JP5999980B2 - 取付システム及び汚染制御装置 - Google Patents

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本発明の一形態は、汚染制御装置の内側に汚染制御要素を取り付けるための取付システムと、その汚染制御装置とに関する。
従来から、車のエンジンの排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)などを排気ガスから除去するための手段として触媒コンバータが知られている。例えば下記特許文献1には、筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒を担持するモノリスと、そのモノリスを収容し且つ排気ガス導管に接続される金属製のケーシングと、モノリスに巻回されて当該モノリスとケーシングとの間隙に介装されるモノリス保持材とから構成された触媒コンバータが記載されている。
特許第3072281号明細書
モノリス触媒などの汚染制御要素は、上記のモノリス保持材のようなマット状の取付システムに巻かれた状態で汚染制御装置(例えば触媒コンバータ)のケーシング内に装着されることで、しっかりと固定される。したがって、取付システムはそのケーシング内において、汚染制御要素を押さえつけておくだけの十分な圧力を有する必要がある。
しかし、取付システムを汚染制御要素に巻きつけると当該システムの内面にしわが発生する。すると、ケーシング内に汚染制御要素を取り付けようとする時及びその取付後において、そのしわの周辺に必要以上の高い圧力が発生し、汚染制御要素に損傷を与える可能性がある。
そこで、汚染制御要素に損傷を与えることなく当該要素を汚染制御装置に安定的に固定することが要請されている。
本発明の一形態に係る取付システムは、汚染制御装置の内側に汚染制御要素を取り付けるための取付システムであって、第1のシート層と、汚染制御要素の取付時に第1のシート層よりも内側に位置する第2のシート層とを備え、取付時に汚染制御要素に接する第2のシート層の面に溝パターンが形成されており、第1のシート層の硬度が第2のシート層の硬度のn倍であり、ここで、nは1より大きく3以下である。
このような形態によれば、汚染制御要素の取付時に外側に位置する第1のシート層の硬度が、当該取付時に内側に位置する第2のシート層の硬度のn倍(ただし1<n≦3)である。このように二つのシート層の硬度を設定することで、汚染制御装置内に汚染制御要素を取り付ける際、及びその取付後において、安定した適度な圧力で汚染制御要素を装置内に固定することができる。加えて、汚染制御要素に接する第2のシート層の面に溝パターンを形成することで、取付システムの内面に不均一なしわを発生させることなく取付システムを当該要素に巻きつけることができる。その結果、周辺よりも高い圧力が掛かる部分の発生を抑えて、汚染制御要素の損傷を防止することができる。
別の形態に係る取付システムでは、第1のシート層の硬度が50〜90であり、第2のシート層の硬度が30〜80であってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、第1のシート層の密度が第2のシート層の密度のn倍であり、ここで、nは1より大きく3以下であってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、第1のシート層の密度が0.12〜0.30g/cmであり、第2のシート層の密度が0.10〜0.25g/cmであってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、第2のシート層の厚みが第1のシート層の厚み以下であってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、第1のシート層の厚みと第2のシート層の厚みとの比が30:1〜1:1であってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、第1のシート層の厚みが3〜15mmであり、第2のシート層の厚みが0.5〜15mmであってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、第1のシート層が乾式法により製造され、第2のシート層が湿式法により製造されてもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、溝パターンが、第2のシート層の巻き方向と略直交する方向に延びる複数の溝を含んでもよい。
さらに別の形態に係る取付システムでは、隣り合う二つの溝の間隔が3〜50mmであってもよい。
さらに別の形態に係る取付システムは、汚染制御装置の内側に汚染制御要素を取り付けるための取付システムであって、第1のシート層と、汚染制御要素の取付時に第1のシート層よりも内側に位置する第2のシート層とを備え、取付時に汚染制御要素に接する第2のシート層の面に溝パターンが形成されており、第1のシート層の密度が第2のシート層の密度のn倍であり、ここで、nは1より大きく3以下であってもよい。
本発明の一形態に係る汚染制御装置は、ケーシングと、ケーシング内に配置される汚染制御要素と、上記のいずれかの取付システムとを備え、取付システムが、ケーシング内の所望の位置に汚染制御要素を保持するように該ケーシングと該汚染制御要素との間に配置される。
本発明の一側面によれば、汚染制御要素に損傷を与えることなく当該要素を汚染制御装置に安定的に固定することができる。
実施形態に係る取付システムを備える触媒コンバータの、軸方向に沿った断面図である。 図1のII−II線断面図である。 実施形態に係る取付システムを用いて汚染制御要素をケーシングに押し込む様子を示す図である。 実施形態に係る取付システムの斜視図である。 実施例における圧力測定方法を説明するための図である。 実施例に係る圧力測定結果を示すグラフである。 比較例に係る圧力測定結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、図1〜4を用いて、実施形態に係る取付システム20の構成と、その取付システム20を備える触媒コンバータ10の構成とについて説明する。
触媒コンバータ10は、車のエンジンなどの内燃機関から発生する排気ガスを処理する汚染制御装置である。触媒コンバータ10が搭載される車両の種類は限定されず、例えば乗用車やバス、トラックなどの各種車両に触媒コンバータ10を搭載することができる。図1に示すように、触媒コンバータ10は、内燃機関31に接続している排気管32の中間に挿入される。この触媒コンバータ10は、ケーシング11と、このケーシング11内に配置された汚染制御要素12と、ケーシング11及び汚染制御要素12の間に配置された取付システム20とを備える。
図3に示すように、触媒コンバータ10は、取付システム20が外周上に巻き付けられた汚染制御要素12をケーシング11の開放端から押し込んで固定することで形成される。このとき、取付システム20は所定の圧縮力の下でケーシング11と汚染制御要素12との間の隙間を埋める。すると、取付システム20が発生する圧縮力あるいは表面摩擦力によって汚染制御要素12の動きが阻害され、その結果、汚染制御要素12はケーシング11内でしっかりと固定される。このように汚染制御要素12は取付システム20により保持されるので、基本的には、接着剤や接着シートなどの他の接合手段を用いる必要はない。もちろん、他の接合手段を取付システム20と併用してもよい。
ケーシング11は、排気管32の一部を成す部材であり、ハウジングとも言われる。ケーシング11は公知の種々の金属材料から製造することができ、例えば、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、又はチタンから製造されてもよいし、それらの合金から製造されてもよい。図1,2に示すように、本実施形態ではケーシング11は円筒形であるが、ケーシング11の形状は任意に定めてよい。図1に示すように、ケーシング11の一端には、内燃機関31から流れてきた排気ガスを受け入れる流入口13が取り付けられ、他端には、汚染制御要素12により浄化された排気ガスを下流へ送り出す流出口14が取り付けられる。流入口13及び流出口14は共に略円錐台形状を成している。
汚染制御要素12は、流入口13から流れてきた排気ガスに含まれる特定の成分の少なくとも一部を除去し、浄化された排気ガスを流出口14へと通す部品である。汚染制御要素12は、比較的高温において、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)などを除去するという、有用な触媒作用を発揮する。汚染制御要素12は、触媒担体12aに触媒が担持されることで形成される。
触媒担体12aは一般に、複数の排気ガス通路を有するハニカム構造を有するモノリス型の担体である。触媒担体12aは公知の材料から製造することができ、例えば金属又はセラミックから製造することができる。図1,2に示すように、本実施形態では触媒担体12aは円柱状であるが、触媒担体12aの形状もケーシングと同様に任意に定めてよい。また、触媒担体12aはモノリス型に限定されない。
触媒担体12a上に担持される触媒は一般に、金属(例えば白金、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、又はパラジウム)又は金属酸化物(例えば五酸化バナジウム又は二酸化チタン)である。例えば、触媒は触媒担体12a上にコーティングされる。触媒のコーティングに関しては、例えば米国特許第3441381号明細書に詳細に記載されている。
取付システム20は、汚染制御要素12をケーシング11内で固定するためのマット状の部材である。取付システム20を用いた汚染制御要素12の固定方法は、図3を用いて説明した通りである。取付システム20はこの固定機能の他に、ケーシング11内に汚染制御要素12を押し込む際における当該要素12の損傷を防止する役割も果たす。加えて、取付システム20は断熱機能も有する。
取付システム20の寸法は、使用目的や汚染制御装置の寸法に応じて設定すればよい。例えば、車両の触媒コンバータに用いられる取付システム20は一般に、約3.5〜30mmの厚さ、約20〜約500mmの幅、及び約100〜約1500mmの長さを有する。取付システム20は、はさみやカッターなどを使用して所望の形状および大きさに切断することができる。
図4に示すように、取付システム20は、二種類のシート状の層(シート層)が重ねあわされて接合されることで形成される。具体的には、取付システム20は、汚染制御要素12に巻き付けられた際に外側に位置する第1のシート層21と、その際に内側に位置する第2のシート層22とを備える。第1のシート層21と第2のシート層22とでは材料がほぼ共通するが製法が異なり、この製法の違いにより、これら二種類のシート層の性質は互いに異なる。
第1のシート層21及び第2のシート層22の材料について説明する。これら二種類のシート層は共に、繊維材料(例えば無機繊維)を用いて製造される。シート層に用いられる無機繊維の例として、ガラス繊維、セラミック繊維(例えば、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ−シリカ繊維など)、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、およびボロン繊維が挙げられるが、他の無機繊維を用いてもよい。これらの無機繊維は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の各種の無機繊維に他の無機材料を添加することでシート層を形成してもよい。添加剤の例として、ジルコニア、マグネシア、カルシア、酸化クロム、酸化イットリウム、および酸化ランタンを挙げることができるが、これらの例に限定されるものではない。これらの添加剤は一般に粉末又は微粒子の形態で使用することができるし、単独または2種類以上の組み合わせのいずれかで使用することもできる。
一例として、湿式法にて使用するアルミナ(Al)およびシリカ(SiO)を含有する無機繊維について説明する。この無機繊維におけるアルミナとシリカとの混合比の範囲は、約40:60〜約96:4である。アルミナおよびシリカの混合比がこの範囲から外れると、例えばアルミナの混合比が40%未満になると、シート層の耐熱性が低下する。
個々の無機繊維の太さ(平均直径)は特に限定されないが、例えば約2〜15μmである。この平均直径が約2μmよりも小さいと繊維が脆くなる可能性がある。一方、平均直径が約15μmを超えると、シート層及び取付システム20の成形が困難になる可能性がある。
無機繊維の長さも特に限定されないが、例えば平均で約0.5〜50mmである。この平均長さが約0.5mmよりも小さいと、シート層及び取付システム20の成形が困難になる。一方、平均長さが約50mmを超えると繊維の取扱いが困難になり、取付システム20の製造を円滑に進めることが困難になる。
一方、乾式法にて使用する無機繊維の一例として、アルミナ繊維によりシート層を製造する場合には、アルミナ繊維の平均長さは一般に約20〜200mmであり、その太さ(平均直径)は一般に約1〜40μmである。アルミナ繊維は、約70/30〜74/26の範囲内のAl/SiO重量比を有するムライト組成を有してもよい。
次に、第1のシート層21及び第2のシート層22の製法を説明する。第1のシート層21は乾式法、より具体的にはニードルパンチ法により作製されるのに対して、第2のシート層22は湿式法(湿式積層法)により作製される。したがって、第1のシート層21は乾式層であり、第2のシート層22は湿式層である。
第1のシート層21の製造方法(乾式法)は次の通りである。まず、オキシ塩化アルミニウムなどのアルミナ源と、シリカゾルなどのシリカ源と、ポリビニルアルコールなどの有機バインダーと、水との混合物からなるゾルゲルを紡糸することで、アルミナ繊維前駆体が得られる。続いて、そのアルミナ繊維前駆体をシート状に積層し、続いてニードルパンチを行い、さらに約1000〜1300℃の範囲内の高温で焼き付けることで、第1のシート層21が得られる。ニードルパンチの密度は例えば約1〜50パンチ/cmであり、この密度を変えることで、マットの厚さ、かさ比重、及び強度を調整することができる。
一方、第2のシート層22は、出発物質としての無機繊維および有機バインダーを任意の添加剤と混合し、その後、無機繊維の開繊、スラリーの調製、製紙による成形、及び型の加圧などの工程を連続して行うことで得られる。湿式法(湿式積層法)の詳細については、国際公開第2004/061279号パンフレット、及び米国特許第6051193号明細書を参考にすることができる。なお、有機バインダーの種類およびその使用量は特に限定されない。例えば、ラテックスの形態で提供されるアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、天然ゴム、ポリ酢酸ビニル樹脂などを有機バインダーとして使用することができる。あるいは、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルエステル樹脂などの可撓性熱可塑性樹脂を有機バインダーとして用いてもよい。
第1のシート層21と第2のシート層22とは、このような製法の違いにより硬度(アスカーF型硬度)及び密度が異なる。
第1のシート層21の硬度は50〜90であるのに対して第2のシート層22の硬度は30〜80である。ただし、第1のシート層21の硬度は第2のシート層22の硬度のn倍(ただし1<n≦3)である。すなわち、第2のシート層22は第1のシート層21よりも柔らかい。
第1のシート層21の密度は0.12〜0.30g/cmであるのに対して第2のシート層22の密度は0.10〜0.25g/cmである。ただし、第1のシート層21の密度は第2のシート層22の密度のn倍(ただし1<n≦3)である。
第1のシート層21と第2のシート層22とを有する取付システム20を製造する方法は限定されない。例えば、第1のシート層21及び第2のシート層22を、通常の接着剤、樹脂、又は両面テープなどの任意の接合手段で接合するか、あるいはステープラまたはステッチングなどの機械的固定手段によって接合することで、取付システム20を得てもよい。あるいは、第2のシート層22を作製するために調整したスラリー(懸濁液)を第1のシート層21の表面上に適用し、このスラリーを吸引によって脱水することで、第1のシート層21上に第2のシート層22が固定された取付システム20を得てもよい。
取付システム20において、第1のシート層21の厚みは3〜15mmであり、第2のシート層22の厚みは0.5〜15mmである。ただし、第2のシート層22の厚みは第1のシート層21の厚み以下である。第1のシート層21の厚みと第2のシート層22の厚みとの比は30:1〜1:1である。
巻付け時に汚染制御要素12に接する第2のシート層22の面には、巻き方向に略直交する方向に沿って延びる複数の浅い溝23、すなわち溝パターンが形成されている。したがって、取付システム20を汚染制御要素12に巻いてケーシング11内に挿入すると、各溝23は触媒コンバータ10の軸方向に沿って延びるように位置する。この溝パターンは、取付システム20を作製する過程において、表面に当該溝パターンの型を有する板(型板)で第2のシート層22を圧縮することで形成される。隣り合う二つの溝23の間隔は任意に定めてよいが、例えば3〜50mmでもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、取付時に外側に位置する第1のシート層21の硬度が、その時に内側に位置する第2のシート層22の硬度のn倍(ただし1<n≦3)である。このように二つのシート層21,22の硬度を設定することで、ケーシング11内に汚染制御要素12を取り付ける際、及びその取付後において、安定した適度な圧力で汚染制御要素12をケーシング11内に固定することができる。加えて、汚染制御要素12に接する第2のシート層22の面に溝パターンを形成することで、取付システム20の内面に不均一なしわを発生させることなく取付システム20を当該要素12に巻きつけることができる。その結果、周辺よりも高い圧力が掛かる部分の発生を抑えて、汚染制御要素12の損傷を防止することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
まず、72重量%のアルミナと28重量%のシリカとからなる、ニードルパンチされたアルミナ繊維マット(三菱樹脂株式会社製、商標名MAFTEC)に、水で約50倍に希釈したアクリルラテックス(日本ゼオン株式会社製の「ニッポール(Nippol)LX−816A」)を含浸させることで、湿潤状態の第1のシート層を得た。
続いて、96重量%のアルミナと4重量%のシリカとからなる94重量%のアルミナシリカ繊維 (サフィル・リミテッド(Saffil Ltd.)製)と、6重量%のアクリルラテックス(日本ゼオン株式会社製の「ニッポール(Nippol)LX−816A」)とを混合してスラリーを得た。そして、このスラリーをメッシュ状で脱水してシート状に成形することで第2のシート層を作製した。
続いて、湿潤状態の第1のシート層の上にアクリル接着剤を塗布し、その上に第2のシート層を積層し、加圧プレスを使用してこの成形品を上方から圧縮することで、当該成形品を高密度にした。この加圧プレスでは、断面が二等辺三角形であり且つ高さが2.5mmである直線状の凸部が10mm間隔で並んだ表面パターンを有する型板を用いたので、第2のシート層には10mm間隔で溝が形成された。その後、圧縮後の第1及び第2のシート層を、130℃に設定した乾燥機にて20分間乾燥させることで、二層のマットを得た。
第1のシート層の厚み及び密度はそれぞれ7mm、0.17g/cmであり、第2のシート層の厚み及び密度はそれぞれ1.5mm、0.10g/cmであった。したがって、マット全体の厚みは8.5mmであった。
このように得られたマットを図4に示すような形状に裁断することで取付システム120を得た。取付システム120の長さは350mmであり、幅は50mmであった。
比較例に係る取付システム190も、基本的に、取付システム120と同じ方法で作製した。ただし、比較例では、溝パターンを形成するための凸部が無い単なる平板を用いて加圧プレスを行ったので、取付システム190は溝パターンを持たない。この点のみが実施例と異なる。
取付システム120又は190を用いてモノリス(日本ガイシ株式会社製、商標名「ハニセラム(HONEYCERAM)」、4.5mil/600cell)112を圧入法によりケーシング内に固定した際における、当該モノリス112の外周に掛かる圧力を経時的に測定した。ケーシングは、厚みが1.5mmのSUS409LTを用いて作製した。モノリス112とケーシングとの間のギャップは、モノリス112をケーシングに押し込む際のモノリス表面に加わる最大圧力が約700kPaとなるように設定した。
圧力の測定にはセンサーシート(面圧測定シート。ニッタ株式会社製)200を用いた。センサーシート200はモノリス112と取付システムとの間に配置した。図5に示すように、センサーシート200は、モノリス112の周方向(取付システム120,190の巻き方向)を44分割して測定するための、44個の直線状のセンサー201を備える。便宜上、これらのセンサー201を1〜44の番号で区別する。
モノリス112をケーシングに押し込んだ際に各センサー201で測定された最大圧力と、モノリス112をケーシング内に挿入した後に各センサー201で経時的に測定された圧力の平均値(この平均値はセンサー201毎の値である)とを図6,7に示す。図6は実施例(取付システム120)についての測定結果を示すグラフであり、図7は比較例(取付システム190)についてのグラフである。各グラフにおける横軸はセンサー201の番号を示し、縦軸は圧力(kPa)を示している。図6,7の双方において、破線は最大圧力を示し、実線は各センサー201における平均圧力を示している。
実施例及び比較例それぞれについての取付時の最大圧力、取付後の平均圧力、及びこれら二つの値の差とを表1に示す。表1における最大圧力は全センサー201を通じての最大値であり、平均圧力は各センサー201の平均値を更に平均化した値である。
Figure 0005999980
以上、本発明をその実施形態及び実施例に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
汚染制御要素は、触媒担体(または触媒要素)、フィルター(たとえば、エンジン用の排気ガス精製フィルター)、またはその他の任意の汚染制御要素であってよい。同様に、汚染制御装置は、触媒コンバータ、エンジン用の排気ガス精製装置などの排気ガス精製装置(たとえば、ディーゼル微粒子フィルター)、または取り付けられた汚染制御要素によるその他の任意の汚染制御装置であってよい。
取付システムは3以上のシート層を備えていてもよい。例えば、上記第1のシート層21及び第2のシート層22の間に1以上の中間層を有する取付システムも本発明の範囲内である。
10…触媒コンバータ(汚染制御装置)、11…ケーシング、12…汚染制御要素、12a…触媒担体、13…流入口、14…流出口、20…取付システム、21…第1のシート層、22…第2のシート層、23…溝、31…内燃機関、32…排気管、112…モノリス(触媒担体)、120…取付システム、120,190…取付システム、190…取付システム。

Claims (11)

  1. ケーシングと、前記ケーシングの内に配置される汚染制御要素とを有する汚染制御装置において、前記汚染制御要素を前記ケーシング内に取り付けるべく、該汚染制御要素に巻回される取付システムであって、
    前記汚染制御要素の取付時に前記ケーシングに接する面を有する第1のシート層と、
    前記汚染制御要素の取付時に前記第1のシート層よりも内側に位置する第2のシート層と
    を備え、
    取付時に前記汚染制御要素に接する前記第2のシート層の面に溝パターンが形成されており、
    前記溝パターンが、前記巻回の方向と実質的に直交する方向に向かって前記第2のシート層の一端から他端にわたって形成され、
    前記第1のシート層のアスカーF型硬度が前記第2のシート層のアスカーF型硬度のn倍であり、ここで、nは1より大きく3以下であり
    前記第1のシート層のアスカーF型硬度が50〜90であり、
    前記第2のシート層のアスカーF型硬度が30〜80である、
    取付システム。
  2. 前記第1のシート層の密度が前記第2のシート層の密度のn倍であり、ここで、nは1より大きく3以下である、
    請求項に記載の取付システム。
  3. 前記第1のシート層の密度が0.12〜0.30g/cmであり、
    前記第2のシート層の密度が0.10〜0.25g/cmである、
    請求項に記載の取付システム。
  4. 前記第2のシート層の厚みが前記第1のシート層の厚み以下である、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の取付システム。
  5. 前記第1のシート層の厚みと前記第2のシート層の厚みとの比が30:1〜1:1である、
    請求項に記載の取付システム。
  6. 前記第1のシート層の厚みが3〜15mmであり、
    前記第2のシート層の厚みが0.5〜15mmである、
    請求項に記載の取付システム。
  7. 前記第1のシート層が乾式法により製造され、
    前記第2のシート層が湿式法により製造される、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の取付システム。
  8. 前記溝パターンが、前記第2のシート層の巻き方向と略直交する方向に延びる複数の溝を含む、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の取付システム。
  9. 隣り合う二つの前記溝の間隔が3〜50mmである、
    請求項に記載の取付システム。
  10. ケーシングと、前記ケーシングの内に配置される汚染制御要素とを有する汚染制御装置において、前記汚染制御要素を前記ケーシング内に取り付けるべく、該汚染制御要素に巻回される取付システムであって、
    前記汚染制御要素の取付時に前記ケーシングに接する面を有する第1のシート層と、
    前記汚染制御要素の取付時に前記第1のシート層よりも内側に位置する第2のシート層と
    を備え、
    取付時に前記汚染制御要素に接する前記第2のシート層の面に溝パターンが形成されており、
    前記溝パターンが、前記巻回の方向と実質的に直交する方向に向かって前記第2のシート層の一端から他端にわたって形成され、
    前記第1のシート層の密度が前記第2のシート層の密度のn倍であり、ここで、nは1より大きく3以下であり
    前記第1のシート層の密度が0.12〜0.30g/cm であり、
    前記第2のシート層の密度が0.10〜0.25g/cm である、
    取付システム。
  11. ケーシングと、
    前記ケーシング内に配置される汚染制御要素と、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の取付システムと
    を備え、
    前記取付システムが、前記ケーシング内の所望の位置に前記汚染制御要素を保持するように該ケーシングと該汚染制御要素との間に配置される、
    汚染制御装置。
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