JP6017448B2 - 血液疾患の診断方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、患者の血液疾患の診断方法に関する。
大量の造血細胞および細胞が通過する分化の多くの工程は、この種の細胞から生じる新生物の分類をさらに複雑にしている。「リアルな」実体に基づく分類を確立するための努力にもかかわらず、カテゴリの一部は不明瞭であり、多くの場合、臨床経過の治療に対する応答に関して非常に不均一な群を含む。この不均一性が、一方では、ある挙動を他の挙動から区別することができるマーカーの絶え間ない探索、そして他方では、議論の的であるこの種の新生物の分類が絶えず修正を受けていることの原因である。
理想的な分類システムは、正確で、再現可能であり、使いやすくなければならず、特に生物学的および臨床的有意性を有するべきである(Chan WC et al.,Croat Med J.2005;46:349−59)。血液新生物の現在の診断システムおよび分類は、組織学的および形態学的な、免疫表現型的および細胞遺伝学的特徴の認識ならびに予後的価値を有する分子マーカーの研究に基づく。しかし、このようにして定義される診断カテゴリの一部では、以下のことが認められる:
・著しく不均一な治療応答:同じ疾患内で、患者は完全な寛解もしくは部分的な寛解に至るか、または特定の治療に応答しないもしくは治療後に再発する。幹細胞の移植は、有効であるが毒性を伴う選択的応答であるので、この種の新生物では応答を予測できることが特に重要である。従来の治療を行う前に、いずれの患者がこの治療に対して応答するかを判定できることは、各々の患者に最も有効な治療を適用できるために有益であり得る。
・変動のある臨床挙動:このカテゴリ内で、一部の患者については、疾患は長期間安定なままであり、治療を必要としないが、また別の患者では、疾患は急速に進行し、積極的な治療を必要とする。
これらの変動は、診断カテゴリの中での分子的な不均一性の存在、従来の診断方法では判定することができない相違、およびしたがって、この種の新生物の特徴づけにおいてより大きな識別能を提供する新しい形態の分析の探究を指摘する。
これに関して、発現アレイの使用は、多くの腫瘍で認められる生物学的および臨床的多様性を解釈することにおいてのみならず、多くの症状に、特に血液系に影響を及ぼす生物学的および病理学的過程を理解するうえでも有効であることが明らかにされている。発現アレイは、固体支持体に結合した、mRNAまたはその対応するcDNAもしくはcRNAに相補的な配列の順序づけられたアレイであり、数百または数千の遺伝子の区別的発現を同時に分析することを可能にする。これらがしばしば結合される支持体の1つは、しばしばマイクロアレイ、バイオチップまたは単にチップという用語で示される体裁である、スライドガラスに類似した長方形のガラスの断片である。これらの使用は、様々な疾患の診断のためまたは疾患に罹患する感受性の評価を進化させるためにますます頻繁になりつつある。
1999年に、Golubのグループは、血液新生物の分類におけるアレイの役割に言及した最初の論文の1つを発表した(Golub TR et al.,Science.1999;286:531−7)。6817の遺伝子が提示されたアレイが、急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ性白血病(ALL)における発現プロフィールの研究のために使用された。50の遺伝子の群が白血病の種類を予測する能力によって選択され(クラス予測因子)、これらは未知の試料の群を正しいカテゴリに分類するために使用された。これら50の遺伝子の発現の検討は、AMLまたはALLの試料の分類のために十分である。AMLとALLとの区別は現在の診断方法で広く確立されているという事実にもかかわらず、研究は各々の種類の急性白血病に関連する特定の発現パターンの存在を明らかにし、その使用を証明した。
欧州特許出願第1947194号は、慢性リンパ性白血病(CLL)を診断するための特定のオリゴヌクレオチドの使用を提案した。
WO2005/080601は、急性骨髄性白血病(AML)の分類、診断および予後についての遺伝学的分析の方法を開示する。この特許出願は、AMLサブタイプを区別する方法を提供しているが、前白血病状態と白血病状態の識別のための方法は提供していない。
WO2006/125195は、その発現が試料を骨髄異形成症候群(MDS)もしくはAMLとして分類するかまたは罹患していないと分類することを可能にする、24遺伝子の群を開示する。しかし、この文献は、異なる悪性度のMDSを分類するための方法を提供していない。
そのため、癌の悪性状態と前悪性状態を診断し、分類するための新しい方法を提供する必要がある。
酸化ストレスは、一般に反応性酸素種(ROS)の生成と抗酸化防御系障害との間の不均衡状態と定義される。酸化ストレスが癌の病態生理学に関与することは長年知られている。
内因性または外因性に産生される高レベルのROSは、生体細胞中の脂質、タンパク質および核酸を攻撃することができる。これは、ROSの過剰生成を防止するおよびそれらの有害な作用を制限するための様々な抗酸化防御機構を発現する細胞をもたらした。適切な酸化還元の均衡は抗酸化酵素の複合作用によって維持されている。
骨髄異形成症候群および急性白血病は病的造血を特徴とする。ROSは、確実にヒトの造血において重要な役割を果たす。例えば、ROSが誘導するp38 MAPK活性化は造血において極めて重要であり、造血幹細胞(HSC)が休止状態から脱する引き金を引くためおよび成熟と分化を駆動するためにはROSレベルの上昇が必要であることはマウスモデルにおいて十分に確立されている。さらに、高いROSレベルはHSCの自己更新活性の乱れを誘導する。正常細胞の腫瘍形質転換への進行が、細胞の増殖、生存および分化を制御する遺伝子の突然変異の蓄積から生じることは現在では広く確立されている。おおよそ、骨髄異形成症候群の症例の30%が急性白血病に進行する。間接的な証拠は、骨髄異形成症候群の病因における酸化的DNA損傷の役割を示唆する。さらに、骨髄異形成症候群および白血病患者からの骨髄細胞でのROSのフローサイトメトリ定量化は、すべての症例においてROSレベルの上昇を明らかにする。
そのため、前悪性状態と悪性状態における抗酸化応答を検討することは、新しい有用な方法を提供するための良好な出発点であると思われる。
癌幹細胞(CSC)仮説は、腫瘍内の細胞のサブセットが、持続的に成長する腫瘍の生成を繰り返す能力を有することを示唆する(Clarke MF et al.,Cancer Research.2006;66:9339−44)。CSCはヒトにおいて最もよく記述されており、ヒトでは、稀ないわゆる白血病幹細胞(L−HSC)を前向きに単離することができ、免疫無防備状態のマウスに導入した場合、疾患を伝播することを示すことができる(Lapidot T et al.,Nature.1994;645−8)。この表現型を共有しない細胞がしばしば白血病クローンの大部分を占めるが、移植後に疾患を伝播することはできない。L−HSCに関する初期の研究は、現在、急速に増えつつある腫瘍のリストに拡大されている(Bomken S,Br.J.Cancer.2010;103:439−45)。これらはヒトにおいて白血病を治療するのに一般的に使用される薬剤に耐性であると思われるので、一部の患者ではL−HSCが再発の原因であると考えられる(Ishikawa F,Nat.Biotechnol.2007;25:1315−21)。L−HSC発現のために機能的に重要な遺伝子は、それゆえ、最終的な治療標的であり得る。これは、他のROS消去系が他の癌幹細胞における調節に重要である可能性を増大させる。実際に、乳癌のCSCにおける低いROSレベルが最近報告されており、これはグルタチオン生合成遺伝子の発現上昇に結びつけられた(Diehn M,Nature.2009;458:780−3)。
したがって、本発明の1つの目的は、癌を診断するための新しい方法を提供することである。
本発明の別の目的は、他の方法では分類することができない、病理学的試料を分類するための迅速で効率的な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、上記方法の実施のためのキットを提供することである。
本発明の別の目的は、上記方法の実施を可能にする組成物を提供することである。
本発明は、血液疾患、特に骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、好ましくは骨髄性血液疾患の、好ましくはインビトロでの、診断および/または分類のための方法に関する。
前記方法は以下の工程を含む:
a)被験者の血液試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する試料から、少なくとも、24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現レベルを測定する工程、ここで、前記24遺伝子の群は配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成され、
前記被験者は、血液疾患、特に骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、好ましくは骨髄性血液疾患に罹患していることが疑われ、
前記6遺伝子は、配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成される前記サブグループに属する、
b)工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルを、対照試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する試料からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルと比較して、前記サブグループの各遺伝子ついての遺伝子発現レベル比を確立する工程、ここで、前記対照試料は前記生物学的試料と同じ性質である、
c)前記生物学的試料の状態を、前記サブグループからの少なくとも3個の遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、前記生物学的試料は血液疾患細胞を示すと判定する工程。
言い換えると、本発明による工程b)は、以下のことから成る。
工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルを、対照試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する対照試料からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルと比較して、前記サブグループの各遺伝子について、工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルiと対照試料に含まれる細胞からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルiとの間の遺伝子発現レベル比Rを確立すること、ここで、前記対照試料は前記生物学的試料と同じ性質である。
本発明による工程c)は、前記生物学的試料の状態を、前記サブグループからの3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率Rが、
・≧2、
・または≦0.5
のいずれかである場合、前記生物学的試料は血液疾患細胞を示すと判定することから成る。
本発明は、少なくとも6の特定の遺伝子、すなわち配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成される24の特定の遺伝子の群に属する、配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成される遺伝子が、血液疾患の状態を判定するのに十分であるという予想外の所見に基づく。
本発明は、好ましくはこれまでに血液疾患のために治療を受けたことがない患者からの試料に関して実施される。
これらの遺伝子は、具体的には、ROSが蓄積する細胞の解毒に関与する酵素をコードする遺伝子である。
ROSの除去に関与する自然過程を図1に示す。
本発明によれば、24遺伝子の群(C)は、遺伝子のセット(B)を含み、前記セットは、上記で定義された6個の特定の遺伝子のサブグループ(A)を含む。本発明による群/セット/サブグループの重なりを図2に示す。
本発明による方法は、したがって次のように実施される:
・患者の試料から、前記試料中に含まれる核酸分子、好ましくはRNA分子を当分野で公知の抽出方法に従って抽出する、
・少なくとも配列番号:1〜6を含むかまたはこれらによって構成される核酸分子に対応する特定の核酸分子の量を、以下で例示する周知の技術によって定量化する、
・上記工程で定量化した量を対照試料中に含まれる同じ核酸分子の量と比較して、比率を確立する。
したがって、参照として使用される対照試料は健常個体の試料であり、前記健常試料は患者の試料と同じ性質である。好都合には、対照試料は様々な健常個体の多数の試料のプールに対応し、すなわち対照試料は多数の健常個体の平均である。
上述したように、患者の試料と対照試料は同じ起源である。これは、患者の試料が患者の血液に由来する場合、対照試料は1名または多数の健常個体の血液に由来することを意味する。血液は、本発明では、全血、血漿、血清、末梢血単核細胞(PBMC)等を意味する。
同様に、患者の試料が骨髄に由来する場合、対照試料は1名または多数の健常個体の骨髄に由来する。
本発明では、生物学的試料が使用される患者の生物学的試料は、血液疾患、特に骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、好ましくは骨髄性血液疾患に罹患していることが疑われる。
これは、患者の病理学的状態が、
・不確定である(病理学者は、前記患者が血液疾患に罹患しているかどうかわからない)、
・または決定される(病理学者は、患者が血液疾患に罹患していることがわかる)
のいずれかであることを意味する。
これはまた、患者の病理学的状態が、
・最初に決定され(病理学者は、患者が血液疾患に罹患しているか否かを同定する)、
・および、患者が血液疾患に罹患している場合は、前記血液疾患を分類する
であることを意味する。
病理学的状態が不確定である場合、病理学者は、前記患者からの生物学的試料中の配列番号:1〜6から成る遺伝子の発現レベルを測定し、比率Riを確立して、患者が血液疾患に罹患しているか否かを判定するために、前記発現レベルを、上記で定義したように、同じ性質の対照試料(例えば対照試料または参照として使用される健常ドナーからの細胞のプール)中の同じ遺伝子(すなわち配列番号:1〜6の遺伝子)の発現レベルと比較する。
病理学的状態が決定された場合(例えば細胞学的試験によって)、病理学者は、前記患者からの生物学的試料中の配列番号:1〜6から成る遺伝子の発現レベルを測定し、比率Riを確立するために、前記発現レベルを、上記で定義したように、同じ性質の対照試料(例えば対照試料または参照として使用される健常ドナーからの細胞のプール)中の同じ遺伝子(すなわち配列番号:1〜6の遺伝子)の発現レベルと比較して、本発明の方法に従って血液疾患を分類することができる。
本発明による方法は、血液疾患、特に骨髄性疾患に相当する試料と同定されたまたはその疑いがある試料の状態を評価するための、使いやすく、迅速で効率的な方法を提供する。
患者試料の、上記で定義されたサブグループに属する上記6遺伝子のうち少なくとも3遺伝子の発現レベルと、対照試料の同じ少なくとも3遺伝子の発現レベルとの比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、患者の試料は、血液疾患に相当する試料の特徴を示すとみなされる。
上記および以下では、比率は次のように定義される:
Ri=[患者試料中の配列番号:iの遺伝子iの量(発現レベル)]/[対照試料中の配列番号:iの遺伝子iの量(発現レベル)]。
iは1から24までにわたる。
それゆえ、Rは、配列番号:3の遺伝子に関する上記で定義された比率であり、したがってRは、配列番号:iに関する上記で定義された比率であって、iは1から24までにわたる。
本発明では、「前記サブグループの6遺伝子のうち少なくとも3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子の比率Rが≧2または≦0.5である」とは、3または4または5または6個の遺伝子の任意の組合せの各遺伝子の比率Rが≧2または≦0.5であることを意味する。
6遺伝子の中から選択される3遺伝子の20の組合せすべてを以下に列挙する:
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:4、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:4、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:4+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:5+配列番号:6、
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4、
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:5、
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:6、
配列番号:2+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:2+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:2+配列番号:5+配列番号:6、
配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:3+配列番号:4+配列番号:6、
配列番号:3+配列番号:5+配列番号:6および
配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6。
6遺伝子の中の4遺伝子の15の組合せすべては次のものである:
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:4+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:5+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:6、
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:6、
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:5+配列番号:6、
配列番号:2+配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6および
配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6。
6遺伝子の中の5遺伝子の6の組合せすべては次のものである:配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:5+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6および
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6。
最後に、6個の遺伝子の組合せは、配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4+配列番号:5+配列番号:6である。
本発明によれば、6遺伝子のサブグループの少なくとも3遺伝子の任意の組合せに属する各遺伝子の比率Rが≧2または≦0.5である患者の試料は、血液疾患に相当する試料とみなされる。
例えば、配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3の組合せを試験する場合、上記で述べたそれぞれの比率R、RおよびRが次のとおり:
R1≧2およびR2≧2およびR3≧2、または
R1≦0.5およびR2≧2およびR3≧2、または
R1≧2およびR2≦0.5およびR3≧2、または
R1≧2およびR2≧2およびR3≦0.5、または
R1≦0.5およびR2≦0.5およびR3≧2、または
R1≦0.5およびR2≧2およびR3≦0.5、または
R1≧2およびR2≦0.5およびR3≦0.5、または
R1≦0.5およびR2≦0.5およびR3≦0.5
であれば、比率が計算された患者の試料は、血液疾患に相当する試料とみなされる。
上記の例は、変更すべきところは変更して、上記の少なくとも3個の遺伝子の組合せに適用される。
その結果として、配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4の組合せを検討する場合、3個の遺伝子の4つの組合せが存在する:
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:3、
配列番号:1+配列番号:2+配列番号:4、
配列番号:1+配列番号:3+配列番号:4、および
配列番号:2+配列番号:3+配列番号:4。
それゆえ、それぞれの比率R、R、RおよびRが次のとおりであれば、比率が計算された患者の試料は、血液疾患に相当する試料とみなされる:
・組合せ1に関して:
R1≧2およびR2≧2およびR3≧2、または
R1≦0.5およびR2≧2およびR3≧2、または
R1≧2およびR2≦0.5およびR3≧2、または
R1≧2およびR2≧2およびR3≦0.5、または
R1≦0.5およびR2≦0.5およびR3≧2、または
R1≦0.5およびR2≧2およびR3≦0.5、または
R1≧2およびR2≦0.5およびR3≦0.5、または
R1≦0.5およびR2≦0.5およびR3≦0.5、
・組合せ2に関して:
R1≧2およびR3≧2およびR4≧2、または
R1≦0.5およびR3≧2およびR4≧2、または
R1≧2およびR3≦0.5およびR4≧2、または
R1≧2およびR3≧2およびR4≦0.5、または
R1≦0.5およびR3≦0.5およびR4≧2、または
R1≦0.5およびR3≧2およびR4≦0.5、または
R1≧2およびR3≦0.5およびR4≦0.5、または
R1≦0.5およびR3≦0.5およびR4≦0.5、
・組合せ3に関して:
R1≧2およびR2≧2およびR4≧2、または
R1≦0.5およびR2≧2およびR4≧2、または
R1≧2およびR2≦0.5およびR4≧2、または
R1≧2およびR2≧2およびR4≦0.5、または
R1≦0.5およびR2≦0.5およびR4≧2、または
R1≦0.5およびR2≧2およびR4≦0.5、または
R1≧2およびR2≦0.5およびR4≦0.5、または
R1≦0.5およびR2≦0.5およびR4≦0.5、
・組合せ4に関して:
R2≧2およびR3≧2およびR4≧2、または
R2≦0.5およびR3≧2およびR4≧2、または
R2≧2およびR3≦0.5およびR4≧2、または
R2≧2およびR3≧2およびR4≦0.5、または
R2≦0.5およびR3≦0.5およびR4≧2、または
R2≦0.5およびR3≧2およびR4≦0.5、または
R2≧2およびR3≦0.5およびR4≦0.5、または
R2≦0.5およびR3≦0.5およびR4≦0.5。
本発明では、発現レベルが測定される遺伝子は、前記遺伝子の転写によって得られるRNA分子によって示される。転写の過程は当分野で周知である。
それゆえ、本発明は、上記遺伝子の発現レベルが、前記遺伝子の転写の産物である、すなわち前記遺伝子の発現の産物であるRNA分子の量を決定することによって測定される、上記で定義された方法に関する。
本発明における一部の遺伝子は、多くの変異体、すなわち配列が異なる多くのRNA分子を発現することができる。これらの変異体は、一般に選択的スプライシング後に配列が異なり、前記選択的スプライシングは、結果として、生じるRNA分子において遺伝子に含まれる核酸配列の1またはそれ以上の部分を付加、欠失および/または修飾していなければならない。当業者は選択的スプライシングの機構を理解している。
それゆえ、本発明による一部の遺伝子は、2以上のRNA分子を発現し、変異体を提供することができる。
PRDX遺伝子は、3つの異なる変異体:配列番号:5の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体、配列番号:73の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体および配列番号:74の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第三変異体を発現することができる。
SOD2遺伝子は、3つの異なる変異体:配列番号:7の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体、配列番号:75の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体および配列番号:76の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第三変異体を発現することができる。
GSR遺伝子は、4つの異なる変異体:配列番号:8の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体、配列番号:77の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体、配列番号:78の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第三変異体および配列番号:79の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第四変異体を発現することができる。
GLRX遺伝子は、2つの異なる変異体:配列番号:9の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体および配列番号:80の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体を発現することができる。
PDRX5遺伝子は、3つの異なる変異体:配列番号:11の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体、配列番号:81の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体および配列番号:82の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第三変異体を発現することができる。
GPX4遺伝子は、つの異なる変異体:配列番号:14の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体および配列番号:83の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体を発現することができる。
PDRX5遺伝子は、3つの異なる変異体:配列番号:16の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第一変異体、配列番号:84の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第二変異体および配列番号:85の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列から成る第三変異体を発現することができる。
したがって、本発明によれば、配列番号:5を含むかまたは配列番号:5によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:73もしくは配列番号:74を含むかまたは配列番号:73もしくは配列番号:74によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
同様に、配列番号:7を含むかまたは配列番号:7によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:75もしくは配列番号:76を含むかまたは配列番号:75もしくは配列番号:76によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
さらに、配列番号:8を含むかまたは配列番号:8によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:77、配列番号:78もしくは配列番号:79を含むかまたは前記配列番号によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
さらに、配列番号:9を含むかまたは配列番号:9によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:80を含むかまたは配列番号:80によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
さらに、配列番号:11を含むかまたは配列番号:11によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:81もしくは配列番号:82を含むかまたは配列番号:81もしくは配列番号:82によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
さらに、配列番号:14を含むかまたは配列番号:14によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:83を含むかまたは配列番号:83によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
さらに、配列番号:16を含むかまたは配列番号:16によって構成される遺伝子の発現レベルの測定は、配列番号:84もしくは配列番号:85を含むかまたは配列番号:84もしくは配列番号:85によって構成される遺伝子の発現レベルの測定によって評価することができる。
それゆえ、本発明において上記および下記で開示されるように、以下の配列:配列番号:5、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:14および配列番号:16を含むかまたはこれらによって構成される遺伝子は、上記で定義されたように、それらのそれぞれの変異体によって置き換えることができる。
本発明に従って使用される遺伝子を以下の表1に示す:
Figure 0006017448
表1は、本発明において使用される遺伝子および、変異体が存在する場合は、変異体の配列番号を示す。
本発明によれば、血液疾患は、主として血液を侵す疾患に相当する。特に、本発明による血液疾患は、異常ヘモグロビン症および骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患(慢性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、本態性血小板減少症、突発性骨髄線維症を含む、骨髄性細胞数の増加または骨髄線維症)、リンパ球増殖性疾患(慢性リンパ性白血病、リンパ腫、骨髄腫、形質細胞腫を含む、リンパ系細胞数の増加)、急性白血病ならびに凝固障害(出血および凝固の障害)などの機構にかかわりなくすべての血球減少症(貧血:赤血球数またはヘモグロビンの減少、血小板減少症:血小板数の減少、および白血球減少症:白血球数の減少)を包含する。
1つの好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、工程b)で確立された比率が、
・配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、≦0.3、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、≧3.0である場合、前記生物学的試料は急性骨髄性白血病を示す。
言い換えると、本発明の1つの実施形態は上記で定義された方法に関し、ここで、
・配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率Rが≦0.3であり、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RおよびRが≧3.0である、
場合、前記生物学的試料は急性骨髄性白血病を示す。
本発明の1つの実施形態では、比率Rが≦0.3であり、ならびに比率RおよびRがどちらも≧3である場合、患者に由来する試料は急性骨髄性白血病(AML)を示す。前記3つの基準は累積的である。
AMLは、骨髄起源の未熟細胞のクローン性増殖である。それらは、骨髄異形成症候群(MDS)を有する患者において新たにまたは二次的に出現し得る。フランス・アメリカ・イギリスの研究者から成るグループ(FAB)によって作成された分類は、腫瘍細胞の形態学的基準および免疫表現型に基づき8つの型(M0〜M7)を考慮している(Bennett JM,et al.,1976)。
世界保健機構(WHO)は、生物学的に均質な実体を臨床的な適切さで定義することができるように形態学的、免疫表現型的、遺伝学的および臨床データを組み込むことによってAMLを分類している。したがって、AMLは4つの大きなカテゴリに分類される:
1.再発性遺伝子異常を伴うAML、
2.多血球系異形成を伴うAML、
3.治療に関連するAMLおよび
4.分類できないAML。
本発明以前は、細胞遺伝学的分析が最も強力な予後予測因子であった。この分析は、異なる予後を有するAMLのサブグループを同定するために使用される:治療に対して良好な応答を有する低危険度(t(8;21)、t(15;17)またはinv(16))、中間危険度(正常核型またはt(9;11))または高危険度(inv(3)、del(5q)もしくはdel(7q)、または4以上の変化)。危険性のある群の中で分子的な不均一性が存在する。正常核型を有する患者の一部の症例において、一部の遺伝子に突然変異の存在が認められている。
好都合には、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、工程b)で確立された比率が、
・配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、≦0.3、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、≧3.0、
さらに前記試料と前記対照試料で測定された配列番号:10から成る遺伝子の発現レベル間の比率R10が0.5以下(R10≦0.5)、好ましくは0.3以下(R10≦0.3)である、
場合、前記生物学的試料は急性骨髄性白血病を示す。
別の実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、工程c)は次のとおりである:
前記サブグループからの少なくとも3個の遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について、工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかであり、
ただし、
・前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:1の核酸配列を含むかもしくはこの核酸配列によって構成される遺伝子の発現レベル間の比率が≦0.3ではないか、または
・前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:2もしくは3の核酸配列を含むかもしくは前記核酸配列によって構成される遺伝子の各々の発現レベル間の比率が≧3ではない
場合、前記生物学的試料は、骨髄異形成疾患、特に不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、5q−症候群および分類できない骨髄異形成の中から選択される骨髄異形成を示す。
言い換えると、別の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記サブグループからの少なくとも3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、
ただし、少なくとも3個の遺伝子の組合せが配列番号:1、2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子に相当し、ここで、
・配列番号:1の核酸配列を含むかもしくはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RIが≦0.3であり、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかもしくはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RIが≧3である場合は、この組合せは除外され、
前記生物学的試料は、骨髄異形成疾患、特に環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)または5q−症候群および分類できない骨髄異形成の中から選択される骨髄異形成を示す。
本発明によれば、配列番号:1〜6の核酸を含むかまたはこれによって構成される遺伝子によって構成されるサブグループに属する少なくとも3個の遺伝子の比率が、配列番号:1の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:2および3の比率が≧3である配列番号:1、配列番号:2および配列番号:の特定の組合せを除き、≧2または≦0.5のいずれかである場合、生物学的試料は、骨髄異形成疾患、特に環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)または5q−症候群および分類できない骨髄異形成の中から選択される骨髄異形成を示す。
本発明によれば、骨髄異形成疾患は前白血病と定義され、骨髄性血液細胞の無効な産生(または形成異常)と急性骨髄性白血病(AML)への形質転換の危険性によって結びついた血液学的状態の多様な集まりに相当する。
フランス・アメリカ・イギリスの研究者から成るグループ(FAB)の分類は、骨髄異形成疾患を次のように細分した:
骨髄中の5%未満の初期血液細胞(骨髄芽球)および主として赤血球前駆体で見られる病理学的異常を特徴とする、不応性貧血(RA)、
同じく骨髄中の5%未満の骨髄芽球を特徴とするが、「環状鉄芽球」と呼ばれる異常な鉄の詰まった細胞である、骨髄中の15%またはそれ以上の赤血球前駆体の存在によって区別される、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、
骨髄中の5〜20%の骨髄芽球を特徴とする、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、
骨髄中の21〜30%の骨髄芽球を特徴とする(>30%の芽球は急性骨髄性白血病と定義される)、移行期の芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB−T)、ならびに
骨髄中の20%未満の骨髄芽球および末梢血中を循環する1000×10/μLを超える単球(白血球の一種)を特徴とする、慢性骨髄性白血病またはCMLと混同してはならない、慢性骨髄単球性白血病(CMML)。
最近、世界保健機構(WHO)は異形成症候群を次のように分類した:
Figure 0006017448
染色体5q欠失症候群(染色体5qのモノソミー、5q−症候群)は、ヒト5番染色体の長腕(q腕)の一部の喪失によって引き起こされる稀な疾患である。
5q−症候群は、大球性貧血ならびにしばしば血小板増加症、赤芽球減少症、核低分葉を伴う巨核球過形成および5番染色体の孤立した中間部欠失を特徴とする。5q−症候群は主に高齢の女性において認められる。
さらに別の実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記セットは10遺伝子を含み、前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、および工程c)は次のとおりである:
・前記サブグループからの3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、
ただし、
前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:1の核酸配列を含むかもしくはこの核酸配列によって構成される遺伝子の発現レベル間の比率が≦0.3ではないか、または
・前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:2もしくは3の核酸配列を含むかもしくは前記核酸配列によって構成される遺伝子の各々の発現レベル間の比率が≧ではなく、
さらに
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2であり、および前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の他の遺伝子の工程b)で確立された比率が≦0.5であれば、
前記生物学的試料は、芽球増加を伴う不応性貧血または5q−症候群を示す。
言い換えると、さらに別の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記セットは10遺伝子を含み、前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、および工程c)は次のとおりである:
・前記サブグループからの3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、
ただし、少なくとも3個の遺伝子の組合せが配列番号:1、2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子に相当する場合、ここで、
・配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RIが≦0.3であり、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RIが≧3.0であれば、
この組合せは除外され、
さらに、
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2であり、および前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の他の遺伝子の工程b)で確立された比率が≦0.5であれば、
前記生物学的試料は、芽球増加を伴う不応性貧血または5q−症候群を示す。
本発明のこの好都合な実施形態では、セットに属する遺伝子(すなわち配列番号:1〜10を含むかまたはこれらによって構成される遺伝子)は、骨髄異形成疾患を識別するために有用である。
より正確には、セットに属するがサブグループには属さない遺伝子(すなわち配列番号:7〜10を含むかまたはこれらによって構成される遺伝子、図2におけるD)は、骨髄異形成疾患を識別するために有用である。
次に、配列番号:1〜6の遺伝子の発現レベルを測定することにより、生物学的試料が骨髄異形成疾患を示すとみなされる場合、本発明によれば、配列番号:7〜10から成る群の少なくとも1個の遺伝子の発現の比率が≧2であり、および配列番号:7〜10から成る群の少なくとも1個の遺伝子の発現の比率が≦0.5であるとき、芽球増加を伴う不応性貧血および5q−症候群をその他の病変から区別することが可能である。
本発明の別の好都合な実施形態は、先に定義された方法に関し、ここで、
前記セットは10遺伝子を含み、前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、および工程c)は次のとおりである:
・前記サブグループからの3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、
ただし、
前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:1の核酸配列を含むかもしくはこの核酸配列によって構成される遺伝子の発現レベル間の比率が≦0.3ではないか、または
・前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:2もしくは3の核酸配列を含むかもしくは前記核酸配列によって構成される遺伝子の各々の発現レベル間の比率が≧ではなく、
ならびに
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2であり、および前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の他の遺伝子の工程b)で確立された比率が≦0.5であり、
さらに
前記セットに属さない24遺伝子の群の少なくとも4遺伝子について工程b)で確立された比率が≧3であれば、
前記生物学的試料は、芽球増加を伴う不応性貧血を示す。
言い換えると、本発明の別の好都合な実施形態は、先に定義された方法に関し、ここで、
前記セットは10遺伝子を含み、前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、および工程c)は次のとおりである:
・前記サブグループからの3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、
ただし、少なくとも3個の遺伝子の組合せが配列番号:1、2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子に相当する場合、ここで、
・配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RIが≦0.3であり、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率RIが≧3.0であれば、
この組合せは除外され、
ならびに
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2であり、および前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の他の遺伝子の工程b)で確立された比率が≦0.5であり、
さらに
・前記セットに属さない24遺伝子の群の少なくとも4遺伝子について工程b)で確立された比率が≧3であれば、
前記生物学的試料は、芽球増加を伴う不応性貧血を示す。
本発明のこの好都合な実施形態では、群に属する遺伝子(すなわち配列番号:1〜24を含むかまたはこれらによって構成される遺伝子)は、芽球増加を伴う不応性貧血と5q−症候群とを識別するために有用である。
より正確には、群に属するがセットには属さない遺伝子(すなわち配列番号:11〜24を含むかまたはこれらによって構成される遺伝子、図2におけるE)は、芽球増加を伴う不応性貧血と5q−症候群との識別のために有用である。
本発明はまた、血液疾患、特に骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、好ましくは骨髄性血液疾患の、好ましくはインビトロでの、診断および/または分類のための方法に関し、
前記方法は以下の工程を含む:
a)被験者の血液試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する試料から、少なくとも、24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現レベルを測定する工程、ここで、前記24遺伝子の群は配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成され、
前記6遺伝子は、配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成される前記サブグループに属する、
b)工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルを、対照試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する対照試料からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルと比較して、前記サブグループの各遺伝子について、工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルと対照試料に含まれる細胞からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルとの間の遺伝子発現レベル比Riを確立する工程、ここで、前記対照試料は前記生物学的試料と同じ性質である、
c)前記生物学的試料の状態を、前記サブグループからの3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率Riが、
・≧2
・または≦0.5のいずれかである場合、前記生物学的試料は血液疾患細胞を示すと判定する工程。
本発明の1つの好都合な実施形態は上記で定義された方法に関し、ここで、
・配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率Rが≦0.3であり、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率Rが≧3.0である、
場合、前記生物学的試料は急性骨髄性白血病を示す。
本発明による方法のこの好都合な実施形態では、工程c)において、遺伝子GPX3(配列番号:1)の発現レベルの比率Riが≦0.3であり、遺伝子GPX1(1)(配列番号:2)の発現レベルの比率が≧3.0であり、および遺伝子GLRX2(2)(配列番号:3)の発現レベルの比率が≧3.0である場合、生物学的試料は急性骨髄性白血病(AML)を示す。
別の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、工程c)は次のとおりである:
前記サブグループからの少なくとも3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子について工程b)で確立された比率Rが≧2または≦0.5のいずれかである場合、
ただし、3個の遺伝子の組合せが配列番号:1、2および3の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子に相当し、ここで、
・配列番号:1の核酸配列を含むかもしくはこの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率Rが≦0.3であり、ならびに
・配列番号:2および3の核酸配列を含むかもしくはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子について、比率Rが≧3.0である場合は、前記組合せは除外され、
前記生物学的試料は、骨髄異形成疾患、特に、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)または5q−症候群および分類できない骨髄異形成の中から選択される骨髄異形成を示す。
言い換えると、配列番号:1〜6を含むかまたはこれらによって構成される遺伝子の中から選択される少なくとも3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子の発現レベルの、工程c)で確立された比率Riが≧2または≦0.5のいずれかであり、および前記組合せが、生物学的試料を、AMLを示すと定義する組合せに相当しない場合、前記試料は骨髄異形成疾患または症候群を示す。
本発明の別の好都合な実施形態は、先に定義された方法に関し、ここで、
前記セットは10遺伝子を含み、前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、およびさらに、工程c)において、
・前記サブグループに属さない前記セットのすべての遺伝子の比率Riが0.3から2の間に含まれ、この区間の末端値は除外される場合、
前記生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
本発明において「前記サブグループに属さない前記セットの遺伝子」は、図2で定義される群Dに属する遺伝子に相当する。
サブグループは配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子から成り、およびセットは配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子から成るので、その結果として、前記サブグループに属さない前記セットの遺伝子は、配列番号:7〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子に相当する。
上記実施形態では、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9および配列番号:10の核酸配列によって示される各遺伝子についての比率R、すなわち前記遺伝子の比率すべてが0.3から2の間に含まれ、0.3および2はこの区間から除外される場合、前記生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
配列番号:1〜6の遺伝子の比率の評価に加えて、0.3<R7<2および0.3<R8<2および0.3<R9<2および0.3<R10<2であり、R7、R8、R9およびR10が配列番号:7、8、9および10によって示される遺伝子についてのそれぞれの比率を表す場合、前記生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す、と記述することが可能である。
「0.3から2の間に含まれ、この区間の末端値は除外される」という用語は、数学記号:]0.3;2.0[によって表される区間を指す。この区間は、0.3から2の間に含まれるすべての値を包含するが、0.3および2の特定の値を除外する。
Ri=0.3またはRi=2.0である場合、Riは区間]0.3;2.0[に属さない。
特定の区間内の、配列番号:7〜10によって示される遺伝子の発現レベルの比率の評価は、一部の骨髄異形成症候群を識別することを可能にする。
要約すると、白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示される各遺伝子の比率が区間]0.3;2.0[に含まれる場合、生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
1つの別の好都合な実施形態では、本発明は上述した定義による方法に関し、ここでさらに、工程c)において、
・前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する少なくとも1個の遺伝子の比率Riが≦0.3である場合、前記生物学的試料は環状鉄芽球を伴う不応性貧血を示し、および
・前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する少なくとも1個の遺伝子の比率Riが≧3.0である場合、前記生物学的試料は多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
本発明において「前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する遺伝子」は、図2で定義される群Eに属する遺伝子に相当する。
サブグループは配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子から成り、セットは配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子から成り、および群は配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子から成るので、その結果として、前記セットに属さない前記群の遺伝子は、配列番号:11〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される遺伝子に相当する。
上記実施形態では、配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24によって示される遺伝子は、試験される生物学的試料の性質についての補足情報を提供する。
要約すると、
1)a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される各遺伝子の比率が区間]0.3;2.0[に含まれ、ならびに
c)配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24によって示される、少なくとも1個の遺伝子、すなわち1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14個の遺伝子の比率が≧3.0である場合、前記生物学的試料は多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示し、ならびに
2)a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される各遺伝子の比率が区間]0.3;2.0[に含まれ、ならびに
c)配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24によって示される、少なくとも1個の遺伝子、すなわち1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14個の遺伝子の比率が≦0.3である場合、前記生物学的試料は環状鉄芽球を伴う不応性貧血を示す。
1つの他の実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記セットは10遺伝子を含み、前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、およびさらに、
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0であるか、または
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.3であるか、または前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0であり、および前記サブグループに属さない別の遺伝子の比率Rが≦0.3である場合、
前記生物学的試料は、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、芽球増加を伴う不応性貧血、5q−症候群および分類できない骨髄異形成の中から選択されるものを示す。
この好都合な実施形態では、配列番号:7、8、9または10によって示される少なくとも1個の遺伝子が上記で定義された区間]0.3;2.0[に属さない場合を考慮している。
1番目の場合、少なくとも1個の遺伝子は、その他の遺伝子の比率にかかわりなく、≧2.0の比率を有する。2番目の場合、少なくとも1個の遺伝子は、その他の遺伝子の比率にかかわりなく、≦0.3の比率を有する。3番目の場合、その他の遺伝子の比率にかかわりなく、少なくとも1個の遺伝子は≧2.0の比率を有し、および別の遺伝子は≦0.3の比率を有する。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は先に定義された方法に関し、ここで、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0であり、および前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の別の遺伝子の比率Rが≦0.5である場合、前記生物学的試料は、典型的な芽球増加を伴う不応性貧血または5q−症候群である。
この実施形態は、その他の遺伝子の比率にかかわりなく、少なくとも1個の遺伝子が≧2.0の比率を有する場合、特に少なくとも1個の遺伝子が≧2.0の比率を有し、および別の遺伝子が≦0.5の比率を有する、それゆえおそらく≦0.3の比率を有する場合に関する。
この特定の状況は、典型な芽球増加を伴う不応性貧血または5q−症候群である骨髄異形成症候群を検出するまたは同定することを可能にする。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は先に定義された方法に関し、ここで、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0であり、および前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の別の遺伝子の比率Rが≦0.5である場合、
前記生物学的試料は、典型的な芽球増加を伴う不応性貧血または5q−症候群であり、
さらに、
・前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する少なくとも4個の遺伝子の比率Rが≧3.0である場合、前記生物学的試料は芽球増加を伴う不応性貧血を示し、および
・前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する最大でも3個の遺伝子の比率Rが≧3.0である場合、前記生物学的試料は5q−症候群を示す。
要約すると、
1)a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≧2.0であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の他の遺伝子の比率が≦0.5であり、ならびに
c)配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24によって示される、少なくとも4個の遺伝子、すなわち4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14個の遺伝子の比率が≧3.0である場合、前記生物学的試料は芽球増加を伴う不応性貧血を示し、ならびに
2)a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≧2.0であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の他の遺伝子の比率が≦0.5であり、ならびに
c)配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24によって示される、最大でも3個の遺伝子、すなわち0または1または2または3個の遺伝子の比率が≧3.0である場合、前記生物学的試料は5q−症候群を示す。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記の定義による方法に関し、ここで、
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0であり、および
・前記サブグループに属さない前記セットのいずれの遺伝子の比率Rも≦0.5ではない場合、
前記生物学的試料は多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
この特定の実施形態では、配列番号:7、8、9または10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≧2.0であり、およびその他の遺伝子の比率が区画[0.5;+∞[に含まれる場合、前記生物学的試料は多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
要約すると、
a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≧2.0であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示されるいずれの遺伝子の比率も≦0.5ではない場合、前記生物学的試料は多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記の定義による方法に関し、ここでさらに、
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.5であり、および
・前記サブグループに属さない前記セットのいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
前記生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、芽球増加を伴う不応性貧血、5q−症候群または分類できない骨髄異形成を示す。
この特定の実施形態では、配列番号:7、8、9または10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≦0.5であり、およびその他の遺伝子の比率が区画]−∞;2.0]に含まれる場合、前記生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、芽球増加を伴う不応性貧血、5q−症候群または分類できない骨髄異形成を示す。
要約すると、
a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≦0.5であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示されるいずれの遺伝子の比率も≧2.0ではない場合、前記生物学的試料は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、芽球増加を伴う不応性貧血、5q−症候群または分類できない骨髄異形成を示す。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、工程c)において、
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.5であり、および
・前記サブグループに属さない前記セットのいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
ならびにさらに、
・前記セットに属さない遺伝子の前記群に属するすべての遺伝子の比率Rが0.5から2の間に含まれ、この区間の末端値は除外される場合、
前記生物学的試料は分類できない骨髄異形成を示す。
この好都合な実施形態では、配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24によって示される遺伝子は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症および5q−症候群から分類できない骨髄異形成を識別するために有用である。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここで、工程c)において、
・前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.3であり、および
・前記サブグループに属さない前記セットのいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
ならびにさらに、
・前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0である場合、前記生物学的試料は、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
要約すると、
a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示されるいずれの遺伝子の比率も≧2.0ではなく、ならびに
c)配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≧2.0である場合、前記生物学的試料は、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
本発明の別の好都合な実施形態は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.3であり、および前記サブグループに属さないいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
前記生物学的試料は、分類できない骨髄異形成、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
要約すると、
a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示されるいずれの遺伝子の比率も≧2.0ではない場合、前記生物学的試料は、分類できない骨髄異形成、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
本発明の別の好都合な実施形態は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.3であり、および前記サブグループに属さないいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
ならびにさらに、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも2個の遺伝子の比率Rが≦0.3であり、および前記サブグループに属さない前記セットのいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
前記生物学的試料は、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
要約すると、
a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≦0.3であり、配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の他の遺伝子の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示されるいずれの遺伝子の比率も≧2.0ではない場合、前記生物学的試料は、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示す。
本発明の別の好都合な実施形態は上記で定義された方法に関し、ここで、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも1個の遺伝子の比率Rが≦0.3であり、および前記サブグループに属さないいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
ならびに、
前記サブグループに属さない前記セットの少なくとも2個の遺伝子の比率Rが≦0.3であり、および前記サブグループに属さない前記セットのいずれの遺伝子の比率Rも≧2.0ではない場合、
前記生物学的試料は、5q−症候群または多血球系異形成を伴う不応性血球減少症を示し、
ならびに、
さらに前記セットに属さない遺伝子の前記群に属する少なくとも2個の遺伝子の比率Rが≧2.0である場合、前記生物学的試料は5q−症候群を示す。
要約すると、
a)白血病を定義する組合せを除き、配列番号:1、2、3、4、5および6によって示される6遺伝子の中から選択される3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子についての比率が≧2.0または≦0.5のいずれかであり、ならびに
b)配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の遺伝子の比率が≦0.3であり、配列番号:7、8、9および10によって示される少なくとも1個の他の遺伝子の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:7、8、9および10によって示されるいずれの遺伝子の比率も≧2.0ではなく、ならびに、
c)配列番号:11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24によって示される少なくとも2個の遺伝子の比率が≧2.0である場合、前記生物学的試料は5q−症候群を示す。
本発明はまた、血液疾患、特に骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、好ましくは骨髄性血液疾患の、好ましくはインビトロでの、診断および/または分類のための方法に関する。
前記方法は以下の工程を含む:
a)被験者の血液試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する試料から、24遺伝子の発現レベルを測定する工程、ここで、前記24遺伝子は配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成され、
b)工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルを、対照試料に含まれる細胞から、好ましくは血液細胞または骨髄細胞を含有する試料からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルと比較して、前記サブグループの各遺伝子についての遺伝子発現レベル比を確立する工程、ここで、前記対照試料は前記生物学的試料と同じ性質であり、ならびに、
c)前記生物学的試料の状態を、工程b)で確立された比率のとおりであると判定する工程。
より好都合には、本発明は先に定義された方法に関し、ここで、遺伝子の発現レベルは、前記遺伝子に対応するmRNAまたはcDNAの量の測定を可能にする方法によって測定される。好ましくは、前記方法は定量的方法である。
mRNAのレベルは、mRNA分子についての大きさおよび配列情報を与えるノーザンブロット法によって定量的に測定することができる。RNAの試料をアガロースゲル上で分離し、標的配列に相補的な放射性標識RNAプローブにハイブリダイズさせる。次に放射性標識RNAをオートラジオグラフによって検出する。付加的なmRNAサイズ情報は選択的にスプライシングされた転写産物の識別を可能にするので、ノーザンブロット法は広く使用されている。
mRNAの存在率を測定するための別のアプローチは、逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCRと併用したRT−PCR)である。RT−PCRは、最初に逆転写によってmRNAからDNA鋳型を作製し、この鋳型はcDNAと呼ばれる。次のこのcDNA鋳型をqPCRのために使用し、qPCRでは、DNA増幅過程が進行するとともにプローブの蛍光が変化する。慎重に構築された標準曲線を用いて、qPCRは、mRNAのコピー数などの絶対的な測定を、典型的にはホモジナイズされた組織のナノリットル当たりのコピー単位または細胞当たりのコピー単位で、生じさせることができる。qPCRは非常に高感度である(単一mRNA分子の検出が可能である)が、蛍光プローブが必要とされるため高価であり得る。
ノーザンブロットおよびRT−qPCRは、単一遺伝子または少数の遺伝子が発現されるかどうかを検出するために有用である。
当業者に公知の他の方法には、DNAマイクロアレイまたは遺伝子発現連続解析法(SAGE)のような技術が含まれる。
SAGEは、種々のメッセンジャーRNAの細胞濃度の相対的測定を提供することができる。標識に基づく方法の大きな利点は、細胞内に存在する任意の転写産物の正確な測定を可能にする、「オープン構造」であり、前記転写産物の配列は公知または未知であり得る。
本発明に従って使用される好ましい方法はRT−qPCRである。
さらに別の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された方法に関し、ここでは、遺伝子の発現レベルの測定を、配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される24対のオリゴヌクレオチドの群に属する少なくとも6対のオリゴヌクレオチドを使用することによって実施し、前記少なくとも6対のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25〜36の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される。
本発明では、
・配列番号:25および配列番号:26の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:1の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:27および配列番号:28の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:2の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:29および配列番号:30の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:3の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:31および配列番号:32の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:4の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:33および配列番号:34の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:5の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:35および配列番号:36の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:6の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用する。
1つの好都合な実施形態では、本発明は、
配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される24対のオリゴヌクレオチドの群に属する少なくとも10対のオリゴヌクレオチドを使用する、前記で定義された方法に関し、前記少なくとも10対のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25〜44の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される。
本発明では、
・配列番号:36および配列番号:37の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:7の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:38および配列番号:39の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:8の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:41および配列番号:42の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:9の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:43および配列番号:44の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:10の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用する。
1つの好都合な実施形態では、本発明は、
配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される24対のオリゴヌクレオチドを使用する、上記で定義された方法に関する。
本発明では、
・配列番号:45および配列番号:46の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:11の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:47および配列番号:48の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:12の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:49および配列番号:50の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:13の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:51および配列番号:52の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:14の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:53および配列番号:54の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:15の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:55および配列番号:56の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:16の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:57および配列番号:58の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:17の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:59および配列番号:60の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:18の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:61および配列番号:62の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:19の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:63および配列番号:64の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:20の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:65および配列番号:66の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:21の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:67および配列番号:68の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:22の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:69および配列番号:70の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:23の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用し、
・配列番号:71および配列番号:72の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成されるオリゴヌクレオチドの対を、配列番号:24の核酸配列を含むかまたはこれによって構成される遺伝子の発現レベルを測定するために使用する。
以下の表3は、本発明に従って使用される遺伝子/変異体/オリゴヌクレオチドを示す。
Figure 0006017448
Figure 0006017448
表3
上記で定義されたオリゴヌクレオチドは、好ましくはqPCR反応を実施するために使用される。
qPCRは当分野で周知であり、染料またはレポータープローブのいずれかと共に、標的遺伝子の特異的増幅を可能にするオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用することによって実施できる。
両方の技術を以下で簡単に要約する。
・二本鎖DNA結合染料をレポーターとして用いるリアルタイムPCR:
DNA結合染料は、PCRにおいてすべての二本鎖(ds)DNAに結合し、染料の蛍光を生じさせる。PCRの間のDNA産物の増加は、それゆえ、蛍光強度の増大をもたらし、この増加は各サイクルで測定され、したがってDNA濃度を定量化することを可能にする。
しかし、SYBRグリーンなどのdsDNA染料は、非特異的PCR産物(プライマー二量体など)を含む、すべてのdsDNA PCR産物に結合する。これは、意図される標的配列の正確な定量化に潜在的に干渉し得るまたは正確な定量化を妨げ得る。
反応は、蛍光dsDNA染料を添加して、通常どおりに調製する。
反応はリアルタイムPCR装置で実施され、各サイクル後に、蛍光のレベルを検出器で測定する;染料はdsDNA(すなわちPCR産物)に結合した場合にのみ蛍光を発する。標準希釈物を基準にして、PCRにおけるdsDNA濃度を決定することができる。
他のリアルタイムPCR法と同様に、得られた数値はそれらに関連する絶対単位(すなわちmRNAコピー/細胞)を有さない。上述したように、測定されたDNA/RNA試料の標準希釈物との比較は標準に対する試料の割合または比率を与えるだけであり、異なる組織間または実験条件間での相対的な比較だけが可能になる。定量化の精度を保証するため、通常、標的遺伝子の発現を安定に発現される遺伝子に対して基準化する必要がある(下記参照)。これは、実験試料全体にわたるRNAの量または質の起こり得る相違を補正することができる。
・蛍光レポータープローブ法
蛍光レポータープローブは、プローブ配列を含むDNAだけを検出する;それゆえ、レポータープローブの使用は特異性を有意に上昇させ、非特異的DNA増幅の存在下であっても定量化を可能にする。蛍光プローブは、すべての標的遺伝子が同様の効率で増幅されるならば、異なる色の標識を有する特異的なプローブに基づく(同じ反応中でいくつかの遺伝子を検出するための)マルチプレックスアッセイにおいて使用することができる。蛍光レポータープローブの特異性はまた、PCRにおける望ましくない潜在的副産物である、プライマー二量体によって引き起こされる測定の干渉も防ぐ。しかし、蛍光レポータープローブはプライマー二量体の阻害作用は妨げず、これは反応における望ましくない産物の蓄積を低下させ得る。
この方法は、プローブの一端に蛍光レポーターおよび反対側の端に蛍光のクエンチャーを有するDNAベースのプローブを利用する。レポーターがクエンチャーにごく近接すると、その蛍光の検出が妨げられる;Taqポリメラーゼの5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性によるプローブの分解はレポーター−クエンチャーの近接性を破壊し、したがって消光されない蛍光の放出を可能にし、これを励起後のレーザーで検出することができる。各々のPCRサイクルでレポータープローブによって標的化される産物の増加は、それゆえ、プローブの分解とレポーターの放出による蛍光の比例的な増大を生じさせる。
PCRを通常どおりに調製し、レポータープローブを添加する。
PCRのアニーリング工程の間に、プローブとプライマーの両方がDNA標的にアニーリングする。
新たなDNA鎖の重合がプライマーから開始され、ポリメラーゼがプローブに達すると、その5’−3’エキソヌクレアーゼがプローブを分解して、蛍光レポーターをクエンチャーから物理的に分離し、蛍光の増大を生じさせる。
蛍光は、リアルタイムPCRサーマルサイクラー内で検出および測定され、産物の指数関数的増加に対応するその幾何学的増大を使用して、各反応における閾値サイクル(CT)を決定する。
1つの特定の実施形態では、上記で定義された遺伝子の発現レベルの測定は、上記で定義された特定のオリゴヌクレオチドに加えて、市販のプローブを使用することによって達成される。発現レベルを予想する各々の遺伝子は特定のプローブに関連し、1つの遺伝子を認識するプローブは別の遺伝子を認識することができない。さらに、1つの遺伝子に特異的なプローブはまた、前記遺伝子の変異体が存在する場合は、変異体も検出することができる。
本発明で使用される好都合なプローブを表Aに列挙する。
遺伝子/変異体/オリゴヌクレオチドとプローブとの関連性を以下の表4に示す。
Figure 0006017448
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表4
表4は以下のように読み取ることができる:GPX3(配列番号:1)の発現レベルは、配列番号:24および25のオリゴヌクレオチドを用いて、以下の配列CCAGCCGCを有する、蛍光染料およびクエンチャーと結合した、プローブを使用することによって定量的に測定することができる。
また、別の例として:PDRX(配列番号:5)またはその変異体の1つ(配列番号:73もしくは74)の発現レベルは、配列番号:33および34のオリゴヌクレオチドを用いて、以下の配列CTGGCTGGを有する、蛍光染料およびクエンチャーと結合した、プローブを使用することによって定量的に測定することができる。
上記の定義は、変更すべきところは変更して、その他の遺伝子にも適用される。
上記のクエンチャーおよび染料は、アッセイに依存して、当業者によって選択され得る。
別の好都合な実施形態では、本発明は、配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される少なくとも6遺伝子の各々の発現レベルの測定を可能にするオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを使用する、好ましくは配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される少なくとも10遺伝子の各々の発現レベルの測定を可能にするオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを使用する、特に配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらによって構成される24遺伝子の各々の発現レベルの測定を可能にするオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを使用する、上記で定義された方法に関する。
この実施形態では、上記方法をノーザンブロットアッセイに適合させる。
本発明はまた、少なくとも、24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現の測定を可能にするオリゴヌクレオチドを含む組成物に関し、前記24遺伝子の群は、配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、
前記サブグループに属する前記6遺伝子は、配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される。
1つの好都合な実施形態では、本発明は、少なくとも、24遺伝子の群の中から選択される10遺伝子のセットの遺伝子の発現の測定を可能にするオリゴヌクレオチドを含む、前記で定義された組成物に関し、前記24遺伝子の群は、配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、
前記セットに属する前記10遺伝子は、配列番号:1〜10の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は、前記24遺伝子の群の24遺伝子の発現の測定を可能にするオリゴヌクレオチドを含む、上記で定義された組成物に関する。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された組成物に関し、前記組成物は、少なくとも、配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現の測定を可能にする、配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドのライブラリの中から選択される少なくとも12のオリゴヌクレオチドを含み、
前記少なくとも12のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25〜36の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された組成物に関し、前記組成物は、少なくとも、配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される24遺伝子の群の中から選択される10遺伝子のセットの遺伝子の発現の測定を可能にする、配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドのライブラリの中から選択される少なくとも20のオリゴヌクレオチドを含み、
前記少なくとも20のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25〜44の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る。
1つの他の好都合な実施形態では、本発明は上記で定義された組成物に関し、前記組成物は、配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成される24遺伝子の群の発現の測定を可能にする、配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドを含む。
上記組成物は、上記表4で定義されるプローブをさらに含み得る。
別の態様では、本発明は、血液疾患、特に骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、好ましくは骨髄性血液疾患の、好ましくはインビトロでの、診断および/または分類に使用するための、上記の組成物に関する。
それゆえ、本発明は上記組成物自体に関し、および上記のようなその使用のための前記組成物に関する。
本発明は、配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドの群の中から選択される少なくとも12のオリゴヌクレオチドを含むキットに関し、前記少なくとも12のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25〜36の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る。
1つの好都合な実施形態では、本発明は、少なくとも20のオリゴヌクレオチドを含む、上記で定義されたキットに関し、前記少なくとも20のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25〜44の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る。
1つの好都合な実施形態では、本発明は、配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドを含む、上記で定義されたキットに関する。
本発明はまた、1つの好都合な実施形態では、配列番号:1〜6を含むかまたはこれらから成る核酸分子とそれぞれ相互作用する少なくとも6の特定のプローブをさらに含む、好ましくは配列番号:1〜10を含むかまたはこれらから成る核酸分子とそれぞれ相互作用する少なくとも10の特定のプローブをさらに含む、特に、配列番号:1〜24を含むかまたはこれらから成る核酸分子とそれぞれ相互作用する少なくとも24の特定のプローブをさらに含む、上記で定義されたキットに関する。
1つの別の好都合な実施形態では、本発明は、配列番号:1〜24の遺伝子に対応する核酸分子を、急性骨髄性白血病(AML)、環状赤芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)または5q−症候群および分類できない骨髄異形成の中から選択される少なくとも1つの病変を示す量でさらに含む、上記で定義されたキットに関する。
別の好都合な実施形態では、本発明はまた、上記で定義された対照試料の核酸分子をさらに含む、上記で定義されたキットに関する。
本発明はまた、配列番号:1〜24によって示される24遺伝子の群の中から選択される、配列番号:1〜6によって示される遺伝子に対応する核酸分子を少なくとも含むかまたは少なくとも前記核酸分子によって構成される陽性対照試料に関し、前記核酸分子は、それぞれの核酸分子の各々が1の量で存在する健常試料と比較して、表5または表6の最初の6行に提示される量で前記試料中に存在する。
Figure 0006017448
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表5は、配列番号:1〜24の各遺伝子について、上記病変に相当する特定の区間を示す。
Figure 0006017448
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表6は、配列番号:1〜24の各遺伝子について、上記病変に相当する平均±標準偏差を示す。
本発明はまた、血液疾患の治療の効果を判定するための方法に関し、前記治療は患者に投与される傾向があり、
前記方法は、
a)血液疾患、好ましくは骨髄性および/またはリンパ性血液疾患、より好ましくは骨髄性血液疾患に罹患した被験者の生物学的試料を、好ましくはインビトロで、前記血液疾患を治療するために使用される傾向があるまたは前記疾患を治療する傾向がある薬剤と接触させる工程、
b)工程a)で薬剤と接触させた生物学的試料において、少なくとも、24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現レベルを測定する工程、ここで、前記24遺伝子の群は配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、
前記サブグループに属する前記6遺伝子は配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたはこれらの核酸配列によって構成され、
ならびに
c)少なくとも、前記の、工程b)で得られた24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現レベルを、前記血液疾患を治療するために使用される傾向があるまたは前記疾患を治療する傾向がある前記薬剤と接触させていない前記生物学的試料での測定で得られた、少なくとも、前記の、24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子のサブグループの遺伝子の発現レベルと比較する工程、
を含む。
上記方法は実施が容易であり、薬剤に対するAML試料の感受性を評価することを可能にする。これは、腫瘍が薬剤に対して耐性であるため、患者において無効であり得る治療のコストを低減するために非常に重要である。
上記方法は、AMLの進行に対して効果を有する、および患者の治療のためにインビボで使用することができる薬剤を、インビトロでスクリーニングするために好都合に使用される。
これは、後成的修飾を調節することができる薬剤または化合物、特にアザシチジン(5−アザシチジン)またはデシタビン(5−アザデオキシシチジン)などの脱メチル化剤をスクリーニングするためにより好都合に重要である。
アザシチジンおよびデシタビンは、AMLおよび高悪性度のMDSを治療するために使用される強力な化学療法剤であるが、AMLおよび高悪性度MDSの約30%だけがこれらの作用に対して感受性である。したがって、コストおよび無効な治療の副作用を低減するために、治療されねばならないAMLおよび高悪性度MDSがこれらの化合物に応答性であるかどうかをインビトロで確認することは好都合である。
実施例9は、アザシチジンでのAML試料の治療が配列番号:1〜24の遺伝子(およびその結果として配列番号:1〜6の遺伝子)の発現比率を調節できることを示し、アザシチジンが、AML試料が由来するこの特定の患者において、インビボで使用された場合有効であることを明らかにする。
好都合には、本発明は、前記セットが配列番号:1〜10の核酸配列から成る10遺伝子から成る、上記で定義された方法に関する。
好都合には、本発明は、配列番号:1〜24から成る24遺伝子の発現レベルを測定する、上記で定義された方法に関する。
図1は、反応性酸素種(ROS、O ・−)を除去するために細胞において使用される天然の機構を示す。O ・−はH分子に変換され、前記Hは、解毒過程としてHOとO分子に変換されるか、または細胞内で生物学的作用を及ぼすOHおよびOHに変換される。
図2は、本発明による遺伝子のサブグループ(A)、セット(B)および群(C)の間の重なりを示す。Dは、セットに属するがサブグループには属さない遺伝子に対応する全体を示す。Eは、群に属するがセットには属さない遺伝子に対応する全体を示す。
図3A〜図3Eは、RARS、RCMD、RAEBおよびAMLの各病変について、配列番号:1〜24によって示される各遺伝子の発現レベルの図式的表示である。
図3Aは、5つの健常骨髄試料(対照試料)を使用することにより、ハウスキーピング遺伝子GAPDHと比較した、qRT−PCRによって得られた指示されている遺伝子の発現レベルをx軸に示すヒストグラムである。
y軸は、比率ΔCT遺伝子(ΔCT遺伝子=CT遺伝子−CTGAPDH)を示す。
図3Bは、対照試料(健常骨髄試料)と比較したRARS試料中の各指示遺伝子(x軸)の発現の変動の平均(黒色の線)および平均の標準誤差(灰色の領域)のグラフ表示である。y軸は、log10で表した、対照試料と比較した量の変動を示す。
図3Cは、対照試料(健常骨髄試料)と比較したRCMD試料中の各指示遺伝子(x軸)の発現の変動の平均(黒色の線)および平均の標準誤差(灰色の領域)のグラフ表示である。y軸は、log10で表した、対照試料と比較した量の変動を示す。
図3Dは、対照試料(健常骨髄試料)と比較したRAEB試料中の各指示遺伝子(x軸)の発現の変動の平均(黒色の線)および平均の標準誤差(灰色の領域)のグラフ表示である。y軸は、log10で表した、対照試料と比較した量の変動を示す。
図3Eは、対照試料(健常骨髄試料)と比較したAML試料中の各指示遺伝子(x軸)の発現の変動の平均(黒色の線)および平均の標準誤差(灰色の領域)のグラフ表示である。y軸は、log10で表した、対照試料と比較した量の変動を示す。
図4A〜図4Dは、RARS(図4A)、RCMD(図4B)、RAEB(図4C)およびAML(図4D)の各病変についての、配列番号:1〜24によって示される遺伝子の各々の発現レベルの図式的表示である。分類できない骨髄異形成症候群試料の配列番号:1〜24によって示される各遺伝子の発現レベルの表示を、4A〜Dの各図において破線で示す。
図5AおよびBは、2つの独立した分類できない骨髄異形成症候群試料の配列番号:1〜24によって示される遺伝子の各々の発現レベル(図5B)の図式的表示であり、前記発現はRCMD試料で認められる発現レベル(図5A)に類似する。
図6は、2つの独立した慢性骨髄単球性白血病試料の配列番号:1〜24によって示される遺伝子の各々の発現レベル(図6B)の図式的表示であり、前記発現はRAEB試料で認められる発現レベル(図6A)とは異なる。
図7は、RCMDの診断時(パネルB)および12か月後(パネルB、破線)の患者の配列番号:1〜24によって示される遺伝子の各々の発現レベルの図式的表示である。診断時の試料はRCMD試料に類似し(パネルA)、12か月後の試料はRAEBの獲得形質を有する(パネルBおよびパネルCにおけるPDRX2(1)およびGLRX5参照)。
図8は、アザシチジンでの治療後の同じAML(破線)と比較した、AMLの配列番号:1〜24によって示される遺伝子の各々の発現レベルの図式的表示である。
≪実施例≫
予備注釈
以下の実施例で使用したすべての試料は、盲検において、最初に本発明に従って試験し、対照試料と比較した。
すべてのSMDおよび白血病試料は本発明による方法の条件を満たす、すなわち試料の各々において配列番号:1〜6の遺伝子の少なくとも3遺伝子が、対照試料中の同じ対応する遺伝子の発現と比較したそれらの比率が0.5未満または2超のいずれかであるように発現される。
実施例1:
以下の実施例では、患者の試料および解析遺伝子発現を以下のように分析する。
試験材料および方法
試料の採取
正常骨髄(BM)試料(標準として使用した)を、整形外科手術を受けた患者から得た。MDSおよびAML患者からの骨髄試料は、診断の時点およびフォローアップの間に得た。AMLおよびMDS細胞を形態学的、細胞化学的および細胞遺伝学的所見に従って分類した。倫理委員会によって承認された手順に従って患者に通知し、同意を得た。BM試料をヘパリン加シリンジに吸引し、EDTAチューブに移した。
赤血球溶解
BM 3mLについて、EDTA(0.12mM)、重炭酸カリウム(KHCO)(10mM)および塩化アンモニウム(NHCl)(150mM)を含む溶解緩衝液47mL中で溶解を実施した。室温で15分間のインキュベーション後、細胞を700gで10分間遠心分離し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Invtrogen)20mL中で2回洗浄した。ペレットをTrizol(商標)(Invitrogen)(1mL/8×10細胞)に再懸濁し、15分間激しく混合した。溶解物をRNA抽出工程まで−80℃で保存した。
RNA抽出
全RNA抽出をクロロホルム/イソプロパノール/エタノール法に従って実施した。相の分離は、クロロホルム(Invitrogenから購入したTrizol(商標)1mLにつき0.2mL)を溶解物に添加することによって得た。50秒間混合した後、溶液を4℃で15分間、12,000gで遠心分離することによって3つの相に分けた。イソプロパノール(Trizol(商標)1mLにつき0.5mL)を添加することによってRNAを水相から沈殿させた。室温で10分間のインキュベーションおよび4℃で10分間の12,000gでの遠心分離後、RNAを75%エタノール(Trizol(商標)1mLにつき1mL)で洗浄し、4℃で5分間、7500gで遠心分離した。この工程を2回実施した。エタノール上清を除去した後、RNAペレットを20分間空気乾燥した。次に、RNAをUltraPure(商品名)DEPC処理水(Invitrogen)50μLに溶解し、−80℃で保存した。
RNAの定量化および定性化
全細胞RNAを、Nano−Drop 1000分光光度計(Nano−Drop Technologies)を用いて定量化し、RNA純度を、Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies)を用いて分析した。
逆転写および定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)分析
各試料からの全RNA3μgを、SuperScript(商標)VILO(商品名)cDNA合成キット(Invitrogen)を使用して、供給者のプロトコールに従って逆転写した。遺伝子発現の相対的定量化を、ProbeFinderソフトウェア(Roche Applied Science,www.roche−applied−science.com/sis/rtpcr/upl/ezhome.html)で設計されたUniversal ProbeLibraryアッセイを用いてLightCycler(商標)480マイクロウェルプレートに基づくサイクラープラットフォーム(Roche Applied Science)でのリアルタイムPCRによって実施した。プライマーはInvitrogenから購入し、Universal ProbeLibraryプローブはRoche Applied Scienceから購入した。各標的のプライマーおよびプローブのヌクレオチド配列を表Aに示す。すべての標的を同時に分析した。qRT−PCR反応を、LightCycler(商標)480 Probes Master(Roche Applied Science)を用いてcDNA 20ngに関して10μLの総容量で実施した。LightCycler(商標)480を、初期変性(95℃、10分)、次いで95℃、10秒、60℃、30秒、72℃、1秒および40℃、10秒の最終冷却工程の45サイクルにプログラムした。すべての反応を三重に実施し、平均値を定量化のために使用した。結果を、Roche Applied ScienceからのLightCycler(商標)480ソフトウェア(バージョン1.5.0)で決定したサイクル閾値(CT)を使用して相対定量法(ΔΔCT=ΔCT患者−ΔCT標準)によって解析した。ヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(GAPDH)を、標的の発現を基準化するための内在性コントロールとして使用した(ΔCT=CT標的−CT内在性コントロール)。患者と標準との間の相対的mRNA発現の変化を、2exp(−ΔΔCT)法(Livak KJ and Schmittgen TD.Analysis of relative gene expression data using real time quantitative PCR and the 2exp(−ΔΔCT)method.Methods 2001;25:402−408)を用いて各標的について決定した。
実施例2:骨髄異形成および白血病を診断するための6遺伝子の使用
方法の有効性を調べるため、白血病試料であると同定された患者試料を使用し、配列番号:1〜配列番号:6によって示される遺伝子の各々の発現レベルを、表4のオリゴヌクレオチドおよびプローブを使用することにより、実施例1で開示したようにRT−qPCRによって評価した。
結果を以下の表7に示す:
Figure 0006017448
表7は、各AML試料No.1〜No.5についての各々の指示されている遺伝子(配列番号:1〜6)の発現レベルの比率を示す。
以下の場合、本発明で定義される基準を満たす:
配列番号:1〜6によって示される遺伝子の中の3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子の発現レベルの比率が≧2.0または≦0.5のいずれかである場合、試料は血液疾患を示すとみなされる。
考慮される3遺伝子の組合せにかかわらず、上記基準が満たされる。
その他の基準は、配列番号:1の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:2および3の両方の比率が≧3.0である場合、試料はAMLを示す。
やはり、試験された上記5つのAML試料(表7)すべてについて、基準が満たされる。
試験した試料すべてがAMLに関する基準を満たす。それゆえ、本発明による方法はAMLと骨髄異形成疾患との識別を可能にする。
実施例3:白血病細胞株に関する本発明の方法の有効性確認
本発明の方法の有効性を確認するため、配列番号:1〜6によって示される遺伝子の発現レベルを、FAB分類に従って定義されるほとんどすべてのAMLサブタイプに対応する11の細胞株において評価した。
以下の細胞株を試験した:
KG1aおよびKG1(FAB M0/M1)、HL60(FAB M2)、KASUMI−1(FAB M2)、ML−2(FAB M4)、MV4−11(FAB M5)、THP−1(FAB M5)、U937(FAB M5)、K562(FAB M6)、TF−1(FAB M6)およびUT7(FAB M7)。
発現レベルを以下の表8に示す。
Figure 0006017448
表8は、対照試料(健常骨髄試料)中の対応する遺伝子の発現レベルと比較した、対応する細胞株における指示遺伝子の発現レベルの比率Rを示す。
以下の場合、本発明で定義される基準を満たす:
配列番号:1〜6によって示される遺伝子の中の3遺伝子の任意の組合せの各遺伝子の発現レベルの比率が≧2.0または≦0.5のいずれかである場合、試料は血液疾患を示すとみなされる。
考慮される3遺伝子の組合せにかかわらず、上記基準が満たされる。
その他の基準は、配列番号:1の比率が≦0.3であり、ならびに配列番号:2および3の両方の比率が≧3.0である場合、試料はAMLを示す。
やはり、試験した11の上記細胞株すべてについて(表3)、基準が満たされ、本発明の方法は、この細胞株に関して得られたこれらの結果が一次白血病細胞で得られる結果に対応することを確認する。
実施例4:骨髄異形成試料の分類
上記で定義されたように、配列番号:1〜24によって示される遺伝子の発現レベルの測定は骨髄異形成症候群のサブタイプを同定することを可能にする。
本発明による方法の有効性を確認するために、他の手法によって分類された患者試料のパネルを試験した。
3つのRARS、6つのRCMDおよび3つのRAEBを使用して、配列番号:1〜24によって示される遺伝子の発現レベルを評価した。
結果を以下に提示する:
Figure 0006017448
表9:RARS試料
Figure 0006017448
Figure 0006017448
表10:RCMD試料
Figure 0006017448
表11:RAEB試料
試験した試料すべてが、本発明による方法において定義される基準を満たす。
実施例5:RARS、RCMD、RAEBおよびAMLの特異的プロフィールの図式的表示
上記分類に対応する結果を、決定された試料を示す領域に対応する、「アンチオキシドグラム」によって図示することができる。
配列番号:1〜24の各遺伝子の発現を上記で定義したようにqRT−PCRによって測定し、ハウスキーピング遺伝子GAPDHの発現レベルと比較する。
図3Aは、発現レベルに従って分類した、GAPDHと比較した配列番号:1〜24の各遺伝子の発現の変動を示す。遺伝子番号は上記表1を使用することによって容易に見出される。
RARS試料(図3B)、RCMD試料(図3C)、RAEB試料(図3D)およびAML試料(図3E)についてのアンチオキシドグラムを使用して新たな試料を分類することができる。
実際に、配列番号:1〜24によって示される各遺伝子についての比率を測定することにより、曲線を描くことができる。この曲線を、次に、アンチオキシドグラムと比較することができ、したがって、試験した試料がどのような種類の病変に属するかが容易に決定される。
実施例6:分類できない骨髄異形成症候群の分類
上記アンチオキシドグラムは、他の分類手法ではうまくいかない骨髄異形成症候群を分類するために用いることができる。
配列番号:1〜24の遺伝子の各々の発現レベルを本発明に従って測定し、曲線を作製した。
この曲線(破線)を、次に、RARS、RCMD、RAEBおよびAMLの「特異的」アンチオキシドグラムと比較した。
図4は、発現の比率Rの大部分がRCDM試料の特徴である比率に近いことを示す。
図5は、分類できない骨髄異形成症候群の2つの独立した試料が配列番号:1〜24の遺伝子の類似した発現レベルを示し、したがってRCDM試料の特徴であるものに近いことを示す。
実施例7:オキシドグラムを使用することによるMDSの区別
慢性骨髄単球性白血病(CMML)は、単球増加を特徴とする白血病の形態である。この疾患の類別は論議の的となってきた。
CMMLを有する患者は、患者の特定の症状に依存して骨髄異形成症候群または骨髄増殖性腫瘍のいずれかを模倣する、様々な臨床特徴を呈し得る。
この論議のために、CMMLは2000年代初期に世界保健機構によって「骨髄異形成/骨髄増殖性」カテゴリの内科疾患に分類された。
本発明によるオキシドグラムは、組織学的分析によるとRAEBに近い、CMML試料の状態を判定するのに役立ち得る。
図6に示すように、CMMLを有する2名の患者の試料の配列番号:1〜24の遺伝子の発現レベルは、RAEBの配列番号:1〜24の遺伝子の発現レベルとは異なる。
これらのデータは、CMMLがMDSとは異なることを明らかにする。
実施例8:進行性MDSのフォローアップのためのオキシドグラムの使用
先に述べたように、MDSは徐々にAMLへと進行する。したがって、この進行が緩やかであるか急速であるかを知ることは重要である。
オキシドグラムを使用して、配列番号:1〜24の遺伝子の分子発現が診断の時点から所定の日までに進行したかどうかを判定することができる。
一例を図7に示す。患者はt=0の時点でRCMDを有すると診断された。
診断から12か月後にも、配列番号:1〜24の遺伝子の発現レベルを測定した。
図7は、診断時と12か月後の発現の間の相違を示す。12か月後に、オキシドグラムは患者がRCMDからRAEBへと進行しつつあることを示すが、組織学的分析はいかなる相違も示さない。
実施例9:脱メチル化剤の抗腫瘍作用のインビトロでの測定
AMLを治療するために新しい治療薬が積極的に探索されている。これらの化合物は、広範な探索のために、費用がかかり、また残念ながらすべてのAML試料において普遍的に有効というわけではない。
AMLサブタイプの平均30%が新規治療薬に応答性であり、白血病の進行を遅らせるために患者において有効に使用することができる。
しかし、薬剤に対する正または負のインビボ応答は、治療の開始から6〜9か月後まで得ることができない。
本発明によるオキシドグラムを使用して、配列番号:1〜24の遺伝子の発現レベルの変化を調べることにより、薬剤が白血病試料に有効であるかどうかをインビトロで評価することができる。
図8は、脱メチル化剤アザシチジンで治療したAML試料の例を示す。この図は、この特定の試料において、治療が遺伝子の発現レベルを変化させ、患者のためにインビボで有効であり得ることを明らかにする。

Claims (8)

  1. 急性骨髄性白血病又は骨髄異形成疾患、インビトロでの、診断の補助のための方法であって、
    a)被験者の生物学的試料に含まれる骨髄細胞から、少なくとも、24遺伝子の群の中から選択される遺伝子のセットに属する6遺伝子の発現レベルを測定する工程、ここで、前記24遺伝子の群は配列番号:1〜24の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成され、
    前記6遺伝子は、配列番号:1〜6の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成されるものとし、
    b)工程a)で測定された各遺伝子の発現レベルを、対照試料に含まれる細胞からの同じそれぞれの遺伝子の発現レベルと比較して、前記6遺伝子の各遺伝子ついての遺伝子発現レベル比を確立する工程、ここで、前記対照試料は健常個体の試料であるものとし、および
    c)前記生物学的試料の状態を、前記6遺伝子からの少なくとも3個の遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合に、前記生物学的試料は急性骨髄性白血病又は骨髄異形成疾患を示していると判定する工程、
    を含む前記方法。
  2. 工程b)で確立された比率が、
    ・配列番号:1の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成される遺伝子について、≦0.3、ならびに
    ・配列番号:2および3の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列によって構成される遺伝子について、≧3.0である場合に、
    前記生物学的試料は急性骨髄性白血病を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 工程c)が次のとおりである:
    ・前記6遺伝子からの3遺伝子について工程b)で確立された比率が≧2または≦0.5のいずれかである場合、
    ただし、
    ・前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:1の核酸配列を含むかもしくは前記核酸配列によって構成される遺伝子の発現レベル間の比率が≦0.3ではないか、または
    ・前記生物学的試料で測定されたおよび前記対照試料で測定された配列番号:2もしくは3の核酸配列を含むかもしくは前記核酸配列によって構成される遺伝子の各々の発現レベル間の比率が≧3ではない場合、
    前記生物学的試料は、骨髄異形成疾患を示す、請求項1に記載の方法。
  4. 遺伝子の発現レベルを定量的方法、特にRT−qPCRによって測定する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも工程a)における前記遺伝子の発現レベルの測定を、少なくとも配列番号:25〜36のヌクレオチド分子を使用することによって実施する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドのライブラリの中から選択される少なくとも12のオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、前記少なくとも12のオリゴヌクレオチドが配列番号:25〜36の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列から成る、組成物
  7. 急性骨髄性白血病又は骨髄異形成疾患、インビトロでの、診断に使用するための、請求項に記載の組成物。
  8. 配列番号:25〜72の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列から成る48オリゴヌクレオチドの群の中から選択される少なくとも12のオリゴヌクレオチドを含むキットであって、前記少なくとも12のオリゴヌクレオチドが配列番号:25〜36の核酸配列を含むかまたは前記核酸配列から成る、キット。
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