JP6450014B2 - 電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器 - Google Patents

電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器 Download PDF

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Description

本発明は、スピーカなどの音響デバイス等に用いられる電気音響変換フィルムおよびその製造方法ならびに電気音響変換器に関する。
液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど、ディスプレイの薄型化に対応して、これらの薄型ディスプレイに用いられるスピーカにも軽量化、薄型化が要求されている。
従来のスピーカの形状は、漏斗状のいわゆるコーン型や、球面状のドーム型等が一般的である。しかしながら、このようなスピーカを上述の薄型のディスプレイに内蔵しようとすると、十分に薄型化することができず、また、軽量性を損なう虞れがある。また、スピーカを外付けにした場合、持ち運び等が面倒である。
そこで、薄型で、軽量性を損なうことなく薄型のディスプレイやフレキシブルディスプレイに一体化可能なスピーカとして、シート状で可撓性を有し、印加電圧に応答して伸縮する性質を有する圧電フィルムを用いることが提案されている。
例えば、本願出願人は、シート状で、可撓性を有し、かつ、高音質な音を安定して再生することができる圧電フィルムとして、特許文献1に開示される電気音響変換フィルムを提案した。特許文献1に開示される電気音響変換フィルムは、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体(圧電体層)と、高分子複合圧電体の両面に形成された薄膜電極と、薄膜電極の表面に形成された保護層とを有するものである。
ここで、このような電気音響変換フィルムは、印加電圧に応答して、変換フィルム自身が面方向に伸縮し、面に垂直な方向に振動することで、振動(音)と電気信号とを変換するものである。その際、変換フィルムの面方向の伸縮を面に垂直な方向の振動に変換するために、変換フィルムを湾曲した状態で保持する必要がある。
そのため、特許文献1においては、変換フィルムの裏面に粘弾性支持体を押圧したり、変換フィルムで密閉されたケース内に空気圧をかけることで、変換フィルムを湾曲させて支持することが記載されている。
また、特許文献2には、圧電体層としてPVDF(Poly Vinylidene DiFluoride)を用いる圧電フィルムを、ドーム形状に熱圧成型して変換フィルムを湾曲させることが記載されている。
特開2014−14063号公報 特開2011−97181号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、変換フィルムの裏面に粘弾性支持体を押圧して変換フィルムを湾曲させる構成では、粘弾性支持体の材料や構造によっては粘弾性支持体が経時により変形して変換フィルムの湾曲量が変化するため、音圧や音質が変化してしまうおそれがある。また、放熱性が悪くなり連続使用時に変換フィルムの温度が上昇してしまうため、ヘッドホンなどとして使用した際の不快感につながるおそれがある。
また、変換フィルムで密閉されたケース内に空気圧をかけて変換フィルムを湾曲させる構成では、経時によりケース内の圧力が変化して変換フィルムの湾曲量が変化するため、音圧や音質が変化してしまうおそれがある。また、ケース内の気密度、耐圧性を高くする必要があるため、重量やサイズが大きくなってしまう。常に圧力をかける構成とすればケース内の圧力変化を抑制できるが、コンプレッサー等の機構が必要となり実用的でない。また、空気がケース内に滞留するため、放熱性に問題がある。
また、特許文献2に記載されるように、変換フィルム自体を湾曲したドーム形状に成型することで、変換フィルムを湾曲させるための粘弾性支持体や空気圧をかける構成等が不要になる。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、変換フィルム自体をドーム形状に成型し湾曲させても、十分な音圧が得られない場合があることがわかった。すなわち、単に変換フィルムをドーム形状に成型するのみでは十分な音圧を得ることはできないことがわかった。
発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、十分な音量で再生可能で、かつ、放熱性が高く、経時による音圧変化の小さい電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、高分子複合圧電体の両面に積層された2つの薄膜電極と、2つの薄膜電極上それぞれに積層された2つの保護層と、を積層されてなり、一方の主面側に突出するように凸面状に成形されてなる凸部を有し、凸部の成型高さHと、主面に垂直な方向から見た際の凸部の短径Dsとの比H/Dsが、0<H/Ds≦0.15を満たすことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成の電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器を提供する。
(1) 常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、
高分子複合圧電体の両面に積層された2つの薄膜電極と、
2つの薄膜電極上それぞれに積層された2つの保護層と、
2つの薄膜電極の少なくとも一方について、薄膜電極よりも表層側に形成され、薄膜電極を被覆する着色層と、を積層されてなり、
一方の主面側に突出するように凸面状に成形されてなる凸部を有し、
凸部の成型高さHと、主面に垂直な方向から見た際の凸部の短径Dsとの比H/Dsが、0<H/Ds≦0.15を満たす電気音響変換フィルム。
(2) 着色層の透過濃度は、0.3以上である(1)に記載の電気音響変換フィルム。
(3) 着色層の厚さは、1μm以下である(1)または(2)に記載の電気音響変換フィルム。
(4) 着色層の電気抵抗率は、1×10 −7 Ωm以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の電気音響変換フィルム。
(5) 電気音響変換フィルムは、さらに、高分子複合圧電体が露出する領域を覆ってショートを防止する絶縁層を有する(1)〜(4)のいずれかに記載の電気音響変換フィルム。
) 凸部の形状が、球体の一部、あるいは、回転楕円体の一部からなる(1)〜(5)のいずれかに記載の電気音響変換フィルム。
) 保護層が、電極層まで貫通する孔部を有し、
孔部を介して、電極層に電気的に接続される電極引出し部を有する(1)のいずれかに記載の電気音響変換フィルム。
) 保護層の孔部を介して電極層に接続される電極引出し部を3以上有する()に記載の電気音響変換フィルム。
) (1)〜()のいずれかに記載の電気音響変換フィルムを製造する電気音響変換フィルムの製造方法であって、
常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、高分子複合圧電体の両面に積層された2つの薄膜電極と、2つの薄膜電極上それぞれに積層された2つの保護層と、2つの薄膜電極の少なくとも一方について、薄膜電極よりも表層側に形成され、薄膜電極を被覆する着色層とを積層されてなる積層体を準備する準備工程と、
積層体を加熱圧縮成型して、一方の主面側に突出する凸部を成型する成型工程とを有する電気音響変換フィルムの製造方法。
10) (1)〜()のいずれかに記載の、凸部を成型されてなる電気音響変換フィルムと、
電気音響変換フィルムの凸部の辺縁部を支持する支持部材とを有する電気音響変換器。
11) 支持部材は、電気音響変換フィルムの主面に垂直な方向から見た際の凸部の形状と同じ形状の貫通孔を有し、
2つの支持部材で、電気音響変換フィルムの凸部の辺縁部を挟持してなる(10)に記載の電気音響変換器。
このような本発明によれば、十分な音量で再生可能で、かつ、放熱性が高く、経時による音圧変化の小さい電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器を提供することができる。
本発明の電気音響変換フィルムの一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示す電気音響変換フィルムのII−II線断面図である。 図2Aをb方向から見た上面図である。 本発明の電気音響変換フィルムの他の一例を模式的に示す上面図である。 本発明の電気音響変換フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 電気音表変換フィルムの層構成の一例を模式的に示す断面図である。 電気音表変換フィルムの層構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の電気音響変換器の一例を概念的に示す断面図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 電気音響変換フィルムの作製方法の一例を説明するための概念図である。 比較例の電気音響変換器の概略断面図である。 比較例の電気音響変換器の概略断面図である。
以下、本発明の電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器について、添付の図面に示される好適実施態様を基に、詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の電気音響変換フィルムは、後述するように、電気音響変換器の振動板として用いられるものである。
電気音響変換器は、電気音響変換フィルムへの電圧印加によって、電気音響変換フィルムが面内方向に伸長すると、この伸長分を吸収するために、電気音響変換フィルムが、上方(音の放射方向)に移動し、逆に、電気音響変換フィルムへの電圧印加によって、電気音響変換フィルムが面内方向に収縮すると、この収縮分を吸収するために、電気音響変換フィルムが、下方に移動する。電気音響変換器は、この電気音響変換フィルムの伸縮の繰り返しによる振動により、振動(音)と電気信号とを変換するものである。
このような電気音響変換器は、フルレンジスピーカ、ツイーター、スコーカー、ウーハーなどのスピーカ、ヘッドホンやイヤホン用スピーカ、ノイズキャンセラー、マイクロフォン、および、ギター等の楽器に用いられるピックアップなどの各種の音響デバイスとして利用されるものであり、電気音響変換フィルムに電気信号を入力して電気信号に応じた振動により音を再生したり、音波を受けることによる電気音響変換フィルムの振動を電気信号に変換するために利用されるものである。
図1に、本発明の電気音響変換フィルムの一例を模式的に表す斜視図を示し、図2Aに、図1の電気音響変換フィルムのII−II線断面図を示し、図2Bに、図2Aをb方向から見た上面図を示し、図4Aに、電気音響変換フィルムの層構成を模式的に表す断面図を示す。
図4Aに示すように、本発明の電気音響変換フィルム(以下、変換フィルムともいう)10は、圧電性を有するシート状物である圧電体層12と、圧電体層12の一方の面に積層される下部薄膜電極14と、下部薄膜電極14上に積層される下部保護層18と、圧電体層12の他方の面に積層される上部薄膜電極16と、上部薄膜電極16上に積層される上部保護層20と積層してなる層構成を有するフィルム状の積層体であり、図1、図2Aおよび図2Bに示すように、このフィルム状の積層体の中央に成型された凸部10aを有し、この凸部10aの成型高さH(以下、単に高さHともいう)と、変換フィルム10の主面に垂直な方向から見た際の凸部10aの短径Dsとの比H/Dsが0<H/Ds≦0.15を満たすものである。
すなわち、変換フィルム10は、圧電体層12の両面を電極対、すなわち、上部薄膜電極16および下部薄膜電極14で挟持し、さらに、上部保護層20および下部保護層18で挟持してなる構成を有する積層体であり、この積層体に所定の形状の凸部10aが成型されてなる構成を有する。
圧電体層12の、上部薄膜電極16および下部薄膜電極14で挾持された領域は、印加された電圧に応じて駆動され、面方向に伸縮する。その際、凸部10aの領域において、この面方向の伸縮を、面に垂直な方向の振動に変換して、振動(音)と電気信号とを変換する。
図1に示す例では、変換フィルム10は、正方形状であり、その中央部に直径Dsで、高さHで、球体の一部からなる形状の凸部10aを成型したものである。また、凸部10aは、凸部10aが突出する側の面とは反対側の面から見た場合には、凹状に形成されている。すなわち、変換フィルム10は、凹部を成型したものであるということもできる。
前述のとおり、変換フィルムの裏面に弾性支持体を押圧して変換フィルムを湾曲させる構成では、粘弾性支持体の材料や構造によっては粘弾性支持体が経時により変形して変換フィルムの湾曲量が変化するため、音圧や音質が変化してしまうおそれがある。また、放熱性が悪くなり連続使用時に変換フィルムの温度が上昇してしまうため、ヘッドホンなどとして使用した際の不快感につながるおそれがある。
また、変換フィルムで密閉されたケース内に空気圧をかけて変換フィルムを湾曲させる構成では、経時によりケース内の圧力が変化して変換フィルムの湾曲量が変化するため、音圧や音質が変化してしまうおそれがある。また、ケース内の気密度、耐圧性を高くする必要があるため、重量やサイズが大きくなってしまう。常に圧力をかける構成とすればケース内の圧力変化を抑制できるが、コンプレッサー等の機構が必要となり実用的でない。また、空気がケース内に滞留するため、放熱性に問題がある。
これに対して、本発明においては、このように、変換フィルム10に凸部10aを成型することで、電圧を印加した際に変換フィルムの面方向の伸縮を、面に垂直な方向の振動に変換するための湾曲状態を作ることができる。そのため、変換フィルム10を湾曲させるための弾性支持体等の部材や空気圧をかける機構が不要となる。
したがって、経時により変換フィルムの湾曲量が変化することがなく、音圧や音質が変化することを防止できる。また、変換フィルムの両面を開放した構成とすることが可能であるため、変換フィルムを駆動することで発生する熱を効率よく放熱でき、放熱性を高くできる。
また、変換フィルム10を湾曲させるための弾性支持体や空気圧をかける構成等が不要であるため、小型化、薄型化することができる。
ここで、本発明者らの検討によれば、単に、変換フィルムに凸部を成型するのみでは、十分な音圧を得ることはできず、凸部の形状によっては、電圧を印加した際の変換フィルムの面方向の伸縮を、面に垂直な方向の振動に効率よく変換することができない場合があるためであることがわかった。
これに対して、本発明においては、凸部の成型高さHと、主面に垂直な方向から見た際の凸部の短径Dsとの比H/Dsが、0<H/Ds≦0.15を満たす形状とすることで、変換フィルムに弾性支持体や空気圧による押圧力が加わらない場合であっても、電圧を印加した際の変換フィルムの面方向の伸縮を、面に垂直な方向の振動に効率よく変換することができ、十分な音圧を得ることができる。
ここで、凸部の形状には特に限定はないが、凸部の形状は、球体の一部、あるいは、回転楕円体の一部であることが好ましく、変換フィルムの主面に垂直な方向から見た際の、凸部の形状にも特に限定はないが、図2Bに示すような略円形状、または、図3Aに示すような略楕円形状であるのが好ましい。
また、変換フィルムの主面に垂直な断面で見た際の凸部の形状は、図2Aに示すように、全体が湾曲しているのが好ましいが、図3Bに示すように、頂部が平坦に成型されていてもよい。
なお、以下の説明では、凸部の形状が、球体の一部、あるいは、回転楕円体の一部からなるものをドーム状ともいう。
凸部の形状をドーム状にすることで、音圧をより向上でき好ましい。
また、凸部の高さHと凸部の短径Dsとの比H/Dsは、0より大きく0.15以下であり、音圧をより向上できる点で、上限値は、0.1以下であるのが好ましく、0.075以下であるのがより好ましく、0.05以下であるのが特に好ましく、また、下限値は、0.003以上であるのが好ましく、0.005以上であるのがより好ましい。
ここで、凸部の短径Dsは、変換フィルムの主面に垂直な方向から見た際の、凸部の形状が円形状の場合には直径であり、楕円形状の場合には短径であり、四角形状の場合は短辺の長さである。
また、変換フィルムの主面に垂直な方向から見た際の、変換フィルムの、凸部が成型されない領域を辺縁部とすると、辺縁部の幅には特に限定はないが、後述する電気音響変換器を構成する際に、支持部材で辺縁部を好適に挟持できる幅であるのが好ましく、1mm〜30mm以下が好ましく、5mm〜20mmがより好ましい。
また、図4Aに示す例では、変換フィルム10の層構成は、圧電体層12と、圧電体層12の一方の面に積層される下部薄膜電極14と、下部薄膜電極14上に積層される下部保護層18と、圧電体層12の他方の面に積層される上部薄膜電極16と、上部薄膜電極16上に積層される上部保護層20とを有する構成としたがこれに限定はされず、これらの層に加えて、例えば、圧電体層12が露出する領域を覆って、ショート等を防止する絶縁層、薄膜電極を被覆する着色層等を有していてもよい。
図4Bに、着色層を有する変換フィルム10の層構成を概念的に表す断面図を示す。
図4Bに示す変換フィルムの層構成は、圧電体層12と、圧電体層12の一方の面に積層される下部薄膜電極14と、下部薄膜電極14上に積層される下部着色層21と、下部着色層21上に積層される下部保護層18と、圧電体層12の他方の面に積層される上部薄膜電極16と、上部薄膜電極16上に積層される上部着色層22と、上部着色層22上に積層される上部保護層20とを有する。
上部着色層22および下部着色層21を有することで、上部薄膜電極16および下部薄膜電極14の錆びが、外部から視認できないようにすることができる。
また、変換フィルム10は、上部薄膜電極16、および、下部薄膜電極14からの電極の引出しを行う電極引出し部を有していてもよい。
電極引出し部としては特に限定はなく、薄膜電極および保護層が、圧電体層の面方向外部に、凸状に突出する部位を設けても良いし、あるいは、保護層の一部を除去して孔部を形成して、この孔部に銀ペースト等の導電材料を挿入して導電材料と薄膜電極とを電気的に導通して、電極引出し部としてもよい。
保護層に孔部を形成してこの孔部に導電材料を挿入して電極引出し部とする構成は、形成が容易である、小型化できる等の点で好適である。
なお、各薄膜電極において、電極引出し部は1つには限定されず、2以上の電極引出し部を有していてもよい。特に、保護層の一部を除去して孔部に導電材料を挿入して電極引出し部とする構成の場合には、より確実に通電を確保でき、また、導電材料との接触面積を増やすことで電気抵抗を低減し発熱量を低減できる点で、電極引出し部を合計3以上有するのが好ましい。
以下、変換フィルムの各層について詳述する。
変換フィルム10において、高分子複合圧電体である圧電体層12は、図4Aに概念的に示すような、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス24中に、圧電体粒子26を均一に分散してなる高分子複合圧電体からなるものである。なお、本明細書において、「常温」とは、0〜50℃程度の温度域を指す。
また、後述するが、圧電体層12は、好ましくは、分極処理されている。
ここで、高分子複合圧電体(圧電体層12)は、次の用件を具備したものであるのが好ましい。
(i) 可撓性
例えば、携帯用として新聞や雑誌のように書類感覚で緩く撓めた状態で把持する場合、絶えず外部から、数Hz以下の比較的ゆっくりとした、大きな曲げ変形を受けることになる。この時、高分子複合圧電体が硬いと、その分大きな曲げ応力が発生し、高分子マトリックスと圧電体粒子との界面で亀裂が発生し、やがて破壊に繋がる恐れがある。従って、高分子複合圧電体には適度な柔らかさが求められる。また、歪みエネルギーを熱として外部へ拡散できれば応力を緩和することができる。従って、高分子複合圧電体の損失正接が適度に大きいことが求められる。
(ii) 音質
スピーカは、20Hz〜20kHzのオーディオ帯域の周波数で圧電体粒子を振動させ、その振動エネルギーによって振動板(高分子複合圧電体)全体が一体となって振動することで音が再生される。従って、振動エネルギーの伝達効率を高めるために高分子複合圧電体には適度な硬さが求められる。また、スピーカの周波数特性が平滑であれば、曲率の変化に伴い最低共振周波数fが変化した際の音質の変化量も小さくなる。従って、高分子複合圧電体の損失正接は適度に大きいことが求められる。
以上をまとめると、高分子複合圧電体は、20Hz〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振る舞うことが求められる。また、高分子複合圧電体の損失正接は、20kHz以下の全ての周波数の振動に対して、適度に大きいことが求められる。
一般に、高分子固体は粘弾性緩和機構を有しており、温度上昇あるいは周波数の低下とともに大きなスケールの分子運動が貯蔵弾性率(ヤング率)の低下(緩和)あるいは損失弾性率の極大(吸収)として観測される。その中でも、非晶質領域の分子鎖のミクロブラウン運動によって引き起こされる緩和は、主分散と呼ばれ、非常に大きな緩和現象が見られる。この主分散が起きる温度がガラス転移点(Tg)であり、最も粘弾性緩和機構が顕著に現れる。
高分子複合圧電体(圧電体層12)において、ガラス転移点が常温にある高分子材料、言い換えると、常温で粘弾性を有する高分子材料をマトリックスに用いることで、20Hz〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の遅い振動に対しては柔らかく振舞う高分子複合圧電体が実現する。特に、この振舞いが好適に発現する等の点で、周波数1Hzでのガラス転移温度が常温、すなわち、0〜50℃にある高分子材料を、高分子複合圧電体のマトリックスに用いるのが好ましい。
常温で粘弾性を有する高分子材料としては、公知の各種のものが利用可能である。好ましくは、常温、すなわち0〜50℃において、動的粘弾性試験による周波数1Hzにおける損失正接Tanδの極大値が、0.5以上有る高分子材料を用いる。
これにより、高分子複合圧電体が外力によってゆっくりと曲げられた際に、最大曲げモーメント部における高分子マトリックス/圧電体粒子界面の応力集中が緩和され、高い可撓性が期待できる。
また、高分子材料は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において100MPa以上、50℃において10MPa以下、であることが好ましい。
これにより、高分子複合圧電体が外力によってゆっくりと曲げられた際に発生する曲げモーメントが低減できると同時に、20Hz〜20kHzの音響振動に対しては硬く振る舞うことができる。
また、高分子材料は、比誘電率が25℃において10以上有ると、より好適である。これにより、高分子複合圧電体に電圧を印加した際に、高分子マトリックス中の圧電体粒子にはより高い電界が掛かるため、大きな変形量が期待できる。
しかしながら、その反面、良好な耐湿性の確保等を考慮すると、高分子材料は、比誘電率が25℃において10以下であるのも、好適である。
このような条件を満たす高分子材料としては、シアノエチル化ポリビニルアルコール(シアノエチル化PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロライドコアクリロニトリル、ポリスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体、ポリビニルメチルケトン、および、ポリブチルメタクリレート等が例示される。
これら以外にも、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体及びポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系高分子、シアン化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、シアノエチルセルロース、シアノエチルヒドロキシサッカロース、シアノエチルヒドロキシセルロース、シアノエチルヒドロキシプルラン、シアノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルアミロース、シアノエチルヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルジヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルヒドロキシプロピルアミロース、シアノエチルポリアクリルアミド、シアノエチルポリアクリレート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリヒドロキシメチレン、シアノエチルグリシドールプルラン、シアノエチルサッカロース及びシアノエチルソルビトール等のシアノ基あるいはシアノエチル基を有するポリマー、ニトリルゴムやクロロプレンゴム等の合成ゴム等のシアノエチル基を有する高分子材料が挙げられる。
また、これらの高分子材料としては、ハイブラー5127(クラレ社製)などの市販品も、好適に利用可能である。なかでも、シアノエチル基を有する材料を用いることが好ましく、シアノエチル化PVAを用いるのが特に好ましい。
なお、これらの高分子材料は、1種のみを用いてもよく、複数種を併用(混合)して用いてもよい。
このような常温で粘弾性を有する高分子材料を用いる粘弾性マトリックス24は、必要に応じて、複数の高分子材料を併用してもよい。
すなわち、粘弾性マトリックス24には、誘電特性や機械特性の調整等を目的として、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料に加え、必要に応じて、その他の誘電性高分子材料を添加しても良い。
添加可能な誘電性高分子材料としては、一例として、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体及びポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系高分子、シアン化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、シアノエチルセルロース、シアノエチルヒドロキシサッカロース、シアノエチルヒドロキシセルロース、シアノエチルヒドロキシプルラン、シアノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルアミロース、シアノエチルヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルジヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルヒドロキシプロピルアミロース、シアノエチルポリアクリルアミド、シアノエチルポリアクリレート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリヒドロキシメチレン、シアノエチルグリシドールプルラン、シアノエチルサッカロース及びシアノエチルソルビトール等のシアノ基あるいはシアノエチル基を有するポリマー、ニトリルゴムやクロロプレンゴム等の合成ゴム等が例示される。
中でも、シアノエチル基を有する高分子材料は、好適に利用される。
また、圧電体層12の粘弾性マトリックス24において、シアノエチル化PVA等の常温で粘弾性を有する材料に加えて添加される誘電性ポリマーは、1種に限定はされず、複数種を添加してもよい。
また、誘電性ポリマー以外にも、ガラス転移点Tgを調整する目的で、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリブテン、イソブチレン、等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、マイカ、等の熱硬化性樹脂を添加しても良い。
更に、粘着性を向上する目的で、ロジンエステル、ロジン、テルペン、テルペンフェノール、石油樹脂、等の粘着付与剤を添加しても良い。
圧電体層12の粘弾性マトリックス24において、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料以外のポリマーを添加する際の添加量には、特に限定は無いが、粘弾性マトリックス24に占める割合で30重量%以下とするのが好ましい。
これにより、粘弾性マトリックス24における粘弾性緩和機構を損なうことなく、添加する高分子材料の特性を発現できるため、高誘電率化、耐熱性の向上、圧電体粒子26や電極層との密着性向上等の点で好ましい結果を得ることができる。
また、圧電体層12の誘電率を高める目的で、粘弾性マトリックスに誘電体粒子を添加してもよい。
誘電体粒子は、25℃における比誘電率が80以上の高い比誘電率を持つ粒子からなるものである。
誘電体粒子としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸ジルコン酸ランタン酸鉛(PLZT)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウムとビスマスフェライト(BiFeO3)との固溶体(BFBT)等が例示される。なかでも、高い比誘電率を有する点で、誘電体粒子としてチタン酸バリウム(BaTiO3)を用いるのが好ましい。
誘電体粒子は、平均粒径が0.5μm以下であるのが好ましい。
また、粘弾性マトリックスと誘電体粒子との合計体積に対する、誘電体粒子の体積分率は、5〜45%が好ましく、10〜30%がより好ましく、20〜30%が特に好ましい。
圧電体粒子26は、ペロブスカイト型或いはウルツ鉱型の結晶構造を有するセラミックス粒子からなるものである。
圧電体粒子26を構成するセラミックス粒子としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン酸鉛(PLZT)、チタン酸バリウム(BaTiO )、酸化亜鉛(ZnO)、および、チタン酸バリウムとビスマスフェライト(BiFe )との固溶体(BFBT)等が例示される。
このような圧電体粒子26の粒径は、変換フィルム10のサイズや用途に応じて、適宜、選択すれば良いが、本発明者の検討によれば、1〜10μmが好ましい。
圧電体粒子26の粒径を上記範囲とすることにより、高い圧電特性とフレキシビリティとを両立できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
なお、図1においては、圧電体層12中の圧電体粒子26は、粘弾性マトリックス24中に、均一にかつ規則性を持って分散されているが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、圧電体層12中の圧電体粒子26は、好ましくは均一に分散されていれば、粘弾性マトリックス24中に不規則に分散されていてもよい。
変換フィルム10において、圧電体層12中における粘弾性マトリックス24と圧電体粒子26との量比は、変換フィルム10の面方向の大きさや厚さ、変換フィルム10の用途、変換フィルム10に要求される特性等に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、本発明者の検討によれば、圧電体層12中における圧電体粒子26の体積分率は、30〜70%が好ましく、特に、50%以上とするのが好ましく、従って、50〜70%とするのが、より好ましい。
粘弾性マトリックス24と圧電体粒子26との量比を上記範囲とすることにより、高い圧電特性とフレキシビリティとを両立できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
また、変換フィルム10において、圧電体層12の厚さにも、特に限定はなく、変換フィルム10のサイズ、変換フィルム10の用途、変換フィルム10に要求される特性等に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、本発明者の検討によれば、圧電体層12の厚さは、8〜300μmが好ましく、8〜40μmがより好ましく、10〜35μmがさらに好ましく、特に、15〜25μmが好ましい。
圧電体層12の厚さを、上記範囲とすることにより、剛性の確保と適度な柔軟性との両立等の点で好ましい結果を得ることができる。
なお、圧電体層12は、分極処理(ポーリング)されているのが好ましいのは、前述のとおりである。分極処理に関しては、後に詳述する。
変換フィルム10において、上部保護層20および下部保護層18は、上部薄膜電極16および下部薄膜電極14を被覆して保護すると共に、圧電体層12に適度な剛性と機械的強度を付与する役目を担っている。すなわち、本発明の変換フィルム10において、粘弾性マトリックス24と圧電体粒子26とからなる圧電体層12は、ゆっくりとした曲げ変形に対しては、非常に優れた可撓性を示す一方で、用途によっては、剛性や機械的強度が不足する場合がある。変換フィルム10は、それを補うために上部保護層20および下部保護層18が設けられる。
上部保護層20および下部保護層18には、特に限定はなく、各種のシート状物が利用可能であり、一例として、各種の樹脂フィルムが好適に例示される。中でも、優れた機械的特性および耐熱性を有するなどの理由により、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイト(PPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、および、環状オレフィン系樹脂が好適に利用される。
上部保護層20および下部保護層18の厚さにも、特に、限定は無い。また、上部保護層20および下部保護層18の厚さは、基本的に同じであるが、異なってもよい。
ここで、上部保護層20および下部保護層18の剛性が高過ぎると、圧電体層12の伸縮を拘束するばかりか、可撓性も損なわれるため、機械的強度やシート状物としての良好なハンドリング性が要求される場合を除けば、上部保護層20および下部保護層18は、薄いほど有利である。
本発明者の検討によれば、上部保護層20および下部保護層18の厚さは、50μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、中でも10μm以下とするのが特に好ましい。
変換フィルム10において、圧電体層12と上部保護層20との間には上部薄膜電極(以下、上部電極とも言う)16が、圧電体層12と下部保護層18との間には下部薄膜電極(以下、下部電極とも言う)14が、それぞれ形成される。
上部電極16および下部電極14は、変換フィルム10(圧電体層12)に電界を印加するために設けられる。
本発明において、上部電極16および下部電極14の形成材料には、特に、限定はなく、各種の導電体が利用可能である。具体的には、炭素、パラジウム、鉄、錫、アルミニウム、ニッケル、白金、金、銀、銅、クロムおよびモリブデン等や、これらの合金、酸化インジウムスズ、PEDOT/PPS(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)等の導電性高分子等が例示される。中でも、銅、アルミニウム、金、銀、白金、および、酸化インジウムスズのいずれかは、好適に例示され、導電性、コストおよび可撓性等の観点から銅がより好ましい。
また、上部電極16および下部電極14の形成方法にも、特に限定はなく、真空蒸着やスパッタリング等の気相堆積法(真空成膜法)やめっきによる成膜や、上記材料で形成された箔を貼着する方法、塗布する方法等、公知の方法が、各種、利用可能である。
中でも特に、変換フィルム10の可撓性が確保できる等の理由で、真空蒸着によって成膜された銅やアルミニウムの薄膜は、上部電極16および下部電極14として、好適に利用される。その中でも特に、真空蒸着による銅の薄膜は、好適に利用される。
上部電極16および下部電極14の厚さには、特に、限定は無い。また、上部電極16および下部電極14の厚さは、基本的に同じであるが、異なってもよい。
ここで、前述の上部保護層20および下部保護層18と同様に、上部電極16および下部電極14の剛性が高過ぎると、圧電体層12の伸縮を拘束するばかりか、可撓性も損なわれるため、上部電極16および下部電極14は、電気抵抗が高くなり過ぎない範囲であれば、薄いほど有利である。
本発明者の検討によれば、上部電極16および下部電極14の厚さは、1.2μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、中でも0.1μm以下とするのが特に好ましい。
前述のとおり、変換フィルム10において、上部電極16と上部保護層20との間には上部着色層22が、下部電極14と下部保護層18との間には下部着色層21が、それぞれ形成されていてもよい。
上部着色層22および下部着色層21は、上部電極16および下部電極14の錆びが、外部から視認できないようにするためのものである。
上部電極16および下部電極14の錆びが外部から視認できないようにする観点から、上部着色層22および下部着色層21の透過濃度は、0.3以上であるのが好ましく、0.5以上であるのがより好ましい。
なお、透過濃度とは、入射光に対する透過光の比率として計測される光学濃度であり、透過濃度0.3のときの透過率は約50%であり、透過濃度0.5のときの透過率は約30%である。
また、前述の上部保護層20および下部保護層18、ならびに、上部電極16および下部電極14と同様に、上部着色層22および下部着色層21の剛性が高過ぎると、圧電体層12の伸縮を拘束するばかりか、可撓性も損なわれるため、上部着色層22および下部着色層21は、透過濃度が低くなり過ぎない範囲であれば、薄いほど有利である。
本発明者の検討によれば、上部着色層22および下部着色層21の厚さは、1μm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、中でも40nm以下とするのが特に好ましい。
また、上部着色層22および下部着色層21は、電気抵抗率が低いのが好ましく、1×10-7Ωm以下であるのが好ましい。
変換フィルム10において、上部電極16および下部電極14からの電極の引き出し方法の一つとして、保護層の一部を除去して孔部を形成して、この孔部に銀ペースト等の導電材料を挿入して導電材料と薄膜電極とを電気的に導通して、電極引出し部を形成する方法がある。このような方法で電極引出し部を形成する場合には、上部着色層22および下部着色層21の電気抵抗率が高いと、保護層の一部を除去するのみでは、導電材料と薄膜電極とを電気的に導通することができないため、孔部の位置の上部着色層22および下部着色層21も除去することが必要となってしまい、生産性が悪くなってしまう。
したがって、上部着色層22および下部着色層21の電気抵抗率を低くすることで、孔部の位置の上部着色層22および下部着色層21を除去することなく、導電材料と薄膜電極とを電気的に導通することができ好ましい。
本発明において、上部着色層22および下部着色層21の形成材料は、上記の透過濃度を満たし、また、錆び等により変色しないものであれば特に限定はない。
具体的には、上部着色層22および下部着色層21の形成材料としては、ニッケル、チタン、アルミニウム、金、白金、クロム等の金属、カーボンブラック(CB)、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機顔料、キナクリドン系、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、アンスラキノン系の有機顔料、内部に空孔を有した光散乱性を有した部材等が例示される。
上述の透過濃度、厚さ、および、電気抵抗率の観点から、上部着色層22および下部着色層21の形成材料として金属を用いることが好ましく、中でも、ニッケルがより好ましい。
また、変換フィルムを種々の色に着色できるという、デザイン性の観点からは、上部着色層22および下部着色層21として、各種顔料を用いることが好ましい。
また、上部着色層22および下部着色層21の形成方法には、特に限定はなく、上記材料に応じて、各種の公知の方法で形成すればよい。
例えば、着色層の形成材料として、金属を用いる場合には、真空蒸着やスパッタリング等の気相堆積法(真空成膜法)やめっきによる成膜や、上記材料で形成された箔を貼着する方法等が利用可能である。より薄く形成可能な点から真空蒸着により形成するのがより好ましい。
また、着色層の形成材料として、顔料を用いる場合には、塗布法、印刷等が利用可能である。
また、あらかじめ形成された着色層を転写する方法も利用可能である。
なお、図示例においては、上部着色層22および下部着色層21はそれぞれ、上部電極16と上部保護層20との間、および、下部電極14と下部保護層18との間に形成される構成としたが、これに限定はされず、上部電極16よりも表層側、および、下部電極14よりも表層側にそれぞれ形成される構成であればよい。すなわち、例えば、圧電体層12の一方の面に、上部電極16、上部保護層20、上部着色層22の順に形成され、圧電体層12の他方の面に、下部電極14、下部保護層18、下部着色層21の順に形成される構成であってもよい。
また、図示例においては、上部電極16側および下部電極14側のそれぞれに、着色層を有する構成としたが、本発明はこれに限定はされず、少なくとも一方の側に、着色層を有する構成であってもよい。この場合、電気音響変換器に組み込まれた際に、視認される側の面(機器の外側を向く面)に着色層を有するのが好ましい。
また、本発明の変換フィルムは、上述の薄膜電極、保護層および着色層等に加えて、密着付与層、酸化防止層などの機能層を含んでいても構わない。
このように、変換フィルム10は、少なくとも、常温で粘弾性を有する粘弾性マトリックス24に圧電体粒子26を分散してなる圧電体層12を、上部電極16および下部電極14で挟持し、この積層体を、上部保護層20および下部保護層18を挟持してなる層構成を有する。
このような変換フィルム10は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの損失正接(Tanδ)が0.1以上となる極大値が常温に存在するのが好ましい。
これにより、変換フィルム10が外部から数Hz以下の比較的ゆっくりとした、大きな曲げ変形を受けたとしても、歪みエネルギーを効果的に熱として外部へ拡散できるため、高分子マトリックスと圧電体粒子との界面で亀裂が発生するのを防ぐことができる。
変換フィルム10は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において10〜30GPa、50℃において1〜10GPaであるのが好ましい。
これにより、常温で変換フィルム10が貯蔵弾性率(E’)に大きな周波数分散を有することができる。すなわち、20Hz〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振る舞うことができる。
また、変換フィルム10は、厚さと動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)との積が、0℃において1.0×106〜2.0×106(1.0E+06〜2.0E+06)N/m、50℃において1.0×105〜1.0×106(1.0E+05〜1.0E+06)N/mであるのが好ましい。
これにより、変換フィルム10が可撓性および音響特性を損なわない範囲で、適度な剛性と機械的強度を備えることができる。
さらに、変換フィルム10は、動的粘弾性測定から得られたマスターカーブにおいて、25℃、周波数1kHzにおける損失正接(Tanδ)が、0.05以上であるのが好ましい。
これにより、変換フィルム10を用いたスピーカの周波数特性が平滑になり、スピーカの曲率の変化に伴い最低共振周波数fが変化した際の音質の変化量も小さくできる。
次に、本発明の電気音響変換フィルムを用いる電気音響変換器について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の電気音響変換器の一例を概念的に示す断面図である。
図5に示す電気音響変換器60は、変換フィルム10を振動板として用いるものである。
電気音響変換器60は、変換フィルム10への電圧印加によって、変換フィルム10が面内方向に伸長すると、この伸長分を吸収するために、変換フィルム10が上方(凸部の突出方向)に移動し、逆に、変換フィルム10への電圧印加によって、変換フィルム10が面内方向に収縮すると、この収縮分を吸収するために、変換フィルム10が下方(凸部の突出方向とは反対側の方向)に移動する。電気音響変換器60は、この変換フィルム10の伸縮の繰り返しによる振動により、振動(音)と電気信号とを変換するものである。
電気音響変換器60は、変換フィルム10と、2つの支持部材48とを有して構成される。
2つの支持部材48は、図5に示すように、変換フィルム10の凸部10aの辺縁部を挟持して支持するものである。
支持部材48は、プラスチックや金属、或いは木材等で形成される、中央部に貫通孔を有する板状の部材である。貫通孔の形状は、変換フィルム10の主面に垂直な方向から見た際の凸部10aの形状と略同じであり、図示例では直径Dsの円形状である。
図に示すように、このような支持部材48を2つ用いて、変換フィルム10の主面に垂直な方向から見た際の、変換フィルム10の凸部10aの位置と、支持部材48の貫通孔の位置とを一致させて、変換フィルム10を2つの支持部材48で挟持することで、変換フィルム10の凸部10aの辺縁部の全周を挟持して支持する。
なお、2つの支持部材48の固定方法には、特に限定はなく、ビスやボルトナットを用いる方法、固定用の治具を用いる方法等、公知の方法が、各種、利用可能である。
このような構成の電気音響変換器60において、変換フィルム10の凸部10aが実際に振動する領域となる。このように、2つの支持部材48で、振動する領域である凸部10aの周辺部分を支持(固定)することで、変換フィルムの面方向の伸縮が凸部10a以外の領域に伝達されるのを抑制し、凸部10aの振動を効率よく行わせることができる。
また、変換フィルム10を湾曲させるための弾性支持体や空気圧をかける構成が不要であるため、変換フィルム10の両面を開放した構成とすることが可能である。そのため、変換フィルム10を駆動することで発生する熱を効率よく放熱でき、放熱性を高くできる。
また、変換フィルム10を湾曲させるための弾性支持体や空気圧をかける構成が不要であるため、経時により弾性支持体が変形したり、かかる空気圧が変化して、変換フィルムの湾曲量が変化することがないため、経時により音圧や音質が変化してしまうことがなく、経時変化に対する耐久性を高くすることができる。
また、変換フィルム10を湾曲させるための弾性支持体や空気圧をかける構成等が不要であるため、小型化、薄型化することができる。
なお、支持部材48の縁部の幅は、変換フィルム10の辺縁部を好適に支持できる幅であれば特に限定はないが、20mm以下が好ましく、1mm〜10mmが好ましい。
また、図示例においては、2つの支持部材48は変換フィルム10の凸部10aの辺縁部の全周を挟持する構成としたが、これに限定はされず、辺縁部の少なくとも一部の領域を挟持して支持する構成としてもよい。
また、凸部を有する変換フィルムを電気音響変換器に組み込む際には、凸部を外側に向けて配置してもよく、凸部を内側に向けて(すなわち、凹部を外側に向けて)配置してもよい。
また、凸部を有する変換フィルムは、自身が凸状に形成されているため、変換フィルムを湾曲させるための粘弾性支持体や、ケース内部に圧力を加える構成は必要ないが、これらの構成と組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明の変換フィルムの製造方法の一例を、図6A〜図6Eおよび図7A〜図7Bを参照して説明する。
本発明の変換フィルムの製造方法は、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、高分子複合圧電体の両面に積層された2つの薄膜電極と、2つの薄膜電極上それぞれに積層された2つの保護層とを積層されてなる積層体を準備する準備工程と、
積層体を加熱圧縮成型して、一方の主面側に突出する凸部を成型する成型工程とを有する電気音響変換フィルムの製造方法である。
準備工程で準備する積層体は、一例として以下のようにして作製される。
まず、図6Aに示すように、下部保護層18の上に下部電極14が形成されたシート状物11aを準備する。このシート状物11aは、下部保護層18の表面に、真空蒸着、スパッタリング、めっき等によって下部電極14として銅薄膜等を形成して、作製すればよい。
下部保護層18が非常に薄く、ハンドリング性が悪い時などは、必要に応じて、セパレータ(仮支持体)付きの下部保護層18を用いても良い。尚、セパレータとしては、厚さ25〜100μmのPET等を用いることができる。なお、セパレータは、薄膜電極および保護層の熱圧着後、側面絶縁層や、第2の保護層等を形成する直前に、取り除けばよい。
一方で、有機溶媒に、シアノエチル化PVA等の常温で粘弾性を有する高分子材料(以下、粘弾性材料とも言う)を溶解し、さらに、PZT粒子等の圧電体粒子26を添加し、攪拌して分散してなる塗料を調製する。有機溶媒には、特に限定はなく、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の各種の有機溶媒が利用可能である。
前述のシート状物11aを準備し、かつ、塗料を調製したら、この塗料をシート状物11aにキャスティング(塗布)して、有機溶媒を蒸発して乾燥する。これにより、図6Bに示すように、下部保護層18の上に下部電極14を有し、下部電極14の上に圧電体層12を形成してなる第1積層体11bを作製する。
この塗料のキャスティング方法には、特に、限定はなく、スライドコータやドクターナイフ等の公知の方法(塗布装置)が、全て、利用可能である。
あるいは、粘弾性材料がシアノエチル化PVAのように加熱溶融可能な物であれば、粘弾性材料を加熱溶融して、これに圧電体粒子26を添加/分散してなる溶融物を作製し、押し出し成形等によって、図6Aに示すシート状物11aの上にシート状に押し出し、冷却することにより、図6Bに示すような、第1積層体11bを作製してもよい。
なお、前述のように、変換フィルム10において、粘弾性マトリックス24には、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料以外にも、PVDF等の高分子圧電材料を添加しても良い。
粘弾性マトリックス24に、これらの高分子圧電材料を添加する際には、上記塗料に添加する高分子圧電材料を溶解すればよい。あるいは、上記加熱溶融した粘弾性材料に、添加する高分子圧電材料を添加して加熱溶融すればよい。
下部保護層18の上に下部電極14を有し、下部電極14の上に圧電体層12を形成してなる第1積層体11bを作製したら、好ましくは、圧電体層12の分極処理(ポーリング)を行う。
圧電体層12の分極処理の方法には、特に限定はなく、公知の方法が利用可能である。
好ましい分極処理の方法として、図6Cおよび図6Dに示す方法が例示される。
この方法では、図6Cおよび図6Dに示すように、第1積層体11bの圧電体層12の上面12aの上に、間隔gを例えば1mm開けて、この上面12aに沿って移動可能な棒状あるいはワイヤー状のコロナ電極30を設ける。そして、このコロナ電極30と下部電極14とを直流電源32に接続する。
さらに、第1積層体11bを加熱保持する加熱手段、例えば、ホットプレートを用意する。
その上で、圧電体層12を、加熱手段によって、例えば、温度100℃に加熱保持した状態で、直流電源32から下部電極14とコロナ電極30との間に、数kV、例えば、6kVの直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせる。さらに、間隔gを維持した状態で、圧電体層12の上面12aに沿って、コロナ電極30を移動(走査)して、圧電体層12の分極処理を行う。
このようなコロナ放電を利用する分極処理(以下、便宜的に、コロナポーリング処理とも言う)において、コロナ電極30の移動は、公知の棒状物の移動手段を用いればよい。
また、コロナポーリング処理では、コロナ電極30を移動する方法にも、限定はされない。すなわち、コロナ電極30を固定し、第1積層体11bを移動させる移動機構を設け、この第1積層体11bを移動させて分極処理をしてもよい。この第1積層体11bの移動も、公知のシート状物の移動手段を用いればよい。
さらに、コロナ電極30の数は、1本に限定はされず、複数本のコロナ電極30を用いて、コロナポーリング処理を行ってもよい。
また、分極処理は、コロナポーリング処理に限定はされず、分極処理を行う対象に、直接、直流電界を印加する、通常の電界ポーリングも利用可能である。但し、この通常の電界ポーリングを行う場合には、分極処理の前に、上部電極16を形成する必要が有る。
なお、この分極処理の前に、圧電体層12の表面を加熱ローラ等を用いて平滑化する、カレンダー処理を施してもよい。このカレンダー処理を施すことで、後述する熱圧着工程がスムーズに行える。
このようにして第1積層体11bの圧電体層12の分極処理を行う一方で、上部保護層20の上に上部電極16が形成されたシート状物11cを準備する。このシート状物11cは、上部保護層20の表面に、真空蒸着、スパッタリング、めっき等によって上部電極16として銅薄膜等を形成して、作製すればよい。
次いで、図6Eに示すように、上部電極16を圧電体層12に向けて、シート状物11cを、圧電体層12の分極処理を終了した第1積層体11bに積層する。
さらに、この第1積層体11bとシート状物11cとの積層体を、上部保護層20と下部保護層18とを挟持するようにして、加熱プレス装置や加熱ローラ対等で熱圧着して、第2積層体11dを作製する。
なお、第2積層体11dは、本発明において準備工程で準備する積層体である。
次に、成型工程において、作製した第2積層体11dを加熱圧縮成型して、変換フィルム10(第2積層体11d)の一方の主面側に突出する凸部10aを成型する。
加熱圧縮成型の方法としては特に限定はなく、種々の公知の樹脂フィルムの加工方法が利用可能である。一例として、図7Aおよび図7Bに示すように、成型する凸部10aの形状に対応する形状の金型70aおよび70bを有する成型装置を用いて、第2積層体11dを加熱圧縮成型することで、所望の形状の凸部10aを成型することができる。
以上、本発明の電気音響変換フィルム、電気音響変換フィルムの製造方法および電気音響変換器について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明についてより詳細に説明する。
[実施例1]
前述の図6A〜図6Eおよび図7A〜図7Bに示す方法によって、図1に示す変換フィルム10を作製した。
まず、下記の組成比で、シアノエチル化PVA(CR−V 信越化学工業社製)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解した。その後、この溶液に、PZT粒子を下記の組成比で添加して、プロペラミキサー(回転数2000rpm)で分散させて、圧電体層12を形成するための塗料を調製した。
・PZT粒子・・・・・・・・・・・1000質量部
・シアノエチル化PVA・・・・・・・100質量部
・MEK・・・・・・・・・・・・・・600質量部
なお、PZT粒子は、市販のPZT原料粉を1000〜1200℃で焼結した後、これを平均粒径3.5μmになるように解砕および分級処理したものを用いた。
一方、厚さ4μmのPETフィルムに、真空蒸着により、厚さ0.1μmの銅薄膜を真空蒸着してなるシート状物11aおよび11cを用意した。すなわち、本例においては、上部電極16および下部電極14は、厚さ0.1μmの銅蒸着薄膜であり、上部保護層20および下部保護層18は厚さ4μmのPETフィルムとなる。
なお、プロセス中、良好なハンドリングを得るために、PETフィルムには厚さ50μmのセパレータ(仮支持体 PET)付きのものを用い、シート状物11cの熱圧着後に、各保護層のセパレータを取り除いた。
このシート状物11aの下部電極14(銅蒸着薄膜)の上に、スライドコータを用いて、先に調製した圧電体層12を形成するための塗料を塗布した。なお、塗料は、乾燥後の塗膜の膜厚が20μmになるように、塗布した。
次いで、シート状物11aの上に塗料を塗布した物を、120℃のオーブンで加熱乾燥することでMEKを蒸発させた。これにより、PET製の下部保護層18の上に、銅製の下部電極14を有し、その上に、厚さが20μmの圧電体層12(圧電層)を形成してなる第1積層体11bを作製した。
この積層体11bの圧電体層12を、図6Cおよび図6Dに示す前述のコロナポーリングによって、分極処理した。なお、分極処理は、圧電体層12の温度を100℃として、下部電極14とコロナ電極30との間に6kVの直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせて、行った。
分極処理を行った第1積層体11bの上に、上部電極16(銅薄膜側)上にシアノエチル化プルランとシアノエチル化PVAの混合体(CR−M 信越化学工業製)を0.3μmになるように塗布した塗布面を圧電体層12に向けてシート状物11cを積層した。
次いで、第1積層体11bとシート状物11cとの積層体を、ラミネータ装置を用いて120℃で熱圧着することで、圧電体層12と上部電極16および下部電極14とを接着して第2積層体11dを作製した。
次に、作製した第2積層体11dを50mm×50mmの大きさに切り出し、図7Aおよび図7Bに示すような、成型する凸部10aの形状に対応する形状の金型で、熱プレス装置(アズワン社製AH−2003)を用いて、加熱圧縮成型法により、図1に示すような凸部10aを有する形状に成型して、電気音響変換フィルム10を作製した。
凸部10aの形状は、球体の一部からなる形状とした。また、変換フィルム10の主面に垂直な方向から見た際の、凸部10aの短径Dsは、40mmとし、高さを0.5mmとした。すなわち、凸部の高さHと短径Dsとの比H/Dsは、0.01とした。
作製した変換フィルム10の上部保護層20側および下部保護層18側それぞれにおいて、保護層の一部を切削加工により除去して孔部を形成して、この孔部に銀ペースト等の導電材料を挿入して導電材料と薄膜電極とを電気的に導通して、電極引出し部とした。
作製した変換フィルム10の辺縁部を2つの支持部材48で挟持して図5に示すような電気音響変換器60を作製した。
支持部材48は、中央に貫通孔を有しアクリルからなる板状の部材で、外形は50mm×50mm、貫通孔の大きさは、φ40mmの円形とし、厚さは、3mmとした。
[実施例2〜6]
凸部10aの高さHおよび高さHと短径Dsとの比H/Dsをそれぞれ表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気音響変換フィルム10および電気音響変換器60を作製した。
[実施例7〜9]
上部保護層20および下部保護層18の厚さを下記表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして、電気音響変換フィルム10および電気音響変換器60を作製した。
[実施例10]
2つの支持部材48を有さない以外は実施例1と同様にした。すなわち、電気音響変換フィルム10単体で後述の評価を行った。
[実施例11]
凸部10aの形状を、図3Aに示すような頂部が平坦な形状に成型した以外は、実施例3と同様にして電気音響変換フィルム10および電気音響変換器60を作製した。
[実施例12]
上部保護層20側および下部保護層18側それぞれにおいて、電極引出し部を2箇所に設けた以外は、実施例3と同様にして電気音響変換フィルム10および電気音響変換器60を作製した。
[実施例13]
上部保護層20および下部保護層18として、厚さ4μmのポリアミドフィルムを用いた以外は、実施例3と同様にして電気音響変換フィルム10および電気音響変換器60を作製した。
[実施例14]
シート状物11aおよび11cとして、厚さ4μmのPETフィルムに、真空蒸着により、厚さ20nmのニッケル薄膜を形成し、さらに、ニッケル薄膜の上に、厚さ0.1μmの銅薄膜を真空蒸着したものを用いた以外は実施例3と同様にして電気音響変換フィルム10および電気音響変換器60を作製した。
すなわち、実施例15の変換フィルム(第2積層体)は、図4Bに示すように、圧電体層12の一方の面に、下部電極14、下部着色層21および下部保護層18がこの順に積層され、圧電体層12の他方の面に、上部電極16、上部着色層22および上部保護層20がこの順に積層されてなる構成を有する。
[比較例1]
凸部の高さHを8mmとし、高さHと短径Dsとの比H/Dsを0.2とした以外は、実施例1と同様にして、電気音響変換フィルムおよび電気音響変換器を作製した。
[比較例2]
凸部を形成しない以外は実施例1と同様にして電気音響変換フィルムを作製し、すなわち、凸部を成型する前の第2積層体を変換フィルム102として用いた。
この変換フィルム102を用いて図8Aに示すような電気音響変換器100を作製した。
図8Aに示す電気音響変換器100は、薄型の円筒形状で最大面の一方が開放面であるケース104と、ケース104内に収容された弾性支持体106と、ケース104の開放面および弾性支持体106を覆って配置される変換フィルム102と、変換フィルム102の周辺をケース104の開放面に接した状態で固定する、中央に開口部を有する円形状の板状部材である押圧部材108とを有する。
ケース104は、一面が開放した円筒状の容器で、外形の大きさ50mm×50mm、高さ6mm、開口部の大きさφ40mm、深さ3mmのプラスチック製の容器を用いた。
弾性支持体106は、大きさφ40mm、組立前の高さ10mm、密度250kg/m3のフェルトを使用した。
押圧部材は108は、開口部の大きさφ40mm、厚さ3mmのアクリル製の板状部材を用いた。
図8Aに示すように、変換フィルム102は、弾性支持体106により、凸状に湾曲されて保持される。湾曲高さは2mmであった。
[比較例3]
図8Bに示すような電気音響変換器110を作製した以外は比較例2と同様とした。
すなわち、凸部を成型する前の第2積層体を変換フィルム102として用いた。
図8Bに示す電気音響変換器110は、気密性を有するケース104と、ケース104内に空気を導入するパイプ104aと、ケース104の開放面を閉塞するように覆う変換フィルム102と、ケース104の外周に嵌合する押さえ蓋112とを有する。
押さえ蓋112は、ケース104の外周と略同一の内周を有する、略L字状の断面を有する枠体状の部材であり、ケース104の外周に嵌合する。
変換フィルム102をケース104の開放面に押圧して固定し、変換フィルム102によって、ケース104の内部を気密に閉塞する。さらに、パイプ104aからケース104内(ケース104と変換フィルム102とによる閉空間)に空気を導入して、変換フィルム102に圧力を掛けて、凸状に膨らませ、湾曲高さを2mmとなるように保持して、電気音響変換器110とした。
[比較例4]
市販の厚さ20μmのPVDF(Poly Vinylidene DiFluoride)を圧電体層として用い、PVDFの両面に上部電極、下部電極をそれぞれ、真空蒸着にて形成した積層体を第2積層体として変換フィルムを成型した以外は、実施例3と同様にして電気音響変換フィルムおよび電気音響変換器を作製した。
[評価]
各実施例および比較例で作製した電気音響変換器の音圧レベル、放熱性および経時変化を評価した。
<音圧レベル>
作製した電気音響変換器の音圧レベルを測定した。
具体的には、電気音響変換器の変換フィルムの中央に向けて、0.1m離した位置にマイクロフォンを配置し、変換フィルムの上部電極と下部電極との間に1kHz、10V0−Pのサイン波を入力して、音圧レベルを測定した。
音圧レベルに基づいて以下のように評価した。
A:65dB以上
B:60dB以上65dB未満
C:55dB以上60dB未満
D:50dB以上55dB未満
E:50dB未満
<放熱性>
作製した電気音響変換器の放熱性を以下のようにして評価した。
まず、室温25℃の環境下で、電気音響変換器の変換フィルムの上部電極と下部電極との間に10kHz、20V0−Pのサイン波を15分間、入力した。
15分間の連続駆動の後、変換フィルムの表面温度を測定し、以下の基準で評価した。
A:室温+1.5℃未満
B:室温+1.5℃以上室温+3.0℃未満
C:室温+3.0℃以上室温+5.0℃
D:室温+5.0℃以上
<経時変化>
作製した電気音響変換器を温度23℃、湿度50%RHの環境下に2週間放置後、上記と同様にして音圧レベルを測定し、音圧レベルの変化量に基づいて以下のように評価した。
A:±1.0dB未満
B:±1.0dB以上
評価結果を表1に示す。
表1に示す結果から、本発明の電気音響変換フィルムの実施例1〜15は、比較例1〜4に比べて、音圧レベル、耐熱性および経時変化に対する耐久性の全てを並立して良好にできることがわかる。
また、実施例1〜6および比較例1の対比から、凸部の高さが低いほど音圧レベルが向上し好ましいことがわかり、短径Dsと高さHとの比H/Dsは、0.15以下とする必要があり、0.1以下が好ましく、0.075以下がより好ましく、0.005以下が特に好ましいことがわかる。
また、実施例3と実施例10との対比から、変換フィルムの凸部の辺縁部を固定することで効率が上がり、音圧レベルが向上することがわかる。
また、実施例3と実施例11との対比から、保護層に孔部を設けて、この孔部を介して電極引出し部を設けることで、サイズを小さくでき、好ましいことがわかる。
また、実施例3と実施例12との対比から、凸部の形状をドーム状にすることで音圧レベルを向上でき、好ましいことがわかる。
また、実施例3と実施例13との対比から、電極引出し部の数を増やすことで、電気接続する面積を増やして電気抵抗を小さくできるため、発熱量を低減でき、好ましいことがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
10、102 電気音響変換フィルム
10a 凸部
11a、11c シート状物
11b 第1積層体
11d 第2積層体
12 圧電体層
14 下部薄膜電極
16 上部薄膜電極
18 下部保護層
20 上部保護層
21 下部着色層
22 上部着色層
24 粘弾性マトリックス
26 圧電体粒子
30 コロナ電極
32 直流電源
48 支持部材
60、100、110 電気音響変換器
70a、70b 金型
104 ケース
104a パイプ
106 弾性支持体
108 押圧部材
112 押さえ蓋

Claims (11)

  1. 常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、
    前記高分子複合圧電体の両面に積層された2つの薄膜電極と、
    2つの前記薄膜電極上それぞれに積層された2つの保護層と、
    2つの前記薄膜電極の少なくとも一方について、前記薄膜電極よりも表層側に形成され、前記薄膜電極を被覆する着色層と、を積層されてなり、
    一方の主面側に突出するように凸面状に成形されてなる凸部を有し、
    前記凸部の成型高さHと、主面に垂直な方向から見た際の前記凸部の短径Dsとの比H/Dsが、0<H/Ds≦0.15を満たすことを特徴とする電気音響変換フィルム。
  2. 前記着色層の透過濃度は、0.3以上である請求項1に記載の電気音響変換フィルム。
  3. 前記着色層の厚さは、1μm以下である請求項1または2に記載の電気音響変換フィルム。
  4. 前記着色層の電気抵抗率は、1×10 −7 Ωm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気音響変換フィルム。
  5. 前記電気音響変換フィルムは、さらに、前記高分子複合圧電体が露出する領域を覆ってショートを防止する絶縁層を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気音響変換フィルム。
  6. 前記凸部の形状が、球体の一部、あるいは、回転楕円体の一部からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気音響変換フィルム。
  7. 前記保護層が、電極層まで貫通する孔部を有し、
    前記孔部を介して、前記電極層に電気的に接続される電極引出し部を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気音響変換フィルム。
  8. 前記保護層の前記孔部を介して前記電極層に接続される前記電極引出し部を3以上有する請求項に記載の電気音響変換フィルム。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電気音響変換フィルムを製造する電気音響変換フィルムの製造方法であって、
    常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、前記高分子複合圧電体の両面に積層された2つの薄膜電極と、2つの前記薄膜電極上それぞれに積層された2つの保護層と、2つの前記薄膜電極の少なくとも一方について、前記薄膜電極よりも表層側に形成され、前記薄膜電極を被覆する着色層とを積層されてなる積層体を準備する準備工程と、
    前記積層体を加熱圧縮成型して、一方の主面側に突出する凸部を成型する成型工程とを有する電気音響変換フィルムの製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の、凸部を成型されてなる電気音響変換フィルムと、
    前記電気音響変換フィルムの前記凸部の辺縁部を支持する支持部材とを有する電気音響変換器。
  11. 前記支持部材は、前記電気音響変換フィルムの主面に垂直な方向から見た際の前記凸部の形状と同じ形状の貫通孔を有し、
    2つの前記支持部材で、前記電気音響変換フィルムの前記凸部の辺縁部を挟持してなる請求項10に記載の電気音響変換器。
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