JP6018789B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料を載置する試料台を備えた荷電粒子線装置に係り、特に静電チャック等の試料と試料台との間の密着度が高い試料台を備えた荷電粒子線装置に関する。
近年の集積回路の高集積化の加速に伴い、半導体製造装置及び測定、検査装置の高精度化と処理能力の向上が求められている。特に半導体の測定や検査を行う装置においては、高集積化に伴う検査工程、検査箇所の増加に伴い、処理能力向上の要求が高くなっている。荷電粒子線装置に代表される走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)は、高集積化された半導体デバイスの測定や検査を行うのに好適な装置であり、試料台に載せられた半導体ウェハ等の試料に、電子ビームを走査することによって得られる信号を用いて、試料の測定、検査を行う装置である。
特許文献1には、荷電粒子線装置において、試料台の移動量の増加に伴う摩擦熱によって発生するビーム照射位置のずれを補正するために、温度センサを設け、温度センサの温度測定に基づいて、照射位置を補正することが説明されている。特許文献2には、真空排気時の試料の断熱膨張を抑制すべく、試料を加熱する手法が開示されている。特許文献3には、試料ステージの温度を測定し、その測定結果と、試料ステージに設けられた位置測定用のミラーと試料間の距離とを関連付けて記憶しておくことによって、照射位置の補正を行うことが説明されている。特許文献4には、真空排気の際に生ずるパターン歪みを抑制すべく、温度センサによって測定された試料の温度に基づいて、加熱手段によって試料温度を補償する手法が説明されている。特許文献5には、試料ステージの駆動によって発生する温度ドリフトを補正するように、ビーム照射位置を調整する手法が説明されている。
特開平6−13299号公報 特開2000−91201号公報 特開2003−188075号公報 特開2005−116721号公報 特開平6−36997号公報
上述のように、ステージ駆動によって生ずる温度変化による照射位置のずれや、真空排気時の断熱膨張によって生ずる照射位置のずれに対して、照射位置を補正したり、試料を加熱する等の処置を行うことが知られているが、それとは別に、試料温度とステージ温度との差分によって像ドリフトが発生することが発明者らの検討によって明らかになってきた。試料とステージが接触した際、試料とステージとの間で熱移動が発生することによって、試料が熱伸縮し、その結果、像ドリフトが発生するものと考えられる。
特許文献1乃至5には、試料ステージや試料の温度を、ステージや、予備真空排気室に設けられた温度センサを用いて、ビーム照射位置の補正を行う(特許文献1、3、4、5)ことや、試料ステージに搭載される前の試料を加熱する(特許文献2)ことが開示されているが、温度の計測結果から、例えばナノメートルオーダーの補正を行うことは事実上困難である。また、熱交換によって生ずる温度変化は、試料を試料ステージに載せた段階で生ずるため、予備真空排気室にある試料の温度を測定しても、正確な像ドリフト量の特定を行うことはできず、また、誤ったタイミングで測定を行っても、熱交換によって生ずる熱ドリフトを正確に測定することができない。
以下に、試料をステージに搭載したときに生ずる像ドリフト等を効果的に抑制することを目的とする荷電粒子線装置を提案する。
上記目的を達成するための一態様として、荷電粒子線装置によって得られる検出信号に基づいて、測定点の移動量を求め、当該移動量がゼロ、或いは所定値以下となるように、試料ステージの温度を制御する荷電粒子線装置を提案する。また、上記目的を達成するための他の態様として、試料上の複数点の移動量を計測し、当該複数点間の移動量の差に基づいて、試料と試料ステージの温度差を検出する荷電粒子線装置を提案する。更に、上記目的を達成するための他の態様として、試料温度と同じ、或いは試料温度との温度差が所定値以下となるように、試料ステージの温度を制御する荷電粒子線装置を提案する。
上記構成によれば、試料の温度によらず、像ドリフト等を効果的に抑制することが可能となる。
走査電子顕微鏡システムの全体構成図。 走査電子顕微鏡の電子光学系の詳細説明図。 画像上に表示されたターゲットパターンの例を示す図。 イメージドリフト量と経過時間の関係を示す図。 イメージドリフト量を測定する測定点の例を示す図。 ステージの制御温度を導き出すためのイメージドリフト量のサンプリング点の例を示す図。 ステージの温度補正値を算出する工程を示すフローチャート。 ステージの温度補正値を算出する工程を示すフローチャート。 ステージ温度を適正に制御した場合とそうでない場合の試料伸縮の違いを示す図。 走査電子顕微鏡システムの概要を示す図。 テンプレートマッチングの概要を示す図。 ステージ温度補正量データベースの一例を示す図。 パターンのずれ情報に基づいて、ステージの温度補正量を導出する工程を示すフローチャート。 パターンのずれ情報に基づいて、ステージの温度補正量を算出する工程を示すフローチャート。 複数のパターン移動量に基づいて、ステージの設定温度を算出する例を示す図。 複数のパターン移動量に基づいて、ステージの設定温度を算出する例を示す図。 複数のパターン移動量に基づいて、ステージの設定温度を算出する例を示す図。 ウェハの伸縮の状態を示す図。
以下、荷電粒子線装置の一態様であるSEMの概要を、図面を用いて説明する。図1は、SEMシステムの全体構成図である。オープナー3には、FOUP1のドアを開くための開閉機構が内蔵されている。FOUP1は、複数の半導体ウェハ等の試料を搭載可能な試料カセットであり、基本的には同じ製造工程を経て形成された同じ試料が搭載されている。ミニエンバイロメント4内部は与圧された空間であり、外部からの空気の流入を遮断することによって、清浄な状態が保たれている。ミニエンバイロメント4内のロボット5は、FOUP1から試料2を取り出し、ロードロック室6に搬送する。ロードロック室6は大気開放され、大気解放後ゲートバルブ7が開き、試料2はロボット5によりロードロック室6へ搬送される。搬送後ゲートバルブ7は閉じられ真空排気と同時にロードロック室6内のアライメント機構8により試料2ノッチ位置を検出する。ノッチ位置検出および真空排気が完了後、ゲートバルブ10が開き、試料室内ロボット11により試料室9内の静電チャック12上に搬送される。試料室下面には水冷ジャケット13が取り付けられており、水冷ジャケット13は、冷却水循環槽14に接続されており冷却水循環槽14を任意の温度で制御することで、水冷ジャケット13の温度制御が可能となっている。なお、以下に説明する実施例では主に、試料ステージを冷却するための冷却機構を備える例について説明するが、冷却だけではなく加熱も可能な温度制御機構を内蔵するようにしても良い。また、温度制御機構は、試料ステージの試料との接触面をより高精度に温度制御できるように、試料ステージ表面近傍に内蔵することが望ましい。更に、温度制御機構は、冷却水やガス等を循環させて、試料ステージの温度を制御するような冷却機構やペルチェ素子のような冷却機構等、種々の温度制御システムの採用が可能である。
図2は、SEMの電子光学系の全体構成を示す図である。電子銃101より放射された電子ビーム102は、対物レンズ103により細く絞られ、試料104に照射される。また、偏向信号発生器105によって発生する偏向信号は、コンピュータ106により試料104上の走査範囲、走査位置を変えることができ、偏向信号増幅器107によって偏向コイル108を励磁し、電子ビーム102を試料104上で二次元走査する。また、試料104に入射した電子ビーム102により発生した信号(二次電子信号、反射電子信号等)は、検出器109により電気信号に変換され、画像処理部110により信号処理され、画像表示用LCD111に送られる。コンピュータ106は、画像処理部110内の画像データの全部または一部を読み込むことができるほか、図示はされてないが、前記画像データに対応した画像表示用LCD111上を任意に移動可能なクロスヘアカーソルの位置情報(座標情報)を取得できる。一方、試料104を載せている試料ステージ112は、ステージ制御部113により移動され、それによって電子ビーム102の試料104上の走査位置が変化し、視野が移動する。なお、同様の視野移動は、直流増幅器114によってイメージシフトコイル115が励磁され、電子ビーム102の試料104上の走査位置がオフセットされることによっても行える。そして、この視野移動の移動量は、コンピュータ106(制御装置)によって制御される。なお、以下に説明する実施例では、荷電粒子線装置の一態様として、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を例に採って説明するが、これに限られることはなく、例えば、液体金属イオン源や気体イオン源から放出されるイオンビームを試料に照射する集束イオンビーム(Focused Ion Beam)装置を画像形成装置として適用することも可能である。
本実施例装置の主たる目的は、試料と試料ステージ(試料と直接接触する部材)との温度差によって生ずる像ドリフト等を抑制することにある。試料2が静電チャック12に搭載されると、試料2が伸縮することがある。試料2と静電チャック12の温度差による試料2の伸縮が発生すると、画像表示用LCD111で試料2上のターゲットパターン(図3)を観察していると、経過時間ごとにターゲットパターンが動いていく(以下ターゲットパターンが動く現象をイメージドリフトと称す)。
経過時間とイメージドリフト量は、図4のようなグラフになる。図4(a)は、試料外周付近で観察したものであり、イメージドリフト量が経過時間ごとにプラス方向に変移していることから、試料2が伸びていることが判る。図4(b)は試料中心付近または、試料外周付近で試料2の伸縮が無いことが判る。図4(c)は、試料外周付近で観察したものであり、イメージドリフト量が経過時間ごとにマイナス方向に変移していることから試料2が縮んでいることが判る。
特に、静電チャックのように試料を強固に保持する保持部材に上記のような現象が顕著に見られ、試料と試料ステージとの間の熱交換によって、試料の温度が変化し、それによって伸縮が発生している可能性がある。
静電チャックは、半導体ウェハの高平坦化、ステージ、試料搬送系の高速化実現のための軽量化、異物の低減が可能であり、搬送アーム等によって搬送される試料が直接載置される。このように直接試料を試料台に載置するタイプの試料台は、試料と試料台との熱伝達率が高く、例えば半導体ウェハを測定、検査する装置の場合、静電チャックと接地した半導体ウェハの温度差によって、半導体ウェハが熱伸縮し、像ドリフトが発生する可能性がある。
以下に、試料の伸縮を抑制し、イメージドリフトを効果的に抑制する荷電粒子線装置の具体的な実施例について、説明する。
図10は、図2に例示したSEM本体1001、偏向信号増幅器107、直流増幅器114、偏向信号発生器105、ステージ制御部113等を内蔵する制御装置1102、コンピュータ106の一部、或いは全部を含む演算処理装置1003からなるSEMシステムの概要を示す図である。
演算処理装置1003には、SEMを制御するための信号を生成するための制御信号発生部1004、得られた二次電子等に基づいて、試料画像を形成する画像処理部1005、試料温度、試料台温度、試料台と試料との温度差、試料台の制御温度等を演算する温度演算部1006、及び必要な情報を記憶するメモリ1007が内蔵されている。ステージ温度制御部1008は、メモリ1007に記憶された温度制御条件、或いは温度演算部1006によって求められた試料台の制御温度情報に基づいて、制御に必要な情報を制御装置1002に提供する。画像取得タイミング発生部1009は、所定のタイミングでビーム走査を行うべく、例えばSEM1001に内蔵されたブランキング電極(図示せず)を制御して、画像取得時にはブランキングを解除し、それ以外のときはブランキングを行うために必要な情報を制御装置1002に提供する。
パターンマッチング部1010では、例えば図11に例示するようなテンプレート1101を用いて、テンプレートマッチングを実行する。テンプレートマッチングとは、取得画像の中で、テンプレートとの類似度が最も高い位置を選択する手法であり、公知の手法の適用が可能である。パターン間寸法測定部1011では、取得画像中の選択された2点の距離を測定する。図11に例示するように、パターン間寸法測定部1011は、画像取得領域1102で取得された第1の画像中のマッチング位置1103の座標情報(x1,y1)と、同じ画像取得領域1102であって異なるタイミングで取得された第2の画像中のマッチング位置1104との間の距離Δdを測定する。
試料温度推定部1012は、画像処理部1005にて得られたパターン間の距離情報(パターンずれ情報)等に基づいて、試料ステージの温度補正値等を演算する。この演算法の具体的な実施態様は後述する。温度制御データベース作成部1013では、例えば、温度補正量(Amount of temperature correction)、及び試料情報(Lot No.)を関連付けて、図12に例示するようなデータベースとして記憶する。図12に例示するデータベースではパターンずれ情報(Displacement amount)が併せて記憶されているが、試料情報と補正量との関係が求まり、その関係が不変であれば、必ずしもずれ情報を登録しておく必要はない。
試料情報とは、試料の組成や半導体製造工程情報に関するものである。半導体測定装置等に搬入される試料が持つ熱は、半導体試料の組成や測定装置搬入前の半導体製造工程で如何なる作業が行われたかによって変化する場合がある。そこで、その組み合わせ毎に、温度補正量を求めておくことによって、適切な温度制御を行うことが可能となる。また、試料が置かれた環境や、前工程からの経過時間等によっても変化する場合があるため、その情報を加味したデータベースや温度の補正式を作成しておくようにしても良い。その場合、例えば経過時間ごとに、温度補正量を登録しておき、前工程と測定時間の差分に基づいて、適正な温度補正量を選択するようにしても良い。
本実施例では、試料の組成と半導体製造工程情報が共通していると考えられるロット情報を試料情報として登録する例について説明するが、無論これに限られることはなく、試料の種類を識別できるその他の識別情報であっても良い。
このようなデータベースに基づいて、試料ステージの温度を適正に制御できれば、像ドリフトを抑制することによる高精度な測定や検査を行うことが可能となる。
以上のようなデータベースを予め構築しておけば、図示しない入力装置等から試料情報を入力することによって、適正な試料ステージの温度管理を行うことが可能となる。なお、熱伸縮は、試料と試料ステージの温度差に応じて発生するものである。よって、試料ステージの温度を試料の温度に近づけるような制御ができれば、両者の温度差をゼロにしなくとも、像ドリフトの抑制効果を期待することができる。
一方、試料の種類に依らず、ずれ量と温度補正量との関係が所定の関係を維持している場合には、ずれ量の演算に基づいて、温度制御を行うようにしても良い。この場合、ずれ量と温度補正量との関係を示すデータベースがあれば良い。なお、データベースに記憶する情報は、温度補正量ではなく、当該温度補正を行うための制御装置1002に与える制御信号であっても良く、更に温度補正量や試料温度の指標値をデータベースに登録される情報として登録するようにしても良い。この場合、制御装置1002側でその指標値に基づいて、適正な温度制御が行われるようにすれば、同じ効果を実現することができる。このようにデータベースに記憶する情報は、温度補正量に関する情報であれば良く、温度自体である必要はない。
図13は、ずれ量の測定に基づいて、試料ステージの温度制御を実施する工程を示すフローチャートである。まず、試料室9にウェハを搬入する(ステップ1301)。次に、試料ステージ112を制御して、電子ビームの照射範囲に測定点を移動する(ステップ1302)。所定位置で電子ビームを走査することによって、画像を取得(ステップ1303)し、その取得画像を用いたテンプレートマッチングを実行し、対象パターンの座標情報(x1,y1)を検出する(ステップ1304)。次に、所定時間経過後、画像取得タイミング発生部1009より画像取得信号を発生(ステップ1305)する。画像取得信号に応じてステップ1303で取得した画像と同じ試料領域を走査して、画像を取得し、パターンマッチングによって対象パターンの座標情報(x2,y2)を検出する(ステップ1306)。ステップ1304で検出された座標情報と、ステップ1306で取得された座標情報は、同じ試料上のパターンの座標情報である。以上のようにして得られる(x1,y1)と(x2,y2)に基づいて、√((x2−x1)2+(y2−y1)2) を演算することによって、Δdを求める(ステップ1307)。
Δdは、単位時間(画像取得タイミング発生部1009によって設定される画像取得間時間)当たりの所定パターンの移動量である。ウェハの熱伸縮の程度に応じて、Δdが変化するため、Δdと温度補正量との関係が予め判っていれば、Δdを求めることによって、温度補正量を導き出すことができる。よって、図12に例示するようなデータベースを参照して、温度補正量を読み出し(ステップ1308)、ステージの温度制御を実施する(ステップ1309)ことによって、像ドリフトを抑制するための適正な装置条件の設定が可能となる。このように予めデータベースを構築しておくことによって、その都度、補正データを作成することなく、適正な装置条件の設定が可能となる。
例えばあるロットの1枚目のウェハに対してずれ量の測定を行い、得られたずれ量に基づいて導出された温度制御情報に基づいて、試料ステージの温度制御を行う。そして、当該温度制御のもと、同じロットのその他のウェハの測定を行うことによって、その他のウェハについては、ずれ量の測定等を行うことなく、適正な温度管理のもと、測定を行うことが可能となる。
次に、温度制御のためのデータベースが構築されていない状態にて、適正な温度補正量を導出する実施例について説明する。図14は、その工程を示すフローチャートである。まず、ウェハカセット等からウェハを取り出し、ロードロック室6等に搬入する(ステップ1401)。ここで、試料ステージ112を温度t1に加熱、或いは冷却する(ステップ1402)。そして、試料室9にウェハを搬入し、試料ステージ112に載置した後、単位時間当たりパターン移動量Δd1を算出する(ステップ1403)。パターン移動量Δdの求め方は実施例2と同じである。導入された試料は、必要に応じて他の測定や検査を行った後、試料室9から搬出される(ステップ1404)。
次に、製造条件や試料組成が同じである新たなウェハを搬入(ステップ1405)し、温度t1とは異なる温度t2に試料ステージ112を加熱、或いは冷却する(ステップ1406)。その後、最初に搬入したウェハと同様に、パターン移動量Δd2を算出する(ステップ1407)。
本実施例では、複数求められた異なる設定温度ごとのパターン移動量に基づいて、パターン移動が起きない温度条件を導出する。具体的には、図15に例示するように、ステージの設定温度(t)ごとに求められたパターン移動量Δd1,Δd2から、ステージの設定温度(t)と単位時間当たりのパターンの移動量(d)との関係を示す傾きを求め、その傾きを示す直線から、移動量(d)がゼロとなるステージの設定温度(t0)を算出する(ステップ1408)。傾きaは一般的には、(Δd2−Δd1)/(t2−t1)によって求められるものである。そして、d=atのaに求められたaと、d=0(移動量ゼロ)を代入することによって、ステージの設定温度t0を求める。また、図15の点線部分を拡大した図16に例示するように、許容可能な移動量dth(u)とdth(l)を設定することによって、ステージの制御温度に所定の幅(t(u)〜t(l))を持たせておくようにしても良い。このように制御温度に許容幅を設けておくことによって、正確な温度設定が難しいような場合や、ある程度まで温度がt0に近くなった場合に測定を開始することで、スループットを高く維持したいような場合に、像ドリフトを抑制しつつ、スループット等の条件を勘案した温度条件の設定が可能となる。
図17は、ステージ温度変化に対する像移動量が、直線的ではない場合のt0の導出法を説明する図である。図17の例では、t1〜t4にステージ温度を設定したときに得られる移動量Δd1〜Δd4に基づいて、t0を算出している。図17の例の場合、得られた移動量に基づいて、近似関数を作成し、t0を求めても良いし、外挿法によってt0を求めるようにしても良い。また、近似関数が予め分かっているような場合に、得られた移動量にフィッティングすることによって、t0を求めるようにしても良い。また、ステージ温度に対して移動量にばらつきが生ずるようであれば、複数のウェハを用いて複数の移動量を算出し、その統計量を所定温度dに対する移動量として求めるようにしても良い。
上述したような手法によれば、像ドリフト量ゼロ、或いはゼロに近いステージ温度の制御条件を容易に導き出すことができる。なお、このようにして導出された温度制御条件を試料の種類に関する情報に関連してデータベースに登録しておくことによって、その後の測定、検査のときには、適正な温度制御を行うことができる。
実施例3では、主に像ずれ量をウェハ1枚につき、1点で測定する例について説明した。これは、図18に例示するように半導体ウェハ1801は、ウェハ中心1702を起点として放射状に伸縮する場合があり、測定点1703がウェハの外周方向に向かって移動する場合はウェハが膨張している状態にあり、測定点1703がウェハ中心1702の方向に向かって移動する場合は、ウェハが収縮していると考えられるからである。
しかしながら、一方で1枚のウェハにつき、測定点を複数設定し、その複数の像ずれ量(像ドリフト量)に基づいて、ステージの温度制御条件を導き出すことも可能である。以下に、試料の伸縮を複数点(例えば中心と外周側)で試料のイメージドリフト量を計測し、そのイメージドリフト量の差から、試料ステージ機構(例えば静電チャック)と試料の温度差を推定し、温度制御ユニットの温度設定を制御する実施例について説明する。このように定期的に計測を実施し、その平均値から温度変化を推定し、温度制御ユニットを制御する。
より具体的には、図5に例示するように、試料2上の複数点にてイメージドリフト量を求め、求めた値から温度補正値を求め、温度補正値を温度制御ユニット(例えば冷却水循環槽)を制御する実施例を提案する。
図7は、温度補正値を求めるための処理工程を示すフローチャートである。静電チャック12に搬送された(S201)試料は、グローバルアライメント(S202)を実施して、試料の回転補正を行う。回転補正後、測定点(S203)MP1へ移動する。この時、MP1は、図5(a)や図5(b)のように、試料のある一箇所とする。MP1へ移動後、ターゲットパターンの画像を取得する(S204)、この画像(S204)を、予め登録された参照画像と比較(S205)し、両画像に表示されたパターンのずれを測定することによって、イメージドリフト量(ΔD)を算出する(S206)。
ステップ205の処理後、T1秒時間が経過するのを待つ(S207)。このT1はサンプリング間隔なので、画像処理速度に合わせて、0秒でも0.1秒でも2秒でも10秒でもよい。
そして、ステップ204〜207までの処理を、時間T2に達するまで繰り返す(S208)。このT2は、トータルサンプリング時間なので、試料の素材に合わせて、60秒でも120秒でも300秒でもよいが、T1より長い時間を設定する。
時間T2経過後、試料を搬出する(S209)。但し、静電チャックと試料の温度差が無い場合には、図8のシーケンスのように試料搬出は無くてもよい。
次に、新たな試料を、静電チャック12まで搬送し(S201)試料は、グローバルアライメント(S202)を実施して、試料の回転補正を行う。回転補正後、測定点MP2へ移動する(S203)。この時、MP2は、図5(a)や図5(b)や図5(c)のように、試料のある一箇所とし、MP2へ移動後、(S204)から(S209)まで処理を繰り返す。
更に測定点をMP1からMP2と交互に指定回数(S210)まで(S201)から(S209)まで繰り返す。このときの繰り返し回数は、1回でも100回でもよく、指定回数の多さが後の温度補正値の精度に繋がる。
次に、上記までで出取得したイメージドリフト量(ΔD)のデータから一部を抜粋し温度補正値(ΔT)を求める(S211)。抜粋方法としては、図6(a)のようにt1−t2区間平均のイメージドリフト量(ΔD)を用いてもよく、図6(b)のように1点のイメージドリフト量(ΔD)を用いてもよい。
温度補正値を求めるために、式1にて補正ドリフト量(ΔP)を求める。
ΔP=(N回目のMP2のΔD)−(N回目のMP1のΔT)÷N回 (式1)
次に温度補正値(ΔT)を式2で求めることができる。
ΔT=補正ドリフト量(ΔP)/温度補正係数 (式2)
ここで、温度補正係数は、装置構成により異なる。チャック温度が低く、反対にウェハ温度が高い場合、ウェハが収縮する。その際のΔPが−135nm、温度補正係数を−28.5とすると、ΔTが+5.23になる。この+5.23℃だけチャック温度を制御すると、チャックとウェハの温度差がなくなり、ウェハの伸縮が数nmで制御することが可能となる。
(S211)で算出した値を、温度制御ユニット(例えば冷却水循環槽)へフィードバックさせ(S212)、水冷ジャケットの温度制御を行うことで、図9(a)のような試料収縮量低減効果が得られることで、試料2を数nmレベルで高精度な位置ずれ補正が可能となる。
1 FOUP
2、104 試料
3 オープナー
4 ミニエンバイロメント
5、11 ロボット
6 ロードロック室
7、10 ゲートバルブ
8 アライメント機構
9 試料室
12 静電チャック
13 水冷ジャケット
14 冷却水循環槽
101 電子銃
102 電子ビーム
103 対物レンズ
105 偏向信号発生器
106 コンピュータ
107 偏向信号増幅器
108 偏向コイル
109 検出器
110 画像処理部
111 画像表示用LCD
112 試料ステージ
113 ステージ制御部
114 直流増幅器
115 イメージシフトコイル

Claims (3)

  1. 荷電粒子源と、当該荷電粒子源から放出される荷電粒子線が照射される試料を支持する試料台を備えた荷電粒子線装置において、
    前記試料台の温度を制御する温度制御部と、当該温度制御部に温度制御信号を供給する制御装置を備え、当該制御装置は、前記試料に対する荷電粒子線の走査に基づいて得られる複数のタイミングの画像情報から、前記試料が前記試料台に搭載された後、所定の時間が経過するまでの画像の移動量を求め、当該画像の移動量に応じて、前記試料台の温度を制御するための温度制御信号を前記温度制御部に供給することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御装置は、所定のタイミングで取得された第1の画像と、当該第1の画像とは異なるタイミングで取得された第2の画像に基づいて、前記画像の移動量を求めることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1において、
    前記制御装置は、前記画像の移動量が小さくなるような温度制御信号を、前記温度制御部に供給することを特徴とする荷電粒子線装置。
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