JP5991267B2 - ワークの切断方法および切断装置 - Google Patents

ワークの切断方法および切断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5991267B2
JP5991267B2 JP2013111207A JP2013111207A JP5991267B2 JP 5991267 B2 JP5991267 B2 JP 5991267B2 JP 2013111207 A JP2013111207 A JP 2013111207A JP 2013111207 A JP2013111207 A JP 2013111207A JP 5991267 B2 JP5991267 B2 JP 5991267B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
workpiece
cutting
roughening
row
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013111207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014226772A (ja
Inventor
和弥 冨井
和弥 冨井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2013111207A priority Critical patent/JP5991267B2/ja
Publication of JP2014226772A publication Critical patent/JP2014226772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5991267B2 publication Critical patent/JP5991267B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、ワイヤソーによってワークをウェーハ状に切断する切断方法及び切断装置に関する。
半導体インゴットなどの硬脆材を薄板状のウェーハに切断する切断装置の一つにワイヤソーがある。
ワイヤソーは所定のピッチで張架されたワイヤ列を高速走行させ、ワイヤ列にワークを押し当て、ワイヤとワークが接触している部分に遊離砥粒を吹き付けながら、多数枚のウェーハに同時に切断する装置である。
特許文献1には、使用されるワイヤとして、ワイヤの外周面を砥粒キャリア樹脂皮膜で被覆したものが開示されている。このワイヤを使用すれば、砥粒(遊離砥粒)が砥粒キャリア樹脂皮膜に食い込むため、安定して砥粒をワイヤとワークが接触している部分に引き込むことができるとされている。
また、特許文献2には、砥粒の吹き付けによりワイヤ表面を粗面化する前処理手段を実施することで、一定量の加工用スラリをワイヤに付着させることが可能であると記載されている。
特開2006−179677号公報 特開平11−099462号公報 特開2011−5624号公報
特許文献1に記載の樹脂皮膜の被覆ワイヤを用いて、シリコン単結晶インゴットを切断した場合、従来の樹脂皮膜の無いピアノ線での遊離砥粒切断と比較し、切り出したウェーハの表面粗さやダメージ深さにおいては良好な品質が得られるものの、ウェーハの全体形状を示すうねりや反りは劣る。これは切断中に砥粒キャリア樹脂皮膜に食い込む砥粒の数が少ないことに起因している。
切り出されたウェーハのうねりや反りは一般的にワイヤの蛇行が原因である。砥粒キャリア樹脂皮膜に砥粒を食い込ませてワーク切断を進める切断方法においても、砥粒キャリア樹脂皮膜に食い込む砥粒が少量であれば、食い込む砥粒の偏りが生じ、ワイヤが蛇行し、うねりや反りが悪化する。
特許文献1に記載の被覆ワイヤの表面、つまり砥粒キャリア樹脂皮膜の表面は、凹凸が無く滑らかで、光沢の有る状態である。このような表面状態で加工を開始すると、砥粒キャリア樹脂皮膜に食い込む砥粒が少なくなり、食い込む砥粒の偏りが発生し、うねりや反りが強く表れてしまう。
また、この被覆ワイヤに特許文献2に記載の砥粒またはスラリの吹き付け方式の前処理手段を施したとしても、砥粒キャリア樹脂皮膜は一般的なピアノ線表面と比べて柔軟であるため、うねりや反りの抑制は期待できない。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、切り出されたウェーハのうねりや反りなどの全体形状を良好にできるワークの切断方法および切断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回されたワイヤによって形成されるワイヤ列を軸方向に走行させ、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しながら、前記ワイヤ列に前記ワークを押し当てて切込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、前記ワイヤはベースワイヤ表面に有機皮膜または無機皮膜を被覆したものを用い、前記切断されるワークより前記ワイヤ列のワイヤ操出側に、前記ワイヤ表面を粗面化するための粗面化部材を配置し、前記ワイヤと前記粗面化部材を接触させることで、前記ワイヤ表面を粗面化させながら前記ワークを切断することを特徴としたワークの切断方法を提供する。
このような切断方法であれば、ワーク切断に使用される被覆ワイヤが、ワークに接触する前に粗面化部材と接触することで、被覆ワイヤ表面の皮膜が粗面化され、皮膜に食い込む砥粒数を大幅に増やすことができる。その結果、被覆ワイヤは直線的に切り進むことが可能となり、切り出されたウェーハのうねりや反りなどの全体形状を大幅に改善することができる。また、ワイヤが皮膜を有することで、切り出したウェーハの表面粗さやダメージ深さの品質も良好となる。
このとき、粗面化部材を樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかとすることが好ましい。
このようにすれば、ワイヤを良好に粗面化できるとともに、粗面化部材の摩耗を抑制することができ、粗面化部材の寿命が長くなり、コストを抑えることができる。
また本発明によれば、複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤによって形成されるワイヤ列と、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給するノズルと、前記ワークを保持しつつ押圧することで前記ワークを前記ワイヤ列に押し当てるワーク送り手段を具備し、前記ノズルから前記ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しつつ、前記ワーク送り手段により保持された前記ワークを、走行する前記ワイヤ列に押し当てて切込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断装置であって、前記ワイヤはベースワイヤ表面に有機皮膜または無機皮膜を被覆したものであり、前記ワークより前記ワイヤ列のワイヤ操出側に、前記ワイヤ表面を粗面化するための粗面化部材を具備し、前記ワイヤと前記粗面化部材を接触させることで、前記ワイヤ表面を粗面化させながら前記ワークを切断するものであることを特徴としたワークの切断装置が提供される。
このようなものであれば、ワーク切断に使用される被覆ワイヤが、ワークに接触する前に粗面化部材と接触することで、被覆ワイヤ表面の皮膜が粗面化され、皮膜に食い込む砥粒数を大幅に増やすことができる。その結果、被覆ワイヤは直線的に切り進むことが可能となり、切り出されたウェーハのうねりや反りなどの全体形状を大幅に改善することができるとともに、切り出されたウェーハの表面粗さやダメージ深さも改善できる。
このとき、粗面化部材が樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかであることが好ましい。
このようなものであれば、ワイヤを均一に粗面化できるとともに粗面化部材の摩耗を抑制することができ、粗面化部材の寿命が長くなり、コストを抑えることができる。
本発明では、ワイヤソーによるワークの切断において、切断用のワイヤとしてベースワイヤ表面に有機皮膜または無機皮膜を被覆したものを用いる。そして、切断されるワークよりワイヤ列のワイヤ操出側に、ワイヤ表面を粗面化するための粗面化部材を配置し、ワイヤと粗面化部材を接触させることで、ワイヤ表面を粗面化させながらワークを切断する。このようにすることで、被覆ワイヤ表面の皮膜が粗面化され、皮膜に凹凸が作られ、皮膜に食い込む砥粒数を大幅に増やすことができる。これにより、ワイヤは直線的に切り進むことが可能となる。その結果、切り出されたウェーハのうねりや反りなどの全体形状を大幅に改善することができる。しかも、ワイヤが皮膜を有することで、切り出したウェーハの表面粗さやダメージ深さの品質も良好となる。
本発明に係るワークの切断装置の一例を示した概略図である。 本発明に係るワークの切断装置の要部を示した拡大図である。 粗面化部材との接触が無い被覆ワイヤの一例を示すSEM写真である。 粗面化部材と接触後の被覆ワイヤの一例を示すSEM写真である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したように、樹脂皮膜が被覆されたワイヤを用いて、シリコン単結晶インゴットを切断した場合、従来の樹脂皮膜の無いピアノ線での遊離砥粒切断と比較して、切り出したウェーハの表面粗さやダメージ深さにおいては良好な品質が得られるものの、ウェーハの全体形状を示すうねりや反りが悪化してしまうという問題があった。
そこで、本発明者はワイヤソーによるワークの切断において、切り出されたウェーハの表面粗さやダメージ深さの良好な品質を得つつ、ウェーハのうねりや反りなどの全体形状の悪化を抑制するために鋭意検討を重ねた。その結果、ワイヤはベースワイヤ表面に有機皮膜または無機皮膜を被覆した被覆ワイヤを用い、切断されるワークよりワイヤ列のワイヤ操出側に、被覆ワイヤ表面、すなわち皮膜表面を粗面化するための粗面化部材を配置し、被覆ワイヤと粗面化部材を接触させることで、被覆ワイヤ表面を粗面化させながらワークを切断することで、切り出されたウェーハのうねりや反りなどの全体形状を大幅に改善できることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明のワークの切断方法について図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のワークの切断装置について説明する。
図1に示すように、本発明の切断装置1は主に、複数のワイヤガイド2間に螺旋状に巻回された軸方向に走行する被覆ワイヤ3によって形成されるワイヤ列4、切断時にワークWと被覆ワイヤ3との接触部に加工液を供給する加工液供給手段5、ワークWを保持しつつ押圧することでワークWをワイヤ列に押し当てるワーク送り手段6、被覆ワイヤ3に張力を付与するための張力付与機構7、7’等で構成されている。
被覆ワイヤ3はベースワイヤ表面に有機皮膜または無機皮膜を被覆したものである。この皮膜としては、特に限定されるものではないが、有機皮膜は、例えば、フェノール系、ポリアミド系、エポキシ系、ウレタン系等の熱硬化性樹脂、または、エポキシ系、ウレタン系等の光硬化性樹脂を用いることができる。無機皮膜は、例えば、SiO皮膜、ガラス(ソーダガラス)皮膜、CrN皮膜などを用いることができる(特許文献3)。
被覆ワイヤ3は、一方のワイヤリールボビン8から繰り出され、トラバーサを介して定トルクモーターやダンサローラ(デッドウェイト)等からなる張力付与機構7を経て、ワイヤガイド2に入っている。被覆ワイヤ3はもう一方の張力付与機構7’を経てワイヤリールボビン8’に巻き取られている。
加工液供給手段5はスラリチラー9、スラリタンク10、ノズル11等から構成される。ノズル11はワイヤガイド2に巻回された被覆ワイヤ3の上方に配置されている。この、ノズル11はスラリタンク10に接続されており、加工液はスラリタンク10で攪拌されスラリチラー9により温調された後ノズル11から被覆ワイヤ3に供給できるようになっている。そして、加工液はワイヤ列4に乗りワークWとワイヤ列4との接触部に送られる。また、供給された加工液はスラリタンク10に戻り循環利用される。
また、ワイヤガイド2は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に所定のピッチで溝を切ったローラーであり、駆動モータ12によって、巻回された被覆ワイヤ3が軸方向に往復走行できるようになっている。ここで、被覆ワイヤ3を往復走行させる際、ワイヤ新線が供給されるように、被覆ワイヤ3の両方向への走行距離を同じにするのではなく、片方向への走行距離の方が長くなるようにする。このようにして、被覆ワイヤ3の往復走行を行いながら長い走行距離の方向に新線が供給される。
例えば、図2に示すように、A方向に新線が供給されていく場合、図2中に示すB側がワイヤ操出側となり、C側がワイヤ巻取側となる。
また、図2に示すように、ワークWよりワイヤ列4のワイヤ操出側(図2のB側)には被覆ワイヤ3の表面を粗面化するための粗面化部材14及び、その粗面化部材14を保持するための粗面化部材容器13を有している。粗面化部材容器13はステンレス製で、ワイヤガイド2を固定するブロック(不図示)に固定されており、その容器部はワイヤ列4側が開口されている。この粗面化部材容器13の開口部に保持された粗面化部材14と被覆ワイヤ3は接触できるようになっている。また粗面化部材容器13内にはスプリング(不図示)が設置されており、粗面化部材14が摩耗してもワイヤ列4方向に一定の押し圧で繰り出すことが可能である。
ワークWの切断を行う際、ノズル11からワークWと被覆ワイヤ3との接触部に加工液を供給しつつ、ワーク送り手段6により保持されたワークWを、走行するワイヤ列4に押し当てて切込み送りし、ワークWをウェーハ状に切断する。この際、本発明ではワークWよりワイヤ列4のワイヤ操出側(図2のB側)で、被覆ワイヤ3が粗面化部材14に接触するため、ワークWと接触する被覆ワイヤ3はその皮膜表面が粗面化しているものとなる。
このような本発明のワークの切断装置であれば、ワーク切断に使用される被覆ワイヤが、ワークに接触する前に粗面化部材と接触することで、被覆ワイヤ表面の皮膜が粗面化され、皮膜に食い込む砥粒数を大幅に増やすことができ、皮膜に食い込む砥粒の偏りが低減し、ワイヤの蛇行が減少する。従って、被覆ワイヤは直線的に切り進むことが可能となる。その結果、切り出したウェーハの表面粗さやダメージ深さにおいて良好な品質を得ることができると同時に、うねりや反りなどの全体形状を大幅に改善することができるものとなる。
このとき、粗面化部材14が樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかであることが好ましい。
このようにすれば、粗面化を均一にかつ容易に実施できるとともに、粗面化部材14の摩耗を抑制することができ、粗面化部材14の寿命が長くなり、コストを抑えることができるものとなる。
次に本発明のワークの切断方法について説明する。ここでは、図1に示すような切断装置1を用いた場合について述べる。
まず、図2に示すように、ワークWよりワイヤ列4のワイヤ操出側に、粗面化部材容器13で保持した粗面化部材14が被覆ワイヤ3と接触できるように配置しておく。次に、ワーク送り手段6によりワークWを保持する。そして、被覆ワイヤ3を張力付与機構7、7’によって張力を付与しながら軸方向へ往復走行させ、加工液供給手段5により被覆ワイヤ3への加工液供給を行った状態で、ワーク送り手段6によりワークWを相対的に押し下げて、ワークWをワイヤ列4に対して切り込み送りさせてワークWを切断していく。
この際、ワークWよりワイヤ列4のワイヤ操出側で、被覆ワイヤ3を粗面化部材14に接触させることで、ワークWと接触する前の被覆ワイヤ3の皮膜表面が常に粗面化している状態にする。ワイヤ操出側から供給される新線は、この方法で常に粗面化することができるがワークWの切断開始直後から切断に用いるワイヤについて、例えば、ワイヤ交換した後のように、粗面化未実施のワイヤに対しても粗面化部材14により事前に粗面化しておくことが好ましい。これは、本発明の装置を用いれば容易に実施することができる。
このようなワークの切断方法であれば、ワーク切断に使用される被覆ワイヤが、ワークに接触する前に粗面化部材と接触することで、被覆ワイヤ表面の皮膜が粗面化され、皮膜に食い込む砥粒数を大幅に増やすことができ、皮膜に食い込む砥粒の偏りが低減することで、ワイヤの蛇行が減少する。従って、被覆ワイヤは直線的に切り進むことが可能となる。その結果、切り出したウェーハの表面粗さやダメージ深さにおいて良好な品質を得ることができると同時に、うねりや反りなどの全体形状を大幅に改善することができる。
このとき、粗面化部材が樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかであることが好ましい。
このような材質であれば、簡単かつ均一にワイヤを粗面化することができるとともに、過度に粗面化されないので、粗面化部材の摩耗を抑制することができ、粗面化部材の寿命が長くなり、コストを抑えることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような本発明の切断装置を用い、本発明のワークの切断方法に従ってワークの切断を行い、切り出したウェーハのうねりWtを測定した。ここで、切断するワークとして直径200mm、長さ160mmの単結晶シリコンインゴットを用いた。被覆ワイヤは芯線径0.14mmのピアノ線に膜厚10μmのポリアミド系樹脂皮膜を被覆したものを用いた。
また、被覆ワイヤが、ワイヤ操出側から前進および後退を繰り返しながら、ワイヤ巻取側に送られる往復走行を採用した。ここでワイヤの平均走行速度は600m/min、ワイヤ新線を繰り出す供給速度は5m/minに設定した。ワイヤ張力は張力付与機構で調節し、25Nに設定した。
加工液として、平均粒径8μmのダイヤモンドをグリコール系水溶液に懸濁させたスラリを用いた。また、スラリ中のダイヤモンド濃度は5質量%とした。また、粗面化部材として、単結晶シリコンを使用し、粗面化部材の押し圧は、ワイヤ1本に対して約0.06kgfの荷重をかけた。これはワイヤ列が約2mmたわむ値である。
まず、ワークの切断を開始する前に、粗面化部材との接触が無い被覆ワイヤと、粗面化部材と接触後でワークと接触前の被覆ワイヤの表面状態を評価した。
図3は、粗面化部材との接触が無い被覆ワイヤを示すSEM写真である。図3に示すように、粗面化部材との接触が無い被覆ワイヤは光沢のある滑らかな表面状態である。
図4は粗面化部材と接触後の被覆ワイヤを示すSEM写真である。図4に示すように粗面化部材に接触後の被覆ワイヤの表面には凹凸が付き、粗面化されたことが分かる。
次に、ワークを切断し、切り出したウェーハのうねりWtを測定した。うねりWtの測定は、触針式の粗さ計を用いた。測定長は190mmで切断方向を測定した。測定後の数値処理は、JIS’01規格ろ波うねり、カットオフ0.8mm、ガウシアンフィルタを使用した。ウェーハのサンプリング方法はインゴットブロック内で両端のワイヤ操出側とワイヤ巻取側から各5枚を抜き取った。
(比較例)
切断装置が粗面化部材を具備していないこと、すなわち図3に示すように被覆ワイヤが粗面化されないままワークの切断を行うこと以外、実施例と同様な条件でワークの切断を行い、切り出したウェーハのうねりWtを測定した。
表1に、実施例、比較例の測定結果をまとめたもの示す。
比較例では、ワイヤ巻取側よりワイヤ操出側のうねりが劣る。これはインゴットブロックのワイヤ操出側から無垢の被覆ワイヤが入るためである。しかし、本発明の実施例では、被覆ワイヤ表面の砥粒キャリア樹脂皮膜を事前に粗面化しているため、インゴットブロック位置によるうねりの差も無くなり、比較例より約30%のうねり改善を達成した。
実施例では粗面化部材として単結晶シリコンを使用したが、粗面化部材として樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかを用いても同様の効果が得られることが確認された。
また、図4に示す被覆ワイヤは粗面化部材と40回(20往復)の接触があったため全面の粗面化が行われたが、接触回数が少なく粗面化が部分的であっても、粗面化された部分が主にワークの加工に関与するため同様の効果が得られることが確認された。
Figure 0005991267
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…切断装置、2…ワイヤガイド、3…被覆ワイヤ、
4…ワイヤ列、5…加工液供給手段、6…ワーク送り手段、
7、7’…張力付与機構、8、8’…ワイヤリールボビン、
9…スラリチラー、10…スラリタンク、11…ノズル、
12…駆動モータ、13…粗面化部材容器、14…粗面化部材、
W…ワーク。

Claims (4)

  1. 複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回されたワイヤによって形成されるワイヤ列を軸方向に走行させ、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しながら、前記ワイヤ列に前記ワークを押し当てて切込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、
    前記ワイヤはベースワイヤ表面に有機皮膜を被覆したものを用い、前記切断されるワークより前記ワイヤ列のワイヤ操出側に、前記ワイヤ表面を粗面化するための粗面化部材を配置し、前記粗面化部材としてワイヤ列方向に一定の押し圧で繰り出すことが可能なものを用い、前記ワイヤと前記粗面化部材を接触させることで、前記ワイヤ表面を粗面化させながら前記ワークを切断することを特徴としたワークの切断方法。
  2. 前記粗面化部材を樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかとすることを特徴とした請求項1に記載のワークの切断方法。
  3. 複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤによって形成されるワイヤ列と、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給するノズルと、前記ワークを保持しつつ押圧することで前記ワークを前記ワイヤ列に押し当てるワーク送り手段を具備し、前記ノズルから前記ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しつつ、前記ワーク送り手段により保持された前記ワークを、走行する前記ワイヤ列に押し当てて切込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断装置であって、
    前記ワイヤはベースワイヤ表面に有機皮膜を被覆したものであり、前記ワークより前記ワイヤ列のワイヤ操出側に、前記ワイヤ表面を粗面化するための粗面化部材を具備し、前記粗面化部材はワイヤ列方向に一定の押し圧で繰り出すことが可能なものであり、前記ワイヤと前記粗面化部材を接触させることで、前記ワイヤ表面を粗面化させながら前記ワークを切断するものであることを特徴としたワークの切断装置。
  4. 前記粗面化部材が樹脂、シリコン、カーボン及びセラミックスのいずれかであることを特徴とした請求項3に記載のワークの切断装置。
JP2013111207A 2013-05-27 2013-05-27 ワークの切断方法および切断装置 Active JP5991267B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111207A JP5991267B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 ワークの切断方法および切断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111207A JP5991267B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 ワークの切断方法および切断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014226772A JP2014226772A (ja) 2014-12-08
JP5991267B2 true JP5991267B2 (ja) 2016-09-14

Family

ID=52127081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013111207A Active JP5991267B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 ワークの切断方法および切断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5991267B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1199462A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Toshiba Ceramics Co Ltd ワイヤーソー
JP2000317804A (ja) * 1999-05-11 2000-11-21 Denso Corp ワイヤソー加工用ワイヤ及びワイヤ処理装置
JP3967969B2 (ja) * 2002-06-27 2007-08-29 京セラ株式会社 ワイヤーソー
JP2006179677A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Japan Fine Steel Co Ltd ソーワイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014226772A (ja) 2014-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4411062B2 (ja) 超砥粒ワイヤソー巻き付け構造、超砥粒ワイヤソー切断装置および超砥粒ワイヤソーの巻き付け方法
US9579826B2 (en) Method for slicing wafers from a workpiece using a sawing wire
US9776340B2 (en) Method for slicing ingot and wire saw
US20140318522A1 (en) Method for slicing workpiece
JP2011082351A5 (ja)
CN111511504B (zh) 工件切断方法及线锯
TW201836745A (zh) 工件的切斷方法
JP2009184023A (ja) ワイヤソーによるワーク切断方法及びワイヤソー切断装置
JP5958430B2 (ja) ワークの切断方法及びワイヤソー
US20220016802A1 (en) Method for slicing workpiece and wire saw
JP5991267B2 (ja) ワークの切断方法および切断装置
JP5876388B2 (ja) 被加工物切断方法
JP5768650B2 (ja) ワイヤーソー装置および該装置に用いられるワークプレート
JP2009023066A (ja) ソーワイヤ及びそのソーワイヤを用いたワイヤソーによる切断方法
TWI715735B (zh) 線鋸裝置的製造方法及線鋸裝置
JP6819621B2 (ja) ワークの切断方法及びワイヤソー
JP2008188721A (ja) 基板の製造方法及びワイヤソー装置
JP5527987B2 (ja) ワイヤーソー装置と基板の製造方法
WO2018203448A1 (ja) ワークの切断方法及び接合部材
JP5945967B2 (ja) ワークの切断方法及びワイヤソー
JP2012045682A (ja) 固定砥粒ワイヤーソー装置
JP7075295B2 (ja) ソーワイヤ、ソーワイヤの製造方法、および基板の製造方法
JP5962614B2 (ja) ワークの切断方法及びワイヤソー
JP2012076172A (ja) ワイヤソー
JP5311964B2 (ja) ワイヤーソー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5991267

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250