JP6003755B2 - ラクタムの精製方法 - Google Patents
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1.請求項1に係る発明においては、粗ラクタムに含まれる共晶体の不飽和ラクタムを固溶体の不飽和ラクタムに異性化したのち、前記粗ラクタムを晶析し、次いで、前記晶析により得られたラクタム結晶を水素添加することを特徴とするラクタムの精製方法とし、
2.請求項2に係る発明においては、前記ラクタムの炭素数が6以上12以下であることを特徴とする請求項1に記載のラクタムの精製方法とし、
3.請求項3に係る発明においては、前記異性化の反応時にアルカリを添加することを特徴とする請求項1または2に記載のラクタムの精製方法とし、
4.請求項4に係る発明においては、前記異性化において、水酸基基準で粗ラクタム液比0.012mol/L以上0.035mol/L以下となるようにアルカリを添加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラクタムの精製方法とし、
5.請求項5に係る発明においては、前記異性化の反応時の温度を100℃以上200℃以下で行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のラクタムの精製方法とし、
6.請求項6に係る発明においては、前記異性化の反応時間が10分以上360分以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のラクタムの精製方法とし、
7.請求項7に係る発明においては、前記晶析は溶媒存在下で実施することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のラクタムの精製方法とし、
8.請求項8に係る発明においては、前記溶媒が水であることを特徴とする請求項7記載のラクタムの精製方法とした。
本発明においては、まず、異性化工程にてU2をU1に異性化を行う。粗ラクタムの異性化体は、溶融状態の粗ラクタムまたは、水などに溶解した粗ラクタム溶液の状態で行う。アルカリ添加量・温度・反応時間の3つの条件が、異性化の進行に影響を与える。アルカリ添加量・温度を下記の範囲内とし、異性化工程においてに必要となる下記の反応時間をかけて異性化を進行すること好ましく、異性化工程はどのような形態で実施しても良く、回分式で実施しても、連続式で実施しても構わない。
異性化を行った粗ラクタムを晶析工程で結晶化させるが、晶析工程の前に蒸留を実施しても良い。蒸留を実施することで、不純物のうち、ラクタムより低沸不純物であるアニリンやフェノール、ラクタムより高沸不純物であるクロルラクタムの大部分を除去することができる。蒸留を実施することで、晶析工程での負荷を軽減することができる上、さらに高品質なラクタムを得ることに繋がる。
上述の通りU2をU1に異性化したのち、晶析工程において、晶析を行う。
最後に、晶析にて生成したU1をより多く含むラクタム結晶に、水素添加を行う。水素添加を実施することで不飽和ラクタムに水素を添加しラクタムに変換できる。さらに、ラクタム結晶中に微量含まれるγ−クロルラクタムにおいても、脱クロル化を促進できる。また、γ−クロルラクタムの脱クロル化により生成したBCLに対しても、水素添加されるため、ラクタムに変換することができる。水素添加の方法については限定されず、公知の方法で実施することができる。
粗ラクタムの純度及び不純物の含有量および晶析後のラクタム結晶の純度及び不純物の含有量は、ガスクロマトグラフィーにより求めた。水を入れたプラスチック製容器にサンプルを採り、50重量%水溶液サンプルを調整し、その後50重量%サンプルの2gを10mlメスフラスコに採り、アセトンで定容したサンプルをガスクロマトグラフィーに注入することで求めた。不純物の検出限界は約100ppmである。
シクロヘキサンを張り込んだ光反応槽に塩化ニトロシルおよび塩化水素の混合ガスを吹き込み、50kW高圧ナトリウムランプを用いて光ニトロソ化反応により、シクロヘキサノンオキシムを製造した。静置により未反応シクロヘキサンと分離したシクロヘキサノンオキシムを、発煙硫酸を触媒としてベックマン転位することで粗ラクタムを生成せしめ、アンモニアにより中和したのち、抽剤にトリクロロエチレンを用いて抽出処理を行った。これにより、不飽和ラクタムを含む粗ラクタムが得られた(この際のpH値は7.7、U2/U1が4.5)。
実施例1で異性化時の保持時間を180分としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1で異性化時の保持時間を20分としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1で苛性ソーダを水酸基基準で粗ラクタム液比0.027mol/L添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を第1表に示す。
実施例1で異性化時の温度を160℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を第1表に示す。
実施例1で苛性ソーダを用いて水酸基基準で粗ラクタム液比0.011mol/L添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を第1表に示す。
実施例1で異性化時の保持時間を420分としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を第1表に示す。重合物ができていた。
実施例1で苛性ソーダを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を第1表に示す。
Claims (8)
- 粗ラクタムに含まれる共晶体の不飽和ラクタムを固溶体の不飽和ラクタムに異性化したのち、前記粗ラクタムを晶析し、次いで、前記晶析により得られたラクタム結晶を水素添加することを特徴とするラクタムの精製方法。
- 前記ラクタムの炭素数が6以上12以下であることを特徴とする請求項1に記載のラクタムの精製方法。
- 前記異性化の反応時にアルカリを添加することを特徴とする請求項1または2に記載のラクタムの精製方法。
- 前記異性化において、水酸基基準で粗ラクタム液比0.012mol/L以上0.035mol/L以下となるようにアルカリを添加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラクタムの精製方法。
- 前記異性化の反応時の温度を100℃以上200℃以下で行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のラクタムの精製方法。
- 前記異性化の反応時間が10分以上360分以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のラクタムの精製方法。
- 前記晶析は溶媒存在下で実施することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のラクタムの精製方法。
- 前記溶媒が水であることを特徴とする請求項7記載のラクタムの精製方法。
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