JP6043673B2 - 電気音響変換用高分子複合圧電体 - Google Patents

電気音響変換用高分子複合圧電体 Download PDF

Info

Publication number
JP6043673B2
JP6043673B2 JP2013075123A JP2013075123A JP6043673B2 JP 6043673 B2 JP6043673 B2 JP 6043673B2 JP 2013075123 A JP2013075123 A JP 2013075123A JP 2013075123 A JP2013075123 A JP 2013075123A JP 6043673 B2 JP6043673 B2 JP 6043673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
particles
polymer
composite piezoelectric
polymer composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013075123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014199888A (ja
Inventor
三好 哲
哲 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013075123A priority Critical patent/JP6043673B2/ja
Priority to PCT/JP2014/059350 priority patent/WO2014157702A1/ja
Publication of JP2014199888A publication Critical patent/JP2014199888A/ja
Priority to US14/867,784 priority patent/US9960342B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6043673B2 publication Critical patent/JP6043673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/852Composite materials, e.g. having 1-3 or 2-2 type connectivity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/24Acids; Salts thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/09Forming piezoelectric or electrostrictive materials
    • H10N30/092Forming composite materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K2201/00Specific properties of additives
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R17/00Piezoelectric transducers; Electrostrictive transducers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)

Description

本発明は、スピーカやマイクロフォン等に利用される電気音響変換フィルムなどに用いられる高分子複合圧電体に関する。
有機ELディスプレイなど、プラスチック等の可撓性基板を用いたフレキシブルディスプレイの開発が進められている。
このようなフレキシブルディスプレイを、テレビジョン受像機等のように画像と共に音声を再生する画像表示装置兼音声発生装置として使用する場合、音声を発生するための音響装置であるスピーカが必要である。
ここで、従来のスピーカ形状としては、漏斗状のいわゆるコーン型や、球面状のドーム型等が一般的である。しかしながら、これらのスピーカを上述のフレキシブルディスプレイに内蔵しようとすると、フレキシブルディスプレイの長所である軽量性や可撓性を損なう虞れがある。また、スピーカを外付けにした場合、持ち運び等が面倒であり、曲面状の壁に設置することが難しくなり美観を損ねる虞れもある。
このような中、軽量性や可撓性を損なうことなくフレキシブルディスプレイに一体化可能なスピーカとして、シート状で可撓性を有する圧電フィルムを採用することが、例えば、特許文献1に開示されている。
圧電フィルムとは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:Poly VinyliDene Fluoride)の一軸延伸フィルムを高電圧で分極処理したもので、印加電圧に応答して伸縮する性質を有している。
ここで、圧電フィルムからなるスピーカを一体化した、平面視形状が長方形のフレキシブルディスプレイを、携帯用として新聞や雑誌のように書類感覚で緩く撓めた状態で把持し、画面表示を縦横切り替えて使用する場合、画像表示面は縦方向のみならず横方向にも湾曲できることが好ましい。
ところが、一軸延伸されたPVDFからなる圧電フィルムは、その圧電特性に面内異方性があるため、同じ曲率でも曲げる方向によって音質が大きく異なってしまう。
これに対して、圧電特性に面内異方性がない、シート状で可撓性を有する圧電材料としては、高分子マトリックス中に圧電体粒子を分散させた高分子複合圧電体が挙げられる。
例えば、非特許文献1には、圧電体であるPZTセラミックスの粉末を溶媒流延または熱間混練によりPVDFと混合させた高分子複合圧電体によって、PVDFのしなやかさとPZTセラミックスの高い圧電特性とを両立した高分子複合圧電体が開示されている。
ここで、このような高分子複合圧電体では、圧電特性、すなわち伝達効率を高めるためには、マトリックスに対する圧電体粒子の割合を増やすのが好ましい。しかしながら、高分子複合圧電体においては、マトリックスに対する圧電体粒子の量が多くなると、硬く、かつ、脆くなるという問題が有る。
この問題を解決する方法として、非特許文献2には、非特許文献1に記載される高分子複合圧電体において、PVDFにフッ素ゴムを添加することで、可撓性を維持させることが開示されている。
特開2008−294493号公報
北山豊樹、昭和46年電子情報通信学会総合全国大会講演論文集、366(1971) 白井誠一、野村博昭、大賀寿郎、山田武、大口信樹、電子情報通信学会技術研究報告、24、15(1980)
非特許文献1および非特許文献2にも示されるように、高分子複合圧電体の圧電体粒子としては、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)粒子が利用されている。
PZTは、一般式Pb(ZrxTi1-x)O3で示される組成を有する、良好な圧電特性を有する圧電材料である。
このようなPZT粒子は、通常、原料となる酸化鉛粉末、酸化ジルコニウム粉末および酸化チタン粉末とを混合して、焼成することで作製される(PZTセラミックス(圧電セラミックス))。また、PZT粒子は、高い圧電特性を得るために、通常、最終的に1100〜1200℃程度で3〜5時間焼成され、焼結体とされる。
また、PZTのようなペロブスカイト構造をとる強誘電体では、組成を相転移境界(MPB(モルフォトロピック相境界))組成とすることで、高い圧電特性が得られることが知られている。PZTのMPB組成は、前述の一般式のxが0.52(すなわち、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)付近の組成である。
焼成によるセラミックス粒子の製造では、得られる粒子のZrとTiとの組成比は、原料粉の組成(いわゆる仕込み組成)と、ほぼ一致する。従って、MPB組成のPZT粒子は、焼結体の原料粉末において、酸化ジルコニウム粉末と酸化チタン粉末とが0.52:0.48のモル比になるように仕込むことで、作製できる。
焼結されたMPB組成のPZT粒子を用いることにより、良好な圧電特性を有する高分子複合圧電体を得ることができる。
しかしながら、近年の高分子複合圧電体の圧電特性に対する要求は、ますます、厳しくなっており、より高い圧電特性を有する高分子複合圧電体の出現が望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、高分子マトリックスに圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体であって、圧電体粒子としてPZT粒子を用い、より高い圧電特性を発現する高分子複合圧電体を提供することにある。
このような問題を解決するために、本発明の電気音響変換用高分子複合圧電体は、高分子材料からなるマトリックス中に、圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体であって、圧電体粒子が、一般式Pb(ZrxTi1-x)O3で示されるジルコン酸チタン酸鉛を主成分とするものであり、かつ、1つの圧電体粒子の中に、正方晶と菱面体晶とが混在しており、レーザ散乱粒度測定装置で計測した圧電体粒子の粒子径において、メジアン径(D 50 )が2〜5μmであり、粒子径が10μm以上の圧電体粒子が、全圧電体粒子の5〜30vol%であり、粒子径が1μm以下の圧電体粒子が、全圧電体粒子の10vol%以下であることを特徴とする電気音響変換用高分子複合圧電体を提供する。
このような本発明の電気音響変換用高分子複合圧電体において、エネルギ分散型X線分析によって測定した圧電体粒子の組成において、1つの圧電体粒子の中に、一般式のxが0.3〜0.7で、かつ、このxが互いに異なる領域が混在しているのが好ましい。
また、全ての圧電体粒子の一般式のxの平均が0.52±0.10であるのが好ましい。
また、圧電体粒子が多結晶体であるのが好ましい。
また、エネルギ分散型X線分析によって測定した圧電体粒子の組成において、多結晶体を構成する一次粒子の一般式のxが0.3〜0.7であり、かつ、1つの圧電体粒子の中に、このxが互いに異なる一次粒子が混在しているのが好ましい。
また、エネルギ分散型X線分析によって測定した圧電体粒子の組成において、1つの圧電体粒子の中に、一般式のxが、全ての圧電体粒子の平均+0.1以上の領域と、全ての圧電体粒子の平均−0.1以下の領域とが混在しているのが好ましい。
さらに、高分子マトリクスが、常温で粘弾性を有する高分子材料からなるものであるのが好ましい。
常温で粘弾性を有する高分子材料は、周波数1Hzでのガラス転移温度が常温にある高分子材料、常温において、動的粘弾性試験による周波数1Hzにおける損失正接Tanδの極大値が、0.5以上である高分子材料、又は動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において100MPa以上、50℃において10MPa以下である高分子材料であることが好ましい。
また、圧電体粒子は、700〜800℃で焼成されて緻密な焼結体となっていない多結晶体であり、1つの圧電粒子内に、エネルギ分散型X線分析によって測定した圧電体粒子の組成において、一般式のxが互いに異なるZrが多い領域とTiが多い領域とが混在し、一般式のxが0.3〜0.7の範囲に及ぶと共に、全ての圧電体粒子の一般式のxの平均が0.52±0.10であることが好ましい。
このような本発明の高分子複合圧電体は、従来の焼結したPZT粒子を用いる高分子複合圧電体に比して、より高い圧電特性が得られる。
また、本発明の高分子複合圧電体によれば、PZT粒子の製造工程を大幅に簡略化できるので、高分子複合圧電体のコストを低減できる。
本発明の高分子複合圧電体の一例を概念的に示す図である。 (A)および(B)は、本発明の高分子複合圧電体を利用する電気音響変換フィルムの一例を概念的に示す図である。 (A)は、本発明の高分子複合圧電体に用いられる圧電体粒子の組成を示すグラフ、(B)は、PZT焼結体の組成を示すグラフである。 (A)〜(D)は、本発明の実施例におけるXRDパターンである。 10μm以上の粒子の割合と圧電特性との関係を示すグラフである。
以下、本発明の高分子複合圧電体について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の高分子複合圧電体の一例を概念的に示す。
図1に示すように、本発明の高分子複合圧電体10(以下、複合圧電体10とも言う)は、高分子材料からなるマトリックス12中に、圧電体粒子14を分散してなる構成を有する。
なお、図1には、圧電体粒子14が、マトリックス12中に規則性を持って分散されているが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、本発明の複合圧電体10において、マトリックス12中の圧電体粒子14は、好ましくは均一に分散されていれば、マトリックス12中に規則的に分散されていても、不規則に分散されていてもよい。
本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子14はPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)の粒子(PZTを主成分とする粒子)である。
周知のように、PZTは、一般式Pb(ZrxTi1-x)O3で示されるものである(以下、この一般式Pb(ZrxTi1-x)O3を、一般式[I]とも言う)。
なお、この一般式[I]において、x<1である。また、この一般式[I]において、xは、ジルコンとチタンとの元素比(モル比)であり、すなわち、Zr/(Zr+Ti)である。
ここで、本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子14は、1つの粒子の中に、正方晶(Tetragonal)と菱面体晶(Rhombohedral)とが混在している。
本発明の複合圧電体10は、このような圧電体粒子14を用いることにより、従来のPZT焼結体を粉砕したものを圧電体粒子として用いる高分子複合圧電体に比して、良好な圧電特性を有する。
前述のように、PZTを圧電体粒子として用いる従来の高分子複合圧電体では、1100〜1200℃程度の高温で1〜10時間程度の焼成工程を経て作製された、PZT焼結体を粉砕したものを用いている。通常の圧電セラミックスの場合は、高い圧電特性を得るためには緻密さが非常に重要であるため、1000℃以上の高温での熱処理を行うことで、緻密な焼結体を得ているが、この緻密化プロセスには必ず原子の長距離拡散が伴うため、焼成前は粒子間で組成が不均一であっても、緻密な焼結体になった段階では、ほぼ均一な組成を有するPZT焼結体となっている。
このため、後に実施例でも示すが、組成が一般式[I]のxが0.52(すなわち、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)である、相転移境界(MPB モルフォトロピック相境界)組成からなるPZT焼結体は、正方晶と菱面体晶が混在するという予想に反し、正方晶単相になることが報告されている(K.Kakegawa,J.Mohri,T.Takahashi,H.Yamamura and S.Shirasaki: Solid State Commun.24,769(1977))。
従って、このようなPZT焼結体を粉砕して得られる粉も、正方晶単相になる。
これに対して、本発明の複合圧電体10は、圧電体粒子14として、1つの粒子の中に、正方晶と菱面体晶とが混在しているPZT粒子を用いる。
そのため、本発明の複合圧電体10は、圧電体粒子14の中に正方晶と菱面体晶との相転移境界が存在する。相転移境界は、電界に対して非常に柔軟であり、圧電特性の向上に大きく寄与する。すなわち、圧電体粒子14が、粒子内に相転移境界を有することにより、非常に高い圧電特性を発現する。
後に実施例でも示すが、本発明の複合圧電体10は、このような圧電体粒子14を用いることにより、従来のPZT焼結体を圧電体粒子として用いる高分子複合圧電体に比して、良好な圧電特性を有する。
このような、1つの圧電体粒子14の中に、正方晶と菱面体晶とが混在する圧電体粒子14は、PZT粒子内に異なる組成を有する領域を混在させることで、実現できる。
具体的には、本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子(PZT粒子)14は、エネルギ分散型X線分析(以下、EDXとも言う)を行った際に、1つの粒子内に、一般式[I](Pb(ZrxTi1-x)O3)のxが0.3〜0.7で、かつ、このxが互いに異なる組成の領域が混在する。言い換えれば、本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子14は、EDXで分析した際に、1つの圧電体粒子14内に、一般式[I]のxが0.3〜0.7の範囲で、かつ、xが互いに異なるPZTが混在している。
周知のように、PZTは、ジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)との固溶体である。ここで、PZTにおいては、ジルコン酸鉛が多い領域(xが0.52以上の領域 以下、Zrが多い領域とも言う)は、正方晶になり、チタンが多い領域(xが0.52未満の領域 以下、Tiが多い領域とも言う)は、菱面体晶になる。
従って、PZTからなる1つの圧電体粒子14の中に、Zrが多い領域と、Tiが多い領域とが混在することにより、1つの圧電体粒子14の中に、正方晶である領域と菱面体晶である領域とを混在させることができる。
言い換えれば、1つの圧電体粒子14内において、ZrとTiとの組成をバラつかせて、Zrが多い領域とTiが多い領域とを不連続に隣接させることにより、1つの圧電体粒子14の中に、正方晶である領域と菱面体晶である領域とを混在させて、相転移境界を導入できる。
本発明の複合圧電体10の圧電体粒子14は、個々の粒子内に組成のバラツキを有し、かつ、各粒子間でも組成のバラツキを有するが、圧電体粒子14の全体の組成を見た際には、前記一般式[I]におけるxが0.52±0.10であるのが好ましい。すなわち、本発明の複合圧電体10においては、全ての圧電体粒子14のxを平均すると、0.52±0.10となるのが好ましい。
特に、本発明の複合圧電体10においては、圧電体粒子14の全体の組成を見た際に、一般式[I]におけるxが0.52±0.05であるのが、より好ましく、中でも、xが0.52であるのが好ましい。
本発明の複合圧電体10においては、圧電体粒子14の全体の組成を見た際に、xが0.52±0.10であることにより、圧電体粒子14の全体の組成を相転移境界の組成に近づけることができ、高い圧電特性を得ることができる。
なお、本発明の複合圧電体10に用いる圧電体粒子14は、好ましくは、後述するように、酸化鉛粉末、酸化ジルコニウム粉末および酸化チタン粉末とを混合して、700〜800℃程度で3〜6時間、焼成することで作製する。
このような焼成による圧電体粒子14の製造では、若干のPbの蒸発が生じる場合は有るが、ZrとTiに関しては、得られる圧電体粒子14全体の組成比は、最初に混合した各粉末の量と、ほぼ一致する。すなわち、圧電体粒子14全体のZrおよびTiの組成比は、いわゆる仕込み組成に、ほぼ一致する。
従って、目的とする圧電体粒子14全体の組成に応じて、圧電体粒子14を作製するための仕込み組成を設定することにより、圧電体粒子14全体の組成を、目的とする組成にできる。
本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子14は、EDXで分析した際に、1つの粒子の中に、一般式[I]のxが、全ての圧電体粒子14の平均のx(圧電体粒子14全体の組成)に対して,+0.1以上の組成の領域と、−0.1以下の組成の領域とが、混在するのが好ましい。
このような構成を有することにより、圧電体粒子14の粒子内における組成のバラツキを大きくして、Zrが多い領域とTiが多い領域とを混在させることができ、より確実かつ好適に、1つの圧電体粒子14の中に、正方晶と菱面体晶とを混在させて、より圧電特性の高い複合圧電体10を得ることができる。
本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子14は、各種の形態の物が利用可能である。すなわち、本発明において、圧電体粒子14は、例えば、多結晶体でもよく、単結晶体でもよく、中心部と外郭部とを有するいわゆるコアシェル構造でもよい。
中でも、焼成によって、高い生産性で、かつ、安価に作製できるので、圧電体粒子14は、多結晶体であるのが好ましい。
また、圧電体粒子14が多結晶体である場合には、多結晶体を構成する一次粒子をEDXで分析した際に、一次粒子は、前記一般式[I]のxが0.3〜0.7である組成を有するのが好ましい。また、圧電体粒子14が多結晶体である場合には、1つの圧電体粒子14の中に、互いにxが異なる組成の一次粒子が混在しているのが好ましい。
これにより、より確実かつ好適に、1つの圧電体粒子14の中に、Zrが多い領域とTiが多い領域とを混在させて、正方晶と菱面体晶とを混在させることができ、より、圧電特性の高い複合圧電体10を得ることができる。
このような圧電体粒子14の粒子径は、複合圧電体10のサイズや用途に応じて、適宜、選択すれば良い.
ここで、本発明者の検討によれば、圧電体粒子14の粒子径は、レーザ散乱粒度測定装置で測定した粒子径が1〜30μmであるのが好ましい。
圧電体粒子14の粒径を上記範囲とすることにより、高い圧電特性とフレキシビリティとを両立できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
また、本発明の複合圧電体10において、圧電体粒子14は、レーザ散乱粒度測定装置で測定した粒子径において、メジアン径(D50)が2〜5μmであるのが好ましい。
圧電体粒子14のメジアン径を2〜5μmとすることにより、溶媒にマトリックス12を溶解し、さらに圧電体粒子14を分散してなる塗料を用いる溶媒塗布法などの、量産に適した製造法を用いても、均一かつ緻密な複合圧電体10を作製できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
また、圧電体粒子14は、レーザ散乱粒度測定装置で測定した粒子径において、粒子径が10μm以上の粒子が、全粒子の5〜30vol%、含まれるのが好ましい。
圧電体粒子14の中に、10μm以上の粒子が5vol%以上、含まれることにより、複合圧電体10の内部における振動エネルギの伝達効率を高くして、より高い圧電特性を得ることができる。
一方、複合圧電体10において、高い圧電特性を得るためには、複合圧電体10における圧電体粒子14の体積分率を、ある程度、高くする必要が有る。10μm以上の粒子の量を30vol%以下とすることにより、大きな粒子の間に小さい粒子を充填して、複合圧電体10における圧電体粒子14の体積分率を高くできる。
ただし、小さい粒子といっても、いわゆるサイズ効果によって、圧電性が発現しなくなる程に小さい粒子は好ましくない。具体的には、圧電体粒子14は、レーザ散乱粒度測定装置で測定した粒子径において、粒子径が1μm以下の粒子が含まれる割合が、全粒子の10vol%以下であるのが好ましい。
このような圧電体粒子14は、一例として、焼成によって作製できる。
具体的には、目的とする圧電体粒子14の全体の組成に応じた量比で、酸化鉛粉末、酸化ジルコニウム粉末および酸化チタン粉末とを混合して原料粉を調製する。なお、圧電体粒子14の全体の組成は、この原料粉の組成(仕込み組成)に、ほぼ一致するのは、前述の通りである。
次いで、この原料粉を坩堝等に入れて、700〜800℃程度で、3〜6時間、焼成する。
この温度の焼成では、原子の長距離拡散は十分に行われず、PZTの固相反応は、終了していない(PZTは焼結体にはならない)。そのため、この焼成で得られた圧電体粒子14(PZT粒子)は、多結晶体で、かつ、1つの粒子内に、Zrが多い領域とTiが多い領域とが混在する。これにより、1つの粒子内に、正方晶と菱面体晶とが混在する圧電体粒子14を得ることができる。
焼成を終了したら、必要に応じて、作製した圧電体粒子14を解砕する。
解砕は、公知の方法で行えばよい。しかしながら、圧電体粒子14を解砕し過ぎると、前述のような、10μm以上の粒子が5〜30vol%の圧電体粒子14が得られない。
好ましい解砕方法として、圧電体粒子14を篩(メッシュ)の上に載せ、上部から圧力を掛けて篩を通過させることにより、圧電体粒子14を解砕する方法が例示される。
この際におけるメッシュサイズは、目的とする粒子径に応じて、適宜、選択すればよい。本発明者の検討によれば、10μm以上の粒子が5〜30vol%の圧電体粒子14が好適に得られる等の点で、メッシュサイズは、28〜38μm程度が好ましい。
また、解砕をボールミルで行ってもよいが、ボールミルで解砕を行うと、解砕を行うに従って、粒子径が10μmを超える圧電体粒子14が減少すると同時に、粒子径が1μm以下の微細粉が増加する。従って、ボールミルで解砕を行う場合には、0.5時間以下程度の短時間にするのが好ましい。
以上の説明より明らかなように、この圧電体粒子14の製造方法は、従来から高分子複合圧電体で用いられているPZT焼結体の製造方法で必要な、1000℃以上の高温での焼成や、手間と時間がかかる強固に焼結したPZT焼結体の解砕工程(粉砕工程)が不要である。すなわち、本発明の複合圧電体10によれば、圧電体粒子の14の製造工程を大幅に簡略化でき、高性能で、しかも、低コストな複合圧電体10を得られる。
本発明の複合圧電体10において、マトリックス(高分子マトリックス)12は、公知の高分子複合圧電体に利用されている高分子材料が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、シアノエチル化プルラン、ナイロン等が例示される。
中でも、本発明の複合圧電体10において、マトリックス12は、常温で粘弾性を有する高分子材料からなるマトリックス12は、特に、好適に利用される。なお、本明細書において、「常温」とは、0〜50℃程度の温度域を指す。
本発明の複合圧電体10は、例えば、図2(A)に概念的に示すように、両面に電極層18を設け、あるいは、図2(B)に概念的に示すように、さらに、電極層18の表面に保護層20を設けて、電気音響変換フィルムとされて、フレキシブルディスプレイ用のスピーカなど、フレキシブル性を有するスピーカ等に好適に用いられる。
なお、電極層18の形成材料としては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、および、酸化インジウムスズ等が例示される。また、保護層20の形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイト(PPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、および、環状オレフィン系樹脂が好適に利用される。また、保護層20が非常に薄く、取り扱い性が悪い場合には、必要に応じて、セパレータ付きの保護層20を用いてもよい。
ここで、フレキシブル性を有するスピーカに用いられる複合圧電体10は、次の要件を具備したものであるのが好ましい。
(i) 可撓性
例えば、携帯用として新聞や雑誌のように書類感覚で緩く撓めた状態で把持する場合、絶えず外部から、数Hz以下の比較的ゆっくりとした、大きな曲げ変形を受けることになる。この時、高分子複合圧電体が硬いと、その分大きな曲げ応力が発生し、高分子マトリックスと圧電体粒子との界面で亀裂が発生し、やがて破壊に繋がる恐れがある。従って、高分子複合圧電体には適度な柔らかさが求められる。また、歪みエネルギーを熱として外部へ拡散できれば応力を緩和することができる。従って、高分子複合圧電体の損失正接が適度に大きいことが求められる。
(ii) 音質
スピーカは、20〜20kHzのオーディオ帯域の周波数で圧電体粒子を振動させ、その振動エネルギーによって振動板(高分子複合圧電体)全体が一体となって振動することで音が再生される。従って、振動エネルギーの伝達効率を高めるために高分子複合圧電体には適度な硬さが求められる。また、スピーカの周波数特性が平滑であれば、曲率の変化に伴い最低共振周波数fが変化した際の音質の変化量も小さくなる。従って、高分子複合圧電体の損失正接は適度に大きいことが求められる。
以上をまとめると、フレキシブル性を有するスピーカに用いる複合圧電体10は、20〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振る舞うことが求められる。また、複合圧電体10の損失正接は、20kHz以下の全ての周波数の振動に対して、適度に大きいことが求められる。
一般に、高分子固体は粘弾性緩和機構を有しており、温度上昇あるいは周波数の低下とともに大きなスケールの分子運動が貯蔵弾性率(ヤング率)の低下(緩和)あるいは損失弾性率の極大(吸収)として観測される。その中でも、非晶質領域の分子鎖のミクロブラウン運動によって引き起こされる緩和は、主分散と呼ばれ、非常に大きな緩和現象が見られる。この主分散が起きる温度がガラス転移点(Tg)であり、最も粘弾性緩和機構が顕著に現れる。
複合圧電体10において、ガラス転移点が常温にある高分子材料、言い換えると、常温で粘弾性を有する高分子材料をマトリックス12に用いることで、20〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の遅い振動に対しては柔らかく振舞う複合圧電体10が実現する。特に、この振舞いが好適に発現する等の点で、周波数1Hzでのガラス転移温度が常温にある高分子材料を、複合圧電体10のマトリックス12に用いるのが好ましい。
常温で粘弾性を有する高分子材料としては、公知の各種のものが利用可能である。好ましくは、常温において、動的粘弾性試験による周波数1Hzにおける損失正接Tanδの極大値が、0.5以上有る高分子材料を用いる。
これにより、複合圧電体10が外力によってゆっくりと曲げられた際に、最大曲げモーメント部におけるマトリックス12/圧電体粒子14界面の応力集中が緩和され、高い可撓性が期待できる。
また、高分子材料は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において100MPa以上、50℃において10MPa以下であることが好ましい。
これにより、複合圧電体10が外力によってゆっくりと曲げられた際に発生する曲げモーメントが低減できると同時に、20〜20kHzの音響振動に対しては硬く振る舞うことができる。
また、高分子材料は、比誘電率が25℃において10以上有ると、より好適である。これにより、高分子複合圧電体に電圧を印加した際に、マトリックス12中の圧電体粒子14にはより高い電界が掛かるため、大きな変形量が期待できる。
しかしながら、その反面、良好な耐湿性の確保等を考慮する場合には、高分子材料は、比誘電率が25℃において10以下であるのも、好適である。
このような条件を満たす高分子材料としては、シアノエチル化ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロライドコアクリロニトリル、ポリスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体、ポリビニルメチルケトン、および、ポリブチルメタクリレート等が例示される。また、これらの高分子材料としては、ハイブラー5127(クラレ社製)などの市販品も、好適に利用可能である。
なお、これらの高分子材料は、1種のみを用いてもよく、複数種を併用(混合)して用いてもよい。
このような常温で粘弾性を有する高分子材料を用いるマトリックス12は、必要に応じて、複数の高分子材料を併用してもよい。
すなわち、マトリックス12には、誘電特性や機械特性の調整等を目的として、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料に加え、必要に応じて、その他の誘電性高分子材料を添加しても良い。
添加可能な誘電性高分子材料としては、一例として、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体及びポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系高分子、シアン化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、シアノエチルセルロース、シアノエチルヒドロキシサッカロース、シアノエチルヒドロキシセルロース、シアノエチルヒドロキシプルラン、シアノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルアミロース、シアノエチルヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルジヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルヒドロキシプロピルアミロース、シアノエチルポリアクリルアミド、シアノエチルポリアクリレート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリヒドロキシメチレン、シアノエチルグリシドールプルラン、シアノエチルサッカロース及びシアノエチルソルビトール等のシアノ基あるいはシアノエチル基を有するポリマー、ニトリルゴムやクロロプレンゴム等の合成ゴム等が例示される。
中でも、シアノエチル基を有する高分子材料は、好適に利用される。
なお、複合圧電体10のマトリックス12において、シアノエチル化PVA等の常温で粘弾性を有する材料に加えて添加される誘電性ポリマーは、1種に限定はされず、複数種を添加してもよい。
また、誘電性高分子材料以外にも、ガラス転移点(Tg)を調節する目的で、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリブテン、イソブチレン、等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、マイカ、等の熱硬化性樹脂を添加しても良い。
さらに、粘着性を向上する目的で、ロジンエステル、ロジン、テルペン、テルペンフェノール、石油樹脂、等の粘着付与剤を添加しても良い。
複合圧電体10のマトリックス12において、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料以外のポリマーを添加する際の添加量には、特に限定は無いが、マトリックス12に占める割合で30重量%以下とするのが好ましい。
これにより、マトリックス12における粘弾性緩和機構を損なうことなく、添加する高分子材料の特性を発現できるため、高誘電率化、耐熱性の向上、圧電体粒子14や電極層との密着性向上等の点で好ましい結果を得ることができる。
本発明の複合圧電体10において、マトリックス12と圧電体粒子14との量比は、複合圧電体10のサイズ(面方向の大きさ)や厚さ、複合圧電体10の用途、複合圧電体10に要求される特性等に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、本発明者の検討によれば、複合圧電体10中における圧電体粒子14の体積分率は、30〜70%が好ましく、特に、50%以上とするのが好ましく、従って、50〜70%とするのが、より好ましい。
マトリックス12と圧電体粒子14との量比を上記範囲とすることにより、高い圧電特性とフレキシビリティとを両立できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
複合圧電体10は、公知の高分子複合圧電体と同様の方法で作製できる。
すなわち、有機溶媒に、マトリックス12となる高分子材料を溶解し、さらに、この溶液に圧電体粒子14を添加して、拡散し、高分子材料および有機溶媒に、圧電体粒子14を分散してなる塗料を調製する。
有機溶媒には、特に限定はなく、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の各種の有機溶媒が利用可能である。
このようにして塗料を調製したら、塗料をシート状物にキャスティング(塗布)して、有機溶媒を蒸発して乾燥して、複合圧電体10とする。ここで、このシート状物としては、前述の電極層18や、電極層18と保護層20との積層体を用いてもよい。
この塗料のキャスティング方法には、特に、限定はなく、スライドコータやドクターナイフ等の公知の方法(塗布装置)が、全て、利用可能である。
このようにして複合圧電体10を作製したら、好ましくは、複合圧電体10の分極処理(ポーリング)を行う。複合圧電体10の分極処理は、公知の方法が利用可能である。
また、分極処理の前に、複合圧電体10の表面を加熱ローラ等を用いて平滑化する、カレンダー処理を施してもよい。このカレンダー処理を施すことで、後述する熱圧着工程がスムーズに行える。
好ましい分極処理の方法として、以下の方法が例示される。
すなわち、複合圧電体10を導電性を有するシートの上に載置し(あるいは、複合圧電体10の一面に電極層18を設け)し、ワイヤー状などの一方向に延在するコロナ電極を用い、導電性シートとコロナ電極とに直流電源を接続する。
その上で、複合圧電体10を、加熱手段によって、例えば、温度100℃に加熱保持した状態で、直流電源から導電性シートとコロナ電極との間に、数kV、例えば、6kVの直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせる。
この状態から、所定の間隔を維持して、複合圧電体10の上面に沿って、延在方向と直交する方向にコロナ電極を移動(走査)して、複合圧電体10の分極処理を行う。
このような複合圧電体10は、例えば、前述のように、両面に電極層18(あるいはさらに保護層20)を設けられ、スピーカ、マイクロフォン、および、ギター等の楽器に用いられるピックアップなどの各種の音響デバイス(音響機器)において、電気信号に応じた振動による音の発生(再生)や、音による振動を電気信号に変換する、電気音響変換フィルムとして利用される。
以上、本発明の高分子複合圧電体について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、本発明の高分子複合圧電体について、より詳細に説明する。
[実施例1]
出発原料として、主成分となるPbの酸化物、Zrの酸化物およびTi酸化物の粉末をボールミルで12時間、湿式混合した。このとき、各酸化物の量は、Pb=1モルに対し、Zr=0.52モル、Ti=0.48モルとした。
この原料混合粉を、坩堝に投入して、800℃で5時間、焼成を行い、PZT粒子(以下、原料粒子とも言う)を作製した。
作製した原料粒子の粒度分布を、レーザー散乱粒度測定装置(日機装社製 Microtrac MT3300)を用いて測定した。その結果、メジアン径(D50)は4.2μm、1μm以下の粒子の割合(V<1μm)は5.9vol%、10μm以上の粒子の割合(V>10μm)は22.0vol%であった。
また、比表面積計(マウンテック社製 Macsorb HM Model-1201)を用いたBET(Brunauer-Emmett-Teller)法によって、原料粒子の比表面積を測定したところ、0.410m2/gであった。
さらに、X線ディフラクトメーター(Rigaku製 Rint Ultima III)を用いたX線回折法(XRD)による44°付近のXRDパターンから、結晶性の目安となる半値幅(200)を求めたところ、0.27であった。
原料粒子をメッシュサイズが30μmの篩に乗せて、上から圧力を掛けることで、篩を通過させて解砕して、圧電体粒子14を作製した。
この圧電体粒子14について、先と同様にして粒度分布および比表面積を測定した。その結果、メジアン径(D50)は3.4μm、1μm以下の粒子の割合(V<1μm)は7.0vol%、10μm以上の粒子の割合(V>10μm)は13.3vol%、比表面積は0.496m2/gであった。
また、任意に選択した5個の圧電体粒子14について、1つの粒子につき約10箇所で、組成を走査透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製 HD−2300)とエネルギー分散型X線(EDX)分析装置(Thermo Electron製 Noran System Six300)を用いて測定した。その結果、いずれの粒子も、一般式[I]のxが0.3〜0.7で、かつ、このxが互いに異なる領域が混在していた。
図3(A)に、任意に選択した1つの粒子の組成を示す。なお、横軸は、任意に設定した測定箇所の番号である。
作製した圧電体粒子を300質量部、シアノエチル化ポリビニルアルコール(信越化学工業製CR−V)を30質量部、および、ジメチルホルムアミド(DMF)を70質量部を混合して、プロペラミキサー(回転数2000 rpm)で混練して、複合圧電体10を作製するための塗料を調製した。
スライドコータを用いて、この塗料を、厚さ300μmのアルミニウム板の上に塗布した。塗布厚は、乾燥塗膜の膜厚が40μmとなるようにした。
次いで、120℃のホットプレート上で1時間、加熱することで、DMFを蒸発させて塗料を乾燥し、アルミニウム板の上に、厚さ40μmの複合圧電体10を作製した。
ワイヤー状のコロナ電極とアルミニウム板とに直流電源を接続し、コロナ電極とアルミニウム板との間に6kVの直流電圧を印加させつつ、コロナ電極によって複合圧電体10の上を走査することにより、複合圧電体10の分極処理を行った。
なお、分極処理は、コロナ電極を複合圧電体10との間隔を3mmに保ち、5mm/secの走査速度で、コロナ電極を2往復することで行った。また、分極処理中は、複合圧電体10を90℃に加熱した。
分極前後の複合圧電体10について、圧電体粒子14の結晶構造をX線ディフラクトメーター(Rigaku製 Rint Ultima III)を用いたX線回折法(XRD)による44°付近のXRDパターンを、図4(A)に示す。
図4(A)に示すように、43.5°付近の正方晶のピーク(Tetra.002)と45°付近の正方晶のピーク(Tetra.200)との間の、菱面体晶のピーク(Rhomb.200)が認められた。従って、先のEDXによる組成分析によって得られた1つの粒子内のZr/Ti比の組成バラツキに対応して、1つの圧電体粒子14の中に正方晶と菱面体晶とが混在していることが確認できた。
また、この44°付近のXRDパターンから、結晶性の目安となる半値幅(200)を求めたところ、0.27であった。
分極処理を行った複合圧電体10の表面に、真空蒸着によって、直径15mm、厚さ0.5μmのアルミニウム電極を形成した。
さらに、複合圧電体10の圧電特性(圧電定数)d33を、d33メーター(PIEZO TEST社製 PM-300)を用いて測定した。圧電特性d33の測定は、周波数110Hz、クランピングフォース10N、ダイナミックフォース0.25Nの条件で行った。
その結果、複合圧電体10の圧電特性d33は、90pC/Nであった。
以上の結果を、下記表に示す。
[実施例2]
篩による原料粒子の解砕に先立ち、ボールミルを用いて0.5時間の解砕を行った以外は、実施例1と同様にして圧電体粒子14を作製した。すなわち、本例では、ボールミルでの0.5時間の解砕を行い、その後、篩による解砕を行っている。
得られた圧電体粒子14の粒度分布および比表面積を、実施例1と同様に測定した。その結果、メジアン径(D50)は3.0μm、1μm以下の粒子の割合(V<1μm)は9.2vol%、10μm以上の粒子の割合(V>10μm)は7.6vol%、比表面積は0.511m2/gであった。
また、実施例1と同様に、任意に選択した5個の圧電体粒子14について、1つの粒子につき約10箇所で組成をEDXによって測定した。その結果、いずれの粒子も、一般式[I]のxが0.3〜0.7で、かつ、このxが互いに異なる領域が混在していた。
次いで、実施例1と同様にして、アルミニウム板上に複合圧電体10を形成して、分極処理を行った。
分極前後の圧電体粒子14について、実施例1と同様に測定した44°付近のXRDパターンを、図4(B)に示す。
図4(B)に示すように、43.5°付近の正方晶のピーク(Tetra.002)と45°付近の正方晶のピーク(Tetra.200)との間の、菱面体晶のピーク(Rhomb.200)が認められ、EDXによる組成分析の測定結果に対応して、1つの圧電体粒子14の中に正方晶と菱面体晶とが混在していることが確認できた。
また、この44°付近のXRDパターンから、結晶性の目安となる半値幅(200)を求めたところ、0.28であった。
さらに、実施例1と同様にして、アルミニウム電極を形成して、複合圧電体10の圧電特性を測定した。
その結果、複合圧電体の圧電特性d33は、83pC/Nであった。
以上の結果を、下記表に併記する。
[実施例3]
篩による原料粒子の解砕に先立ち、ボールミルを用いて1時間の解砕を行った以外は、実施例1と同様にして圧電体粒子14を作製した。すなわち、本例では、ボールミルでの1時間の解砕を行い、その後、篩による解砕を行っている。
得られた圧電体粒子14の粒度分布および比表面積を、実施例1と同様に測定した。その結果、メジアン径(D50)は2.3μm、1μm以下の粒子の割合(V<1μm)は11.2vol%、10μm以上の粒子の割合(V>10μm)は0.0vol%、比表面積は0.614m2/gであった。
また、実施例1と同様に、任意に選択した5個の圧電体粒子14について、1つの粒子につき約10箇所で組成をEDXによって測定した。その結果、いずれの粒子も、一般式[I]のxが0.3〜0.7で、かつ、このxが互いに異なる領域が混在していた。
次いで、実施例1と同様にして、アルミニウム板上に複合圧電体10を形成して、分極処理を行った。
分極前後の圧電体粒子14について、実施例1と同様に測定した44°付近のXRDパターンを、図4(C)に示す。
図4(C)に示すように、43.5°付近の正方晶のピーク(Tetra.002)と45°付近の正方晶のピーク(Tetra.200)との間の、菱面体晶のピーク(Rhomb.200)が認められ、EDXによる組成分析の測定結果に対応して、1つの圧電体粒子14の中に正方晶と菱面体晶とが混在していることが確認できた。
また、この44°付近のXRDパターンから、結晶性の目安となる半値幅(200)を求めたところ、0.29であった。
さらに、実施例1と同様にして、アルミニウム電極を形成して、複合圧電体10の圧電特性を測定した。
その結果、複合圧電体10の圧電特性d33は、72pC/Nであった。
以上の結果を、下記表に併記する。
[比較例]
実施例1と同様の原料粉末をボールミルによって12時間、解砕した。
次いで、100MPaの一軸加圧成型によって直径25mm、厚さ5mmの円筒状に成型した。この成型品を1100℃で3時間、焼成することで、緻密な焼結体を得た。
この焼結体をボールミルによって48時間、湿式粉砕し、平均粒径1μm程度の粉末を得た。この粉末を、再度、1000℃で焼成した。
さらに、実施例1と同様に篩による解砕を行って、PZT粒子(PZTの焼結体粒子)を作製した。
作製したPZT粒子の粒度分布および比表面積を、実施例1と同様に測定した。その結果、メジアン径(D50)は7.8μm、1μm以下の粒子の割合(V<1μm)は3.7vol%、10μm以上の粒子の割合(V>10μm)は36.2vol%、比表面積は0.310m2/gであった。
また、実施例1と同様に、任意に選択した5個の圧電体粒子14について、1つの粒子につき約10箇所で組成を測定した。その結果、いずれの粒子も、全ての測定位置で一般式[I]のxが0.52近傍であった。
図3(B)に、任意に選択した1つの粒子の組成を示す。なお、横軸は、任意に設定した測定箇所の番号である。
次いで、実施例1と同様にして、アルミニウム板上に、このPZT粒子を用いる高分子複合圧電体を形成して、分極処理を行った。
分極前後のPZT粒子について、実施例1と同様に測定した44°付近のXRDパターンを、図4(D)に示す。
図4(D)に示すように、このPZT粒子のXRDパターンには、43.5°付近の正方晶のピーク(Tetra.002)と45°付近の正方晶のピーク(Tetra.200)のみが認められ、菱面体晶のピーク(Rhomb.200)は、認められなかった。これにより、このPZT粒子は正方晶の単相であることが確認された。
また、この44°付近のXRDパターンから、結晶性の目安となる半値幅(200)を求めたところ、0.24であった。従って、このPZT粒子は、実施例1〜3の圧電体粒子14に比べて高い結晶性を有していると言える。
さらに、実施例1と同様にして、アルミニウム電極を形成して、高分子複合圧電体の圧電特性を測定した。
その結果、高分子複合圧電体の圧電特性d33は、67pC/Nであった。
以上の結果を、下記表に併記する。
以上のように、1つの粒子の中に正方晶と菱面体晶とが混在する圧電体粒子14を用いた本発明の複合圧電体10は、いずれも、圧電体粒子として正方晶単相のPZT焼結体を用いる従来(比較例)の高分子複合圧電体より低い結晶性にも関わらす、高い圧電特性を有していることが分かる。
また、図4に示すように、本発明の複合圧電体10の圧電体粒子14は、いずれも、分極処理の前後で43.5°付近の正方晶のピーク(Tetra.002)と45°付近の正方晶のピーク(Tetra.200)の高さが逆転している。このことは、正方晶PZTにおける90°ドメインモーションが生じ易いことを示している。90°ドメインモーションが発生し易い材料は、高い圧電特性を有することが知られており、この点からも、本発明の複合圧電体10が高い圧電特性を有することが分かる。
一方、実施例1〜3の違いは、原料粉末の解砕方法の違いであるが、表1を見ると、結晶性には殆ど差が無いことが分かる。また、解砕時に発生した粒子径1μm以下の粒子の割合にも殆ど差が無いことも分かる。このことから、実施例1〜3における圧電特性の違いは、粒子径が10μm以上の粒子の割合に起因すると考えられる。
そこで、粒子径が10μm以上の粒子の割合(V>10μm)と圧電特性(d33)との関係をプロットしたのが図5である。この図から、圧電体粒子14が粒子径10μm以上の粒子を5vol%以上含むことにより、80pC/N以上の高い圧電特性が得られることが分かる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 (高分子)複合圧電体
12 マトリックス
14 圧電体粒子
18 電極層
20 保護層

Claims (11)

  1. 高分子材料からなるマトリックス中に、圧電体粒子を分散してなる電気音響変換用高分子複合圧電体であって、
    前記圧電体粒子が、一般式Pb(ZrxTi1-x)O3で示されるジルコン酸チタン酸鉛を主成分とするものであり、かつ、1つの前記圧電体粒子の中に、正方晶と菱面体晶とが混在しており、
    レーザ散乱粒度測定装置で計測した前記圧電体粒子の粒子径において、
    メジアン径(D 50 )が2〜5μmであり、
    粒子径が10μm以上の圧電体粒子が、全圧電体粒子の5〜30vol%であり、
    粒子径が1μm以下の圧電体粒子が、全圧電体粒子の10vol%以下であることを特徴とする電気音響変換用高分子複合圧電体。
  2. エネルギ分散型X線分析によって測定した前記圧電体粒子の組成において、1つの前記圧電体粒子の中に、前記一般式のxが0.3〜0.7で、かつ、このxが互いに異なる領域が混在している請求項1に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  3. 全ての前記圧電体粒子の前記一般式のxの平均が0.52±0.10である請求項1または2に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  4. 前記圧電体粒子が多結晶体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  5. エネルギ分散型X線分析によって測定した前記圧電体粒子の組成において、前記多結晶体を構成する一次粒子の前記一般式のxが0.3〜0.7であり、かつ、1つの前記圧電体粒子の中に、このxが互いに異なる一次粒子が混在している請求項4に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  6. エネルギ分散型X線分析によって測定した前記圧電体粒子の組成において、1つの前記圧電体粒子の中に、前記一般式のxが、全ての圧電体粒子の平均+0.1以上の領域と、全ての圧電体粒子の平均−0.1以下の領域とが混在している請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  7. 前記高分子マトリクスが、常温で粘弾性を有する高分子材料からなるものである請求項1〜のいずれか1項に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  8. 常温で粘弾性を有する前記高分子材料は、周波数1Hzでのガラス転移温度が常温にある高分子材料である請求項7に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  9. 常温で粘弾性を有する前記高分子材料は、常温において、動的粘弾性試験による周波数1Hzにおける損失正接Tanδの極大値が、0.5以上である高分子材料である請求項7または8に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  10. 常温で粘弾性を有する前記高分子材料は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において100MPa以上、50℃において10MPa以下である高分子材料である請求項7または8に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
  11. 前記圧電体粒子は、700〜800℃で焼成されて緻密な焼結体となっていない多結晶体であり、1つの前記圧電粒子内に、エネルギ分散型X線分析によって測定した前記圧電体粒子の組成において、前記一般式のxが互いに異なるZrが多い領域とTiが多い領域とが混在し、前記一般式のxが0.3〜0.7の範囲に及ぶと共に、
    全ての前記圧電体粒子の前記一般式のxの平均が0.52±0.10である請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気音響変換用高分子複合圧電体。
JP2013075123A 2013-03-29 2013-03-29 電気音響変換用高分子複合圧電体 Active JP6043673B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075123A JP6043673B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 電気音響変換用高分子複合圧電体
PCT/JP2014/059350 WO2014157702A1 (ja) 2013-03-29 2014-03-28 高分子複合圧電体
US14/867,784 US9960342B2 (en) 2013-03-29 2015-09-28 Piezoelectric polymer composite material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075123A JP6043673B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 電気音響変換用高分子複合圧電体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014199888A JP2014199888A (ja) 2014-10-23
JP6043673B2 true JP6043673B2 (ja) 2016-12-14

Family

ID=51624657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013075123A Active JP6043673B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 電気音響変換用高分子複合圧電体

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9960342B2 (ja)
JP (1) JP6043673B2 (ja)
WO (1) WO2014157702A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202195A1 (ja) 2021-03-26 2022-09-29 富士フイルム株式会社 圧電フィルム

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6216884B2 (ja) * 2014-06-30 2017-10-18 富士フイルム株式会社 電気音響変換フィルムおよびデジタルスピーカ
EP3578998A1 (en) 2018-06-08 2019-12-11 3M Innovative Properties Company Impedance assembly
WO2020137212A1 (ja) 2018-12-26 2020-07-02 富士フイルム株式会社 聴診器および電子聴診装置
US10951992B2 (en) 2018-12-31 2021-03-16 Lg Display Co., Ltd. Vibration generating device and display apparatus including the same
CN110320519A (zh) * 2019-06-09 2019-10-11 重庆工商大学融智学院 一种空间数据的表达与快速显示方法
CN114730828A (zh) * 2019-11-28 2022-07-08 富士胶片株式会社 高分子复合压电体及复合体用原料粒子的制造方法
CN114930556A (zh) * 2020-01-16 2022-08-19 富士胶片株式会社 高分子复合压电薄膜

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003176390A (ja) * 2002-09-04 2003-06-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電組成物感圧体、これを用いた感圧素子及びこの感圧素子を用いた圧力検知装置
JP4960765B2 (ja) 2007-05-22 2012-06-27 日本放送協会 フレキシブルスピーカの音質補正装置および音質補正装置を備えたスピーカシステム
JP2009103484A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Panasonic Corp 圧電組成物感圧体を用いた圧電素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202195A1 (ja) 2021-03-26 2022-09-29 富士フイルム株式会社 圧電フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014157702A1 (ja) 2014-10-02
JP2014199888A (ja) 2014-10-23
US20160020380A1 (en) 2016-01-21
US9960342B2 (en) 2018-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6043673B2 (ja) 電気音響変換用高分子複合圧電体
JP6018108B2 (ja) 高分子複合圧電体
JP6297204B2 (ja) 高分子複合圧電体、電気音響変換フィルムおよび電気音響変換器
JP6071932B2 (ja) 電気音響変換フィルム
JP6199245B2 (ja) 電気音響変換フィルムおよび電気音響変換フィルムの導通方法
WO2020261822A1 (ja) 圧電フィルム
TWI827851B (zh) 高分子複合壓電體及壓電薄膜
WO2021157288A1 (ja) 圧電フィルム
CN117769346A (zh) 具有高d33值的柔性低成本压电复合材料
WO2017030192A1 (ja) 電気音響変換フィルム
JP7402319B2 (ja) 高分子圧電フィルム
JP6193194B2 (ja) 電気音響変換フィルムおよび電気音響変換器
US20220344573A1 (en) Polymer-based piezoelectric composite material film
JP6450014B2 (ja) 電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器
JP7335973B2 (ja) 高分子複合圧電体および複合体用原料粒子の製造方法
WO2023149075A1 (ja) 圧電フィルム
EP4319197A1 (en) Piezoelectric film
JP7394873B2 (ja) 圧電フィルム
WO2024062863A1 (ja) 圧電フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6043673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250