とならなかった場合を“2”と表し、抵抗が大きく、実使用に適さなかった場合を“1”と表した。
<接着剤含浸性>
接着剤が、セルの大部分に含浸されていた場合、具体的には未含浸部が2割以下の場合を“4"と表し、セルの一部に含浸されていなかった場合、具体的には未含浸部が2割を超えて6割以下の場合を“3"と表し、セルへの含浸が悪かった場合、具体的には未含浸部が6割を超えて8割以下の場合を“2"と表し、セルにほとんど含浸しなかった場合、具体的には未含浸部が8割を超える場合を“1"と表した。これらは、目視により評価したものである。
<塗布ムラ>
多孔質ローラを用い、該多孔質ローラを回転させながら壁部に接着剤を実際に塗布し、目視により塗布ムラを評価することによって、塗布ムラ発生を調べた。そして、接着剤が全面に均一に塗布されていた場合を“4"と表し、接着剤が全面に塗布されていたものの、部分的に塗布量の多少が確認された場合を“3"と表し、塗布面全体的に塗布量の多少が確認された場合を“2"と表し、部分的に接着剤の未塗布部分が確認された場合を“1"と表した。
<視認性>
多孔質ローラを用い、該多孔質ローラを回転させながら壁部に接着剤を実際に塗布し、目視による評価をすることによって、視認性を調べた。そして、1m程度離れても接着剤の凹凸が確認できた場合を“4"と表し、50cm程度離れても接着剤の凹凸が確認できた場合を“3"と表し、50cm程度離れて接着剤の凹凸が確認できなかった場合を“2"と表し、20cm程度に近づいても接着剤の凹凸が確認されなかった場合を“1"と表した。
<飛散>
多孔質ローラを用い、該多孔質ローラを回転させながら壁部に接着剤を実際に塗布し、地面及び塗布者身体への接着剤の飛散の有無を確認することによって、飛散状況を調べた。そして、飛散がほとんど確認されなかった場合を“4"、粒径が2.0mm未満の細かな接着剤滴の飛散が少量確認された場合を“3"、細かな接着剤滴の飛散が多量に確認された場合を“2"、粒径が2.0mm以上の大粒の接着剤滴が確認された場合を“1"と表した。
<塗布量1>
接着剤を壁部の一定面積(0.43m×0.90m)に塗布し、その際の塗布量を測定することによって、塗布量を測定した。また、塗布の前後における多孔質ローラ、接着剤および接着剤を収容する容器の総重量を測定し、塗布後の総重量から塗布前の総重量を減算することによって、塗布量を算出した。
表1の結果、孔部のセル数が3〜19個/1インチであれば、回転性、接着剤含浸性及び視認性に優れることがわかった。また、孔部の数量が多いほど、塗布ムラが防止され、飛散が低減されることがわかった。
多孔質部材11の外径Dが、40〜70mmであれば十分であり、また、外径Dが大きくなるとローラの回転性を向上させ得ることがわかった。
多孔質部材の厚みTは、12〜15mmであれば十分であり、厚みTが大きくなると塗布量を増大させ得ることがわかった。
(実施例2)
表2に示すような各種ローラを用い、性能を評価した。なお、ウレタン系発泡スポンジローラ極細目は、表1の多孔質ローラ5に相当する。
また、表2において、「ウーブン」は、ローラ表面が、タテ糸とヨコ糸とを直角に交差させた織り裏地に糸状のパイルを織り込んだ織物であることを示す。また、「ハイパイル」は、綿状のパイルを裏地と一生に編み込んだ織物であることを示す。
性能評価のうち、回転性、接着剤含浸性、塗布ムラ及び視認性の評価については、上記実施例1と同様にして行った。その他は、下記のようにして行った。結果を表2に示す。
<転写性>
各ローラを用い、接着剤をローラに含浸させ、接着剤が壁面に塗布されるまでの塗布状況を目視にて確認することによって、転写性を調べた。そして、3往復以内で塗布面に接着剤が塗布された場合を“4"と表し、4〜5往復で塗布面に接着剤が塗布された場合を“3"と表し、6往復以上で塗布面に接着剤が塗布された場合を“2"と表し、接着剤の塗布が困難であった場合を“1"と表した。数字が高い程、転写性が優れていることを示す。
<塗布量2>
上記<塗布量1>の評価と同様にして、各ローラによる接着剤の塗布量を測定した。そして、塗布量が90g/m2以上の場合を“4"と表し、塗布量が90g/m2未満70g/m2以上の場合を“3"と表し、70g/m2未満30g/m2以上の場合を“2"と表し、30g/m2未満の場合を“1"と表した。数字が高い程、塗布性が優れていることを示す。
<不良発生>
各ローラを用い、該ローラを回転させながら壁部に接着剤を実際に塗布し、目視にて毛抜け等の接着面の不良発生を評価することによって、不良発生を調べた。そして、不良が発生しなかった場合を“4"と表し、毛抜け等の不良が数本発生したものの施工上問題がなかった場合を“3"と表し、毛抜け等の不良が発生し、施工上の問題が生じた場合を“2"と表し、毛抜けに加えその他の不具合が生じて、施工上の問題が生じた場合を“1"と表した。
(ローラ寿命)
各ローラを用い、該ローラを回転させながら壁部に接着剤を実際に塗布し、ローラ周面の多孔質部材の“へたり"、膨潤等を目視により評価することによって、ローラ寿命を調べた。ここで言う“へたり"とは、多孔質部材が劣化し、その厚みが薄くなったり、逆に厚くなったりして、弾力性を失う現象である。そして、使用後1時間以上に顕著な形状の変形が確認されなかった場合を“4"と表し、使用後1時間以内に顕著な形状の変形が確認された場合を普通として“3"と表し、使用中にローラがへたった場合を短いとして“2"と表し、ローラに接着剤を塗布した瞬間にローラがへたってしまい、使用できなくなった場合を“1"と表した。
表2に示すように、多孔質ローラを用いた場合は、他のローラと異なり、全ての性能に優れることがわかった。
(実施例3)
接着剤の粘度と塗布性との関係を調べた。
接着剤としては、「バスナウォールセメント」(東リ社製)、「USセメント」(東リ社製)、「スーパーUVセメント」(東リ社製)、「東リ低臭USセメント」(東リ社製)、「US200」(東リ社製)を用いた。これら接着剤は、ウレタン系接着剤である。
そして、各接着剤の粘度及びTIを測定し、塗布性を評価した。粘度及びTI値は、前述の方法で測定した。また、塗布性は、下記のようにして評価した。結果を表3に示す。
(塗布性)
上記実施例1と同様にして、回転性、接着剤含浸性、塗布ムラ、視認性、飛散塗布量1及び塗布量2を評価することによって、塗布性を調べた。そして、各評価項目で使用上問題がないものを良好として○と表した。
表3の結果、9000〜56500mPa・sの粘度の範囲において、塗布性に優れることがわかった。また、3.7〜5.3のTI値の範囲において、塗布性に優れることがわかった。
以上のように本発明の実施形態及び実施例について説明を行なったが、各実施形態及び実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:浴室、3:壁部、3a:側壁部、3b:天壁部、5:樹脂シート、7:接着剤、8:凸部、9:凹部、10:多孔質ローラ、11:多孔質部材、11a:表面部、11b:孔部、13:支持部材、17:櫛目ごて、17a:櫛目部、20:壁面、R1:壁部の中央側の領域、R2:壁部の周縁側の領域

Claims (3)

  1. 浴室の壁部に接着剤を塗布する塗布工程と、
    塗布された接着剤を介して前記壁部に樹脂シートを貼り付ける貼付工程とを備え、
    前記塗布工程では、多孔質ローラを用いて前記接着剤を塗布することにより、前記接着剤による複数の凸部を有する模様を前記壁部上に形成し、
    前記塗布工程は、
    前記多孔質ローラによって前記壁部の中央側に前記接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
    櫛目ごてによって前記壁部の周縁側に前記接着剤を塗布する第2の塗布工程とを含む、浴室壁面の施工方法。
  2. 前記貼付工程を実施した後、前記樹脂シートを押圧しながら擦ることによって前記壁部と前記樹脂シートとの間の空気を抜く空気抜き工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項に記載の浴室壁面の施工方法。
  3. 前記多孔質ローラは、その表面に1インチ当たり5〜30個の孔部が形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の浴室壁面の施工方法。
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