JP6019073B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、アンダーボーンレース用として好適であり、旋回性能を向上させた自動二輪車用タイヤに関する。
自動二輪車では、図5に略示するように、後輪タイヤarの接地点prから前方に向かって斜め上方にのびるロール軸Zを中心として、左右に回転するように車体を倒し込むロール(バンクと呼ぶ場合がある。)と、このロールに呼応するように発生する前輪タイヤafの舵角とによって旋回が行われる。
そして自動二輪車用タイヤでは、旋回性能を高めるために、ロール中期から終期にかけて前記舵角及びその手応え(以下「ロール手応え」という。)を増加させ、ロールを怺えてタイヤを倒れ込み難くさせるというロール特性、並びに前記ロール手応えの過渡特性がリニアで操縦しやすいことが要求される。
他方、例えば排気量150cc程度以下の小排気量の自動二輪車を用いたロードレース、例えばアンダーボーンレースなどの人気が、近年高まりつつあり、この種のレースに使用されるタイヤにおける走行性能、特に旋回性能の向上が望まれている。
下記の特許文献1には、トラクション性能及びタイヤ寿命を維持しつつ、ロール特性を向上させた自動二輪車用タイヤが提案されている。しかしロードレースでは、走行スピードが速く、より迅速なロール動作が要求される。そのため、前記文献1で提案されたタイヤでは、ロール手応えの過渡特性については十分でなく、旋回性能のさらなる改善が要求される。
特開2013−159207号公報
そこで本発明は、ロール中期から終期にかけて、ロール特性を確保しながらロール手応えの過渡特性等を向上させて旋回性能を高めうる自動二輪車用タイヤを提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部に、タイヤ赤道よりもタイヤ軸方向一方側の第1のトレッド領域に配される第1のトレッドパターンと、タイヤ赤道よりもタイヤ軸方向他方側の第2のトレッド領域に配される第2のトレッドパターンとを有し、しかも前記第1、第2のトレッドパターンがタイヤ赤道を基準とした線対称状をなしかつタイヤ周方向に位置ずれした自動二輪車用タイヤであって、
前記第1、第2のトレッド領域を、タイヤ赤道からトレッド端までのトレッド展開半幅Wの40%の巾を有するタイヤ赤道側のセンター域と、トレッド展開半幅Wの40%の巾を有するトレッド端側のショルダー域と、その間のミドル域との3つに仮想区分したとき、
前記第1、第2のトレッドパターンは、それぞれ、前記センター域とミドル域とに跨って配される内のミドル傾斜溝、前記ミドル域とショルダー域とに跨って配される外のミドル傾斜溝、及び前記ショルダー域のみに配されるショルダー傾斜溝を含み、
前記ショルダー傾斜溝は、トレッド端に連通するとともに、
前記内のミドル傾斜溝と外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とは、それぞれタイヤ軸方向内端から外端までタイヤ周方向に対して同方向に傾斜してのび、
かつ前記外のミドル傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度θbは、前記ショルダー傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度θcよりも小、かつ前記内のミドル傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度θaよりも大であり、
前記内、外のミドル傾斜溝は、タイヤ軸方向視において互いに重ならず、かつタイヤ周方向視において互いに重なるとともにそのタイヤ軸方向の重なり巾We1は、前記外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb1の20〜40%であり、
前記外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならず、かつタイヤ周方向視において互いに重なるとともにそのタイヤ軸方向の重なり巾We2は、前記溝長さLb1の10〜30%かつ前記重なり巾We1よりも小であり、
前記内のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とは、タイヤ軸方向視及びタイヤ周方向視において互いに重ならないことを特徴としている。
本発明に係る自動二輪車用タイヤでは、前記内のミドル傾斜溝は、タイヤ赤道を跨ぐことなくセンター域で内端が終端することが好ましい。
本発明に係る自動二輪車用タイヤでは、前記第1、第2のトレッドパターンは、前記センター域のみに配されるセンター傾斜溝を含み、かつ前記センター傾斜溝は、タイヤ周方向に対する傾斜方向が、前記内、外のミドル傾斜溝及びショルダー傾斜溝の傾斜方向と逆向き、かつタイヤ周方向に対する角度αが、前記角度θaよりも小であることが好ましい。
本発明に係る自動二輪車用タイヤでは、前記第1、第2のトレッドパターンは、前記ショルダー域のみに配されるショルダー副溝を含み、かつ前記ショルダー副溝は、トレッド端に連通することが好ましい。
本発明に係る自動二輪車用タイヤでは、前記ショルダー副溝は、内、外のミドル傾斜溝及びショルダー傾斜溝とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならないことが好ましい。
本発明に係る自動二輪車用タイヤでは、前記内のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLa1、前記外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb1、及び前記ショルダー傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLc1は、次式(1)の関係を有し、
かつ前記内のミドル傾斜溝のタイヤ周方向の溝長さLa2、前記外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb2、及び前記ショルダー傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLc2は、次式(2)の関係を有することが好ましい。
Lc1>La1>Lb1 −−−(1)
La2>Lb2>Lc2 −−−(2)
本願発明において、トレッドパターンにおける溝深さ以外の寸法は、トレッドパターンを平面に展開したときに特定される値とする。
本発明は叙上の如く、第1、第2のトレッドパターンが、それぞれ内、外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とを含んで構成される。
そして前記ショルダー傾斜溝が、トレッド端に連通している。そのため、ショルダー域においてトレッド面が撓みやすくなり、接地時、タイヤ周長がトレッド端側で減少する。即ち、ミドル域とショルダー域とで外径差が生じ、旋回半径の中心に向かって内向力が発生する。従って、この内向力の発生分だけ旋回力が増し旋回速度を高めうるなど旋回性能が向上される。
又前記内、外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とが同方向に傾斜し、かつその角度θa、θb、θcが、θa<θb<θcの関係にある。そのため、トレッド横剛性がトレッド端側に向かって増加する。その結果、ロール中期から終期にかけて、ロール角度の増加とともに横力が増し、ロール手応えが大きくなることでタイヤの倒れ込みが抑えられる。即ち、ロール特性を向上しうる。
又内、外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とが、タイヤ軸方向視において重ならない。そのため、トレッド周方向剛性が均一化し、一定のバンク状態で旋回しているときの剛性変化がなくなり、旋回時の安定性が確保される。しかも、タイヤ周方向においては、内、外のミドル傾斜溝が重なり巾We1で重なり、かつ外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とが重なり巾We2で重なる。そのため、ロール手応えの変化が滑らかとなり、ロール手応えの過渡特性をよりリニアに近づけることが可能となる。
本発明の自動二輪車用タイヤの一実施例を示す断面図である。 そのトレッドパターンを示す展開図である。 パターン模様を拡大して示す展開図である。 パターン模様を拡大して示す展開図である。 自動二輪車の旋回のメカニズムを示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車用タイヤ1は、トレッド部2と、そのタイヤ軸方向両側からタイヤ半径方向の内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向の内方端に位置するビード部4とを有する。前記トレッド部2の外面(以下「トレッド面」という場合がある。)は、タイヤ赤道Coからトレッド端TEまで、タイヤ半径方向外側に凸となる円弧状に湾曲する。またトレッド端TE、TE間のタイヤ軸方向直線距離であるトレッド幅TWがタイヤ最大幅をなし、これにより自動二輪車用タイヤ特有の旋回性能が付与される。
また自動二輪車用タイヤ1は、前記トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、該カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるトレッド補強層7とを含む。これらカーカス6及びトレッド補強層7として、周知構造のものが好適に採用できる。
図2に示すように、トレッド部2は、タイヤ赤道Coよりもタイヤ軸方向一方側の第1のトレッド領域Y1に配される第1のトレッドパターンP1と、タイヤ赤道Coよりもタイヤ軸方向他方側の第2のトレッド領域Y2に配される第2のトレッドパターンP2とを有する。第1、第2のトレッドパターンP1、P2同士は、タイヤ赤道Coを基準とした線対称状をなし、かつ第1、第2のトレッドパターンP1、P2は、タイヤ周方向に、例えば略1/2ピッチ位置ずれしている。
前記第1、第2のトレッドパターンP1、P2は、それぞれ、内、外のミドル傾斜溝11、12とショルダー傾斜溝13とを含んで構成される。そして前記第1、第2のトレッド領域Y1、Y2を、それぞれ、タイヤ赤道Co側のセンター域Ycと、トレッド端TE側のショルダー域Yeと、その間のミドル域Ymとに仮想区分したとき、前記内、外のミドル傾斜溝11、12とショルダー傾斜溝13は、下記のように配される。
内のミドル傾斜溝11は、センター域Ycとミドル域Ymとに跨って配され、外のミドル傾斜溝12は、ミドル域Ymとショルダー域Yeとに跨って配され、ショルダー傾斜溝13は、ショルダー域Yeのみに配される。即ち、内のミドル傾斜溝11は、そのタイヤ軸方向の内端がセンター域Ycで終端し、かつ外端がミドル域Ymで終端する。又外のミドル傾斜溝12は、その内端がミドル域Ymで終端し、かつ外端がショルダー域Yeで終端する。又ショルダー傾斜溝13は、その内端、外端がショルダー域Yeで終端する。
前記センター域Yc及びショルダー域Yeは、それぞれタイヤ赤道Coからトレッド端TEまでのトレッド展開半幅Wの40%の巾を有し、ミドル域Ymは、トレッド展開半幅Wの20%の巾を有する。
図3に拡大して示すように、本例の第1、第2のトレッドパターンP1、P2は、それぞれ、センター域Ycのみに配されるセンター傾斜溝10をさらに含む。このセンター傾斜溝10は、タイヤ赤道Coを跨ぐことなく、タイヤ軸方向の内端Ji及び外端Joがセンター域Ycにて終端している。これによりセンター域Ycにおける周方向剛性が確保され、直進時の操縦安定性が高く発揮される。前記内端Jiのタイヤ赤道Coからの距離Ljは、前記トレッド展開半幅Wの1〜10%の範囲が好ましい。前記距離Ljがトレッド展開半幅Wの10%を超えるとウエット性能の低下を招き、逆に1%を下回ると直進時の操縦安定性の低下を招く。
前記センター傾斜溝10は、前記内端Jiから外端Joまで、本例ではタイヤ反回転方向に向かって傾斜してのびる。これにより、雨天走行時、路面上の水を接地面の巾方向外側に向かって排出でき、ウエット性能を向上させる。
センター傾斜溝10のタイヤ周方向に対する角度αは、20°以下が好ましく、20°を超えると、ロール初期における迅速なロール動作が難しくなる。前記角度αの下限値は、ロール初期から中期に至る際のロール手応えの観点から、5°以上が好ましい。本例では、前記角度αが略一定をなし、センター傾斜溝10が略直線状にのびる場合が示される。しかしこれに限定されることなく、センター傾斜溝10は、前記角度αがタイヤ軸方向外側に向かって前記角度範囲で漸増する湾曲部分を含むことができ、又溝全体が湾曲することもできる。
直進時の操縦安定性の観点から、第1のトレッドパターンP1のセンター傾斜溝10と第2のトレッドパターンP2のセンター傾斜溝10とは、タイヤ周方向に離間するのが好ましい。そのときの離間距離Kjは、センター傾斜溝10のタイヤ周方向の溝長さLj2の15〜35%が好ましい。
これに対し、前記内、外のミドル傾斜溝11、12、及びショルダー傾斜溝13は、それぞれ、タイヤ軸方向内端から外端までタイヤ周方向に対して互いに同方向、本例ではタイヤ回転方向Rに向かって傾斜する。
しかも前記外のミドル傾斜溝12のタイヤ周方向に対する角度θbは、前記ショルダー傾斜溝13のタイヤ周方向に対する角度θcよりも小、かつ前記内のミドル傾斜溝11のタイヤ周方向に対する角度θaよりも大に設定される。
即ち、内、外のミドル傾斜溝11、12、及びショルダー傾斜溝13が互いに同方向に傾斜し、かつその角度θa〜θcが、θa<θb<θcの関係を充足する。そのため、トレッド横剛性をトレッド端側に向かって滑らかに増加させることができる。その結果、ロール中期から終期にかけて、ロール角度の増加とともに横力が増し、ロール手応えが大きくなることで、タイヤの倒れ込みが抑制される。即ち、ロール特性を向上させることができる。
前記角度θaは、センター傾斜溝10の前記角度αよりも大であることが好ましく、これにより、ロール初期からのロール特性の向上を図ることができる。なお角度θaは20〜35°、前記角度θbは20〜40°、かつ前記角度θcは40〜70°であることが好ましい。角度θa〜θcが前記範囲から外れると、ロール手応え自体が不十分となってロール特性の低下を招いたり、或いはロール手応えの変化が大きくなって過渡特性を改善することが難しくなる。本例では、前記角度θa〜θcが略一定をなし、内、外のミドル傾斜溝11、12及びショルダー傾斜溝13が略直線状にのびる場合が示される。しかし、これに限定されることなく、前記角度θa〜θcが、それぞれタイヤ軸方向外側に向かって前記角度範囲で漸増する湾曲部分を含むこともでき、溝全体が湾曲することもできる。
前記内、外のミドル傾斜溝11、12は、タイヤ軸方向視において互いに重ならず、かつタイヤ周方向視において互いに重なる。しかもそのタイヤ軸方向の重なり巾We1は、外のミドル傾斜溝12のタイヤ軸方向の溝長さLb1の20〜40%である。又外のミドル傾斜溝12とショルダー傾斜溝13とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならず、かつタイヤ周方向視において互いに重なる。しかもそのタイヤ軸方向の重なり巾We2は、前記溝長さLb1の10〜30%かつ前記重なり巾We1よりも小である。又内のミドル傾斜溝11とショルダー傾斜溝13とは、タイヤ軸方向視、及びタイヤ周方向視において互いに重ならない。
このように内、外のミドル傾斜溝11、12とショルダー傾斜溝13とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならないようにタイヤ周方向に分散されている。そのため、トレッド周方向剛性が均一化し、一定のバンク状態で旋回しているときの周方向の剛性変化が低く抑えられる。その結果、旋回時の安定性が確保される。これに対して、タイヤ周方向視においては、内、外のミドル傾斜溝11、12が部分的に重なり、かつ外のミドル傾斜溝12とショルダー傾斜溝13とが部分的に重なる。そのため、トレッド横剛性の変化がより滑らかとなり、前記θa<θb<θcの関係と相俟って、ロール手応えの過渡特性をよりリニアに近づけることができる。
特に、重なり巾We1をミドル傾斜溝12のタイヤ軸方向の溝長さLb1の20〜40%とするとともに、重なり巾We2を前記溝長さLb1の10〜30%、かつ重なり巾We1よりも小としている。そのため、トレッド横剛性の変化がさらに適正化され、ロール手応えの過渡特性をよりリニアに近づけることができる。
本例では、センター傾斜溝10と内のミドル傾斜溝11とは、タイヤ軸方向視において重ならず、タイヤ周方向視においてタイヤ軸方向の重なり巾We3で重なる。これによりロール初期から中期へのロール手応えの変化を円滑化している。なお重なり巾We3は、前記重なり巾We1よりも小であるのが好ましい。
又前記ショルダー傾斜溝13は、その外端がトレッド端TEに連通している。そのため、ショルダー域Yeにおいてトレッド面が撓みやすくなり、接地時、タイヤ周長がトレッド端TE側で減少する。その結果、ミドル域Ymとショルダー域Yeとの間で外径差が生じ、旋回半径の中心に向かって内向力が発生する。従って、この内向力の発生分だけ旋回力が増し、ロール特性を維持しながら旋回性能を向上させることができる。
図4に示すように、内のミドル傾斜溝11のタイヤ軸方向の溝長さをLa1、外のミドル傾斜溝12のタイヤ軸方向の溝長さをLb1、及びショルダー傾斜溝13のタイヤ軸方向の溝長さをLc1としたとき、次式(1)の関係を充足するのが好ましい。
Lc1>La1>Lb1 −−−(1)
又内のミドル傾斜溝11のタイヤ周方向の溝長さをLa2、外のミドル傾斜溝12のタイヤ軸方向の溝長さをLb2、及びショルダー傾斜溝13のタイヤ軸方向の溝長さをLc2としたとき、次式(2)の関係を充足するのが好ましい。
La2>Lb2>Lc2 −−−(2)
このように式(1)、(2)を充足させることで、トレッド面全体に亘って剛性分布をより適正化することができ、過渡特性の向上により有利となる。なおタイヤ軸方向の前記溝長さをLa1はトレッド展開半幅Wの25〜35%、溝長さLb1はトレッド展開半幅Wの20〜30%、溝長さLc1はトレッド展開半幅Wの35〜45%がより好ましい。又タイヤ周方向の前記溝長さLa2はトレッド展開半幅Wの15〜25%、溝長さLb2はトレッド展開半幅Wの10〜20%、溝長さLc2はトレッド展開半幅Wの5〜15%がより好ましい。
本例の第1、第2のトレッドパターンP1、P2は、ショルダー域Yeのみに配されるショルダー副溝14をさらに含む。このショルダー副溝14は、ショルダー傾斜溝13よりも溝長さが小であり、しかもショルダー傾斜溝13と同方向に傾斜し、タイヤ周方向に対する角度θdは、前記角度θc以上かつ40〜70°の範囲である。
このショルダー副溝14は、トレッド端TEに連通する。これによりショルダー副溝14は、ショルダー傾斜溝13と協働して、旋回時の内向力を高めうる。ショルダー副溝14の溝巾Ld3は、ショルダー傾斜溝13の溝巾Lc3の90〜110%の範囲と略等しいことが好ましい。前記溝巾Ld3、Lc3は、溝巾が変化する場合は、トレッド端TEの位置で特定される値とする。もし溝巾Ld3が前記範囲から外れると、ショルダー副溝14とショルダー傾斜溝13とで、トレッド面での撓み量が相違するため、内向力にバラツキが生じ、旋回時の安定性が減じる恐れを招く。
トレッド面全体に亘って剛性分布をより適正化して、過渡特性の向上により有利とするために、ショルダー副溝14のタイヤ軸方向の溝長さLd1は、トレッド展開半幅Wの10〜20%、かつ溝長さLb1より小が好ましい。又同目的で、タイヤ周方向の溝長さLd2は、トレッド展開半幅Wの10%以下、かつ溝長さLc2より小であるのが好ましい。特に、溝長さLc1は、溝長さLb1と溝長さLd1との和の90〜110%、溝長さLa2は、溝長さLb2と溝長さLd2との和の90〜110%であるのがさらに好ましい。
本例のショルダー副溝14は、内、外のミドル傾斜溝11、12及びショルダー傾斜溝13とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならないようにタイヤ周方向に分散されている。そのため、トレッド周方向剛性の均一化が維持され、一定のバンク状態で旋回しているときの周方向の剛性変化が低く抑えられる。
本例では、タイヤ周方向に、内のミドル傾斜溝11、ショルダー副溝14、外のミドル傾斜溝12、ショルダー傾斜溝13の順序で配列している。このとき、内のミドル傾斜溝11とショルダー副溝14との間のタイヤ周方向の離間距離をF1、ショルダー副溝14と外のミドル傾斜溝12との間のタイヤ周方向の離間距離をF2、及び外のミドル傾斜溝12とショルダー傾斜溝13との間のタイヤ周方向の離間距離をF3としたとき、次式(3)の関係を充足するのが、制動時の安定性を高めるために好ましい。
F1<F2<F3 −−−(3)
特には、離間距離F1は前記溝長さLd2の25〜35%、離間距離F2は前記溝長さLb2の70〜80%、離間距離F3は溝長さLb2の120〜130%であるのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造をなし、かつ図2のトレッドパターンを基本パターンとした自動二輪車用タイヤ(サイズ:90/80R17)を、表1の仕様に基づき試作した。各トレッドパターンとも、内外のミドル傾斜溝及びショルダー傾斜溝の傾斜方向は、互いに同一、かつセンター傾斜溝の傾斜方向とは相違する。タイヤ軸方向視において、内外のミドル傾斜溝、ショルダー傾斜溝、及びショルダー傾斜溝は互いに重複しない。
表1において、
※1)―――「C」は、センター域のみに配され、「C〜M」は、センター域とミドル域とに跨り、「C〜S」は、センター域とミドル域とショルダー域とに跨り、「M」は、ミドル域のみに配され、「M〜S」は、ミドル域とショルダー域とに跨り、「S」は、ショルダー域のみに配されることを意味する。
※2)―――「○」は、溝がトレッド端と連通し、「×」は、溝がトレッド端と連通しないことを意味する。
※3)―――重なり巾We1、We2は、それぞれ、外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb1との比(%)で示される。
そしてこれら試作タイヤを、アンダーボーン構造の自動二輪車(排気量135cc)の前輪に装着し、実車走行により旋回性能をテストした。
<テスト方法>
下記のテスト条件にて、サーキットコースを限界走行し、直立〜フルバンクにかけての旋回性能(ロール特性、過渡特性、旋回力)をドライバーの官能評価により10点法にて評価した。数値が大きい程良好であることを示す。
<テスト条件>
タイヤ:
前輪:表1参照
後輪:市販の従来タイヤ(サイズ:100/70R17)
内圧:
前輪:160kPa
後輪:160kPa
Figure 0006019073
表に示されるように、実施例のタイヤは、ロール特性を確保しながらロール手応えの過渡特性及び旋回力を向上でき旋回性能を高めうるのが確認できる。
1 自動二輪車用タイヤ
2 トレッド部
10 センター傾斜溝
11 内のミドル傾斜溝
12 外のミドル傾斜溝
13 ショルダー傾斜溝
14 ショルダー副溝
Co タイヤ赤道
P1 第1のトレッドパターン
P2 第2のトレッドパターン
TE トレッド端
Y1 第1のトレッド領域
Y2 第2のトレッド領域
Yc センター域
Ye ショルダー域
Ym ミドル域

Claims (6)

  1. トレッド部に、タイヤ赤道よりもタイヤ軸方向一方側の第1のトレッド領域に配される第1のトレッドパターンと、タイヤ赤道よりもタイヤ軸方向他方側の第2のトレッド領域に配される第2のトレッドパターンとを有し、しかも前記第1、第2のトレッドパターンがタイヤ赤道を基準とした線対称状をなしかつタイヤ周方向に位置ずれした自動二輪車用タイヤであって、
    前記第1、第2のトレッド領域を、タイヤ赤道からトレッド端までのトレッド展開半幅Wの40%の巾を有するタイヤ赤道側のセンター域と、トレッド展開半幅Wの40%の巾を有するトレッド端側のショルダー域と、その間のミドル域との3つに仮想区分したとき、
    前記第1、第2のトレッドパターンは、それぞれ、前記センター域とミドル域とに跨って配される内のミドル傾斜溝、前記ミドル域とショルダー域とに跨って配される外のミドル傾斜溝、及び前記ショルダー域のみに配されるショルダー傾斜溝を含み、
    前記ショルダー傾斜溝は、トレッド端に連通するとともに、
    前記内のミドル傾斜溝と外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とは、それぞれタイヤ軸方向内端から外端までタイヤ周方向に対して同方向に傾斜してのび、
    かつ前記外のミドル傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度θbは、前記ショルダー傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度θcよりも小、かつ前記内のミドル傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度θaよりも大であり、
    前記内、外のミドル傾斜溝は、タイヤ軸方向視において互いに重ならず、かつタイヤ周方向視において互いに重なるとともにそのタイヤ軸方向の重なり巾We1は、前記外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb1の20〜40%であり、
    前記外のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならず、かつタイヤ周方向視において互いに重なるとともにそのタイヤ軸方向の重なり巾We2は、前記溝長さLb1の10〜30%かつ前記重なり巾We1よりも小であり、
    前記内のミドル傾斜溝とショルダー傾斜溝とは、タイヤ軸方向視及びタイヤ周方向視において互いに重ならないことを特徴とする自動二輪車用タイヤ。
  2. 前記内のミドル傾斜溝は、タイヤ赤道を跨ぐことなくセンター域で内端が終端することを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイヤ。
  3. 前記第1、第2のトレッドパターンは、前記センター域のみに配されるセンター傾斜溝を含み、かつ前記センター傾斜溝は、タイヤ周方向に対する傾斜方向が、前記内、外のミドル傾斜溝及びショルダー傾斜溝の傾斜方向と逆向き、かつタイヤ周方向に対する角度αが、前記角度θaよりも小であることを特徴とする請求項1又は2記載の自動二輪車用タイヤ。
  4. 前記第1、第2のトレッドパターンは、前記ショルダー域のみに配されるショルダー副溝を含み、かつ前記ショルダー副溝は、トレッド端に連通することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動二輪車用タイヤ。
  5. 前記ショルダー副溝は、内、外のミドル傾斜溝及びショルダー傾斜溝とは、タイヤ軸方向視において互いに重ならないことを特徴とする請求項4記載の自動二輪車用タイヤ。
  6. 前記内のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLa1、前記外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb1、及び前記ショルダー傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLc1は、次式(1)の関係を有し、
    かつ前記内のミドル傾斜溝のタイヤ周方向の溝長さLa2、前記外のミドル傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLb2、及び前記ショルダー傾斜溝のタイヤ軸方向の溝長さLc2は、次式(2)の関係を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の自動二輪車用タイヤ。
    Lc1>La1>Lb1 −−−(1)
    La2>Lb2>Lc2 −−−(2)
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