第1の発明は、冷媒と熱媒との間で熱交換を行うプレート式水冷媒熱交換器と、前記プレート式水冷媒熱交換器の複数の面を覆う主断熱材と、前記主断熱材の外方に配設され、前記主断熱材の少なくとも1つの面と当接する保持板と、を備え、前記プレート式水冷媒熱交換器を形成する第1の面に突出部を設けるとともに、前記保持板のうち前記第1の面と対向する面に凸部を設け、前記突出部と前記凸部とで、前記プレート式水冷媒熱交換器、前記主断熱材、前記保持板を固定して一体の構造体とすることを特徴とする熱交換器ユニットである。
これにより、複数面を覆う主断熱材を用いて、工数を増大させずに熱交換器ユニットを構成することが可能になるため、組立性を向上させることができる。
また、プレート式水冷媒熱交換器の突出部と保持板の凸部とで固定を行い、その間に主断熱材を挟み込んでいることで、主断熱材はプレート式水冷媒熱交換器と保持板との間で、常に一定の間隔を保っていることとなる。
そのため、主断熱材には過度な圧縮荷重がかかることはなく、長期にわたって使用された場合でも、主断熱材の厚みが減少し、痩せてくるといった現象を抑制することができる。
したがって、長期間安定した断熱性能を確保でき、高い運転効率を維持することができる。
さらに、経年劣化による断熱材の厚みの減少が抑制されることで、重量物であるプレート式熱交換器の位置ずれを抑制することができるので、特に配管接合部への過度な応力の発生を抑制して、熱交換器ユニットとして、耐久的な信頼性を向上させることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記プレート式水冷媒熱交換器は、冷媒が流入する冷媒入口部と、冷媒が流出する冷媒出口部と、を備え、前記冷媒入口部および前記冷媒出口部は、前記プレート式水冷媒熱交換器を形成する第2の面から立ち上げて形成されるとともに、前記主断熱材は、前記第2の面を除く、5つの面を覆うことを特徴とするものである。
冷媒回路と接続される、冷媒入口部、冷媒出口部には冷媒回路部品として銅管がロウ付けされる。
主断熱材は、プレート式水冷媒熱交換器と保持板に挟まれて保持されるが、冷媒入口部および冷媒出口部に銅管がロウ付けされるので、冷媒入口部と冷媒出口部が形成される面に主断熱材を取り付けるには、これらの銅管との干渉を避けなくてはならず、組立が煩雑となる。
一方、主断熱材にプレート式水冷媒熱交換器を差込み、その後、保持板を取り付ける工程により熱交換器ユニットを構成することが可能な本発明の構成によれば、組立性の向上による工数削減、合理化を実現できる。
つまり、5つの面を主断熱材で覆う場合、冷媒入口部および冷媒出口部が形成されている面以外を覆う構成とすることで、断熱性能を維持しながら、組立性を向上させることができる。
第3の発明は、特に第2の発明において、前記第2の面は、前記第1の面の反対側の面であることを特徴とするものである。前記構成により、突出部と、冷媒入口部および冷媒出口部とは、互いに反対面に形成されることとなる。
冷媒回路と接続される、冷媒入口部、冷媒出口部には冷媒回路部品として銅管がロウ付けされる。プレート式水冷媒熱交換器に主断熱材、保持板を組み付けた後に、配管ロウ付を行うと、ロウ付け箇所が高温になることで、主断熱材や保持板が加熱され、損傷を与える恐れがある。
一方、本発明の構成によれば、プレート式水冷媒熱交換器単体の状態で、冷媒入口部、冷媒出口部に配管をロウ付けし、その後、主断熱材、保持板をプレート式水冷媒熱交換器に接合して、組み立てることができる。このとき、保持板とプレート式水冷媒熱交換器とを接合するための突出部が、冷媒入口部および冷媒出口部が形成される面とは反対面にあることで、組立工程において断熱性能を損ねることなく、組立性を向上させることができる。
第4の発明は、特に第1から第3のいずれかの発明において、前記主断熱材は、前記プレート式水冷媒熱交換器の下面を覆うとともに、前記主断熱材の下面の厚さ寸法を、他の面の厚さ寸法よりも大きくすることを特徴とするものである。
これにより、主断熱材下面を他面より厚く形成していることで、プレート式水冷媒熱交換器に伝わる振動を減衰することができる。すなわち、機器が動作している際の振動で、プレート式水冷媒熱交換器も振動し、さらに接続配管にも振動が加わるが、主断熱材下面
を他面より厚く形成していることで振動を吸収して、配管応力の増大、また、これによって生じる劣損の可能性を低減することができる。よって、長期間に渡って信頼性の高い熱交換ユニットとすることができる。
なお、本発明によれば、振動のみならず、騒音値の上昇などに対しても低減効果があり、低騒音かつ低振動な信頼性、快適性に優れた熱交換ユニットとすることができる。
第5の発明は、特に第2または第3の発明において、前記第2の面を覆う前断熱材を備え、前記前断熱材は、前記冷媒入口部および前記冷媒出口部と対向する部位に欠切部を設けることを特徴とするものである。
これにより、プレート式水冷媒熱交換器全体を断熱材で覆うことで、冷媒、熱媒の放熱を防ぐことができるので、断熱性能を向上させて、エネルギー効率を向上させることができる。また、冷媒入口部や冷媒出口部と相対する前断熱材の部位に欠切部を設けていることで、組立工程において前断熱材の組み込みが容易となり、組立性に優れた熱交換器ユニットとすることができる。
第6の発明は、特に第1から第5のいずれかの発明において、前記主断熱材は、一体成型された発泡材にて構成されることを特徴とするものである。
これにより、一体成型された継ぎ目のない断熱材を使用して、熱漏れを抑制した高い断熱性を実現して、エネルギー効率を向上させることができる。また、一体成型される断熱材によって、組立工数を削減することができる。
また、プレート式水冷媒熱交換器に交換の必要が生じた場合でも、プレート式水冷媒熱交換器のみ取り外しして、主断熱材をそのまま使用することができ、メンテナンス性を向上させることができる。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明における熱交換器ユニット、減圧器、蒸発器、圧縮機が配管で接続され、冷媒が循環する冷媒回路と、前記熱交換器ユニット、外部放熱器が配管で接続され、熱媒が循環する温水回路と、前記蒸発器に送風するファンと、少なくとも前記圧縮機および前記水冷媒熱交換器が配設される機械室と、前記送風ファンが配設される送風室と、前記機械室および前記送風室を覆う外装体と、を備え、前記熱交換器ユニットを構成する保持板は、前記外装体を構成する底板に接合されることを特徴とするヒートポンプ温水暖房装置である。
これにより、質量の大きな重量物であるプレート式水冷媒熱交換器、および、これが一体となった熱交換器ユニットを、本体下方にあり、外装体の中で強度面で最も強固な底板と保持することで、高い強度を実現することができる。
また、圧縮機が動作している際に、底板を伝って伝播する振動を、底板に接合され、重量物である熱交換器ユニットによって低減して、低振動のヒートポンプ温水暖房装置とすることができる。
第8の発明は、特に第7の発明において、前記外部放熱器へと前記熱媒を誘導する往きポートおよび戻りポートを備え、前記往きポートおよび前記戻りポートを、前記外装体の外方かつ前記機械室の側方に配設するとともに、前記熱交換器ユニットを、前記機械室内で、前方かつ前記往きポートおよび前記戻りポート側に配設することを特徴とするものである。
これにより、圧縮機とプレート式水冷媒熱交換器とをつなぐ配管と、プレート式水冷媒熱交換器と往きポートおよび戻りポートとをつなぐ配管を短くすることができ、また、配管の曲げ数を減らすことができるので、循環ポンプの動力を低減して、消費電力の少ない、省エネルギー性の向上したヒートポンプ温水暖房装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ熱交換装置について、図1〜図8に基づいて、以下に説明する。
まず、図8のヒートポンプ熱交換装置の冷媒回路、熱媒回路図で説明を行う。
1は、循環される水あるいは不凍液などの熱媒を加熱するためのヒートポンプ熱交換装置の室外機であり、2はヒートポンプ熱交換装置の室外機1と、熱媒配管3によって接続された外部放熱器であり、図8では輻射暖冷房などのパネル状の外部放熱器としているが、パネルヒーターや、送風ファンを備えたファンコンベクターなどでも構わない。
ヒートポンプ熱交換装置の室外機1で加熱あるいは冷却された温水あるいは冷水は、熱媒配管3を通り、外部放熱器2へと送られ、外部放熱器2の設置された居室を暖房あるいは冷房するのが、冷温水冷暖房であり、ヒートポンプ熱交換装置の室外機1はその熱源となるものである。
なお、図8では、ヒートポンプ熱交換装置として、温水暖房を行う構成を記載している。
ヒートポンプ熱交換装置の室外機1内に組み込まれている部品は以下の様になっている。
室外機1には、冷媒を圧縮、循環する圧縮機4、水あるいは不凍液などの熱媒と冷媒の熱交換を行う冷媒−熱媒熱交換器であるプレート式水冷媒熱交換器5、減圧器である膨張弁6、蒸発器である空気冷媒熱交換器7があり、圧縮機4、プレート式水冷媒熱交換器5、減圧器6、蒸発器である空気冷媒熱交換器7を順次環状に接続して閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒回路8を構成している。
プレート式水冷媒熱交換器5は、凹凸を設けたステンレス板を複数枚を積層して、それらをブレージングで一体化し、冷媒を流通させる部分と、熱媒を流通させる部分を交互に積層することで、冷媒と熱媒の熱交換を行うものである。そのため、このプレート式水冷媒熱交換器5の構成には公知のプレート式水冷媒熱交換器を、一部形状を変更して使用することとなる。この変更している内容に関しては後述する。
また、プレート式水冷媒熱交換器5は、バーリング加工により、ステンレス板の表面から立ち上げて形成される、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dを備えている。
また、9は、蒸発器である空気冷媒熱交換器7に空気を搬送する送風ファンであり、空気冷媒熱交換器7による冷媒と空気との熱交換を促進している。
10は、冷媒回路8の中で、冷媒圧力を検知するために設けられた圧力センサであり、
プレート式水冷媒熱交換器5にて、圧力センサ10で、冷媒の状態を検知する。
11は、圧縮機4の圧縮機出口温センサ、12は空気冷媒熱交換器7の温度を検知する空気熱交出口温センサである。
一方、プレート式水冷媒熱交換器5に水あるいは不凍液などの熱媒を循環し、冷媒と熱交換を行うのが温水回路13である。
14は、温水回路13内の水あるいは不凍液などの熱媒を強制的に循環する循環ポンプであり、プレート式水冷媒熱交換器5の上流側に配されている。
なお、図8では、プレート式水冷媒熱交換器5において、温水を生成し、暖房を行う際の冷媒は下方から上方へ、熱媒流体は上方から下方へ流れるように記載してあるが、これは冷媒回路、水回路図を記載するためであり、実際には、冷媒は、プレート式水冷媒熱交換器5の上方から下方へ、熱媒流体はプレート式水冷媒熱交換器5の下方から上方へ流れる。
15は、循環ポンプ14の上流に配された水あるいは不凍液などの熱媒の補給と、膨張した水あるいは不凍液などの熱媒のバッファの役目をするシスターンタンクであり、そのシスターンタンク15には、シスターンタンク15内の水位を検出する水位センサ16が設けられている。
17は、プレート式水冷媒熱交換器5で加熱された温水を外部放熱器2に送るために温水回路13の往き側の末端部に設けられた熱動弁であり、使用される外部放熱器2に応じて、開放、閉止が行われ、必要な外部放熱器2にのみ、温水が流れるように制御される。
18は、熱動弁17の先に設けられた熱媒往きポートであり、この熱媒往きポート18には熱媒配管3が接続される。なお、図8では、熱動弁17は4箇所あるが、熱媒配管3は2箇所のみ接続されており、外部放熱器2も二個である。全ての外部放熱器2が使用されない時は、熱動弁17は閉止されている。
19は、温水回路13と、熱動弁17を接続する往きヘッダ管であり、温水回路13のある箇所が、往きヘッダ管19により、熱動弁17の数量に応じた複数個所へと分岐される。なお、熱動弁17が一個の場合は、往きヘッダ管19は必ずしも必要ではない。
20は、外部放熱器2で放熱されて、温度の低下した温水が温水回路13に戻ってくる際の熱媒戻りポートであり、この熱媒戻りポート20の数量は、熱動弁17の数量と同じとなり、図8では、4箇所となっている。
熱媒戻りポート20には、戻りヘッダ管21があり、複数の熱媒戻りポート20が、戻りヘッダ管21を介して一箇所に合流して、温水回路13へと合流する。なお、熱動弁17、熱媒戻りポート20が一個の場合は、戻りヘッダ管21は必ずしも必要ではない。
22は、プレート式水冷媒熱交換器5に入る温水の温度を測定する水冷媒熱交入口温センサ、23は、プレート式水冷媒熱交換器5の出口側の水あるいは不凍液などの熱媒の温度を測定するための水冷媒熱交出口温センサである。
24は、室外機1の各種アクチュエーターやセンサの制御を行う制御装置、25は、使用者がヒートポンプ機器の運転を行い、各種設定を行うためのリモコンである。
図8に記載のヒートポンプ熱交換装置の冷媒回路、水回路図で示した部品をレイアウトしたヒートポンプ熱交換装置の構成が、図5〜図7に示すものであり、図5は内観平面図、図6は内観斜視図、図7は下面からの内観斜視図を示している。
図6および図7に示すように、室外機1の最下部には底板26があり、この底板26の右方に圧縮機4が載置されている。また、圧縮機4の近傍かつ右側方前に、プレート式水冷媒熱交換器5(熱交換器ユニット5A)が配されている。
次に、プレート式水冷媒熱交換器5の固定方法を、図1および図2を用いて説明する。
図1は、プレート式水冷媒熱交換器5を含む熱交換器ユニット5Aの構成を示したものであり、図2は、プレート式水冷媒熱交換器5を含む熱交換器ユニット5Aの断面図を示したものである。
5は、複数のステンレス製の凸凹状板金5eを積層して、ブレージングを行い、積層された凸凹状板金を一体構成にした、冷媒と熱媒の熱交換を行う冷媒−熱媒熱交換器としてのプレート式水冷媒熱交換器であり、略直方体の形状をしており、長手方向を縦にして配置されている。
プレート式水冷媒熱交換器5には、冷媒回路8や温水回路13とつなぐための、ステンレスで構成された冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dが備えられており、冷媒入口部5aが上方に、冷媒出口部5bがその下方に、熱媒入口部5cは冷媒出口部5bの側方に、熱媒出口部5dは熱媒入口部5cの上方に設けてあり、それらは同一面に配されている。
また、図1および図5から図7に示すように、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dの開口部は、保持板29と反対側かつ、室外機1の本体後方に向けて形成されている。
さらに、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dの反対面には、外方に飛び出した、突出部としての保持ピン5fが2箇所設けてある。この保持ピンにはタップがきってあり、オネジとなっている。
また、プレート式水冷媒熱交換器5と主断熱材28および保持板29とを組み立てる前に、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bには、それぞれ冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bがロウ付けされる。
これは、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bの材質は銅製であり、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dはステンレス製であるために、銀ロウ付けを行う必要があるためである。なお、プレート式水冷媒熱交換器5と主断熱材28および保持板29とを組み立てる前に、事前に、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bをロウ付けしておくこと好ましい。
また、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dにはオネジがきってあり、ネジ止めで配管を固定するように構成している。なお、ネジ止めでなく、事前に熱媒配管をロウ付けしておいても構わない。
28は、略直方体のプレート式水冷媒熱交換器5の外周の五面を覆い、断熱性を保持するために設けられた発泡スチロール製の主断熱材であり、五面を覆うために、内方を抉り取った形状となっており、この形状は発泡スチロール製で、一体成型して形勢される。
また、主断熱材28で覆われるプレート式水冷媒熱交換器5の五面は、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bのある面を除いた五面となっている。
また、保持ピン5fと相対する部分の主断熱材28には、主断熱材開口部28aが設けられており、プレート式水冷媒熱交換器5に向かってテーパ状に形成されている。また、主断熱材28は、底板26に載置され、主断熱材下面28bの厚さが、それ以外の5面の厚さよりも厚くなるように形成されている。
29は、主断熱材28の外方に設けられた保持板であり、板金を曲げ加工して、主断熱材28の五面を覆う構成となっており、箱状に構成してある。なお、保持板29は、少なくとも主断熱材の一つの面と当接するように形成されていればよい。
この保持板29には、プレート式水冷媒熱交換器5に向かってテーパ状の凸形状になった凸部29aがあり、この凸部29aには開口部が設けられている。この凸部29aと、保持ピン5fが相対するようになっている。
30は、プレート式水冷媒熱交換器5の保持ピン5fと、保持板29の凸部29aを接合固定するための固定ナットであり、プレート式水冷媒熱交換器5と保持板29の間に、主断熱材28を挟み込んで固定される。(図1で示す、破線で示した方向で保持される)
この際に、凸部29aと、保持ピン5fの付け根部分は当接することとなる。
また、テーパ状の凸部である、凸部29aと、テーパ状になっている主断熱材28の主断熱開口部28aも相対して当接するようになっている。
このようにしてプレート式水冷媒熱交換器5は、板金である保持板29と一体化され、その間に、主断熱材28が挟み込まれた形となり、熱交換器ユニット5Aとなる。
熱交換器ユニット5Aは、図5から図7に示すように、圧縮機4の右側方前に配される。熱交換器ユニット5Aの固定方法に関しては図7を用いて後述する。
冷媒回路8においては、圧縮機4にて高圧まで圧縮されて吐出された高温の冷媒は、プレート式水冷媒熱交換器5の上方に配された、冷媒入口部5aから、プレート式水冷媒熱交換器5に流入する。
また、図5に示すように、底板26の前方にプレート式水冷媒熱交換器5(熱交換器ユニット5A)が配されており、本体後方に向かって、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c,熱媒出口部5dが向いていることとなる。
7は、蒸発器である空気冷媒熱交換器であり、L字状に折り曲げられた形をしており、底板26に載置されている。
9は、空気冷媒熱交換器7の内方に配された送風ファンであり、空気冷媒熱交換器7を強制的に空気を通過させ、空気と冷媒の熱交換を促進する。
31は、送風ファン9を駆動する送風モータ、32は、送風モータ31を保持するモータ台であり、モータ台32は、底板26に固定されている。
33は、送風ファン9の部分と、圧縮機4、プレート式水冷媒熱交換器5、減圧器である膨張弁6の部分を隔離するための、仕切板であり、仕切板33で、送風室34(一点鎖
線で記載した範囲)と機械室35(点線で記載した範囲)が区分けされている。
減圧器としての膨張弁6は、プレート式水冷媒熱交換器5の冷媒出口部5b(冷媒入口部5aの下方にあるが図示せず)と配管接続され、その先に、空気冷媒熱交換器7が配管接続されている。
このような冷媒回路8を構成する冷媒配管は、機械室35内の圧縮機4の上方及び側方、かつ、熱交換器ユニット5A(プレート式水冷媒熱交換器5)の後方に配されている。
上記各種部品、モータなどが、ヒートポンプ熱交換装置の室外機1を覆う外装体に収納されている。
この外装体60は、底板26に取り付けられた、前方を覆う前板36、右側方及び右後方を覆う右側板37、左側方を覆う左側板(図示せず)、前板36、右側板37、左側板に載置されて上方を覆う天板(図示せず)で構成されている。
熱動弁17は、外装体60の右側方、かつ、熱交換器ユニット5Aの右外方に配され、右側板37の外方に突出した形で、複数の熱動弁17が縦に並ぶように配されている。なお、熱動弁17が一個の場合は、右側板37の外方に熱動弁17が一個配されていることとなる。
なお、熱動弁17は、プレート式水冷媒熱交換器5で加熱され、温水となった水あるいは不凍液などの熱媒、あるいは冷水を外部放熱器2へと、熱媒配管3を介して、室外機1から送る際の通過点となる。
また、熱動弁17の側方で、同じく右側板37の外に飛び出た部分には、同じく縦に並んだ、熱媒戻りポート20が配されている。ここで、熱媒戻りポート20は、外部放熱器2で放熱され、低温となった、水あるいは不凍液などの熱媒が室外機1に戻って来る際の通過口の役目を果たしている。
38は、熱動弁17と温水戻りポート22とが取り付けられている、ポート取付具であり、このポート取付具38は、右側板37の外方に突出した形で配設されている。
つまり、熱動弁17と熱媒戻りポート20、および、これらが取り付けられたポート取付具38は、室外機1の外装体から側方に突出した構成であり、熱交換器ユニット5Aの側後方に配されているる。
19は、熱動弁17に接続された往きヘッダ管であり、この往きヘッダ管19と、プレート式水冷媒熱交換器5の熱媒出口部5dをつなぐ配管に水冷媒熱交出口温センサ23が取り付けられている。
15は、圧縮機4後方,プレート式水冷媒熱交換器5(熱交換器ユニット5A)の後方の右側板37の後方に飛び出した形状で設けられたシスターンタンクである。シスターンタンク15は、低温から高温となり、体積が増した水あるいは不凍液などの熱媒の、体積膨張分を吸収する役目を持つ。特に体積膨張率の大きな不凍液を使用する際には、水あるいは不凍液などの熱媒が溢れないように容積が決定される。
16は、シスターンタンク15に設けられた、水位センサであり、シスターンタンク15内の水位を検知し、水位が下がると、警告を使用者に知らせ、リモコン25に表示することで、水あるいは不凍液などの熱媒の補給を使用者に促す。
循環ポンプ14は、シスターンタンク15の下方に配され、シスターンタンク15と同じく、圧縮機4後方の右側板37の背面に突出した形で配設されている。
つまり、シスターンタンク15、循環ポンプ14は、いずれも、圧縮機4後方であり、熱交換器ユニット5Aの後方に当る位置に、右側板37の背面に突出した状態で配されている。
そして、循環ポンプ14、シスターンタンク15は、右側板37の背面に設けられた後方外装体47に収納される。
循環ポンプ14は、温水回路13内を温水が強制的に循環するように、運転を行う。また、循環ポンプ14は、プレート式水冷媒熱交換器5の熱媒入口部5cと配管接続されている。
図8に示す、ヒートポンプ熱交換装置の冷媒回路、熱媒回路図で見れば、破線Aで囲まれた範囲が、後方外装体47の内方に収められていることとなり、破線Bで囲まれた範囲が、ポート取付具38に配設されていることとなる。
図7に示す、下面からの内観斜視図には、図1、図2で示した熱交換器ユニット5Aと外装体との固定方法を記載している。
熱交換器ユニット5Aは、底板26上に載置され、底板26と保持板29とが複数のビス39aで固定され、さらに右側板37と保持板29とがビス39bで側方から固定されている。これにより強度を確保している。
以下、図面に基づいて、上記ヒートポンプ熱交換装置の動作を説明する。
圧縮機4を運転すると、高圧まで圧縮されて吐出された冷媒は、圧縮機の吐出配管を通り、プレート式水冷媒熱交換器5に送られ、循環ポンプ14により送られてきた水あるいは不凍液などの熱媒と熱交換して放熱する。これにより、加熱された水あるいは不凍液などの熱媒は低温の熱媒から高温の熱媒となる。
プレート式水冷媒熱交換器5から流出する冷媒は、減圧器である膨張弁6にて減圧膨張され、蒸発器である空気冷媒熱交換器7に送られ、送風ファン9にて送られた空気と熱交換して、蒸発してガス化する。このガス化した冷媒は、再度、圧縮機4に吸入され、圧縮される過程を繰り返し、高温高圧の冷媒と熱媒とが、プレート式水冷媒熱交換器5にて熱交換を行うことで、高温の熱媒が生成される。
温水回路13に関しては、循環ポンプ14を運転することで、プレート式水冷媒熱交換器5において加熱された水あるいは不凍液などの熱媒は、強制的に、往きヘッダ管19に送られ、この往きヘッダ管19で複数個所(図では4箇所、1箇所で分岐されないケースもある)に分岐され熱動弁17に送られる。
熱動弁17は、リモコン25で設定された外部放熱器2へと流れる箇所が開放され、それ以外の箇所は閉止されており、熱媒は、熱動弁17、熱媒往きポート18、および室外機1の外部に取り付けられた熱媒配管3を通って、外部放熱器2へと導かれる。外部放熱器2では放熱が行われ、外部放熱器2が設置された居室などを暖房する。
外部放熱器2で放熱し、低温となった水あるいは不凍液などの熱媒は、熱媒配管3を通
り、熱媒戻りポート20へと流れてくる。熱媒戻りポート20を通過した熱媒は、さらに戻りヘッダ管21を通過して、シスターンタンク15の下面よりシスターンタンク15へと流入する。なお、シスターンタンク15には上方に空気層を有するように、一定量の水あるいは不凍液などの熱媒が蓄えられることとなる。
その後、熱媒は、シスターンタンク15の下面より、循環ポンプ14によって強制的に吸引されて、プレート式水冷媒熱交換器5に送られ、プレート式水冷媒熱交換器5で加熱されて、再び外部放熱器2へと導かれる動作を繰り返す。このように、熱媒が温水回路13を循環することで、外部放熱器2で放熱した水あるいは不凍液などの熱媒で、居室の暖房が行われることとなる。
この際に、冷媒−熱媒熱交換器として用いているプレート式水冷媒熱交換器5は一般的にステンレスをブレージングして構成されており、重量物である。一般的に、80枚積層したプレート式水冷媒熱交換器5では、その質量は10kgを超える。枚数を増やした際は、さらに質量が大きくなる。
この重量物であるプレート式水冷媒熱交換器5を、保持ピン5fを介して保持板29の凸部29aと固定し、保持板29を外装体60を構成する底板26および右側板37で保持することで、熱交換器ユニット5Aを、強固に保持することができる。
これにより、室外機1本体を搬送中に誤って落下させた際などに、重量物であるプレート式水冷媒熱交換器5が移動して、外装体や内部の部品に変形が生じるといった不具合を防ぎ、強度面で強固なヒートポンプ熱交換装置とすることができる。
また、プレート式水冷媒熱交換器5の断熱性を高めることで、放熱量を低減して、運転効率を向上させることができる。ここで、断熱性を長期間に渡り維持するためには、主断熱材28の断熱性能を長期化維持することが重要である。
これに対して、質量の大きなプレート式水冷媒熱交換器5を、プレート式水冷媒熱交換器5にある2箇所の保持ピン5fで、保持板29の凸部29aと固定し、その間に主断熱材28を挟み込んでいることで、主断熱材28は、プレート式水冷媒熱交換器5と保持板29の間で、常に一定間隔を保って保持される。
これにより、主断熱材28には過度な圧縮荷重がかかることはなく、長期にわたって使用された場合でも、主断熱材28の厚みが減少し痩せてくるといった現象を抑制することができる。したがって、長期間安定した断熱性能を確保することができる。
また、主断熱材28に荷重がかかっていないので、熱交換器ユニット5Aの位置ずれを抑制し、特に熱交換器ユニット5Aと配管との接合部において、亀裂の発生を抑制することができる。
プレート式水冷媒熱交換器5のうち、冷媒回路8と接続される冷媒入口部5a、冷媒出口部5bには、加工過程において、熱交換器ユニット5Aを構成する前に、それぞれ冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bがロウ付けされる。
これは、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bの材質は銅製であり、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dはステンレス製であるために、配管接合箇所を高温にして行う、銀ロウ付けが必要であるためである。
つまり、銀ロウ付けの際に、主断熱材28や、保持板29がプレート式水冷媒熱交換器
5の周囲にあると、ロウ付け時に発生する熱によって損傷が生じる可能性があるが、熱交換器ユニット5Aの組立前に、プレート式水冷媒熱交換器5に、冷媒入口部管27aおよび冷媒出口部管27bをロウ付けすることで熱損傷を防止することができる。
ここで、プレート式水冷媒熱交換器5にロウ付け接合される冷媒入口部管27aおよび冷媒出口部管27bの形状は、冷媒回路8を構成する配管のレイアウトに左右される。
例えば、図1で示す冷媒入口部管27aは、L字状で上方を向いており、冷媒出口部管27bは斜め上方を向いている。これは、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bの先端に、さらに銅配管をロウ付け接合する際に発生する熱による、主断熱材28の溶解を防止するためである。そのため、図1に示すように、L字状に形成して、主断熱材28との間に一定距離を確保する場合がある。
このとき、保持ピン5fを、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bが接続される面と反対面に設けておくことで、主断熱材28に、冷媒入口部管27aおよび冷媒出口部管27bの干渉を避けるための欠切部を設ける必要がなく、主断熱材28によってプレート式水冷媒熱交換器5を覆う面積を多くすることができる。
よって、プレート式水冷媒熱交換器5からの放熱ロスを軽減し、省エネルギー性の向上を実現することができる。
また、一体成型した主断熱材28を用いることにより、組立の際の工数を削減しながら、主断熱材28による断熱効果をより向上させて、省エネルギー性をより向上させることができる。
ここで、主断熱材28はその下方である主断熱材下面28bを他面よりも厚く形成するとともに、主断熱材28は、底板26上に、保持板29を介して固定されている。
なお、底板26には、冷媒を圧縮・循環する圧縮機4が載置され、圧縮機4は加振源、かつ、騒音の発生源でもある。そのため、圧縮機4によって発生する振動が伝播し、プレート式水冷媒熱交換器5が振動して、接続配管の応力が増大する恐れがある。
これに対し、主断熱材28は、主断熱材下面28bが他面より厚く形成されていることで、プレート式水冷媒熱交換器5に伝わる振動を軽減することができる。これは、発泡スチロール製の主断熱材に振動吸収効果があるためである。そのため、プレート式水冷媒熱交換器5の振動が抑制されることで、接続配管へと伝播する振動も軽減され、長期間に渡って信頼性の向上したヒートポンプ熱交換装置を実現することができる。
なお、主断熱材下面28bが他面よりも厚く形成されていることは、振動抑制のみならず、騒音値の上昇などに対しても低減効果があり、低騒音で低振動のヒートポンプ熱交換装置を実現することができる。
さらに、プレート式水冷媒熱交換器5(熱交換器ユニット5A)を、圧縮機4の右前方、かつ、室外機1の右前方に配しているので、例えば、プレート式水冷媒熱交換器5が目詰まりをして(特に、熱媒の循環する温水回路13側にコンタミネーションが詰まる場合などがある)、交換の必要性が生じた場合に、前板39を外すことで、容易に視認でき、また、分解することが容易である。
また、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bにロウ付けされた冷媒配管をはずす場合にも、右側板37を外すことで、容易に視認することができるので、室外機1を移動させること
なく交換することが可能となり、サービス性、メンテナンス性に優れたヒートポンプ熱交換装置を実現することができる。
また、プレート式水冷媒熱交換器5が、機械室35内に配設されているので、送風室34に水冷媒熱交換器が配設される場合と比較して、送風室34内の通風抵抗を低減して、空気冷媒熱交換器の熱交換性能を向上させることができる。
また、プレート式水冷媒熱交換器5は、能力および運転効率を上昇させるという要求に対して、プレートの積層枚数を増加させることで対応でき、また、積層枚数が増加すると、熱媒回路における圧損も減ずるという特徴がある。一方、能力を低くする場合にも、積層枚数を減ずることで対応することができる。
このように、プレート式水冷媒熱交換器5は、様々な能力の熱交換器ユニットを、プレートの積層枚数の調整によって容易に実現することできるという特徴がある。
そのため、プレート式水冷媒熱交換器5を室外機1本体前方に配設するとともに、シスターンタンク15および循環ポンプ14を外装体60の後方に配設し、かつ、冷媒回路8あるいは温水回路13の配管をその間に配置する構成とすることで、配管長の変更のみによって、積層枚数の異なる様々なプレート式水冷媒熱交換器5に容易に対応することができる。
ここで、冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dを同一面に設け、室外機1の後方(機械室35の内方)に向かって、それぞれの入口および出口が形成されていることで、積層枚数の異なる様々なプレート式水冷媒熱交換器5に、さらに容易に対応することができる。つまり、プレート式水冷媒熱交換器5と、シスターンタンク15および循環ポンプ14の間に配設積される、配管の設計変更のみにて対応することができる。
このように、多機種展開を行う際の能力、運転効率のバリエーション対応が本体構成を変えずとも可能となり、汎用性の高いヒートポンプ熱交換装置とすることができる。
また、プレート式水冷媒熱交換器5(熱交換器ユニット5A)を、機械室35内の、圧縮機4の前方かつ側方に配し、さらにプレート式水冷媒熱交換器5の側方かつ外装体60の外方には熱動弁17を配していることで、熱媒は、短距離で熱動弁17へ導かれ、熱媒の放熱ロスを低減してエネルギー効率を向上させることができる。
また、室外機1の後方にシスターンタンク15および循環ポンプ14を配設して、室外機1側方に熱動弁17を配設し、さらに、熱交換器ユニット5Aを前方に配設して、その間に冷媒回路8や温水回路13を構成する配管を配置することができるので、冷媒回路および水冷媒熱交換器を一体の本体に納めた構成がコンパクトに実現でき、設置汎用性の高い、ヒートポンプ熱交換装置とすることができる。
これにより、室外に設置する際に必要となる面積の縮小化(室外に設置するのは外装体の本体面積となる)を図りながら、一体の室外機1のみで、外部放熱器2へと接続して使用できる、コンパクトなヒートポンプ温水暖房装置を実現することができる。
なお、室外機1に関しては、プレート式水冷媒熱交換器5や、循環ポンプ14、シスターンタンク15を内包していない、ヒートポンプ熱交換装置と同等とすることも可能であり、金型投資の削減、ひいてはコストダウンも可能となる。
なお、図3は、熱交換器ユニット5Aの分解斜視図として、プレート式水冷媒熱交換器5の形状で、図1と異なる構成を示しており、プレート式水冷媒熱交換器5およびその周囲の部品を表している。
図1に示す構成では、主断熱材28は直方体形状のプレート式水冷媒熱交換器5の5つの面を覆っており、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bのある面は覆っていない。
それに対して、図3に示す構成では、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bが形成されている面側に、前断熱材40を設けている。ここで、前断熱材40は、プレート式水冷媒熱交換器5の冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dのある面を断熱する、発泡スチロール製の前断熱材である。
前断熱材40は、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bと相対する部分はU字カット形状の欠切部40aを設けてあり、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dと相対する部分は丸抜き穴形状の欠切部40bを設けている。
前述したように、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bは、プレート式水冷媒熱交換器5を熱交換器ユニット5Aとして組み立てる前に、ロウ付けしておくことが望ましい。
これは、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bの材質は銅製であり、プレート式水冷媒熱交換器5の冷媒入口部5a、冷媒出口部5b、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dはステンレス製であることから、双方の接合のために銀ロウ付けを行う必要があるためである。なお、銅管同士のロウ付けには銅ロウが用いられるが、これは銀ロウ付けと比較して低温で行うものであり、熱交換器ユニット5Aの組立て後でも比較的容易な工程である。
一方、銀ロウは銅ロウよりも高温でないと融解せず、ロウ付けを行うことができない。そのため、銀ロウ付けを事前に行うことが組立性の向上につながる。
そのため、主断熱材28は、プレート式水冷媒熱交換器5において、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bが形成されている面を除く、五面を断熱しているが、図3に示す構成では、別体である前断熱材40を用いて、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bが形成されている面を覆うことで、さらに断熱性を向上させて省エネルギー性の向上を図っている。
このとき、前断熱材40は、冷媒入口部5aおよび冷媒出口部5bと相対する部位に、U字カット形状の欠切部40aを設け、プレート式水冷媒熱交換器5と冷媒入口部管27aおよび冷媒出口部管27bのロウ付け後であっても組立が容易な構成としている。また、熱媒入口部5cおよび熱媒出口部5dに関しては、配管をネジ止めするために、熱媒入口部5cと熱媒出口部5dに相対する箇所に、丸抜き穴形状の欠切部40bを設けることで、組立性の向上を図りながら、断熱性能を向上させる構成としている。
また、図2および図3に示すように、主断熱材28と、プレート式水冷媒熱交換器5とを係合した際に、主断熱材28の最前部28cが、プレート式水冷媒熱交換器5よりも突出するように構成すると、前断熱材40を、主断熱材最前部28c内方で、プレート式水冷媒熱交換器5の前にはめ込むことが可能である。
このとき、図2で示すように、プレート式水冷媒熱交換器5の冷媒入口部5a、冷媒出口部5bのある面より、一定距離Bだけ、主断熱材28を突出させておく。なお、前断熱材40を用いない場合であっても、一定距離Bだけ突出させておいて構わない。
図4は、熱交換器ユニット5Aの分解斜視図として、プレート式水冷媒熱交換器5の形状で、図1および図3と異なる構成を示しており、プレート式水冷媒熱交換器5およびその周囲の部品を表している。
図4は、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bを同一面に、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dを反対面に設けたプレート式水冷媒熱交換器を示している。
図4において、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bは、直方体のプレート式水冷媒熱交換器5の長方形部の一方の面に配され、その反対面に熱媒入口部5c、熱媒出口部5dが配されている。
冷媒入口部5a、冷媒出口部5bの反対面であり、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dと同一面には、外方に飛び出した、保持ピン5fが2箇所設けてあり、タップがきってあり、オネジとなっている。
28は、直方体のプレート式水冷媒熱交換器5の、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bのある面を除いた外周の五面を覆い、断熱性を保持するために設けられた発泡スチロール製の主断熱材であり、五面を覆うために、内方を抉り取った形状となっている。
また、保持ピン5fと相対する部分には、主断熱材開口部28aが設けられており、テーパ状になっている。また、この主断熱材28は、下方である主断熱材下面28bの厚さを、それ以外の面の厚さよりも厚く形成している。
29は、主断熱材28の外方に設けられた保持板であり、板金を曲げて加工して、主断熱材28の5面を覆う構成となっており、箱状に構成してある。保持板29には、プレート式水冷媒熱交換器5に向かって径が減少するテーパ状の凸形状に形成される凸部29aがあり、この凸部29aには開口部が設けられており、凸部29aと、保持ピン5fが相対するようになっている。
30は、保持ピン5fと、保持板29の凸部29aとを接合固定する固定ナットであり、プレート式水冷媒熱交換器5と保持板29の間に、主断熱材28を挟み込んで固定する(図1で示す、破線で示した方向で保持される)。
ここで、熱交換器ユニット5Aへの組立工程の前には、冷媒入口部5a、冷媒出口部5bに、それぞれ冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bがロウ付けされる。ここで、冷媒入口部管27aおよび冷冷媒出口部管27bは、冷媒回路8を構成する配管のレイアウトに左右され、例えば、前述したような理由により、例えば、図4で示すようなL字状に形成される。
このとき、保持ピン5fを、冷媒入口部管27aおよび冷媒出口部管27bの形成される面と反対面に設けることで、内方を抉り取った形状の主断熱材28の底部に、冷媒入口部管27aおよび冷媒出口部管27bとの干渉を避けるための開口部を設ける必要がなく、主断熱材28によってプレート式水冷媒熱交換器5を覆う面積を増加させ、断熱性能を向上させることができる。
なお、この場合、熱媒入口部5c、熱媒出口部5dと相対する主断熱材28の底部28eには、熱媒出口部5cおよび熱媒出口部5dとの干渉を避けるために、熱媒開口部28dを設けることが必要となる。
しかしながら、熱媒出口部5cおよび熱媒出口部5dにはオネジがきってあり、ネジ止
めによって配管固定を行うので、丸状の熱媒開口部28dのみで対応することができるので、その開口面積は、冷媒入口部管27a、冷媒出口部管27bを避けるための欠切部が占める面積よりも小さくすることができ、断熱性能の低下を抑制することができる。
さらに、丸状の熱媒開口部28dによって、主断熱材28の強度を保ちながら断熱性能を確保することができる。
なお、ヒートポンプ熱交換装置としては、暖房専用であるヒートポンプ温水暖房装置に限らず、図9に示すように、圧縮機4とプレート式水冷媒熱交換器5の間に四方弁41を配し、この四方弁41を切り替えることで、暖房も冷房も出来るようにしたヒートポンプ熱交換装置であってもよい。
以上のように、本発明は、プレート式水冷媒熱交換器を用い、その周囲を主断熱材で覆い、また、主断熱材の断熱性能を長期間維持可能な構成とするとともに、プレート式水冷媒熱交換器を保持板を介して外装体によって固定して強度を向上させ、さらには、コンパクトでメンテナンス性が向上したヒートポンプ温水暖房装置を提供することができる。