JP6047038B2 - 有機el装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)装置に関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機EL装置は、ガラス基板等の基材に、有機EL素子を積層したものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。すなわち、有機EL素子は、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができ、所望の発光色を選択することができる。
また、有機EL装置は、白熱灯や蛍光灯、LED照明に比べて厚さが極めて小さくて軽量であり、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ないという特長を有している。さらに、有機EL装置は、白熱灯や蛍光灯に比べて発光効率が高いので消費電力が少なく、発熱が少ないという特長も有している。
特開2008−321312号公報
ところで、有機EL装置には、基材側から有機EL素子で発生した光を取り出す、いわゆるボトムエミッション型有機EL装置と称されるものがある(例えば、特許文献1)。
一般的なボトムエミッション型の有機EL装置の構造は、ガラス基板上に透明電極層、発光層、裏面電極層が積層したものであり、発光層で発生した光は、透明電極層及びガラス基板を透過して外部に取り出される。
このボトムエミッション型の有機EL装置を照明装置として利用する場合、発光層から発生した光をガラス基板側から有機EL装置の外部に取り出すことになるが、上記したガラス基板の屈折率が透明電極層の屈折率に対して小さいため、発光層から発生した光の大部分は、有機EL装置から外部に取り出される前にガラス基板と透明電極層の界面で全反射してしまう。そして、全反射した光は、外部に取り出される前に有機EL素子内部で各層の屈折率の違いによって反射を繰り返し、大部分が熱となって消滅してしまう。
このように、ボトムエミッション型の有機EL装置を使用した場合、全反射によって、光が消費されてしまい、十分な光取出効率が得られないという問題がある。
また、裏面電極層は、一般的に内部抵抗が小さい金属が使用されている。この金属製の裏面電極層では、上記した全反射した光が表面に入射した際に、表面の自由電子の振動電場と全反射した光とが共鳴し、光のエネルギーが表面に移動する、いわゆる、プラズモン散乱が生じることが知られている。このプラズモン散乱が生じた光は、再び外部に取り出されず、裏面電極層で消費されてしまう。特に金属の中でも内部抵抗が小さい銀では、このプラズモン散乱が起こりやすいとされており、プラズモン散乱による光の消費が多いことが知られている。すなわち、内部抵抗が小さいので裏面電極層として銀を使用したいが、裏面電極層に銀を使用した有機EL装置では、プラズモン散乱による消費が大きいので、発光層から発生した光を十分に外部に取り出すことができないという問題がある。
そこで、本発明は、従来に比べて光取出効率が高く、高輝度の有機EL装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、基材上に透明電極層と有機発光層と裏面電極層が積層した有機EL装置において、前記基材は、屈折率が1.40以上1.60以下であり、前記透明電極層は、屈折率が1.8以上2.0以下の透明酸化物から形成されるものであり、かつ、最大厚みをDmax、最小厚みをDminとしたときに、(Dmax−Dmin)/(Dmax+Dmin)が0.1以下であり、前記裏面電極層は、銀によって形成されており、さらに、前記基材と透明電極層との間に、透明電極層側の面に凹凸面を有した表面凹凸層が介在しており、前記凹凸面の平均ピッチは、200nmより大きく1μm以下であり、前記凹凸面の高低差は、200nm以上であって、かつ、前記平均ピッチより小さいものであり、表面凹凸層は、屈折率が1.65以上1.75以下の透明酸化物で形成されるものであって、平均厚みが1μm以上であり、厚み方向において、有機発光層の基材に対して最も距離が近い部位は、透明電極層の基材に対して最も距離が離れた部位よりも基材側に位置していることを特徴とする有機EL装置である。
本発明の構成によれば、基材と透明電極層の間に、基材の屈折率と透明電極層の屈折率の間の屈折率を有する表面凹凸層が介在している。そのため、基材の屈折率に対する表面凹凸層の屈折率の比率、及び、表面凹凸層に対する透明電極層の屈折率の比率は、基材の屈折率に対する透明電極層の屈折率の比率よりも小さいため、基材と表面凹凸層の界面での全反射量及び表面凹凸層と透明電極層の界面での全反射量の合計は、従来の基材と透明電極層の界面での全反射量に対して小さくなり、従来に比べて基材側から光を取り出す総量が多くなる。それ故に、本発明の構成によれば、従来に比べて光取出効率が高く、高輝度となる。
また、本発明の構成によれば、前記凹凸面の平均ピッチは、200nmより大きく1μm以下であり、前記凹凸面の高低差は、200nm以上であって、かつ、前記平均ピッチより小さい。凹凸面の平均ピッチが200nm以下では、有機発光層で生じる可視光の波長に対して凹凸面のピッチが小さくなりすぎるため、必要な回折が生じなくなるおそれがある。凹凸面の平均ピッチが1μmより大きくなると、回折角が小さくなり、全反射が生じやすくなる。また、凹凸面の高低差が200nm未満では、有機発光層で生じる可視光の波長に対し高低差が小さすぎるため、必要な回折が生じなくなるおそれがある。平均ピッチ以上となると、面内の電流分布が不均一となりやすく、局所的に電流が集中する場合がある。電流が集中すると有機発光層が破壊されたり寿命が短くなったりするおそれがある。
また、本発明の構成によれば、裏面電極層は、上記したようにプラズモン散乱を起こしやすい銀によって形成されている。そのため、従来の有機EL装置であれば、プラズモン散乱によって、光が消費されやすい。ところが、本発明によれば、上記したように全反射が起こりにくいので、裏面電極層側に光が反射されにくく、プラズモン散乱の発生を抑制することができる。
本発明の構成によれば、厚み方向において、有機発光層の基材に対して最も距離が近い部位は、透明電極層の基材に対して最も距離が離れた部位よりも基材側に位置しており、さらに、本発明の構成によれば、前記透明電極層は、最大厚みをDmax、最小厚みをDminとしたときに、(Dmax−Dmin)/(Dmax+Dmin)が0.1以下であり、厚みが平滑である。すなわち、表面凹凸層の凹凸面に少なくとも透明電極層及び有機発光層が追随して有機発光層内で正孔と電子が再結合する発光界面が曲面を形成している。そのため、基材の単位面積当たりの発光界面の面積が平滑な場合に比べて大きくなり、有機発光層の発光量が向上する。それ故に、本発明の構成によれば、高輝度の有機EL装置となる。
請求項2に記載の発明は、前記透明電極層の平均厚み及び前記有機発光層の平均厚みの合計は、凹凸面の高低差以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、基材の単位面積当たりの発光界面の面積が増加しやすい。
請求項3に記載の発明は、前記表面凹凸層は、シリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、及び、亜鉛からなる群から選ばれる金属元素を含んだ酸化物で形成されており、さらに、前記表面凹凸層は、ナノインプリント法によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、設計により凹凸面を形成しやすく、製造しやすい。
請求項4に記載の発明は、前記透明電極層は、インジウム亜鉛酸化物又はインジウム錫酸化物によって形成されるものであって、かつ、スパッタ法によって前記凹凸面上に直接積層していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、前記透明電極層は、スパッタ法によって前記凹凸面上に直接積層しているため、凹凸面の形状がそのまま透明電極層が追随し、透明電極層表面に凹凸が形成されるため、透明電極層の有機発光層側から取り出される光の取出面積が増加し、さらに輝度が向上する。
請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL装置において、前記基材は、ガラス基板であることが好ましい(請求項5)。
本発明の構成によれば、光の全反射等による消費を低減することが可能であり、従来に比べて光取出効率が高く、高輝度の有機EL装置となる。
本発明の第1実施形態における有機EL装置を模式的に表す断面図である。 図1の透明電極層の表面を模式的に表す斜視図である。 図1の有機EL装置の製造方法を表す説明図であり、(a)〜(f)は各製造工程を表す。 図1の有機EL装置の発光界面を表す説明図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機EL装置1の上下の位置関係は、図1の姿勢を基準に説明する。なお、下記に記載する物性は、特に断りの無い限り、標準状態(摂氏25度、1気圧)での物性を表す。
本実施形態の有機EL装置1は、図1のように面状に広がりをもった透明基板2(基材)上に表面凹凸層3、透明電極層4、機能層5(有機発光層)、裏面電極層6が積層したものである。また、本実施形態の有機EL装置1は、透明基板2側から光を取り出すボトムエミッション型の有機EL装置である。
そして、本実施形態の有機EL装置1は、図1のように透明基板2と透明電極層4の間に、透明基板2の屈折率と透明電極層4の屈折率の中間値の屈折率を有する表面凹凸層3を介在させることによって、全反射を抑制することを特徴の一つとしている。さらに、この表面凹凸層3は、少なくとも片方の主面に所定の高低差を有する凹凸面7を有しており、この凹凸面7の高低差によって、図4のように駆動時の機能層5の発光場である発光界面15をゆがめることによって、平滑な場合に比べて発光界面15の総面積を増加させることも特徴の一つとしている。
これらを踏まえて以下、各層の構成について説明する。
透明基板2は、透光性及び絶縁性を有したものであり、屈折率が1.40以上1.60以下の基板であり、屈折率が1.45以上1.55以下の基板であることが好ましい。
透明基板2としては、上記した屈折率の範囲を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、ソーダ石灰ガラスや、無アルカリガラスなどのガラス基板が採用できる。
透明基板2の平均厚みは、0.1mm以上2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがより好ましい。
透明基板2上に積層された表面凹凸層3は、図1,図2のように、少なくとも透明基板2側の面に凹凸面7を有している。
凹凸面7の形状は特に限定されないが、本実施形態の凹凸面7は、図1,図2のように凸部11と凹部12で形成されており、凸部11はその先端部(頂点)が緩やかな丸みを帯びており、凹部12はその基端部(底部)が緩やかな丸みを帯びている。
図1に示される凹凸面7の平均ピッチW1(凹凸面7を形成する隣接する凸部11,11の頂点間の距離)は、200nmより大きく1μm以下であり、400nmより大きく800nm以下であることが好ましい。
図1に示される凹凸面7の高低差H1(凹凸面7を形成する凸部11の頂点と凹部12の底部との距離)は、200nm以上であって、かつ、平均ピッチより小さいものである。
また、凹凸面7の高低差H1は、透明電極層4の平均厚み及び機能層5の平均厚みの合計以上となっている。
平均ピッチW1と高低差H1の比率は、1:0.5〜1:2であることが好ましい。
表面凹凸層3は、上記したように透明基板2の屈折率と透明電極層4の屈折率の間の屈折率を有する層である。表面凹凸層3は、屈折率が1.65以上1.75以下の透明酸化物で形成されており、屈折率が1.65以上1.70以下の透明酸化物で形成されていることが好ましい。
表面凹凸層3の屈折率の範囲は、透明基板2の屈折率と不連続値となっている。
表面凹凸層3の平均厚みD1は100nm以上5μm以下であり、500nm以上3μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上2μm以下である。
表面凹凸層3は、上記したように透光性を有した透明酸化物によって形成されており、具体的には、シリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、インジウム、錫、及び、亜鉛からなる群から選ばれる金属元素を含んだ酸化物で形成されている。これらの中でも、ITO化合物、IZO化合物、又はそれに類する化合物が、電極層としても機能させる観点からは、好ましく、例えば、屈折率が1.8のITOペースト材をナノインプリント法で形成し表面凹凸層3とすることができる。
表面凹凸層3は、導電性の有無は特に限定されないが、本実施形態では、絶縁体で形成されている。
表面凹凸層3上に積層された透明電極層4は、導電性を有した屈折率が1.8以上2.0以下の透明酸化物から形成されており、屈折率が1.8以上1.9以下の導電性透明酸化物から形成されていることが好ましい。
透明電極層4としては、上記した屈折率の範囲を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが好適に採用できる。その中でも、ITO又はIZOによって形成されていることが特に好ましい。
透明電極層4の屈折率の範囲は、表面凹凸層3の屈折率と不連続値となっている。
また、透明電極層4の平均厚みD2は、100nm以上400nm以下であり、150nm以上300nm以下であることが好ましい。本実施形態では、透明電極層4の平均厚みは、200nmである。
さらに、透明電極層4は、最大厚みをDmax、最小厚みをDminとしたときに、(Dmax−Dmin)/(Dmax+Dmin)の式によって求められる値が0より大きく0.1以下である。すなわち、透明電極層4は、極めて平滑であり、下地となる表面凹凸層3の形状を正確に追随する。
透明電極層4上に積層された機能層5は、透明電極層4と裏面電極層6との間に設けられ、少なくとも一つの発光層を有している層である。機能層5は、主に有機化合物からなる複数の層から構成されている。この機能層5は、一般的な有機EL装置に用いられている低分子系色素材料や、共役系高分子材料などの公知のもので形成することができる。また、この機能層5は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの複数の層からなる積層多層構造であってもよい。
また、機能層5の平均厚みは、50nm以上200nm以下であり、75nm以上150nm以下であることが好ましい。
機能層5上に積層された裏面電極層6は、銀によって形成されている。
裏面電極層6の平均厚みは、25nm以上400nm以下であり、100nm以上300nm以下であることが好ましい。
裏面電極層6は、スパッタ法又は真空蒸着法によって堆積されることが好ましい。特に、スパッタ法によって堆積されることがより好ましい。
続いて、有機EL装置1の各層の位置関係について説明する。
透明電極層4は、表面凹凸層3の凹凸面7に追随しており、厚み方向(積層方向)における透明電極層4の最下点は、表面凹凸層3の最上点(凸部11の頂点)よりも低い位置にある。機能層5は、透明電極層4を介して表面凹凸層3の凹凸面7に追随しており、厚み方向における機能層5の最下点は、透明電極層4の最上点よりも低い位置にある。裏面電極層6は、透明電極層4及び機能層5を介して表面凹凸層3の凹凸面7に追随しており、厚み方向における裏面電極層6の最下点は、機能層5の最上点よりも低い位置にある。
本実施形態の有機EL装置1は、厚み方向において、機能層5の透明基板2に対して最も距離が近い部位(最下点)は、透明電極層4の透明基板2に対して最も距離が離れた部位(最上点)よりも透明基板2側に位置している。
なお、本実施形態では、透明電極層4、機能層5及び裏面電極層6のそれぞれの平均厚みの合計は、いずれも凹凸面7の高低差よりも小さいので、裏面電極層6の最下点は、表面凹凸層3の最上点(凸部11の頂点)よりも低い位置にある。
続いて、有機EL装置1の製造方法について説明する。
まず、透明基板2上にナノインプリント法によって表面凹凸層3を形成する。
具体的には、図3(a)のようにあらかじめ超音波洗浄等によって洗浄した透明基板2の主面に表面凹凸層3の原料となるゾルゲル材料10を塗布する。
このとき使用するゾルゲル材料10は、本実施形態ではアルコキシシランを採用しているが、ゾルゲル材料10はアルコキシシランに限定されるものではなく、金属アルコキシドや金属酸化物を添加することにより屈折率を調整できるものでもよい。
ゾルゲル材料10の塗布方法としては、スピンコート、スプレイコート又はスリットコートのいずれでもよい。また塗布方法は、これらのスピンコート等の方法に限定されるものではない。
次に、ゾルゲル材料10が塗布された透明基板2全体をプリベークする。
具体的には、ホットプレート又は遠赤外線ヒータによって、ゾルゲル材料10の一部を蒸発させて、ゾルゲル材料10を半硬化させる。
このとき、加熱する温度は、摂氏18度以上摂氏150度以下であることが好ましく、加熱時間は5分以上60分以下であることが好ましい。
摂氏150度より高い温度及び/又は60分より長い時間で加熱すると、ゾルゲル材料10が固化しすぎて、後の工程で使用する金型9の凹凸部8の形状が転写できない場合がある。摂氏18度より低い温度及び/又は5分より短い時間で加熱すると、固化が十分でなく、金型9を圧着する際にゾルゲル材料10の大部分が透明基板2上からはみ出てしまうおそれがある。
次に、図3(b)のように凹凸部8を有する金型9をゾルゲル材料10に圧着し、加熱する。
このとき、圧着圧力が10N/cm2以上2000N/cm2以下であることが好ましく、圧着時間は5分以上60分以下であることが好ましい。
また、加熱温度は、摂氏18度以上摂氏500度以下であることが好ましく、圧着加熱時間は、5分以上60分以下であることが好ましい。
ここで、金型9の形状について説明すると、金型9は、ゾルゲル材料10の圧着面に凹凸部8を有している。この凹凸部8は、凹凸面7と一対をなす形状をしており、凹凸部8の形状と凹凸面7の形状は一致している。
次に、図3(c)のように金型9をゾルゲル材料10から離型する。
このとき、ゾルゲル材料10が固化して表面凹凸層3が形成されている。
次に、図3(d)のように表面凹凸層3の上に、スパッタ法にて、透明電極層4を成膜する。
このとき、透明電極層4は、表面凹凸層3の凹凸面7に追随して露出面に凹凸が形成されている。スパッタ法で形成されているため、透明電極層4の厚みは全面でほぼ均等となっている。
次に、図3(e)のように真空蒸着装置によって、この基板に電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層などを順次積層し、機能層5を成膜する。
このとき、機能層5は、透明電極層4の露出面(表面形状)に追随して露出面が凹凸を形成している。すなわち、機能層5は、透明電極層4を介して表面凹凸層3の凹凸面7に追随している。真空蒸着法で形成されているため、機能層5の厚みは全面でほぼ均等となっている。
次に、図3(f)のように真空蒸着装置によって、この基板に裏面電極層6を成膜する。
このとき、裏面電極層6は、透明電極層4の露出面(表面形状)に追随して露出面が凹凸を形成している。すなわち、裏面電極層6は、透明電極層4及び機能層5を介して表面凹凸層3の凹凸面7に追随している。真空蒸着法で形成されているため、裏面電極層6の厚みは全面でほぼ均等となっている。
このようにして本実施形態の有機EL装置1は製造される。
本実施形態の有機EL装置1は、スパッタ法によって透明電極層4を形成することによって表面凹凸層3の凹凸面7を追随させている。すなわち、透明電極層4と機能層5との界面において、表面凹凸層3の凹凸面7と略同一の凹凸が形成されている。そのため、機能層5が透明電極層4の凹凸上に積層され、図4のように駆動時における正孔及び電子の反応場である発光界面15が透明電極層4の凹凸をなぞるように形成されるため、平滑な透明電極層4上に機能層5を積層した場合に比べて、発光界面15の面積が大きくなり、輝度が向上する。
本実施形態の有機EL装置1は、裏面電極層6が機能層5に追随した形状をしている。そのため、透明電極層4と裏面電極層6との距離は、機能層5の面内どの位置においてもほぼ等間隔となるので、局所的に過剰な電圧が印加されず、短絡等が起こりにくい。それ故に信頼性が高い。
本実施形態の有機EL装置1は、裏面電極層6に銀を使用している。そのため、従来であれば、プラズモン散乱が起こりやすく、発光ロスが生じやすい。ところが、裏面電極層6は透明電極層4及び機能層5を介して表面凹凸層3に追随して凹凸が形成されているため、裏面電極層6の表面でプラズモン散乱が起こりにくく、機能層5側から伝わった光の大部分を反射させることができるので、プラズモン散乱による光の損失を抑制することができる。それ故に、本実施形態の有機EL装置1は、従来の有機EL装置に比べて光取出効率が向上する。
上記した実施形態では、表面凹凸層3を従来のナノインプリント法と異なる手法のナノインプリント法によって形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知の熱ナノインプリント法や紫外線ナノインプリント法によって表面凹凸層3を形成してもよい。
1 有機EL装置
2 透明基板(基材)
3 表面凹凸層
4 透明電極層
5 機能層
6 裏面電極層
7 凹凸面

Claims (5)

  1. 基材上に透明電極層と有機発光層と裏面電極層が積層した有機EL装置において、
    前記基材は、屈折率が1.40以上1.60以下であり、
    前記透明電極層は、屈折率が1.8以上2.0以下の透明酸化物から形成されるものであり、かつ、最大厚みをDmax、最小厚みをDminとしたときに、(Dmax−Dmin)/(Dmax+Dmin)が0.1以下であり、
    前記裏面電極層は、銀によって形成されており、
    さらに、前記基材と透明電極層との間に、透明電極層側の面に凹凸面を有した表面凹凸層が介在しており、
    前記凹凸面の平均ピッチは、200nmより大きく1μm以下であり、
    前記凹凸面の高低差は、200nm以上であって、かつ、前記平均ピッチより小さいものであり、
    表面凹凸層は、屈折率が1.65以上1.75以下の透明酸化物で形成されるものであって、平均厚みが1μm以上であり、
    厚み方向において、有機発光層の基材に対して最も距離が近い部位は、透明電極層の基材に対して最も距離が離れた部位よりも基材側に位置していることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記透明電極層の平均厚み及び前記有機発光層の平均厚みの合計は、凹凸面の高低差以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記表面凹凸層は、シリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、及び、亜鉛からなる群から選ばれる金属元素を含んだ酸化物で形成されており、
    さらに、前記表面凹凸層は、ナノインプリント法によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置。
  4. 前記透明電極層は、インジウム亜鉛酸化物又はインジウム錫酸化物によって形成されるものであって、かつ、スパッタ法によって前記凹凸面上に直接積層していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL装置。
  5. 前記基材は、ガラス基板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL装置。
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