JP6038945B2 - ビタミンd化合物に関する遊離試薬 - Google Patents

ビタミンd化合物に関する遊離試薬 Download PDF

Info

Publication number
JP6038945B2
JP6038945B2 JP2014541633A JP2014541633A JP6038945B2 JP 6038945 B2 JP6038945 B2 JP 6038945B2 JP 2014541633 A JP2014541633 A JP 2014541633A JP 2014541633 A JP2014541633 A JP 2014541633A JP 6038945 B2 JP6038945 B2 JP 6038945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vitamin
hco
bicarbonate
compounds
reagent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014541633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014533826A (ja
Inventor
アントニ,サッシャ
フォグル,クリスティアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2014533826A publication Critical patent/JP2014533826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6038945B2 publication Critical patent/JP6038945B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/82Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving vitamins or their receptors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C401/00Irradiation products of cholesterol or its derivatives; Vitamin D derivatives, 9,10-seco cyclopenta[a]phenanthrene or analogues obtained by chemical preparation without irradiation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/20Oxygen containing
    • Y10T436/203332Hydroxyl containing

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

本発明は、ビタミンD結合タンパク質に結合したビタミンD化合物を遊離させるための試薬組成物、ビタミンD化合物がこの試薬組成物の使用によりビタミンD結合タンパク質から遊離するビタミンD化合物の検出のためのインビトロの方法、およびこの方法で得られる試薬混合物に関する。それは、ビタミンD化合物を遊離させるための開示された試薬組成物の使用、ならびに一般的な検出試薬に加えてビタミンD化合物を遊離させるための試薬組成物を含有するビタミンD化合物を検出するためのキットにも関する。
ビタミンDの適切な供給は、“ビタミン”という用語が既に示唆しているように、極めて重要である。ビタミンDの欠乏は、くる病または骨粗鬆症のような深刻な疾患につながる。ビタミンDは前世紀の初期にはまだ単一の物質と考えられていたが、ビタミンD系はこの数十年の間に複雑かつ多様なビタミンD代謝産物のネットワークへと変化してきた。今日では40種類より多くの異なるビタミンD代謝産物が知られている(Zerwekh, J.E., Ann. Clin. Biochem. 41 (2004) 272-281)。
ヒトはDビタミンまたはカルシフェロールを太陽光からの紫外線の皮膚への作用によってのみ生成することができる。血中でビタミンDはいわゆるビタミンD結合タンパク質に結合し、肝臓へと輸送され、そこでそれは25−ヒドロキシル化により25−ヒドロキシビタミンDに変換される。今日では既に言及した2つの器官である皮膚および肝臓に加えて多数の他の組織がビタミンD代謝に関わっていることが知られている(Schmidt-Gayk, H. et al. (編者), “Calcium regulating hormones, vitamin D metabolites and cyclic AMP”, Springer Verlag, Heidelberg (1990) pp. 24-47)。25−ヒドロキシビタミンDならびにより具体的には25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDは、それらの量に関して人体におけるビタミンDの中心的な貯蔵形態である。必要な時にこれらの前駆体が腎臓において変換されて、生物学的に活性な1α,25−ジヒドロキシビタミンD(いわゆるDホルモン)を形成することができる。その生物学的に活性なビタミンDはとりわけ腸からのカルシウムの取り込み、骨鉱化を制御し、そしてそれは例えばインスリン系のような多数の他の代謝経路に影響を及ぼす。
ビタミンD(ビタミンDおよびビタミンD)の濃度は食物の取り込みまたは太陽光への曝露に依存して大きく変動するため、ビタミンDのレベル自体を測定することは患者のビタミンDの状態を決定する際にほとんど有益でない。加えて、ビタミンDは循環中で比較的短い生物学的半減期(24時間)を有し、従ってそれはこの理由でも患者のビタミンDの状態を決定するための適切なパラメーターではない。同じことはビタミンDの生理的に活性な形態(1,25−ジヒドロキシビタミンD)にも当てはまる。これらの生物学的に活性な形態も、25−ヒドロキシビタミンDと比較して比較的小さく、かつ高度に変動する濃度で存在する。これら全ての理由のため、特に25−ヒドロキシビタミンDの定量化は患者の総ビタミンD状態を包括的に分析するための適切な手段である。
25−ヒドロキシビタミンDのようなビタミンD代謝産物は高い親和性でビタミンD結合タンパク質と結合しており、限られた程度(extend)までアルブミンおよび一部のリポタンパク質にも結合している。ビタミンD代謝産物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるのに適した方法は、通常の状況下では、あらゆる他のタンパク質からもビタミンD代謝産物を遊離させるのにも十二分に適しているであろう。
25−ヒドロキシビタミンDまたは他のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質への結合は、ビタミンD化合物の決定を極めて複雑にする。全ての既知の方法は、分析されるべきビタミンD化合物をそれがビタミンD結合タンパク質と共に形成する複合体から遊離させる、または引き離すことを必要とする。以下では単純化のためにこれをビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離と呼ぶが、当然それはビタミンD化合物およびビタミンD結合タンパク質の複合体から遊離することだけが可能なのであって、ビタミンD結合タンパク質単体から遊離するわけではない。
そのビタミンD結合タンパク質は酸性pHでは折り畳みがほどけるが、そのpHが移行して中性の状態に戻った場合、再度正しく折り畳まれて分析物と再結合する高い傾向を有する。従って、しばしばまず第一にビタミンD化合物を遊離させ、次いでそのビタミンD結合タンパク質を分析されるべきビタミンD化合物から分離する必要がある。
25−ヒドロキシビタミンDの高い臨床的重要性のため、25−ヒドロキシビタミンDを多かれ少なかれ信頼できるように決定することを可能にする多数の方法が文献から既知である。
例えばHaddad, J.G. et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 33 (1971) 992-995、およびEisman, J.A. et al., Anal. Biochem. 80 (1977) 298-305は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた血液試料中の25−ヒドロキシビタミンDの決定を記述している。
25−ヒドロキシビタミンDの決定に関する他のアプローチは、とりわけ乳汁中に存在するビタミンD結合タンパク質のようなビタミンD結合タンパク質の使用に基づいている。従って、Holick, M.F.およびRay, R.(米国特許第5,981,779号)ならびにDeLucaら(欧州特許第0 583 945号)はヒドロキシビタミンDおよびジヒドロキシビタミンDに関するこれらの物質のビタミンD結合タンパク質への結合に基づくビタミンDアッセイを記述しており、ここでこれらの物質の濃度は競合試験手順により決定される。しかし、この方法の必要条件は、決定されるべきビタミンD代謝産物をまず元の血液または血清試料から単離しなければならず、例えばクロマトグラフィーにより精製しなければならないことである。
Armbruster, F.P.ら(国際公開第99/67211号)は、血清または血漿試料はビタミンDの決定に関してエタノール沈殿により調製されるべきであると教示している。この方法では、タンパク質沈殿を遠心分離により除去し、エタノール性の上清が可溶性のビタミンD代謝産物を含有する。これらを競合結合アッセイで測定することができる。
あるいは、欧州特許第0 753 743号は、そのタンパク質を過ヨウ素酸塩を用いて血液または血清試料から分離することができることを教示している。この場合、ビタミンD化合物を過ヨウ素酸塩で処理された試料からのタンパク質を含まない上清において決定する。いくつかの商業的な試験において(例えばDiaSorinからの放射免疫アッセイにおいて、または企業“Immundiagnostik”からのビタミンD試験において)、血清または血漿試料の抽出に関してアセトニトリルが推奨されている。
近年、原理的にビタミンD化合物を試料中に存在するあらゆる結合タンパク質から遊離させるのに適しているはずであるいくつかの異なる遊離試薬が提案された。しかし、この遊離または解離は比較的穏やかな条件下で実施され、そうして遊離試薬で処理された試料の結合試験における直接の使用を可能にするべきである(例えば、国際公開第02/57797号および米国特許出願公開第2004/0132104号を参照)。近年の多大な努力にも関わらず、ビタミンDを検出するための全ての利用可能な方法は、面倒な試料の調製、不十分な標準化、試験手順間の不十分な一致、または急激に上昇した(spiked)ビタミンDの悪い回収率のような欠点を有する(これに関して特にZerwekh, J.E.(上記)を参照)。
米国特許第7,087,395号において、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるために金属水酸化物(hydroxids)ならびにシクロデキストリンおよびその誘導体、ならびに金属サリチル酸塩が用いられており、それは結果としてビタミンD結合タンパク質または他の血清タンパク質の不可逆的な変性をもたらす。ビタミンD化合物が変性後に試料中の脂質およびタンパク質に非特異的に付着するのを防ぐために、Triton X100またはTween−20のような界面活性剤が用いられてきた。
ビタミンD化合物に関する試験を自動化することは特に困難である。自動化は非常に困難な問題を解決すること、すなわち綱渡りを生き延びることを必要とする:一方では適切な遊離試薬の助けを借りてビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させることが必要であり、他方ではその条件はその試料を直接さらに分析することができるように選択されなければならない。この直接的なさらなる分析の必要条件は、一方ではその内因性ビタミンD結合タンパク質はこの分析の間にビタミンD化合物に結合せず、またはもはや有意な程度まで結合せず、従ってこの分析を妨げず、かつ他方では用いられる遊離試薬は検出試薬、例えば抗体またはビタミンD結合タンパク質の結合を妨げないことである。加えて、生化学的に異なる挙動をするビタミンD結合タンパク質の異なるアレルがヒト集団中に存在することが知られている。ビタミンD化合物の遊離および測定は、様々なアレル/表現型に関して比較可能であるべきである。
従って、本発明の目的は、先行技術の問題を少なくとも部分的に克服することができる、ビタミンD化合物、特にヒドロキシビタミンD化合物の試料中のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物を開発することであった。ビタミンD化合物を遊離させるための適切な試薬組成物、ビタミンD化合物を決定するためのインビトロの方法、その試薬組成物の使用、およびこの試薬組成物を用いたビタミンD化合物の決定のためのキットを以下で記述し、それは添付された特許請求の範囲に包含される。
米国特許第5,981,779号 欧州特許第0 583 945号 国際公開第99/67211号 欧州特許第0 753 743号 国際公開第02/57797号 米国特許出願公開第2004/0132104号 米国特許第7,087,395号
Schmidt-Gayk, H. et al. (編者), "Calcium regulating hormones, vitamin D metabolites and cyclic AMP", Springer Verlag, Heidelberg(1990) pp. 24-47 Zerwekh, J.E., Ann. Clin. Biochem. 41 (2004) 272-281 Haddad, J.G. et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 33 (1971) 992-995 Eisman, J.A. et al., Anal. Biochem. 80 (1977) 298-305
本発明は、以下の工程を含む、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるためのインビトロの方法に関する:a)調べるべき試料を提供し、そしてb)工程(a)からの試料をi)1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである;ii)還元剤;ならびにiii)アルカリ化剤と混合し、それによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる。
さらなる態様において、本発明は、以下の工程を含む、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法に関する:a)調べるべき試料を提供し、b)工程(a)からの試料をi)1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである;ii)還元剤;ならびにiii)アルカリ化剤と混合し、それによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させ、そしてc)工程(b)において遊離したビタミンD化合物を測定する。
さらなる態様において、本発明は、1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含む、ビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物に関し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである。
さらなる態様において、本発明は、調べるべき試料、1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含むビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物、ならびにアルカリ化剤を含む試薬混合物に関し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである。
さらなる態様において、本発明はビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のためのキットに関し、それは1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含む試薬組成物を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである。
本発明は、以下の工程を含む、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるためのインビトロの方法に関する:a)調べるべき試料を提供し、b)工程(a)からの試料をi)1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである;ii)還元剤;ならびにiii)アルカリ化剤と混合し、それによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる。
本明細書で用いられる際、以下の用語のそれぞれはこの節においてそれと関連付けられた意味を有する。
冠詞“a”および“an”は、本明細書において、その冠詞の文法上の目的語の1個を、または1個より多くを(すなわち少なくとも1個を)指して用いられる。
表現“1以上”は、1〜50、好ましくは1〜20、やはり好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、または15を意味する。
別途記載されない場合、用語“ビタミンD化合物”には以下の構造式IおよびIIに従うビタミンD2の骨格またはビタミンD3の骨格を含有する全ての天然存在化合物が含まれることは理解されるべきである。
Figure 0006038945
Figure 0006038945
構造式IおよびIIにおいて、ビタミンDの位置はステロイド命名法に従って記載される。25−ヒドロキシビタミンDは、構造式IおよびIIの25位においてヒドロキシル化されたビタミンD代謝産物、すなわち25−ヒドロキシビタミンDならびに25−ヒドロキシビタミンDを意味する。追加の既知のヒドロキシビタミンD化合物は、例えば1,25−ジヒドロキシビタミンDおよび24,25−ジヒドロキシビタミンD形態である。
1,25−ジヒドロキシビタミンDは、構造式IおよびIIの1位において、ならびに25位においてヒドロキシル化を有するビタミンDの活性な形態(いわゆるDホルモン)を指す。
他の周知のビタミンD化合物は24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよびC3−エピ25−ヒドロキシビタミンDである。
驚くべきことに、本発明者らは、本発明において開示されるインビトロの方法におけるアルカリ条件下での1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の存在は、ビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離をもたらすことを発見している。
本発明に従う“炭酸水素イオン”(重炭酸イオン)は、経験式HCOおよび61.01ダルトンの分子量を有する陰イオンである。
本発明に従う“炭酸水素塩”は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)および炭酸水素マグネシウム(Mg(HCO)からなる群から選択される化合物である。
本発明の態様に従う“加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質”は、炭酸エステルである。
“本発明に従う“炭酸エステル”は、2個のアルコキシ基に隣接されるカルボニル基である。これらのカーボネートの一般的な構造は、RO(C=O)ORである。利用可能な環状炭酸エステル(例えば炭酸エチレン)または非環状炭酸エステル(例えば炭酸ジメチル)ならびにそれらのヒドロキシル化またはハロゲン化誘導体が存在する。
好ましくは、その方法の工程i)に従う1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、それぞれ0.1M〜1.5Mの、または0.2M〜1.0Mの、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4Mの、または最大で2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの総濃度を有する。
好ましい態様において、その炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素マグネシウムからなる群から選択される。さらなる好ましい態様において、その炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素アンモニウムからなる群から選択される。さらに好ましくは、その炭酸水素塩は炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される。
好ましい態様において、加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、それぞれ環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体である。さらなる好ましい態様において、加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、それぞれ環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのハロゲン化誘導体である。さらなる好ましい態様において、その環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、エリスリトールビスカーボネート、グリセロール1,2−カーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、2,5−ジオキサヘキサン二酸ジメチルエステル、1,2ブチレンカーボネート、シス2,3ブチレンカーボネートおよびトランス2,3ブチレンカーボネートからなる群から選択される。さらに好ましくは、その環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、エリスリトールビスカーボネート、グリセロール1,2−カーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群から選択される。
さらに好ましくは、その環状または非環状炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、グリセロール1,2−カーボネート、炭酸プロピレンおよび炭酸ビニレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、その環状または非環状炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、グリセロール1,2−カーボネートおよび炭酸プロピレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、その環状または非環状炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチルおよびグリセロール1,2−カーボネートからなる群から選択される。
当業者には、1種類以上の炭酸水素塩(単数または複数)および1種類以上の加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質(単数または複数)は、それぞれ本発明において開示される作用を達成するために任意に混合することができることは既知である。
1態様において、本発明の方法に従う工程(i)の1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための適切な条件下で、水溶液中で少なくとも2Mまで可溶性である。さらなる態様において、本発明の方法に従う工程(i)の1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための適切な条件下で、水溶液中で少なくとも1.5Mまで可溶性であり、より好ましくは少なくとも1.0Mまで可溶性である。当業者には、本発明に従う方法の工程(i)の試薬を達成するためにどのようにして1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を水中で可溶化するかは既知である。その炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、水中で25℃において可溶性であるべきである。その水溶液中で可溶化された炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、4℃の温度においてドロップアウト(drop out)または結晶化(chrystallization)することなく保管可能であるべきである。
その炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質のアルカリ化剤に対するモル比は、好ましくは1:3〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5:1である。
当業者は、アルカリ化剤の炭酸水素塩および/または加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質に対するモル比は反応性イオンOHまたはHCO の対応する濃度に基づいて計算されることも知っている。
当業者には、1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の混合物を本発明に従う方法において用いることができることは既知である。前記の炭酸水素塩および/または加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の混合物のアルカリ化剤に対するモル比は、好ましくは1:3〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5:1である。
この理論に束縛されることを望むわけではないが、試薬組成物中の1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の存在はpH変化を誘導するであろう。試薬組成物中の前記の炭酸水素塩および/または前記の加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質のより低い濃度は、前処理反応の間にその試薬混合物のより遅いpHの低下を引き起こす。試薬組成物中の前記の炭酸水素塩および/または前記の加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質のより高い濃度は、前処理反応の間にその試薬混合物のより速いpHの低下を引き起こす。1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤のアルカリ性緩衝液条件における協奏的作用のため、ビタミンD結合タンパク質の不可逆的変性が達成され、それにより後のビタミンD化合物の検出が容易になることも考えられるであろう。
1態様において、その方法に従う工程ii)の還元剤は、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオスレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択される。
さらなる態様において、その方法に従う工程ii)の還元剤は、工程ii)の還元剤がチオール基を含有することを特徴とする。
さらなる態様において、その方法に従う工程ii)の還元剤は、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオスレイトール(DTT)からなる群から選択される。
1態様において、その方法に従う工程ii)の還元剤は、2mMから30mMまで、さらなる態様において3mMから20mMまで、さらなる態様において3.5mMから15mMまで、さらなる態様において4mMから10mMまでの濃度を有する。
“アルカリ化剤”は、アルカリ水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物(すなわち水溶液中)であることができる。アルカリ化剤は、アルカリ水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物の混合物、すなわちNaOHおよびKOH、NaOHおよびLiOH、NaOHおよびCa(OH)、KOHおよびCa(OH)、KOHおよびLiOH、ならびに他の組み合わせを含むこともできる。
“アルカリ水酸化物”は、アルカリ金属陽イオンおよび水酸化物陰イオン(OH−)からなる化学化合物のクラスである。アルカリ水酸化物は、例えばNaOH、KOH、LiOH、RbOHおよびCsOHである。“アルカリ金属”は、周期表の第1族(IUPAC方式)を形成する化学元素の系列である:リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、およびフランシウム(Fr)。
“アルカリ土類金属水酸化物”は、アルカリ土類金属陽イオンおよび2個の水酸化物陰イオン(OH−)からなる化学化合物のクラスである。“アルカリ土類金属”は、周期表の第2族(IUPAC方式)(第IIA族)を構成する:ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびラジウム(Ra)。
1態様において、本発明の方法に従う工程iii)のアルカリ化剤は、NaOH、KOH、Ca(OH)、およびLiOHからなる群から選択される。
さらなる態様において、その方法に従う工程iii)のアルカリ化剤は、それぞれ0.1M〜2.0Mの、または0.1M〜1.5Mの、または0.2M〜1.75Mの、または0.2M〜1.0Mの、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4Mの、または最大で2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度を有する。
さらなる態様において、その方法に従う工程iii)のアルカリ化剤は、NaOHおよびKOHからなる群から選択される。
さらなる態様において、本発明に従う方法において用いられるアルカリ化剤は、試料+試薬i)+還元剤ii)+アルカリ化剤iii)の混合物中で、それぞれ0.1M〜0.6Mの、または0.2M〜0.5Mの、または少なくとも0.1Mもしくは0.2Mの、または最大で0.6Mもしくは0.5Mの終濃度を有する。
その方法のさらなる態様において、工程i)、ii)およびiii)それぞれの3種類の試薬の調べるべき試料に対する混合比は、好ましくは1:3〜3:1である。
1態様において、その方法に従う工程a)の試料、1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する工程i)の試薬+工程ii)の還元剤+工程iii)のアルカリ化剤は、あらゆるピペット操作の順序で添加され得る。混合の際、本発明の方法に従う工程b)は、さらなる態様において、それが少なくとも10、12、15、または20秒間9.5〜14のpH値を有することを特徴としてよく、さらに好ましくは、工程b)は混合の際に少なくとも10、12、15、または20秒間10.5〜14のpH値を有する。
その方法の1態様において、工程a)の調べるべき試料を、工程b)において1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する工程i)の試薬、工程ii)の還元剤、工程iii)のアルカリ化剤と混合し、保温する。その保温工程b)は、必要なだけの長さであることができる。その保温時間は、例えば15秒間から24時間までである。1態様において、本発明の方法に従う工程b)の混合物は1〜60分間保温され、それによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる。
当業者は、その方法に従う工程b)の構成要素の濃度を、調べるべき試料との保温の間の明記されたpH範囲ならびに1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、還元剤ならびにアルカリ化剤それぞれの所望の濃度がビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるために適切であるように、容易に選択する。
アルカリ性条件は結果として、調べるべき試料中に存在するビタミンD結合タンパク質の変性およびビタミンDの遊離をもたらす。そのアルカリ化剤の濃度は、その“試薬混合物”(=調べるべき試料+本発明に従う試薬組成物+アルカリ化剤)のpHを前処理反応において少なくともpH10.0まで、好ましくは少なくともpH10.5まで、より好ましくは少なくとも11.0まで上昇させるのに十分でなければならない。当業者は、その試薬混合物のpHを調べるべき試料+本発明に従う試薬組成物+アルカリ化剤の混合の時点において測定しなければならないことに気付いている。炭酸水素塩および/または加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の加水分解により、そのpHはその試薬混合物中で低下するであろう(図1および実施例1.5を参照)。
用語“試料”は、本明細書で用いられる際、インビトロでの評価の目的で個体から得られた生物学的試料を指す。本発明の方法において、調べるべき試料は1態様において液体試料である。その試料は、本発明のさらなる態様において、あらゆる体液を含んでいてよい。さらなる態様において、調べるべき試料は血液、血清または血漿であり、血清または血漿が最も好ましい。さらなる態様において、その液体試料を濾紙または膜上で乾燥させる。1態様において、本発明において用いられる試料は、個体から得られた試料の分割量(aliquot)を指す。
本発明は、さらなる態様において、(a)ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させ、そして(b)工程(a)で遊離したビタミンD化合物を測定する工程を含む、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法を含む。
さらなる態様において、本発明は、(a)対象の試料中のビタミンD結合タンパク質に結合したビタミンD化合物を遊離させ、そして(b)工程(a)で遊離したビタミンD化合物を測定する工程を含む、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法を含む。
さらなる態様において、本発明は、以下の工程を含む、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法に関する:a)調べるべき試料を提供し、b)工程(a)からの試料をi)1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである;ii)還元剤;ならびにiii)アルカリ化剤と混合し、それによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させ、そしてc)工程(b)において遊離したビタミンD化合物を測定する。
さらなる態様において、本発明はビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法を含み、ここでその測定されるビタミンD化合物は25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよびC3−エピ25−ヒドロキシビタミンDを含む群から選択される。
さらなる態様において、本発明はビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法を含み、ここでその測定されるビタミンD化合物は25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよび24,25−ジヒドロキシビタミンDを含む群から選択される。
さらなる態様において、本発明はビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法を含み、ここでビタミンD化合物25−ヒドロキシビタミンDおよび/または25−ヒドロキシビタミンDが決定される。
試薬組成:
1態様において、本発明は、調べるべき試料中のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物に関し、それは濃縮状態の(in a concentration)1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである。
さらなる態様において、本発明は、調べるべき試料中のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物に関し、それは1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜1.5Mである。
さらなる態様において、本発明は、調べるべき試料中のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物に関し、それは1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.2M〜1.0Mである。
さらなる態様において、本発明は、調べるべき試料中のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物に関し、それは1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は少なくとも0.1、0.2、0.3または0.4Mである。
さらなる態様において、本発明は、調べるべき試料中のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物に関し、それは1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は最大で2.0、1.7、1.5、1.3、1.0または0.75Mである。
さらなる好ましい態様において、その試薬組成物中の炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素マグネシウムからなる群から選択される。さらに好ましくは、その試薬組成物中の炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素アンモニウムからなる群から選択される。さらに好ましくは、その試薬組成物中の炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸水素カリウムである。
さらなる好ましい態様において、その試薬組成物中の加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、それぞれ環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体である。
さらなる好ましい態様において、その試薬組成物中の加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質は、それぞれ環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのハロゲン化誘導体である。さらなる好ましい態様において、その試薬組成物中の環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、エリスリトールビスカーボネート、グリセロール1,2−カーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、2,5−ジオキサヘキサン二酸ジメチルエステル、1,2ブチレンカーボネート、シス2,3ブチレンカーボネートおよびトランス2,3ブチレンカーボネートからなる群から選択される。さらに好ましくは、その試薬組成物中の環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、エリスリトールビスカーボネート、グリセロール1,2−カーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群から選択される。さらに好ましくは、その試薬組成物中の環状または非環状炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、グリセロール1,2−カーボネート、炭酸プロピレン、炭酸ビニレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、その試薬組成物中の環状または非環状炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、グリセロール1,2−カーボネートおよび炭酸プロピレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、その試薬組成物中の環状または非環状炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチルおよびグリセロール1,2−カーボネートからなる群から選択される。
本発明は、さらなる態様において、その還元剤が2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオスレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択されることを特徴とする試薬組成物に関する。
さらなる態様において、本発明は、その還元剤がチオール基を含有することを特徴とする試薬組成物に関する。
さらなる態様において、本発明は、その還元剤が2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオスレイトール(DTT)からなる群から選択されることを特徴とする試薬組成物に関する。
本発明の特定の態様における還元剤の濃度は2mMから30mMまで、さらなる態様において3mMから20mMまで、さらなる態様において3.5mMから15mMまで、さらなる態様において4mMから10mMまでである。
当業者には、還元剤の能力が官能基、すなわち還元性の基の存在に依存していることは既知である。従って、当業者には、還元剤の適切な濃度をその活性な還元性の基の数を考慮して選択することは既知である。
ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子はヒト集団において異なるアレルの形態で存在する。これらのアレルによりコードされるポリペプチドは生化学的に異なる、すなわちそれらは異なる表現型をもたらすことが知られている。これらの生化学的な違いはビタミンD化合物の結合および放出にも影響を及ぼす。本発明に従う試薬組成物は、そのビタミンD結合タンパク質の表現型に依存せずに、ビタミンD化合物を遊離させるのに適している。従って、本発明の好ましい態様は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための、本発明に従う試薬組成物の使用である。
本発明に従う試薬組成物は、1態様において、ビタミンD結合タンパク質の表現型とは無関係に、およびそれに依存せずに、調べるべき試料中でビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるために用いられる。
ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる目的のため、本発明に従う試薬組成物を調べるべき試料、例えば血清または血漿、およびアルカリ化剤と混合する。
試薬混合物:
用語“試薬混合物”は、本明細書において下記で用いられる際、調べるべき試料、本発明に従う試薬組成物、およびアルカリ化剤を含む。
さらなる態様において、その試薬混合物は、そのアルカリ化剤がNaOH、KOH、Ca(OH)、およびLiOHからなる群から選択されることを特徴とする。
さらなる態様において、その試薬混合物は、用いられるアルカリ化剤がそれぞれ0.1M〜2.0Mの、または0.1M〜1.5Mの、または0.2M〜1.75Mの、または0.2M〜1.0Mの、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4Mの、または最大で2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度を有することを特徴とする。
さらなる態様において、その試薬混合物は、そのアルカリ化剤がNaOHおよびKOHからなる群から選択されることを特徴とする。
さらなる態様において、本発明に従う方法において用いられるアルカリ化剤は、試薬混合物中でそれぞれ0.1M〜0.6Mの、または0.2M〜0.5Mの、または少なくとも0.1Mもしくは0.2Mの、または最大で0.6Mもしくは0.5Mの終濃度を有する。
試薬組成物およびアルカリ化剤の試料に対する混合比は、1態様において好ましくは1:3〜3:1である。
調べるべき試料、開示された試薬組成物およびアルカリ化剤は、あらゆるピペット操作の順序で添加されて試薬混合物を形成し得る。混合の際、その試薬混合物は、さらなる態様において、それが少なくとも10、12、15、または20秒間9.5〜14のpH値を有することを特徴とし、さらに好ましくは、その試薬混合物は混合の際に少なくとも10、12、15、または20秒間10.5〜14のpH値を有する。
調べるべき試料を本発明に従う試薬組成物およびアルカリ化剤と混合し、保温する。この工程は前処理工程と呼ばれてもよい。その前処理工程は必要である限り実施することができる。その保温時間は、例えば15秒間〜24時間である。その試薬混合物を1態様において1〜60分間保温してビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる。その試薬混合物を別の態様において4〜10分間保温してビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる。
当業者は、その試薬混合物およびその中の構成要素の濃度を、調べるべき試料との保温の間の明記されたpH範囲ならびに1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、還元剤ならびにアルカリ化剤それぞれの所望の濃度がビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるために適切であるように、容易に選択する。
その試薬混合物は、1態様において、本発明の試薬組成物に関して記述されたような1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の好ましい物質および/または濃度も含む。
ビタミンD化合物の検出は、好ましくは25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよびC3−エピ25−ヒドロキシビタミンDを含む群から選択される少なくとも1種類のビタミンD化合物が検出されるように実施される。
ビタミンD化合物の特異的な検出において、さらなる保温工程が前処理工程の後に行われる。その試薬混合物中に存在する還元剤の残りは、非特異的なタンパク質、好ましくは例えばヒト血清アルブミン(HSA)の添加により遮断する(blocked)ことができる。この非特異的なタンパク質は別々に添加することができ、または単純に検出試薬も含む溶液中に含ませることができる。その還元剤の残留する還元能力を遮断することにより、ビタミンD化合物に対するタンパク質性の特異的な結合剤を用いたビタミンD化合物の弱められない(noncompromised)検出が可能である。
当業者は理解するであろうように、特異的な結合剤を含む溶液はその特異的な結合剤を含有する溶液の試薬混合物への添加後にそのpHがビタミンD化合物のその特異的な結合剤への結合に関する必要条件であることを確実にするpH緩衝系を含有するであろう。その特異的な結合剤のビタミンD化合物への結合が起こる限り、緩衝系は必ずしも必要とされず、最終的なpHも決定的に重要ではない。ビタミンD結合タンパク質が特異的結合剤として用いられる場合、この保温工程の間のpHは好ましくはpH6.0〜pH9.0で選択される。抗体がビタミンD化合物に関する特異的結合剤として用いられる場合、この保温工程の間のpHは好ましくはpH5.5〜pH7.5であろう。
その特異的な結合剤を含む溶液は、好ましくは20mM〜400mMである緩衝系を含有する。その緩衝剤が50mM〜350mMまたは100mM〜300mMのモル濃度を有することも好ましい。
そのビタミンD化合物の検出のためのインビトロの方法は(本発明の開示に基づいて)様々な方法で実施することができる。
原則として、全てのタンパク質性結合パートナー、例えば1種類以上のビタミンD化合物に結合する特異的に結合するポリペプチドを、特異的な結合剤として用いることができる。特異的な結合剤は、抗体またはビタミンD結合タンパク質自体のどちらであることもできる。
多くの商業的な試験系が、アビジンまたはストレプトアビジン(SA)でコートされた固相、例えばSAでコートされたマイクロタイタープレートまたはSAでコートされたラテックスの使用に基づいている。
例えばビオチン化された分析物誘導体を、このSA固相に試験手順の前または間に結合させる。ビタミンD化合物を検出する場合、このビオチン化された分析物誘導体化合物は、例えばビオチン化された25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはビオチン化された25−ヒドロキシビタミンDであることができる。
本発明の1態様において、そのインビトロの検出の方法は競合アッセイとして実施される。そのような競合試験において、その試験に定められた量で添加されたビタミンD化合物の誘導体が、その特異的な結合剤の結合部位に関してその試料からの対応するビタミンD化合物と競合する。より多くのビタミンD化合物がその試料中に存在するほど、その検出シグナルはより小さい。
1態様において、そのビタミンD化合物の誘導体は、ビオチン化されたビタミンD化合物である。さらなる態様において、そのビオチン化されたビタミンD化合物は、ビオチン化された25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはビオチン化された25−ヒドロキシビタミンDである。さらなる態様において、そのビオチン化されたビタミンD化合物はビオチン化された25−ヒドロキシビタミンDである。
上記で言及したように、本記述において開示されたような検出法における使用のための好ましい特異的結合剤は、抗体およびビタミンD結合タンパク質である。ビタミンD結合タンパク質は、競合アッセイ形式で用いられる場合、その1種類以上の(ビオチン化された)ビタミンD化合物誘導体への結合と競合する全てのビタミンD化合物の統合された測定をもたらすであろう。1態様において、そのビタミンD結合タンパク質は検出可能であるように標識される、例えばルテニウム化される(ruthenylated)であろう。
使用:
1態様において、本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための、アルカリ化剤と一緒での試薬組成物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、調べるべき試料中に存在することが予想されるビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための、アルカリ化剤と一緒での試薬組成物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物を検出する方法においてビタミンD化合物を遊離させるための、アルカリ化剤と一緒での試薬組成物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物を検出する方法において調べるべき試料中に存在することが予想されるビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための、1M〜1.5Mのアルカリ化剤の溶液と一緒での、1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬組成物、2mM〜30mMの還元剤の使用に関し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである。
その試薬組成物の使用は、1態様において、本発明の試薬組成物に関して記述されたように、1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の好ましい物質および/または濃縮物も含む。
キット:
1態様において、本発明はビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のためのキットに関し、それは1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含む試薬組成物を含有し、ここでその炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである。
1態様において、本発明は、ビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの検出のためのキットであって、それが1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、還元剤を有する試薬組成物、ならびにアルカリ化剤を含み、その炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mであることを特徴とする前記キットに関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの検出のためのキットであって、それが1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、2mM〜30mMの還元剤を有する試薬組成物、ならびにアルカリ化剤を含み、その炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mであることを特徴とする前記キットに関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの検出のためのキットであって、それが検出構成要素に加えて1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、2mM〜30mMの還元剤を有する試薬組成物、1M〜1.5Mのアルカリ化剤の溶液を含み、その炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mであることを特徴とする前記キットに関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物の検出のためのキットであって、それが特異的な結合剤を含む溶液に加えて1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、還元剤を有する試薬組成物、アルカリ化剤の溶液を含むことを特徴とする前記キットに関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物の検出のためのキットであって、それが1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、2mM〜30mMの還元剤を有する試薬組成物、1M〜1.5Mのアルカリ化剤の溶液、ならびに特異的な結合剤を含む溶液を含み、その炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mであることを特徴とする前記キットに関する。
さらなる態様において、本発明は、ビタミンD化合物の検出のためのキットであって、それが1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質、2mM〜30mMの2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、およびジチオスレイトール(DTT)からなる群から選択される還元剤を有する試薬組成物、1M〜1.5MのNaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤の溶液、ならびに特異的な結合剤を含む溶液を含み、その炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )およびその炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mであることを特徴とする前記キットに関する。
そのキットは、1態様において、本発明の試薬組成物に関して記述されたような1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質の好ましい物質および/または濃度も含む。
本発明に従う試薬組成物は、ビタミンD化合物に関する自動化された試験における使用に適していることが証明されている。本発明は、好ましくは、特にビタミンD化合物の決定のための試験においてビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための本発明に従う試薬組成物の使用に関する。
ビタミンD化合物に関する試験は、好ましくは完全に自動化されている。この場合の完全に自動化されていることは、実験者は調べるべき試料およびビタミンD化合物を測定するための全ての構成要素を含有する試薬パックを自動化された分析装置上に配置しさえすればよく、全てのその先の工程はその分析装置により自動的に実施されることを意味する。その完全に自動化された試験は特に好ましくはRoche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)分析装置上で実施される。
本発明に従う試薬組成物は、さらなる態様において、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよびC3−エピ25−ヒドロキシビタミンDを含む群から選択されるビタミンD化合物の検出のためのインビトロの方法において用いられる。
既に上記で言及されたように、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDは診断のためのビタミンDの特に適切な形態である。本発明に従うインビトロの方法において、25−ヒドロキシビタミンDまたは25−ヒドロキシビタミンDに対する特異的な抗体による25−ヒドロキシビタミンDもしくは25−ヒドロキシビタミンDまたは両方の特異的な検出も好ましい態様である。
本発明は、以下の実施例および図によりさらに明らかになる。実際の保護範囲は、この発明に添付された特許請求の範囲の結果もたらされる。
前処理工程の間の試薬混合物のpH変化。そのアッセイは実施例1.5において概説されるように実施された。試薬組成物(A)は、様々な濃度の炭酸エチレン(EC)を含有する:0.00M(●)、0.10M(◆)、0.30M(□)、0.50M(▲)、0.75M(○)、1.00M(■)、1.50M(◇)EC。X軸は分での時間を示し、Y軸はpHを示す。 様々な濃度の炭酸エチレン(EC):1.50M(●)、1.00M(□)、0.75M(◆)、0.50M(○)、0.30M(▲)および0.10M(◇)ECを含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例1.5において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。 様々な濃度の還元剤ジチオスレイトール(DTT):1.0mM(□)、2.0mM(●)、4.0mM(◆)、6.7mM(○)、10.0mM/12.0mM(▲)、15.0mM(◇)を含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例1.5において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。 方法の比較:ビタミンDアッセイ(実施例1)および液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−TMS) 25−ヒドロキシビタミンDをLC−TMSにより、ならびに実施例1.5のビタミンDアッセイにより決定し、ここで0.5M炭酸エチレン(EC)を含む試薬組成物(A)を保温に関して用いた。多数の血清試料に関するng/mlでの結果をLC−TMSに関してX軸上に、実施例1.5のビタミンDアッセイに関してY軸上にプロットした。 (−−−) y=x (―――) 線形回帰 ビタミンDアッセイ=2.0116+0.9036x、ピアソンr=0.9509 方法の比較:ビタミンDアッセイ(実施例1)およびLC−TMS 25−ヒドロキシビタミンDをLC−TMSにより、ならびに実施例1.5のビタミンDアッセイにより決定し、ここで炭酸エチレン(EC)を含まない試薬組成物(A)を保温に関して用いた。多数の血清試料に関するng/mlでの結果をLC−TMSに関してX軸上に、実施例1.5のビタミンDアッセイに関してY軸上にプロットした。 (−−−) y=x (―――) 線形回帰 ビタミンDアッセイ=0.7496+0.7338x、ピアソンr=0.7914 0.5M炭酸エチレン(◆)、0.5M NaCO(○)、0.5M NaHPO(▲)、0.5M NaCl(◇)、および対照(□)を含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例2において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。 以下: ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC、または ▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、または □:10mM NaOH、4mM EDTAを含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例3において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。 以下: ○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)、または ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M炭酸ジメチルを含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例4において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。 以下: ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)、または ○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCO、または ▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCO+0.5Mエチレングリコール、または □:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTTを含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例5において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。 以下: ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)または ○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5Mグリセロール1,2カーボネートを含有する試薬組成物(A)を用いた、実施例4において記述されるようなビタミンDアッセイの較正曲線。X軸はng/mlでの濃度を示し、Y軸は企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて通常の方法で決定されたカウントを示す。
実施例1
25−ヒドロキシビタミンDの検出のためのアッセイ
商業的なアッセイを製造業者の説明書に従って用いる。25−ヒドロキシビタミンDの決定を、HPLC(企業“Immundiagnostik”(ベンスハイム)からの25(OH)ビタミンDに関する試験、注文番号KC 3400)により、またはLC−MS/MS(Vogeser, M. et al., Clin. Chem. 50 (2004) 1415-1417)により、文献において記述されている通りに実施する。
成分の調製および新しい試験に関する一般的な試験手順を以下で記述する:
1.1 ヒドロキシビタミンD−3−2’−シアノエチルエーテルの合成
20.6mg(50μmol)の25−ヒドロキシビタミンD(Fluka No.17937)を、内部温度計を有する25mlの三つ口丸底フラスコ中で、10mlの乾燥アセトニトリル中で、アルゴン雰囲気下で溶解させる。1.5mlのtert.−ブタノール/アセトニトリル(9:1)をその溶液に添加し、氷浴中で6℃まで冷却する。続いて820μlのアクリロニトリル溶液(1.0mlのアセトニトリル中の86μlのアクリロニトリル)を添加し、6℃で15分間攪拌する。次いで205μlの水素化カリウム溶液(0.5mlのtert.−ブタノール/アセトニトリル(9:1)中の25mgのKH)を添加する。短時間の凝集(flocculation)が起こり、その後透明な溶液が得られる。その反応溶液を6℃でさらに45分間、続いて4℃で60分間攪拌する。
続いて、その反応溶液を10mlのメチル−tert.−ブチルエーテルで希釈し、各回10mlのHOで2回洗浄する。有機相を約1gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、G3ガラスフリットを通して濾過し、ロータリーエバポレーター上で蒸発させた。それを高真空中で乾燥させると、約55mgの質量を有する粘着性の透明な残留物が形成される。
1.2 ヒドロキシビタミンD−3−3−アミノプロピルエーテルの合成
上記で得られた全ニトリルを15mlのジエチルエーテル中で溶解させ、7.5mlのジエチルエーテル中の7.5mgの水素化リチウムの懸濁液と攪拌しながら混合する。その反応混合物を室温で1時間攪拌する。その後、6.6mlのジエチルエーテル中の38.4の水素化アルミニウムリチウムの懸濁液を添加する。これは結果としてその混合物の強い濁りをもたらす。その反応混合物を室温でさらに1時間攪拌し、次いでその反応混合物を氷浴中で0〜5℃に冷却し、35mlの水を注意深く添加する。そのpHを、6.6mlの10M水酸化カリウム溶液の添加により強塩基性にする。
それを各回65mlのメチル−tert.−ブチルエーテルで3回抽出する。有機相を合わせて約5gの無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、室温でロータリーエバポレーター上で乾燥させる。その残留物を、オイルポンプを用いて質量が変わらなくなるまで乾燥させる。その粗生成物を5mlのDMSOおよび3.0mlのアセトニトリル中で溶解させ、分取HPLCにより精製する。
溶離液A=Millipore−HO+0.1%トリフルオロ酢酸;
溶離液B=95%アセトニトリル+5%Millipore−HO+0.1%TFA;
勾配:100分間で50%Bから100%Bまで
流速:30ml/分
温度:室温
カラム直径:φ=5.0cm;L=25cm
カラム材料:Vydac C18/300Å/15〜20μm
検出波長:226nm
その生成物含有量が分析的HPLC(Vydac C18/300Å/5μm;4.6×2.5mm)に従って85%より大きい画分を丸底フラスコ中にプールし、凍結乾燥する。13.7mg(収率:58%)が無色の凍結乾燥物として得られる。
1.3 ヒドロキシビタミンD−3−3’−N−(ヘミスベリル)アミノプロピル−エーテル−ビオチン−(ベータ−Ala)−Glu−Glu−Lys(イプシロン)コンジュゲート(hydroxyvitamin D2-3-3’-N-(hemisuberyl)aminopropyl-ether-biotin-(beta-Ala)-Glu-Glu-Lys(epsilon) conjugate)(=Ag−Bi)の合成
13.7mg(25μmol)のヒドロキシビタミンD−3−3’−アミノプロピルエーテルを3.5mlのDMSO中で溶解させ、28.7mg(30μmol)のビオチン−(ベータ−Ala)−Glu−Glu−Lys(イプシロン)−ヘミ−スベレート−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(biotin-(beta-Ala)-Glu-Glu-Lys(epison)-hemi-suberate-N-hydroxysuccinimide ester)(Roche Applied Science、No.11866656)および12.5μlのトリエチルアミンを添加し、それを室温で一夜攪拌する。その反応溶液を4.5mlのDMSOで希釈し、0.45μmのマイクロフィルターを通して濾過し、続いて分取HPLC(条件は実施例2.3bを参照))により精製する。分析的HPLCに従って85%より多くの生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥する。9.8(収率:30%)の精製されたビオチンコンジュゲートが得られる。
1.4 ビタミンD結合タンパク質のルテニウム化およびゲル濾過クロマトグラフィーによる精製
そのビタミンD結合タンパク質を100mMリン酸カリウム/150mM塩化ナトリウム緩衝液(pH8.5)に移し、タンパク質濃度を5〜10mg/mlに調節する。ルテニウム化試薬(ルテニウム(II)トリス(ビピリジル)−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)をDMSO中で溶解させ、抗体溶液に3:1のモル比で添加する。45分間の反応時間の後、反応をl−リシンの添加により停止し、ルテニウム化されたビタミンD結合タンパク質(DBP−Ru)をSuperdex 200カラム上でのゲル濾過により精製する。
1.5 そのアッセイにおける試験手順
調べるべき試料を、企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定する。
試薬混合物を、調べるべき試料を試薬組成物(A)およびアルカリ化剤(B)と混合することにより形成する。
この実施例において、その試薬混合物は15μlの試料を15μlの試薬組成物(A)および10μlのアルカリ化剤(B)と混合して形成される。その試薬混合物を9分間保温する。次の工程において、70μlの検出試薬(溶液C)をその試薬混合物に添加し、さらに9分間保温する。最後の工程において、ビオチン化された壁抗原(wall antigen)(溶液D)(60μl)ならびに30μlのストレプトアビジン(SA)でコートされた磁化可能なポリスチレン粒子(30μl)(懸濁液E)を添加する。さらに9分間の保温の後、結合したルテニウム化されたビタミンD結合タンパク質の量を通常の方法で決定する(図1、2、3、4a、4b参照)
試薬組成物(A)は以下:
10mM NaOH
4mM EDTA
6.7mM ジチオスレイトール(DTT)
0.5M 炭酸エチレン(EC)
pH5.5
を含有する。
アルカリ化剤(B)は以下:
1.375M NaOH
を含有する。
ルテニウム化されたビタミンD結合タンパク質(DBP−Ru)を含む溶液Cは以下:
0.2M ビス−トリス−プロパン(pH 7.5)
2.5% ヒト血清アルブミン(HSA)
50mM NaCl
1% マンニット(mannit)
0.1%オキシピリオン(oxypyrion)
0.12μg/mL DBP−Ru
を含有する。
ビオチン化された壁抗原を含む溶液Dは以下:
0.2M ビス−トリス−プロパン(pH8.6)
0.5% tween−20溶液
0.1% オキシピリオン
30ng/ml ビオチン
0.0108μg/mL Ag−Bi(実施例1.1から)
を含有する。
SAでコートされたラテックス粒子を含む懸濁液Eは以下:
0.72mg/ml 470ng/mlの結合能力を有するSAでコートされた磁化可能なポリスチレン粒子
を含有する。
実施例2
炭酸エステルの金属塩、リン酸緩衝液およびカーボネートに対する比較
調べるべき試料を、企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定する。全アッセイ手順は実施例1.5において示されている。
実施例1.5と異なるのは、試薬組成物(A)がそれぞれ0.5M炭酸エチレン(EC)、0.5M NaCO、0.5M NaClまたは0.5M NaHPOのいずれかを含有することである。
試薬組成物(A):
10mM NaOH
4mM EDTA
6.7mM DTT
0.5MのEC、NaCO、NaClまたはNaHPOのいずれか
対照として、10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTTを含有する試薬組成物(A)が用いられてきた。その結果を図5において示す。アルカリ前処理(試薬混合物)中に存在する炭酸エステル(0.5M EC(◆))は、競合アッセイにおけるシグナル増強作用を引き起こす。特に、そのシグナル力学はECなしの試験(□)と比較して向上する。塩(0.5MNaCl、(◇))は作用を示さない。0.5M NaCO(○)または0.5M NaHPO(▲)の添加はそのシグナルに小さい作用を示す。
実施例3
炭酸エステルを含む/含まないアルカリ前処理
調べるべき試料を、企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定する。アッセイ手順は実施例1.5において示されている。
実施例1.5と異なるのは、以下のいずれかを含有する3種類の異なる試薬組成物を調製したことである:
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)または
▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTTまたは
□:10mM NaOH、4mM EDTA。
試料+それぞれ◆(実施例1.5において記述された通りの試薬組成物(A)+アルカリ化剤(B))、▲、または□のいずれか(=試薬混合物)の4分間の前処理保温の後、溶液Cの添加の前に、その試薬混合物のpHをビス−トリス−プロパン(pH6.3)の添加によりpH9に設定した(図6)。アルカリ前処理(試薬混合物)中に存在する炭酸エステルECは、競合アッセイにおいてシグナル増強作用を引き起こす。特に、そのシグナル力学はECなしの試験と比較して向上する。
実施例4
炭酸エチレン対炭酸ジメチル
調べるべき試料を、企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定する。アッセイ手順は実施例1.5において示されている。
実施例1.5と異なるのは、以下のいずれかを含有する2種類の異なる試薬組成物(A)を調製したことである:
○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)または
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M炭酸ジメチル。
炭酸エステル、炭酸エチレンまたは炭酸ジメチルそれぞれは両方とも同じアッセイ性能を示す(図7)。
実施例5
炭酸エチレンの加水分解産物の作用
調べるべき試料を、企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定する。アッセイ手順は実施例1.5において示されている。
実施例1.5と異なるのは、以下のいずれかを含有する5種類の異なる試薬組成物(A)を調製したことである:
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)または
○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCOまたは
▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCO+0.5Mエチレングリコール
□:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT。
ECのアルカリ加水分解産物はエチレングリコールであり、それはそのアッセイに対して影響を有しない(▲)。炭酸水素塩(NaHCO)もシグナル増強作用を示すが、炭酸エステルほどではない(図8)。
実施例6
炭酸エチレン対グリセロール1,2カーボネート
調べるべき試料を、企業Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定する。アッセイ手順は実施例1.5において示されている。
実施例1.5と異なるのは、以下のいずれかを含有する2種類の異なる試薬組成物(A)を調製したことである:
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5参照)または
○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5Mグリセロール1,2カーボネート。
炭酸エステル、炭酸エチレンまたはグリセロール1,2カーボネートそれぞれは両方とも同じアッセイ性能を示す(図9)。

Claims (14)

  1. ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるためのインビトロの方法であって、以下の工程:
    a)調べるべき試料を提供し、そして
    b)工程(a)からの試料を、以下:
    i)1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質を含有する試薬、ここで該炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )および該炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度は0.1M〜2.0Mである
    ii)還元剤、ならびに
    iii)アルカリ化剤
    と混合し、それによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させる;
    を含む、前記方法。
  2. 工程(i)に従う試薬がビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための適切な条件下で水溶液中で可溶性である、請求項1に記載の方法。
  3. 加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO3−)を遊離させることができる物質がそれぞれ環状もしくは非環状炭酸エステルまたはそのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体である、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 試料が液体試料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 試料が血液、血清または血漿である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. ビタミンD化合物を測定するためのインビトロの方法であって、以下の工程:
    a)請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法に従ってビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させ、そして
    b)工程(a)で遊離したビタミンD化合物を測定する;
    を含む、前記方法。
  7. ビタミンD化合物が25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよびC3−エピ25−ヒドロキシビタミンDからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. ビタミンD化合物25−ヒドロキシビタミンDおよび/または25−ヒドロキシビタミンDが決定される、請求項7に記載の方法。
  9. 1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含み、該炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )および該炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mである、ビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質からの遊離のための試薬組成物の使用。
  10. 還元剤が2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオスレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の試薬組成物の使用。
  11. 還元剤が2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオスレイトール(DTT)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の試薬組成物の使用。
  12. 還元剤が2mMから30mMまでの濃度を有することを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の試薬組成物の使用。
  13. 調べるべき試料、
    1種類の炭酸水素塩および加水分解の際に炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質ならびに還元剤を含み、該炭酸水素塩からの炭酸水素イオン(HCO )および該炭酸水素イオン(HCO )を遊離させることができる物質から遊離する炭酸水素イオン(HCO )の総濃度が0.1M〜2.0Mである試薬組成物、ならびに
    NaOH、KOH、Ca(OH)、およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤
    を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法において用いるための試薬混合物であって、該試料が血液、血清または血漿であり、そして該アルカリ化剤が0.1M〜2.0Mの濃度を有する、前記試薬混合物。
  14. ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から遊離させるための請求項9〜12のいずれかに記載の試薬組成物の使用であって、NaOH、KOH、Ca(OH)、およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤を伴い、ここで該アルカリ化剤が0.1M〜2.0Mの濃度を有する、前記使用。
JP2014541633A 2011-11-18 2012-11-14 ビタミンd化合物に関する遊離試薬 Active JP6038945B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP11189736.9 2011-11-18
EP11189736 2011-11-18
PCT/EP2012/072569 WO2013072342A1 (en) 2011-11-18 2012-11-14 Release reagent for vitamin d compounds

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014533826A JP2014533826A (ja) 2014-12-15
JP6038945B2 true JP6038945B2 (ja) 2016-12-07

Family

ID=47178027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014541633A Active JP6038945B2 (ja) 2011-11-18 2012-11-14 ビタミンd化合物に関する遊離試薬

Country Status (13)

Country Link
US (6) US20140248707A1 (ja)
EP (2) EP2780720A1 (ja)
JP (1) JP6038945B2 (ja)
KR (1) KR102108582B1 (ja)
CN (1) CN103946710B (ja)
AU (1) AU2012338908B2 (ja)
BR (1) BR112014009500B1 (ja)
CA (1) CA2852275C (ja)
ES (1) ES2933993T3 (ja)
HK (1) HK1195359A1 (ja)
MX (1) MX2014005642A (ja)
SG (1) SG11201402196YA (ja)
WO (1) WO2013072342A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3230739B1 (en) 2014-12-08 2019-01-23 F.Hoffmann-La Roche Ag Method for measurement of vitamin d
WO2016194914A1 (ja) 2015-06-01 2016-12-08 再生ファーマ株式会社 乳酵素処理物、その製造方法、組成物および製品
CN105352958B (zh) * 2015-11-28 2019-02-26 美康生物科技股份有限公司 总25-羟基维生素d检测试剂盒
US10852310B2 (en) 2015-12-11 2020-12-01 Opko Diagnostics, Llc Fluidic systems involving incubation of samples and/or reagents
CN108918848B (zh) * 2018-05-22 2021-09-10 德康润生物科技(北京)有限公司 维生素d释放剂及其制备方法与应用
CN109975559B (zh) * 2019-04-29 2023-07-11 厦门稀土材料研究所 一种时间分辨荧光定量检测25羟基维生素d的试剂盒及方法
CN111721944A (zh) * 2020-06-18 2020-09-29 深圳市宇诺生物技术有限公司 25-羟基维生素d检测试剂盒、制备方法及检测方法

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5710085B2 (ja) 1973-05-04 1982-02-24
US4816567A (en) 1983-04-08 1989-03-28 Genentech, Inc. Recombinant immunoglobin preparations
EP0376042B1 (en) 1988-12-27 1996-03-13 GRUPPO LEPETIT S.p.A. Improved chemical process for preparing antibiotic L 17392 (deglucoteicoplanin) and its salts
JPH06109727A (ja) 1992-08-14 1994-04-22 Wisconsin Alumni Res Found 1,25−ジヒドロキシビタミンdの検定法
ATE251133T1 (de) 1993-07-09 2003-10-15 Theramex Neue strukturelle vitamin d derivate
US5714586A (en) 1995-06-07 1998-02-03 American Cyanamid Company Methods for the preparation of monomeric calicheamicin derivative/carrier conjugates
US5821020A (en) 1995-07-14 1998-10-13 Nhh Biologics Vitamin D assay
EP0873126A4 (en) 1995-12-29 2000-04-19 A And D Assay Inc BRANDED VITAMIN COMPOUNDS AND THEIR USE
ATE256658T1 (de) 1998-06-25 2004-01-15 Immundiagnostik Ges Fuer Produ Funktionelle vitamin-d-derivate und verfahren zur bestimmung von 25-hydroxy- und 1alpha,25- dihydroxy-vitamin-d
JP2002107350A (ja) 2000-10-03 2002-04-10 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd 5−ヒドロキシクレアチニンの測定法
GB0029729D0 (en) 2000-12-06 2001-01-17 Ids Ltd Method for detection of vitamin D metabolites
US7087395B1 (en) 2001-01-16 2006-08-08 Quest Diagnostics Investments Incorporated Vitamin D assay
WO2003023394A2 (en) 2001-09-12 2003-03-20 Phares Pharmaceutical Research N.V. Kit for screening compounds with low water solubility
DE10144905C2 (de) 2001-09-12 2003-07-31 Immundiagnostik Ag Bestimmung von Vitamin-D direkt in Serum oder Plasma
AU2003240329B2 (en) 2002-06-10 2009-01-08 Scimed Technologies Inc. Solvent extraction of Vitamin A and Vitamin D from fluid samples and determination of the vitamin content by means of specific monoclonal antibodies
US20040054160A1 (en) 2002-09-16 2004-03-18 Santona Pal Nucleic-acid ink compositions for arraying onto a solid support
US20040132104A1 (en) 2003-01-07 2004-07-08 Sackrison James L. Vitamin D assay
DK1931999T3 (da) 2005-09-29 2012-01-30 Hoffmann La Roche Frisætningsreagens til D vitamin-forbindelser
PE20070855A1 (es) * 2005-12-02 2007-10-14 Bayer Pharmaceuticals Corp Derivados de 4-amino-pirrolotriazina sustituida como inhibidores de quinasas
EP2030026B1 (en) * 2006-06-06 2009-12-16 Roche Diagnostics GmbH Improved measurement of vitamin d
DK2126586T3 (da) * 2007-02-01 2010-10-11 Immundiagnostik Ag Direkte bestemmelse af vitamin D i serum eller plasma
JP5177630B2 (ja) 2007-09-28 2013-04-03 独立行政法人産業技術総合研究所 Hcv患者における瀉血治療の効果の検査方法
WO2010117089A2 (en) * 2009-04-09 2010-10-14 Pola Pharma Inc. Antimycotic pharmaceutical composition
AU2011254567B2 (en) * 2010-05-20 2014-04-10 F. Hoffmann-La Roche Ag Release reagent for vitamin D compounds

Also Published As

Publication number Publication date
KR20140096286A (ko) 2014-08-05
SG11201402196YA (en) 2014-10-30
MX2014005642A (es) 2014-07-11
US20200072854A1 (en) 2020-03-05
BR112014009500A2 (pt) 2017-04-18
AU2012338908B2 (en) 2018-03-22
CA2852275A1 (en) 2013-05-23
US20160025750A1 (en) 2016-01-28
US20160245829A1 (en) 2016-08-25
EP3467510B1 (en) 2022-10-26
KR102108582B1 (ko) 2020-05-08
JP2014533826A (ja) 2014-12-15
BR112014009500B1 (pt) 2022-04-19
CA2852275C (en) 2021-06-29
EP2780720A1 (en) 2014-09-24
CN103946710A (zh) 2014-07-23
US11187709B2 (en) 2021-11-30
ES2933993T3 (es) 2023-02-15
HK1195359A1 (zh) 2014-11-07
US20220043012A1 (en) 2022-02-10
US20170363649A1 (en) 2017-12-21
AU2012338908A1 (en) 2014-04-10
WO2013072342A1 (en) 2013-05-23
CN103946710B (zh) 2015-08-26
US20140248707A1 (en) 2014-09-04
EP3467510A1 (en) 2019-04-10
US12013405B2 (en) 2024-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5711811B2 (ja) ビタミンd化合物の解離試薬
JP6038945B2 (ja) ビタミンd化合物に関する遊離試薬
ES2374942T3 (es) Reactivo de liberación para compuestos de vitamina d.
JP6429857B2 (ja) ビタミンd代謝物を測定するための方法および試薬

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6038945

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250