JP6041287B2 - ディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造およびディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造およびディスクブレーキ装置 Download PDF

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Description

本発明は、ディスクブレーキ装置に係り、特にディスクブレーキ装置を構成するサポートに組み付けるパッドクリップの組付け構造、およびこの組付け構造を採用したディスクブレーキ装置に関する。
ディスクブレーキ装置におけるサポートに形成された凸状の耳部に対して、当該耳部を挟持するようにパッドクリップを組み付ける構造は、従来より実用化されている。
このような組付け構造を採用するにあたって問題視されてきた点は、サポートの耳部を挟持する挟持部と、ブレーキパッドの凸片(トルク受け部)を保持するパッド保持部との相対的な力の反作用によって生じるパッドクリップの倒れ込み(脱落)である。
具体的には、図11、図12に示すように、パッドクリップ2をサポート1に組付けた状態では、パッド保持部5は、ブレーキパッドにおけるパッド中心方向へ浮き上がった状態となる(図11参照)。これに対し、ブレーキパッドを組み付けると、パッド保持部5はサポート1におけるトルク受け面側へ押し付けられる方向の力(矢印Aの方向の力)を受ける(図12参照)。このような力を受けたパッドクリップ2には、挟持部3におけるロータ内周側挟持片4を基点として、ブレーキパッドにおけるパッド中心方向へ倒れ込もうとする力(矢印Bの方向の力)が生じることとなる(図12参照)。このような力が生じた場合、サポート1からパッドクリップ2が脱落する危険性がある。
このような問題を解決するために、パッドクリップ、およびその組付け構造として、種々の形態が提案されている。例えば特許文献1には、サポートに形成された耳部の上面、すなわちロータ半径方向外周側の被挟持面(以下、外周側被挟持片と称す)に、ブレーキパッドにおけるパッド中心方向端部を基点として、当該基点から離間するに従ってロータ半径方向内周側の被挟持面(以下、内周側被挟持片と称す)に近づく方向へ向けた傾斜角度をつける構成が開示されている。そして、このような構成の耳部を挟持するパッドクリップの挟持部は、外周側被挟持面に対向する挟持片に、外周側被挟持面に沿った傾斜角度を持たせる構成としている。
このような構成とすることで、耳部に対するパッドクリップの抜け止め性(脱落防止効果)を高めることができる。
また、特許文献2には、耳部の外周側被挟持面と内周側被挟持面とを平行に形成した上で、外周側被挟持面に、ロータ軸方向に沿った溝を設ける構成が開示されている。また、特許文献2では、パッドクリップの挟持部を構成する外周側挟持片に、対向する外周側被挟持面側へ突出させた突起を設ける構成が開示されている。そして特許文献2では、外周側挟持片に設けた突起を外周側被挟持面に設けた溝に嵌め込むことで組付け状態を保持することが開示されている。
このような構成とすることによれば、楔効果により、パッドクリップの抜け止め性を高めることができる。
さらに、特許文献3にも、耳部の外周側被挟持面と内周側被挟持面とを平行に形成した上で、外周側被挟持面に、ロータ軸方向に沿った溝を設ける構成が開示されている。また、特許文献3では、パッドクリップの挟持部を構成する外周側挟持片をロータ軸方向に2つに分割し、押さえ爪と上部片を構成している。押さえ爪は、ブレーキパッドにおけるパッド中心方向に設けられた連結片から延設された切片をフック状に形成した片である。押さえ爪は、その先端を溝の段差部に当接させると共に、内周側挟持面側への付勢力を付与することで、挟持力も生じさせる。一方、上部片は、耳部に接触することが無い。
このような構成とすることで、押さえ爪による楔効果を得ることができ、パッドクリップの抜け止め性を高めることができる。また、押さえ爪は、ブレーキパッドにおけるパッド中心方向に位置する連結片を基点として分割・延設されているため、組付け状態が不完全である場合には、撓みによる浮き上がりが生じ、組付け状態の確認も行うことが可能となる。
特開2000−314439号公報 特許第3806815号公報 特開2010−107001号公報
上記特許文献に開示されているような構成のディスクブレーキ装置であれば、その構造により、サポートからパッドクリップが脱落することを抑制する効果を高めることができると考えられる。
しかし、上記特許文献に開示されている組付け構造には、それぞれ次のような課題がある。例えば特許文献1に開示されている構造では、パッドクリップを組付けた状態で、挟持部における外周側挟持片が耳部における外周側被挟持面に沿う形態となる。このため、パッドクリップは、組付け前の状態では、挟持の際の締め代を確保するために、外周側被挟持面の傾斜角度よりも大きな傾斜角度を持つ必要がある。よって、組付け時には相当な力で挟持部を押し広げる必要があり、組付け性が悪い。
また、特許文献2に開示されている構造では、突起が溝に引っ掛かることでパッドクリップの脱落を抑制することができるが、これによりパッドクリップの取り外しが困難となる。このため、パッドクリップを取り外す際に、パッドクリップに変形が生じる虞がある。
さらに、特許文献3に開示されている構造では、組付け性や取り外しのし易さ、およびパッドクリップの脱落防止効果に関しては問題無いが、パッドクリップにおける押さえ爪の形状が複雑である。このため、パッドクリップ自体の形成に手間がかかる。
そこで本発明では、パッドクリップの組付け性、取り外しの容易さ、およびパッドクリップの脱落防止効果が高く、さらにサポート、およびパッドクリップ自体の形状形成も容易となるディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造、およびこの組付け構造を採用したディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造は、ブレーキパッドにおけるパッド中心方向へ突出した耳部と、前記耳部のロータ半径方向内周側に設けられた凹状のトルク受け面とを有するトルク受け部を備えたサポートと、前記耳部をロータの半径方向内周側および外周側から挟持する一対の挟持片と前記挟持片における内周側挟持片に接続されてロータ半径方向内周側に延設されかつ、組み付け状態においてロータ半径方向外周側端部が前記トルク受け面と接触し、内周側端部が前記トルク受け面から離間しているパッド当接片を備えたパッドクリップと、を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造であって、前記耳部における外周側被挟持面と前記パッドクリップにおける外周側挟持片との接触点を少なくとも2点以上、ロータ円周方向に沿った方向に、互いに離間している状態となるように設け、前記接触点のうちの1点は、前記外周側挟持片における前記耳部の基端側に位置する端部が接触し、少なくとも前記外周側被挟持面は、前記パッド中心側端部を基点として、当該端部から離間するに従って、内周側被挟持面へ近づく方向へ向けた傾斜角度を有することを特徴とする
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造において前記接触点のうちの他の点は、前記外周側挟持片における板面の一部を切り出した突起部の先端であるようにすると良い。
このような構造とすることで、パッドクリップを構成する板片の一部を切欠くことで突起部を形成することが可能となるからである。また、切欠きによって形成される舌片の板片全体に占める割合を調整することにより、挟持片による挟持圧を調整することも可能となり、組付け性の改善も可能となる。さらに、外周側被挟持面とパッドクリップとの接触部位が、突起部の先端による点接触の他、外周側挟持片における耳部基端側端部による線接触となり、いずれか一方による接触に比べて、ロータ軸方向に対する組付け安定性を向上させることができる。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造において前記外周側挟持片における前記突起部の先端と前記外周側被挟持面との接触点は、前記パッド当接片の外周側端部を通るロータ半径方向軸線を基点として、前記外周側被挟持面における前記パッド中心側端部側に設けられるようにすると良い。
このような構成とすることで、突起部の延設方向をどのようなものとした場合であっても、先端部の食い込み方向をロータ半径方向内周側へ傾けることができる。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造において前記突起部の先端と前記外周側被挟持面との接触点は、前記外周側被挟持面における前記パッド中心側端部近傍であると良い。
このような構成とすることで、外周側被挟持面に対する突起部先端部の食い込み角度を大きくすることができる。これにより、外周側被挟持面に対する突起部先端部の摩擦力が大きくなり、抜け止め性を向上させることができる。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造では、少なくとも前記外周側被挟持面は、前記パッド中心側端部を基点として、当該端部から離間するに従って、内周側被挟持面へ近づく方向へ向けた傾斜角度を有するようにする構成とすることで、パッドクリップの抜け止め性をさらに向上させることができる。
さらに、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造において前記外周側挟持片は、前記パッド中心側端部を基点として、当該端部から離間するに従って前記内周側挟持片へ近づく方向へ向けた傾斜角度を有し、前記外周側被挟持面の傾斜角度よりも前記外周側挟持片の傾斜角度を大きくすると良い。
このような構成とすることで、外周側挟持片における前記耳部の基端側に位置する端部を確実に外周側被挟持面に接触させることが可能となる。これにより、パッドクリップの抜け止め性を向上させると共に、ロータ軸方向に対する安定性も向上させることができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置は、上記いずれかに記載したディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造を採用したものであれば良い。
このような特徴を有することにより、サポートに組付けたパッドクリップの脱落を抑制することができる。また、整備時などにおけるパッドクリップの取り外しも容易となり、取り外しに起因したパッドクリップの変形等を抑制することができる。
上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造によれば、パッドクリップの組付け性、取り外しの容易さ、およびパッドクリップの脱落防止効果を高めることができる。また、サポートや、パッドクリップ自体の形状形成も容易となる。
実施形態に係るディスクブレーキ装置の構成を示す斜視図である。 サポートの構成を示す左側面図である。 図2におけるA−A断面を示す図である。 サポートに対するパッドクリップ、およびブレーキパッドの組付け状態の例を示す部分拡大図である。 外周側被挟持面に対するパッドクリップの接触部位を模式的に示す図である。 内周側被挟持面に対するパッドクリップの接触部位を模式的に示す図である。 外周側被挟持面に対する舌片先端の接触部位の相違による舌片の食い込み角度の違いを説明するための図である。 外周側被挟持面と舌片の延設方向とを平行にした場合の例を示す図である。 舌片を半球状とした場合の例を示す図である。 舌片の基端部をパッド中心方向とした場合の例を示す図である。 サポートに対してパッドクリップのみを組付けた状態の例を示す図である。 サポートに対して組付けたパッドクリップに、ブレーキパッドを組付けた際に生じる力を説明するための図である。
以下、本発明のディスクブレーキのパッドクリップ組付け構造、およびディスクブレーキ装置に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、ディスクブレーキ装置10の全体構成について説明する。本発明に係るディスクブレーキ装置10は、一般的なフローティング型のディスクブレーキ装置と同様な構成を基本とする。
すなわち、ロータ100と、サポート30、キャリパ20、およびインナ側ブレーキパッド56a(図2参照)、アウタ側ブレーキパッド56b(図2参照)を基本として構成される。ロータ100は、摺動面を備えた回転板であり、摺動面と直交する方向に回転軸を備える。
サポート30は、図示しない車両側係止部に固定され、後述するキャリパ20や、インナ側ブレーキパッド56a、およびアウタ側ブレーキパッド56bのロータ軸方向への移動を可能に保持する保持部材である。サポート30は、ロータ100のインナ側とアウタ側のそれぞれに、ロータ回入側トルク受け部32a,34aと、ロータ回出側トルク受け部32b,34bとを有する。ロータのインナ側におけるロータ回入側トルク受け部32aとアウタ側におけるロータ回入側トルク受け部34a、およびインナ側におけるロータ回出側トルク受け部32bとアウタ側におけるロータ回出側トルク受け部34bは、ロータ100の半径方向外周側に設けられたロータパス部40によりそれぞれ接続されている。
また、ロータ100のインナ側、アウタ側共に、ロータ回入側トルク受け部32a,34aと、ロータ回出側トルク受け部32b,34bとは、ブリッジ部36,38により接続されている。なお、ロータ100のインナ側に配置されたロータ回入側トルク受け部32aとロータ回出側トルク受け部32bとにはそれぞれ、固定用雌ねじ孔42と、図示しないキャリパ保持用袋穴が形成されている。ロータ回入側トルク受け部32a、ロータ回出側トルク受け部32bにおける詳細な構成については、後述する。
また、キャリパ20は、ロータ100に対してインナ側ブレーキパッド56aとアウタ側ブレーキパッド56bとを押し付ける役割を担う。キャリパ20は、キャリパ本体22と爪部26、ブリッジ部28、およびアーム部24を有する。キャリパ本体22には、シリンダが設けられ、内部にカップ状のピストン(不図示)が配置される。爪部26は、ロータ100を介してキャリパ本体22の対向位置に配置される。ブリッジ部28は、ロータ100の半径方向外周側に配置され、ロータ100を跨いでキャリパ本体22と爪部26とを連結する役割を担う。アーム部24は、キャリパ20をサポート30へ保持する基点となる役割を担う。アーム部24は、キャリパ本体22を基点として、ロータ回入側と回出側のそれぞれの方向へ延設される。アーム部24の先端は、サポート30におけるキャリパ保持用袋穴(不図示)の対向位置とし、スライドピン70を介してサポート30に対してロータ軸方向への摺動を可能に保持される。
インナ側ブレーキパッド56a、およびアウタ側ブレーキパッド56bは、上述したロータ100の摺動面を挟持して、摩擦力を発生させる役割を担う。摩擦力を生じさせたインナ側ブレーキパッド56aとアウタ側ブレーキパッド56bの動きを拘束することで、車両に対する制動力を生じさせるためである。インナ側ブレーキパッド56a、アウタ側ブレーキパッド56bは共に、プレッシャプレートと、ライニングを基本として構成される。プレッシャプレートは、インナ側ブレーキパッド56aではピストンによって、アウタ側ブレーキパッド56bでは爪部26によって、それぞれ押圧されることとなる金属板である。プレッシャプレートは、プレート本体58と、トルク受け部58aとから成る。プレート本体58は、詳細を後述するライニングを貼付するための領域である。トルク受け部58aは、サポート30におけるトルク受け部32,34に当接することで制動力を生じさせる部位である。プレート本体58は、ロータ100における摺動面の配置形態に沿った方向の面を持つように形成、配置されている。また、トルク受け部58aは、プレート本体58におけるロータ回入側側面と、ロータ回出側側面からそれぞれ、ロータ100の回入側と回出側に延設されている矩形突出部である。
次に、図3〜図7を参照して、サポート30におけるトルク受け部32(ロータ回入側トルク受け部32a,ロータ回出側トルク受け部32b),34(ロータ回入側トルク受け部34a,ロータ回出側トルク受け部34b)の詳細な構造と、このトルク受け部32,34に対するパッドクリップ60の組付け構造に関する詳細を説明する。
ロータ100のインナ側、アウタ側、回入側、回出側のそれぞれに配置されたトルク受け部32,34はいずれも、図3に示すように、ブレーキパッド56(インナ側ブレーキパッド56a、アウタ側ブレーキパッド56b)配置方向に向けて突出した、突起状の耳部44と、当該耳部44に対して凹状に形成されたトルク受け面52とを有する。
耳部44は、ロータ半径方向外周側とロータ半径方向内周側に、詳細を後述するパッドクリップ60による被挟持面(外周側被挟持面46、および内周側被挟持面50)を有する(図4参照)。内周側被挟持面50は、ロータ円周方向に対して略平行となるように形成されている。一方、外周側被挟持面46は、ブレーキパッド56におけるパッド中心方向先端部を基点として、当該先端部から離間するに従って内周側被挟持面50に近づく方向へ向けた傾斜角度θ2を有する(図4参照)。このため、耳部44は、基点とするブレーキパッド56におけるパッド中心方向先端部ほど、ロータ半径方向に対する厚みが大きい構成となる。このような構成とすることにより、挟持状態となったパッドクリップ60の脱落防止効果を高めることができる。なお、図4に示す例では、ブレーキパッド56におけるパッド中心方向先端側に位置する先端面48と、外周側被挟持面46との接続部間に面取り部48aを設けている。面取り部48aがガイドとなり、詳細を後述するパッドクリップ60の組付け性を向上させることができるからである。
トルク受け面52は、サポート30を正面から見た際に、耳部44の下側、すなわちロータ半径方向内周側に、ロータ軸方向に向けて形成された溝である。このため、耳部44を基準とした場合には、凹状の形態を成すこととなる。トルク受け面52は、ブレーキパッド56におけるトルク受け部58aが当接する部位である。このため、当接部の当接端面の形状に沿うように加工されている。
このような構成を持つサポート30のトルク受け部32,34に組付けられるパッドクリップ60は、弾性変形可能な金属板で形成されており、少なくとも、挟持部62と、パッド保持部64とを有する。挟持部62は、サポート30における耳部44をロータ半径方向内周側と外周側から挟み込み、パッドクリップ60のサポート30への組付け状態を安定させる役割を担う。挟持部62は、内周側挟持片62cと、外周側挟持片62a、および連結片62bから構成される。内周側挟持片62cは、耳部44における内周側被挟持面50に付勢する板片であり、外周側挟持片62aは、外周側被挟持面46に付勢する板片である。本実施形態に係るパッドクリップ60では、外周側挟持片62a、または外周側挟持片62aの基端部側から延設される垂直片61から外周側被挟持面46側へ向けて突出する舌片62dが設けられている。そして、連結片62bは、内周側挟持片62cと外周側挟持片62aを連結する板片である。舌片62dは、ブレーキパッド配置側(パッド中心側)を先端として形成されている。
内周側挟持片62cは、組付け状態において、内周側被挟持面50に沿う形態を採る。すなわち、ロータ円周方向に対して略平行に配置される。一方で、外周側挟持片62aは、ブレーキパッド56の配置方向側の先端部を基点として、先端部から離間するに従って内周側挟持片62cへ近づく方向へ向けた傾斜角度θ1を有する。すなわち、挟持部62の開口部側ほど、内周側挟持片62cと外周側挟持片62aの距離が近くなるように形成されている。このような構成とすることで、耳部44を挟持した際の締め代を作ることができ、耳部44に対する大きな挟持力を生じさせることができる。
本実施形態では、耳部44にパッドクリップ60を組み付けた状態、すなわち挟持部62により耳部44を挟持した状態において、外周側被挟持面46の傾斜角度θ2の傾斜角度よりも挟持片62aの傾斜角度θ1の方が大きくなるように構成している。
このような構成上の特徴から、本実施形態に係るパッドクリップ60では、組付け状態において、外周側被挟持面46に対して少なくともロータ円周方向に沿った2点が接触することとなり、高い挟持性を得ることができる。具体的には、外周側挟持片62aの耳部基端部側端部62a1と、舌片62dの先端との2箇所での接触となる。さらに、耳部基端部側端部62a1においては、ロータ軸方向に沿った線接触となるため、軸方向のブレに対する安定性も向上する。
そして、内周側被挟持面50と内周側挟持片62cとは、略面接触となるため、高い摩擦力、および軸方向への安定性を得ることができる。
外周側被挟持面46に対する外周側挟持片62aにおける耳部基端部側端部62a1と舌片62dの先端の接触部位を模式的に示すと、図5(A)における斜線領域のようになる。また、内周側被挟持面50に対する内周側挟持片62cの接触部位を模式的に示すと、図6における斜線領域のようになる。なお、舌片62dの基端部を垂直片61とした場合には、図5(B)における斜線領域のように、耳部基端部側端部62a1においてロータ軸方向に延びる接触領域がロータ半径方向へ分断されることとなる。
パッド保持部64は、挟持部62における内周側挟持片62cと、パッド当接片64a、およびパッド保持片64bを基本として構成される。パッド当接片64aは、内周側挟持片62cのブレーキパッド56におけるパッド中心側端部の反対側に位置する端部、すなわち耳部基端部側端部62c1を基点として、ロータ半径方向内周側へ向けて延設された板片である。サポート30への組付け後、ブレーキパッド56を組み付けていない状態では、ロータ半径方向内周側へ向かうほどサポート30におけるトルク受け面52から離間する方向の傾斜角度を有する。パッド保持片64bは、パッド当接片64aのロータ半径方向内周側端部を基点として、ブレーキパッド56におけるパッド中心方向へ向けて延設された板片である。
また、上記舌片62dはその先端が、上記パッド当接片64aにおけるロータ外周側端部64a1を通過するロータ半径方向軸線66を基点として、外周側被挟持面46におけるパッド中心端部近傍に位置するように設けられている。
パッド保持部64にブレーキパッド56が組付けられると、パッド当接片64aは、トルク受け面52との接点である外周側端部64a1を基点としてトルク受け面52へと付勢されることとなる(付勢される方向の力Fを受ける)。こうした場合、パッド当接片64aをトルク受け面52へ当接させる際の反力により、挟持部62には、外周側端部64a1を基点として矢印M方向のモーメントが発生する。ここで、舌片62dと外周側被挟持面46との接点には、モーメントMに基づくトルクfが、外周側端部64a1と接点Pを結ぶ直線を半径とする円の接線方向に働くこととなる。
ここで、舌片62dの先端の接触位置と半径方向軸線66との距離がL1の場合と、L2の場合について、図7に示す。なお、L1とL2の関係については、図7に示す場合と同様に、L1<L2である。外周側被挟持面46と舌片62dと、半径方向軸線66との配置距離がL1の場合とL2の場合とを比較すると、舌片62dの先端が半径方向軸線66に近い場合の例に比べ、パッド中心側端部近傍に舌片62dの先端が位置する例では、外周側被挟持面46とトルクfの発生方向の成す角が大きくなっていることが解る(角度θ3<角度θ4)。外周側被挟持面46とトルクfの成す角θの変化は、外周側被挟持面46に対する舌片62dの押し付け方向(食い込み方向)の変化であることより、半径方向軸線66からの距離をL2とした方が、成す角θが大きくなるということが解る。このため、舌片62dの接触点は、半径方向軸線66に近いよりも、パッド中心側端部近傍とした方が摩擦力が高くなり、抜け止め効果を高めることができる。
また、このような理由から、例えば図8に示すように、舌片62dの延設方向と耳部44における外周側被挟持面46とが平行であった場合でも、舌片62dの先端が外周側被挟持面46におけるパッド中心側端部近傍に位置することで、先端部の食い込み角度が大きくなり、高い抜け止め効果を発揮することが可能となる。
上記のような組付け構造を有するディスクブレーキ装置10では、サポート30に組み付けたパッドクリップ60が脱落する虞を抑制することができる。また、上記のような組付け構造を成すための構成により、サポート30に対するパッドクリップ60の組み付け性が向上する。さらに、耳部に溝を有するタイプの組付け構造に比べ、パッドクリップの取り外しを容易に行うことができ、パッドクリップ60に、取り外しに伴う変形等を生じさせる虞が無い。
また、上述したように、高い抜け止め性を得ると共に、ロータ軸方向に対する安定性も確保することができる。
上記実施形態では、挟持部62における外周側挟持片62aに設ける突起部として、外周側挟持片62aの一部を切り欠いた舌片62dを例に挙げて説明した。しかしながら、本発明に係る組付け構造は、図9に示すように、外周側挟持片62aの外周面にロータ軸方向に沿う直線切り込みを入れ、切り込み線の片側に半球状の絞り加工を施すことで、半球型舌片62eを形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態において舌片62dについては、外周側挟持片62aにおける耳部基端部側端部62a1側を基端部として切り出すように図示している。しかしながら、舌片に関しては、図10に示すように、パッド中心側端部側を基端部として舌片62fを切り出し、先端をパッド中心方向へ湾曲させる形態としても良い。
また、上記実施形態ではいずれも、外周側被挟持面46は、傾斜角度θ2を有するように記載した。しかしながら、θ2は、0°であっても良い。すなわち、内周側被挟持面50と外周側被挟持面46とが平行であっても、本発明の効果を奏することができる。
なお、本発明に係る組付け構造は、ロータ100のインナ側に配置されるパッドクリップとアウタ側に配置されるパッドクリップを一体型とするものであっても、分離型とするものであっても適用することができることは、いうまでも無い。
10………ディスクブレーキ装置、20………キャリパ、22………キャリパ本体、24………アーム部、26………爪部、28………ブリッジ部、30………サポート、32………トルク受け部、32a………ロータ回入側トルク受け部、32b………ロータ回出側トルク受け部、34………トルク受け部、34a………ロータ回入側トルク受け部、34b………ロータ回出側トルク受け部、36………ブリッジ部、38………ブリッジ部、40………ロータパス部、44………耳部、46………外周側被挟持面、48………先端面、48a………面取り部、50………内周側被挟持面、52………トルク受け面、56………ブレーキパッド、56a………インナ側ブレーキパッド、56b………アウタ側ブレーキパッド、58………プレート本体、58a………トルク受け部、60………パッドクリップ、62………挟持部、62a………外周側挟持片、62b………連結片、62c………内周側挟持片、62d………舌片、64………パッド保持部、64a………パッド当接片、64b………パッド保持片、100………ロータ。

Claims (6)

  1. ブレーキパッドにおけるパッド中心方向へ突出した耳部と、前記耳部のロータ半径方向内周側に設けられた凹状のトルク受け面とを有するトルク受け部を備えたサポートと、前記耳部をロータの半径方向内周側および外周側から挟持する一対の挟持片と前記挟持片における内周側挟持片に接続されてロータ半径方向内周側に延設されかつ、組み付け状態においてロータ半径方向外周側端部が前記トルク受け面と接触し、内周側端部が前記トルク受け面から離間しているパッド当接片を備えたパッドクリップと、を有するディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造であって、
    前記耳部における外周側被挟持面と前記パッドクリップにおける外周側挟持片との接触点を少なくとも2点以上、ロータ円周方向に沿った方向に、互いに離間している状態となるように設け、前記接触点のうちの1点は、前記外周側挟持片における前記耳部の基端側に位置する端部が接触し、
    少なくとも前記外周側被挟持面は、前記パッド中心側端部を基点として、当該端部から離間するに従って、内周側被挟持面へ近づく方向へ向けた傾斜角度を有することを特徴とするディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造。
  2. 前記接触点のうちの他の点は、前記外周側挟持片における板面の一部を切り出した突起部の先端であることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造。
  3. 前記外周側挟持片における前記突起部の先端と前記外周側被挟持面との接触点は、前記パッド当接片の外周側端部を通るロータ半径方向軸線を基点として、前記外周側被挟持面における前記パッド中心側端部側に設けられることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造。
  4. 前記突起部の先端と前記外周側被挟持面との接触点は、前記外周側被挟持面における前記パッド中心側端部近傍であることを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造。
  5. 前記外周側挟持片は、前記パッド中心側端部を基点として、当該端部から離間するに従って前記内周側挟持片へ近づく方向へ向けた傾斜角度を有し、
    前記外周側被挟持面の傾斜角度よりも前記外周側挟持片の傾斜角度を大きくしたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載したディスクブレーキ装置のパッドクリップ組付け構造を採用したことを特徴とするディスクブレーキ装置。
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