JP5991902B2 - 紙葉類搬送装置、及び紙葉類搬送方法 - Google Patents

紙葉類搬送装置、及び紙葉類搬送方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば金融機関などに設置される自動取引装置に実装され、紙葉類を搬送するような紙葉類搬送装置、及び紙葉類搬送方法に関する。
従来、ATMや両替機などの自動取引装置に実装されて、利用者が投入した紙幣、あるいは利用者に対して排出する紙幣を搬送路に送り出して搬送する紙葉類搬送装置がある。
このような紙葉類搬送装置は、紙幣を搬送路に送り出す際、紙幣がスムーズに送り出されず、後続の紙幣と重なり合った状態で搬送路に送り出されて搬送されることがある(以下、この状態を「重送」と呼ぶ)。
このため、自動取引装置において、搬送される紙幣の金種や枚数を正常に識別できず、異常な紙幣と判定するという問題があった。そこで、紙幣などの紙葉類の重送を検知すると、重送を解消して効率よく紙葉類を搬送する様々な紙葉類搬送装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の紙葉類取扱装置は、重送のため鑑別手段で種類と枚数を確定できない場合、異常紙幣を異常紙幣取扱機構に搬送し、取引の空き時間に、異常紙幣取扱機構において低速回転のベルトで重送紙幣を挟持し、高速回転のベルトで重送紙幣の先端を引抜くことで、紙幣を一枚ずつ分離するとされている。
また、特許文献2に記載の紙葉類取り出し装置は、重送紙葉類をずらしながら分離して搬送する分離供給部と、分離供給部で分離できなかった重送紙葉類を再分離する搬送部を備え、分離供給部に設けた第1センサと、第1センサに対して最も長い紙葉類の長さより僅かに長い間隔を隔てた位置に設けた搬送部の第2センサとが同時に紙葉類を検知した場合、重送紙葉類であると判定する。そして、分離供給部の全てのローラーを停止して重送紙葉類の後端を挟持し、搬送部のローラーを回転させて重送紙葉類の前端を引抜くことで、紙幣を一枚ずつ分離するとされている。
また、特許文献3に記載の用紙搬送装置は、上流側ローラーと下流側ローラーとの間において上流側ローラー近傍に設けた第一の検出器が用紙の先端を検知してからの一定時間経過しても用紙の後端を検知できない場合、重送であると判定する。そして、上流側ローラーを停止して後続紙を挟持し、下流側ローラーを回転させて先行紙の前端を引抜くことで、用紙を一枚ずつ分離するとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の紙葉類取扱装置は、異常紙幣取扱機構が別途必要となり、さらに異常紙幣取扱機構に異常紙幣を一度収容したのち、再搬出するため、紙幣の搬送経路が複雑化して、ジャムなどが生じる可能性が高くなるという問題がある。加えて、取引の空き時間に紙幣を分離するため、紙幣の搬送、識別を効率よく行うことができないという問題がある。
また、特許文献2に記載の紙葉類取り出し装置、及び特許文献3に記載の用紙搬送装置は、重送を検知すると、搬送路上の上流側に位置するローラーを停止するため、重送を解消するための時間が必要となり、効率よく紙葉類を分離、搬送できないという問題がある。
特開平10−320609号公報 特開2006−212917号公報 特開2006−176245号公報
この発明は、上述の問題に鑑み、連続して搬入される紙葉類を適度な間隔を設けて効率よく搬送することができる紙葉類搬送装置、及び紙葉類搬送方法を提供することを目的とする。
この発明は、連続して搬入される複数の紙葉類を搬送する上流搬送路と、該上流搬送路と接続されるとともに、前記紙葉類を受け取って搬送する下流搬送路と、前記上流搬送路における前記紙葉類を検出する少なくとも1つの検出手段とを備えた紙葉類搬送装置、及び紙葉類搬送方法であって、前記検出手段で検出した前記紙葉類に基づいて、前記上流搬送路における前記紙葉類の搬送状態を識別する状態識別手段と、前記搬送状態に基づいて、前記上流搬送路の搬送速度に対する前記下流搬送路の搬送速度の相対速度が大きくなるように前記上流搬送路、または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更する速度変更手段とを備え、前記状態識別手段を、前記検出手段で検出した前記紙葉類の搬送方向における長さを示す搬送長さを算出する長さ算出処理と、算出した前記搬送長さに基づいて、前記紙葉類の重なり量を算出する重なり量算出処理とを実行する構成とし、前記速度変更手段を、算出した前記重なり量に基づいて、前記上流搬送路または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更する構成とし、前記速度変更手段は、前記下流搬送路の搬送速度を第1搬送速度に変更するとともに、前記重なり量をLlapとし、前記紙葉類の標準長さをLsとし、算出した前記重なり量LlapがLlap<0のときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第1搬送速度よりも小さい第2搬送速度に変更し、算出した前記重なり量LlapがLlap=0のときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第1搬送速度よりも小さく且つ前記第2搬送速度よりも大きい第3搬送速度に変更し、算出した前記重なり量Llapが0<Llap<Lsのときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第3搬送速度以下で且つLlapが短いほど大きい第4搬送速度に変更し、算出した前記重なり量LlapがLlap=Lsのときは、前記上流搬送路の搬送速度を前記第1搬送速度に変更することを特徴とする。
この発明により、連続して搬入される紙葉類を適度な間隔を設けて効率よく搬送できる紙葉類搬送装置、及び紙葉類搬送方法を提供することができる。
紙幣搬送装置における内部構成を示す構成図。 紙幣搬送装置における内部構成を示すブロック図。 出金速度テーブルの構成を示す構成図。 入金速度テーブルの構成を示す構成図。 搬送紙幣における紙幣標準長さ、最小検出長さ、ラップ長さを説明する説明図。 紙幣搬送装置における出金処理の動作を示すフローチャート。 出金処理における搬送状態算出処理の動作を示すフローチャート。 搬送速度変更処理の動作を示すフローチャート。 紙幣の搬送方向を説明する説明図。 搬送紙幣の搬送状態をラップ長さごとに説明する説明図。 実施例2における入金処理の動作を示すフローチャート。 実施例2における搬送状態算出処理の動作を示すフローチャート。 実施例2における搬送速度変更処理の動作を示すフローチャート。 実施例3における出金間隔テーブルの構成を示す構成図。 実施例3における搬送状態算出処理の動作を示すフローチャート。 実施例3における搬送速度変更処理の動作を示すフローチャート。 実施例3における搬送紙幣の搬送状態を説明する説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、本実施例で用いる紙幣搬送装置1(紙葉類搬送装置)について、図1から図5を用いて説明する。
なお、図1は紙幣搬送装置1における内部構成の構成図を示し、図2は紙幣搬送装置1における内部構成のブロック図を示し、図3は出金速度テーブル50の構成図を示し、図4は入金速度テーブル60の構成図を示し、図5は搬送紙幣(紙葉類)における紙幣標準長さLs、最小検出長さLmin、ラップ長さLlap(重なり量)を説明する説明図を示している。
紙幣搬送装置1は、ATMなどの自動取引装置(図示省略)の内部に配置されて、利用者との取引に用いる紙幣の入出金機能、識別機能、及び収納機能などを有する装置である。
詳述すると、紙幣搬送装置1は、図1及び図2に示すように、紙幣入出金口2、識別部3、一時保留部4、金種別収納部5、リジェクト収納部6、取り忘れ回収部7、搬送路8、入出金口通過センサ9(検出手段)、搬送路通過センサ10(検出手段)、収納部通過センサ11(検出手段)、記憶部12、及び制御部13(状態識別手段、速度変更手段)で構成している。
紙幣入出金口2は、利用者による紙幣の投入を受け付ける投入口としての機能、及び利用者に対して排出した紙幣を貯留して受け渡す出金口としての機能を有している。
識別部3は、各種センサやCCDカメラ等で構成し、投入された紙幣の金種や枚数を識別する機能、及び紙幣の状態や真偽を識別する機能を有している。
一時保留部4は、利用者が投入した紙幣を取引成立まで一時保留する機能を有している。
金種別収納部5は、第1収納部5a、第2収納部5b、第3収納部5c、及び第4収納部5dで構成し、それぞれ識別部3で真券と識別した紙幣を金種毎に収納する機能を有している。
リジェクト収納部6は、識別部3で損傷が酷く利用者に対して排出する紙幣として取り扱わないと識別した紙幣などを収納する機能を有している。
取り忘れ回収部7は、利用者が取り忘れた紙幣を収容する機能を有している。
搬送路8は、紙幣を搬送する複数の搬送ベルト14、搬送ベルト14を駆動させる駆動モーター15(速度変更手段)、及び紙幣の搬送方向を切り替える切替えゲート16で構成し、上述した各部と接続され、投入された紙幣、あるいは利用者に対して排出する紙幣を搬送する機能を有している。
より詳しくは、搬送路8は、紙幣入出金口2に接続された第1搬送路8a(上流搬送路、下流搬送路)、第1搬送路8aに接続された第2搬送路8b(下流搬送路)、第2搬送路8bに接続された第3搬送路8c、第1搬送路8aと第3搬送路8cとに接続された第4搬送路8d(上流搬送路)、及び第2搬送路8bと紙幣入出金口2とに接続された第5搬送路8eで構成している。
第1搬送路8aは、紙幣入出金口2に投入された紙幣を紙幣搬送装置1の内部に搬送する機能と、金種別収納部5から搬送された紙幣を紙幣入出金口2に搬送する機能とを有している。
第2搬送路8bは、第1搬送路8aから搬送された紙幣を一時保留部4、あるいは第3搬送路8c、あるいは第5搬送路8eに切替えゲート16を介して搬送する機能を有している。なお、第2搬送路8b上における第1搬送路8a近傍に、識別部3を配置している。
第3搬送路8cは、第2搬送路8bから搬送された紙幣を取り忘れ回収部7、第1収納部5a、あるいはリジェクト収納部6に搬送する機能と、第1収納部5aから送り出された紙幣を第4搬送路8dに搬送する機能とを有している。
第4搬送路8dは、第1搬送路8aから搬送された紙幣を第2収納部5b、第3収納部5c、あるいは第4収納部5dに搬送する機能と、第2収納部5b、第3収納部5c、あるいは第4収納部5dから送り出された紙幣を第1搬送路8aに搬送する機能とを有している。
第5搬送路8eは、第2搬送路8bから搬送された識別部3で金種を識別できない紙幣を紙幣入出金口2に搬送する機能を有している。
第1搬送路8a、第2搬送路8b、第3搬送路8c、第4搬送路8d、及び第5搬送路8eは、それぞれ独立して配置された駆動モーター15と搬送ベルト14とにより構成されるとともに、駆動モーター15の回転方向、及び切替えゲート16を切り替えることで紙幣の搬送方向、及び搬送先を変更する。
入出金口通過センサ9は、光電センサなどで構成され、紙幣入出金口2から第1搬送路8aに送り出される紙幣の通過を検出する機能を有している。
搬送路通過センサ10は、搬送路8を挟んで配置された複数の光電センサなどで構成され、搬送路8に沿って搬送される紙幣を検出する機能を有している。
より詳しくは、搬送路通過センサ10は、第1搬送路8a上に配置された搬送路センサ101,102、第2搬送路8b上に配置された搬送路センサ103、第3搬送路8c上に配置された搬送路センサ104,105、第4搬送路8d上に配置された搬送路センサ106,107,108、及び第5搬送路8e上に配置された搬送路センサ109で構成している。
収納部通過センサ11は、光電センサなどで構成され、金種別収納部5、及びリジェクト収納部6に搬送される紙幣を検出する機能、及び金種別収納部5から送り出された紙幣を検出する機能を有している。
より詳しくは、収納部通過センサ11は、第1収納部5a近傍に設けた第1収納部センサ11a、第2収納部5b近傍に設けた第2収納部センサ11b、第3収納部5c近傍に設けた第3収納部センサ11c、第4収納部5d近傍に設けた第4収納部センサ11d、及びリジェクト収納部6近傍に設けたリジェクトセンサ11eで構成している。
記憶部12は、ハードディスク等で構成し、金種などの金種情報、あるいは識別部3で判別した紙幣情報などの各種情報ファイル(図示省略)や、紙幣搬送装置1の各部を制御する各種プログラムを記憶する機能を有している。なお、記憶部12には、出金速度テーブル50、及び入金速度テーブル60を記憶している。
出金速度テーブル50は、図3に示すように、出金取引における搬送紙幣の搬送状態を示すラップ長さLlapに対する第4搬送路8dの搬送速度を、金種別収納部5から送り出される紙幣の紙幣標準長さLsごとに登録している。
なお、紙幣標準長さLsは、図5(a)に示すように、重送でなく、かつ折れ曲がりのない正常な搬送紙幣M(紙葉類)が搬送方向に沿って搬送される正常な搬送状態において、搬送路通過センサ10、あるいは収納部通過センサ11が搬送紙幣Mを検出した検出時間と、搬送路8の搬送速度から算出される標準的な搬送紙幣Mの長さとする。
また、ラップ長さLlapは、図5(b)に示すように、金種別収納部5から送り出された先行する紙幣M1(紙葉類)と後続の紙幣M2(紙葉類)との搬送方向における重なり量を示している。
入金速度テーブル60は、図4に示すように、入金取引における搬送紙幣のラップ長さLlapに対する第1搬送路8aの搬送速度を、取扱紙幣長さLuごとに登録している。
なお、取扱紙幣長さLuは、図5(a)に示すように、紙幣搬送装置1における取扱い可能な紙幣の中で最長の紙幣であって、上述のような正常な搬送状態において、入出金口通過センサ9、搬送路通過センサ10、あるいは収納部通過センサ11が搬送紙幣Mを検出した検出時間と、搬送路8の搬送速度から算出される標準的な長さとする。
制御部13は、CPU、及びメモリ等のハード構成と、プログラム、及びデータ等のソフト構成とで構成され、投入された紙幣の識別等の各種処理機能、及び所定のバスを介して接続した紙幣搬送装置1における各部の動作を制御する制御機能を有している。
また、制御部13は、所定のバスを介して自動取引装置の各部を制御する本体制御部20に接続している。なお、本体制御部20は、回線接続部21、及び通信回線30を介して外部に設けたホストコンピュータ40などと接続して、取引にかかる各種情報の授受を行う。
以上のような構成の紙幣搬送装置1において、金種別収納部5から紙幣入出金口2に紙幣を搬送する際の動作について、図6から図10を用いて詳しく説明する。
なお、図6は紙幣搬送装置1における出金処理の動作のフローチャートを示し、図7は出金処理における搬送状態算出処理の動作のフローチャートを示し、図8は搬送速度変更処理の動作のフローチャートを示し、図9は紙幣の搬送方向を説明する説明図を示し、図10は搬送紙幣の搬送状態をラップ長さLlapごとに説明する説明図を示している。
まず、利用者が自動取引装置を操作して出金取引を開始すると、自動取引装置の本体制御部20は、通信回線30を介してホストコンピュータ40と出金取引情報の授受を行い、利用者との出金取引を開始する。
自動取引装置が出金取引を開始すると、本体制御部20の指示により、紙幣搬送装置1の制御部13は、図6に示すように、出金処理を開始する。
出金処理を開始すると、制御部13は、搬送方向X(図9参照)に沿って金種別収納部5から紙幣入出金口2に向けて紙幣が搬送されるように、搬送路8に駆動モーター15を回転駆動させる搬送路稼働処理を実行する(ステップS201)。この際、搬送路8は、第1搬送路8aから第5搬送路8eの搬送速度が、いずれも1600mm/sになるように駆動モーター15を回転制御する。
さらに、制御部13は、金種別収納部5から紙幣入出金口2に向けて紙幣が搬送されるように、搬送路8に切替えゲート16を稼働させる切替えゲート稼働処理を実行する(ステップS202)。
その後、制御部13は、搬出準備処理を実行し(ステップS203)、金種別収納部5に対して紙幣を搬送路8に送り出す準備をさせるとともに、紙幣入出金口2に対して搬送された紙幣を受け入れる準備をさせる。
搬送路8、紙幣入出金口2、及び金種別収納部5の搬出準備が整うと、制御部13は、金種別収納部5に収納された紙幣を1枚ずつ第3搬送路8c、あるいは第4搬送路8dに向けて送り出させる紙幣搬出処理を実行する(ステップS204)。この際、金種別収納部5は、紙幣の長手方向に沿って一定の送出し速度で紙幣を第3搬送路8c、あるいは第4搬送路8dに送り出す。
金種別収納部5が紙幣の送り出しを開始すると、制御部13は、第3搬送路8c、あるいは第4搬送路8dに送り出された搬送紙幣の搬送状態を算出する搬送状態算出処理を実行する(ステップS205)。
具体的には、搬送状態算出処理を開始すると、制御部13は、図7に示すように、収納部通過センサ11が送り出された搬送紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS211)。収納部通過センサ11が搬送紙幣を検出していなければ(ステップS211:No)、制御部13は、収納部通過センサ11が搬送紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、収納部通過センサ11が搬送紙幣を検出すると(ステップS211:Yes)、制御部13は、検出紙幣長さ算出処理を実行し(ステップS212)、収納部通過センサ11が搬送紙幣を検出した経過時間と、搬送路8の搬送速度とに基づいて、図5(b)に示すように、検出した搬送紙幣の長さである検出紙幣長さL(搬送長さ)を算出する。
その後、制御部13は、第3搬送路8c、あるいは第4搬送路8d上の搬送路通過センサ10が搬送紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS213)。搬送路通過センサ10が搬送紙幣を検出していなければ(ステップS213:No)、制御部13は、搬送路通過センサ10が搬送紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路通過センサ10が搬送紙幣を検出すると(ステップS213:Yes)、制御部13は、検出紙幣長さ算出処理を実行し(ステップS214)、搬送路通過センサ10が搬送紙幣を検出した経過時間と、搬送路8の搬送速度に基づいて、検出した搬送紙幣の長さである検出紙幣長さL(搬送長さ)を算出する。
そして、搬送紙幣が第4搬送路8dの搬送路センサ108を通過したか否かを判定する(ステップS215)。搬送紙幣が搬送路センサ108を通過していなければ(ステップS215:No)、処理をステップS213に戻す。
つまり、検出紙幣長さ算出処理は、第3搬送路8cの搬送路センサ104,105、あるいは第4搬送路8dの搬送路センサ106,107,108がそれぞれ搬送紙幣を検出するごとに実行して、搬送路センサ104,105,106,107,108ごとの検出紙幣長さLを算出する。
一方、搬送紙幣が搬送路センサ108を通過すると(ステップS215:Yes)、制御部13は、ラップ長さ算出処理を実行し(ステップS216)、収納部通過センサ11、及び搬送路通過センサ10ごとの検出紙幣長さLと、紙幣標準長さLsとに基づいて、搬送紙幣の搬送状態を示すラップ長さLlapを算出する。
具体的には、制御部13は、収納部通過センサ11、及び搬送路通過センサ10ごとの検出紙幣長さLのうち最小の検出紙幣長さLを最小検出長さLminとして選び出し、ラップ長さLlapを「Llap=(Ls×2)−Lmin」から算出する。
例えば、図9に示すように、第2収納部5bに収納している紙幣を搬送方向Xに沿って第1搬送路8aに向けて搬送する場合、まず、第2収納部5bから送り出された紙幣を第2収納部センサ11bが検出すると、制御部13は、第2収納部センサ11bの検出時間と、搬送路8の搬送速度とから検出紙幣長さL1を算出する。
この際、図5(b)に示すように、第2収容部5bから送り出された搬送紙幣Mが、先に送り出された先行の紙幣M1と後から送り出された後続の紙幣M2とが部分的に重なり合った重送状態(搬送状態)の場合、制御部13は、重送状態の先行の紙幣M1と後続の紙幣M2との搬送方向Xにおける長さを検出紙幣長さL1として算出する。
さらに、第4搬送路8d上の搬送路センサ106が搬送紙幣Mを検出すると、制御部13は、搬送紙幣Mの検出時間と第4搬送路8dの搬送速度から検出紙幣長さL2を算出する。同様に、搬送路センサ107が搬送紙幣Mを検出すると、制御部13は、搬送紙幣Mの検出時間と第4搬送路8dの搬送速度から検出紙幣長さL3を算出し、搬送路センサ108が搬送紙幣Mを検出すると、制御部13は、搬送紙幣Mの検出時間と第4搬送路8dの搬送速度から検出紙幣長さL4を算出する。
そして、制御部13は、検出紙幣長さL1,L2,L3,L4のうち最小の検出紙幣長さを最小検出長さLminとして選び出す。最小検出長さLminを選び出すと、制御部13は、搬送紙幣の紙幣標準長さLsと最小検出長さLminとを、上述の「Llap=(Ls×2)−Lmin」に代入して、ラップ長さLlapを算出する。
そして、ラップ長さLlapを算出すると、制御部13は、搬送状態算出処理を終了し、処理を図6のステップS205に戻す。
図6のステップS205に戻り、搬送状態算出処理を終了すると、制御部13は、搬送速度変更処理を実行する(ステップS206)。この際、収納部通過センサ11で検出した搬送紙幣に対して後続の搬送紙幣がある場合、制御部13は、収容部通過センサ11で検出した搬送紙幣に対する搬送速度変更処理と並行して、後続の搬送紙幣に対する搬送状態算出処理を実行する。
搬送速度変更処理を開始すると、制御部13は、図8に示すように、ラップ長さLlapと、出金速度テーブル50とに基づいて、第4搬送路8dの搬送速度を変更する速度変更処理を実行する(ステップS221)。
より詳しくは、制御部13は、記憶部12に記憶した出金速度テーブル50を読み出すとともに、紙幣標準長さLsとラップ長さLlapとに対応する第4搬送路8dの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出する。その後、制御部13の指示により、搬送路8は、重送状態の紙幣が第1搬送路8aに受け渡される直前に第4搬送路8dの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出した搬送速度に変更する。
このため、搬送紙幣の搬送状態が重送状態などの場合、ラップ長さLlapに応じて、第4搬送路8dに対する第1搬送路8aの相対速度が大きくなる。ゆえに、重送状態の搬送紙幣が第1搬送路8aに受け渡される際、搬送紙幣における先行の紙幣が第1搬送路8aによって引き抜かれるようにして後続の紙幣から分離する。
なお、紙幣標準長さLsが長く、かつラップ長さLlapが長い場合、第4搬送路8dに対する第1搬送路8aの相対速度をより大きくする必要があるため、制御部13の指示により、搬送路8は、第4搬送路8dを停止して、第4搬送路8dに対する第1搬送路8aの相対速度をより大きくする。
また、第4搬送路8dの搬送速度を変更した際、制御部13は、変更した第4搬送路8dの搬送速度に応じて、金種別収納部5から紙幣を送り出す送出し速度を金種別収容部5に変更させる。
また、速度変更処理と並行して搬送状態算出処理を実行していると、第4搬送路8dの搬送速度の変更に伴い、収納部通過センサ11、あるいは搬送路通過センサ10における搬送紙幣の検出時間が長くなることがある。この際、制御部13は、搬送状態算出処理での検出紙幣長さL1,L2,L3,L4の算出方法を積分に切り替えて、検出紙幣長さを適切に算出する。
より具体的には、例えば、上述した第2収納部5bから送り出された紙幣の標準紙幣長さLsが61〜70mmであって、搬送状態算出処理において算出したラップ長さLlapが0mm未満の場合、制御部13は、図10(a)に示すように、搬送紙幣Mを3枚の紙幣M1,M2,M3が重なり合った重送状態の搬送紙幣であると識別する。
そして、搬送路8は、第4搬送路8dの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出した搬送速度1000mm/sに変更して、搬送紙幣Mを紙幣M1、紙幣M2、紙幣M3の順に分離する。
あるいは、搬送状態算出処理において算出したラップ長さLlapが0mmの場合、制御部13は、図10(b)に示すように、搬送紙幣Mが先行する紙幣M1と後続の紙幣M2との縁辺が密着した密着状態(搬送状態)であると識別する。そして、搬送路8は、第4搬送路8dの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出した搬送速度1500mm/sに変更して、先行の紙幣M1を後続の紙幣M2から分離する。
もしくは、搬送状態算出処理において算出したラップ長さLlapが47mmの場合、制御部13は、図10(c)に示すように、搬送紙幣Mが先行する紙幣M1と後続の紙幣M2とが部分的に重なった重送状態であると識別する。そして、搬送路8は、第4搬送路8dの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出した搬送速度600mm/sに変更して、先行の紙幣M1を後続の紙幣M2から分離させる。
または、搬送状態算出処理において算出したラップ長さLlapが62mmの場合、制御部13は、図10(d)に示すように、搬送紙幣Mが1枚の紙幣を搬送している正常な搬送状態である識別する。そして、搬送路8は、第4搬送路8dの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出した搬送速度1600mm/sに変更する。
また、上述した第2収納部5bから送り出された紙幣の標準紙幣長さが81〜90mmであって、搬送状態算出処理において算出したラップ長さLlapが78mmの場合、制御部13は、搬送紙幣Mが先行する紙幣M1に対して後続の紙幣M2が大きく重なった重送状態であると識別する。この場合、搬送路8は、重送状態の紙幣が第1搬送路8aに受け渡されると同時に第4搬送路8dを停止して相対速度を大きくし、先行の紙幣M1を後続の紙幣M2から分離する。
ステップS221において、第4搬送路8dの搬送速度を変更すると、制御部13は、後続の紙幣から分離した先行の紙幣が第1搬送路8aの搬送路センサ101に到達したか否かを判定する(ステップS222)。搬送路センサ101が分離した先行の紙幣を検出していなければ(ステップS222:No)、制御部13は、搬送路センサ101が分離した先行の紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路センサ101が分離した先行の紙幣を検出すると(ステップS222:Yes)、制御部13は、金種別収納部5から送り出された後続の搬送紙幣があるか否かを判定する(ステップS223)。後続の搬送紙幣がある場合(ステップS223:Yes)、制御部13は、処理をステップS221に戻し、後続の搬送紙幣におけるラップ長さLlapと、出金速度テーブル50とに基づいて、第4搬送路8dの搬送速度を変更する。
ステップS223において、後続の搬送紙幣がなければ(ステップS223:No)、制御部13は、速度復帰処理を実行し(ステップS224)、搬送路8に対して第4搬送路8dの搬送速度を1600mm/sに戻させる。その後、制御部13は、搬送速度変更処理を終了する。
図6のステップS206に戻り、搬送速度変更処理を終了すると、制御部13は、識別搬送処理を実行し(ステップS207)、識別部3に第1搬送路8aから搬送された搬送紙幣の金種、枚数、及び紙幣の状態などを識別させる。その後、制御部13の指示により、搬送路8は、識別部3において識別した利用者に対して排出可能な紙幣を紙幣入出金口2に第5搬送路8eを介して搬送する。
この際、識別部3において金種が特定できない紙幣や損傷している紙幣などを検出した場合、あるいは重送が解消されていない搬送紙幣を検出した場合、制御部13の指示により、搬送路8は、これらをリジェクト収納部6に搬送する。
識別搬送処理を終了すると、制御部13は、出金が完了したか否かを判定する(ステップS208)。第2収納部5bに収納された紙幣とは別の紙幣を送り出す場合(ステップS208:No)、制御部13は、出金が完了していないと判定し、処理をステップS204に戻して次の紙幣を搬送する。
一方、出金が完了すると(ステップS208:Yes)、制御部13は、搬送路停止処理を実行し(ステップS209)、搬送路8に駆動モーター15の回転駆動を停止させる。その後、制御部13は、出金処理を終了する。
紙幣搬送装置1における出金処理が終了すると、本体制御部20は、通信回線30を介してホストコンピュータ40に出金取引が完了したことを通知して出金取引を終了する。
以上のような動作を実現する紙幣搬送装置1は、連続して搬入される紙幣を適度な間隔を設けて効率よく搬送することができる。
具体的には、制御部13により、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、ラップ長さLlapに基づいて、第4搬送路8d上の搬送紙幣が1枚の紙幣、密着状態の紙幣、あるいは重送状態の紙幣であるかを識別することができる。すなわち、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、第4搬送路8d上における搬送紙幣の重なり具合から搬送状態を識別することができる。
そして、搬送状態に基づいて上流側に位置する第4搬送路8dの搬送速度を変更することにより、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、密着状態、あるいは重送状態の搬送紙幣における先行の紙幣を後続の紙幣から分離して、密着状態、あるいは重送状態を解消することができる。
この際、第4搬送路8dの搬送速度に対して第1搬送路8aの搬送速度が速いため、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、分離した先行の紙幣と、後続の紙幣とに適度な搬送間隔を設けるようにして、上流側に位置する第4搬送路8dから下流側に位置する第1搬送路8aに紙幣を受け渡すことができる。
さらに、相対速度が大きくなるよう上流側に位置する第4搬送路8dの搬送速度を変更するため、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、上流側に位置する第4搬送路8dを停止することなく、第4搬送路8dから第1搬送路8aに連続して効率よく紙幣を受け渡すことができる。
従って、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、連続して搬入される紙幣を適度な間隔を設けて効率よく搬送することができる。
また、検出紙幣長さLから搬送紙幣のラップ長さLlapを算出するとともに、ラップ長さLlapに基づいて、上流側に位置する第4搬送路8dの搬送速度を変更することにより、紙幣搬送装置1は、ラップ長さLlapが短ければ、第4搬送路8dにおける速度変化を小さくすることができ、ラップ長さLlapが長ければ、第4搬送路8dにおける速度変化を大きくすることができる。
つまり、紙幣搬送装置1は、搬送紙幣の重なり具合に応じて、第4搬送路8dの搬送速度を変更するため、搬送速度の速度変化を最小限度に抑えることができる。このため、紙幣搬送装置1は、搬送速度の変更に要する時間を短縮することができる。
これにより、紙幣搬送装置1は、正常な搬送状態、密着状態、あるいは重送状態の搬送紙幣が混在する状態において、搬送紙幣の分離、及び第1搬送路8aへの受け渡しをより効率的に行うことができる。
従って、紙幣搬送装置1は、搬送紙幣の重なり具合に応じて、相対速度を変化することで、搬送紙幣をより効率的に分離、搬送することができる。
また、搬送路通過センサ10、及び収納部通過センサ11ごとに算出した検出紙幣長さLに基づいて、上流側の第4搬送路8dにおける搬送紙幣の搬送状態を識別することにより、紙幣搬送装置1は、搬送状態をより精度よく識別することができる。
具体的には、例えば、収納部通過センサ11だけで搬送状態を識別した場合、第2収納部5bから1枚の紙幣が第4搬送路8dにスムーズに送り出されずもたつくと、第2収納部センサ11bが紙幣を検出する時間が長くなる。このため、制御部13の搬送状態算出処理においてラップ長さLlapが大きくなり、紙幣搬送装置1は、第4搬送路8dの重送でない1枚の紙幣を重送と誤検知して、第4搬送路8dの搬送速度を変更する搬送効率が低下するおそれがある。
これに対して、第2収納部センサ11b、及び搬送路センサ106,107,108で検出した搬送紙幣の検出紙幣長さL1,L2,L3,L4に基づいて最小検出長さLminを選び出すことで、紙幣搬送装置1は、1枚の紙幣が第4搬送路8dにスムーズに送り出されずもたついた場合であっても、第4搬送路8d上では正常な搬送状態である紙幣を重送と誤検知することを防止できる。
従って、紙幣搬送装置1は、第2収納部センサ11b、及び搬送路センサ106,107,108により、搬送紙幣の搬送状態をより精度よく識別することができる。
なお、上述の実施例1において、第2収納部5bから紙幣を送り出す出金取引について説明したが、これに限定せず、第1収納部5a、第3収納部5c、及び第4収納部5dから紙幣を送り出す出金取引であってもよい。この際、紙幣を繰り出す収納部から第1搬送路8aまでの間における収納部センサ、及び搬送路センサごとの検出紙幣長さLを算出する。
例えば、第1収納部5aから紙幣を送り出す場合、収納部センサ11a、第3搬送路8cの搬送路センサ104,105、及び第4搬送路8dの搬送路センサ106,107,108ごとに検出紙幣長さLを算出し、算出した検出紙幣長さLに基づいてラップ長さLlapを算出する。
次に、上述の実施例1の紙幣搬送装置1を内部に配置した自動取引装置において、入金取引によって利用者が紙幣入出金口2に投入した紙幣を搬送する際の動作について、図4、及び図11から図13を用いて詳しく説明する。
なお、図11は実施例2における入金処理の動作のフローチャートを示し、図12は実施例2における搬送状態算出処理の動作のフローチャートを示し、図13は実施例2における搬送速度変更処理の動作のフローチャートを示している。
まず、利用者が自動取引装置を操作して入金取引を開始すると、自動取引装置の本体制御部20は、通信回線30を介してホストコンピュータ40と入金取引情報の授受を行い、利用者との入金取引を開始する。
自動取引装置が入金取引を開始すると、本体制御部20の指示により、紙幣搬送装置1の制御部13は、図11に示すように、入金処理を開始する。
入金処理を開始すると、制御部13は、搬送方向Y(図9参照)に沿って紙幣入出金口2から金種別収納部5に向けて紙幣が搬送されるように、搬送路8に駆動モーター15を回転駆動させる搬送路稼働処理を実行する(ステップS301)。この際、搬送路8は、第1搬送路8aから第5搬送路8eの搬送速度が、いずれも1600mm/sになるように駆動モーター15を回転制御する。
さらに、制御部13は、紙幣入出金口2から金種別収納部5に向けて紙幣が搬送されるように、搬送路8に切替えゲート16を稼働させる切替えゲート稼働処理を実行する(ステップS302)。
その後、制御部13は、搬送準備処理を実行し(ステップS303)、紙幣入出金口2に対して受け付けた紙幣を送り出す準備させるとともに、金種別収納部5に対して搬送された紙幣を収納する準備をさせる。
搬送路8、紙幣入出金口2、及び金種別収納部5の搬送準備が整うと、制御部13は、紙幣入出金口2に投入された紙幣を1枚ずつ第1搬送路8aに向けて送り出させる紙幣搬出処理を実行する(ステップS304)。この際、紙幣入出金口2は、紙幣の長手方向に沿って一定の送出し速度で紙幣を第1搬送路8aに送り出す。
紙幣入出金口2から紙幣の送り出しを開始すると、制御部13は、第1搬送路8aに送り出された搬送紙幣の搬送状態を算出する搬送状態算出処理を実行する(ステップS305)。
具体的には、搬送状態算出処理を開始すると、制御部13は、図12に示すように、入出金口通過センサ9が送り出された搬送紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS311)。入出金口通過センサ9が搬送紙幣を検出していなければ(ステップS311:No)、制御部13は、入出金口通過センサ9が搬送紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、入出金口通過センサ9が搬送紙幣を検出すると(ステップS311:Yes)、制御部13は、検出紙幣長さ算出処理を実行し(ステップS312)、入出金口通過センサ9が搬送紙幣を検出した経過時間と、第1搬送路8aの搬送速度とに基づいて、検出した搬送紙幣の長さである検出紙幣長さL1(搬送長さ)を算出する。
その後、制御部13は、第1搬送路8aの搬送路センサ101が搬送紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS313)。搬送路センサ101が搬送紙幣を検出していなければ(ステップS313:No)、制御部13は、搬送路センサ101が搬送紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路センサ101が搬送紙幣を検出すると(ステップS313:Yes)、制御部13は、検出紙幣長さ算出処理を実行し(ステップS314)、搬送路センサ101が搬送紙幣を検出した経過時間と、第1搬送路8aの搬送速度に基づいて、検出した搬送紙幣の検出紙幣長さL2(搬送長さ)を算出する。
検出紙幣長さL2を算出すると、制御部13は、第1搬送路8aの搬送路センサ102が搬送紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS315)。搬送路センサ102が搬送紙幣を検出していなければ(ステップS315:No)、制御部13は、搬送路センサ102が搬送紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路センサ102が搬送紙幣を検出すると(ステップS315:Yes)、制御部13は、検出紙幣長さ算出処理を実行し(ステップS316)、搬送路センサ102が搬送紙幣を検出した経過時間と、第1搬送路8aの搬送速度に基づいて、検出した搬送紙幣の検出紙幣長さL3(搬送長さ)を算出する。
その後、制御部13は、ラップ長さ算出処理を実行し(ステップS317)、入出金口通過センサ9、及び搬送路センサ101,102ごとに算出した検出紙幣長さL1,L2,L3と、取扱紙幣長さLuとに基づいて、搬送紙幣の搬送状態を示すラップ長さLlapを算出する。
具体的には、制御部13は、算出した検出紙幣長さL1,L2,L3のうち最小の検出紙幣長さを最小検出長さLminとして選び出し、ラップ長さLlapを「Llap=(Lu×2)−Lmin」から算出する。
そして、ラップ長さLlapを算出すると、制御部13は、搬送状態算出処理を終了し、処理を図11のステップS305に戻す。
図11のステップS305に戻り、搬送状態算出処理を終了すると、制御部13は、搬送速度変更処理を実行する(ステップS306)。この際、入出金口通過センサ9で検出した搬送紙幣に対して後続の搬送紙幣がある場合、制御部13は、入出金口通過センサ9で検出した搬送紙幣に対する搬送速度変更処理と並行して、後続の搬送紙幣に対する搬送状態算出処理を実行する。
搬送速度変更処理を開始すると、制御部13は、図13に示すように、ラップ長さLlapと、入金速度テーブル60とに基づいて、第1搬送路8aの搬送速度を変更する速度変更処理を実行する(ステップS321)。
より詳しくは、制御部13は、記憶部12に記憶した入金速度テーブル60を読み出すとともに、取扱紙幣長さLuとラップ長さLlapとに対応する第1搬送路8aの搬送速度を入金速度テーブル60から抽出する。その後、制御部13の指示により、搬送路8は、重送状態の紙幣が第2搬送路8bに受け渡される直前に第1搬送路8aの搬送速度を出金速度テーブル50から抽出した搬送速度に変更する。
このため、搬送紙幣の搬送状態が重送状態、あるいは密着状態の場合、ラップ長さLlapに応じて、第1搬送路8aに対する第2搬送路8bの相対速度が大きくなる。ゆえに、搬送紙幣が第2搬送路8bに受け渡される際、重送状態、あるいは密着状態の搬送紙幣における先行の紙幣が第2搬送路8bによって引き抜かれるようにして後続の紙幣から分離する。
なお、取扱紙幣長さLuが長く、かつラップ長さLlapが長い場合、第1搬送路8aに対する第2搬送路8bの相対速度をより大きくする必要があるため、制御部13の指示により、搬送路8は、重送状態の紙幣が第1搬送路8aに受け渡されると同時に第1搬送路8aを停止して、第1搬送路8aに対する第2搬送路8bの相対速度をより大きくする。
また、第1搬送路8aの搬送速度を変更した際、制御部13は、変更した第1搬送路8aの搬送速度に応じて、紙幣入出金口2から紙幣を送り出す送出し速度を紙幣入出金口2に変更させる。
また、速度変更処理と並行して搬送状態算出処理を実行していると、第1搬送路8aの搬送速度の変更に伴い、入出金口通過センサ9、あるいは搬送路通過センサ10における搬送紙幣の検出時間が長くなることがある。この際、制御部13は、搬送状態算出処理での検出紙幣長さL1,L2,L3の算出方法を積分に切り替えて、検出紙幣長さを適切に算出する。
第1搬送路8aの搬送速度を変更すると、制御部13は、後続の紙幣から分離した先行の紙幣が第2搬送路8bの搬送路センサ103に到達したか否かを判定する(ステップS322)。搬送路センサ103が分離した先行の紙幣を検出していなければ(ステップS322:No)、制御部13は、搬送路センサ103が分離した先行の紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路センサ103が分離した先行の紙幣を検出すると(ステップS322:Yes)、制御部13は、紙幣入出金口2から送り出された後続の搬送紙幣があるか否かを判定する(ステップS323)。後続の搬送紙幣がある場合(ステップS323:Yes)、制御部13は、処理をステップS321に戻し、後続の搬送紙幣におけるラップ長さLlapと、入金速度テーブル60とに基づいて、第1搬送路8aの搬送速度を変更する。
ステップS323において、後続の搬送紙幣がなければ(ステップS323:No)、制御部13は、速度復帰処理を実行し(ステップS324)、搬送路8に対して第1搬送路8aの搬送速度を1600mm/sに戻させる。その後、制御部13は、搬送速度変更処理を終了する。
図11のステップS306に戻り、搬送速度変更処理を終了すると、制御部13は、紙幣識別処理を実行し(ステップS307)、識別部3に第1搬送路8aから搬送された搬送紙幣の金種、枚数、及び紙幣の状態などを識別させる。その後、制御部13は、搬送路8に識別部3において識別した正常な紙幣を一時保留部4へ搬送させる紙幣収納処理を実行する(ステップS308)。
この際、識別部3において金種が特定できない紙幣、あるいは重送が解消されていない搬送紙幣を検出した場合、制御部13の指示により搬送路8は、第5搬送路8eを介して紙幣入出金口に搬送し利用者に返却する。また、識別部3において金種を特定できるが、損傷している紙幣を検出した場合、制御部13の指示により搬送路8は、これらをリジェクト収納部6に搬送する。
紙幣識別処理を終了すると、制御部13は、入金が完了したか否かを判定する(ステップS309)。紙幣の入金が完了していなければ(ステップS309:No)、制御部13は、投入された全ての紙幣の搬送処理が完了するまで処理を待機する。
一方、入金が完了すると(ステップS309:Yes)、制御部13は、一時保留部4に収納した紙幣を金種別収納部5へ向けて搬送路8に搬送させるとともに、搬送された紙幣を金種ごとに収納させる。その後、制御部13は、搬送路停止処理を実行し(ステップS310)、搬送路8に駆動モーター15の回転駆動を停止させる。その後、制御部13は、入金処理を終了する。
紙幣搬送装置1における入金処理が終了すると、本体制御部20は、通信回線30を介してホストコンピュータ40に入金取引が完了したことを通知して入金取引を終了する。
以上のような動作を実現する紙幣搬送装置1は、上述の実施例1と同様に、連続して搬入される紙幣を適度な間隔を設けて効率よく搬送することができる。
また、取扱紙幣長さLuに基づいてラップ長さLlapを算出するため、紙幣入出金口2に金種のことなる複数の紙幣が投入された場合、算出したラップ長さLlapが実際のラップ長さよりも長くなることがある。
この際、搬送速度変更処理において、上流側である第1搬送路8aの搬送速度が、実際のラップ長さに対応する搬送速度よりも遅い搬送速度に変更される。これにより、金種のことなる複数の紙幣を投入された場合であっても、紙幣搬送装置1は、重送状態の搬送紙幣を確実に分離して、下流側の第2搬送路8bに搬送することができる。
なお、上述の実施例1、及び実施例2において、入出金口通過センサ9、搬送路通過センサ10、及び収納部通過センサ11ごとの紙幣検出長さを算出したが、これに限定せず、少なくとも1つのセンサで検出紙幣長さLを算出してもよい。例えば、出金取引の際、第4搬送路8dの搬送路センサ107で検出紙幣長さLを算出し、搬送路センサ107における検出紙幣長さLに基づいてラップ長さLlapを算出してもよい。
次に、上述の実施例1における自動取引装置の内部に実装され、出金取引の際、金種別収納部5から先に送り出された先行紙幣(先行紙葉類)と、後から送り出された後続紙幣(後続紙葉類)との搬送間隔(搬送間隔)に応じて第4搬送路8dの搬送速度を変更する紙幣搬送装置1について、図6、及び図14から図17を用いて詳しく説明する。
なお、図14は実施例3における出金間隔テーブル70の構成図を示し、図15は実施例3における搬送状態算出処理の動作のフローチャートを示し、図16は実施例3における搬送速度変更処理の動作のフローチャートを示し、図17は実施例3における搬送紙幣の搬送状態を説明する説明図を示している。
また、上述の実施例1、及び実施例2と同じ構成は同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例3における紙幣搬送装置1の記憶部12には、図14に示すように、出金間隔テーブル70が記憶されている。
出金間隔テーブル70は、図14に示すように、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2に対する第4搬送路8dの搬送速度を、紙幣搬送装置1において最低限必要な搬送間隔を示す処理可能間隔G1ごとに登録している。
処理可能間隔G1は、切り換えゲート16の切り替え速度や搬送路8の搬送速度等によって決定される搬送間隔の目標値である。つまり、出金間隔テーブル70は、紙幣搬送装置1の構成ごとに異なる処理可能間隔G1を列挙格納して構成している。
搬送間隔G2は、図17に示すように、第4搬送路8d上の先行紙幣M4と、後続紙幣M5との搬送方向における間隔を示している。
以上のような構成の紙幣搬送装置1において、金種別収納部5から紙幣入出金口2に紙幣を搬送する際の動作について図6、図15及び図16を用いて説明する。
まず、利用者が自動取引装置を操作して出金取引を開始すると、自動取引装置の本体制御部20は、通信回線30を介してホストコンピュータ40と出金取引情報の授受を行い、利用者との出金取引を開始する。
自動取引装置が出金取引を開始すると、本体制御部20の指示により、紙幣搬送装置1の制御部13は、図6に示すように、出金処理を開始する。
なお、出金処理におけるステップS201〜ステップS204までは上述の実施例1と同じため、詳細な説明を省略する。
ステップS205において、搬送状態算出処理を開始すると、制御部13は、図15に示すように、搬送路センサ108が先行紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS401)。搬送路センサ108が先行紙幣を検出しなければ(ステップS401:No)、制御部13は、搬送路センサ108が先行紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路センサ108が先行紙幣を検出すると(ステップS401:Yes)、制御部13は、後続紙幣を搬送路センサ108が検出したか否かを判定する(ステップS402)。搬送路センサ108が後続紙幣を検出しなければ(ステップS402:No)、制御部13は、搬送路センサ108が後続紙幣を検出するまで処理を待機する。
ステップS402において、搬送路センサ108が後続紙幣の先端を検出すると(ステップS402:Yes)、制御部13は、搬送間隔算出処理を実行し(ステップS403)、先行紙幣の検出完了時から後続紙幣の先端を検出するまでの経過時間と第4搬送路8dの搬送速度とから、先行紙幣と後続紙幣との搬送方向Xにおける搬送間隔G2を算出する。
その後、制御部13は、搬送状態算出処理を終了し、処理を図6のステップS205に戻す。
図6のステップS205に戻り、搬送状態算出処理を終了すると、制御部13は、搬送速度変更処理を実行する(ステップS206)。
搬送速度変更処理を開始すると、制御部13は、図16に示すように、制御部13は、搬送間隔G2と、出金間隔テーブル70の処理可能間隔G1とに基づいて、第4搬送路8dの搬送速度を変更する速度変更処理を実行する(ステップS411)。
より詳しくは、制御部13は、記憶部12に記憶した出金間隔テーブル70を読み出すとともに、処理可能間隔G1と搬送間隔G2とに対応する第4搬送路8dの搬送速度を出金間隔テーブル70から抽出する。その後、制御部13の指示により、搬送路8は、第4搬送路8dの搬送速度を出金間隔テーブル70から抽出した搬送速度に変更する。
このため、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2が狭い近接状態(搬送状態)の場合、搬送間隔G2に応じて、第4搬送路8dに対する第1搬送路8aの相対速度が大きくなる。ゆえに、先行紙幣が第1搬送路8aに受け渡されると、第4搬送路8d上の後続紙幣との搬送間隔G2が大きくなる。
より具体的には、例えば、紙幣搬送装置1における処理可能間隔G1が31〜45mmであって、算出した搬送間隔G2が12mmの場合、制御部13は、紙幣搬送装置1において必要な処理可能間隔G1よりも狭い搬送間隔で先行紙幣と後続紙幣とが搬送されている近接状態と識別する。そして、搬送路8は、第4搬送路8dの搬送速度を出金間隔テーブル70から抽出した搬送速度1300mm/sに変更して、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔を大きくする。
第4搬送路8dの搬送速度を変更すると、制御部13は、先行紙幣が第1搬送路8aの搬送路センサ101に到達したか否かを判定する(ステップS412)。搬送路センサ101が先行紙幣を検出していなければ(ステップS412:No)、制御部13は、搬送路センサ101が先行紙幣を検出するまで処理を待機する。
一方、搬送路センサ101が先行紙幣を検出すると(ステップS412:Yes)、制御部13は、後続紙幣よりも後から送り出されたより後続の搬送紙幣があるか否かを判定する(ステップS413)。より後続の搬送紙幣がある場合(ステップS413:Yes)、制御部13は、処理をステップS411に戻し、後続紙幣と、より後続の搬送紙幣との搬送間隔G2と、出金間隔テーブル70とに基づいて、第4搬送路8dの搬送速度を変更する。
ステップS413において、より後続の搬送紙幣がなければ(ステップS413:No)、制御部13は、速度復帰処理を実行し(ステップS414)、搬送路8に対して第4搬送路8dの搬送速度を1600mm/sに戻させる。その後、制御部13は、搬送速度変更処理を終了する。
図6のステップS206に戻り、搬送速度変更処理を終了すると、制御部13は、識別搬送処理を実行する(ステップS207)。なお、識別搬送処理は、上述の実施例1と同じため、詳細な説明を省略する。
識別搬送処理を終了すると、制御部13は、出金が完了したか否かを判定する(ステップS208)。第2収納部5bに収納された紙幣とは別の紙幣を送り出す場合(ステップS208:No)、制御部13は、出金が完了していないと判定し、処理をステップS204に戻して次の紙幣を搬送する。
一方、出金が完了すると(ステップS208:Yes)、制御部13は、搬送路停止処理を実行し(ステップS209)、搬送路8に駆動モーター15の回転駆動を停止させる。その後、制御部13は、出金処理を終了する。
紙幣搬送装置1における出金処理が終了すると、本体制御部20は、通信回線30を介してホストコンピュータ40に出金取引が完了したことを通知して出金取引を終了する。
以上のような動作を実現する紙幣搬送装置1は、連続して搬入される紙幣を適度な間隔を設けて効率よく搬送することができる。
具体的には、制御部13により、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、搬送間隔G2に基づいて第4搬送路8d上の先行紙幣と後続紙幣とが、処理可能間隔G1以上の搬送間隔で搬送されているか、あるいは処理可能間隔G1より小さい搬送間隔で搬送されているかを識別することができる。すなわち、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、第4搬送路8d上における先行紙幣と後続紙幣との近接具合から先行紙幣、及び後続紙幣の搬送状態を識別することができる。
そして、搬送状態に基づいて上流側に位置する第4搬送路8dの搬送速度を変更することにより、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、近接状態の後続紙幣搬から先行紙幣を引き離して、近接状態を解消することができる。
この際、第4搬送路8dの搬送速度に対して第1搬送路8aの搬送速度が速いため、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、先行紙幣と、後続紙幣とに適度な搬送間隔を設けるようにして、上流側に位置する第4搬送路8dから下流側に位置する第1搬送路8aに紙幣を受け渡すことができる。
さらに、相対速度が大きくなるよう上流側に位置する第4搬送路8dの搬送速度を変更するため、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、上流側に位置する第4搬送路8dを停止することなく、第4搬送路8dから第1搬送路8aに連続して効率よく紙幣を受け渡すことができる。
従って、紙幣搬送装置1、及び紙幣搬送方法は、連続して搬入される紙幣を適度な間隔を設けて効率よく搬送することができる。
また、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2を算出し、搬送間隔G2に基づいて、第4搬送路8dの搬送速度を変更することにより、紙幣搬送装置1は、搬送間隔G2が大きければ、第4搬送路8dにおける速度変化を小さくすることができ、搬送間隔G2が小さければ、第4搬送路8dにおける速度変化を大きくすることができる。
つまり、紙幣搬送装置1は、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔に応じて、第4搬送路8dの搬送速度を変更するため、搬送速度の速度変化を最小限度に抑えることができる。このため、紙幣搬送装置1は、搬送速度の変更に要する時間を短縮することができる。
これにより、紙幣搬送装置1は、第4搬送路8d上において、不均一な間隔で搬送される先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2をより効率的に調整することができる。
従って、紙幣搬送装置1は、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2に応じて、相対速度を変化することで、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔をより効率的に調整することができる。
なお、上述の実施例3において、出金取引における紙幣搬送装置1の動作を説明したが、これに限定せず、入金取引であってもよい。この際、出金間隔テーブル70とは別に入金間隔テーブル(図示省略)を記憶部12に記憶しておく。
また、上述の実施例1から実施例3において、紙葉類として紙幣を用いて説明したが、これに限定せず、海外紙幣、チケット、あるいは切符などであってもよい。
また、ATMなどの自動取引装置に実装される紙幣搬送装置1としたが、これに限定せず、両替機、自動発券機などに実装される紙幣搬送装置1であってもよい。
また、紙幣の長手方向に沿って紙幣を搬送する構成としたが、これに限定せず、紙幣の短手方向に沿って紙幣を搬送する構成であってもよい。
また、出金速度テーブル50、入金速度テーブル60、及び出金間隔テーブル70の標準紙幣長さLs、取扱紙幣長さLu、ラップ長さLlap、及び搬送速度は、上述の値に限定せず、紙幣搬送装置1の性能や取り扱う紙葉類に応じた適宜の構成としてもよい。
また、出金速度テーブル50、入金速度テーブル60、及び出金間隔テーブル70を記憶部12に備えたが、これに限定せず、出金速度テーブル50、入金速度テーブル60、及び出金間隔テーブル70を備えず、紙幣検出長さLと、予め定めた紙幣標準長さLs、あるいは取扱紙幣長さLuとに基づいて搬送速度をその都度算出する構成としてもよい。
また、出金取引の際には上流側に位置する第4搬送路8d、及び入金取引の際には上流側に位置する第1搬送路8aを減速するとしたが、これに限定せず、下流側に位置する第1搬送路8a、あるいは第2搬送路8bの搬送速度を速くしてもよい。あるいは、上流側に位置する搬送路の搬送速度を減速するとともに、下流側に位置する搬送路の搬送速度を速くして相対速度を大きくしてもよい。
また、制御部13で搬送状態を識別するともに、搬送路8の搬送速度を制御したが、これに限定せず、本体制御部20で搬送状態を識別するとともに、搬送路8の搬送速度を制御してもよい。あるいは、制御部13、及び本体制御部20とは別に搬送状態や搬送路8の搬送速度などを監視するとともに、搬送状態に応じて搬送路8の搬送速度を変更する監視制御部を別途備えてもよい。
また、上述の実施例1から実施例3を組み合わせて、重なり具合と近接具合に応じて搬送路8の搬送速度を変更する紙幣搬送装置1としてもよい。
また、第1搬送路8aから第5搬送路8eの搬送速度を同一にしたが、これに限定せず、上流側に位置する搬送路の搬送速度に対して、下流側に位置する搬送路の搬送速度を予め僅かに速くしてもよい。
これにより、紙幣搬送装置1は、搬送速度の変更頻度を抑制することができ、紙幣をより効率的に搬送することができる。
例えば、出金取引の際、図6のステップS201において、第1搬送路8aの搬送速度に対して第4搬送路8dの搬送速度を予め僅かに遅くする。これにより、重送している搬送紙幣のラップ長さLlapが小さければ、第4搬送路8dの搬送速度を変更することなく、先行の紙幣と後続の紙幣とを分離して搬送することができる。
さらに、連続して搬送される先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2と処理可能間隔G1との差が小さければ、第4搬送路8dの搬送速度を変更することなく、先行紙幣と後続紙幣との搬送間隔G2を広げることができる。
従って、紙幣搬送装置1は、下流側の搬送路8の搬送速度を、上流側の搬送路8の搬送速度よりも予め僅かに速くすることで、紙幣をより効率的に搬送することができる。
1…紙幣搬送装置
8a…第1搬送路
8b…第2搬送路
8d…第4搬送路
9…入出金口通過センサ
10…搬送路通過センサ
11…収納部通過センサ
13…制御部
15…駆動モーター
G2…搬送間隔
L…検出紙幣長さ
L1…検出紙幣長さ
L2…検出紙幣長さ
L3…検出紙幣長さ
L4…検出紙幣長さ
Llap…ラップ長さ
M…搬送紙幣
M1…紙幣
M2…紙幣
M3…紙幣
M4…先行紙幣
M5…後続紙幣
X…搬送方向
Y…搬送方向

Claims (5)

  1. 連続して搬入される複数の紙葉類を搬送する上流搬送路と、
    該上流搬送路と接続されるとともに、前記紙葉類を受け取って搬送する下流搬送路と、
    前記上流搬送路における前記紙葉類を検出する少なくとも1つの検出手段とを備えた紙葉類搬送装置であって、
    前記検出手段で検出した前記紙葉類に基づいて、前記上流搬送路における前記紙葉類の搬送状態を識別する状態識別手段と、
    前記搬送状態に基づいて、前記上流搬送路の搬送速度に対する前記下流搬送路の搬送速度の相対速度が大きくなるように前記上流搬送路、または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更する速度変更手段とを備え
    前記状態識別手段を、
    前記検出手段で検出した前記紙葉類の搬送方向における長さを示す搬送長さを算出する長さ算出処理と、
    算出した前記搬送長さに基づいて、前記紙葉類の重なり量を算出する重なり量算出処理とを実行する構成とし、
    前記速度変更手段を、
    算出した前記重なり量に基づいて、前記上流搬送路または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更する構成とし、
    前記速度変更手段は、
    前記下流搬送路の搬送速度を第1搬送速度に変更するとともに、前記重なり量をLlapとし、前記紙葉類の標準長さをLsとし、
    算出した前記重なり量LlapがLlap<0のときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第1搬送速度よりも小さい第2搬送速度に変更し、
    算出した前記重なり量LlapがLlap=0のときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第1搬送速度よりも小さく且つ前記第2搬送速度よりも大きい第3搬送速度に変更し、
    算出した前記重なり量Llapが0<Llap<Lsのときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第3搬送速度以下で且つLlapが短いほど大きい第4搬送速度に変更し、
    算出した前記重なり量LlapがLlap=Lsのときは、前記上流搬送路の搬送速度を前記第1搬送速度に変更する
    紙葉類搬送装置。
  2. 前記状態識別手段を、
    前記検出手段で検出した先行する先行紙葉類と、該先行紙葉類より後続の後続紙葉類との搬送間隔を算出する間隔算出処理を実行する構成とし、
    前記速度変更手段を、
    算出した前記搬送間隔に基づいて、前記上流搬送路または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更する構成とした
    請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
  3. 前記検出手段を、前記紙葉類の搬送方向に沿って複数備え、
    前記状態識別手段を、
    前記検出手段ごとに検出した前記紙葉類に基づいて、前記搬送状態を識別する構成とした
    請求項1または2に記載の紙葉類搬送装置。
  4. 前記下流搬送路の搬送速度を、
    前記上流搬送路の搬送速度に対して予め僅かに速くした
    請求項1からのいずれか1つに記載の紙葉類搬送装置。
  5. 連続して搬入される複数の紙葉類を搬送する上流搬送路と、該上流搬送路と接続されるとともに、前記紙葉類を受け取って搬送する下流搬送路と、前記上流搬送路における前記紙葉類を検出する少なくとも1つの検出手段とを備えた装置を用いた紙葉類搬送方法であって、
    状態識別手段により、前記検出手段で検出した前記紙葉類に基づいて、前記上流搬送路における前記紙葉類の搬送状態を識別し、
    速度変更手段により、前記搬送状態に基づいて、前記上流搬送路の搬送速度に対する前記下流搬送路の搬送速度の相対速度が大きくなるように前記上流搬送路、または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更し、
    前記状態識別手段により、前記検出手段で検出した前記紙葉類の搬送方向における長さを示す搬送長さを算出し、算出した前記搬送長さに基づいて、前記紙葉類の重なり量を算出し、
    前記速度変更手段により、算出した前記重なり量に基づいて、前記上流搬送路または/および前記下流搬送路の搬送速度を変更し、
    前記速度変更手段により、前記下流搬送路の搬送速度を第1搬送速度に変更するとともに、前記重なり量をLlapとし、前記紙葉類の標準長さをLsとし、
    算出した前記重なり量LlapがLlap<0のときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第1搬送速度よりも小さい第2搬送速度に変更し、
    算出した前記重なり量LlapがLlap=0のときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第1搬送速度よりも小さく且つ前記第2搬送速度よりも大きい第3搬送速度に変更し、
    算出した前記重なり量Llapが0<Llap<Lsのときは、前記上流搬送路の搬送速度を、前記第3搬送速度以下で且つLlapが短いほど大きい第4搬送速度に変更し、
    算出した前記重なり量LlapがLlap=Lsのときは、前記上流搬送路の搬送速度を前記第1搬送速度に変更する
    紙葉類搬送方法。
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