JP6038698B2 - セラミックス部材及び半導体製造装置用部材 - Google Patents

セラミックス部材及び半導体製造装置用部材 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックス部材及び半導体製造装置用部材に関する。
従来、半導体製造装置用部材としては、酸化アルミニウムを絶縁性誘導体層とし、タングステンや炭化タングステンを主成分とした電極とし、絶縁性誘電体層の吸着面側の表面粗さRaを0.25μm以下とすると共に、平面度を20μm以下とする静電チャックが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この静電チャックでは、静電吸着力飽和時間と残留吸着力消滅時間とからなる応答性が短く、効率がよいとしている。また、半導体製造装置用部材としては、酸化マグネシウムからなる基体と、Ni,Co及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属で形成された電極と、を備えた静電チャックが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この静電チャックでは、マイクロクラックやそりの発生を抑制すると共に誘電体層への電極材料の拡散を防止することができる。
特開平7−297265号公報 特開2011−86919号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電極材料を、酸化マグネシウム、あるいは酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックス基体を用いたセラミックス部材に利用すると、例えば熱膨張率の違いによりクラックが発生したり、電極材料がセラミックス基体に拡散するなど、不具合が発生することがあった。また、特許文献2に記載された電極材料は磁性元素を含んでおり、例えば、静電チャックとして利用する際の特性を、更に向上することが望まれていた。このように、酸化マグネシウム、あるいは酸化ジルコニウムを主成分とする基体に用いる電極を、より適切なものとすることが求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、酸化マグネシウム、あるいは酸化ジルコニウムを含むものにおいて、特性をより向上した電極を備えたセラミックス部材及び半導体製造装置用部材を提供することを主目的とする。
上述した主目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、ルテニウムとアルミニウムとを含む合金の電極を用いるものとすると、例えば、クラックの発生を抑制したり、比抵抗値をより低減したり、電極材料の基体への拡散をより抑制するなど、より好適であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のセラミックス部材は、
酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムに所定成分が固溶した酸化マグネシウム固溶体及び酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含むセラミックス基体と、
前記セラミックス基体の一部に配置されルテニウムアルミニウム合金を電極成分として含む電極と、
を備えたものである。
本発明の半導体製造装置用部材は、上述のセラミックス部材を備えたものである。
本発明のセラミックス部材及び半導体製造装置用部材は、特性をより向上した電極を備えたものとすることができる。例えば、クラックの発生を抑制したり、比抵抗値をより低減したり、電極材料の基体への拡散をより抑制するなど、より好適である。この理由は、以下のように推察される。例えば、酸化マグネシウムや酸化ジルコニウムは、耐食性が高い一方、融点が比較的高く(例えば1600℃以上)、且つ熱膨張率が比較的高い(例えば10〜13ppm/K)。これに対して、ルテニウムアルミニウム合金は、合金化した場合でもRuにより比較的高い融点を示し、Alにより比較的高い熱膨張率を示し、且つセラミックス基体との反応性が低い。更に、Ru/Al比を調節することにより、酸化マグネシウムや酸化ジルコニウムに近い範囲で熱膨張率を調整することができる。このため、クラックの発生を抑制したり、比抵抗値をより低減したり、電極材料の基体への拡散をより抑制することができるものと推察される。
半導体製造装置用部材20の一例の構成の概略を示す構成図。 半導体製造装置用部材20の作製工程の一例を示す説明図。 実験例1のXRD解析チャート。 実験例1のXRD解析チャートのMg(Al)O(N)ピーク拡大図。 実験例1、5のEPMA元素マッピング像。 実験例2、5のバルク材耐湿性、耐水性試験の微構造写真。 実験例8、9のバルク材耐湿性、耐水性試験の微構造写真。
次に、本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である半導体製造装置用部材20の構成の概略を示す構成図の一例である。この半導体製造装置用部材20は、基材部22と、基材部22上に形成されたセラミックス部材30とを備えている。半導体製造装置用部材20の基材部22には、貫通孔24が設けられ、この貫通孔24に棒状の給電部材26が挿入されている。なお、基材部22には、セラミックス部材30を加熱するヒーター電極が埋設されているものとしてもよい。本発明のセラミックス部材30は、酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムに所定成分が固溶した酸化マグネシウム固溶体及び酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含むセラミックス基体32と、セラミックス基体32の一部に配置されルテニウムアルミニウム合金を電極成分として含む電極34と、を備えている。セラミックス部材30は、平板状の部材であり、その内部に電極34が埋設されている構造を有する。この電極34には、セラミックス部材30の下側から挿入された給電部材26が接続されており、この給電部材26から電力が供給される。本発明のセラミックス部材について以下、説明する。
本発明のセラミックス部材に用いるセラミックス基体は、酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムに所定成分が固溶した酸化マグネシウム固溶体及び酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含むものである。酸化マグネシウム固溶体としては、酸化マグネシウムに、Al、N、Ga、Zr及びLiなどのうち1以上の成分が固溶しているものが挙げられる。このうち、例えば、セラミックス基体であって、酸化マグネシウムにAl、N成分が固溶したMg(Al)O(N)の結晶相を主相とするものが好ましい。このMg(Al)O(N)は、耐食性が酸化マグネシウムと同等であり、耐湿性や耐水性は酸化マグネシウムよりも優れている。このため、このMg(Al)O(N)の結晶相を主相とするセラミックス基体も、耐食性、耐湿性、耐水性に優れている。なお、本発明のセラミックス基体は、酸化マグネシウムに窒化アルミニウム、アルミナを加えることにより、Al、N成分の固溶量を著しく増加することができる。このため、このMg(Al)O(N)には、Nの固溶量に対してAlが多く含まれているものとしてもよい。また、本発明のセラミックス基体は、酸化ジルコニウムを含むものや、酸化ジルコニウムに安定化剤を含むものとしてもよい。例えば、酸化ジルコニウムとしては、酸化イットリウム、あるいは酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム等の安定化剤を含む部分安定化ジルコニア、完全安定化ジルコニアとしてもよく、酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムとの複合材料としてもよい。
このMg(Al)O(N)は、CuKα線を用いたときの(100)面、又は(200)面、又は(220)面のXRDピークが酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である2θ=36.9〜39°、42.9〜44.8°、62.3〜65.2°に現れるものとしてもよい。これらのXRDピークはいずれも上記範囲に現れるが、他の結晶相のピークとの判別を行いにくい場合があることから、いずれかのXRDピークのみ上記範囲に現れるものとしてもよい。Al、N成分の固溶量が多いほど、耐湿、耐水性が向上する。固溶量の増加に伴って、酸化マグネシウムのXRDピークは高角側にシフトする。したがって、Mg(Al)O(N)の(200)面、(220)面のXRDピークがそれぞれ2θ=42.92°以上、62.33°以上に現れるものが、耐湿性をより高めることができ、好ましい。また、Mg(Al)O(N)の(200)面、(220)面のXRDピークがそれぞれ2θ=42.95°以上、62.35°以上に現れるものが、耐湿性及び耐水性を更に高めることができ、好ましい。また、Mg(Al)O(N)の(200)面、(220)面のXRDピークがそれぞれ2θ=43.04°以上、62.50°以上であると、耐湿性、耐水性をより高めることができ、より好ましい。また、Mg(Al)O(N)の(200)面、(220)面のXRDピークがそれぞれ2θ=43.17°以上、62.72°以上であると、耐湿性はもとより、耐水性をより高めることができ、更に好ましい。また、Mg(Al)O(N)の積分幅が小さいほど耐水性が向上することを見出した。すなわち、Mg(Al)O(N)の(200)面のXRDピークの積分幅は、0.50°以下であることが耐水性を向上する上で好ましく、0.35°以下であることがより好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる酸化マグネシウム固溶体には、副相としてAlN結晶相を含むと耐食性が低下する傾向があるため、AlN結晶相は少ないことが好ましく、含まないことがより好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる酸化マグネシウム固溶体は、CuKα線を用いたときのXRDピークが少なくとも2θ=47〜49°に現れるMg−Al酸窒化物相を副相として含んでいてもよい。このMg−Al酸窒化物も耐食性が高いため、副相として含まれていても問題ない。このMg−Al酸窒化物相は、含有量が多いほど機械特性を向上することができ、中でも強度、破壊靱性の向上に有効に作用する。但し、本発明のMg(Al)O(N)と比較すると耐食性が低いため、耐食性の点から含有量には限度がある。Mg−Al酸窒化物相の2θ=47〜49°のXRDピーク強度をA、Mg(Al)O(N)の(220)面の2θ=62.3〜65.2°のXRDピーク強度をBとしたとき、A/Bが0.03以上であることが好ましい。こうすれば、機械特性をより高めることができる。このA/Bは、耐食性の観点からは、A/B=0.14以下であることが好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる酸化マグネシウム固溶体は、混合粉末中のMg/Alのモル比が0.5以上であることが好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いるセラミックス基体において、開気孔率は5%以下であることが好ましい。ここでは、開気孔率は、純水を媒体としたアルキメデス法により測定した値とする。開気孔率が5%を超えると、強度が低下するおそれや材料自身が脱粒によって発塵し易くなるおそれがあり、更に材料加工時等で気孔内に発塵成分がたまり易くなるため好ましくない。また、開気孔率は、できるだけゼロに近いほど好ましい。このため、特に下限値は存在しない。
本発明のセラミックス部材に用いる酸化マグネシウム固溶体において、熱膨張率は、9ppm/K以上14ppm/K以下の範囲であることが好ましく、10ppm/K以上13ppm/K以下の範囲であることがより好ましい。酸化マグネシウム固溶体の熱膨張率は、含まれるMg、O、Al及びNの配合比率に依存する。例えば、酸化マグネシウム固溶体において、Mgがより多い場合には、耐食性はより高まるが熱膨張率はより大きい傾向を示し、Mgがより少ない場合には、耐食性は若干低下するが熱膨張率はより小さい傾向を示す。所望の特性が得られるMg、O、Al及びN成分の配合としたときに、熱膨張率が9ppm/K以上14ppm/K以下の範囲となることが好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる酸化マグネシウム固溶体は、例えば、原料組成において酸化マグネシウムと窒化アルミニウムとアルミナとの混合粉末を、成形後焼成することにより製造したものとしてもよい。この酸化マグネシウム固溶体は、耐食性の観点からは、例えば、原料の混合粉末組成において酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウム(アルミナ)に換算して、酸化マグネシウムが70質量%以上99質量%以下、窒化アルミニウムが0.5質量%以上25質量%以下、アルミナが0.5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、酸化マグネシウムが70質量%以上90質量%以下、窒化アルミニウムが5質量%以上25質量%以下、アルミナが5質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。また、この酸化マグネシウム固溶体は、機械特性と耐食性とを同時に発現する観点からは、原料の混合粉末組成において酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウム(アルミナ)に換算して、酸化マグネシウムが49質量%以上99質量%以下、窒化アルミニウムが0.5質量%以上25質量%以下、アルミナが0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、酸化マグネシウムが50質量%以上75質量%以下、窒化アルミニウムが5質量%以上20質量%以下、アルミナが15質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、セラミックス基体の一部に配置されており、ルテニウムアルミニウム合金を電極成分として含んでいる。ルテニウムアルミニウム合金は、酸化マグネシウム、あるいは酸化マグネシウム固溶体、酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックス基体との反応性が低く、セラミックス基体と共に焼成する場合(共焼成)、電極成分のセラミックス基体への拡散がより抑制され、好ましい。この電極は、原料においてRuとAlとの全体に対するRuの割合が、20mol%を超え95mol%以下の範囲であることが好ましい。この範囲では、クラックの発生を抑制したり、比抵抗値をより低減したり、電極材料の基体への拡散をより抑制するなど、より好適である。このRuとAlとの全体に対するRuの割合は、30mol%以上であることが好ましく、35mol%以上であることがより好ましく、40mol%以上であることが更に好ましい。また、このRuとAlとの全体に対するRuの割合は、80mol%以下であることが好ましく、70mol%以下であることがより好ましく、55mol%以下であることが更に好ましい。また、電極に含まれる電極成分は、セラミックス基体と同等の熱膨張率を有するものであることが好ましく、9〜14ppm/Kであることが好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、結晶相としてRuAlを含むものとしてもよい。また、電極は、結晶相としてRu、Ru2Al3を含むものとしてもよい。例えば、電極成分としてAlに比してRuを多く含む場合には、Ruの結晶相を含み、電極成分としてRuに比してAlを多く含む場合には、Ru2Al3の結晶相を含むものとなる。比抵抗値、クラックの発生、電極成分の基体への拡散などの観点からは、RuやRu2Al3など、RuAl以外の結晶相は、より少ないものとすることが好ましく、電極に含まれていないことがより好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、電極成分には熱膨張率を調整する添加物としてフィラー成分を含むものとしてもよい。このフィラー成分としては、例えば、Mg、N及びOを含有するものや、Al、N及びOを含有するものなどが挙げられる。即ち、本発明の電極は、ルテニウムアルミニウム合金のほかに、Mg、Zr、Y、Ca、Ce、Al、N及びOを電極成分として含むものとしてもよい。このうち、Mg及びOを含有する添加物は、少量の添加で電極の熱膨張率を上げることができ、より好ましい。この添加物は、電極成分の熱膨張率に比してより大きな熱膨張率を有する物質を用いることが好ましい。こうすれば、フィラー成分によりセラミックス基体の熱膨張率との調整ができる。これは、RuAl合金の熱膨張率は、酸化マグネシウムを含むセラミックス基体に比して低いことが多いためである。また、フィラー成分とセラミックス基体の焼結により、基体と電極との密着強度を高めることができる。この添加物は、特に限定されないが、酸化マグネシウムや酸化マグネシウム固溶体、例えばMg(Al)O(N)などを用いることができる。即ち、この添加物は、セラミックス基体と同じ組成物を用いてもよいし、セラミックス基体と異なる組成物を用いるものとしてもよい。電極の抵抗の上昇をより低減するため、このフィラー成分の添加量は、できるだけ少ない方が望ましく、例えば、Ru及びAlの全体に対して、40体積%以下とすることが望ましく、20体積%以下とすることがより好ましい。このため、フィラー成分の添加量を下げる点では、電極成分に含まれるRuAl合金の熱膨張率は、9ppm/K以上であることがより好ましく、10ppm/K以上であることが更に好ましい。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、セラミックス基体と電極の原料成分との熱膨張率の差分(熱膨張率差)が、絶対値で2.5ppm/K以下であることが好ましく、0.8ppm/K以下であることが更に好ましい。この熱膨張率差が、0.8ppm/K以下では、電極近傍で生じうるクラックの発生をより抑制しやすい。この熱膨張率差は、0.6ppm/K以下であることがより好ましく、0.4ppm/K以下であることが更に好ましい。ここで、「電極の原料成分」の熱膨張率とは、例えば、電極の原料成分がRuAl合金のみである場合は、このRuAl合金の熱膨張率とし、電極中に更に他の電極成分やフィラー成分を含む場合には、電子顕微鏡の画像を用いて算出した体積割合に応じてRuAl合金の熱膨張率と他の電極成分、およびフィラー成分の熱膨張率とを平均した値とする。具体的には、電極の原料成分において、電極成分として熱膨張率が10.5ppm/KであるRuAlが50体積%、フィラー成分として熱膨張率が13.0ppm/KであるMgOが50体積%含まれている場合では、平均熱膨張率は、10.5×0.5+13.0×0.5=11.8ppm/Kと計算することができる。複数の電極成分、およびフィラー成分を含有した電極では、この平均熱膨張率を用いて熱膨張率を求めるものとする。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、比抵抗がより小さいことが好ましく、比抵抗値が1×10-4Ωcm以下であることが好ましい。こうすることで静電チャックなどの電極として機能することができる。この比抵抗値は、5.5×10-5Ωcm以下であることが好ましく、3.5×10-5Ωcm以下であることがより好ましく、2.5×10-5以下であることが更に好ましい。こうすることでヒーターなどの電極として機能することができる。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、例えばその形状が板状、網状、線状、コイル状等としてもよい。また、電極は、厚さが1μm以上であるものとしてもよいし、10μm以上であるものとしてもよい。また、電極は、厚さが200μm以下であるものとしてもよいし、100μm以下であるものとしてもよい。電極の厚さは、例えば、静電チャックの静電電極やヒーター電極など、用いる電極の用途や製品の仕様に応じて適宜定めることができる。
本発明のセラミックス部材に用いる電極は、ルテニウムアルミニウム合金粉末を原料として焼結されているものとしてもよいし、ルテニウム粉末及びアルミニウム粉末を原料として反応焼結されているものとしてもよい。ルテニウムアルミニウム合金粉末を原料とすれば、電極でのRuとAlとの分布をより均一なものとすることができる。また、ルテニウム粉末及びアルミニウム粉末を原料とすれば、合金粉末を予め作製する工程を省略することができ、工程を簡略化することができる。
次に、本発明のセラミックス部材の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、酸化マグネシウム、及び酸化マグネシウムに所定成分が固溶した酸化マグネシウム固溶体及び酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含む第1焼結体の一部にRu及びAlを含む電極原料を形成し、第1焼結体と同一組成の第2焼結体又は第2成形体(未焼成)を上記形成体上に配置した積層体を作製する形成工程と、この積層体を焼成する焼成工程と、を含むものとしてもよい。ここでは、酸化マグネシウム固溶体を含むセラミックス基体を備えたセラミックス部材の製造方法について主として説明する。
形成工程では、まず、調合処理、第1成形処理、及び第1焼成処理を実行し、第1焼結体を作製する。第1焼結体は、例えば、酸化マグネシウムと窒化アルミニウムと酸化アルミニウム(アルミナ)との混合粉末を調合し、この混合粉末を成形して第1成形体を作製したのち、この第1成形体を焼成することにより作製することができる。調合処理に用いる第1焼結体の原料の混合粉末としては、49質量%以上の酸化マグネシウムと、窒化アルミニウムとアルミナとを含むものが好ましい。この混合粉末は、耐食性の観点からは、混合粉末組成において、酸化マグネシウムが70質量%以上99質量%以下、窒化アルミニウムが0.5質量%以上25質量%以下、アルミナが0.5質量%以上25質量%以下となるように混合したものがより好ましく、酸化マグネシウムが70質量%以上90質量%以下、窒化アルミニウムが5質量%以上25質量%以下、アルミナが5質量%以上25質量%以下となるように混合したものが更に好ましい。また、この混合粉末は、機械特性と耐食性とを同時に発現する観点からは、混合粉末組成において、酸化マグネシウムが49質量%以上99質量%以下、窒化アルミニウムが0.5質量%以上25質量%以下、アルミナが0.5質量%以上30質量%以下となるように混合したものがより好ましく、酸化マグネシウムが50質量%以上75質量%以下、窒化アルミニウムが5質量%以上20質量%以下、アルミナが15質量%以上30質量%以下となるように混合したものが更に好ましい。なお、原料粉末の組成は、酸化マグネシウム固溶体の第2成形体又は第2焼結体についても同様である。第1成形処理では、例えば、所定形状を成形可能な金型を用いて混合粉末を一軸成形処理する。成形圧は、用途や仕様に応じて適宜設定するが、例えば、50kgf/cm2以上200kgf/cm2以下の圧力とすることができる。
次に、この第1成形体を焼成する第1焼成処理を行い、第1焼結体を得る。第1成形体の焼成では、酸化マグネシウム、及び酸化マグネシウム固溶体では、例えば、焼成温度は1650℃以上とすることが好ましく、1700℃以上とすることがより好ましい。焼成温度を1650℃以上とすれば、第1焼結体の強度を確保することができ、目的とするMg(Al)O(N)をより確実に作製することができる。また、焼成温度が1700℃未満では、セラミックス基体において、副相としてAlNが含まれることがあり、高耐食を得るためには1700℃以上で焼成する方が好ましい。なお、焼成温度は、特に限定するものではないが、例えば1850℃以下としてもよい。また、焼成はホットプレス焼成を採用することが好ましく、ホットプレス焼成時のプレス圧力は、50〜300kgf/cm2で設定することが好ましい。焼成時の雰囲気は、酸化物原料の焼成に影響を及ぼさない雰囲気であることが好ましく、例えば、窒素雰囲気やAr雰囲気、He雰囲気などの不活性雰囲気であることが好ましい。成形時の圧力は、特に制限するものではなく、形状を保持することのできる圧力に適宜設定すればよい。
酸化ジルコニウムを含むセラミックス基体では、例えば、焼成温度は1100℃以上とすることが好ましく、1300℃以上とすることがより好ましい。焼成温度を1300℃以上とすれば、第1焼結体の強度を確保することができる。なお、焼成温度は、特に限定するものではないが、例えば1800℃以下としてもよい。焼成時の雰囲気は、酸化物原料の焼成に影響を及ぼさない雰囲気であることが好ましく、例えば、窒素雰囲気やAr雰囲気、He雰囲気などの不活性雰囲気であることが好ましい。成形時の圧力は、特に制限するものではなく、形状を保持することのできる圧力に適宜設定すればよい。
続いて、第1焼結体に電極原料を形成する電極形成処理を行う。電極原料の形成は、例えば、電極成分に対して、必要に応じてフィラー成分を混合した電極原料粉体を、溶媒に混合したスラリー又はペースト(以下単にペーストと称する)に調製し、このペーストを用いて行うことができる。電極原料は、ルテニウムアルミニウム合金粉末としてもよいし、ルテニウム粉末及びアルミニウム粉末としてもよい。ルテニウムアルミニウム合金粉末を原料とすれば、電極でのRuとAlとの分布をより均一なものとすることができる。また、ルテニウム粉末及びアルミニウム粉末を原料とすれば、合金粉末を予め作製する工程を省略することができ、工程を簡略化することができる。この電極原料において、RuとAlとの全体に対するRuの割合が、20mol%を超え95mol%以下の範囲とすることが好ましい。この範囲では、クラックの発生を抑制したり、比抵抗値をより低減したり、電極材料の基体への拡散をより抑制するなど、より好適である。このRuとAlとの全体に対するRuの割合は、30mol%以上であることが好ましく、35mol%以上であることがより好ましく、40mol%以上であることが更に好ましい。また、このRuとAlとの全体に対するRuの割合は、80mol%以下であることが好ましく、70mol%以下であることがより好ましく、55mol%以下であることが更に好ましい。電極原料の粒径としては、ペーストの流動性及び保形性の両立が図れる0.1〜50μmが好ましい。ペーストに用いる溶媒としては、そのあとの工程でセラミックス部材の機能低下を生じないものが好ましく、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの有機溶媒が好ましい。電極ペーストには、例えば、溶媒のほか、バインダを加えるものとしてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラールなどの有機バインダを用いることがより好ましい。電極の形成は、例えば、スクリーン印刷などにより行うことができる。
また、電極に含まれる電極成分は、セラミックス基体と同等の熱膨張率を有するものであることが好ましく、熱膨張率を調整するフィラー成分を加えることが好ましい。フィラー成分としては、例えば、Mg及びOを含有するものが好ましい。Mg及びOを含有する添加物は、少量の添加で電極の熱膨張率を上げることができ、より好ましい。このフィラー成分は、電極成分の熱膨張率に比してより大きな熱膨張率を有する物質を用いることが好ましい。こうすれば、フィラー成分によりセラミックス基体の熱膨張率との調整ができる。これは、RuAl合金の熱膨張率は、酸化マグネシウムを含むセラミックス基体に比して低いことが多いためである。また、フィラー成分とセラミックス基体の焼結により、基体と電極との密着強度を高めることができる。このフィラーは、特に限定されないが、酸化マグネシウムや酸化マグネシウム固溶体、例えばMg(Al)O(N)などを用いることができる。即ち、この添加物は、セラミックス基体と同じ組成物を用いてもよいし、セラミックス基体と異なる組成物を用いるものとしてもよい。このフィラー成分の添加量は、電極の抵抗の上昇をより低減するため、できるだけ少ない方が望ましく、例えば、Ru及びAlの全体に対して、40体積%以下とすることが望ましく、20体積%以下とすることがより好ましい。
続いて、電極原料を埋設するべく、電極原料を形成した第1焼結体上に、第1焼結体と同一組成の第2焼結体又は第2成形体(未焼成)を配置した積層体を作製する(積層処理)。第2焼結体は、上記第1焼結体と同様の工程で作製することができる。また、第2成形体は、上記第1焼結体の原料を用いることができる。第2成形体を用いる場合、積層体は、第1焼結体の電極原料上に第2成形体の原料粉体を載せ、所定の荷重をかけ一軸加圧することにより作製することができる。積層処理の一軸加圧は、第1成形処理と同様の条件とすることができる。
焼成工程では、上記作製した積層体を焼成する。焼成条件は、上述した第1焼成処理の条件と同様の条件とすることができる。例えば、上下とも1700℃以上の温度で作製した酸化マグネシウム、及び酸化マグネシウム固溶体を含むセラミックス基体では、第1及び第2焼結体を用いる場合では、1650℃以上の温度であれば、焼結体同士が接合される。また、酸化ジルコニウムを含むセラミックス基体では、第1及び第2焼結体を用いる場合では、1400℃以上の温度であれば、焼結体同士が接合される。なお、焼成は、ホットプレス焼成を行うことが好ましい。
このような製造工程を経て本発明のセラミックス部材を作製することができる。本発明のセラミックス部材を備えた半導体製造装置用部材としては、例えば、半導体製造装置に用いられる静電チャックやサセプター、ヒーターなどが挙げられる。これらは、ハロゲン元素を含む腐食性ガスのプラズマに対する優れた耐腐食性が必要とされるため、本発明のセラミックス部材を用いるのが好適といえる。
以上説明した実施形態のセラミックス部材によれば、例えば、クラックの発生を抑制したり、比抵抗値をより低減したり、電極材料の基体への拡散をより抑制するなど、特性をより向上した電極を備えたものとすることができる。この理由は、例えば、ルテニウムアルミニウム合金は、合金化した場合でもRuにより比較的高い融点を示し、Alにより比較的高い熱膨張率を示し、且つセラミックス基体との反応性が低いためである。また、ルテニウムアルミニウム合金は、磁性元素を含まないため、例えば、プラズマエッチング時にエッチングが均一にならないなど電圧を印加した際の磁性元素の存在による影響を生じず、好ましい。更に、Ru/Al比を調節することにより、酸化マグネシウムや酸化ジルコニウムに近い範囲で熱膨張率を調整することができる。更に、セラミックス基体として酸化マグネシウムにAl及びNが固溶したMg(Al)O(N)を主相とする固溶体を採用すれば、耐食性については酸化マグネシウムと比べて同等であり、耐湿性、耐水性については酸化マグネシウムよりも優れ、化学的により安定であるものとすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、半導体製造装置用部材20としたが、セラミックス基体32及び電極34を備えたセラミックス部材30としてもよい。こうしても、セラミックス部材30において、より好適な電極を備え、化学的により安定であるものとすることができる。また、上述した実施形態では、電極を1つ備えたものとして説明したが、静電電極とヒーター電極とを備えたものとしてもよい。
上述した実施形態では、セラミックス部材30を半導体製造装置に用いるものとしたが、特にこれに限定されず、半導体製造装置以外の用途、例えば酸素や窒素酸化物等のセンサやセラミックスヒーターなどに用いるものとしてもよい。
上述した実施形態では、製造方法において、電極はセラミックス基体に埋設して形成したが、特にこれに限定されず、例えば、セラミックス基体の外面に形成してもよい。また、上述した実施形態では、第1焼結体の上に電極原料を形成するものとしたが、例えば、未焼成のセラミックス原料を成形した第1成形体の表面に電極原料を形成するものとしてもよく、更に電極を形成した第1成形体(未焼成)の上に第2成形体(未焼成)又は第2焼結体を配置した積層体を作製、焼結し、電極埋設体を作製してもよい。また、電極原料を形成したのちセラミックス基体の内部で電極を焼結するものとしたが、先に成形し焼成した焼結電極を用いてもよい。また、上述した実施形態では、製造方法において、Al,Nが固溶した酸化マグネシウム固溶体をセラミックス基体としたが、これに限定されず、例えば、酸化マグネシウム、あるいは酸化ジルコニウムをセラミックス基体としてもよいし、他の成分を固溶した酸化マグネシウム固溶体をセラミックス基体としてもよい。
上述した実施形態では、酸化マグネシウムや酸化ジルコニウムをより多く含むセラミックス基体として説明したが、特にこれに限定されず、酸化マグネシウムが比較的少ない範囲で含むものとしてもよい。例えば、セラミックス基体は、原料の混合粉末組成において酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウム(アルミナ)に換算して、酸化マグネシウムを15質量%以上66.2質量%以下、アルミナを63質量%以下、窒化アルミニウムを57.7質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。こうすれば、スピネルと同等かそれよりも高い耐食性を得ることができる。更には、酸化マグネシウムを37質量%以上66.2質量%以下、アルミナを63質量%以下、窒化アルミニウムを57.7質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。一方、酸化マグネシウムを5質量%以上60質量%以下、アルミナを60質量%以下、窒化アルミニウムを90質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。こうすれば、スピネルと同等の耐食性を持ちながら線熱膨張係数を低くして均熱性を高くすることができる。これらセラミックス基体においても、特性をより向上した電極を備えるものとすることができる。
上記の場合において、セラミックス基体は、マグネシウム、アルミニウム、酸素及び窒素を主成分とし、CuKα線を用いたときのXRDピークが少なくとも2θ=47〜49°に現れるMg−Al酸窒化物相を主相とするものとしてもよい。このMg−Al酸窒化物は、ハロゲン系プラズマに対する耐食性がスピネルと同等かそれより高いため、この酸窒化物を主相とするセラミックス基体も耐食性が高くなる。また、このMg−Al酸窒化物は、スピネルと同等の耐食性を持ちながらスピネルよりも線熱膨張係数が低いものとすることもできる。このとき、セラミックス基体は、酸化マグネシウムにAl、N成分が固溶したMg(Al)O(N)の結晶相を副相として含んでいてもよい。このMg(Al)O(N)も耐食性が高いため、副相として含まれていても問題ない。
以下に、本発明の好適な適用例について説明する。まず、酸化マグネシウム、又は酸化マグネシウムに所定成分(Al,N)が固溶した酸化マグネシウム固溶体を含むセラミックス基体について具体的に検討した結果を、実験例1〜26として説明する。実験例1〜16、22〜26のMgO原料、Al23原料は、純度99.9質量%以上、平均粒径1μm以下の市販品、AlN原料は純度99質量%、平均粒径1μm以下の市販品を使用し、実験例17〜21ではMgO原料に純度99.4質量%、平均粒径3μmの市販品、Al23原料に純度99.9質量%、平均粒径0.5μmの市販品、AlN原料に実験例1〜16、22〜26と同じ平均粒径1μm以下の市販品を使用した。
[実験例1〜16、24]
・調合
MgO原料、Al23原料及びAlN原料を、表1に示す質量%となるように秤量し、イソプロピルアルコールを溶媒とし、ナイロン製のポット、直径5mmのアルミナ玉石を用いて4時間湿式混合した。混合後スラリーを取り出し、窒素気流中110℃で乾燥した。その後、30メッシュの篩に通し、混合粉末とした。なお、この混合粉末のMg/Alのモル比は2.9である。
・成形
混合粉末を、200kgf/cm2の圧力で一軸加圧成形し、直径50mm、厚さ20mm程度の円盤状成形体を作製し、焼成用黒鉛モールドに収納した。
・焼成
円盤状成形体をホットプレス焼成することによりセラミックス基体を得た。ホットプレス焼成では、プレス圧力を200kgf/cm2とし、表1に示す焼成温度(最高温度)で焼成し、焼成終了までAr雰囲気とした。焼成温度での保持時間は4時間とした。
[実験例17〜23、25、26]
MgO原料、Al23原料及びAlN原料を、表1示す質量%となるように秤量し、混合粉末の成形圧力を100kgf/cm2、焼成雰囲気をN2、焼成温度(最高温度)を表1に示す値に設定した以外は実験例1と同様にしてセラミックス基体を得た。
[評価]
実験例1〜26で得られた各材料を各種評価用に加工し、以下の評価を行った。各評価結果を表1、2に示す。
(1)嵩密度・開気孔率
純水を媒体としたアルキメデス法により測定した。
(2)結晶相評価
材料を乳鉢で粉砕し、X線回折装置により結晶相を同定した。測定条件はCuKα、40kV、40mA、2θ=5−70°とし、封入管式X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス製 D8 ADVANCE)を使用した。測定のステップ幅は0.02°とし、ピークトップの回折角を特定する場合は内部標準としてNIST製Si標準試料粉末(SRM640C)を10質量%添加し、ピーク位置補正した。酸化マグネシウムのピークトップの回折角は、ICDD78−0430の値とした。酸化マグネシウムにAl、N成分が固溶した固溶体(Mg(Al)O(N))と酸化マグネシウムとのピーク間隔、積分幅は下記のとおり算出した。
(2)−1 ピーク間隔(ピークシフト)の計算
Mg(Al)O(N)中のAl、N固溶量を相対比較するため、Mg(Al)O(N)の(220)面を対象としてピーク間隔(ピークシフト)を評価した。Mg(Al)O(N)の(220)面のピークトップの回折角と、ICDD78−0430にある酸化マグネシウムの(220)面の回折角(62.3°)の差をピーク間隔とした。
(2)−2 積分幅の計算
Mg(Al)O(N)の結晶性を相対比較するため、積分幅を計算した。積分幅は、MgO-AlN固溶体の(200)ピークのピーク面積をピークトップの強度(Imax)で除して計算した。ピーク面積は、ピークトップの回折角から−1°〜+1°の範囲において、バックグラウンドを差し引いて、強度を積算することで得た。計算式を下記に示す。なお、バックグラウンドはピークトップから−1°の回折角におけるピーク強度とした。上記の手法を用いて計算したNIST製Si標準試料(SRM640C)の(111)面の積分幅は0.15°であった。
(積分幅)=(ΣI(2θ)×(ステップ幅))/Imax
(2)−3 Mg-Al酸窒化物相とMg(Al)O(N)のXRDピーク強度比の計算 副相として含まれるMg-Al酸窒化物相の含有割合を相対比較するため、下記の方法を用いてMg-Al酸窒化物相とMg(Al)O(N)のXRDピーク強度の比を計算した。Mg−Al酸窒化物相の2θ=47〜49°のXRDピーク強度をA、2θ=62.3〜65.2°のMg(Al)O(N)の(220)面のXRDピーク強度をBとしたときのA/B値を求めた。ここでは、XRDピーク強度Aは、2θ=47〜49°のXRDピークのバックグラウンドを除いた積分強度とし、XRDピーク強度Bは、Mg(Al)O(N)の(220)面のXRDピークのバックグラウンドを除いた積分強度とした。なお、算出には、市販のソフトウエアMDI社製JADE5を用いて求めた。
(3)エッチングレート
各材料の表面を鏡面に研磨し、ICPプラズマ耐食試験装置を用いて下記条件の耐食試験を行った。段差計により測定したマスク面と暴露面との段差を試験時間で割ることにより各材料のエッチングレートを算出した。
ICP:800W、バイアス:450W、導入ガス:NF3/O2/Ar=75/35/100sccm 0.05Torr、暴露時間:10h、試料温度:室温
(4)構成元素
EPMAを用いて、構成元素の検出及び同定と、各構成元素の濃度分析を行った。
(5)耐湿性
各材料を乳鉢にてメジアン径10μm以下まで粉砕した粉末を作製し、室温で飽和水蒸気圧雰囲気に4日間暴露した。その後、TG−DTA装置にて40〜500℃間の脱水量を測定した。
(6)バルク材耐湿性
各材料の表面を鏡面研磨し、40℃、相対湿度90%の雰囲気下に28日間暴露した。その後、走査型電子顕微鏡(フィリップス社製XL30)にて試料表面を観測し、変化のないものを(○)、表面の40%以上に針状や粒状の析出物が生じたものを(×)、その中間を(△)とした。
(7)バルク材耐水性
各材料の表面を鏡面研磨し、室温で水中に15日間浸漬した。その後、走査型電子顕微鏡にて試料表面を観測し、変化のないものを(○)、表面の40%以上に溶出した痕跡が見られるものを(×)、その中間を(△)とした。
(8)破壊靱性
JIS−R1607にしたがって、SEPB法により破壊靱性を評価した。
(9)曲げ強度
JIS−R1601に準拠した曲げ強度試験によって測定した。
(10)体積抵抗率測定
JIS−C2141に準じた方法により、大気中、室温にて測定した。試験片形状は直径50mm×(0.5〜1mm)とし、主電極は直径20mm、ガード電極は内径30mm、外径40mm、印加電極は直径40mmとなるよう各電極を銀で形成した。印加電圧は2kV/mmとし、電圧印加後1分時の電流値を読み取り、その電流値から室温体積抵抗率を算出した。また、実験例1、3、5、12について、同様の方法により、真空中(0.01Pa以下)、600℃にて測定した。試験片形状は直径50mm×(0.5〜1mm)とし、主電極は直径20mm、ガード電極は内径30mm、外径40mm、印加電極は直径40mmとなるよう各電極を銀で形成した。印加電圧は500V/mmとし、電圧印加後1時間時の電流値を読み取り、その電流値から体積抵抗率を算出した。なお、表2の体積抵抗率において、「aEb」は、a×10bを表し、例えば「1E16」は1×1016を表す。
[評価結果]
表1、2に示すように、実験例1〜3、7〜17、21〜25のセラミックス基体は、結晶相評価の結果、(111)面、(200)面、(220)面のXRDピークが酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である2θ=36.9〜39°、42.9〜44.8°、62.3〜65.2°に現れるMg(Al)O(N)を主相として含み、少なくとも2θ=47〜49°にXRDのピークを有するMg−Al酸窒化物(Mg−Al−O−N)やスピネル(MgAl24)を副相として含んでいたが、AlNは含まれていなかった。代表例として図3に実験例1のXRD解析チャート、図4に実験例1のMg(Al)O(N)のXRDピーク拡大図を示す。また、表1に実験例1〜26のMg(Al)O(N)の(111)、(200)、(220)面ピークトップ、Mg(Al)O(N)の(220)面のXRDピークトップと酸化マグネシウムピークトップとの間隔(ピークシフト)、及びMg(Al)O(N)の(200)面のXRDピークの積分幅を示す。なお、実験例6〜11、13、16、17、19〜26では、スピネルピークとMg(Al)O(N)の(111)面のピークとの重なりが著しく、(111)面のピークトップが判別できなかったため、これらの(111)面のピークトップの値は、表1に記載していない。ピークシフトが大きいほど固溶量が多く、積分幅が小さいほど固溶状態が均質と考えられる。なお、実験例2、3、7〜17、20〜25のXRD解析チャートは、実験例1に含まれるMg(Al)O(N)、Mg−Al酸窒化物、スピネルの含有量が変化したものであり、図示を省略する。ここで、主相とは、体積割合において50%以上を有する成分をいい、副相とは、主相以外でXRDピークが同定された相をいう。断面観察における面積比は体積割合を反映すると考えられるため、主相はEPMA元素マッピング像で50%以上の面積を有する領域とし、副相は主相以外の領域とする。実験例20は、実験例1などと同様にMg(Al)O(N)、Mg−Al酸窒化物及びスピネルの三成分を含んでいたが、各成分の量に偏りがなく、どの成分も主相とならない複合材であった。このため、表1の主相、副相の欄には上記三成分を記載した。図5に実験例1のEPMA元素マッピング像を示す。図5より、実験例1の主相部は主としてMgとOで構成されるが、Al、Nも同時に検出されるため図3、4に示したMg(Al)O(N)であることが示される。また、副相としてスピネル部と少量のMg−Al酸窒化物部が認められる。図5より、実験例1中のMg(Al)O(N)の面積比は約86%であり、Mg(Al)O(N)が主相であることがわかった。その他の実験例についても同様の解析を行い、例えば実験例7、15のMg(Al)O(N)の面積比はそれぞれ約59%、約75%であり、Mg(Al)O(N)が主相であることがわかった。なお、ここでは、一例として、主相と副相との判定をEPMA元素マッピングにて行うものとしたが、各相の体積割合を識別できる方法であれば、他の方法を採用してもよい。
なお、EPMA元素マッピング像は、濃度に応じて、赤・橙・黄・黄緑・緑・青・藍に色分けされており、赤が最も高濃度、藍が最も低濃度、黒はゼロを表す。しかし、図5はモノクロで表示されているため、以下に図5の本来の色について説明する。実験例1(低倍)では、Mgは地色が橙で点部分が青、Alは地色が青で点部分が橙、Nは地色が青で点部分が藍、Oは地色が橙で点部分が赤だった。実験例1(高倍)では、Mgは地色(Mg(Al)O(N))が橙で島部分(MgAl24)が青で線状部分(Mg−Al−O−N:マグネシウムアルミニウム酸窒化物)が緑、Alは地色が青で島部分と線状部分が橙、Nは地色が青で島部分が藍で線状部分が緑、Oは地色が橙で島部分が赤で線状部分が緑だった。実験例5(低倍)はMg及びOは赤、Al及びNは黒だった。
また、実験例4のセラミックス基体は、結晶相評価の結果、前出のMg(Al)O(N)を主相として含むものであったが、スピネルやAlNを副相として含んでいた。表1に実験例4のMg(Al)O(N)のXRDピークと酸化マグネシウムのXRDピークとの間隔(ピークシフト)を示す。実験例4のように、焼成温度が1650℃では反応が十分起こらず、固溶量が少ないと推察された。焼成温度1600℃では反応がほとんど起こらないため、実験例18、19のセラミックス基体では、Mg(Al)O(N)は生成されなかった。
更に、実験例5のセラミックス基体は、MgOを主相として含むものであり、実験例6のセラミックス基体は、スピネルを主相として含み、MgOを副相として含むものであった。したがって、原料中にAlN成分が含まれていないとMgOへAl成分が固溶しないことがわかった。
そして、実験例1〜3、7〜13、17、20〜25のセラミックス基体は、水分減少率(TG−DTAによる40〜500℃の質量減少率)が2%以下、実験例4、6、14〜16、26のセラミックス基体は、水分減少率が3%以下であり、MgOセラミックス、つまり実験例5のセラミックス基体に比べて格段に高い耐湿性を有していた。バルク材耐湿性、耐水性試験の代表例として実験例2、5の微構造写真を図6に示し、実験例8、9の微構造写真を図7に示す。バルク材の耐湿性は固溶量が多い方がよく、Mg(Al)O(N)の(220)面の、酸化マグネシウムからのピークシフトが0.2°以上である実験例1〜3、7〜14、17、20〜25は、バルク材の耐湿試験(40℃、90RH%雰囲気下で28日間暴露)で表面状態に変化がなく、良好であった。また、実験例4、15、16、26は、バルク材の耐湿試験で表面状態が変化したが、表面の40%以上にわたって針状、粒状の析出物が形成される実験例5、6、18、19と比べて変化が小さかった。この結果から、バルク材の耐湿性は、MgOへのAl、N成分固溶量に依存することがわかった。すなわち、Mg(Al)O(N)の(220)面の酸化マグネシウムからのピークシフトが0.03°未満のものは表面の40%以上で変化が生じ耐湿性が低く、ピークシフトが0.03°以上0.2°未満では耐湿性がよく、ピークシフトが0.2°以上あると耐湿性が更によかった。即ち、Mg(Al)O(N)の(220)面のXRDピークが、酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である、62.33°以上62.50°未満(2θ)に現れると耐湿性がよく、62.50°以上に現れると耐湿性が更によかった。また、Mg(Al)O(N)の(200)面のXRDピークが、酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である42.92°以上43.04°未満に現れると耐湿性がよく、43.04°以上に現れると耐湿性が更によかった。
またバルク材の耐水性は、ピークシフトが大きく、積分幅が小さい材料ほど、良好であることがわかった。すなわち、(220)面のXRDピークシフトが0.42°以上であり、積分幅が0.35°以下である、実験例1、2、7、8、10〜13、17、20、22〜24はバルク材耐水性試験で表面状態に変化がなかった。実験例3、9、14、15はバルク材の耐水試験で溶出による穴部が少数認められたが、実験例4〜6、16、18、19、26や積分幅が0.50°より大きい実験例21、25では表面の40%以上で溶出した様子が認められた。この結果から、バルク材の耐水性は、MgOへのAl、N成分の固溶量が多く、且つ均質なものがよいことがわかった。すなわち、Mg(Al)O(N)の(220)面の酸化マグネシウムからのピークシフトが0.05°以下の材料は表面の40%以上が溶出し耐水性が低く、ピークシフトが0.05°以上0.42°未満の材料、又はピークシフトが0.42°以上であるがMg(Al)O(N)の(200)面の積分幅が0.35°を超える材料は、耐水性がよく、ピークシフトが0.42°以上、且つ積分幅が0.35°以下の材料は耐水性が更によかった。即ち、Mg(Al)O(N)の(220)面のXRDピークが、酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である、62.35°以上62.72°未満(2θ)に現れる材料、又は(220)面のXRDピークが62.72°以上であるが(200)面の積分幅が0.35°を超える材料は、耐水性がよく、(220)面のXRDピークが62.72°以上、且つ積分幅が0.35°以下の材料は耐水性が更によかった。また、Mg(Al)O(N)の(200)面のXRDピークが酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である42.95°以上43.17°未満に現れると耐水性がよく、2θ=43.17°以上の材料は、耐水性が更によかった。
また、実験例1〜3、12、14〜16のセラミックス基体は、表2に示すエッチングレートの結果から、実験例5のMgOセラミックスと匹敵する高い耐食性を有していることがわかった。実験例4、7〜11、13、21〜25のセラミックス基体は、エッチングレートの結果から、耐食性は実験例5のMgOと比べてやや劣るものの、実験例6のセラミックス基体、つまりスピネルを主相とする材料や表に示さなかったイットリア(エッチングレート約240nm/h)よりも高い耐食性を有していることがわかった。実験例1〜3、7〜15、17、21〜25は、副相としてMg-Al酸窒化物(Mg−Al−O−N)相を含むが、Mg−Al酸窒化物相の含有量が多いほど機械特性が向上していた。Mg−Al酸窒化物相の2θ=47〜49°のXRDピーク強度をA、2θ=62.3〜65.2°のMg(Al)O(N)の(220)面のXRDピーク強度をBとしたときのA/B値を表2に示す。A/Bが大きいほどMg−Al酸窒化物の量が多いことを意味し、A/Bが増加するにつれて破壊靱性、曲げ強度ともに向上した。A/Bが0.03以上である実験例7〜11、13、15、17、20、21、23〜25は、破壊靱性2.5以上であり、曲げ強度180MPa以上の高い曲げ強度を有することがわかった。また、実験例7〜10、13、15、17、20、21、23〜25は、曲げ強度200MPa以上の高い曲げ強度を有することがわかった。一方、実施例22はA/Bが0.03以上であったが、焼成温度が他のA/Bが0.03以上の水準より高かったため、粒成長したMg−Al酸窒化物相の周りでクラックがみられたため、曲げ強度、破壊靭性が発現しなかった。A/Bについて、例えば、実験例8のAは4317カウント、Bは83731カウントであり、A/B値は0.039となり、破壊靱性は2.5、強度は222MPaであった。また、実験例15のAは13566カウント、Bは108508カウントであり、A/B値は0.125となり、破壊靱性は4.4、強度は350MPaであった。しかし、Mg−Al酸窒化物の量の増加に伴って高耐食なMg(Al)O(N)の含有量が低下するため、耐食性は低下した。例えば、A/Bが0.3以上の実験例17ではエッチングレートが181nm/hに達し、A/Bが0.4を超える実験例20ではスピネルと同レベルの耐食性となった。この結果から、A/B値が0.03以上0.14以下とすることで耐食性と機械強度を同時に発現することがわかった。
実験例2、3、8、10、15、23、24の室温での体積抵抗率は全て1×1017Ωcm以上と実験例5のMgOと同等であり、高抵抗が必要となる静電チャックやヒーターなどの半導体製造装置用に好適であることがわかった。
また、実験例5と実験例12の600℃での体積抵抗率はそれぞれ2×1012Ωcm、2×1010Ωcmであり、実験例12のセラミックス基体はMgO(実験例5)に比べて低い電気抵抗を有することがわかった。このほか、実験例1、3のセラミックス基体についても実験例12と同様に、実験例5に比べて低い電気抵抗を有することがわかった。
次に、セラミックス基体と電極とを備えるセラミックス部材(電極埋設体)を作製した例を実施例として説明する。実施例1〜60及び比較例1〜3では、MgO原料に純度99.4質量%、平均粒径3μmの市販品、Al23原料に純度99.9質量%、平均粒径0.5μmの市販品、AlN原料に純度99質量%、平均粒径1μm以下の市販品を使用した。実施例61〜66では、ZrO2に純度99質量%(ZrO2+HfO2の純度)、平均粒径0.1μmの市販品を使用した。実施例67〜72では、ZrO2にY23が3mol%含まれる純度99質量%(ZrO2+HfO2+Y23の純度)、平均粒径0.1μmの市販品(3Y−ZrO2)を使用した。実施例73〜78では、ZrO2にY23が8mol%含まれる純度99質量%(ZrO2+HfO2+Y23の純度)、平均粒径0.1μmの市販品(8Y−ZrO2)を使用した。実施例79〜80では、ZrO2にCaOが13mol%含まれる純度99質量%(ZrO2+HfO2+CaOの純度)、平均粒径0.1μmの市販品(13Ca−ZrO2)を使用した。実施例81〜86では、ZrO2にY23が3mol%含まれる純度99質量%(ZrO2+HfO2+Y23の純度)、平均粒径0.1μmの市販品(3Y−ZrO2)と、Al23原料に純度99.9質量%、平均粒径0.5μmの市販品を使用した。また、電極埋設体は、第1焼結体を作製してから、その第1焼結体に電極ペーストを印刷し、第2成形体(未焼成)、もしくは第2焼結体で電極を挟み込み、更に焼結して作製した。
[セラミックス部材の作製]
酸化マグネシウムを含む第1焼結体の作製を次のとおり行った。調合処理として、MgO原料、Al23原料及びAlN原料を、表3、4に示す質量%となるように秤量し、イソプロピルアルコールを溶媒とし、ナイロン製のポット、直径20mmの鉄心入ナイロンボールを用いて4時間湿式混合した。混合後スラリーを取り出し、窒素気流中、110℃で乾燥した。その後、30メッシュの篩に通し、混合粉末とした。次に、第1成形処理として、混合粉末を、100kgf/cm2の圧力で一軸加圧成形し、直径50mm、厚さ20mm程度の円盤状成形体を作製し、焼成用黒鉛モールドに収納した。続いて、第1焼成処理として、上記円盤状成形体をホットプレス焼成し、第1焼結体を得た。ホットプレス焼成では、プレス圧力を200kgf/cm2とし、1775℃で焼成し、焼成終了までAr雰囲気とした。焼成温度での保持時間は4時間とした。続いて、加工処理として、第1焼結体を直径約50mm、厚さ3.5mmの円板に加工した。このとき、一方の面を#800の研磨材により研磨し、電極ペーストの印刷面とした。
酸化ジルコニウムを主成分とする第1焼結体の作製を次のとおりに行った。第1成形処理として、表5の実施例61〜80に示す質量%の粉末を、100kgf/cm2の圧力で一軸加圧成形し、直径50mm、厚さ20mm程度の円盤状成形体を作製し、焼成用黒鉛モールドに収納した。続いて、第1焼成処理として、上記円盤状成形体をホットプレス焼成し、第1焼結体を得た。ホットプレス焼成では、プレス圧力を200kgf/cm2とし、1300℃で焼成し、焼成終了までAr雰囲気とした。焼成温度での保持時間は4時間とした。続いて、加工処理として、第1焼結体を直径約50mm、厚さ3.5mmの円板に加工した。このとき、一方の面を#800の研磨材により研磨し、電極ペーストの印刷面とした。
酸化ジルコニウム、および酸化アルミニウムを含む第1焼結体の作製を次のとおりに行った。調合処理として、ZrO2原料、及びAl23原料を、表5の実施例81〜86に示す質量%となるように秤量し、イソプロピルアルコールを溶媒とし、ナイロン製のポット、直径20mmの鉄心入ナイロンボールを用いて4時間湿式混合した。混合後スラリーを取り出し、窒素気流中、110℃で乾燥した。その後、30メッシュの篩に通し、混合粉末とした。次に、第1成形処理として、混合粉末を、100kgf/cm2の圧力で一軸加圧成形し、直径50mm、厚さ20mm程度の円盤状成形体を作製し、焼成用黒鉛モールドに収納した。続いて、第1焼成処理として、上記円盤状成形体をホットプレス焼成し、第1焼結体を得た。ホットプレス焼成では、プレス圧力を200kgf/cm2とし、1300℃で焼成し、焼成終了までAr雰囲気とした。焼成温度での保持時間は4時間とした。続いて、加工処理として、第1焼結体を直径約50mm、厚さ3.5mmの円板に加工した。このとき、一方の面を#800の研磨材により研磨し、電極ペーストの印刷面とした。
次に、電極形成処理として、第1焼結体の表面に電極ペーストを塗布し、電極パターンを形成した。電極原料としての電極成分には、Ruの市販品粉末を10μmまで粉砕したRu粉砕粉とAlの市販品粉末(10μm)とを表3、4、5に示す割合(mol%)で混合して用いた。また、前述のRu粉砕粉とAlの市販品粉末を表3、4、5に示すモル%で混合し、1200℃、Ar雰囲気でRuAl合金を合成したあと、平均粒径10μmまで湿式粉砕を行ったRuAl合金粉末を用いた。また、RuとAlとを100mol%とする電極ペーストに、表3、4に示す体積%で、MgOをフィラーとして加える試料も作製した。電極ペーストは、電極原料と有機溶媒とバインダとを混合、混練して調製した。バインダ/有機溶媒には、ポリメタクリル酸−n−ブチル/ブチルカルビトールを混合したものを使用した。この電極ペーストを用いて、スクリーン印刷法にて幅5mm×長さ15mmの電極を第1焼結体の表面に印刷した。このとき、電極の印刷厚さは50〜100μmとした。印刷後、大気中、100℃で1時間乾燥させた。
次に、セラミックス基体と電極とを共焼成する焼成工程を行った。まず、積層処理として、第1焼結体の原料と同じ混合粉末を100kgf/cm2の圧力で一軸加圧成形し、直径50mm、厚さ20mm程度の円盤状の第2成形体を作製した。実施例1〜58、61〜86、比較例1〜3では、第1焼結体のうち電極パターンが形成された面の上に、第2成形体を積層した。これにより、第1焼結体/電極パターン/第2成形体という3層構造の積層体が得られた。実施例59、60では、第1焼結体と同様の方法で作製した第2焼結体を用いて、第1焼結体のうち電極パターンが形成された面の上に、第2焼結体を積層した。これにより、第1焼結体/電極パターン/第2焼結体という3層構造の積層体が得られた。続いて、ホットプレス用のカーボン焼成治具内部にこの積層体を載置し、第2焼成処理として、第1の焼成処理と同じ温度でホットプレス焼成した。第2焼成処理では、プレス圧力を200kgf/cm2とし、焼成終了までAr雰囲気とした。焼成温度での保持時間は4時間とした。このようにして、成形体及び電極パターンがそれぞれ焼結して第2焼結体及び電極となると共に、第1焼結体と電極と第2焼結体とが固着して電極内蔵の一体型セラミックス部材となった。この一体型セラミックス部材から小片を切り出し、後述する評価試験に用いた。なお、第1焼結体の代わりに、第1の部分を成形体とし、この成形体の一方の面に電極パターンを形成したものを準備し、第2成形体と積層の後、ホットプレス焼成してセラミックス部材(電極埋設体)を作製してもよい。
[実施例1〜86]
表3、4、5に示す条件にて、実施例1〜86の電極埋設体を作製した。実施例1〜10では、基体を酸化マグネシウム固溶体とし、電極をRu粉末とAl粉末の混合ペーストでRu/Al比を変更したものとし、実施例11〜20では、基体を酸化マグネシウム固溶体とし、電極をRuAl合金粉末の合金ペーストでRu/Al比を変更したものとした。また、実施例21〜24では、MgOを加える量を変更した混合ペーストで電極を作製し、実施例25〜28では、MgOを加える量を変更した合金ペーストで電極を作製した。また、実施例29〜32、37〜40、45〜48、53〜55では、基体の酸化マグネシウム固溶体材料の配合を変更すると共にRu/Al比を変更した混合ペーストで電極を作製した。また、実施例33〜36、41〜44、49〜52、56〜58では、基体の酸化マグネシウム固溶体材料の配合を変更すると共にRu/Al比を変更した合金ペーストで電極を作製した。実施例1〜58については、酸化マグネシウム固溶体の第1焼結体と第2成形体の組み合わせで電極埋設体を作製した。実施例59は、電極を混合ペーストとし、酸化マグネシウム固溶体の第1焼結体と第2焼結体の両者焼結体の組み合わせで電極埋設体を作製した。実施例60は、電極を合金ペーストとし、酸化マグネシウム固溶体の第1焼結体と第2焼結体の両者焼結体の組み合わせで電極埋設体を作製した。実施例61〜63、67〜69、73〜75、79では、各酸化ジルコニウムを基体とし、電極をRu粉末とAl粉末の混合ペーストでRu/Al比を変更したものとし、実施例64〜66、70〜72、76〜78、80では、酸化ジルコニウムを基体とし、電極をRuAl合金粉末の合金ペーストでRu/Al比を変更したものとした。実施例81〜83では、酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムの複合材料を基体とし、電極をRu粉末とAl粉末の混合ペーストでRu/Al比を変更したものとし、実施例84〜86では、酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムの複合材料を基体とし、電極をRuAl合金粉末の合金ペーストでRu/Al比を変更したものとした。実施例61〜86については、酸化ジルコニウムを主とする第1焼結体と第2成形体の組み合わせで電極埋設体を作製した。
[比較例1〜3]
表3に示す条件にて、比較例1〜3の電極埋設体を作製した。比較例1では、Ru粉末のみを用いた電極とした。比較例2では、電極をRu粉末とAl粉末との混合ペーストとし、比較例3では、電極をRu粉末とAl粉末との合金ペーストとした。比較例1〜3については、酸化マグネシウム固溶体の第1焼結体と第2成形体の組み合わせで電極埋設体を作製した。実施例1〜86、比較例1〜3のセラミックス部材の原料配合量、電極配合量、電極ペーストの種類をまとめて表3〜5に示す。
(電気抵抗率)
得られた電極内蔵の一体型セラミックス部材から、幅9mm×長さ9mm×厚さ約6mmの直方体形状に切り出して試験片とした。この試験片に内蔵された電極は、幅5mm×長さ9mm×厚さ約30〜50μmである。この実施例1〜86、比較例1〜3の試験片は、電極の幅方向の中心と、試験片の幅方向の中心とが一致しており、長さ方向の両端には電極を露出させた。電気抵抗率の測定は、試験片の長さ方向の両端(電極露出面)に導電性ペーストを使用してリード線を接続し、回路とした。測定条件は、大気中、室温(20℃)で微小電流を150mA〜0mAの範囲で印加し、その際の微小電圧値を測定して電極抵抗Rを求めた。そして、比抵抗ρ(Ωcm)を、抵抗R(Ω)、電極露出面の面積S(cm2)、電極の長さL(cm)を用い、ρ=R×S/Lの式から算出した。
(電極埋設後の微構造評価)
得られた電極内蔵の一体型セラミックス部材から、電極が露出するよう切断し、切断面を鏡面研磨したのち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、電極周辺のセラミックス基体にクラックが発生しているか否かを評価した。また、電極成分とセラミックス基体の反応性を評価するため、EPMA解析を行った。
(電極のXRD解析)
得られた電極内蔵の一体型セラミックス部材から、電極が露出するよう切断し、切断面を研磨したのち、X線回折装置により電極の結晶相を同定した。測定条件はCuKα、40kV、40mA、2θ=5−70°、測定のステップ幅は0.02°とし、封入管式X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス製 D8 ADVANCE)を使用した。
(クラック・電極溶融評価)
得られた電極内蔵の一体型セラミックス部材の電極を含む部分を切断し、切断面を鏡面研磨した。その鏡面を電子顕微鏡(SEM、フィリップス社製、XL30)により観察し、SEM像によりクラックの有無を判定した。クラックが確認されない場合は「○」、クラックが確認された場合は「×」とした。また、電極が溶融していない場合は「○」とし、電極が溶融している場合は「×」とした。
(反応性評価)
得られた電極内蔵の一体型セラミックス部材の電極成分と基体材料との反応性について検討した。断面を電子顕微鏡(SEM、フィリップス社製XL30)により観察し、電極と基体材料との界面近傍において、基体材料に電極の元素が含まれているか否かをEPMA(日本電子社製JXA−8800RL)にて元素分析することにより評価した。電極成分の拡散や基体組成のずれが電極近傍の基体材料に確認されない場合は「◎」、電極成分の拡散や基体組成のずれが電極近傍の基体材料に30μm以下の範囲で発生している場合は「○」、電極成分の拡散や基体組成のずれが電極近傍の基体材料に100μm以下の範囲で発生している場合は「△」、電極成分の拡散や基体組成のずれが電極近傍の基体材料に100μmを超える範囲で発生している場合は「×」として評価した。
(セラミックス基体の熱膨張率測定)
各実施例で用いた第1焼結体と同じ方法で作製した焼結体に対して、JIS−R1618に準じた方法により40〜1000℃の熱膨張率を測定し、セラミックス基体の熱膨張率とした。
(電極の熱膨張率)
電極の熱膨張率については、各電極成分とフィラーの体積割合に応じて、計算により算出した。各成分の体積割合については、断面を電子顕微鏡(SEM、フィリップス社製XL30)により観察し、画像解析により算出した各成分の面積割合を体積割合とした。なお、SEM観察では、含まれる元素成分、成分比により、異なるコントラストが観察された。各成分の単体の熱膨張率は、JIS−R1618に準じた方法により40〜1000℃の熱膨張率を測定したMgO:13ppm/K、ZrO2:11.5ppm/K、3Y−ZrO2:11ppm/K、8Y−ZrO2:10.5ppm/K、13Ca−ZrO2:11ppm/K、RuAl:10.5ppm/K、Ru2Al3:13.5ppm/K、Ru3Al13:15ppm/Kを用いた。
(評価結果と考察)
実施例1〜86、比較例1〜3の電極結晶相、比抵抗値(Ωcm)、クラックの有無、電極の溶融の有無、電極成分と基体材料との反応の有無などの評価結果をまとめて表6〜8に示す。表6〜8の実施例1〜86に示すように、実施例での電極では、セラミックス基体にクラックは発生せず、5.5×10-5Ωcm以下の低抵抗が得られた。実施例1〜86では、セラミックス部材のEPMA解析より、セラミックス基体への電極成分の拡散は軽微であった。また、セラミックス部材の電極のXRD解析より、埋設後の電極成分の結晶相は、Ru,RuAl、フィラーのMgO、Ru2Al3などであった。この結果から、RuAl合金は、基体であるMg(Al)O(N)やZrO2との反応性が低いと考えられた。また、各材料の熱膨張率は、MgOが13ppm/K、AlNが5ppm/K、Al23が8ppm/K、Mg(Al)O(N)が11ppm/K程度であり、RuAl合金が10.5ppm/Kである。このことから、実施例1〜86において、セラミックス基体と電極との熱膨張率の差が、MgOとRuAl合金とでは2.5ppm/K以下であり、Mg(Al)O(N)とRuAl合金とでは0.8ppm/K以下であり、焼結後に熱膨張差に由来するクラックの発生がより抑制された。第1焼結体及び第2焼結体で作製した実施例59、60についても、第1焼結体及び第2成形体で作製したものと変わらなかった。一方、表3に示すように、比較例1〜3では、電極周辺のセラミックス基体にクラックが一部発生した。比較例2〜3のセラミックス部材のEPMA解析より、Al成分がセラミックス基体中に100μm以上拡散することが確認された。比較例2、3では、電極原料中のAl量が20モル%と低く、XRD解析より異相(Ru3Al13)が検出された。
本発明のセラミックス部材は、例えば、静電チャックやサセプター、ヒーター、プレート、内壁材、監視窓、マイクロ波導入窓、マイクロ波結合用アンテナなどの半導体製造装置用部材に用いられる。
20 半導体製造装置用部材、22 基材部、24 貫通孔、26 給電部材、30 セラミックス部材、32 セラミックス基体、34 電極。

Claims (14)

  1. 酸化マグネシウム、酸化マグネシウムに所定成分が固溶した酸化マグネシウム固溶体及び酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含むセラミックス基体と、
    前記セラミックス基体の一部に配置されルテニウムアルミニウム合金を電極成分として含む電極と、を備え
    前記電極は、原料においてRuとAlとの全体に対するRuの割合が、20mol%を超え95mol%以下の範囲である、セラミックス部材。
  2. 前記電極は、Mg、Zr、Y、Ca、Ce、Al、N及びOのうち1以上を更に前記電極成分として含む、請求項1に記載のセラミックス部材。
  3. 前記電極は、ルテニウムアルミニウム合金粉末を原料として焼結されている、請求項1又は2に記載のセラミックス部材。
  4. 前記電極は、ルテニウム粉末及びアルミニウム粉末を原料として焼結されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  5. 前記電極は、厚さが1μm以上200μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  6. 前記セラミックス基体は、酸化マグネシウムにAl、N成分が固溶したMg(Al)O(N)を主相とする前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  7. 前記セラミックス基体は、CuKα線を用いたときの前記Mg(Al)O(N)の(111)面、又は(200)面、又は(220)面のXRDピークがそれぞれ酸化マグネシウムの立方晶のピークと窒化アルミニウムの立方晶のピークとの間である2θ=36.9
    〜39°、42.9〜44.8°、62.3〜65.2°に現れる前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項に記載のセラミックス部材。
  8. 前記セラミックス基体は、前記Mg(Al)O(N)の(200)面、又は(220)面のXRDピークがそれぞれ2θ=42.92°以上、62.33°以上に現れる前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項又はに記載のセラミックス部材。
  9. 前記セラミックス基体は、前記Mg(Al)O(N)の(200)面のXRDピークの積分幅が0.50°以下である前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  10. 前記セラミックス基体は、AlN結晶相を含まない前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  11. 前記セラミックス基体は、CuKα線を用いたときのXRDピークが少なくとも2θ=47〜49°に現れるMg−Al酸窒化物相を副相として含む前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  12. 前記セラミックス基体は、混合粉末組成で、酸化マグネシウムが49質量%以上99質量%以下、窒化アルミニウムが0.5質量%以上25質量%以下、アルミナが0.5質量%以上30質量%以下である前記酸化マグネシウム固溶体を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  13. 前記セラミックス基体は、安定化剤を含む前記酸化ジルコニウムを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のセラミックス部材。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のセラミックス部材を備えた、半導体製造装置用部材。
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