図1はコンバインの外観斜視図である。図において1は走行クローラであり、該走行クローラ1の上側に機体9が設けてある。該機体9の上には脱穀装置2が設けてある。該脱穀装置2の前側に、刈取り穀稈と非刈取り穀稈とを区別する分草板3a、穀稈を刈取る刈刃3b、及び穀稈を引き起こす引起し装置3cを備える刈取部3が設けてある。前記脱穀装置2の右側には穀粒を収容する穀粒タンク4が設けてあり、前記脱穀装置2の左部には、穀稈を搬送する前後に長いフィードチェン5が設けてある。
該フィードチェン5の上側に、穀稈を挟持する挟持部材6が設けてあり、該挟持部材6とフィードチェン5とが対向している。前記フィードチェン5の前端部付近には上部搬送装置7を配設してある。また前記穀粒タンク4には、穀粒タンク4から穀粒を排出する筒状の排出オーガ4aを取り付けてあり、穀粒タンク4の前側にはキャビン8を設けてある。キャビン8及び刈取部3の上部には作業灯50が設けてある。
走行クローラ1の駆動によって機体9は走行する。機体9の走行によって刈取部3に穀稈が取り込まれ、刈り取られる。刈り取られた穀稈は上部搬送装置7、フィードチェン5及び挟持部材6を介して脱穀装置2に搬送され、脱穀装置2内にて脱穀される。
図2は脱穀装置2の内部構成を略示する側面断面図である。図2に示すように、脱穀装置2の前側上部に穀稈を脱穀するための扱室10が設けてある。該扱室10内に、前後方向を軸長方向とした円筒形の扱胴11が軸架してあり、該扱胴11は軸回りに回動可能となっている。扱胴11の周面には多数の扱歯12、12、・・・12が螺旋状に並んでいる。前記扱胴11の下側に、前記扱歯12、12、・・・12と協働して稈を揉みほぐすクリンプ網15が配置してある。前記扱胴11は後述するエンジン40の駆動力によって回動し、穀稈を脱穀する。
前記扱室10の上壁に四つの送塵弁10a、10a、10a、10aが前後方向に並設してあり、該送塵弁10aは扱室10の後部へ送出する稈及び穀粒の量を調節する。
扱室10の後部には処理室13が連設してある。該処理室13内に、前後方向を軸長方向とした円筒形の処理胴13bが軸架してあり、該処理胴13bは軸回りに回動可能となっている。処理胴13bの周面には多数の扱歯13c、13c、・・・、13cが螺旋状に並んでいる。前記処理胴13bの下側には扱歯13c、13c、・・・、13cと協働して稈を揉みほぐす処理網13dを配置してある。
前記処理胴13bはエンジン40の駆動力によって回動し、扱室10から送出された稈及び穀粒から穀粒を分離する処理を行う。処理室13の後端部下側には排出口13eを開設してある。
前記処理室13の上壁に四つの処理胴弁13a、13a、13a、13aが前後方向に沿って並設してあり、該処理胴弁13a、13a、13a、13aは処理室13の後部へ送出する稈及び穀粒の量を調節する。
前記クリンプ網15の下側には、穀粒及び稈の選別を行う揺動選別装置16を設けてある。該揺動選別装置16は、穀粒及び稈を均一化すると共に比重選別を行う揺動選別盤17と、該揺動選別盤17の後側に設けてあり、穀粒及び稈の粗選別を行うチャフシーブ18と、該チャフシーブ18の後側に設けてあり、稈に混入した穀粒を落下させるためのストローラック19とを備える。
該ストローラック19は図示しない複数の透孔を有している。また前記揺動選別盤17の前部には揺動アーム21が連結してある。該揺動アーム21は前後に揺動するように構成されている。この揺動アーム21の揺動によって揺動選別装置16は揺動し、稈及び穀粒の選別が行われる。
揺動選別装置16は、前記チャフシーブ18の下側に設けてあり、穀粒及び稈の精選別を行うグレンシーブ20を更に備える。該グレンシーブ20の下方に、前方を下として傾斜した一番穀粒板22が設けてあり、該一番穀粒板22の前側に、一番スクリューコンベア23が設けてある。該一番スクリューコンベア23は、一番穀粒板22を滑落した穀粒を取り込み、穀粒タンク4へ送給する。
前記一番穀粒板22の後部に、後方に向けて下降傾斜した傾斜板24が連設してある。該傾斜板24の後端部に、前方に向けて下降傾斜した二番穀粒板25が連設してある。該二番穀粒板25と前記傾斜板24との連結部分の上側に稈及び穀粒を搬送する二番スクリューコンベア26が設けてある。
前記ストローラック19の透孔から傾斜板24又は二番穀粒板25に落下した落下物は前記二番スクリューコンベア26に向けて滑落する。滑落した落下物は、二番スクリューコンベア26によって前記扱胴11の左側に設けてある処理ロータ14に搬送され、処理ロータ14にて脱穀処理される。
前記一番スクリューコンベア23よりも前方であって、前記揺動選別盤17よりも下方に、起風動作を行う唐箕27が設けてある。前記唐箕27の起風動作によって発生した風は、後方へ進行する。唐箕27と前記一番スクリューコンベア23との間に、風を上向きに送り出す整流板28を配設してある。
前記二番穀粒板25の後端部に通路板36が連ねてある。該通路板36の上方には下部吸引カバー30が設けてある。該下部吸引カバー30及び通路板36の間は塵埃が排出される排気通路37になっている。
下部吸引カバー30の上方に上部吸引カバー31が設けてある。該上部吸引カバー31及び下部吸引カバー30の間に、稈を吸引排出する軸流ファン32を配設してある。該軸流ファン32の後方には排塵口33を設けてある。前記唐箕27の動作によって発生した気流は、前記整流板28によって整流された後に、前記揺動選別装置16を通過して、前記排塵口33及び排気通路37に至る。
前記上部吸引カバー31の上側であって、前記処理室13の下方に、前方を下向きとして傾斜した流下樋35が設けてある。前記処理室13の排出口13eから排出された排出物は流下樋35を滑落して前記ストローラック19に落下する。
クリンプ網15及び揺動選別装置16との間には、圧電素子を備える排出量センサ34aが設けてある。またグレンシーブ20の下側後方にも排出量センサ34bが設けてある。
クリンプ網15の後端部から漏下した穀粒が排出量センサ34aに当接し、排出量センサ34aから電圧信号が出力される。出力された電圧信号に基づいて、後述する表示部の脱穀モニタが点灯する。
グレンシーブ20の後端部から漏下した穀粒又は唐箕27からの風によって搬送された穀粒が排出量センサ34bに当接し、排出量センサ34bから電圧信号が出力される。出力された電圧信号に基づいて、後述する表示部の選別モニタが点灯する。
図3は穀粒タンク4を略示する縦断面図である。図3に示すように、一番スクリューコンベア23の上端部の軸部分23cには、矩形の羽根板23bが設けてある。該羽根板23bは、軸部分23cを中心として放射方向に突出している。該羽根板23bは、一番スクリューコンベア23に同期して回転する。
軸部分23c及び羽根板23bは、ケーシング140に収容してある。ケーシング140は、軸部分23c及び羽根板23bの周囲を覆う側面141を備える。該側面141は、軸部分23c及び羽根板23bを間にして、穀粒タンク4の側面に対向している。
穀粒タンク4の側面に投口4bが設けてある。羽根板23bは投口4bに対向している。
前記グレンシーブ20から一番穀粒板22に落下した穀粒は前記一番スクリューコンベア23に向けて滑落する。滑落した穀粒は一番スクリューコンベア23よって搬送される。穀粒に遠心力が作用し、穀粒は一番スクリューコンベア23の外周に沿って上昇する。羽根板23bは穀粒を投口4bへ向けて押し出す。
図3に示すように、投口4bの下側に、複数の押圧式スイッチ4c、4c、・・・4cが上下に並設してある。穀粒タンク4に穀粒が貯留されるに従って、押圧式スイッチ4cは貯留した穀粒によって、下側から順に押圧される。押圧された押圧式スイッチ4cは信号を出力し、該信号に基づいて後述する表示部のタンクモニタが点灯する。
また投口4bから投入された穀粒の衝撃値を検出する投口センサ300が穀粒タンク4内に配置してある。穀粒タンク4の天面から支持部材310が垂下しており、該支持部材310に投口センサ300が固定してある。
投口センサ300は、投口4bの下縁部よりも上側に配置してある。また穀粒タンク4が満杯になった場合に、穀粒タンク4に貯留された穀粒の上面よりも上側に位置する。換言すれば、満杯時に、穀粒に埋没しない上下位置及び奥行き位置に投口センサ300を配置してある。
図3において破線矢印にて示すように、押し出された穀粒は、一番スクリューコンベア23から受ける上向きの力及び羽根板23bから受ける横向きの力の合成によって、斜め上方向に移動し、投口センサ300に衝突する。
穀粒は投口4bから、羽根板23bの回転によって間欠的に穀粒タンク4へ投入される。投入された穀粒が投口センサ300に衝突する都度、歪みゲージから電圧が出力され、出力された電圧に基づいて穀粒量が制御部(不図示)によって算出される。
投口4bの上側に、穀粒の水分量を測定する水分量測定器4dが設けてある。水分量測定器4dは、投口4bから投入された穀粒を取り込んで磨り潰し、穀粒の水分量を測定する。後述する表示部の水分量モニタは、水分量測定器4dによって測定された水分量を表示する。
前述した走行クローラ1の駆動、刈取部3の刈取動作、扱胴11の回動、処理胴13bの回動、揺動選別装置16の揺動及び一番スクリューコンベア23の回転動作などはエンジン40の駆動力によって行われる。図4はエンジン40の駆動力の伝達経路を略示する伝動機構図である。
図4に示すように、エンジン40はHST(Hydro Static Transmission)41を介して走行ミッション42に連結してある。エンジン40には、エンジンへの負荷を検出するエンジン負荷検出センサ40aが設けてある。エンジン負荷検出センサ40aはエンジン40の燃料噴射量に基づいて、エンジン40への負荷を検出する。なおエンジン40は一定回転数を保つように定格制御されており、燃料噴射量の大小はエンジン40への負荷の大小に対応する。なお後述する表示部のエンジン負荷インジケータは、エンジン負荷検出センサ40aの出力信号に基づいて、点灯する。
HST41は油圧ポンプ(図示せず)と、該油圧ポンプに供給される作動油の流量及び油圧ポンプの圧力を調整する機構(図示せず)と、該機構を制御する変速回路41aとを有している。
走行ミッション42は、前記走行クローラ1に駆動力を伝達するギヤ(図示せず)を有している。走行ミッション42には、ホール素子を有する車速センサ43を設けてある。該車速センサ43は前記ギヤの回転数を検出して、ギヤの回転数に対応する機体の車速を示す信号を出力するようにしてある。後述する表示部の速度計は車速センサ43の出力信号に基づいて、速度を表示する。
前記エンジン40は電磁式の脱穀クラッチ44を介して、前記扱胴11及び処理胴13bに連結してあり、また伝動機構50に連結してある。伝動機構50は前記一番スクリューコンベア23に連結してある。
またエンジン40は脱穀クラッチ44を介して偏心クランク45に連結してある。該偏心クランク45は前記揺動アーム21に連結してある。偏心クランク45の駆動により前記揺動選別装置16が揺動する。また前記エンジン40は脱穀クラッチ44を介して前記唐箕27に連結してある。また前記エンジン40は脱穀クラッチ44及び電磁式の刈取クラッチ46を介して前記刈取部3に連結してある。
走行ミッション42を介してエンジン40の駆動力が走行クローラ1に伝達され、機体が走行する。また刈取クラッチ46を介して刈取部3にエンジン40の駆動力が伝達し、刈取部3にて穀稈が刈取られる。
脱穀クラッチ44を介して前記扱胴11にエンジン40の駆動力が伝達し、扱胴11にて穀稈は脱穀される。また脱穀クラッチ44を介して処理胴13bにエンジン40の駆動力が伝達する。処理胴13bは、扱胴11にて脱穀処理された処理物から穀粒を分離する。
また前記揺動選別装置16には、脱穀クラッチ44及び偏心クランク45を介してエンジン40の駆動力が伝達し、扱胴11から漏下した稈及び穀粒並びに処理室13の排出口13eから排出された稈及び穀粒の選別が行われる。また脱穀クラッチ44を介して唐箕27にエンジン40の駆動力が伝達し、揺動選別装置16にて選別された稈が唐箕27の起風作用によって排塵口33及び排気通路37から排出される。
次にキャビン8内部の構成について説明する。図5はキャビン8の内部を示す模式図である。キャビン8の内部には運転席80が設けてあり、該運転席80の前側にステアリングホイール81が設けてある。該ステアリングホイール81の下側にダッシュパネル82を配設してあり、該ダッシュパネル82には、車体の水平具合を調整するUFO傾きダイヤル83、水平自動制御をオン/オフにするUFO切替スイッチ84、穀粒の選別具合を調整する選別調整ダイヤル85等が配設してある。ステアリングホイール81の内側に情報を表示する表示部180が設けてある。
図6は表示部180を示す模式図である。表示部180は、矩形の液晶表示パネル181と、該液晶パネルの下側に位置する複数のスイッチ200とを備える。液晶表示パネル181は表示部180の大半を占めており、エンジン負荷インジケータ182と、速度計183と、燃料計184と、収穫モニタ185と、脱穀モニタ186と、選別モニタ187と、タンクモニタ188と、水分量モニタ189と、左ウインカ190と、右ウインカ191と、情報表示部192と、タッチパネル部193とを備える。
エンジン負荷インジケータ182は液晶表示パネル181の上側左右中央部分に位置しており、右上方向に上昇傾斜した傾斜部分182aと、該傾斜部分182aの上端部分から右方向に延出した延出部分182bとを備える。
エンジン負荷インジケータ182は複数の青色点灯部182c、182c、・・・182cと複数の黄色点灯部182d、182d、・・・182dと赤色点灯部182eとを備えており、青色点灯部182c、182c、・・・182cは傾斜部分182aと延出部分182bの左側部分を構成し、傾斜方向及び延出方向に沿って並んでいる。赤色点灯部182eは延出部分182bの右端部を構成している。黄色点灯部182d、182d、・・・182dは延出部分182bにおける右端部を除いた右側部分を構成しており、黄色点灯部182d、182d、・・・182dは延出方向に沿って並んでいる。
青色点灯部182c、黄色点灯部182d及び赤色点灯部182eは細長い平行四辺形状をなす。傾斜部分182aにおいて、青色点灯部182cは傾斜方向に交差する方向を長手方向としており、右上側に位置する青色点灯部182cの長手方向の幅は左下側に位置する青色点灯部182cよりも長い。延出部分182bにおいて、青色点灯部182c、黄色点灯部182d、赤色点灯部182eは上下方向を長手方向としており、各点灯部の長手方向の幅は略同じである。
エンジン負荷インジケータ182は、エンジン負荷が大きくなるに従って、青色点灯部182c、黄色点灯部182d及び赤色点灯部182eが左側から順に点灯し、点灯数が増加するようにしてある。エンジン負荷インジケータ182が点灯している場合、ユーザは、最も右側で点灯している点灯部の色を確認するだけでも、エンジン負荷の大小を把握することができる。
エンジン負荷インジケータ182の傾斜部分182aの右側であって、延長部分の下側に速度を表示する速度計183が位置している。該速度計183の右方に、速度計183から離隔して燃料の残量を示す燃料計184が位置している。燃料計184は赤色点灯部182eよりも右側に位置し、表示部180の右縁部分に位置している。
速度計183の下側に、羽根板23bによって穀粒が穀粒タンク4に投入される都度、投入された穀粒量を表示する収穫モニタ185が位置している。収穫モニタ185は液晶表示パネル181の下側左右中央部分に位置する。収穫モニタ185は左右に細長い矩形状をなし、投口センサ300に衝突した穀粒量の衝撃力の大小に応じて長短となるように点灯する。
収穫モニタ185は左端部から右端部に向けて伸張するように点灯する。投口センサ300に穀粒が衝突していない場合、収穫モニタ185は点灯せず、投口センサ300に穀粒が衝突する都度、瞬間的に収穫モニタ185は点灯する。
収穫モニタ185の左下側に、扱胴11の脱穀状況を示す左右に長い脱穀モニタ186(インジケータ)が位置している。脱穀モニタ186は複数の青色点灯部186a、186a、・・・186a、黄色点灯部186b、186b、・・・186b及び赤色点灯部186c、186c、・・・186cを備えている。各点灯部186a〜186cは上下に細長く右側に僅かに傾斜した線状をなし、左右方向に沿って並んでいる。
青色点灯部186aは、脱穀モニタ186の左端から中央部分に亘って配してあり、中央部分側に位置する青色点灯部186aの上下幅は右側が左側よりも長い。脱穀モニタ186の左側部分に位置する青色点灯部186aの上下幅は短く、略一定である。
黄色点灯部186bは青色点灯部186aの右側に並設してあり、右側の上下幅は左側よりも長い。赤色点灯部186cは黄色点灯部186bの右側に並設してあり、脱穀モニタ186の右端部分に位置する。赤色点灯部186cの上下幅は、最長の黄色点灯部186b(最も右端に位置する黄色点灯部186b)よりも長く、略一定である。
脱穀モニタ186は、排出量センサ34aに当接した穀粒量が大きくなるに従って、青色点灯部186a、黄色点灯部186b及び赤色点灯部186cが左側から順に点灯し、点灯数が増加するようにしてある。脱穀モニタ186が点灯している場合、ユーザは、最も右側で点灯している点灯部の色を確認するだけでも、脱穀された穀粒量の大小を把握することができる。
なお脱穀された穀粒量の大小に応じて、機外に排出される穀粒量も増減するので、脱穀モニタ186を確認することによって、機外に排出される穀粒量の大小(換言すれば脱穀処理状況)も把握することができる。
収穫モニタ185の右下側に、選別装置16の選別状況を示す左右に長い選別モニタ187(インジケータ)が位置している。選別モニタ187は複数の青色点灯部187a、187a、・・・、187a、黄色点灯部187b、187b、・・・187b及び赤色点灯部187c、187c、・・・187c、を備えている。各点灯部187a〜187cは上下に細長く右側に僅かに傾斜した線状をなし、左右方向に沿って並んでいる。
青色点灯部187aは、選別モニタ187の左端から中央部分に亘って配してあり、中央部分側に位置する青色点灯部187aの上下幅は右側が左側よりも長い。選別モニタ187の左側部分に位置する青色点灯部187aの上下幅は短く、略一定である。
黄色点灯部187bは青色点灯部187aの右側に並設してあり、右側の上下幅は左側よりも長い。赤色点灯部187cは黄色点灯部187bの右側に並設してあり、収穫モニタ185の右端部分に位置する。赤色点灯部187cの上下幅は、最長の黄色点灯部187b(最も右端に位置する黄色点灯部187b)よりも長く、略一定である。
選別モニタ187は、排出量センサ34bに当接した穀粒量が大きくなるに従って、青色点灯部187a、黄色点灯部187b及び赤色点灯部187cが左側から順に点灯し、点灯数が増加するようにしてある。選別モニタ187が点灯している場合、ユーザは、最も右側で点灯している点灯部の色を確認するだけでも、二番スクリューコンベア26に搬送される穀粒量の大小を把握することができる。
二番スクリューコンベア26に搬送される穀粒量の大小に応じて、機外に排出される穀粒量も増減するので、選別モニタ187を確認することによって、機外に排出される穀粒量の大小(換言すれば選別処理状況)も把握することができる。上述した脱穀モニタ186及び選別モニタ187は表示部180の中央部分に位置している。
脱穀モニタ186及びエンジン負荷インジケータ182の左方に、穀粒タンク4に貯留した穀粒量を示すタンクモニタ188が位置している。タンクモニタ188は表示部180の左縁部分に位置している。タンクモニタ188は上下に並設された点灯部を有し、押圧式スイッチ4c、4c、・・・4cが下側から順に押圧されるのに従って、点灯部も下側から順に点灯する。
脱穀モニタ186の右方に穀粒の水分量を示す水分量モニタ189が位置している。水分量モニタ189は表示部180の右縁部分に位置している。タンクモニタ188の上方に左折を示す左ウインカ190が位置しており、エンジン負荷インジケータ182の右方に右折を示す右ウインカ191が位置している。左ウインカ190及び右ウインカ191は表示部180の左右上隅部にそれぞれ配してある。
脱穀モニタ186及び選別モニタ187の下方に、時刻、変速段、警報等の各種情報を表示する情報表示部192が位置しており、該情報表示部192の下方に矢印にて表された選択スイッチ及びメニュースイッチを含むタッチパネル部193が位置している。情報表示部192及びタッチパネル部193は、表示部180の下縁部分に配してある。
エンジン負荷インジケータ182、脱穀モニタ186及び選別モニタ187は液晶表示パネル181の中央部分、換言すれば表示部180の中央部分に集中させてあり、ユーザが容易に視認できる位置にある。また同一の液晶表示パネル181に表示してあり、ユーザは表示部180を一瞥するだけでエンジン40の負荷情報と穀粒の脱穀処理状況を示す情報と穀粒の選別処理状況を示す情報とを瞬時に視界に捉えることができ、作業状況を迅速に把握することができる。
次に作物の選択について説明する。図7は作物選択画面の一例を示す模式図である。タッチパネル部193又はスイッチ200の操作によって、液晶表示パネル181の表示を、作物を選択する作物選択画面に変更することができる。
例えば図7に示すように、液晶表示パネル181は稲、小麦及び大麦を表示し、ユーザはタッチパネル部193又はスイッチ200を操作して、刈り取りの対象となる作物を選択することができる。
次に選択された作物と、エンジン負荷インジケータ182、収穫モニタ185及び脱穀モニタ186を色分けする閾値との関係を説明する。コンバインは図示しない制御部を備えており、該制御部はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、書換可能な記憶部等を備える。
記憶部には、選択された作物と、エンジン負荷インジケータ182、収穫モニタ185及び脱穀モニタ186を色分けする閾値との対応関係を示すLUT(Look Up Table)が記憶してある。
図8は選択された作物とエンジン負荷インジケータ182、収穫モニタ185及び脱穀モニタ186を色分けする閾値との対応関係を示すLUTの一例を示す概念図である。図8に示すように、エンジン負荷閾値、脱穀モニタ閾値、選択モニタ閾値の欄は、それぞれ第1閾値及び第2閾値の欄を備える。第1閾値は、青色点灯部182c、186a、187aと黄色点灯部182d、186b、187bとの境界を示す値であり、第2閾値は、黄色点灯部182d、186b、187bと赤色点灯部182e、186c、187cとの境界を示す値である。
例えば稲を選択した場合について説明する。エンジン負荷検出センサ40aの検出値がA1未満である場合、エンジン負荷インジケータ182は、青色点灯部182cのみが点灯する。エンジン負荷検出センサ40aの検出値がA1以上A2未満である場合、エンジン負荷インジケータ182は青色点灯部182cに加えて、黄色点灯部182dが点灯する。
エンジン負荷検出センサ40aの検出値がA2以上である場合、青色点灯部182c、黄色点灯部182dに加えて赤色点灯部182eが点灯する。
排出量センサ34aの検出値がA3未満である場合、脱穀モニタ186は、青色点灯部186aのみが点灯する。排出量センサ34aの検出値がA3以上A4未満である場合、脱穀モニタ186は、青色点灯部186aに加えて、黄色点灯部186bが点灯する。
排出量センサ34aの検出値がA4以上である場合、脱穀モニタ186は、青色点灯部186a、黄色点灯部186bに加えて、赤色点灯部186cが点灯する。
排出量センサ34bの検出値がA5未満である場合、選別モニタ187は、青色点灯部187aのみが点灯する。排出量センサ34bの検出値がA5以上A6未満である場合、選別モニタ187は、青色点灯部187aに加えて、黄色点灯部187bが点灯する。
排出量センサ34bの検出値がA6以上である場合、選別モニタ187は、青色点灯部187a、黄色点灯部187bに加えて、赤色点灯部187cが点灯する。小麦又は大麦を選択した場合についても、同様に点灯する(A1〜A6をB1〜B6又はC1〜C6に読み替えればよい)。
A1〜A6、B1〜B6及びC1〜C6は、作物によって決定される値であり、同一の値となるわけではない。そのため例えば、排出量センサ34bの検出値がXである場合(但し、A5<X<A6、X<B5、C6<X)、選別モニタ187は、稲を選択していれば青色点灯部187a及び黄色点灯部187bが点灯し、小麦を選択していれば青色点灯部の187aのみが点灯し、大麦を選択していれば青色点灯部187a、黄色点灯部187b及び赤色点灯部187cが点灯する。
エンジン負荷検出センサ40a及び排出量センサ34aの検出値に対する各点灯部182c〜182e、186a〜186cの点灯状態ついても同様である。
エンジン負荷検出センサ40a、排出量センサ34a、34bの検出結果に対する評価は、作物毎に異なる場合が多いところ、エンジン負荷インジケータ182、脱穀モニタ186及び選別モニタ187の色分けに対応した閾値を作物に応じて設定するので、異なる評価を、エンジン負荷インジケータ182、脱穀モニタ186及び選別モニタ187の色分けに反映させることができる。
なお作物の品種を選択することができるように構成してもよい。例えば作物選択画面において稲を選択した後、液晶表示パネル181の表示を、作物の品種を選択する品種選択画面に変更するようにしてもよい。
図9は品種選択画面の一例を示す模式図である。例えば図9に示すように、液晶表示パネル181は、稲の品種であるコシヒカリ、ササニシキ及びキヌヒカリを表示し、ユーザはタッチパネル部193又はスイッチ200を操作して、刈り取りの対象となる作物の品種を選択することができる。
次に選択された品種と、エンジン負荷インジケータ182、収穫モニタ185及び脱穀モニタ186を色分けする閾値との関係を説明する。記憶部には、選択された品種と、エンジン負荷インジケータ182、収穫モニタ185及び脱穀モニタ186を色分けする閾値との対応関係を示すLUTが記憶してある。
図10は選択された品種と、エンジン負荷インジケータ182、収穫モニタ185及び脱穀モニタ186を色分けする閾値との対応関係を示すLUTの一例を示す概念図である。例えばコシヒカリを選択した場合について説明する。エンジン負荷検出センサ40aの検出値がa1未満である場合、エンジン負荷インジケータ182は、青色点灯部182cのみが点灯する。エンジン負荷検出センサ40aの検出値がa1以上a2未満である場合、エンジン負荷インジケータ182は青色点灯部182cに加えて、黄色点灯部182dが点灯する。
エンジン負荷検出センサ40aの検出値がa2以上である場合、青色点灯部182c、黄色点灯部182dに加えて赤色点灯部182eが点灯する。
排出量センサ34aの検出値がa3未満である場合、脱穀モニタ186は、青色点灯部186aのみが点灯する。排出量センサ34aの検出値がa3以上a4未満である場合、脱穀モニタ186は、青色点灯部186aに加えて、黄色点灯部186bが点灯する。
排出量センサ34aの検出値がa4以上である場合、脱穀モニタ186は、青色点灯部186a、黄色点灯部186bに加えて、赤色点灯部186cが点灯する。
排出量センサ34bの検出値がa5未満である場合、選別モニタ187は、青色点灯部187aのみが点灯する。排出量センサ34bの検出値がa5以上a6未満である場合、選別モニタ187は、青色点灯部187aに加えて、黄色点灯部187bが点灯する。
排出量センサ34bの検出値がa6以上である場合、選別モニタ187は、青色点灯部187a、黄色点灯部187bに加えて、赤色点灯部187cが点灯する。ササニシキ又はキヌヒカリを選択した場合についても、同様に点灯する(a1〜a6をb1〜b6又はc1〜c6に読み替えればよい)。
a1〜a6、b1〜b6及びc1〜c6は、品種によって決定される値であり、同一の値となるわけではない。そのため例えば、排出量センサ34bの検出値がXである場合(但し、a5<X<a6、X<b5、c6<X)、選別モニタ187は、コシヒカリを選択していれば青色点灯部187a及び黄色点灯部187bが点灯し、ササニシキを選択していれば青色点灯部の187aのみが点灯し、キヌヒカリを選択していれば青色点灯部187a、黄色点灯部187b及び赤色点灯部187cが点灯する。
エンジン負荷検出センサ40a及び排出量センサ34aの検出値に対する各点灯部182c〜182e、186a〜186cの点灯状態ついても同様である。
エンジン負荷検出センサ40a、排出量センサ34a、34bの検出結果に対する評価は、品種毎に異なる場合が多いところ、エンジン負荷インジケータ182、脱穀モニタ186及び選別モニタ187の色分けに対応した閾値を品種に応じて設定するので、異なる評価を、エンジン負荷インジケータ182、脱穀モニタ186及び選別モニタ187の色分けに反映させることができる。
また水分量モニタ189の表示を作物又は品種毎に異なる態様で表示してもよい。例えば水分量閾値を記憶部に予め記憶しておき、水分量モニタ189の背景色を青又は赤にすることができるように構成する。
水分量測定器4dの測定値が水分量閾値未満である場合、水分量モニタ189の背景色を青にして水分量を表示し、水分量測定器4dの測定値が水分量閾値以上である場合、水分量モニタ189の背景色を赤にして水分量を表示する。
図11は選択された品種と水分量閾値との対応関係を示すLUTの一例を示す概念図である。LUTは記憶部に予め記憶してある。図11に示すように、コシヒカリ、ササニシキ及びキヌヒカリの各品種に対して水分量閾値A、B、Cが設定してある。
図12は水分量測定器4dの測定値と水分量モニタ189の表示態様との関係を示す模式図である。図12Aは背景色を赤にして水分量を表示した水分量モニタ189を示し、図12Bは背景色を青にして水分量を表示した水分量モニタ189を示す。
例えば水分量測定器4dの測定値がXである場合(但し、A<X<B<C)、コシヒカリを選択していれば、水分量モニタ189は背景色を赤にして水分量を表示し、ササニシキ又はキヌヒカリを選択していれば、水分量モニタ189は背景色を青にして水分量を表示する。
なお作物と水分量閾値との対応関係を示すLUTを記憶部に予め記憶し、選択した作物に応じて、水分量モニタ189が水分量測定器4dの測定値を青又は赤を背景色として表示してもよい。なお背景色の変更は、閾値を超過したことを示す手段の一例であり、他の手段を使用してもよい。例えば水分量を示す数字の色を変更してもよいし、数字又は背景を点滅させてもよい。
なお図8、図9及び図11に示したLUTの各閾値を手動で補正することができるように構成してもよい。例えばユーザがタッチパネル部193又はスイッチ200を操作して、図8、図9及び図11に示したLUTを呼び出し、各閾値A1〜A6、B1〜B6、C1〜C6、a1〜a6、b1〜b6、c1〜c6、A、B、Cを増減させる。
補正後の閾値は記憶部に記憶される。この場合において、記憶部は、各閾値の初期値を別途記憶しておき、必要に応じて補正した閾値を初期値に戻すことができる。
なお作物選択画面を経ずに、タッチパネル部193又はスイッチ200の操作によって、品種選択画面を直接呼び出して液晶表示パネル181に表示する構成でもよい。また刈り取りの対象作物が単一である場合、作物選択画面を表示する構成を採用せず、品種選択画面を表示して、品種を選択する構成でもよい。
本発明に係るコンバインにあっては、穀粒の水分量に対する評価は、作物又は作物の品種毎に異なる場合が多く、水分量閾値を作物又は作物の品種に応じて設定し、異なる評価を水分量モニタ189の表示態様に反映させることができる。
また各閾値A1〜A6、B1〜B6、C1〜C6、a1〜a6、b1〜b6、c1〜c6、A、B、Cを手動で補正し、ユーザの判断で適切な閾値及び水分量閾値を設定することができる。なお本発明はバケット式のコンバインにも適用できる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。