JP6009378B2 - 水溶性金属加工油剤および金属加工用クーラント - Google Patents

水溶性金属加工油剤および金属加工用クーラント Download PDF

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Description

本発明は、水溶性金属加工油剤、およびそれを水で希釈して研削等の金属加工に用いる金属加工用クーラントに関する。
金属加工に用いられる金属加工油剤には油系(油性)と水系(水性)があるが、冷却性、浸潤性に優れ、火災の危険がない水性タイプが多用されている。水性タイプとしては、鉱油等の油性基油に界面活性剤を配合してなるエマルション系油剤や、界面活性剤の配合量を増やしたソルブル系油剤の他に、ポリアルキレングリコール等の水溶性潤滑剤を主成分とするソリューション系油剤が知られている(特許文献1、2参照)。特に研削のように冷却性が重要な用途では、鉱油を含まず水溶性であるソリューション系油剤が多用される。
特公昭40−14480号公報 特開2010−70736号公報
ソリューション系油剤を用いた場合、潤滑性が低いと研削焼けが起こりやすくなり、砥石寿命も低下する。特許文献1、2に記載のソリューション系油剤では、ポリアルキレングリコールの添加量を増すことにより潤滑性は良好となるものの、砥石へのいわゆる食い付き性が低下する。このような油剤を研削加工に用いた場合、研削効率が低下するおそれがある。それ故、低面圧下における潤滑性を低下させて食い付き性を高めると、高面圧下(局所的高負荷がかかる箇所)において上記した問題が顕著となる。
本発明は、低面圧下だけでなく、高面圧下においても良好な潤滑性を示し、研削焼けや砥石寿命の低下を抑制できる水溶性金属加工油剤およびこれを水で希釈してなる金属加工用クーラントを提供することを目的とする。
本発明者らは、ソリューション系油剤に最適な潤滑性を付与すべく鋭意検討した結果、スルフィド構造含有の多価カルボン酸とポリアルキレングリコールとを併用することにより、低面圧下では従来と同等の潤滑性を示しながら、高面圧下においても潤滑性が良好に維持できることを見いだし、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、以下に示すような水溶性金属加工油剤およびこれを水で希釈してなる金属加工用クーラントを提供するものである。
〔1〕(A)硫黄含有多価カルボン酸と、(B)ポリアルキレングリコールとを配合してなることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
〔2〕上述の〔1〕に記載の水溶性金属加工油剤において、前記(A)成分が下記式(1)で示される硫黄含有ジカルボン酸であることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
HOOC−R−S−R−COOH (1)
(RおよびRは炭素数1以上5以下の炭化水素基であり、nは1以上8以下の整数である。)
〔3〕上述の〔1〕または〔2〕に記載の水溶性金属加工油剤において、前記(B)成分が下記式(2)および下記式(3)で示されるポリアルキレングリコールのうち少なくともいずれか1種であることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
RO−(X)−(Y)−(X)−H (2)
RO−(X)−(Y/X−(X)−H (3)
(XとYは、EO構造(−CHCHO−)およびPO構造(−CH(CH)CHO−または−CHCH(CH)O−)のいずれかであって、XとYは異なる構造である。Rは水素または炭素数が1以上30以下の炭化水素である。(X)、(Y)、(X)、(X)、(Y/X、および(X)の各単位は、ブロック的に結合している。Y/Xは、XとYがランダムに結合している構造を意味する。a、b、dは1以上の整数であり、c、e、fは0以上の整数である。上記各式において、EO構造の総数は1以上100以下であり、PO構造の総数は1以上100以下である。)
〔4〕上述の〔1〕から〔3〕までのいずれか1つに記載の水溶性金属加工油剤において、さらに、(C)ノニオン系界面活性剤を配合してなることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
〔5〕上述の〔4〕に記載の水溶性金属加工油剤において、前記(C)成分がアセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
〔6〕上述の〔1〕から〔5〕までのいずれか1つに記載の水溶性金属加工油剤において、さらに、(D)アルカノールアミンを配合してなる
ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
〔7〕上述の〔1〕から〔6〕までのいずれか1つに記載の水溶性金属加工油剤において、前記(A)成分の配合量が、油剤全量基準で、0.1質量%以上14質量%以下であることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
〔8〕上述の〔1〕から〔7〕までのいずれか1つに記載の水溶性金属加工油剤において、前記(B)成分の配合量が、油剤全量基準で、10質量%以上60質量%以下であることを特徴とする水溶性金属加工油剤。
〔9〕上述の〔1〕から〔8〕までのいずれか1つに記載の水溶性金属加工油剤を水で2倍以上200倍以下(容量)に希釈したことを特徴とする金属加工用クーラント。
〔10〕上述の〔9〕に記載の金属加工用クーラントが研削用であることを特徴とする金属加工用クーラント。
本発明の水溶性金属加工油剤(原液)は、硫黄含有多価カルボン酸と、ポリアルキレングリコールを配合してなるので、水で希釈して金属加工用クーラントとしたときに、低面圧下だけでなく、高面圧下においても良好な潤滑性を示し、研削焼けや砥石寿命の低下を十分に抑制できる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の水溶性金属加工油剤(以下、「本油剤」ともいう)は、(A)硫黄含有多価カルボン酸と、(B)ポリアルキレングリコールとを水に配合した原液である。以下、本油剤およびこれを水で希釈した金属加工用クーラントについて詳細に説明する。
〔(A)成分〕
本油剤における(A)成分は、硫黄含有多価カルボン酸であり、高面圧下における潤滑性を付与するものである。(A)成分としては、特に下記式(1)で示される構造の硫黄含有ジカルボン酸が、高面圧下における潤滑性の観点より優れている。
HOOC−R−S−R−COOH (1)
ここで、RおよびRは炭素数1以上5以下の炭化水素基であり、nは1以上8以下の整数である。RやRの炭素数が6以上であると水溶性が低下するおそれがある。
上記式(1)のジカルボン酸における総炭素数は4以上12以下であるが、6以上10以下であることが水溶性および潤滑性の観点より好ましい。RやRとしては、アルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、プロピレン基、およびブチレン基等が挙げられる。水溶性および潤滑性の観点より特に、エチレン基が好ましい。
また、nが9以上であると、構造が不安定となり分解するおそれがある。それ故、nは6以下であることが好ましく、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1である。
このような硫黄含有ジカルボン酸としては、例えば、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、チオ二酢酸、チオジこはく酸、ジチオ二酢酸、およびジチオ二酪酸などが挙げられる。
(A)成分の配合量としては、原液全量基準で0.1質量%以上14質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。(A)成分の配合量が多すぎると潤滑性が高くなり過ぎ、研削効率が低下するおそれがある。
〔(B)成分〕
本油剤における(B)成分は、ポリアルキレングリコールであり、高面圧下および低面圧下における潤滑性の向上に寄与する。特に、低面圧下において、適度の食い付き性を担保しながら潤滑性を向上させる。このような(B)成分としては、低面圧下における潤滑性付与の観点より、下記式(2)、(3)で示されるポリアルキレングリコールのうち少なくともいずれか1種を用いることが好ましい。
RO−(X)−(Y)−(X)−H (2)
RO−(X)−(Y/X−(X)−H (3)
上記式(2)および(3)のポリアルキレングリコールは、本油剤において、水溶性の潤滑剤として作用する。
式(2)、(3)において、XとYは、EO構造(−CHCHO−)および、PO構造(−CH(CH)CHO−または−CHCH(CH)O−)のいずれかであって、XとYは異なる構造である。
また、Rは水素または炭素数が1以上30以下、好ましくは炭素数1以上3以下、より好ましくは炭素数1のアルキル基である。炭素数が30を超えると、水溶性が低下するおそれがある。
前記した(X)、(Y)、(X)、(X)、(Y/X、および(X)の各単位は、ブロック的に結合している。また、Y/XはXとYがランダムに結合している構造を意味する。
XとYは水溶性の観点より、好ましくはXがEO構造、YがPO構造である。
また、a、b、dは1以上であり、c、e、fは0以上であるが、より好ましくはc、e、fは1以上である。
ここで、式(2)および(3)におけるEO構造の総数は、1以上100以下、好ましくは1以上40以下、より好ましくは10以上30以下であり、PO構造の総数は1以上100以下、好ましくは10以上50以下、より好ましくは20以上40以下である。EO構造の総数が100を超えると、水で希釈した際の潤滑性が低下するおそれがある。また、PO構造の総数が100を超えると、水溶性が低下するおそれがある。
上記した(B)成分の質量平均分子量は、500以上10000以下であることが好ましく、1000以上5000以下であることがより好ましい。質量平均分子量が500未満の場合、あるいは10000を超える場合のいずれにおいても、水で希釈した際の潤滑性が低下してしまうおそれがある。
(B)成分である式(2)および式(3)のポリアルキレングリコールは各々単独でも混合して用いてもよい。また、式(2)および式(3)のポリアルキレングリコールは、EO構造やPO構造の比率等が異なる種々の構造のものを混合して用いてもよい。
(B)成分の好ましい配合量は、原液全量基準で10質量%以上60質量%以下であり、より好ましい配合量は、20質量%以上40質量%以下、さらに好ましい配合量は、20質量%以上30質量%以下である。この配合量が多すぎると低面圧下における潤滑性が高くなりすぎ、研削の際に砥石の食い付き性が低下するおそれがある。
本油剤は、上記した(A)成分と(B)成分を、水に配合して原液としたものである。本油剤(原液)は、油剤全量基準で、(A)成分および(B)成分を合わせた配合量が10質量%以上40質量%以下であることが好ましく、より好ましい配合量は20質量%以上35質量%以下である。 (A)成分および(B)成分を合わせた配合量が10質量%未満であると、現場での本油剤使用時に水による希釈率が高すぎた場合、潤滑性の低下(摩擦係数の上昇)を招くおそれがある。一方、(A)成分および(B)成分を合わせた配合量が40質量%を超えると原液安定性が低下するおそれがある。ここで、原液安定性とは、相分離、固体の不溶解、析出等で原液の均一性がなくなることをいう。
原液調製用の水の割合は20質量%以上75質量%以下が好ましい。水の割合が20質量%未満であると、(A)成分と(B)成分の溶解が困難となり、原液の調製が煩雑となる。また、原液調製用の水の割合が75質量%を超えると、原液としての保管量や輸送量が過大となりハンドリング性が低下する。
なお、本油剤(原液)は、水で2倍以上200倍以下、好ましくは5倍以上100倍以下の比率(容量比)に希釈され金属加工用クーラントとして使用される。
本油剤には、(C)成分としてノニオン系界面活性剤をさらに配合することが好ましい。このような界面活性剤を配合することにより、本油剤の濡れ性が向上し砥石と被削材との間に本油剤が浸透しやすくなる。
(C)成分としては、その効果の観点よりアセチレングリコール系界面活性剤が特に好ましい。このようなアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、特開2011−12249号公報に記載されているアセチレングリコールやそのアルキレンオキサイド付加物を好適に使用可能である。市販品としては、日信化学工業(株)製のダイノール604やサーフィノール465などが挙げられる。
(C)成分の配合量としては、原液全量基準で0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。(C)成分の配合量が多すぎると希釈時の消泡性が悪化する。
本油剤には、(D)成分として、さらにアルカノールアミンを配合することが好ましい。このアルカノールアミンは、上述の(A)成分あるいは後述するカルボン酸と反応し、アルカノールアミンカルボン酸塩となって潤滑性をより高める。また、アルカノールアミンは、防錆剤としても機能する。
アルカノールアミンとしては、特に制限はなく、一級、二級、および三級アミンを組み合わせて使用することができる。ただし、一級アミンのみを使用するとアミンの揮発性が高く、臭気性の点で作業環境を悪化するおそれがある。それ故、一級アミンを使用する際は、二級アミンや三級アミンを組み合わせることが好ましい。また、臭気性の観点より三級アミンが好ましい。
一級アミンの具体例としては、例えば、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−2−ブタノールなどが挙げられる。これらの中でも、鉄に対する防錆性の点で1−アミノ−2−プロパノールや2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが特に好ましい。本油剤においては、上記した成分は1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
二級アミンの具体例としては、例えばジエタノールアミン、ジ(n−プロパノール)アミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、N−シクロモノエタノールアミン、N−n−プロピルモノエタノールアミン、N−i−プロピルモノエタノールアミン、N−n−ブチルモノエタノールアミン、N−i−ブチルモノエタノールアミン、およびN−t−ブチルモノエタノールアミンなどが挙げられる。本油剤においては、上記した成分は1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
三級アミンの具体例としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N−n−プロピルジエタノールアミン、N−i−プロピルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−i−ブチルジエタノールアミン、およびN−t−ブチルジエタノールアミンなどが挙げられる。上記した成分は1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上述の(D)成分の配合量は、原液全量基準20質量%以上55質量%以下であることが好ましい。(D)成分の配合量が20質量%未満であると、現場での本油剤使用時に水による希釈率が高すぎた場合、防錆性の低下を招いてしまうおそれがある。一方、(D)成分の配合量が55質量%を超えると原液安定性が低下する。
また、上記(D)成分と併用することが好ましい成分として硫黄を含有しないカルボン酸が挙げられる。例えば、炭素原子数6以上60以下のモノカルボン酸やジカルボン酸が挙げられる。具体的には、カプロン酸、カプリル酸、ノナン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノレイン酸、ヒドロキシ脂肪酸(例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等)、アラキン酸、ベヘン酸、メリシン酸、イソノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、油脂より抽出された大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、石油より抽出されたナフテン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、モノまたはジヒドロキシアラキン酸等、さらにオレイン酸、リシノール酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の二量体、三量体等の合成脂肪酸が挙げられる。
特に好ましいカルボン酸としては、油剤の消泡性の観点および硬水安定性の観点より炭素原子数8から10までのカプロン酸、ノナン酸、イソノナン酸、トリメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、デカン酸が、ジカルボン酸としては炭素原子数9から12までのノナン二酸、ウンデカン二酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
特に上記したイソノナン酸は、油剤(原液)を水で希釈した時、固形物が液面にできるのを低減する効果(硬水安定性)に優れている。
また、脂肪酸の主鎖を構成するアルキル基としては耐腐敗性の点で分岐構造を有するものが好ましい。脂肪酸としては二塩基酸を用いた方が塩として用いた場合に防錆性に優れるが、原液の安定性(不溶化しにくいこと)の観点より、二塩基酸と一塩基酸とを混合して使用することが好ましい。
また、本油剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で各種公知の添加剤を適宜配合することができる。例えば、極圧剤、油性剤、殺菌剤、金属不活性化剤(耐腐食剤)、界面活性剤および消泡剤などである。
極圧剤としては、硫黄系極圧剤、リン系極圧剤、硫黄および金属を含む極圧剤、リンおよび金属を含む極圧剤が挙げられる。これらの極圧剤は一種を単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。極圧剤としては、分子中に硫黄原子やリン原子を含み、耐荷重性や耐摩耗性を発揮しうるものであればよい。分子中に硫黄を含む極圧剤としては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合物、アルキルチオカルバモイル化合物、トリアジン化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。これらの極圧剤の配合量は、配合効果の点から、最終的な希釈液基準で、0.05質量%以上0.5質量%以下程度となるように原液に配合される。
油性剤としては、脂肪族アルコール、脂肪酸や脂肪酸金属塩などの脂肪酸化合物、ポリオールエステル、ソルビタンエステル、グリセライドなどのエステル化合物、脂肪族アミンなどのアミン化合物などを挙げることができる。これらの油性剤の配合量は、配合効果の点から、最終的な希釈液基準で、0.2質量%以上2質量%以下程度となるように原液に配合される。
殺菌剤としては、例えば、2−ピリジルチオ−1−オキシド塩が挙げられる。具体的には、2−ピリジルチオ−1−オキシドナトリウム、ビス(2−ピリジルジチオー1−オキシド)亜鉛、およびビス(2-スルフィドピリジン−1−オラト)銅などが挙げられる。これらの殺菌剤の配合量は、配合効果の点から、最終的な希釈油基準で、0.01質量%以上5質量%以下程度となるように原液に配合される。
金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、およびチアジアゾール等が挙げられる。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属不活性化剤の配合量は、配合効果の点から、最終的な希釈油基準で、0.01質量%以上3質量%以下程度となるように原液に配合される。
界面活性剤としては、特に制限はなくノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系面活性剤、両性界面活性剤が使用でき、また、これら界面活性剤を混合して使用することができる。好適な例としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、またはそれらの界面活性剤の混合物が挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコールまたはそのモノ、ジエーテル化合物、グリセリン若しくはそのアルキレンオキサイド付加物またはエーテル化合物などのポリオキシアルキレン系界面活性剤、カルボン酸とアルコールとのエステル、アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸(例えば、炭素数7から22までの飽和または不飽和脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸など)またはスルホン酸とアミンまたは金属との塩、リシノール酸などのヒドロキシ脂肪酸の重縮合物と脂肪酸とのエステルまたはそのアミンまたは金属との塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩類などのリン酸エステル塩類、スチレンなどのオレフィンと無水マレイン酸共重合物などを部分ケン化した重合系高分子界面活性剤、ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合型高分子界面活性剤などが挙げられる。
これらの界面活性剤の配合量は、配合効果の点から、最終的な希釈液基準で、0.01質量%以上10質量%以下程度となるように原液に配合される。
消泡剤としては、メチルシリコーン油、フルオロシリコーン油、ポリアクリレートなどを挙げることができる。これらの消泡剤の配合量は、配合効果の点から、最終的な希釈液基準で、0.004質量%以上0.04質量以下%程度となるように原液に配合される。
本発明の水溶性金属加工油剤は、前記したようにその使用目的に応じて適当な濃度になるよう適宜水に希釈して、研削加工や切削加工をはじめ、研磨、絞り、抽伸、圧延等の各種の金属加工分野に好適に利用することができる。なお、研削加工としては、円筒研削加工、内面研削加工、平面研削加工、心なし研削加工、工具研削加工、ホーニング加工、超仕上げ加工、および特殊曲面研削加工(例えばねじ研削、歯車研削、カム研削、ロール研削)などが挙げられる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〜5、比較例1〜2〕
表1に示す配合処方により水溶性金属加工油剤(原液)を調製した後、各原液を水道水で20倍(容量)に希釈し、高面圧下と低面圧下を想定した2種の動摩擦係数を測定した。測定方法は以下の通りである。なお、参考例として鉱油ベースの油系加工油(希釈無し)についても同様にして動摩擦係数を測定した。
(1)往復動摩擦試験
試験機 :往復動摩擦試験機(エーアンドディー社製)
荷重 :29.4N
速度 :20mm/sec
振幅 :20mm
摺動回数:20往復
温度 :25℃
試験片 :SPCC SD
ボール :SUJ−2(φ3/16インチ(4.8mm)
(2)ブロック・オン・リング試験
試験機 :ブロック・オン・リング試験機(丸菱エンジニアリング株式会社製)
荷重 :100N
周速度 :53m/min
時間 :10min
リング :SAE 4620 STEEL
ブロック:S45C
Figure 0006009378
1)ダイノール604(日信化学工業製)0.8質量%、サーフィノール465(日信化学工業製)4質量%
〔評価結果〕
実施例1〜5の原液を希釈してなるクーラントは、本発明の(A)成分と(B)成分を配合してなるため、低面圧および高面圧を想定した上記試験において、いずれも良好な摩擦特性を示した。これに対して比較例1、2は、上記(A)成分を欠いているため、高面圧下における潤滑性が不十分である。特に比較例1は、(A)成分と(B)成分の双方を欠いているため、高面圧下における潤滑性が極めて悪い。

Claims (10)

  1. (A)硫黄含有多価カルボン酸と、(B)ポリアルキレングリコールと、(C)アセチレングリコール系界面活性剤とを配合してなる
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  2. 請求項1に記載の水溶性金属加工油剤において、
    前記(A)成分が下記式(1)で示される硫黄含有ジカルボン酸である
    HOOC−R−S−R−COOH (1)
    (RおよびRは炭素数1以上5以下の炭化水素基であり、nは1以上8以下の整数である。)
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水溶性金属加工油剤において、
    前記(B)成分が下記式(2)および下記式(3)で示されるポリアルキレングリコールのうち少なくともいずれか1種である
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
    RO−(X)−(Y)−(X)−H (2)
    RO−(X)−(Y/X−(X)−H (3)
    (XとYは、EO構造(−CHCHO−)およびPO構造(−CH(CH)CHO−または−CHCH(CH)O−)のいずれかであって、XとYは異なる構造である。Rは水素または炭素数が1以上30以下の炭化水素である。(X)、(Y)、(X)、(X)、(Y/X、および(X)の各単位は、ブロック的に結合している。Y/Xは、XとYがランダムに結合している構造を意味する。a、b、dは
    1以上の整数であり、c、e、fは0以上の整数である。上記各式において、EO構造の総数は1以上100以下であり、PO構造の総数は1以上100以下である。)
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の水溶性金属加工油剤において、
    さらに、(D)アルカノールアミンを配合してなる
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の水溶性金属加工油剤において、
    前記(A)成分の配合量が、油剤全量基準で、0.1質量%以上14質量%以下である
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の水溶性金属加工油剤において、
    前記(B)成分の配合量が、油剤全量基準で、10質量%以上60質量%以下である
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の水溶性金属加工油剤において、
    前記(C)成分の配合量が、油剤全量基準で、0.1質量%以上20質量%以下である
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  8. 請求項4に記載の水溶性金属加工油剤において、
    前記(D)成分の配合量が、油剤全量基準で、20質量%以上55質量%以下である
    ことを特徴とする水溶性金属加工油剤。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の水溶性金属加工油剤を水で2倍以上200倍以下(容量)に希釈した
    ことを特徴とする金属加工用クーラント。
  10. 請求項9に記載の金属加工用クーラントが研削用である
    ことを特徴とする金属加工用クーラント。
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