JP6005302B2 - レーザレーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば気象空間における風向風速を遠隔計測するレーザレーダ装置に関するものである。
特許文献1には、走査光軸に沿ってパルス状の送信光を送信し、この送信光に基づく受信光に含まれるドップラ周波数光信号を分析して、走査光軸の方位における風速等を計測するレーザレーダ装置が開示されている。このレーザレーダ装置は、ドップラ周波数光信号をドップラ周波数電気信号に変換し、このドップラ周波数電気信号を分析する分析回路を備えている。
また、風向風速を計測するレーザレーダ装置では、送信光をパルス化するため、送信器内に光強度変調ユニットを用いている。しかしながら、この光強度変調ユニットに用いる音響光学変調器(AO(Acousto Optic)変調器)では、変調用の超音波信号が残響することに起因するキャリアリーク光が発生する。そして、このキャリアリーク光が光ヘテロダイン受信機で不要なビート信号を誘発する。
この不要なビート信号は計測したいドップラ信号と周波数領域で重なるため、ドップラ周波数を正しく推定できなくなるという不都合がある。
その対策として、特許文献1では、光強度変調ユニットの入力端の前段に光サーキュレータを設置し、光強度変調ユニットの出力端の後段に全反射ミラーを設置している。これにより、光強度変調ユニットを往復伝搬させて、パルスOFF期間のキャリアリーク光を低減することができる。
特開2007−85756号公報
従来の風向風速を計測するレーザレーダ装置では、パルスOFF期間のキャリアリーク光を低減するために、光強度変調ユニットを往復伝搬させるための光サーキュレータおよび全反射ミラーが必要である。そのため、部品点数が増加し、また光軸調整点数も増加する結果、コスト低減や信頼性において課題があった。
また、光強度変調ユニットを往復伝搬させると、挿入損失が増加する。そのため、この挿入損失を補てんするために、前段の基準光源のパワーを増強するか、後段の光増幅器の利得を増加させる等の対策が必要である。よって、消費電力の低減とコスト低減において課題があった。
さらに、従来の風向風速を計測するレーザレーダ装置では、走査光軸に沿った方位における風速の正負(向かい風および追い風)を検出するため、パルスON期間に送信光にオフセット周波数を付加する必要がある。そのため、光強度変調ユニットには周波数シフト機能のあるAO変調器が用いられている。
このAO変調器は、ガラス基板や音響光学結晶の端面に取り付けたピエゾ等のトランスデューサに高周波電圧を印加することで、媒質内に超音波を励起伝搬させる。媒体内を超音波で振動させると屈折率の粗密の周期構造が生成され、超音波の速度で伝搬する。媒質のトランスデューサの対向端面を超音波吸収帯で無反射終端することで、あたかも位相格子が超音波の速度で一定方向に移動する。
AO変調器に光を入射すると、出射光は媒体内に生じた位相格子でのブラッグ回折により進行方向が変化するだけでなく、位相格子の移動に伴いドップラシフトを受ける。トランスデューサに印加する高周波信号をONおよびOFFすることでパルス光に切り出すと同時に、パルスON期間に一定の周波数シフトを付加することができる。
音響光学素子のブラッグ角θは、光の波長λ、オフセット周波数fofs、音響光学素子内での超音波の進行速度vにより次式で表される。

Figure 0006005302
典型的なAO変調器の例として、λ=1.55[μm],fofs=80[MHz],v=3.63[mm/μs]の場合には、ブラッグ角θは17[mrad]であり約1度に相当する。
しかしながら上記のレーザレーダ装置に用いられるAO変調器では、ブラッグ回折角が1度以下と小さい。そのため、0次透過光と1次回折光とを光学的に分離するためには少なくとも、30[mm]程度以上は伝搬距離が必要であり、小型集積化には適していなかった。
また、音響光学結晶と入射光および出射光の光軸をブラッグ回折角に一致するように、各6軸(並進位置、角度)を精密調整する必要があり、組み立て調整費用の低減が困難であった。
さらに、ブラッグ角θが光波長λに依存して変化する。そして、ブラッグ角変化による入出力端での光軸ずれ(およびそれに伴う挿入損失の増加)を低減するためには、基準光源の中心波長を一定に制御する必要があり、コストがかかっていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、AO変調器を用いずに送信側に必要な周波数シフトとパルス化を実施することで、装置の小型・集積化、部品点数低減による信頼性向上とコスト低減を図ることができるレーザレーダ装置を提供することを目的としている。
この発明に係るレーザレーダ装置は、連続発振光である局部発振光および送信光を出力する光送信ユニットと、光送信ユニットにより出力された送信光を空間に放射し、当該送信光に対する後方散乱光を受信光として受信する光アンテナと、光送信ユニットにより出力された局部発振光および光アンテナにより受信された受信光を用いて光ヘテロダイン検出を行う光ヘテロダイン受信機と、光ヘテロダイン受信機による検出結果を周波数分析する信号処理ユニットとを備えたレーザレーダ装置であって、光送信ユニットは、連続発振光に対して位相変調を行う光位相変調器と、光位相変調器により位相変調された光に対してパルス変調を行い送信光とする光強度変調部と、周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号を発生して光強度変調部を駆動する第1の信号発生部と、光位相変調器の変調位相2πを得るために必要な駆動電圧の整数倍に相当する振幅および一定周期を持つ鋸波駆動信号を発生して光位相変調器を駆動する第2の信号発生部と、第2の信号発生部により発生された鋸波駆動信号のうち、第1の信号発生部により発生されたパルス変調駆動信号のパルスON期間に相当する部分を切り出したバースト状の鋸波駆動信号を出力して、第2の信号発生部に代えて光位相変調器を駆動する第3の信号発生部とを備えたものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、AO変調器を用いずに送信側に必要な周波数シフトとパルス化を実施することで、装置の小型・集積化、部品点数低減による信頼性向上とコスト低減を図ることができる。
この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置の光送信ユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る光位相変調器への鋸波駆動信号と、位相変調特性(ビート信号)を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置の光送信ユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置において、光強度変調器が不十分なON/OFF消光比であり、かつ、第2の光強度変調器がない場合での各光のタイミングダイヤグラムを示す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置において、光強度変調器が不十分なON/OFF消光比であり、かつ、第2の光強度変調器がある場合での各光のタイミングダイヤグラムを示す図である。 この発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置の光送信ユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す図である。 この発明の実施の形態4に係るレーザレーダ装置の光送信ユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す図である。 この発明の実施の形態5に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5に係るレーザレーダ装置において、波長切替えの際に光遮断時間がある場合を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態5に係るレーザレーダ装置において、波長切替えの際に光遮断時間をなくすよう制御した場合を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置の光送信ユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置における第1の周波数偏移補償方法を説明する図である。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す図である(周波数偏移補償なしの場合)。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す図である(第1の周波数偏移補償方法を適用した場合)。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置における第2の周波数偏移補償方法を説明する図である。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す図である(第2の周波数偏移補償方法を適用した場合)。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置の信号演算部による周波数偏移推定を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置における周波数偏移の時間波形を示す図である。 この発明の実施の形態7に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態7に係るレーザレーダ装置において、波長切替えの際に光遮断時間をなくすよう制御した場合を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態8に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態8に係るレーザレーダ装置において、波長切替えの際に光遮断時間をなくすよう制御した場合を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態9に係るレーザレーダ装置の光送信ユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態9に係るレーザレーダ装置のデュアルパラレル位相変調器の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置の光位相変調器の動作を説明する図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。
レーザレーダ装置は、図1に示すように、光送信ユニット1、光増幅器2、光サーキュレータ3、光アンテナユニット(光アンテナ)4、光ヘテロダイン受信機5、信号処理ユニット6および表示部7から構成されている。なお図1において、太線OF1〜OF7は光信号の伝送路を示し、細線は電気信号の伝送路を示している。
光送信ユニット1は、連続発振・定偏光(連続発振光)である局部発振光と、周期的にONおよびOFF期間を繰り返したパルス変調を行った送信光とを出力するものである。この光送信ユニット1は、基準光源11、光路分岐カプラ12および光周波数・強度変調ユニット13から構成されている。
基準光源11は、単一波長(単一周波数)の連続発振かつ定偏光である光を発生するものである。この基準光源11により発生された光は伝送路OF1を介して光路分岐カプラ12に伝送される。
光路分岐カプラ12は、基準光源11からの光を偏光状態を維持したまま2分岐するものである。この光路分岐カプラ12により2分岐された一方の光は局部発振光として伝送路OF3を介して光ヘテロダイン受信機5に伝送され、他方の光は送信用の種光として伝送路OF2を介して光周波数・強度変調ユニット13に伝送される。
光周波数・強度変調ユニット13は、光路分岐カプラ12からの光に対して、オフセット周波数を付与し、かつ、周期的にONおよびOFF期間を繰り返したパルス変調を行うものである。この光周波数・強度変調ユニット13の構成については後述する。この光周波数・強度変調ユニット13により周波数・強度変調された光は送信光として伝送路OF4を介して光増幅器2に伝送される。
光増幅器2は、光送信ユニット1の光周波数・強度変調ユニット13からの送信光を光増幅するものである。この際、光増幅器2は、増幅媒体の蓄積作用を利用して送信光のパルスOFF期間に蓄積したエネルギーをパルスON期間に開放することで、光増幅を行う。この光増幅器2により光増幅された送信光は伝送路OF5を介して光サーキュレータ3に伝送される。
光サーキュレータ3は、入力光(送信光または受信光)に応じて、出力先の伝送路を切替えるものである。ここで、光サーキュレータ3は、光増幅器2から送信光が伝送された場合には、当該送信光を伝送路OF6を介して光アンテナユニット4に伝送する。一方、光サーキュレータ3は、光アンテナユニット4から受信光が伝送された場合には、当該受信光を伝送路OF7を介して光ヘテロダイン受信機5に伝送する。
光アンテナユニット4は、光サーキュレータ3により伝送された送信光を空間(観測空間)に放出し、かつ、当該送信光に対する空間からの後方散乱光を受信光として受信するものである。なお、光アンテナユニット4は、送信光を放出する際、当該送信光を特定のビーム径に拡大しつつビームの射出方向を特定方向に設定して空間に放出する。また、光アンテナユニット4により空間に放出された送信光は、観測空間における散乱対象(例えば風速と同じ速度で移動するエアロゾル)により後方散乱され、散乱対象の移動速度に応じたドップラ周波数シフトを受ける。そして、散乱対象からの後方散乱光を光アンテナユニット4により受信する。この光アンテナユニット4により受信された受信光は伝送路OF6を介して光サーキュレータ3に伝送される。
光ヘテロダイン受信機5は、光送信ユニット1の光路分岐カプラ12からの局部発振光および光サーキュレータ3を介した光アンテナユニット4からの受信光を用いて、光ヘテロダイン検出を行うものである。すなわち、光ヘテロダイン受信機5は、局部発振光と受信光(後方散乱光)とを光学的に合波して光電変換を行うことで、後方散乱光と局部発振光との差周波数のビート信号を出力する。この光ヘテロダイン受信機5により出力されたビート信号は信号処理ユニット6に伝送される。
信号処理ユニット6は、光ヘテロダイン受信機5からのビート信号を周波数分析するものである。この際、信号処理ユニット6は、まず、ビート信号を特定のサンプリングレートでAD変換する。そして、AD変換したビート信号を送信光のパルス幅に対応した受信ゲート(時間ゲート)幅ごとに分割する。そして、分割したビート信号を受信ゲートごとに高速フーリエ変換することで、受信ゲートごとに得られたパワースペクトルのビーク値、スペクトル幅、SNR等を算出する。ここで、各受信ゲートは計測距離に対応するため、上記の演算により観測距離ごとの視線方向の風速に対応したドップラ周波数の分布を得ることができる。
また、信号処理ユニット6は、観測視線に対する指令値を光アンテナユニット4に出力する機能を持つ。したがって、この指令値にしたがって得られた各視線方向に対する観測距離、風速の計測値を格納することで、ベクトル演算により風速の3次元分布の推定や観測距離ごとの風向風速分布を得ることができる。この信号処理ユニット6による分析結果は表示部7に伝送される。
表示部7は、信号処理ユニット6による分析結果を表示するものである。
次に、光周波数・強度変調ユニット13の構成について、図2を参照しながら説明する。
光周波数・強度変調ユニット13は、図2に示すように、光位相変調器131、光強度変調部132、第1の信号発生部133および第2の信号発生部134から構成されている。そして、第1の信号発生部133は光強度変調部132に接続され、第2の信号発生部134は光位相変調器131に接続されている。
光位相変調器131は、第2の信号発生部134により発生された鋸波駆動信号WF02に従い、光路分岐カプラ12からの光に対して位相変調を行いオフセット周波数を付与するものである。この光位相変調器131により位相変調された送信光は伝送路OF8を介して光強度変調部132に伝送される。
光強度変調部132は、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01に従い、光位相変調器131からの光に対してパルス変調を行い送信光とするものである。なお、光強度変調部132は、レーザレーダ装置に必要となるパルス幅(数100[ns]〜1[μs])および繰り返し周波数(数[kHz]〜数10[kHz]程度)に応答する手段であれば何でもよい。例えば、Mach Zehnder型のLN変調器、EA(Electro Absorption)変調器等の強度変調器のほか、半導体光増幅器、光ファイバ増幅器等の光増幅器、また、MEMS光スイッチ等の光スイッチ等が考えられる。
第1の信号発生部133は、パルス型のレーザレーダ装置の送信光に必要となる周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号WF01を発生して光強度変調部132を駆動するものである。
第2の信号発生部134は、光位相変調器131の変調位相2π(360度)を得るために必要な駆動電圧2Vπの整数倍(m倍)に相当する振幅2mVπと、一定周期Tとを持つ鋸波駆動信号WF02を発生して光位相変調器131を駆動するものである。
次に、上記のように構成された風計測用のレーザレーダ装置の動作について説明する。
レーザレーダ装置の動作では、図1,2に示すように、まず、基準光源11は、単一波長の連続発振かつ定偏光である光を発生し、光路分岐カプラ12は、当該光を偏光状態を維持したまま2分岐して一方を局部発振光として光ヘテロダイン受信機5に伝送し、他方を送信用の種光として光周波数・強度変調ユニット13に伝送する。
次いで、光周波数・強度変調ユニット13は、光路分岐カプラ12からの光に対して、オフセット周波数fofsを付与し、かつ、周期的にONおよびOFF期間を繰り返したパルス変調を行うことで送信光とする。ここで、代表的なレーザレーダ装置では、光路分岐カプラ12からの光の周波数νとして195[THz]、オフセット周波数fofsとして数10[MHz]〜数100[MHz]、パルス幅として数100[ns]〜1[μs]程度が用いられる。この光周波数・強度変調ユニット13の動作の詳細については後述する。
次いで、光増幅器2は光周波数・強度変調ユニット13からの光を光増幅し、光アンテナユニット4は、当該光を送信光として、特定のビーム径に拡大しつつビームの射出方向を特定方向に設定して空間に放出する。
この光アンテナユニット4により放出された送信光は、観測空間における散乱対象により後方散乱され、散乱対象の移動速度に応じたドップラ周波数シフトを受ける。そして、光アンテナユニット4は、当該後方散乱光を受信光として受信する。
次いで、光ヘテロダイン受信機5は、光送信ユニット1からの局部発振光および光サーキュレータ3を介した光アンテナユニット4からの受信光を用いて、光ヘテロダイン検出を行う。すなわち、光ヘテロダイン受信機5は、局部発振光と受信光(後方散乱光)とを光学的に合波して光電変換を行うことで、後方散乱光と局部発振光との差周波数のビート信号を出力する。
ここで、光ヘテロダイン受信機5で得られるビート信号の周波数fは、次式(1)で表される。

Figure 0006005302
ここで、fofsは光周波数・強度変調ユニット13のオフセット周波数、fDOPは風速によるドップラ周波数を示している。
このビート信号は、例えばオフセット周波数fofsを50[MHz]、風速によるドップラ周波数fDOPを±50[MHz]と仮定すると、100[MHz]以下の中心周波数となる。このビート信号は、送信光が放射された直後から連続的に得られる。また、送信光を放射した後、受信光が受信されるまでの到来時間Δtから、次式(2)のように散乱対象までの距離Lを算出することができる。

Figure 0006005302
ここで、cは光速を示している。
次いで、信号処理ユニット6は、光ヘテロダイン受信機5からのビート信号を周波数分析する。そして、この信号処理ユニット6による分析結果は、レーザレーダ装置内のデータ蓄積部(不図示)に格納されるほか、表示部7により必要な情報がユーザに表示提供される。
次に、光周波数・強度変調ユニット13の動作について説明する。
光周波数・強度変調ユニット13の動作では、まず、第2の信号発生部134は、光位相変調器131の変調位相2π(360度)を得るために必要な駆動電圧2Vπの整数倍(m倍)に相当する振幅2mVπと、一定周期Tとを持つ鋸波駆動信号WF02を発生する。そして、光位相変調器131は、この鋸波駆動信号WF02に従い、光路分岐カプラ12からの送信光に対して位相変調を行いオフセット周波数を付与する。
これにより光位相変調器131からは、次式(3)のように、時間tに対して一定の変化率2mπ/T[rad/s]の位相φ(t)が出力される。

Figure 0006005302
ここで、mod(t,T)は時間tを周期Tで割った際の剰余を示している。
また、周波数fは次式(4)のように、位相φの時間微分で定義できる。

Figure 0006005302
そして、位相φ(t)の時間変化率は2mπ/T[rad/s]であるため、次式(5)のように、光位相変調器131により鋸波駆動信号WF02の周期Tの逆数に比例したオフセット周波数fofsを得ることができる。

Figure 0006005302
図3に、1[kHz]の周波数シフトを実現するために光位相変調器131に入力される鋸波駆動信号WF02と、これにより光ヘテロダイン受信機5で得られたビート信号の実測例を示す。図3において、下段の細線が鋸波駆動信号WF02の波形を示し、上段の太線がビート信号の波形を示している。
図3において、鋸波駆動信号WF02の振幅は、光位相変調器131の2Vπ電圧(360度)である7[V]に設定し、周期Tは1[ms]に設定した。この場合、ビート信号として一定周期1[ms]の正弦波が得られており、所望の1[kHz]の周波数シフトが得られていることがわかる。
このように、第2の信号発生部134により発生された鋸波駆動信号WF02で光位相変調器131を駆動することで、送信光に所望のオフセット周波数を付与することができる。例えば図3において、光位相変調器131により50[MHz]の周波数シフトを実現するためには、振幅7[V]かつ周期20[ns]を持つ鋸波駆動信号WF02を発生させればよい。
次いで、第1の信号発生部133は、パルス型のレーザレーダ装置の送信光に必要となる周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号WF01を発生する。そして、光強度変調部132は、このパルス変調駆動信号WF01に従い、光位相変調器131からの光に対してパルス変調を行い送信光とする。
ここで、図4に、実施の形態1に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す。
図4に示すように、実施の形態1に係るレーザレーダ装置では、まず、光位相変調器131および光強度変調部132により、特定のパルス幅と繰り返し周期を持つ送信光101が出力される。この送信光101の周波数は、基準光源11の出力周波数をν、光位相変調器131によるオフセット周波数をfofsとして、ν+fofsで表される。
次に、受信光102は、大気中を風に乗って移動するエアロゾルからの後方散乱光であり、送信光101のパルスOFF期間に連続的に収集される。図4は、説明のため特定の距離レンジに対応した受信光102を記載しているが、実際には送信光101のパルスOFF期間に連続的に収集される。この受信光102の周波数は、風速によるドップラ周波数fが加わるため、ν+fofs+fで表される。
一方、局部発振光103は時間的に連続波で出力され、その周波数は基準光源11の周波数νと一致している。
そして、光ヘテロダイン受信機5では、受信光102と局部発振光103とを光学的に合波した後、光電変換して、受信光102と局部発振光103との差周波数のビート信号fofs+fを出力する。
したがって、光ヘテロダイン信号(ビート信号)スペクトルの時系列データは、中心周波数fofsからドップラ周波数fだけ離調したスペクトルとして得られる。
以上の構成により、従来のレーザレーダ装置で必要だったAO変調器を用いない構成で、所望のオフセット周波数の付与と、パルス変調を実現することができる。
なお、本発明で用いる光位相変調器131は、LN結晶の電気光学効果による伝搬光路の屈折率変化を利用している。そのため、AO変調器のような回折効果と回折光の空間分離のための伝搬長が不要であり、小型化、低消費電力化に寄与することができる。また、伝搬長の短縮により、基準光源11に隣接させて集積化することも可能となる。
また、光位相変調器131および光強度変調部132は、光通信用として高速応答(カットオフ周波数≧数10[GHz])のものを市販品として入手できる。そのため、光通信用として普及していないAO変調器、変調駆動装置を使用する従来構成に比べて、信頼性向上と低コスト化に寄与することができる。
また、AO変調器を用いた場合には、基準光源11の周波数(中心波長)に依存して回折角度が変化する結果、挿入損失が変化して回線ペナルティが発生する。一方、本発明の構成では、波長依存性を有する素子が存在しないため、基準光源11の波長変動、波長設定範囲に対する許容範囲を拡大することができる。これにより、基準光源11の波長選定、試験、安定化のための機器が不要となり、低コスト化に寄与することができる。
また、光送信ユニット1内部のブロックを光ファイバ接続なしで、バットジョイント接続して1モジュールに集積化することも可能である。
また、従来では、パルスOFF期間のキャリアリーク光を低減するために、光強度変調ユニットを往復伝搬させるための光サーキュレータおよび全反射ミラーが必要であった。それに対して、本発明では、上記光サーキュレータや全反射ミラーが不要となるため、部品点数が低減し、低コスト化に寄与することができる。
なお図4では、光ヘテロダイン信号スペクトルとして、特定の距離レンジにおける風速によるドップラ周波数fの存在範囲を符号104に示し、ドップラ周波数fがゼロ以外の場合(風速≠0)に観測されるピーク周波数を符号105に示し、ドップラ周波数fがゼロの場合(風速=0)に観測されるピーク周波数を符号106に示している。
ここで、符号106に示すように、風速=0の場合には、観測信号の中心周波数は中心周波数であるfofsに一致する。図4の例では、送信光101が理想的にONおよびOFFされ、パルスOFF期間に漏えい光がない場合を想定している。そのため、光ヘテロダイン信号には、漏えい光に伴う不要なビート信号が存在しない。
したがって、信号処理ユニット6では、ドップラ周波数fの存在範囲104のみをフィルタで切り出して信号処理するだけでよい。なお、送信光101にパルスOFF期間の漏えい光が存在する場合の構成については、実施の形態2以降で詳述する。
以上のように、この実施の形態1によれば、レーザレーダ装置の送信側の機能として必要なオフセット周波数の付加とパルス変調とを実現する手段として、光位相変調器131と光強度変調部132との組合せで実現するように構成したので、AO変調器を用いずに送信側に必要な周波数シフトとパルス化を実施することで、装置の小型・集積化、部品点数低減による信頼性向上とコスト低減を図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、送信光特性として理想的なパルス変調を仮定した場合について示した。それに対して、実施の形態2では、送信光のパルスOFF期間に漏えい光が存在する場合について示す。図5はこの発明の実施の形態2に係る光送信ユニット1の構成を示すブロック図である。図5に示す実施の形態2に係る光送信ユニット1は、図2に示す実施の形態1に係る光送信ユニット1の光周波数・強度変調ユニット13に、光強度変調部132に従属接続された第2の光強度変調部135を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
なお、第1の信号発生部133は、パルス型のレーザレーダ装置の送信光に必要となる周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号WF01を発生して光強度変調部132および第2の光強度変調部135を駆動する。
第2の光強度変調部135は、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01に従い、光強度変調部132からの送信光に対してパルス変調を行い送信光とするものである。この際、第2の光強度変調部135は、光強度変調部132と共に同期変調を行うことで、送信光のパルスOFF期間の漏えい光を抑圧する。なお、第2の光強度変調部135は、レーザレーダ装置に必要となるパルス幅(数100[ns]〜1[μs])および繰り返し周波数(数[kHz]〜数10[kHz]程度)に応答する手段であれば何でもよい。例えば、Mach Zehnder型のLN変調器、EA変調器等の強度変調器のほか、半導体光増幅器、光ファイバ増幅器等の光増幅器、また、MEMS光スイッチ等の光スイッチ等が考えられる。
図6に、実施の形態2における光強度変調器23によるパルスOFF期間の消光特性が理想的でない場合での各光のタイミングダイヤフラムを示す。
図6に示すように、実施の形態2に係るレーザレーダ装置では、特定のパルス幅と繰り返し周期を持つ送信光101がパルスON期間に出力される一方、パルスOFF期間に漏えい光201が出力される。
この漏えい光201は、その後、光増幅器2により増幅される。そして、光サーキュレータ3の伝送路OF5から伝送路OF7へのクロストーク、および伝送路OF6の後段の光アンテナユニット4の内部部品の反射により、送信光101(パルスON期間)の受信光路へのクロストーク202、および漏えい光201(パルスOFF期間)の受信光路への漏えい光203として、光ヘテロダイン受信機5に入射する。
この受信光路への漏えい光203は、送信光101の直接光の漏えい分や、固定物からの反射であるため、周波数として送信光101(パルスON期間)と同じ周波数ν+fofsを持つ。
このため、光ヘテロダイン受信機5内で、受信光路への漏えい光203と局部発振光103とが干渉して不要なビート信号204を発生する。この不要なビート信号204は、受信光路への漏えい光203と局部発振光103との差周波数であるfofsを持ち、これが時間的に常に存在する。
一方、図6において、光ヘテロダイン信号スペクトルとして、特定の距離レンジにおける風速によるドップラ周波数fの存在範囲を符号104に示し、ドップラ周波数fがゼロ以外の場合(風速≠0)に観測されるピーク周波数を符号105に示し、ドップラ周波数fがゼロの場合(風速=0)に観測されるピーク周波数を符号106に示す。
図6では、風速によるドップラ周波数fのピーク周波数105,106と不要なビート信号204とがスペクトル上で重なる。そのため、直接的に風速によるドップラ周波数fのピーク周波数105,106のみを検出することが困難となる。
なお、不要なビート信号204は中心周波数fofsの固定値であるため、これを信号処理的に棄却すれば、風速≠0については検出可能となる。しかしながら、風速=0の場合での計測は依然として困難である。
そこで、第2の光強度変調部135を用いて光強度変調部132と共に同期変調させることで、パルスOFF期間の漏えい光201を抑圧する。
図7に、実施の形態2における第2の光強度変調部135を光強度変調部132と共に同期変調させた場合での各光のタイミングダイヤフラムを示す。
図7に示すように、実施の形態2に係るレーザレーダ装置では、第2の光強度変調部135を光強度変調部132と共に同期変調させることで、パルスOFF期間の送信光101の漏えい光201が抑圧される。これにより、受信光としては、送信光101(パルスON期間)の受信光路へのクロストーク202と、風速ドップラによる受信光102が得られる。
そして、光ヘテロダイン受信機5において、局部発振光103と合成される結果、光ヘテロダイン信号スペクトルには送信光101(パルスON期間)のクロストーク202と局部発振光103とのビート信号205と、風速によるドップラ周波数f(ピーク周波数105,106、存在範囲104)のみがスペクトル上に現れる。
ここで、送信光101(パルスON期間)のクロストーク202と局部発振光103とのビート信号205は、レーザレーダ装置で不要な距離0mでの信号に対応するため、時間的に棄却すればよい。これにより、風速観測したいパルスOFF期間において、光ヘテロダイン信号スペクトル内から、不要なビート信号205が抑圧できるため、正確な風速ドップラの検出が可能となる。
なお実施の形態2では、光強度変調部132,135を2段用いる場合を説明したが、これに限るものではなく、必要な抑圧レベルに応じて2段以上従属接続してもよい。
ここで、従来のAO変調器を多段接続する場合、段数増加に伴って中心周波数が増加する。そのため、光ヘテロダイン受信機5の使用部品を高周波化したり、信号処理ユニット6での信号サンプリングレートを増加させる必要があった。それに対し、実施の形態2における光強度変調部132,135の多段接続では、中心周波数は変化しないため、後段の信号処理を変更なく使用できる。
また、光強度変調部132,135において、その全てまたはその一部に半導体光増幅器、光ファイバ増幅器等の光増幅器を用いてもよい。この場合、光位相変調器131、光強度変調部132,135の多段接続により増加したパルスON期間の挿入損失(光路損失)を、光増幅による利得で補てんすることが可能となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、光強度変調部132,135を複数従属接続させて同期変調を行うように構成したので、実施の形態1における効果に加え、レーザレーダ装置の送信側の性能として必要な高いパルスON/OFF消光比の実現が可能となる。また、光強度変調部132および第2の光強度変調部135はともに波長依存性がないため、従来のAO変調器を用いた構成に比べて、基準光源11の波長変動や波長設定範囲に対する許容範囲を拡大することができる。
実施の形態3.
実施の形態1,2では、連続的な鋸波駆動信号WF02で位相変調を行う場合について示した。それに対し、実施の形態3では、送信光に同期したバースト状の鋸波駆動信号WF03で位相変調を行う場合について示す。図8はこの発明の実施の形態3に係る光送信ユニット1の構成を示すブロック図である。図8に示す実施の形態3に係る光送信ユニット1は、図2に示す実施の形態1に係る光送信ユニット1の光周波数・強度変調ユニット13に信号乗算部(第3の信号発生部)136を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についての説明を行う。
信号乗算部136は、第2の信号発生部134により発生された鋸波駆動信号WF02のうち、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01のパルスON期間に相当する部分を切り出したバースト状の鋸波駆動信号WF03を出力して、第2の信号発生部134に代えて光位相変調器131を駆動するものである。
なお、光位相変調器131は、信号乗算部136により出力されたバースト状の鋸波駆動信号WF03に従い、光路分岐カプラ12からの光に対して位相変調を行いオフセット周波数を付与する。
これにより、伝送路OF04から出力される送信光は、パルスON期間にはオフセット周波数fofsが付加され、パルスOFF期間にはオフセット周波数が付加されない。
ここで、光強度変調部132のパルスOFF期間に漏えい光が存在する場合、実施の形態1の構成では、漏えい光にオフセット周波数が付加されていた。それに対して、実施の形態3では、漏えい光にオフセット周波数が付加されない。
図9に、実施の形態3に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す。
図9に示すように、実施の形態3に係るレーザレーダ装置では、特定のパルス幅と繰り返し周期を持つ送信光101がパルスON期間に出力される一方、パルスOFF期間に漏えい光301が出力される。
この漏えい光301は、その後、光増幅器2により増幅される。そして、光サーキュレータ3の伝送路OF5から伝送路OF7へのクロストーク、および伝送路OF6の後段の光アンテナユニット4の内部部品の反射により、送信光101(パルスON期間)の受信光路へのクロストーク302、および漏えい光301(パルスOFF期間)の受信光路への漏えい光303として、光ヘテロダイン受信機5に入射する。
パルスON期間のクロストーク302の周波数がν+fofsであるのに対し、漏えい光301(パルスOFF期間)の受信光路への漏えい光303の周波数は、パルスOFF期間にオフセット周波数が付加されないためνである。
このため、光ヘテロダイン受信機5内で、パルスON期間のクロストーク302と局部発振光103とにより発生する不要なビート信号304は、パルスON期間のみ中心周波数であるfofsに現れる。
一方、パルスOFF期間の漏えい光303と局部発振光103とにより発生する不要なビート信号305は、ベースバンド(周波数0)に現れる。
したがって、風速によるドップラ信号を観測する時間帯(パルスOFF期間)で、ドップラ信号(ピーク周波数105、106、存在範囲104)の周波数fofs+fが不要なビート信号304,305とスペクトル上で離れて存在するため、電気的に両者の分離が可能となる。
以上のように、この実施の形態3によれば、第2の信号発生部134により発生された鋸波駆動信号WF02のうち、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01のパルスON期間に相当する部分を切り出したバースト状の鋸波駆動信号を出力して、第2の信号発生部134に代えて光位相変調器131を駆動する信号乗算部136を備えたので、実施の形態1における効果に加え、光強度変調部132によるパルスONおよびOFFが不完全な場合でも、風速によるドップラ信号を不要なビート信号304,305からスペクトル上で容易に分離できるため、光強度変調部132のON/OFF消光比に対する性能要求を緩和することができ、低コスト化に寄与することができる。
なお、実施の形態3におけるバースト的な周波数シフトとパルス変調との組み合わせは、従来のAO変調器では、周波数シフトが付加された出力光と付加されていない出力光との出力ポートとが空間的に異なるため、そのまま実現することはできない。すなわち、AO変調器の0次光出力ポート(周波数シフトなし)と1次光出力ポート(周波数シフトあり)とをパルス出力と同期して切替える手段が別途必要であり、挿入損失の増加や同期ずれといった技術課題があるのに加え、素子の大型化と消費電力増加を誘発しデメリットが大きい。また、従来例のような光強度変調ユニットの多段化にともなう挿入損失の増加を防ぐことができ、低消費電力化に寄与する。
また、実施の形態1,2と同様に、光強度変調部132および第2の光強度変調部135は共に波長依存性がないため、従来のAOを用いた構成に比べて、基準光源11の波長変動や、波長設定範囲に対する許容範囲を拡大することができる。
実施の形態4.
実施の形態3では、送信光に同期したバースト状の鋸波駆動信号WF03による位相変調を送信光に対してのみ行う場合について示した。それに対し、実施の形態4では局部発振光に対しても行う場合について示す。図10はこの発明の実施の形態4に係る光送信ユニット1の構成を示すブロック図である。図10に示す実施の形態4に係る光送信ユニット1は、図8に示す実施の形態3に係る光送信ユニット1の光位相変調器131の位置を、基準光源11と光路分岐カプラ12との間に変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
光位相変調器131は、信号乗算部136により出力されたバースト状の鋸波駆動信号WF03に従い、基準光源11からの光に対して位相変調を行いオフセット周波数を付与するものである。この光位相変調器131により位相変調された光は伝送路OF11を介して光路分岐カプラ12に伝送される。
なお、光路分岐カプラ12は、光位相変調器131からの光を偏光状態を維持したまま2分岐する。
また、光強度変調部132は、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01に従い、光路分岐カプラ12からの光に対してパルス変調を行い送信光とする。
これにより、局部発振光にも、パルスONおよびOFF期間に対応したオフセット周波数の有無変化が付加される。
図11に、実施の形態4に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す。
図11に示すように、実施の形態4に係るレーザレーダ装置では、特定のパルス幅と繰り返し周期を持つ送信光101がパルスON期間に出力される一方、パルスOFF期間に漏えい光301が出力される。
この漏えい光301は、その後、光増幅器2により増幅される。そして、光サーキュレータ3の伝送路OF5から伝送路OF7へのクロストーク、および伝送路OF6の後段の光アンテナユニット4の内部部品の反射により、送信光101(パルスON期間)の受信光路へのクロストーク302、および漏えい光301(パルスOFF期間)の受信光路への漏えい光303として、光ヘテロダイン受信機5に入射する。
パルスON期間のクロストーク302の周波数がν+fofsであるのに対し、漏えい光301(パルスOFF期間)の受信光路への漏えい光303の周波数は、パルスOFF期間にオフセット周波数が付加されないためνである。
一方、実施の形態3と異なり、局部発振光103の周波数は、送信光101と同様に、パルスON期間にν+fofs(パルスON期間401)となり、パルスOFF期間にνとなる(パルスOFF期間402)。
このため、光ヘテロダイン受信機5内で、パルスON期間のクロストーク302と局部発振光103のパルスON期間401とにより発生する不要なビート信号403および、パルスOFF期間の漏えい光303と局部発振光103のパルスOFF期間402とにより発生する不要なビート信号404は、いずれもベースバンド(周波数0)に現れる。
一方、風速によるドップラ信号(ピーク周波数105,106、存在範囲104)は、中心周波数付近に存在する。そのため、不要なビート信号403,404とスペクトル上で離れて存在するため、電気的に両者の分離が可能となる。
以上のように、この実施の形態4によれば、送信光に同期したバースト状の鋸波駆動信号WF03による位相変調を送信光および局部発振光に対して行うように構成したので、実施の形態1における効果に加え、光強度変調部132によるパルスONおよびOFFが不完全な場合でも、風速によるドップラ信号を不要なビート信号403,404からスペクトル上で容易に分離できるため、光強度変調部132のON/OFF消光比に対する性能要求を緩和することができ、低コスト化に寄与することができる。
また、実施の形態4の構成をとることで、実施の形態3の構成に比較して、パルスON期間における不要なビート信号403もベースバンドにシフトさせることが可能である。そのため、パルスタイミングに時間的なジッタ誤差が存在する場合での、パルスOFF期間直後(最近接の距離レンジ)における漏えい光の混入を避けることができる。
このため、最近接の距離レンジにおける風速推定における誤検出を回避することができ、風速計測精度を高めることができる。
さらに、実施の形態4の構成をとることで、光通信の用途において適用対象の多い基準光源11と光位相変調器131とを一体化したモジュールを活用し、後段に汎用の光路分岐カプラ12、光強度変調部132を接続する構成が取れる。このため、光通信用用途で信頼性と低コスト化が進んだ部品を利活用できる利点がある。
また、実施の形態1〜3と同様に、光強度変調部132および第2の光強度変調部135は共に波長依存性がないため、従来のAO変調器を用いた構成に比べて、基準光源11の波長変動、波長設定範囲に対する許容範囲を拡大することができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、1個の基準光源11および1個の光アンテナユニット4を用いた場合について示した。それに対し、実施の形態5では、波長の異なる複数の基準光源11a,11bと、各波長に対応した複数の光アンテナユニット4a,4bとを用いて、観測空間を切替る場合について示す。図12はこの発明の実施の形態5に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。図12に示す実施の形態5に係るレーザレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーザレーダ装置の基準光源11および光アンテナユニット4を第1,2の基準光源11a,11bおよび第1,2の光アンテナユニット4a,4bに変更し、波長分岐カプラ8および波長多重カプラ14を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
第1の基準光源11aは、中心波長(周波数)λ1の連続発振かつ定偏光である光を発生するものである。この第1の基準光源11aにより発生された光は伝送路OF13を介して波長多重カプラ14に伝送される。
第2の基準光源11bは、中心波長(周波数)λ2の連続発振かつ定偏光である光を発生するものである。この第2の基準光源11bにより発生された光は伝送路OF14を介して波長多重カプラ14に伝送される。
波長多重カプラ14は、第1,2の基準光源11a,11bからの光を波長多重するものである。この波長多重カプラ14により波長多重された光は伝送路OF15を介して光路分岐カプラ12に伝送される。
なお、光路分岐カプラ12は、波長多重カプラ14からの光を偏光状態を維持したまま2分岐する。
波長分岐カプラ8は、光サーキュレータ3からの送信光を波長ごとに分岐するものである。この波長分岐カプラ8により波長ごとに分岐された送信光は伝送路OF17,OF18を介して対応する第1,2の光アンテナユニット4a,4bに伝送される。
第1の光アンテナユニット4aは、第1の基準光源11aに対応し、波長分岐カプラ8からの中心波長λ1の送信光を空間に放出し、かつ、当該送信光に対する空間からの後方散乱光を受信光として受信するものである。この第1の光アンテナユニット4aにより受信された受信光は伝送路OF16,17を介して光サーキュレータ3に伝送される。
第2の光アンテナユニット4bは、第2の基準光源11bに対応し、波長分岐カプラ8からの中心波長λ2の送信光を空間に放出し、かつ、当該送信光に対する空間からの後方散乱光を受信光として受信するものである。この第2の光アンテナユニット4bにより受信された受信光は伝送路OF16,17を介して光サーキュレータ3に伝送される。
なお図12では、光路分岐カプラ12の位置を光周波数・強度変調ユニット13の手前とし、局部発振光に周波数シフトを与えない構成を例として示している。しかしながら、これに限るものではなく、実施の形態4のように光周波数・強度変調ユニット13の内部において、光路分岐カプラ12を鋸波駆動信号WF03で駆動した光位相変調器131の後段に設置して、局部発振光にもパルスON期間に周波数シフトを付加する構成をとってもよい。これにより、光周波数・強度変調ユニット13の内部に設置した光強度変調部132のON/OFF消光比が不十分であっても、光ヘテロダイン受信機5に混入する不要なビート信号403と風速によるドップラ信号(ピーク周波数105,106、存在範囲104)とを周波数領域で分離することができる。
図12に示す構成において、光送信ユニット1から伝送路OF4を介して出力された送信光は、実施の形態1における図1の構成と同様に光増幅器2で増幅されて光サーキュレータ3を介して伝送路OF16に伝送される。
そして、送信光は、伝送路OF6から波長分岐カプラ8に伝送され、第1,2の基準光源11a,11bの波長ごとに光路が切り変えられ、第1の基準光源11aからの波長λ1に対応した光は第1の光アンテナユニット4aに伝送され、第2の基準光源11bからの波長λ2に対応した光は第2の光アンテナユニット4bに伝送される。
ここで、第1の光アンテナユニット4aと第2の光アンテナユニット4bとを、異なる観測空間に向けて設置することで、波長切替えにより観測空間を切替えて計測することが可能となる。
また、信号処理ユニット6からは、各時間で第1の基準光源11aあるいは第2の基準光源11bのうちどちらの基準光源を選択したかを示す、波長選択用の時系列信号が光送信ユニット1に送信される。
同時に信号処理ユニット6において、上記の波長選択用の時系列信号が計測したドップラ信号の時系列データと共に記録格納される。このデータは、ドップラ信号の分析において、第1の光アンテナユニット4aあるいは第2の光アンテナユニット4bのどちらを選択したかを識別する際に用いられる。
以上のように、この実施の形態5によれば、波長の異なる複数の基準光源11a,11bと、各波長に対応した複数の光アンテナユニット4a,4bとを用い、観測空間を切替るように構成したので、複数の光アンテナユニット4a,4bを予め異なる観測空間に向けて設置固定し、波長を電気的に切替えることで観測空間を切替え可能となる。これにより、観測空間の切替えを高速に行うことができる。
また、光アンテナユニット4a,4bを、天頂方向を視野中心として異なる地上位置に固定して、波長切替えにより光アンテナユニット4a,4bを切替えることで2地点の風向風速の高度分布を1台のレーザレーダ装置で計測することができる。
また、従来のAO変調器を用いた構成では、変調器に波長依存性があるため波長ごとに光アンテナユニット4a,4bを切替える構成を構築するためには、光周波数・強度変調ユニット13を波長ごとに設置する必要があった。それに対して実施の形態5では、1つの光周波数・強度変調ユニット13を共通して使用することができる。したがって、部品点数が減少し低コスト化に寄与することができる。
さらに、近年の光通信機器において、実用化されている可変波長レーザアレイでは、すでに12アレイ以上の基準光源と波長多重カプラとが一体化されたモジュールとして市販されている。そこで、この光通信用の可変波長レーザアレイを用いることで、素子を小型化できるだけでなく、通信用の部品として信頼性試験され、量産効果によるコスト低減効果がある部品を流用できる。そのため、開発費を含めた費用を低減できる。
一方で、上記可変波長レーザアレイでは、光出力の際の波長が安定せず、波長安定化までに時間を要する。そのため、不安定な波長での出力を避けるため、図13に示すように、波長切替えの際に光遮断時間がある場合がある。図13では、波長λ1に対応する基準光源11aから光を出力して第1視野を計測している状態で、信号処理ユニット6からの指示に応じ、波長λ2に対応する基準光源11bからの光に切替えて第2視野を計測する場合を示している。
ここで、波長が不安定な状態では、レーザレーダ装置の計測結果として、ヘテロダイン受信した信号の周波数が波長変動に対して変動し、測定誤差となる。しかしながら、光遮断時間がある場合には、光遮断時間において、レーザレーダ装置中の光増幅器2を空焚きすることになり、故障の原因となる。
そこで、実施の形態5において、上記のような波長切替えでの問題を解消するため、以下のように制御してもよい。すなわち、光送信ユニット1が、波長を切替える前に、まず、切替え対象の基準光源11a,11bを共に点灯し、切替え後の波長に対応する基準光源11b(11a)での波長が安定状態となる時間待機する。そして、この波長が安定状態となった後に、切替え前の波長に対応する基準光源11a(11b)を消灯する。
例えば、図14に示すように、波長λ1に対応する基準光源11aから光を出力して第1視野を計測しているとき、信号処理ユニット6から波長λ1から波長λ2へ選択波長の切替え信号(波長選択用の時系列信号)が光送信ユニット1に入力されたとする。この場合、まず、波長λ1に対応する基準光源11aを点灯したまま、波長λ2に対応する基準光源11bを点灯する。その後、事前に取得した波長λ2に対応する基準光源11bの波長安定化までの時間Tst2だけ待機した後、波長λ1に対応する基準光源11aを消灯する。波長λ2から波長λ1に波長切替えを行う際も同様の制御を行う。上記制御方法により、光増幅器2の空焚きを回避することができ、耐故障性が向上する。
なお上記では、使用する波長を2波長とした場合について示したが、これに限るものではなく、N個の波長を用いるようにしてもよい。
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態3,4で示したパルス変調駆動信号WF01に同期したバースト状の鋸波駆動信号WF03で位相変調を行う構成に対し、鋸波周期を可変させる機能を付加した場合について示す。図15はこの発明の実施の形態6に係るレーザレーダ装置の光送信ユニット1の構成を示すブロック図である。図15に示す実施の形態6に係る光送信ユニット1は、図8に示す実施の形態3に係る光送信ユニット1に信号演算部137を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
信号演算部137は、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01からパルスON期間の周波数偏移を推定し、送信光への当該周波数偏移による影響を補償するよう第2の信号発生部134の駆動を制御するものである。
そして、第2の信号発生部134は、信号演算部137による制御に従って鋸波駆動信号を発生し、信号乗算部136は、パルス変調駆動信号WF01のパルスON区間に相当する部分を切り出す。これにより、バースト状の鋸波駆動信号WF04が光位相変調器131に出力される。
次に、周波数偏移の推定について説明する。
パルス光が光学媒質に入射すると、非線形光学効果により、光強度に応じて屈折率が変化する。そして、パルス光入射後の媒質中での伝搬は、伝搬方向に対して光の電場がゆっくりと変化する仮定の下(slowly varying近似)、次式(6)に示す伝搬方程式を満足する。
Figure 0006005302
ここで、Aは光の電場、αは伝送路での減衰、λは波長、βは屈折率分散によるパルス幅増加因子を示している。
そして、式(6)の右辺第3項は、次式(7)の非線形光学係数γによる非線形光学効果を示している。
Figure 0006005302
ここで、cは光速、Aeffは伝送路の有効面積、ωは光周波数、nは3次非線形分極に関する非線形屈折率を示している。
そして、本発明で使用する光強度変調部132における非線形光学効果の中でも支配的な自己位相変調を想定し、ゼロ分散(β=0)と仮定して、さらに、光の電場Aを次式(8)の規格化振幅Uで表す。
Figure 0006005302
また、規格化振幅Uの解は次式(9)で表される。
Figure 0006005302
ここで、U(0,t)は伝搬距離z=0における規格化振幅を、ΦNLは非線形位相偏移を示している。
また、非線形位相偏移ΦNLは次式(10)で表される。
Figure 0006005302
ここで、Leffは実行的伝搬距離、LNLは非線形長を示している。
また、実効的伝搬距離Leffおよび非線形長LNLは各々次式(11),(12)で表される。
Figure 0006005302

Figure 0006005302
一方、非線形位相偏移ΦNLの時間変化は、パルス光の周波数偏移fchirp(t)として次式(13)のように表される。
Figure 0006005302
上式によれば、周波数偏移fchirp(t)は、パルス光の強度の時間変化率に比例した量として算出することが可能である。
また、上記の周波数偏移の符号は、通常の伝送路または光ファイバ増幅器等では負符号である。一方、半導体光増幅器または半導体光スイッチ等のように、キャリア注入量によって式(7)の屈折率が変化する素子においては、式(13)の符号を正符号に設定することもできる。
すなわち、半導体光増幅器を利得飽和動作させる場合は負符号であり、非飽和領域で動作させる場合には正符号に設定可能である。
以上の特性を先遣情報として用いることにより、送信光の周波数が偏移する期間およびその偏移量を周波数偏移fchirp(t)をとして推定できる。
ここで、送信光の周波数偏移による影響を排除する方法としては、周波数偏移が存在する期間のオフセット周波数をゼロにする方法(第1の周波数偏移補償方法)と、オフセット周波数fofsから周波数偏移fchirp(t)を減算する方法(第2の周波数偏移補償方法)の、2つの方法が考えられる。
まず、周波数偏移が存在する期間のオフセット周波数をゼロにする方法(第1の周波数偏移補償方法)について、図16を参照しながら説明する。図16は実施の形態6に係るレーザレーダ装置において、周波数偏移による影響を補償するための変調波形を示す図である。
ここで、パルス変調駆動信号WF01は、図16(a)に示すように、t0≦t<t1の期間で正の傾きを持って立上がり、t1≦t<t2の期間で一定値をとり、t2≦t<t3の期間で負の傾きを持って立下がる台形形状であるとする。
図16(a)に示すパルス変調駆動信号WF01において周波数偏移が発生するのは、パルス変調駆動信号WF01の強度の時間変化率が非ゼロの期間であるt0≦t<t1およびt2≦t<t3である。そこで、信号演算部137は、上記強度の時間変化率が非ゼロの期間では第2の信号発生部134を駆動せず、上記強度の時間変化率がゼロの期間であるt1≦t<t2でのみ鋸波駆動信号を発生させるよう第2の信号発生部134を駆動する。そして、信号乗算部136にて、この第2の信号発生部134により得られた鋸波駆動信号から、パルス変調駆動信号WF01のパルスON区間に相当する部分を切り出すことで、バースト状態の鋸波駆動信号WF04aを取得し、光位相変調器131に出力する。
これにより、図16(b)に示すように、実効的なオフセット周波数として、t0≦t<t1の期間では+fchirp、t1≦t<t2の期間ではfofs、t2≦t<t3の期間では−fchirpが得られる。その結果、周波数偏移が発生しないt1≦t<t2のみが中間周波数として現れ、周波数偏移が発生する期間での影響は、ベースバンド上に現れる。
図17に、実施の形態6に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す(周波数偏移補償なしの場合)。
図17に示すように、実施の形態6に係るレーザレーダ装置において周波数偏移補償を行わない場合、送信光101のパルスON期間において周波数偏移を受けるため、送信光101の周波数は、ν+fofs+fchirp(t)と表せる。このため、光ヘテロダイン信号のターゲットレンジでは、符号105c,106cに示すように、周波数偏移の影響が風速によるドップラ信号に重畳する。
このターゲットレンジ内での周波数偏移は、風速分散が生じた場合と同様な影響として現れ、識別が困難であり、計測精度が低下する。
次に、図18に、実施の形態に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す(第1の周波数偏移補償方法を適用した場合)。
実施の形態6における第1の周波数偏移補償方法では、送信光101のパルスON期間において、周波数偏移が生じない期間にのみ鋸波駆動信号WF04aを出力する。そのため、光ヘテロダイン信号のターゲットレンジにおいては、符号105a,106aに示すように、周波数偏移の影響が含まれない期間での風速によるドップラ信号のみを取得することができる。
これにより、周波数偏移補償なしの場合に生じていたドップラ信号に重畳し、風速分散と見分けがつかない周波数偏移による影響を、風速によるドップラ周波数fの存在範囲104の外側に除外することができる。この場合、周波数偏移の影響は、ベースバンド上において、送信光101のパルスOFF期間の漏えい光303と局部発振光103との合成で発生する不要なビート信号306として現れる。
次に、オフセット周波数fofsから周波数偏移推定量fchirp(t)を減算する方法(第2の周波数偏移補償方法)について、図19を参照しながら説明する。図19は実施の形態6に係るレーザレーダ装置において、周波数偏移による影響を補償するための変調波形を示す図である。
ここで、パルス変調駆動信号WF01は、図19に示すように、t0≦t<t1の期間で正の傾きを持って立上がり、t1≦t<t2の期間で一定値をとり、t2≦t<t3の期間で負の傾きを持って立下がる台形形状であるとする。
送信光における周波数偏移fchirp(t)の影響は、式(13)で表されるパルス変調駆動信号WF01の強度の時間変化率に比例した量として推定できる。したがって、オフセット周波数ffofsから上記周波数偏移fchirp(t)を減算することで、送信光のパルスON期間内の周波数偏移を補償できる。
そこで、信号演算部137は、送信光に付与するオフセット周波数ffofsから、パルス変調駆動信号WF01の強度の時間変化率に比例した周波数(周波数偏移fchirp(t))を減算した周期を持つ鋸波駆動信号を発生するよう第2の信号発生部134の駆動を制御する。すなわち、次式(14)のように、鋸波駆動信号の周期T’(t)を時間的に変化させる。そして、信号乗算部136にて、この第2の信号発生部134により得られた鋸波駆動信号から、パルス変調駆動信号WF01のパルスON区間に相当する部分を切り出すことで、バースト状態の鋸波駆動信号WF04bを取得し、光位相変調器131に出力する。
Figure 0006005302
次に、図20に、実施の形態6に係るレーザレーダ装置における各光のタイミングダイヤグラムを示す(第2の周波数偏移補償を適用した場合)。
実施の形態6における第2の周波数偏移補償方法では、送信光101のパルスON期間において、推定した周波数偏移fchirp(t)を用いて、式(14)により算出した周期T’(t)で鋸波駆動信号を発生し、鋸波駆動信号WF04bを得る。そのため、光ヘテロダイン信号のターゲットレンジにおいては、符号105b,106bに示すように、周波数偏移の影響が含まれない風速によるドップラ信号を取得することができる。
これにより、周波数偏移補償なしの場合に生じていたドップラ信号に重畳し、風速分散と見分けがつかない周波数偏移による影響を補正することができる。この場合、第1の周波数偏移補償方法と異なり、周波数偏移の影響は補償され、ベースバンド上の不要なビート信号305にも表れない。
次に、信号演算部137による周波数偏移fchirp(t)の推定動作について、図21を参照しながら説明する。
信号演算部137による周波数偏移fchirp(t)の推定動作では、図21に示すように、まず、対象とする送信光の波長λを設定し、ω=c/λより光周波数ωを算出する(ステップST2101)。
次いで、使用する伝送路のパラメータである有効面積Aeff、伝送路長L、非線形屈折率nを設定する(ステップST2102)
次いで、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01から、送信光のピークパワーP0と規格化強度のパルス時間波形|U(0,t)|を取得する(ステップST2103)ここで、規格化強度の時間波形については、パルス繰り返し毎に再現性が確保できる場合は、予め計測した時系列データを格納して、それを読み出すようにしてもよい。
次いで、式(13)を用いて、周波数偏移fchirp(t)を推定する(ステップST2104)。
図22に、光強度変調部132として半導体光増幅器を使用し、この増幅器を非飽和領域で用いた場合の周波数偏移fchirpの時間波形の実測値を示す。
図22に示すように、送信光の立上がり期間で正符号の10[MHz]の周波数偏移、立下がり期間で負符号の10[MHz]の周波数偏移が現れていることがわかる。
また、半導体光増幅器を飽和領域で用いた場合には、周波数偏移fchirpの送信光の時間変化に対する符号は逆転する。
したがって、周波数偏移量をモニタしながら半導体光増幅器の励起状態を飽和領域と非飽和領域との間に制御して、周波数偏移を最小化することも可能である。
さらに、図1に示すように、レーザレーダ装置には、通常、光周波数・強度変調ユニット13の後段に出力増幅用の光増幅器2を接続する。この光増幅器2としては、テーパ型半導体光増幅器、希土類添加光ファイバ増幅器、レーザ媒質を導波路状に加工した導波路型光増幅器等が使用される。
これらの増幅器においても、パワー密度が高い場合には伝送路において、Karr効果にともなう周波数偏移が生じる。この周波数偏移の符号は送信光の時間変化率に対して負符号である。したがって、前段の光周波数・強度変調ユニット13において生じる偏移周波数を、半導体光増幅器の励起状態の最適設定または鋸波駆動信号の最適設定により、最小化することが可能である。
これにより、従来困難であった、光増幅器2における周波数偏移の影響を含めて補正できる。
以上のように、この実施の形態6によれば、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01からパルスON期間における周波数偏移を推定し、送信光への当該周波数偏移による影響を補償するよう第2の信号発生部134の駆動を制御する信号演算部137を設けたので、実施の形態3における効果に加え、光強度変調部132として半導体光増幅器等を用いる場合や、後段の光増幅器2、伝送路等において、信号光の自己位相変調効果により誘発されるパルスON期間での周波数偏移fchirpの影響を抑制することができる。
また、信号演算部137により、パルス変調駆動信号WF01の強度の時間変化率が非ゼロの期間では、第2の信号発生部134を駆動しないように制御することで、信号光の自己位相変調効果により誘発されるパルスON期間での周波数偏移fchirpによる不要周波数成分を、風速によるドップラ周波数の存在範囲外に移動でき、風速によるドップラ信号への重畳を回避できるため、計測精度を向上できる。
また、信号演算部137により、送信光に付与するオフセット周波数ffofsから周波数偏移fchirp(t)を減算した周期を持つ鋸波駆動信号を発生するよう第2の信号発生部134を制御することで、信号光の自己位相変調効果により誘発されるパルスON期間での周波数偏移fchirpによる不要周波数成分を補償でき、風速によるドップラ信号への重畳を回避できるため、計測精度を向上できる。
なお図15では、図8に示す実施の形態3に係る光送信ユニット1に信号演算部137を追加した構成について示した。それに対して、図10に示す実施の形態4に係る光送信ユニット1に信号演算部137を追加してもよく、同様の効果を得ることができる。
実施の形態7.
図12に示す実施の形態5において、波長切替えの際の基準光源11a,11bの波長不安定性の問題がある場合、波長不安定性による誤差分の波長シフトを、光周波数・強度変調ユニット13の鋸波駆動信号により制御することでも解決可能である。
図23はこの発明の実施の形態7に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。図23に示す実施の形態7に係るレーザレーダ装置は、図12に示す実施の形態5に係るレーザレーダ装置において、信号処理ユニット6と光周波数・強度変調ユニット13間を接続線で接続したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
信号処理ユニット6は、図12に示す実施の形態5の機能に加え、波長選択用の時系列信号を光送信ユニット1の基準光源11a,11bのみではなく、光周波数・強度変調ユニット13にも出力する。
そして、光送信ユニット1では、信号処理ユニット6からの波長選択用の時系列信号に応じて、波長切替えの際に、切替え前の波長に対応する基準光源11a(11b)を消灯し、かつ切替え後の波長に対応する基準光源11b(11a)を点灯する。
また、光周波数・強度変調ユニット13の第2の信号発生部134では、信号処理ユニット6からの波長選択用の時系列信号に応じて、波長切替えの際に、切替え後の波長に対応する基準光源11b(11a)における波長の不安定状態による周波数時間変動に相当する周期を持つ鋸波駆動信号を発生する。
この場合、例えば図24に示すように、光送信ユニット1は、波長切替えの際に、波長λ1に対応する基準光源11aを消灯し、同時に波長λ2に対応する基準光源11bを点灯する。
一方、光周波数・強度変調ユニット13では、波長λ2の基準光源11bでの波長不安定による、安定波長からの周波数時間変動Δf2(t)を事前に取得する。そして、第2の信号発生部134では、波長切替えの際に、鋸波駆動信号の周期Tを、上記安定波長からの周波数時間変動Δf2(t)=m/T(t)により変動させる。これにより、波長不安定による周波数シフト分を補償することが可能となる。
実施の形態8.
図12に示す実施の形態5において、波長切替えの際の基準光源11a,11bの波長不安定性の問題がある場合、図25に示す構成とすることでも解決可能である。
図25はこの発明の実施の形態8に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。図25に示す実施の形態8に係るレーザレーダ装置は、図12に示す実施の形態5に係るレーザレーダ装置の波長多重カプラ14を光スイッチ15に変更し、信号処理ユニット6と光スイッチ15間を接続線で接続したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
信号処理ユニット6は、図12に示す実施の形態5の機能に加え、波長選択用の時系列信号を光送信ユニット1の基準光源11a,11bのみではなく、光スイッチ15にも出力する。
光スイッチ15は、各基準光源11a,11bにより発生された連続発振光を選択的に出力するものである。この光スイッチ15は、信号処理ユニット6からの波長選択用の時系列信号に応じて、対応する波長の連続発振光を出力する。
この場合、図26に示すように、基準光源11a,11bはともに常時出力状態となっている。この状態において、光スイッチ15は、信号処理ユニット6から波長選択用の時系列信号に応じ、入力ポートの点灯および消灯を切替える。これにより、対応する波長のみを出力することが可能となる。
なお、光スイッチ15としては、MEMS等を用いた機械的な光スイッチの他に、光導波路型スイッチ等どのような光スイッチでもよい。例えば、LiNbO3の電気光学効果を利用した導波路型光スイッチであればサブピコ秒オーダの高速スイッチングが可能であり、光遮断による光増幅器2の空焚き問題を解消する効果がある。さらに、波長多重カプラ14に比べて、より集積化、小型化が可能であるため、小型化に寄与する。また、半導体材料を用いた電気光学効果による光スイッチを用いれば、複数波長の半導体レーザアレイと出力増幅用の半導体光増幅器との一体集積も可能であり、さらなる小型化に寄与する。
実施の形態9.
図27にこの発明の実施の形態9に係る光送信ユニット1の構成を示すブロック図である。図27に示す実施の形態9に係る光送信ユニット1は、図8に示す実施の形態3に係る光送信ユニット1の光強度変調部132を取り除き、光位相変調器131をデュアルパラレル光位相変調器(光位相振幅変調器)138に変更し、第2の信号発生部134を第4〜7の信号発生部139a〜139dに変更し、信号乗算部136を第4〜7の信号発生部139a〜139dに対応させて複数設けたものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付し異なる部分についてのみ説明を行う。
なお、第1の信号発生部133は、パルス型のレーザレーダ装置の送信光に必要となる周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号WF01を発生する。
第4〜7の信号発生部139a〜139dは、デュアルパラレル光位相変調器138の変調位相π(180度)を得るために必要な駆動電圧Vπに相当する振幅Vπと一定周期Tを持つ正弦波駆動信号を、互いに90度位相差の関係を維持して発生するものである。この際、第4,5の信号発生部139a,139bは、互いの位相差が180度である正弦波駆動信号を発生する。また、第6,7の信号発生部139c,139dは、互いの位相差が180度である正弦波駆動信号を発生する。
信号乗算部136a〜136dは、対応する第4〜7の信号発生部139a〜139dにより発生された正弦波駆動信号のうち、第1の信号発生部133により発生されたパルス変調駆動信号WF01のパルスON期間に相当する部分を切り出したバースト状の正弦波駆動信号(駆動信号)を出力して、デュアルパラレル光位相変調器138を駆動するものである。
デュアルパラレル光位相変調器138は、各信号乗算部136a〜136dにより乗算されたバースト状の正弦波駆動信号I1(t),I2(t),Q1(t),Q2(t)により、光路分岐カプラ12からの光に対して位相変調を行ってオフセット周波数を付与し、送信光とするものである。
次に、デュアルパラレル光位相変調器138の構成および動作について、図28を参照しながら説明する。
デュアルパラレル光位相変調器138は、図28(a)に示すように、分波カプラ1381、第1,2のMZ(MachZehnder)変調器1382a,1382b、90度位相シフタ1383および合波カプラ1384から構成されている。
デュアルパラレル光位相変調器138の動作では、まず、分波カプラ1381は、光路分岐カプラ12からの光を分波する。
そして、第1のMZ変調器1382aの2系統の信号入力端に、振幅がVπ電圧(第1のMZ変調器1382aの位相変化が180度となる電圧)で、位相差が180度である駆動信号I1(t),I2(t)を加える。これにより、第1のMZ変調器1382aは駆動し、分波カプラ1381により分波された一方の光を変調する。このとき、第1のMZ変調器1382aの出力は、図28(b)上段の複素平面において、横軸I上を±1の範囲で振動的に変化する。
また、第2のMZ変調器1382bの2系統の信号入力端に、振幅がVπ電圧(第2のMZ変調器1382bの位相変化が180度となる電圧)で、位相差が180度である駆動信号Q1(t),Q2(t)を加える。これにより、第2のMZ変調器1382bは駆動し、分波カプラ1381により分波された他方の光を変調する。このとき、第2のMZ変調器1382bの後段に接続された90度位相シフタ1383の出力は、図28(b)上段の複素平面において、縦軸Q上を±1の範囲で振動的に変化する。
その後、90度位相シフタ1383は、第2のMZ変調器1382bにより変調された光の位相を90度シフトし、合波カプラ1384は、第1のMZ変調器1382aにより変調された光と90度位相シフタ1383により位相が90度シフトされた光とを合波して、送信光として出力する。
ここで、駆動信号I1(t)と駆動信号Q1(t)との位相差、および駆動信号I2(t)と駆動信号Q2(t)との位相差を90度に設定して、第1,2のMZ変調器1382a,1382bを駆動する。そして、合波カプラ1384での合波出力の複素振幅を、図28(b)上段に示す複素平面の規格化円の円周状において、正弦波信号の周期で1周する角速度で等角速度運動させる。
この際、駆動信号I1(t),I2(t),Q1(t),Q2(t)の正弦波の周波数を、レーザレーダ装置に必要な周波数シフト量と一致させる。これにより、出力光信号に所望の周波数シフトを与えることができる。
また、第1の信号発生部133からのパルス変調駆動信号WF01と、第4〜7の信号発生部139a〜139dからの正弦波駆動信号とを信号乗算部136a〜136dにより乗算すると、図28(b)下段に示す時系列波形が得られる。すなわち、パルスON期間において、所望のシフト周波数と一致し、かつ90度毎の相対位相差を維持した4系統の正弦波駆動信号波形により、デュアルパラレル光位相変調器138を駆動する。また、パルスOFF期間は、4系統の信号ともに出力をゼロに固定する。
これにより、デュアルパラレル光位相変調器138の出力の複素振幅は、図28(b)上段の複素平面において、所望のパルス変調を実現できる。すなわち、パルスON期間では振幅一定かつ角速度一定(強度一定かつオフセット周波数一定)となり、パルスOFF期間では振幅0かつ角速度0(強度0かつオフセット周波数0)となる。
その結果、実施の形態3,4に係るレーザレーダ装置において必要であった第2の信号発生部134および後段の光強度変調部(半導体光増幅器、LN強度変調器)132が、不要となる。よって、駆動回路および光回路構成が簡素になり、低コスト化に寄与する。
また、光通信の分野において多値変調(QPSK,QAM)のニーズが高まり、今後、シングル光位相変調器(光位相変調器131)よりもデュアルパラレル光位相変調器138の流通数の増加が予想される。よって、量産効果による低コスト化の効果が見込まれる。
さらに、近い将来に、基準光源11、光路分岐カプラ12およびデュアルパラレル光位相変調器138までを同一パッケージに収納したモジュールが(標準化を含めて)開発される可能性が高い。これにより、小型化、低コスト化に寄与する効果が見込まれる。
また、将来技術として、シリコンウェハ上に電子回路と光回路とを同一プロセスで作成するシリコンフォトニクスにも、本発明が適用される可能性がある。これにより、より一層、小型化、低消費電力化、低コスト化に寄与する効果がある。
以下に、参照例として、実施の形態3における光位相変調器131の動作について、図29の複素平面上で説明を補足する。図29(a)は、実施の形態3の構成から、光位相変調器131および光強度変調部(SOA)132のみを抜粋したものである。
この図29(a)に示すように、光位相変調器131には、バースト状の鋸波駆動信号WF04である信号I_PM(t)が入力され、光強度変調部132には、パルス変調駆動信号WF01である信号I_IM(t)が入力される。
そして、パルス変調駆動信号WF01のパルスON期間において、鋸波駆動信号WF04の振幅を、2Vπ電圧(光位相変調器131の位相変化が180度となる電圧)の整数倍に設定する。この場合、光位相変調器131の出力端での複素振幅は、図29(b)上段の複素平面上において、図28と同様に規格化円の円周状を等角速度運動する。位相の時間変化が一定であるため、一定値の周波数シフトを発生できることがわかる。
一方、パルス変調駆動信号WF01のパルスOFF期間においては、鋸波駆動信号WF04の波形はゼロに保持される。この場合、光位相変調器131の出力端での複素振幅は、図29(b)上段の複素平面上において、規格化円と横軸(正値)との交点で保持される。
したがって、光位相変調器131の出力端での複素振幅は、パルスON期間では一定角速度の複素振幅(強度一定かつオフセット周波数一定)となり、パルスOFF期間では位相0(ただし強度≠0)となり、これを時間的に繰り返す。
このため、実施の形態3では、パルスOFF期間において振幅を強制的にゼロにする必要があり、後段の強度変調部132を用いる必要があった。
なお上記では、図8に示す実施の形態3に係る光送信ユニット1の構成をもとに、デュアルパラレル光位相変調器138を追加した構成について示した。それに対して、図10に示す実施の形態4に係る光送信ユニット1の構成をもと、デュアルパラレル光位相変調器138を追加してもよく、同様の効果を得ることができる。
また上記では、デュアルパラレル光位相変調器138を用いた場合について示したが、光路分岐カプラ12からの光に対して位相および振幅を同時に変調して送信光とする光位相振幅変調器であれば同様に適用可能である。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係るレーザレーダ装置は、AO変調器を用いずに送信側に必要な周波数シフトとパルス化を実施することで、装置の小型・集積化、部品点数低減による信頼性向上とコスト低減を図ることができ、例えば気象空間における風向風速を遠隔計測するレーザレーダ装置等に用いるのに適している。
1 光送信ユニット、2 光増幅器、3 光サーキュレータ、4,4a,4b 光アンテナユニット(光アンテナ)、5 光ヘテロダイン受信機、6 信号処理ユニット、7 表示部、8 波長分岐カプラ、11,11a,11b 基準光源、12 光路分岐カプラ、13 光周波数・強度変調ユニット、14 波長多重カプラ、15 光スイッチ、131 光位相変調器、132 光強度変調部、133 第1の信号発生部、134 第2の信号発生部、135 第2の光強度変調部、136,136a〜136d 信号乗算部(第3の信号発生部)、137 信号演算部、138 デュアルパラレル光位相変調器(光位相振幅変調器)、139a〜139d 第4〜7の信号発生部、1381 分波カプラ、1382a、1382b 第1,2のMZ変調器、1383 90度位相シフタ、1384 合波カプラ。

Claims (11)

  1. 連続発振光である局部発振光および送信光を出力する光送信ユニットと、前記光送信ユニットにより出力された送信光を空間に放射し、当該送信光に対する後方散乱光を受信光として受信する光アンテナと、前記光送信ユニットにより出力された局部発振光および前記光アンテナにより受信された受信光を用いて光ヘテロダイン検出を行う光ヘテロダイン受信機と、前記光ヘテロダイン受信機による検出結果を周波数分析する信号処理ユニットとを備えたレーザレーダ装置であって、
    前記光送信ユニットは、
    前記連続発振光に対して位相変調を行う光位相変調器と、
    前記光位相変調器により位相変調された光に対してパルス変調を行い前記送信光とする光強度変調部と、
    周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号を発生して前記光強度変調部を駆動する第1の信号発生部と、
    前記光位相変調器の変調位相2πを得るために必要な駆動電圧の整数倍に相当する振幅および一定周期を持つ鋸波駆動信号を発生して前記光位相変調器を駆動する第2の信号発生部と
    前記第2の信号発生部により発生された鋸波駆動信号のうち、前記第1の信号発生部により発生されたパルス変調駆動信号のパルスON期間に相当する部分を切り出したバースト状の鋸波駆動信号を出力して、前記第2の信号発生部に代えて前記光位相変調器を駆動する第3の信号発生部を備えた
    ことを特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 前記光位相変調器により位相変調された連続発振光を2分岐して一方を前記局部発振光とし、他方を前記送信光用の光とする光路分岐カプラを備え、
    前記光強度変調部は、前記光路分岐カプラからの前記送信光用の光に対してパルス変調を行う
    ことを特徴とする請求項記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記第1の信号発生部により発生されたパルス変調駆動信号からパルスON期間における周波数偏移を推定し、前記送信光への当該周波数偏移による影響を補償するよう前記第2の信号発生部の駆動を制御する信号演算部を備えた
    ことを特徴とする請求項記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記信号演算部は、前記パルス変調駆動信号の強度の時間変化率が非ゼロの期間では、前記第2の信号発生部を駆動しない
    ことを特徴とする請求項記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記信号演算部は、前記送信光に付与するオフセット周波数から前記周波数偏移を減算した周期を持つ鋸波駆動信号を発生するよう、前記第2の信号発生部を制御する
    ことを特徴とする請求項記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記光送信ユニットは、
    各々異なる波長の連続発振光を発生する複数の基準光源と、
    前記各基準光源により発生された連続発振光を波長多重する波長多重カプラとを備え、
    前記光位相変調器は、前記波長多重カプラにより波長多重された連続発振光に対して位相変調を行い、
    前記光送信ユニットにより出力された送信光を波長ごとに分岐する波長分岐カプラを備え、
    前記光アンテナは、前記基準光源に対応して複数設けられ、前記波長分岐カプラにより分岐された対応する波長の送信光を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  7. 前記光送信ユニットは、波長を切替える前に、切替え対象の前記基準光源を共に点灯し、切替え後の波長に対応する前記基準光源での波長が安定状態となる時間待機し、当該波長が安定状態となった後に、切替え前の波長に対応する前記基準光源を消灯する
    ことを特徴とする請求項記載のレーザレーダ装置。
  8. 前記光送信ユニットは、波長切替えの際に、切替え前の波長に対応する前記基準光源を消灯し、かつ切替え後の波長に対応する前記基準光源を点灯し、
    前記第2の信号発生部は、前記波長切替えの際に、切替え後の波長に対応する前記基準光源における波長の不安定状態による周波数時間変動に相当する周期を持つ鋸波駆動信号を発生する
    ことを特徴とする請求項記載のレーザレーダ装置。
  9. 前記光送信ユニットは、
    各々異なる波長の連続発振光を発生する複数の基準光源と、
    前記各基準光源により発生された連続発振光を選択的に出力する光スイッチとを備え、
    前記光位相変調器は、前記光スイッチにより出力された連続発振光に対して位相変調を行い、
    前記光送信ユニットにより出力された送信光を波長ごとに分岐する波長分岐カプラを備え、
    前記光アンテナは、前記基準光源に対応して複数設けられ、前記波長分岐カプラにより分岐された対応する波長の送信光を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  10. 連続発振光である局部発振光および送信光を出力する光送信ユニットと、前記光送信ユニットにより出力された送信光を空間に放射し、当該送信光に対する後方散乱光を受信光として受信する光アンテナと、前記光送信ユニットにより出力された局部発振光および前記光アンテナにより受信された受信光を用いて光ヘテロダイン検出を行う光ヘテロダイン受信機と、前記光ヘテロダイン受信機による検出結果を周波数分析する信号処理ユニットとを備えたレーザレーダ装置であって、
    前記光送信ユニットは、
    前記連続発振光に対して位相および振幅を同時に変調して前記送信光とする光位相振幅変調器と、
    周期的にONおよびOFF期間を繰返すパルス変調駆動信号を発生する第1の信号発生部と、
    前記光位相振幅変調器の変調位相180度を得るために必要な駆動電圧に相当する振幅および一定周期を持つ正弦波駆動信号を、互いに90度位相差の関係を維持して発生する第4〜7の信号発生部と、
    前記第4〜7の信号発生部により発生された正弦波駆動信号のうち、前記第1の信号発生部により発生されたパルス変調駆動信号のパルスON期間に相当する部分を切り出したバースト状の正弦波駆動信号を出力して、前記光位相振幅変調器を駆動する第3の信号発生部とを備えた
    ことを特徴とするレーザレーダ装置。
  11. 前記光位相振幅変調器はデュアルパラレル光位相変調器であり、
    前記第4,5の信号発生部により発生された正弦波駆動信号は、互いの位相差が180度であり、
    前記第6,7の信号発生部により発生された正弦波駆動信号は、互いの位相差が180度であり、
    前記デュアルパラレル光位相変調器は、
    前記連続発振光を分波する分波カプラと、
    前記第4,5の信号発生部により発生され前記第3の信号発生部により処理された正弦波駆動信号により駆動し、前記分波カプラにより分波された一方の連続発振光を変調する第1のMZ(MachZehnder)変調器と、
    前記第6,7の信号発生部により発生され前記第3の信号発生部により処理された正弦波駆動信号により駆動し、前記分波カプラにより分波された他方の連続発振光を変調する第2のMZ(MachZehnder)変調器と、
    前記第2のMZ変調器により変調された連続発振光の位相を90度シフトする90度位相シフタと、
    前記第1のMZ変調器により変調された連続発振光と前記90度位相シフタにより位相が90度シフトされた連続発振光とを合波する合波カプラとを有する
    ことを特徴とする請求項10記載のレーザレーダ装置。
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