JP6006756B2 - 導電性ゴムローラ用組成物および導電性ゴムローラ - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ゴムローラ用組成物および導電性ゴムローラ、詳しくは、電子写真方式の画像形成装置などに用いられる導電性ゴムローラ、および、その導電性ゴムローラに好適な導電性ゴムローラ用組成物に関する。
従来より、電子写真方式が採用される画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、トナー像が形成される感光ドラムと、その感光ドラムに対向配置される導電性ゴムローラとを備えている。導電性ゴムローラとしては、例えば、感光ドラムを帯電させるための帯電ローラや、感光ドラムにトナーを供給するための現像ローラ、感光ドラムからトナー像を用紙に転写するための転写ローラなどが挙げられる。
このような導電性ゴムローラとして、芯金と、芯金の外周に形成され、イオン導電性を有するゴム層とを備える導電性ゴムローラが知られている。
しかるに、導電性ゴムローラには、画像形成動作時においてバイアスが印加されるところ、イオン導電性を有するゴム層は、外部環境(例えば、湿度および温度)の変化に伴ない電気抵抗が変動するので、印加されたバイアスが、外部環境(例えば、湿度および温度)に依存するという不具合がある。
そこで、外部環境の変化に伴なう電気抵抗の変動(以下、電気抵抗環境依存性とする。)が小さいゴム層を形成するためのゴム組成物が種々検討されている。
例えば、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル2元系共重合体と、アクリロニトリル−ブタジエンゴムと、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上であるカーボンブラックと、DBP吸油量が100ml/100g以下であるカーボンブラックとを含有するゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−181978号公報
しかし、特許文献1に記載のゴム組成物から形成される半導電性弾性体層は、初期の電気抵抗環境依存性が低減されるが、バイアスの印加により通電されると劣化し、外部環境の変化に伴なう電気抵抗の変動が大きくなってしまうという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持できるゴム層を形成できる導電性ゴムローラ用組成物、および、そのゴム層を備える導電性ゴムローラを提供することにある。
本発明の導電性ゴムローラ用組成物は、エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル2元共重合体、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド2元共重合体、および、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のエピクロルヒドリンゴムと、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体と、ジブチルフタレート吸油量が100ml/100g以下である第1のカーボンブラックと、ジブチルフタレート吸油量が250ml/100g以上である第2のカーボンブラックとを含有することを特徴としている。
このような構成によれば、導電性ゴムローラ用組成物が、エピクロルヒドリンゴムと、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、ジブチルフタレート吸油量が100ml/100g以下である第1のカーボンブラックと、ジブチルフタレート吸油量が250ml/100g以上である第2のカーボンブラックとを含有しているので、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層において、初期(通電前)の電気抵抗環境依存性の低減を図ることができる。
また、導電性ゴムローラ用組成物が、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を含有しているので、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層は、通電されても、電気抵抗環境依存性が劣化することが抑制される。
つまり、本発明の導電性ゴムローラ用組成物は、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持できるゴム層を形成することができる。
また、本発明の導電性ゴムローラ用組成物では、前記第2のカーボンブラックの配合割合は、前記第1のカーボンブラック100質量部に対して、10質量部以上であり、前記第1のカーボンブラックおよび前記第2のカーボンブラックの総和の配合割合は、前記エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、100質量部を超過することが好適である。
しかるに、DBP吸油量が大きいカーボンブラックは、導電性ゴムローラ用組成物中において、連鎖状に凝集しやすく、DBP吸油量が小さいカーボンブラックは、導電性ゴムローラ用組成物中において、分散しやすい。
そのため、DBP吸油量が相対的に大きなカーボンブラックを導電性ゴムローラ用組成物に含有させると、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層の抵抗値を確実に低減することができるが、ゴム層においてカーボンブラックの分散不良が生じ、ゴム層の抵抗値を均一にすることが困難である。
一方、DBP吸油量が相対的に小さなカーボンブラックを導電性ゴムローラ用組成物に含有させると、ゴム層においてカーボンブラックを効率よく分散させることができるが、ゴム層の抵抗値を十分に低下させるためには、多量のカーボンブラックが必要となる。
これに対して、上記の構成によれば、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上である第2のカーボンブラックが、DBP吸油量が100ml/100g以下である第1のカーボンブラック100質量部に対して、10質量部以上であるので、第2のカーボンブラックを連鎖状に凝集させることができながら、第1のカーボンブラックを効率よく分散させることができる。
その結果、第2のカーボンブラックと第1のカーボンブラックとが電気的に導通されるので、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層の抵抗値を確実に低下させることができながら、ゴム層の抵抗値のばらつきを抑えることができる。
また、第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックの総和の配合割合が、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、100質量部を超過しているので、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層において、初期(通電前)の電気抵抗環境依存性の低減を確実に図ることができる。
また、本発明の導電性ゴムローラ用組成物では、前記第1のカーボンブラックおよび前記第2のカーボンブラックの総和の配合割合は、前記アクリロニトリル・ブタジエンゴム100質量部に対して、90質量部を超過することが好適である。
このような構成によれば、第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックの総和の配合割合が、アクリロニトリル・ブタジエンゴム100質量部に対して、90質量部を超過しているので、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層において、初期(通電前)の電気抵抗環境依存性の低減をより一層確実に図ることができる。
本発明の導電性ゴムローラは、軸部と、上記の導電性ゴムローラ用組成物からなり、前記軸部を被覆するように設けられるゴム層と、を備えることを特徴としている。
このような構成によれば、導電性ゴムローラが、上記の導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層を備えているので、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持できる。
本発明の導電性ゴムローラ用組成物は、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持することができるゴム層を形成できる。
また、本発明の導電性ゴムローラは、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層を備えるので、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持することができる。
図1Aは、本発明の導電性ゴムローラの一実施形態の斜視図を示す。図1Bは、図1Aに示す導電性ゴムローラの断面図を示す。 各実施例および各比較例における体積抵抗値の測定方法を説明するための説明図を示す。
導電性ゴムローラ用組成物は、導電性ゴムローラを形成するための導電性ゴムローラ材料であり、必須成分として、イオン導電性を有するゴム成分と、電子伝導性を有する導電成分とを含有している。
ゴム成分は、特定のエピクロルヒドリンゴムと、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体とを含有している。
特定のエピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル2元共重合体、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド2元共重合体、および、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のエピクロルヒドリンゴムである。
このようなエピクロルヒドリンゴムのなかでは、好ましくは、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド二元共重合体、および、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル三元共重合体が挙げられる。
また、エピクロルヒドリンゴムのムーニー粘度(ML1+4、at100℃)は、例えば、20以上、好ましくは、30以上、例えば、80以下、好ましくは、70以下である。
このようなエピクロルヒドリンゴムは、2種以上併用することもできるが、好ましくは、単独で使用される。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、ゴム成分中において、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、70質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合が、上記下限以上であると、後述するゴム層2の導電性の向上を図ることができ、上記上限以下であると、後述するゴム層2の電気抵抗環境依存性の低減を確実に図ることができる。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムは、アクリロニトリルと、1,3−ブタジエンとの共重合体である。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムにおけるアクリロニトリル含有量(中心値)は、例えば、15質量%以上、例えば、40質量%以下、後述する導電性ゴムローラ1の耐寒性を考慮すると、好ましくは、30質量%以下である。
このようなアクリロニトリル・ブタジエンゴムは、常温(25℃)において、液状および固形状のいずれの形態であってもよく、好ましくは、固形状である。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムが常温固形状である場合、アクリロニトリル・ブタジエンゴムのムーニー粘度(ML1+4、at100℃)は、例えば、20以上、好ましくは、30以上、例えば、80以下、好ましくは、70以下である。
このようなアクリロニトリル・ブタジエンゴムは、2種以上併用することもできるが、好ましくは、単独で使用される。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムの配合割合は、ゴム成分中において、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体は、エチレンと、プロピレンと、ジエン類との共重合体である。
ジエン類としては、例えば、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられ、好ましくは、エチリデンノルボルネンが挙げられる。
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体におけるエチレン含有量(中心値)は、例えば、30mol%以上、好ましくは、45mol%以上、例えば、60mol%以下、好ましくは、55mol%以下である。
また、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体のムーニー粘度(ML1+4、at100℃)は、例えば、20以上、好ましくは、25以上であり、例えば、80以下、好ましくは、70以下である。
このようなエチレン・プロピレン・ジエン共重合体は、2種以上併用することもできるが、好ましくは、単独で使用される。
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体の配合割合は、ゴム成分中において、例えば、3質量%以上、好ましくは、10質量%以上、さらに好ましくは、15質量%以上、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、さらに好ましくは、30質量%以下である。
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体の配合割合が、上記範囲内(上記下限以上かつ上限以下)であると、後述するゴム層2の通電後の電気抵抗環境依存性を、確実に維持することができる。
このようなゴム成分は、必要により、その他のゴムを含有することもできるが、好ましくは、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、および、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体のみからなる。
その他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。
導電成分は、ジブチルフタレート吸油量(以下、DBP吸油量とする。)が互いに異なる第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックを含有している。
カーボンブラックのDBP吸油量は、カーボンブラック100g(非圧縮試料)に吸収されるDBP吸油量(ml)であって、JIS K6217−4:2008に準拠して測定される。
第1のカーボンブラックは、DBP吸油量が100ml/100g以下のカーボンブラックである。第1のカーボンブラックのDBP吸油量は、例えば、10ml/100g以上、好ましくは、20ml/100g以上、100ml/100g以下、好ましくは、50ml/100g以下、さらに好ましくは、35ml/100g以下である。
第1のカーボンブラックのDBP吸油量が、上記上限以下であると、第1のカーボンブラックの分散性の向上を図ることができ、上記下限以上であると、後述するゴム層2の抵抗値の低減を確実に図ることができる。
このような第1のカーボンブラックの市販品としては、例えば、旭カーボン社製のアサヒサーマルFT(吸油量28ml/100g)、旭カーボン社製のアサヒサーマルMT(吸油量35ml/100g)などが挙げられる。
このような第1のカーボンブラックは、2種以上併用することもできるが、好ましくは、単独で使用される。
第2のカーボンブラックは、DBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラックである。第2のカーボンブラックのDBP吸油量は、250ml/100g以上、好ましくは、260ml/100g以上、さらに好ましくは、280ml/100g以上、例えば、500ml/100g以下、好ましくは、400ml/100g以下、さらに好ましくは、300ml/100g以下である。
第2のカーボンブラックのDBP吸油量が、上記下限以上であると、後述するゴム層2の抵抗値の低減を確実に図ることができ、上記上限以下であると、第2のカーボンブラックの分散性を確保することができる。
第2のカーボンブラックの市販品としては、例えば、旭カーボン社製のHS−500(吸油量447ml/100g)、ライオンアグゾ社製のケッチェンブラック(吸油量360ml/100g)、電気化学工業社製の粒状アセチレンブラック(吸油量288ml/100g)、キャボット社製のバルカンXC−72(吸油量265ml/100g)などが挙げられる。
このような第2のカーボンブラックは、2種以上併用することもできるが、好ましくは、単独で使用される。
また、第2のカーボンブラックの配合割合は、第1のカーボンブラック100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、さらに好ましくは、15質量部以上、例えば、40質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
第2のカーボンブラックの配合割合が、上記下限以上であると、後述するゴム層2において、通電前の電気抵抗環境依存性を確実に低減することができながら、抵抗値を確実に低減することができ、上記上限以下であると、後述するゴム層2の硬度が過度に高くなることを抑制できる。
第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックの総和の配合割合は、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、例えば、100質量部以上、好ましくは、100質量部を超過し、さらに好ましくは、105質量部を超過し、例えば、220質量部以下、好ましくは、210質量部以下、さらに好ましくは、200質量部以下、とりわけ好ましくは、180質量部以下である。
また、第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックの総和の配合割合は、アクリロニトリル・ブタジエンゴム100質量部に対して、例えば、90質量部を超過し、好ましくは、100質量部を超過し、さらに好ましくは、110質量部を超過し、例えば、200質量部以下、好ましくは、180質量部以下である。
第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックの総和の配合割合が、上記下限以上であると、後述するゴム層2において、通電前の電気抵抗環境依存性をより一層確実に低減することができながら、抵抗値をより一層確実に低減することができ、上記上限以下であると、後述するゴム層2の硬度が過度に高くなることを確実に抑制できる。
また、導電成分は、必要により、その他の導電剤を含有することもできるが、好ましくは、第1のカーボンブラックおよび第2カーボンブラックのみからなる。
その他の導電剤としては、例えば、純金属(例えば、アルミニウム、ニッケルなど)、合金(例えば、銅合金など)、金属酸化物(例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫−酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物など)などが挙げられる。
また、導電性ゴムローラ用組成物は、上記のゴム成分および導電成分に加えて、好ましくは、任意成分を適宜の割合で含有している。
任意成分は、例えば、充填剤、発泡剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加工助剤などを含有している。
充填剤としては、例えば、金属酸化物粒子(例えば、酸化チタン粒子、酸化錫粒子、酸化亜鉛粒子、酸化マグネシウム粒子、アルミナ粒子など)、シリカ、クレー、コルク、タルク、炭酸カルシウム、二塩基亜リン酸塩、塩基性炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
このような充填剤は、2種以上併用することもできるが、好ましくは、単独で使用される。
充填剤の配合割合は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、さらに好ましくは、8質量部以下である。
発泡剤としては、例えば、化学発泡剤が挙げられ、化学発泡剤としては、例えば、有機系の発泡剤、無機系の発泡剤などが挙げられる。
有機系の発泡剤としては、例えば、アゾ化合物(例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、バリウムアゾジカルボキシラート(Ba/AC)など)、ニトロソ化合物(例えば、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)など)、ヒドラジン誘導体(例えば、ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、ヒドラゾジカルボアミド(HDCA)など)などが挙げられる。
無機系の発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム(重曹)、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
このような発泡剤は、単独で使用してもよく、あるいは、2種以上併用することもできる。
また、このような発泡剤のなかでは、好ましくは、有機系の発泡剤が挙げられ、さらに好ましくは、アゾ化合物、ニトロソ化合物およびヒドラジン誘導体が挙げられ、とりわけ好ましくは、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)および4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)が挙げられる。
発泡剤の配合割合は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上、例えば、20質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
加硫剤(架橋剤と同意義)としては、例えば、硫黄、硫黄系有機化合物、有機過酸化物などが挙げられる。
硫黄系有機化合物としては、例えば、テトラアルキルチラウム−ジスルフィド、モルホリン−ジスルフィド、アルキル−フェノール−ジスルフィドなどが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、パーオキシケタール類(例えば、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなど)、ジアルキルパーオキサイド類(例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなど)、ジアシルパーオキサイド類(例えば、ジ(3−t−ブチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ(4−t−ブチルベンゾイル)パーオキサイドなど)、パーオキシエステル類(例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなど)などが挙げられる。
このような加硫剤のなかでは、コストおよび耐摩耗性を考慮すると、好ましくは、硫黄および硫黄系有機化合物が挙げられ、さらに好ましくは、硫黄が挙げられる。
加硫剤の配合割合は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、例えば、5質量部以下、好ましくは、1質量部以下である。
加硫促進剤(架橋促進剤と同意義)としては、例えば、チアゾール類(例えば、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(MZ)など)、スルフェンアミド類(例えば、ジイソプロピルスルフェンアミド類(DIBS)、シクロヘキシルスルフェンアミド(CZ)など)、チラウム類(例えば、テトラメチルチラウム−ジスルフィド(TMT)、テトラエチルチラウム−ジスルフィド(TET)、ジペンタメチレンチラウム−テトラスルフィド(TRA)など)、ジチオカルバミン酸塩(例えば、ジメチルジチオカーバメート亜鉛塩(PZ)、ジエチルジチオカーバメート亜鉛塩(EZ)など)、グアニジン類、チオウレア類、アルデヒドアンモニア類、ザンテート類などが挙げられる。
このような加硫促進剤は、単独で使用してもよく、あるいは、2種以上併用することもできる。また、このような加硫促進剤のなかでは、好ましくは、チアゾール類およびチラウム類が挙げられ、さらに好ましくは、チアゾール類およびチラウム類の併用が挙げられ、とりわけ好ましくは、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(DM)およびテトラメチルチラウム−ジスルフィド(TMT)の併用が挙げられる。
加硫促進剤の配合割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、加硫促進剤として、チアゾール類およびチラウム類が併用される場合、チアゾール類の配合割合は、チラウム類1質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上、例えば、8質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
加硫促進助剤(架橋促進助剤と同意義)としては、例えば、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸など)、例えば、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)など)などが挙げられる。
このような加硫促進助剤は、単独で使用してもよく、あるいは、2種以上併用することもできる。また、このような加硫促進助剤のなかでは、好ましくは、金属酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、酸化亜鉛(亜鉛華)が挙げられる。
加硫促進助剤の配合割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、8質量部以下である。
加工助剤としては、例えば、上記した加硫促進助剤と同様の脂肪酸および金属酸化物などが挙げられる。このような加工助剤は、単独で使用してもよく、あるいは、2種以上併用することもできる。また、このような加工助剤のなかでは、好ましくは、脂肪酸が挙げられ、さらに好ましくは、ステアリン酸が挙げられる。
加工助剤の配合割合は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
さらに、導電性ゴムローラ用組成物には、必要により、例えば、発泡助剤、老化防止剤(例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤など)、補強剤、軟化剤(例えば、オイル、ワックスなど)、短繊維、粘着付与剤、スコーチ防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、共架橋剤などの公知の添加剤を適宜の割合で添加してもよい。
次に、導電性ゴムローラ用組成物の調製方法について説明する。
このような導電性ゴムローラ用組成物を調製するには、まず、ゴム成分と、導電成分と、好ましくは、任意成分とを上記した配合割合で、混練機に投入して攪拌混合する。
混練機としては、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニ−ダーなどが挙げられ、好ましくは、オープンロールが挙げられる。
混合方法としては、例えば、乾式混合、湿式混合などが挙げられ、好ましくは、乾式混合が挙げられる。
これにより、導電性ゴムローラ用組成物が調製される。
このような導電性ゴムローラ用組成物は、導電性ゴムローラのゴム層を形成するための組成物であって、単独で流通し、産業上利用可能である。
この導電性ゴムローラ用組成物は、エピクロルヒドリンゴムと、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、ジブチルフタレート吸油量が100ml/100g以下である第1のカーボンブラックと、ジブチルフタレート吸油量が250ml/100g以上である第2のカーボンブラックとを含有しているので、後述するゴム層2において、初期(通電前)の電気抵抗環境依存性の低減を図ることができる。
しかも、導電性ゴムローラ用組成物は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を含有しているので、後述するゴム層2は、通電されても、電気抵抗環境依存性が劣化することを抑制できる。
つまり、導電性ゴムローラ用組成物は、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持できるゴム層を形成することができる。
その結果、本発明の導電性ゴムローラ用組成物は、電子写真方式の画像形成装置などに用いられる導電性ゴムローラの材料(導電性ゴムローラ材料)として好適に用いることができる。
次に、本発明の導電性ゴムローラを製造する方法について、図1Aおよび図1Bを参照して説明する。
この方法では、図1Aおよび図1Bに示すように、導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層2が、軸部3を被覆するように設けられる。
軸部3は、例えば、鉄、ステンレスなどの公知の金属から略円柱形状に形成され、好ましくは、ステンレスから略円柱形状に形成されている。
ゴム層2を軸部3に設ける方法としては、例えば、上記の導電性ゴムローラ用組成物から略円筒形状のゴム層2を成形した後、そのゴム層2に軸部3を挿入する方法や、軸部3の周面に上記の導電性ゴムローラ用組成物を巻き付けた後、加硫成型により、ゴム層2を形成する方法などが挙げられる。
このようなゴム層2を軸部3に設ける方法のなかでは、好ましくは、軸部3の周面に上記の導電性ゴムローラ用組成物を巻き付けた後、加硫成型により、ゴム層2を形成する方法が挙げられる。この場合、導電性ゴムローラ用組成物は、加硫剤を必須成分として含有する。
具体的には、まず、上記の導電性ゴムローラ用組成物を、軸部3の両端部が露出するように軸部3の周面に巻き付ける。これにより、導電性ゴムローラ用組成物は、略円筒形状に形成される。
次いで、導電性ゴムローラ用組成物が巻き付けられた軸部3を、例えば、150〜170℃で20〜60分間蒸気加硫し、さらに必要に応じて電気乾燥炉において2次加硫し、略円筒形状のゴム層2を調製する。このとき、導電性ゴムローラ用組成物が発泡剤を含有する場合、導電性ゴムローラ用組成物は発泡して、ゴム層2は発泡体として形成される。
以上によって、軸部3と、軸部3を被覆するように設けられるゴム層2とを備える導電性ゴムローラ1が製造される。
このようにして得られた導電性ゴムローラ1は、上記の導電性ゴムローラ用組成物からなるゴム層2を備えているので、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持できる。
具体的には、初期(通電前)において、L/L(温度10℃、湿度15%)の環境下に24時間放置した後の導電性ゴムローラ1の体積抵抗の常用対数値(以下、体積抵抗値とする。)は、例えば、9.0LogΩ以下、好ましくは、8.0LogΩ以下、例えば、5.0LogΩ以上、好ましくは、6.0LogΩ以上である。なお、体積抵抗値は、公知の抵抗値測定機(例えば、トレック社製)により測定・算出することができる。
また、初期(通電前)において、N/N(温度22℃、湿度55%)の環境下に24時間放置した後の導電性ゴムローラ1の体積抵抗値は、例えば、9.0LogΩ以下、好ましくは、8.0LogΩ以下、例えば、5.0LogΩ以上、好ましくは、6.0LogΩ以上である。
また、初期(通電前)において、H/H(温度28℃、湿度85%)の環境下に24時間放置した後の導電性ゴムローラ1の体積抵抗値は、例えば、9.0LogΩ以下、好ましくは、8.0LogΩ以下、例えば、5.0LogΩ以上、好ましくは、6.0LogΩ以上である。
そして、下記式(1)により算出される、通電前の導電性ゴムローラ1の環境変動量は、例えば、1.0LogΩ以下、好ましくは、0.8LogΩ以下、さらに好ましくは、0.6LogΩ以下である。
式(1)
環境変動量(LogΩ)=(各環境放置後の体積抵抗値のうち、最も大きな体積抵抗値(LogΩ))−(各環境放置後の体積抵抗値のうち、最も小さな体積抵抗値(LogΩ)) ・・・(1)
また、上記式(1)により算出される、通電試験後(通電後)の導電性ゴムローラ1の環境変動量は、例えば、1.7LogΩ以下、好ましくは、1.0LogΩ以下、さらに好ましくは、0.8LogΩ以下である。なお、通電試験方法については後述する。
このような導電性ゴムローラ1は、初期(通電前)において電気抵抗環境依存性の低減を図ることができながら、通電後においても電気抵抗環境依存性を維持できるので、例えば、電子写真方式の画像形成装置などに採用される導電性ゴムローラ、すなわち、現像ローラ、供給ローラ、転写ローラおよび帯電ローラなどとして好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、何らそれらに限定されるものではない。なお、実施例中の配合割合などの数値は、上記の実施形態において記載される対応箇所の上限値または下限値に代替することができる。
1.実施例1〜5
表1に示す処方(単位:質量部)において、各成分を配合し、オープンロールで混練することにより導電性ゴムローラ用組成物を調製した。
具体的には、まず、特定のエピクロルヒドリンゴム(ECO)と、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)と、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)とを、オープンロールで、0.2時間混練し、ゴム成分を調製した。
なお、特定のエピクロルヒドリンゴム(ECO)は、エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル2元共重合体(EP−AGE)、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド2元共重合体(EP−EO)、および、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体(EP−EO−AGE)のいずれか1種であった。
次いで、そのゴム成分に、第1のカーボンブラック(CB(1))、第2のカーボンブラック(CB(2))、発泡剤、充填剤(実施例2のみ)、加工助剤、加硫促進助剤、加硫促進剤(1)、加硫促進剤(2)、加硫剤を順次添加し、オープンロールにより、0.2時間混練した。
これにより、導電性ゴムローラ用組成物を調製した。
次いで、導電性ゴムローラ用組成物を、図1Aおよび図1Bに示すように、直径8mmのステンレス製の芯金(軸部3)の両端部が露出するように、芯金(軸部3)の周面に巻き付けた。これにより、導電性ゴムローラ用組成物は、略円筒形状に形成された。
次いで、導電性ゴムローラ用組成物が巻き付けられた軸部3を、蒸気加硫缶において、0.5MPa(蒸気圧)、160℃、1時間の条件で1次加硫させた後、電気乾燥炉において、160℃、3時間の条件で2次加硫させ、円筒形状のゴム層2を成形した。このとき、導電性ゴムローラ用組成物は発泡して、ゴム層2は、発泡体として形成された。
その後、ゴム層2および軸部3を冷却し、ゴム層2の周面を、砥石研磨機により、ゴム層2の外径が16mmとなるように研磨した。
以上により、導電性ゴムローラ1を製造した。
2.比較例1〜6
表2に示す処方(単位:質量部)において、各成分を配合し、オープンロールで混練することにより導電性ゴムローラ用組成物を調製した。
具体的には、比較例1〜3では、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)を添加しなかった点以外は、実施例と同様にして、導電性ゴムローラ用組成物および導電性ゴムローラ1を調製した。
また、比較例4では、第1のカーボンブラック(CB(1))を添加しなかった点以外は、実施例と同様にして、導電性ゴムローラ用組成物および導電性ゴムローラ1を調製した。
また、比較例5では、第2のカーボンブラック(CB(2))およびエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)を添加しなかった点以外は、実施例と同様にして、導電性ゴムローラ用組成物および導電性ゴムローラ1を調製した。
また、比較例6では、エピクロルヒドリンゴム(ECO)として、エピクロルヒドリン単独重合体(EP単独)を使用した点以外は、実施例と同様にして、導電性ゴムローラ用組成物および導電性ゴムローラ1を調製した。
Figure 0006006756
Figure 0006006756
なお、表1および表2の略号などを以下に示す。
ECO:エピクロルヒドリンゴム
EP−AGE;エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル二元共重合体(商品名:Hydrin H1100、ムーニー粘度(ML1+4、at100℃)58、日本ゼオン社製)
EP−EO;エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド2元共重合体(商品名:
エピクロマーD、エチレンオキサイド含有量中心値61mol%、ダイソー社製)
EP−EO−AGE;エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体(商品名:T3106、ムーニー粘度(ML1+4、at100℃)75、エチレンオキサイド含有量中心値56mol%、日本ゼオン社製)
NBR:アクリロニトリル・ブタジエン共重合体
NBR(1);低ニトリルNBR(商品名:Nipol DN401LL、ムーニー粘度(ML1+4、at100℃)32、アクリロニトリル含有量中心値18mol%、日本ゼオン社製)
NBR(2);中高ニトリルNBR(商品名:Nipol DN223、ムーニー粘度(ML1+4、at100℃)30〜40、アクリロニトリル含有量中心値30〜33mol%、日本ゼオン社製)
EPDM:エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(商品名:EPT4045M、三井化学社製)
CB:カーボンブラック
CB(1);第1のカーボンブラック(商品名:アサヒサーマルFT、DBP吸油量28ml/100g、旭カーボン社製)
CB(2);第2のカーボンブラック(商品名:粒状アセチレンブラック、DBP吸油量288ml/100g、電気化学工業社製)
充填剤:炭酸カルシウム(商品名:Brilliant−1500、白石カルシウム社製)
発泡剤:4,4′‐オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)(商品名:ネオセルボン#5000S、永和化成工業社製)
加硫剤:硫黄(商品名:サルファックスA、鶴見化学工業社製)
加硫促進剤(1):2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(商品名:Accel DM、川口化学工業社製)
加硫促進剤(2):テトラメチルチウラム−ジスルフィド(商品名:Accel TMT、川口化学工業社製)
加硫促進助剤:亜鉛華(商品名:亜鉛華特号、正同化学工業社製)
加工助剤:ステアリン酸(商品名:アデカ脂肪酸SA−200、ADEKA社製)。
3.評価
(1)アスカーC硬度の測定
実施例1〜5、比較例1〜3、比較例5および6において得られた導電性ゴムローラ1のアスカーC硬度を、アスカーゴム硬度計C型(高分子計器社製)により測定した。その結果を表3および表4に示す。
なお、比較例4の導電性ゴムローラ1は、ゴム層2の硬度が非常に高く、軸部3からの脱芯が困難であり、かつ、導電性ゴムローラとして要求される成型性を満たさないので、アスカーC硬度および体積抵抗値の測定を実施しなかった。
(2)通電試験前における導電性ゴムローラの体積抵抗値および環境変動量
(2−1)通電試験前の体積抵抗値の測定
実施例1〜5、比較例1〜3、比較例5および6において得られた導電性ゴムローラ1について、通電試験前における各環境放置後の体積抵抗値の測定を測定した。その結果を表3および表4に示す。
具体的には、実施例1〜5、比較例1〜3、比較例5および6の導電性ゴムローラ1のそれぞれを、後述する通電試験前において、N/N(温度22℃、湿度55%)の環境下に24時間放置した。
そして、N/N環境放置後の導電性ゴムローラ1を、図2に示すように、直径30mmの金属ロール4に、導電性ゴムローラ1の軸部3の両端部のそれぞれに0.5kg(計1.0kg)の荷重を加えることにより圧接させた。
次いで、抵抗値測定機5(トレック社製)により、金属ロール4を回転させながら金属ロール4に1000Vの電圧を印加し、5秒後の電流値を読み取ることで、通電試験前(通電前)の導電性ゴムローラ1の体積抵抗値(N/N抵抗値)を算出した。
また、各導電性ゴムローラ1について、N/N(温度22℃、湿度55%)環境をL/L(温度10℃、湿度15%)環境に代えた点以外は、上記の体積抵抗値の測定と同様にして、L/L(温度10℃、湿度15%)放置後における、通電試験前(通電前)の導電性ゴムローラ1の体積抵抗値(L/L抵抗値)を算出した。
また、各導電性ゴムローラ1について、N/N(温度22℃、湿度55%)環境をH/H(温度28℃、湿度85%)環境に代えた点を以外は、上記の体積抵抗値測定と同様にして、H/H(温度28℃、湿度85%)環境放置後における、通電試験前(通電前)の導電性ゴムローラ1の体積抵抗値(H/H抵抗値)を算出した。
(2−2)通電試験前の環境変動量の算出
次いで、実施例1〜5、比較例1〜3、比較例5および6における導電性ゴムローラ1のそれぞれについて、上記式(1)に従って、通電試験前(通電前)の環境変動量(LogΩ)をそれぞれ算出した。
そして、下記の基準により、通電試験前(通電前)の電気抵抗環境依存性を評価した。
A:通電試験前(通電前)の環境変動量(LogΩ)が1.0以下
B:通電試験前(通電前)の環境変動量(LogΩ)が1.0を超過
その結果を表1および表2に示す。
(3)通電試験後における導電性ゴムローラの体積抵抗値および環境変動量
(3−1)通電試験
N/N環境にて導電性ゴムローラ1を、図2に示すように、直径30mmの金属ロール4に、導電性ゴムローラ1の軸部3の両端部のそれぞれに0.5kg(計1.0kg)の荷重を加えることにより圧接させた。
次いで、抵抗値測定機5(トレック社製)により、金属ロール4を回転させながら金属ロール4に50μAの電流を72時間連続して流しつづけた。
(3−2)通電試験後の体積抵抗値の測定
次いで、通電試験後の各導電性ゴムローラ1のそれぞれを、上記の(2−1)通電試験前の体積抵抗値の測定と同様にして、各環境放置後の体積抵抗値の測定を測定した。
そして、通電試験後の導電性ゴムローラ1のN/N抵抗値、L/L抵抗値およびH/H抵抗値のそれぞれを、表3および表4に示す。
(3−3)通電試験後の環境変動量の算出
次いで、通電試験後の導電性ゴムローラ1のそれぞれについて、上記式(1)に従って、通電試験後(通電後)の環境変動量(LogΩ)をそれぞれ算出した。
そして、下記の基準により、通電試験後(通電後)の電気抵抗環境依存性を評価した。
A:通電試験(通電)の環境変動量(LogΩ)が1.0以下
B:通電試験(通電)の環境変動量(LogΩ)が1.0を超過2.0以下
C:通電試験(通電)の環境変動量(LogΩ)が2.0を超過
その結果を表1および表2に示す。
Figure 0006006756
Figure 0006006756
表1および表2に示すように、実施例1〜5における導電性ゴムローラ1は、特定のエピクロルヒドリンゴムと、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体と、第1のカーボンブラックと、第2のカーボンブラックとを含有している。
これら実施例1〜5における導電性ゴムローラ1は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を含有しない比較例1〜3における導電性ゴムローラ1、および、特定のエピクロルヒドリンゴムを含有しない比較例6における導電性ゴムローラ1と比較して、通電後の電気抵抗環境依存性が維持された。
とりわけ、実施例1における導電性ゴムローラ1は、比較例2(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を含有しない点以外は実施例1と同様の処方)における導電性ゴムローラ1と比較して、通電後の電気抵抗環境依存性が維持された(実施例1:0.62LogΩ、比較例2:1.16LogΩ)。
また、実施例1〜5における導電性ゴムローラ1は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体および第2のカーボンブラックを含有しない比較例5における導電性ゴムローラ1と比較して、通電前の電気抵抗環境依存性が低減された。
また、第1のカーボンブラックを含有しない比較例4における導電性ゴムローラ1は、導電性ゴムローラとして要求される成型性を満たさなかった。
1 導電性ゴムローラ
2 ゴム層
3 軸部

Claims (3)

  1. イオン導電性を有するゴム成分と、
    電子伝導性を有する導電成分と、を含有し、
    前記ゴム成分は、
    エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル2元共重合体、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド2元共重合体、および、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のエピクロルヒドリンゴムと、
    アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、
    エチレン・プロピレン・ジエン共重合体と、を含有し、
    前記導電成分は、
    ジブチルフタレート吸油量が100ml/100g以下である第1のカーボンブラックと、
    ジブチルフタレート吸油量が250ml/100g以上である第2のカーボンブラックと、を含有し、
    前記エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、前記ゴム成分中において、10質量%以上70質量%以下であり、
    前記アクリロニトリル・ブタジエンゴムの配合割合は、前記ゴム成分中において、20質量%以上80質量%以下であり、
    前記エチレン・プロピレン・ジエン共重合体の配合割合は、前記ゴム成分中において、3質量%以上50質量%以下であり、
    前記第2のカーボンブラックの配合割合は、前記第1のカーボンブラック100質量部に対して、15質量部以上40質量部以下であり、
    前記第1のカーボンブラックおよび前記第2のカーボンブラックの総和の配合割合は、前記エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、100質量部を超過することを特徴とする、導電性ゴムローラ用組成物。
  2. 前記第1のカーボンブラックおよび前記第2のカーボンブラックの総和の配合割合は、前記アクリロニトリル・ブタジエンゴム100質量部に対して、90質量部を超過することを特徴とする、請求項に記載の導電性ゴムローラ用組成物。
  3. 軸部と、
    請求項1または2に記載の導電性ゴムローラ用組成物からなり、前記軸部を被覆するように設けられるゴム層と、を備えることを特徴とする、導電性ゴムローラ。
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