JP5993812B2 - 導電膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電膜の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、特定の加熱処理条件を用いる導電膜の製造方法に関する。
樹脂基材上に金属膜を形成する方法として、金属粒子または金属酸化物粒子の分散体を印刷法により樹脂基材に塗布し、加熱処理して焼結させることによって金属膜や回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が知られている。
この方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
例えば、特許文献1には、平均粒子径200nm以下の酸化銅超微粒子と、平均粒子径0.5〜20μmの銅フィラーと、炭素数10以下の多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物とを含有する導電性金属ペーストを、絶縁基板上にディスペンサーやスクリーン印刷等で回路パターン形状に塗布し、加熱処理することによって金属回路に変換させ、金属回路を形成することが開示されている。そして、焼成炉の温度を室温から350℃まで20分かけて昇温し、350℃に到達後、この温度でさらに1時間加熱処理したこと等も開示されている。
特開2007−080720号公報
一方、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などにおいては配線のより一層の微細化および高集積化が進んでいる。また、樹脂基材の汎用性やプロセスの省エネルギー化に伴い、樹脂基材の上に優れた密着性および導電性を有する導電膜を製造できることが要求されている。
しかしながら、本発明者らが、特許文献1に記載された導電膜形成用組成物を用いて導電膜の製造を試みたところ、得られた導電膜の密着性および導電性は昨今要求されるレベルまで達しておらず、更なる改良が必要であった。
また、電子機器の製造コスト削減の要請から、生産性の向上が求められているが、導電膜の製造条件によっては、加熱温度を樹脂基材の耐熱温度以下としても、樹脂基材の反りが生じるという問題があった。
そのため、従来、樹脂基材の反りを発生させず、低温で、密着性および導電性に優れる導電膜を形成することができる技術はなかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、樹脂基材の反りを発生させず、低温で、密着性および導電性に優れる導電膜を形成することができる導電膜の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、この導電膜の製造方法を用いて製造された導電膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、加熱の際の昇温速度を検討することにより、還元剤が効率良く機能し、かつ導電膜形成時に樹脂基材にかかる応力が最小限となる領域を見出し、これにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1)樹脂基材上に酸化銅粒子(A)と、銅粒子(B)と、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有し、かつ昇温速度10℃/分で加熱した際の質量減少率が50%となる温度が120〜350℃の範囲内である有機化合物(C)とを含有する導電膜形成用組成物を付与して塗膜を形成する塗膜形成工程、ならびに
塗膜に対して、30℃/分〜10000℃/分の昇温速度で140〜400℃の加熱温度に加熱する加熱処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程
を備える、導電膜の製造方法。
(2)導電膜形成工程において、昇温速度が150℃/分〜4000℃/分である、(1)に記載の導電膜の製造方法。
(3)導電膜形成工程において、昇温速度が300℃/分〜1500℃/分である、(1)に記載の導電膜の製造方法。
(4)導電膜形成工程において、加熱温度が200〜350℃である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(5)樹脂基材がポリイミドからなる、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(6)樹脂基材の厚みが25〜125μmである、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(7)銅粒子(B)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合〔{銅粒子(B)の全質量/酸化銅粒子(A)の全質量}×100〕が100〜300質量%である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(8)有機化合物(C)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合〔{有機化合物(C)の全質量/酸化銅粒子(A)の全質量}×100〕が10〜50質量%である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(9)酸化銅粒子(A)の平均粒子径が20〜50nmである、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(10)銅粒子(B)の平均粒子径が0.1〜10μmである、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
(11)導電膜形成工程において、加熱処理が不活性ガス雰囲気中で行われる、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
本発明によれば、樹脂基材の反りを発生させず、低温で、密着性および導電性に優れる導電膜を形成することができる導電膜の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、該導電膜の製造方法を用いて製造された導電膜を提供することもできる。
以下に、本発明の導電膜の製造方法および導電膜形成用組成物の好適態様について詳細に説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明の特徴の一つは、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有し、かつ昇温速度10℃/分で加熱した際の質量減少率が50%となる温度が120〜350℃の範囲内である有機化合物(以下「特定有機化合物」という場合がある。)を含む導電膜形成用組成物を樹脂基材上に付与して形成した塗膜に対して、30℃/分〜10000℃/分の昇温速度で140〜400℃の加熱温度に加熱する加熱処理を行う点にある。加熱温度が上述した範囲内であると、特定有機化合物が加熱により分解して発生する還元剤による酸化銅の還元が促進され、密着性および導電性が良好なものとなる。また、昇温速度が上述した範囲内であると、樹脂基材の反りを抑えることができるとともに、還元剤がよく機能して酸化銅の還元が促進され、密着性および導電性が良好なものとなる。
以下では、まず、導電膜形成用組成物の各種成分(酸化銅粒子(A)、銅粒子(B)、および特定有機化合物(C)など)について詳述し、その後、導電膜の製造方法について詳述する。
〈酸化銅粒子(A)〉
導電膜形成用組成物には酸化銅粒子(A)が含まれる。酸化銅粒子(A)の酸化銅は、加熱処理によって金属銅に還元され、後述する銅粒子(B)とともに導電膜中の金属銅を構成する。
酸化銅粒子(A)の平均粒子径は、特に制限されないが、10〜100nmの範囲内が好ましく、20〜50nmの範囲内がより好ましい。
平均粒子径が10nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、組成物中で分散が容易となり、取扱い性、保存性に優れるため好ましい。また、平均粒子径が100nm以下であれば、組成物をインクジェット用インク組成物として用い、印刷法により配線等のパターン形成を行うことが容易となる。また組成物を導体化する際に、活性面が広がるため金属銅への還元が起こりやすく、得られる導電膜の導電性が良好であるため好ましい。
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、銅の含有量が酸化銅粒子の全質量中、1質量%以下であることをいう。
また、酸化銅としては、酸化銅(I)または酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であること、空気中での安定性に優れることから酸化銅(II)であることが更に好ましい。
酸化銅粒子(A)としては、導電膜形成用組成物に用いられる公知の酸化銅粒子を使用することができる。例えば、酸化銅粒子(A)として、関東化学社製のCuOナノ粒子、シグマ・アルドリッチ社製のCuOナノ粒子等を使用することができる。
なお、本発明における酸化銅粒子(A)の平均粒子径は、平均一次粒子径のことを指す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の酸化銅粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、酸化銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
〈銅粒子(B)〉
導電膜形成用組成物には銅粒子(B)が含まれる。銅粒子(B)は、前述した酸化銅粒子(A)の酸化銅が成膜時の加熱処理によって還元されて生じる金属銅とともに導電膜中の金属銅を構成する。
銅粒子(B)の平均粒子径は、特に制限されないが、0.1〜20μmの範囲内が好ましく、0.1〜10μmの範囲内がより好ましく、0.2〜5μmの範囲内がさらに好ましい。
平均粒子径が0.1μm以上であれば、得られる導電膜の導電性がさらに優れるため、好ましい。また、平均粒子径が20μm以下であれば、微細配線が形成しやすくなるため、好ましい。
銅粒子(B)としては、導電膜形成用組成物に用いられる公知の金属銅粒子を使用することができる。例えば、銅粒子(B)として、三井金属鉱業社製の湿式銅粉1020Y、湿式銅粉1030Y、湿式銅粉1050Y、湿式銅粉1100Y等を使用することができる。
なお、本発明における銅粒子(B)の平均粒子径は、平均一次粒子径のことを指す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の銅粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
〈特定有機化合物(C)〉
導電膜形成用組成物には特定有機化合物(C)が含まれる。特定有機化合物(C)は、成膜時の加熱処理によって分解し、還元剤を発生する潜在性還元剤である。発生した還元剤が酸化銅を還元して生成する金属銅が銅粒子間の融着を促進する。
特定有機化合物(C)は、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有し、かつ昇温速度10℃/分で加熱した際の質量減少率が50%となる温度(以下「50%質量減少温度」という場合がある。)が120〜350℃の範囲内である有機化合物であれば、特に限定されない。
本発明では、特定有機化合物(C)の50%質量減少温度は、熱重量測定装置(日立ハイテクサイエンス社製,TG/DTA6200)を用いて、窒素雰囲気中、特定有機化合物(C)の測定試料(3mg)を10℃/分の昇温速度で加熱しながら、質量変化を測定し、温度に対して質量記録し、有機化合物(C)の測定試料の質量が50%減少する温度として求めた。
特定有機化合物(C)としては、単糖類、二糖類、三糖類および糖アルコール等の糖類を使用することができる。
単糖類としては、一般式C2n(ただし、nは4〜7の自然数である。)またはC2mm−1で表されるものが挙げられ、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド(以上、n=3)、エリトルロース、エリトロース、トレオース、リブロース、キシルロース(以上、n=4)、リブロース、キシルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース(以上、n=5)、デオキシリボース(m=5)、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース(以上、n=6)、フコース、フクロース、ラムノース(以上、m=6)、セドヘプツロース(n=7)等が好適な例である。
二糖類としては、一般式C2n−2n−1(ただし、nは8〜12の自然数である。)で表されるものが挙げられ、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビオース(以上、n=12)等が好適な例である。
三糖類としては、一般式C2n−4n−2(ただし、nは12〜18の自然数である。)で表されるものが挙げられ、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース(以上、n=18)等が好適な例である。
糖アルコールとしては、一般式C2n+2(ただし、nは3〜6の自然数である。)で表されるものが挙げられ、グリセリン(n=3)、エリトリトール、D−トレイトール、L−トレイトール(以上、n=4)、D−アラビニトール、キシリトール、リビトール(以上、n=5)、D−イジトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール(以上、n=6)等が好適な例である。
特定有機化合物(C)としては、また、アミン化合物を使用することができる。
アミン化合物のアミノ基は1級、2級または3級であってもよい。アミン化合物が複数のアミノ基を有する場合は、各アミノ基は、それぞれ独立に、1級、2級または3級のアミノ基であってよい。
このようなアミン化合物としては、1分子中にアミノ基と、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
このようなアミン化合物としては、例えば、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
式(I)中:
およびRは、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択される置換基であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は、任意に、ヒドロキシ基またはアミノ基で置換されていてもよく、アルキル基のNに隣接しない1つ以上の−CH−基は、隣接する−CH−基が同時に置換されないという条件で、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい;
Lはn+1価の連結基である;
Bは、複数ある場合はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基またはアミノ基である;および
nは自然数である。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、アルキル基の水素原子は、任意に、ヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基で置換されていてもよい。
Lは、炭素数m個の直鎖状または分岐状のアルカンからn+1個の水素原子を取り除いてなる、n+1価の連結基であることが好ましい。
ただし、mおよびnは、 m≧(n−1)/2 を満たす自然数である。
また、L中の−CH−基は、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい。
このようなアミン化合物としては、また、例えば、下記式(II)で表されるものも挙げられる。
式(II)中:
およびRは、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択される置換基であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は、任意に、ヒドロキシ基またはアミノ基で置換されていてもよく、アルキル基のNに隣接しない1つ以上の−CH−基は、隣接する−CH−基が同時に置換されないという条件で、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい;ならびに
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される置換基であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は任意にヒドロキシ基またはアミノ基で置換されていてもよく、アルキル基の1つ以上の−CH−基は、隣接する−CH−基が同時に置換されないという条件で、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、アルキル基の水素原子は任意にヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基で置換されていてもよい。
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基であることが好ましく、アルキル基の水素原子は任意にヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基で置換されていてもよい。
アミン化合物の具体例としては、例えば、以下に掲げるものが挙げられる。
特定有機化合物(C)の好ましい具体例としては、グルコース(310℃)、ソルビトール(350℃)、スクロース(340℃)および3−アミノプロパン−1,2−ジオール(180℃)が挙げられる。なお、カッコ内の温度は、50%質量減少温度である。
〈溶媒(D)〉
導電膜形成用組成物は、さらに、溶媒(D)を含んでもよい。溶媒(D)としては、例えば、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、炭化水素類および芳香族炭化水素類から選ばれる1種、または相溶性のある2種以上の混合物が挙げられる。
溶媒(D)としては、特定有機化合物(C)との相溶性に優れることから、水、水溶性アルコール、この水溶性アルコール由来のアルキルエーテル、この水溶性アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
水としては、少なくともイオン交換水のレベルの純度を有するものが好ましい。
水溶性アルコールとしては、1〜3価のヒドロキシ基を有する脂肪族アルコールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、イソプロピルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n−ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜6の脂肪族アルコールは、沸点が高すぎず導電膜形成後に残存しにくいことから好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
エーテル類としては、前述したアルコール由来のアルキルエーテルが挙げられ、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
エステル類としては、前述したアルコール由来のアルキルエステルが挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
溶媒の中でも、沸点が高すぎないことから、特に水または水溶性アルコールを主溶媒として用いることが好ましい。主溶媒とは、溶媒の中で含有率が最も多い溶媒である。
〈その他の成分〉
導電膜形成用組成物には、酸化銅粒子(A)、銅粒子(B)、特定有機化合物(C)、および溶媒以外にも他の成分が含まれていてもよい。
例えば、導電膜形成用組成物には、界面活性剤、揺変剤、熱可塑性樹脂(ポリマーバインダー)等が含まれていてもよい。
界面活性剤は、酸化銅粒子または銅粒子の分散性を向上させる役割を果たす。界面活性剤の種類は特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。
揺変剤は導電膜形成用組成物に揺変性を付与し、樹脂基材上に塗布または印刷した導電膜形成用組成物の乾燥前の液垂れを防止する。これによって、微細なパターンどうしの接触が避けられる。揺変剤としては、溶媒を含む導電膜形成用組成物に用いられる公知の揺変剤(揺変性付与剤)であって、得られる導電膜の密着性および導電性に悪影響を及ぼさないものであれば、特に制限されないが、有機系揺変剤が好ましい。
熱可塑性樹脂(ポリマーバインダー)は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン配合物、ビニル系ポリマー等が挙げられる。これらは1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
[導電膜形成用組成物]
導電膜形成用組成物には、酸化銅粒子(A)と、銅粒子(B)と、特定有機化合物(C)と、所望により溶媒(D)と、所望によりその他の成分とが含まれる。
導電膜形成用組成物中における、銅粒子(B)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合(単位:質量%)、すなわち、酸化銅粒子(A)の全質量(W)に対する銅粒子(B)の全質量(W)の割合〔(W/W)×100〕(単位:質量%)は、特に限定されないが、50〜400質量%であることが好ましく、80〜360質量%であることがより好ましく、100〜300質量%であることがさらに好ましい。この範囲内であると、得られる導電膜の導電性がより優れたものになる。
導電膜形成用組成物中における、特定有機化合物(C)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合(単位:質量%)、すなわち、特定有機化合物(C)の全質量(W)の酸化銅粒子(A)の全質量(W)に対する割合〔(W/W)×100〕(単位:質量%)は、特に限定されないが、6〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。この範囲内であると、得られる導電膜の導電性がより優れたものになる。
導電膜形成用組成物が溶媒(D)を含む場合、溶媒(D)の含有量は特に限定されないが、粘度の上昇が抑制され、取扱い性により優れる点から、組成物全質量に対して、5〜90質量%が好ましく、15〜70質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物の粘度は、インクジェット、スクリーン印刷等の印刷用途に適するような粘度に調整させることが好ましい。インクジェット吐出を行う場合、1〜50cPが好ましく、1〜40cPがより好ましい。スクリーン印刷を行う場合は、1000〜100000cPが好ましく、10000〜80000cPがより好ましい。
導電膜形成用組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶媒中に、酸化銅粒子(A)と、銅粒子(B)と、特定有機化合物(C)とを添加した後、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。あるいは、溶媒(D)中に、酸化銅粒子(A)と、特定有機化合物(C)とを混合した後、この混合液(分散液)に、銅粒子(B)を混合してもよい。
[導電膜の製造方法]
本発明の導電膜の製造方法は、少なくとも塗膜形成工程と導電膜形成工程とを有する。以下に、それぞれの工程について詳述する。
(塗膜形成工程)
塗膜形成工程は、樹脂基材上に、上述した導電膜形成用組成物を付与して塗膜を形成する工程である。
本工程で使用される樹脂基材としては、公知のものを用いることができる。樹脂基材としては、低密度ポリエチレン樹脂基材、高密度ポリエチレン樹脂基材、ABS樹脂基材、アクリル樹脂基材、スチレン樹脂基材、塩化ビニル樹脂基材、ポリエステル樹脂基材(ポリエチレンテレフタラート(PET)基材)、ポリアセタール樹脂基材、ポリサルフォン樹脂基材、ポリエーテルイミド樹脂基材(ポリイミド樹脂基材)、ポリエーテルケトン樹脂基材、セルロース誘導体基材、紙−フェノール樹脂基材(紙フェノール樹脂基材)、紙−エポキシ樹脂基材(紙エポキシ樹脂基材)、紙−ポリエステル樹脂基材(紙ポリエステル樹脂基材)、ガラス布−エポキシ樹脂基材(ガラスエポキシ樹脂基材)、ガラス布−ポリイミド系樹脂基材(ガラスポリイミド樹脂基材)、またはガラス布−フッ素樹脂基材(ガラスフッ素樹脂基材)等からなるものが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタラート(PET)基材、ガラスエポキシ樹脂基材またはポリイミド樹脂基材が好ましく、ガラスエポキシ樹脂基材またはポリイミド樹脂基材がより好ましく、ポリイミド樹脂基材が特に好ましい。
樹脂基材の厚みは、特に限定されないが、25〜125μmの範囲内が好ましい。厚みが25μm以上であれば反りにくく、125μm以下であれば加熱処理の際に導電膜形成用組成物の塗膜に対して熱を伝えやすい。
樹脂基材上への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の膜厚は0.01〜5000μmが好ましく、0.1〜1000μmがより好ましい。
本工程においては、必要に応じて、導電膜形成用組成物を樹脂基材へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する導電膜形成工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、導電膜の導電性および導電膜と樹脂基材との密着性の点で好ましい。
乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、酸化銅粒子の還元が生じないような温度が好ましく、40℃〜200℃で加熱処理を行なうことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行なうことがより好ましく、70℃〜120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。
(導電膜形成工程)
導電膜形成工程は、形成した塗膜に対して、30℃/分〜10000℃/分の昇温速度で140〜400℃の加熱温度に加熱する加熱処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する工程である。
加熱処理を行うことにより、特定有機化合物(C)が分解して生成する分解物質が酸化銅に対して還元剤として働き、酸化銅が還元され、さらに焼結されて金属銅が得られる。より具体的には、前述した処理を施すことにより、塗膜中の金属銅粒子同士が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して銅膜を形成する。
加熱処理は、30℃/分〜10000℃/分の昇温速度で140〜400℃の加熱温度に加熱することにより行う。
昇温速度が30℃/分未満である場合には、特定有機化合物(C)が分解して発生する還元剤が、加熱温度に到達する前に揮発してしまい、酸化銅の還元が十分に行われず、導電性および密着性が低下する。また、昇温速度が10000℃/分超である場合には、酸化銅の還元による体積収縮が急激に生じるため、基材が応力緩和する時間が与えられず、その結果樹脂基材の反りが大きくなり過ぎる。
昇温速度は、150℃/分〜4000℃/分の範囲内が好ましく、300℃/分〜1500℃/分の範囲内がより好ましい。この範囲内であると、「樹脂基材の反り」、「密着性」および「導電性」の評価項目について総合的により良好な評価となる。
加熱温度が140℃未満である場合には、酸化銅の還元が十分に行われず、導電性および密着性が低下する。また、加熱温度が400℃超である場合には、樹脂基材の反りが大きくなり過ぎる。
加熱温度は、200〜350℃が好ましく、275〜350℃がより好ましい。この範囲内であると、「樹脂基材の反り」、「密着性」および「導電性」の評価項目について総合的により良好な評価となる。
加熱時間は、特に制限されないが、5〜120分が好ましく、10〜60分がより好ましい。
加熱手段は特に制限されず、オーブン、ホットプレート等公知の加熱手段を用いることができる。
本発明では、比較的低温の加熱処理により導電膜の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
加熱処理を実施する雰囲気は特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素、ギ酸、アルコール等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
(導電膜)
前述した工程を実施することにより、金属銅を含有する導電膜(金属銅膜)が得られる。
導電膜の膜厚は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
導電膜の体積抵抗率は、導電膜の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。体積抵抗率は、100μΩ・cm未満が好ましく、50μΩ・cm未満がより好ましく、10μΩ・cm未満がさらに好ましい。
導電膜は樹脂基材の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電膜は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
パターン状の導電膜を得る方法としては、前述した導電膜形成用組成物をパターン状に樹脂基材に付与して、加熱処理を行う方法や、樹脂基材全面に設けられた導電膜をパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
パターン状の導電膜を多層配線基板として構成する場合、パターン状の導電膜の表面に、さらに絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
絶縁膜の材料は特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、フッ素含有樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、全フッ素化ポリイミド、全フッ素化アモルファス樹脂など)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂など挙げられる。これらの中でも、密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、または液晶樹脂を含有するものであることが好ましく、より好ましくはエポキシ樹脂である。具体的には、味の素ファインテクノ(株)製、ABF GX−13などが挙げられる。
また、配線保護のために用いられる絶縁層の材料の一種であるソルダーレジストについては、例えば、特開平10−204150号公報や、特開2003−222993号公報等に詳細に記載され、ここに記載の材料を所望により本発明にも適用することができる。ソルダーレジストは市販品を用いてもよく、具体的には、例えば、太陽インキ製造(株)製PFR800、PSR4000(商品名)、日立化成工業(株)製 SR7200G、などが挙げられる。
本発明の導電膜の製造方法によって導電膜を有する樹脂基材(導電膜付き樹脂基材)は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
[実施例1]
〈導電膜形成用組成物の調製〉
酸化銅粒子1(平均粒子径40nm;シーアイ化成社製,NanoTek)(100質量部)と、グルコース(30質量部)と、水(超純水)(40質量部)と、銅粒子1(平均粒子径3μm;三井金属社製,1200YP)(100質量部)とを添加し、自転公転ミキサー(THINKY社製,あわとり練太郎ARE−310)で5分間処理することで導電膜形成用組成物を得た。
〈導電膜の作製〉
ポリイミド樹脂基材(東レ社製,カプトン500H)上に、得られた導電膜形成用組成物をストライプ状(L/S=1mm/1mm)に塗布し、その後、100℃で10分間乾燥させることで、導電膜形成用組成物層がパターン印刷された塗膜を得た。その後、RTA焼結装置(Allwin21社製,AccuThermo)を用い、昇温速度700℃/分で300℃まで加熱し、10分間温度保持した後、100℃まで冷却してサンプルを取り出すことで、導電膜を得た。
〈導電膜の評価〉
(反り)
得られた導電膜付き樹脂基材(本評価項目において、以下「試料」という。)について、JIS C 6481:1996の5.22に記載されている方法により、定盤と試料の辺との間の隔たりを0.1mm単位で測定を行った。評価基準は以下のとおりである。なお、実用上、A評価またはB評価が望ましい。評価の結果を表1の該当欄に示す。
A:定盤と試料の辺との隔たりが0.5mm以下である。
B:定盤と試料の辺との隔たりが0.5mm超、1.0mm以下である。
C:定盤と試料の辺との隔たりが1.0mm超、2.0mm以下である。
D:定盤と試料の辺との隔たりが2.0mm超、5.0mm以下である。
E:定盤と試料の辺との隔たりが5.0mm超である。
(密着性)
得られた導電膜にセロハンテープ(幅24mm、ニチバン社製)を密着させてから剥がした。剥がした後の導電膜の外観を目視で観察して密着性を評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、実用上、A評価、B評価またはC評価が望ましい。評価の結果を表1の該当欄に示す。
A:テープに導電膜の付着が見られず、導電膜と樹脂基材との界面での剥離もみられない。
B:テープに導電膜の付着がやや見られるが、導電膜と樹脂基材との界面での剥離はみられない。
C:テープに導電膜の付着がはっきり見られ、導電膜と樹脂基材との界面での剥離が5%未満の面積でみられる。
D:テープに導電膜の付着がはっきり見られ、導電膜と樹脂基材との界面での剥離が5%以上50%未満の面積でみられる。
E:テープに導電膜の付着がはっきり見られ、導電膜と樹脂基材との界面での剥離が50%以上の面積でみられる。
(導電性)
得られた導電膜について、四探針法抵抗率計を用いて体積抵抗率を測定し、導電性を評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、実用上、A評価またはB評価が望ましい。評価の結果を表1の該当欄に示す。
A:体積抵抗率が10μΩ・cm未満である。
B:体積抵抗率が10μΩ・cm以上50μΩ・cm未満である。
C:体積抵抗率が50μΩ・cm以上100μΩ・cm未満である。
D:体積抵抗率が100μΩ・cm以上1000μΩ・cm未満である。
E:体積抵抗率が1000μΩ・cm以上である。
[実施例2〜6]
昇温速度を表1に示す値に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例7,8]
加熱温度を表1に示す値に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例9]
樹脂基材をポリイミド樹脂基材からポリエチレンテレフタラート(PET)基材(表1において「PET」と表記)に変更した点、および加熱温度をPETの耐熱温度に合わせ、300℃から140℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例10]
樹脂基材をポリイミド樹脂基材からガラスエポキシ樹脂基材(表1において「ガラエポ」と表記)に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例11,12]
ポリイミド樹脂基材の厚みを125μmから表1に示すものに変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例13〜15]
酸化銅粒子1に対する銅粒子1の質量割合(単位:質量%)を表1に示す数値に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例16〜18]
酸化銅粒子1に対するグルコースの質量割合(単位:質量%)を表1に示す数値に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例19]
酸化銅粒子1に代えて酸化銅粒子2(平均粒子径80nm;Iolitec社製,NO−0031−HP)を使用した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例20]
銅粒子1に代えて銅粒子2(平均粒子径17μm;三井金属社製,MA−CJF)を使用した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例21〜23]
グルコースに代えて表1に示すものを使用した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[実施例24,25]
窒素雰囲気中(実施例24)または大気中(実施例25)で導電膜を形成した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[比較例1,2]
昇温速度を表1に示す値に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[比較例3,4]
加熱温度を表1に示す値に変更した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[比較例5]
グルコースに代えてPVP(ポリビニルピロリドン,重量平均分子量220000)(30質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[比較例6]
酸化銅粒子を含まない点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
[比較例7]
銅粒子を含まない点を除き、実施例1と同様にして導電膜を得、反り、密着性および導電性を評価した。評価の結果を表1の該当欄に示す。
表1中、*1〜*5は以下のとおりである。
*1:銅粒子(B)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合
*2:特定有機化合物(C)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合
*3:ポリエチレンテレフタラート
*4:ガラスエポキシ樹脂基材
*5:ポリビニルピロリドン
(評価結果の説明)
実施例1〜6、および比較例1〜2は、昇温速度に着目した例である。昇温速度が30℃/分〜10000℃/分の範囲内である実施例1〜6は、反り、密着性および導電性がすべて良好であった。また、昇温速度が150℃/分〜4000℃/分の範囲内となる実施例1〜4および6は、3項目中2項目2以上がA評価であり、昇温速度が300℃/分〜1500℃/分の範囲内となる実施例1〜3は、全項目がA評価であった。
実施例1、7および8、ならびに比較例3および4は、加熱温度に着目した例である。加熱温度が140〜400℃の範囲内である実施例1、7〜8は反り、密着性および導電性がすべて良好であった。加熱温度が200〜350℃の範囲内である実施例1は全項目がA評価であった。
実施例1、9および10は、樹脂基材の種類に着目した例である。PETは耐熱性が低いため、加熱温度を高くできず、密着性がB評価となった。反りが抑制され、密着性により優れるという点からは、ガラスエポキシ樹脂基材またはポリイミド樹脂基材が優れ、さらに得られる導電膜付き樹脂基材の柔軟性を勘案すれば、ポリイミド樹脂基材がもっとも優れる。
実施例1、11および12は、樹脂基材の厚みに着目した例である。厚みが25〜125μmの範囲内である実施例1および11は反りがA評価であり、厚みが10μmの実施例12に比べ優れていた。
実施例1および13〜15は、銅粒子(B)の酸化銅粒子(A)に対する質量割合に着目した例である。100〜300質量%の範囲内である実施例1および13は、その範囲外である実施例14および15に比べ、導電性が優れていた。
実施例1および16〜18は、特定有機化合物(C)の酸化銅粒子(B)に対する質量割合に着目した例である。10〜50質量%の範囲内である実施例1および16は、その範囲外である実施例17および18に比べ、導電性が優れていた。
実施例1および19は、酸化銅粒子(A)の平均粒子径に着目した例である。平均粒子径が20〜50nmの範囲内である実施例1は、その範囲外である実施例19に比べ導電性が優れていた。
実施例1および20は、銅粒子(B)の平均粒子径に着目した例である。平均粒子径が0.1〜10μmの範囲内である実施例1は、その範囲外である実施例20に比べ導電性が優れていた。
実施例1、21〜23、および比較例5は、特定有機化合物(C)の種類に着目した例である。特定有機化合物(C)に該当する有機化合物を使用する実施例1、および21〜23は全項目がA評価であり、特定有機化合物(C)に該当する有機化合物を使用しない比較例5に比べ、優れていた。
実施例1、24および25は、加熱処理時の雰囲気に着目した例である。加熱処理が不活性ガス雰囲気中で行われた実施例1および24では、大気中で行われた実施例25に比べ、密着性および導電性が優れていた。

Claims (11)

  1. 樹脂基材上に酸化銅粒子(A)と、銅粒子(B)と、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有し、かつ昇温速度10℃/分で加熱した際の質量減少率が50%となる温度が120〜350℃の範囲内である有機化合物(C)とを含有する導電膜形成用組成物を付与して塗膜を形成する塗膜形成工程、ならびに
    前記塗膜に対して、30℃/分〜10000℃/分の昇温速度で140〜400℃の加熱温度に加熱する加熱処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程
    を備える、導電膜の製造方法。
  2. 前記導電膜形成工程において、前記昇温速度が150℃/分〜4000℃/分である、請求項1に記載の導電膜の製造方法。
  3. 前記導電膜形成工程において、前記昇温速度が300℃/分〜1500℃/分である、請求項1に記載の導電膜の製造方法。
  4. 前記導電膜形成工程において、前記加熱温度が200〜350℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  5. 前記樹脂基材がポリイミドからなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  6. 前記樹脂基材の厚みが25〜125μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  7. 前記銅粒子(B)の前記酸化銅粒子(A)に対する質量割合が100〜300質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  8. 前記有機化合物(C)の前記酸化銅粒子(A)に対する質量割合が10〜50質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  9. 前記酸化銅粒子(A)の平均粒子径が20〜50nmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  10. 前記銅粒子(B)の平均粒子径が0.1〜10μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
  11. 前記導電膜形成工程において、前記加熱処理が不活性ガス雰囲気中で行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
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