JP5983438B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、内燃機関の排気通路に設けられる排気浄化装置として、フィルタに排気中のNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒(以下、「SCR触媒」と称する場合もある。)を担持させたものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。フィルタは、排気中の粒子状物質(以下、「PM」と称する)を捕集する。SCR触媒は、アンモ二ア(NH)を還元剤として排気中のNOxを還元する。以下、このようなSCR触媒を担持したフィルタを「SCRF」と称する。排気浄化装置としてSCRFを採用することで、フィルタとSCR触媒とを別々に排気通路に設けた場合に比べて排気浄化装置をコンパクト化でき、その搭載性を向上させることができる。また、SCRFを採用することで、排気通路においてより上流側にSCR触媒を配置することが可能となるため、該SCR触媒が排気の熱によって加熱され易くなり、以てSCR触媒の暖機性の向上や、SCR触媒におけるNOx浄化率の向上を図ることができる。
ここで、SCRFには、捕集されたPMが堆積する。そのため、SCRFを備えた排気浄化装置においては、堆積したPMを酸化除去するフィルタ再生処理を行う必要がある。このフィルタ再生処理は、SCRFよりも上流側の排気通路に設けられた酸化機能を有する酸化触媒に燃料を供給することで実現される。酸化触媒において燃料が酸化されると、SCRFに流入する排気が酸化熱によって加熱され、SCRFの温度を、捕集されたPMの酸化が促進されるフィルタ再生温度まで上昇させることができる。
特表2007−501353号公報 特開2011−43160号公報 特開2009−228618号公報 特開2009−7982号公報
SCRFには、アンモニア又はアンモニアの前駆体が供給されることで、SCRFに担持されたSCR触媒において、アンモニアを還元剤として排気中のNOxが選択還元される。このようにNOxの還元浄化に使用されるアンモニアだが、このアンモニアが酸化されてしまうとNOxが生成される場合があるため、SCRFにおいては、酸化能力の高い触媒を担持させることは困難とされる。そのため、フィルタ機能を有するSCRFに担持されるSCR触媒の酸化能力は非常に低いのが一般であり、その結果、SCRFに捕集されたPMを酸化除去する能力も当然に低くならざるを得ない。
特に、内燃機関から排出される排気温度が低い場合、例えば、ディーゼルエンジンや、ガソリンエンジンでのリーン燃焼を行うような場合には、SCRFにおける酸化能力の相対的な低さによる影響が顕著となり、そこに捕集されたPMを酸化除去するためのフィルタ再生処理に比較的長い時間を要することになる。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、SCRFを有する内燃機関の排気浄化装置において、速やかなフィルタ再生処理を実現することを目的とする。
本発明において、上記課題を解決するために、SCRF(SCR触媒が担持されたフィルタ)に対してフィルタ再生処理を行う場合、SCRFに対してある程度の燃料成分(SOF)を送り込むことでSCRFにおける捕集PMの燃焼を促進させるとともに、SCRFに燃料成分が吸着することで生じる、SCR触媒によるNOx浄化率の低下を、EGRガス量の増量で補償する構成を採用することとした。このような構成を採用することで、SCRFでのPMの燃焼促進によるフィルタ再生処理時間の短縮化と、排気浄化装置としてのNOx浄化率の維持を好適に両立することが可能となる。
具体的には、本発明は、内燃機関の排気通路に設けられ、酸化機能を有する酸化触媒と、前記酸化触媒に対して、該酸化触媒に流れ込む排気を介して燃料成分を供給する燃料供給部と、前記酸化触媒より下流側の排気通路に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒が担持されたフィルタと、前記フィルタに対して、該フィルタに流れ込む排気を介してアンモニア又はアンモニアの前駆体を供給するアンモニア供給部と、前記内燃機関からの排気の一部を吸気系に再循環するEGR装置と、前記燃料供給部によって前記酸化触媒に燃料が供給されることで、前記フィルタの温度を捕集された粒子状物質の酸化が促進される所定のフィルタ再生温度まで昇温させて、該粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理を行うフィルタ再生処理部と、を備える、内燃機関の排気浄化装置である。そして、前記フィルタ再生処理部によりフィルタ再生処理が行われるとき、前記EGR装置によって吸気系に再循環されるEGRガス量を、該フィルタ再生処理が行われない場合のEGRガス量と比べて増量した状態で、前記燃料供給部は、該フィルタ再生処理時に前記酸化触媒で酸化可能な量より多い所定量の燃料成分を供給するように構成される。
本発明に係る排気浄化装置は、いわゆるSCRFであるフィルタが排気通路に設けられる構成により、主に排気中のNOxの還元除去と、排気中のPMの捕集が行われる。前者については、アンモニア供給部によって排気に供給されるアンモニア又はその前駆体により、フィルタに担持された選択還元型NOx触媒でアンモニアとNOxとの選択還元反応が生じ、NOxの浄化が行われる。一方、後者については、排気中のPMがフィルタにより捕集され、外部への放出が抑制されるが、その捕集量が所定量を超えるとフィルタの機能を維持することが困難となるため、フィルタ再生処理部によりフィルタ再生処理が行われる。当該フィルタ再生処理は、燃料供給部によって供給された燃料が酸化触媒によって酸化され排気が昇温することで、下流に位置するフィルタの温度を所定のフィルタ再生温度まで上昇させて、捕集されたPMの酸化を促進させるものである。
ここで、上記排気浄化装置では、フィルタ再生処理が行われる際に、EGR装置によるEGRガス量を、フィルタ再生処理が行われない場合のEGRガス量と比べて増量した状態で、フィルタの昇温のための燃料供給部による燃料供給が、フィルタ再生処理時に酸化触媒で酸化可能な量より多い、所定量の燃料成分が供給されるように行われる。すなわち、フィルタ再生処理が行われる期間においてEGRガス量を増量することで、内燃機関からの排気中に含まれるNOx量を一時的に減少させた状態で、酸化触媒の酸化能力を超える燃料供給が行われる。酸化触媒の酸化能力を超えた所定量の燃料成分の供給が行われると、結果として、その一部の燃料成分が酸化触媒をすり抜けその下流側に位置するフィルタに送り込まれることになる。そして、フィルタに流れ込んだ燃料成分は、SCRFとしてのフィルタにおいて、NOx浄化の観点に立てば還元剤であるアンモニアが吸着することが好ましいとされる箇所に吸着することになる。この結果、フィルタでのアンモニアとのNOx還元反応が阻害されるため、フィルタによるNOx浄化率は低下するが、一方で、フィルタ再生処理の過程においてPMが燃料成分に包含されることになり、PMの酸化効率が向上する。
したがって、上記のように一時的なEGRガスの増量状態の下で、酸化触媒の酸化能力を超える燃料成分の供給を行うことで、フィルタに担持された選択還元型NOx触媒によるNOx還元浄化の低下を補償しつつ、SCRFとしてのフィルタにおける捕集PMの酸化除去、すなわちフィルタ再生処理に要する時間を短縮化することが可能となる。アンモニアの酸化抑制の観点から相対的に酸化能力の低い触媒を担持せざるを得ないSCRFにおいて、そこに捕集されたPMの酸化効率を向上し得る本発明は、従来技術では解決できなかった課題を解決するものであり、極めて有用と考えられる。なお、フィルタ再生処理時に供給される所定量の燃料成分については、フィルタに吸着される燃料成分によるPMの酸化効率が好適な状態となる量であるのが好ましい。すなわち、フィルタに吸着される燃料成分の量が少なすぎると、効率的なPMの酸化除去を図ることが困難となり、また、燃料成分の量が多すぎるとフィルタが燃料被毒した状態となりかえってPMの酸化が阻害される点を踏まえ、例えば、フィルタに捕集されたPM量に対する燃料成分の量の比率を、好適な値に設定するのが好ましい。
また、本願発明においては、SCRFに供給される燃料成分については、内燃機関の燃料でもよく、内燃機関での熱に晒されて軽質化された燃料であってもよい。そして、SCRFに供給される燃料成分の量は、酸化触媒による酸化およびSCRFでのPMの酸化に要するエネルギーを供給する観点から決定されるものである。
ここで、上記排気浄化装置において、前記フィルタ再生処理時の前記EGRガス量の増量分は、前記所定量の燃料成分が供給されることで生じる前記フィルタでのNOx浄化率の低下分に応じて設定されてもよい。上記の通り、酸化触媒を経てフィルタに吸着された燃料成分によりPMの酸化効率は向上するものの、フィルタに担持された選択還元型NOx触媒によるNOx還元反応が阻害され、それに起因してNOxの浄化率(還元率)が低下する。そこで、このNOx浄化率の低下分を補償するために、EGRガス量の増加分が設定されることで、排気浄化装置全体のNOx浄化率を好適に維持することが可能となる。また、このようにEGRガス量の増加分を設定することで、一時的なEGRガス量の増加による影響、例えば、燃焼温度の低下や燃焼時の酸素濃度の低下等に起因する影響を可及的に抑制することが可能となる。
また、上述までの排気浄化装置において、前記フィルタ再生処理部によりフィルタ再生処理が行われるとき、前記EGR装置によって前記EGRガス量が増量された状態において、前記燃料供給部は、前記酸化触媒の上流側の排気通路に設けられた燃料供給弁による排気への燃料供給と、前記内燃機関での燃焼状態を制御することで排気空燃比をリッチ化するリッチ燃焼との少なくとも何れか一方により、前記所定量の燃料成分を供給してもよい。燃料供給弁による燃料供給で燃料成分の供給を行うと、排気に供給された燃料は燃焼雰囲気に晒されたものではないため、一般的には重質な燃料成分がフィルタに吸着することになる。一方で、リッチ燃焼による燃料供給は、一般には燃焼雰囲気に晒された軽質な燃料成分がフィルタに供給されることになる。このように性質の異なる燃料成分を供給することを可能にすることで、フィルタに捕集されたPMの酸化効率や、内燃機関での燃焼条件に応じた好適な燃料成分の供給が実現できる。
例えば、前記燃料供給部は、前記リッチ燃焼により燃料成分を供給した後に前記燃料供給弁により燃料成分を供給することで、前記所定量の燃料成分の供給を行うようにしてもよい。このように燃料成分の供給を行うことで、フィルタに対して軽質な燃料成分を送り込みPMの酸化しやすい状況を形成した上で重質な燃料成分を送り込むことが可能となる。その結果、フィルタに捕集されたPMの酸化効率が向上し、フィルタ再生処理に要する時間の短縮化が期待できる。
また、燃料供給部による所定量の燃料成分の供給に関し別法として、前記燃料供給部は、前記所定量の値が、前記リッチ燃焼が行われた場合にスモークを生じ得るスモーク発生閾値を超える場合には、該リッチ燃焼による燃料成分の供給を行わず、前記燃料供給弁により燃料成分を供給してもよい。リッチ燃焼による燃料成分の供給によれば、軽質な燃料成分をフィルタに送り込むことができるため、PMの酸化効率を高めることが期待されるが、一方で内燃機関の燃焼を介した燃料成分の供給であるため、供給量が多くなるとスモークの発生が懸念される。そこで、フィルタ再生処理のために、スモークの発生が想定される燃料成分の供給量、すなわちスモーク発生閾値を超える量の燃料成分の供給を行う必要がある場合には、リッチ燃焼による燃料成分の供給を行わず、燃料供給弁による供給を行うことで、スモーク発生を抑制することが可能となる。
ここで、上述までの排気浄化装置において、前記所定量の燃料成分は、前記フィルタ再生処理部によって酸化除去される粒子状物質の捕集量が多いほど、増量されてもよい。これにより、フィルタに捕集されたPMの酸化除去を効果的に行うことができる。また、フィルタ再生処理のために供給される燃料成分の増量限度に関し、前記所定量の燃料成分は、前記フィルタ再生処理時に前記フィルタでの粒子状物質の酸化可能な量を上限として増量されてもよい。このように燃料成分の増量限度が設定されることで、過度な燃料成分の供給による影響、例えば、燃料被毒によるPMの酸化効率の低下や燃料成分の外部への放出等を抑制することができる。
また、上述までの排気浄化装置において、前記所定量の燃料成分は、前記フィルタに流れ込む排気の空燃比がリーン側の空燃比であるほど少なく設定されてもよい。これは、排気空燃比がリーン側の空燃比であるほど、フィルタには多くの酸素が供給されているため、より少ない燃料成分でPMの酸化効率を好適に維持することが可能となることによる。
本発明によれば、SCRFを有する内燃機関の排気浄化装置において、速やかなフィルタ再生処理が実現され得る。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において実行される、フィルタ再生処理制御に関する第一のフローチャートである。 図2に示すフィルタ再生処理制御で算出される燃料成分の供給量に関し、該供給量の決定過程を説明するための図である。 図2に示すフィルタ再生処理制御で算出されるEGRガスの増量分に関し、該増量分の決定過程を説明するための第一の図である。 図2に示すフィルタ再生処理制御で算出されるEGRガスの増量分に関し、該増量分の決定過程を説明するための第二の図である。 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において実行される、フィルタ再生処理制御に関する第二のフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において実行される、フィルタ再生処理制御に関する第三のフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の実施例について、本願明細書に添付された図に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関の排気系および一部の吸気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。ただし、本発明に係る内燃機関は、ディーゼルエンジンに限られるものではなく、ガソリンエンジン等であってもよい。
内燃機関1には吸気通路15および排気通路2が接続されている。吸気通路15には、エアフローメータ16及びスロットル弁17が設けられている。エアフローメータ16は内燃機関1の吸入空気量を検知する。スロットル弁17は内燃機関1の吸入空気量を調整する。
また、排気通路2には、排気中のNOxをアンモニアを還元剤として選択還元する選択還元NOx触媒(以下、単に「SCR触媒」という)が、排気中の粒子状物質(PM)を捕集するウォールフロー型のフィルタに担持されて形成されるSCRF4が設けられている。そして、SCRF4に担持されたSCR触媒おいて還元剤として作用するアンモニアを生成するために、尿素タンク8に貯留されている、アンモニアの前駆体である尿素水が、SCRF4の上流側に位置する供給弁7によって排気中に供給される。供給弁7から供給された尿素水が排気の熱で加水分解されて、アンモニアが生成され、当該アンモニアがSCRF4に担持されたSCR触媒に吸着することで、アンモニアと排気中のNOxとの還元反応が生じ、NOxの浄化が行われる。本実施例では、上記の通り供給弁7から尿素水が供給されるが、それに代えて、アンモニア又はアンモニア水を直接排気に供給してもよい。
SCRF4の下流側に、SCRF4からスリップしてくるアンモニアを酸化するための酸化触媒(以下、「ASC触媒」)5が設けられている。また、ASC触媒5は、酸化触媒と、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元するSCR触媒とを組み合わせることで構成された触媒であってもよい。この場合、例えば、酸化アルミニウム(Al)やゼオライト等を材料とする担体に白金(Pt)等の貴金属を担持させることで酸化触媒を形成し、ゼオライトを材料とする担体に銅(Cu)や鉄(Fe)等の卑金属を担持させることでSCR触媒を形成してもよい。ASC触媒5をこのような構成の触媒とすることで、排気中のHC、CO、及びアンモニアを酸化させることができ、さらに、アンモニアの一部を酸化させることでNOxを生成すると共に該生成されたNOxを、余剰のアンモニアで還元することもできる。
更に、SCRF4および供給弁7の上流側に、酸化機能を有する酸化触媒3が設けられている。そして、酸化触媒3に流れ込む排気を介して酸化触媒3に内燃機関1の燃料を供給可能な燃料供給弁6が、当該酸化触媒3の上流側に配置されている。燃料供給弁6から排気に供給された燃料は、酸化触媒3により酸化され、下流に位置するSCRF4に流れ込む排気の温度を昇温させ得る。
さらに、酸化触媒3の下流側には、酸化触媒3から流れ出る排気の温度を検出する温度センサ9が設けられ、SCRF4の上流側には、SCRF4に流れ込む排気中のNOxを検出するNOxセンサ10が設けられ、SCRF4の下流側には、SCRF4から流れ出る排気中のNOxを検出するNOxセンサ11と、その排気温度を検出する温度センサ12が設けられている。そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されており、該ECU20は内燃機関1の運転状態や排気浄化装置等を制御するユニットである。ECU20には、上述した温度センサ9、12、NOxセンサ10、11の他、エアフローメータ16、クランクポジションセンサ21及びアクセル開度センサ22が電気的に接続され、各センサの検出値がECU20に渡される。したがって、ECU20は、エアフローメータの検出値に基づく吸入空気量や、クランクポジションセンサ21の検出
に基づく機関回転数や、アクセル開度センサ22の検出に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。
なお、本実施例では、SCRF4に流れ込む排気中のNOxはNOxセンサ10によって検出可能であるが、内燃機関1から排出される排気(SCRF4に浄化される前の排気であり、すなわちSCRF4に流れ込む排気)に含まれるNOxは、内燃機関の運転状態と関連性を有することから、上記内燃機関1の運転状態に基づいて、推定することも可能である。また、ECU20は、温度センサ9もしくは酸化触媒3の上流側に設けられた温度センサ(図示せず)によって検出される排気温度に基づいて、酸化触媒3の温度を推定することが可能であり、また、温度センサ12もしくはSCRF4の上流側に設けられた温度センサ(図示せず)によって検出される排気温度に基づいて、SCRF4およびASC触媒5の温度を推定することが可能である。
そして、このように検出、推定される排気中のNOx量(NOx濃度)に応じて、ECU20は供給弁7に指示を出し、NOxの還元浄化に必要な量の尿素水が排気中に供給される。詳細には、以下の式1で決定されるSCRF4によるNOx浄化率が、所定の範囲(図4Aに示すPmin〜Pmaxの範囲)に収まるように、供給弁7からの尿素水供給が制御される。
NOx浄化率 = 1−(NOxセンサ11の検出値)/(NOxセンサ10の検出値) ・・・(式1)
なお、SCRF4が活性された状態にない場合には、供給された尿素水を用いてのNOx浄化を効果的に行えないことから、供給弁7からの尿素水供給は、推定されるSCRF4の温度が、該触媒が活性状態にある所定温度以上となっている場合に行われる。
また、排気通路2における燃料供給弁6よりも上流側には、EGR通路13の一端が接続されている。EGR通路13の他端は、吸気通路15におけるスロットル弁17よりも下流側に接続されている。また、EGR通路13にはEGR弁14が設けられている。このような構成により、内燃機関1から排出された排気の一部がEGRガスとしてEGR通路13を通して吸気通路15に導入される。これにより、EGRガスが内燃機関1に供給され、内燃機関1での燃焼温度等の制御を介して排気中のNOx量の抑制等が図られる。なお、EGR通路13を通して吸気通路15に導入されるEGRガス量は、ECU20に電気的に接続されたEGR弁14によって調整される。
このように構成される内燃機関1の排気浄化装置において、SCRF4により、排気中のNOx浄化およびPM除去が行われる。ここで、SCRF4には、捕集されたPMが徐々に堆積し、その堆積量がある程度の量を超えると、内燃機関1の運転に支障を及ぼし得る。そこで、本実施例においては、ECU20によって、SCRF4に堆積したPMを除去するためのフィルタ再生処理が実行される。本実施例に係るフィルタ再生処理は、燃料供給弁6から燃料を供給し、それによって燃料を酸化触媒3に供給することで実現される。酸化触媒3において燃料が酸化されると酸化熱が生じる。この酸化熱によってSCRF4に流入する排気が加熱され、SCRF4の温度が上昇する。フィルタ再生処理の実行時においては、燃料供給弁6からの燃料供給量を制御することで、SCRF4の温度をPMの酸化が促進される所定のフィルタ再生温度(例えば、600〜650℃)まで上昇させる。その結果、SCRF4に堆積したPMが酸化除去され、SCRF4のPM捕集能力が再生される。
本実施例では、前回のフィルタ再生処理の実行が終了してから所定時間が経過する毎にフィルタ再生処理の実行が要求されてもよく、別法として、内燃機関1を搭載した車両が所定の走行距離を走行する毎にフィルタ再生処理の実行を要求してもよい。また、SCRF4におけるPM堆積量が所定の堆積量に達する毎にフィルタ再生処理の実行を要求して
もよい。なお、SCRF4におけるPM堆積量は、内燃機関1での燃料噴射量、SCRF4に流入する排気の流量、及びSCRF4の温度等の履歴に基づいて推定することができる。そして、フィルタ再生処理の実行が要求された時に、酸化触媒3の温度が所定の活性温度以上の場合、フィルタ再生処理が実行される(即ち、燃料供給弁6からの燃料供給が実行される)。当該所定の活性温度は、燃料供給弁6から供給された燃料を酸化触媒3においてある程度酸化させることが可能な温度である。この所定の活性温度は、酸化触媒3の種類及び構成に応じて定まる温度であり、実験等に基づいて予め定められている。
ここで、SCRF4に担持されているSCR触媒は、還元反応に供するアンモニアが酸化されにくくするために、その酸化能力は非常に低く設定されている。そのため、上記の通り、SCRF4に捕集されているPMを酸化除去するために要するフィルタ再生処理に比較的長い時間を要する傾向がある。そこで、本実施例では、ECU20が、図2に示すSCRF4に捕集されたPMを酸化除去するためのフィルタ再生処理制御を実行することで、フィルタ再生処理に要する時間の短縮化と、その際の内燃機関1の排気浄化装置全体のNOx浄化率の維持が図られる。当該制御は、ECU20に格納された制御プログラムが実行することで、行われる。
先ず、S101では、フィルタ再生処理を実行するための条件が成立しているか否かが判定される。例えば、上記の通り、前回のフィルタ再生処理の実行が終了してから所定時間が経過したことをもって、当該条件が成立していると判断することができる。S101で肯定判定されるとS102へ進み、否定判定されると再びS101の処理が行われる。なお、その他のフィルタ再生処理の実行条件については、内燃機関1を搭載した車両が所定の走行距離を走行した場合や、内燃機関1の運転履歴(燃料噴射量、排気流量、SCRF4の温度等の履歴)から推定されるSCRF4でのPM堆積量が所定の堆積量に達した場合に、当該条件が成立したと判定してもよい。
次に、S102では、フィルタ再生処理において、SCRF4における捕集PMを酸化除去するために要する、燃料供給弁6からの燃料成分の供給量X0が算出される。ここで、図3に基づいて、燃料成分の供給量の算出について説明する。上記の通り、SCRF4に捕集されたPMを酸化除去するためには、SCRF4に流入する排気の温度を昇温させて、SCRF4の温度をPM酸化が促進される所定のフィルタ再生温度にまで上昇させる必要がある。しかしながら、本願発明者は、SCRF4でのPM酸化において、単にSCRF4の温度を上昇させるのではなく、SCRF4に捕集されているPMを所定量の燃料成分と併存させた状態でSCRF4の温度を上昇させた方が、フィルタ再生処理に要する時間を短縮化できることに着目した。これは、SCRF4に吸着された燃料成分がPMに対してある程度存在することで、PMが効率的に酸化されることによるものと考えられる。なお、本実施例では、このようにフィルタ再生処理時にSCRF4においてPMと併存する燃料成分を、「併存燃料」と称する。
そこで、S102においては、燃料成分の供給量X0は、フィルタ再生処理が行われる時点において酸化触媒3により酸化可能な燃料成分量X1を、量X2超える量として算出される(図3を参照)。すなわち、量X1の燃料成分は、酸化触媒3によって酸化されることで排気温度を上昇させるものと想定される燃料成分であり、本実施例では、「排気昇温燃料」と称する。供給量X0の燃料成分のうち排気昇温燃料の量X1を超える、量X2の燃料成分は、酸化触媒3によって酸化されないため、酸化触媒3をすり抜けてその下流に位置するSCRF4に流れ込み、PM酸化の促進に供される併存燃料となるものと想定される。
より詳細には、排気昇温燃料の量X1は、温度センサ9の検出値に基づいて推定される酸化触媒3の温度に基づいて設定される。一般には、酸化触媒3の温度が活性温度に到達
していれば、酸化触媒3の温度が高いほど、排気昇温燃料の量X1は大きくなる。一方で、併存燃料の量X2は、SCRF4に捕集されているPMの酸化除去に応じた量とされる。なお、本願発明者は、SCRF4に捕集されているPM量に対して所定割合の燃料成分が、併存燃料として供給されたときに、捕集PMが特に効率的に酸化除去されることを見出した。そこで、本実施例では、SCRF4に関して当該所定割合を事前の実験等で決定しておき、フィルタ再生処理制御が行われる時点でSCRF4に捕集されているPM量と、この所定割合とに基づいて、併存燃料の量X2を算出するようにする。
なお、当該併存燃料の量X2の算出にあたっては、SCRF4で酸化可能な燃料成分の量が上限値として設定されている。これは、SCRF4で酸化可能な量を超える燃料成分が併存燃料としてSCRF4に供給されると、SCRF4に担持されているSCR触媒が燃料被毒し、NOxの浄化率が著しく低下するとともに、併存燃料自身も十分に酸化されず、かえってPMの酸化除去が効果的に行われなくなるからである。そこで、具体的には、温度センサ12の検出値に基づいて推定されるSCRF4の温度に従って、SCRF4の酸化能力に応じた上限値X3が設定される(図3を参照)。そして、上記の通り捕集PM量と所定割合に基づいて算出された併存燃料の量X2が、当該上限値を超えない場合には、その算出量が最終的な併存燃料の量とされ、一方で、算出された併存燃料の量X2が当該上限値を超えた場合には、その上限値の量(X3)が最終的な併存燃料の量とされる。
S102の処理が終了すると、S103へ進む。S103では、フィルタ再生処理時におけるEGRガス量を、フィルタ再生処理を行っていないとき(非フィルタ再生処理時)のEGRガス量より増量すべく、その増量分ΔYが算出される。上述したように、本実施例では、捕集されたPMの燃焼を促進させるためにSCRF4に併存燃料が送り込まれる。このとき、SCRF4に到達した併存燃料は、本来であればNOx還元のためにアンモニアが吸着するSCR触媒のサイト上に吸着することになる。その結果、PMの酸化効率を向上させる一方で、図4Aに示すようにSCRF4によるNOx浄化能を低下させることになる。図4Aにおいては、低下したSCRF4のNOx浄化率(NOx浄化能に相当)はΔPで表わされ、低下後のNOx浄化率はP1となり、排気浄化装置としてあるべきNOx浄化率の範囲(Pmin〜Pmax)から逸脱した状態となる。そこで、このNOx浄化率の低下分ΔPを補償するために、EGRガスの増量分ΔYがS103で算出されることになる。
具体的には、併存燃料の量X2が多くなるほど、SCRF4によるNOx浄化率の低下分ΔPが大きくなると考えられることから、図4Bに示すように、併存燃料X2が多くなるほどEGRガスの増量分ΔYを多くする。これにより、内燃機関1の燃焼に供されるEGRガス量が、非フィルタ再生処理時の量よりも増量されて、排気中のNOx量を低減することができる。このEGRガスの増量によるNOx量低減が、上述した併存燃料によるNOx浄化率の低下を補償することとなる。なお、一般に、EGRガス量は、内燃機関1の機関負荷や機関回転速度等の運転状態に基づいて、燃焼に適した量のEGRガスが供給される。そのため、上記のようにNOx浄化能の補償のためにEGRガス量を増加させた場合、その影響が少なからず現れる可能性がある。しかし、当該EGRガスの増量はフィルタ再生処理中に一時的に行われるものであるから、当該影響の及ぶ範囲を可及的に小さくすることができる。また、仮にNOx浄化能の補償のためのEGRガスの増量が内燃機関1の運転状態に好ましくない影響を与え得る場合には、許容し得る影響の範囲において最大限のEGRガスの増量を行えばよい。
S103の処理が終了すると、S104へ進む。S104では、S102で算出された供給量X0(X1+X2)の燃料成分の供給を行うべく、燃料供給弁6からの燃料供給を行うとともに、S103で算出された増量分ΔYのEGRガスの増量を行うべく、EGR
弁14の開度調整を行うことで、本実施例におけるフィルタ再生処理が実行される。そして、S105では、そのフィルタ再生処理の終了タイミングか否かが判定される。具体的には、フィルタ再生処理が開始されてからの経過時間や、温度センサ12で検出される排気温度推移等に基づいて、フィルタ再生処理の終了タイミングが判定される。S105で肯定判定されると、S106へ進み、否定判定されると再度S105の判定が行われる。
S106では、S104で実行開始されたフィルタ再生処理のための、燃料供給弁6からの燃料供給とEGRガスの増量が中止される。これにより、内燃機関1におけるEGRガス量は、非フィルタ再生処理時の内燃機関1の運転状態に応じた量に戻されることになる。S106の処理が終了すると、再び本制御が繰り返される。
本制御によれば、SCRF4に併存燃料として積極的に燃料成分を供給することで、SCRF4に捕集されたPMを効率的に燃焼するとともに、併存燃料に起因するSCRF4によるNOx浄化能の低下を、EGRガスの一時的な増量で補償することで、排気浄化装置全体としてのNOx浄化能を好適に維持することを可能とする。したがって、排気浄化装置によるNOx浄化能を悪化させることなく、SCRF4のフィルタ再生処理に要する時間を短縮化することが可能となる。
ここで、本願発明者は、本実施例に関する以下の実験を行い、その効果を確認した。
(1)実験方法
βゼオライトを担持して形成されるSCRFにカーボンブラックを均等に充填した後に、フィルタ再生処理を想定してSCRFに流れ込む排気温度を150℃から800℃に上昇させる。このとき、本実施例に係るSCRFでは、排気温度上昇前に下記に示す燃料成分の供給を行い、比較例に係るSCRFでは、排気温度上昇前の燃料成分の供給は行わない。
Figure 0005983438
(2)結果
SCRFにおける酸化除去されたPM量は、SCRFから流れ出る排気に含まれる二酸化炭素および一酸化炭素の量から算出した。したがって、排気に本来的に含まれている二酸化炭素等の影響が下記の実施例1と比較例1の実験結果には含まれているが、両者を比べるにあったては、支障はないと考えられる。
Figure 0005983438
この結果、本実施例のようにSCRFに対して併存燃料を供給した状態で排気温度を上昇させることで、PMの酸化除去が効率的に行われることが理解できる。これは、フィルタ再生処理に要する時間の短縮化に資するものである。また、SCRFに併存燃料を供給することに起因して、SCRFのNOx浄化能が低下することになるが、このNOx浄化能の低下を、EGRガスを一時的に増量することで補償可能であることを、本願発明者は実験で確認している。
<変形例>
上記のフィルタ再生処理制御において、S102で燃料成分の供給量X0を算出するにあたり、SCRF4に流れ込む排気の空燃比を考慮して、供給量X0を補正してもよい。一般には、排気中の酸素量が増えれば、SCRF4に捕集されているPMの酸化効率は良くなると考えられる。そこで、SCRF4に流れ込む排気空燃比がリーン側の空燃比になるほど、燃料成分の供給量X0を減らすように補正してもよい。このようにすることで、フィルタ再生処理に消費される燃料成分の量を抑制することができる。
上記実施例1では、SCRF4への燃料成分の供給に関しては、燃料供給弁6を介して行われたが、それに代えて、もしくはそれとともに、内燃機関1から排出される排気の空燃比がリッチ側の空燃比となるように燃焼条件を変更してリッチ燃焼を行うことで、排気中により多くの燃料成分(SOF)を含ませ、SCRF4に併存燃料としての燃料成分を届けるようにしてもよい。リッチ燃焼の一例としては、内燃機関1における燃料噴射時期を遅角化することが挙げられる。
以上を踏まえ、本実施例では、燃料供給弁6を介した燃料成分の供給と、内燃機関1でのリッチ燃焼を介した燃料成分の供給を行うフィルタ再生処理制御について、図5に基づいて説明する。なお、図5に示すフィルタ再生処理制御において行われる処理のうち、図2に示すフィルタ再生処理制御において行われる処理と同一の処理については、同じ参照番号を付すことでその詳細な説明は省略する。
図5に示す制御では、S103の処理が終了すると、S201へ進む。S201では、S103で算出されたEGRガスの増量分ΔYに従い、EGRガスの増量が実行される。そして、このようにEGRガスの増量が行われた状態において、以降のS202およびS203の処理が行われる。先ず、S202では、リッチ燃焼による燃料成分の供給が行われる。リッチ燃焼によって供給される燃料成分は、内燃機関1での燃焼環境に晒されているため、比較的軽質な燃料成分となる。したがって、酸化触媒3をすり抜けてSCRF4に到達する、リッチ燃焼による燃料成分は、SCRF4の内部に入り込みやすく、捕集されたPMを内部から酸化除去するのに資するものと考えられる。
そして、S202の後に行われるS203では、燃料供給弁6による燃料成分の供給が行われる。燃料供給弁6によって供給される燃料成分は、内燃機関1での燃焼環境に晒されていないため、比較的重質な燃料成分となる。したがって、先のS202でSCRF4の内部に到達した軽質な燃料成分とともに捕集されたPMが、重質な燃料成分に包まれ、軽質な燃料成分によって酸化されつつあるPMを、重質な燃料成分で速やかに酸化除去することが期待できる。S203の処理が終了すると、S105以降の処理が行われることになる。
これらのS202およびS203の処理は、S201においてEGRガスが増量された状態で行われるため、SCRF4に併存燃料としての燃料成分が到達しても、排気浄化装置としてのNOx浄化率は好適に維持される。なお、S202での燃料成分の供給量とS203での燃料成分の供給量は、SCRF4に供給される燃料成分の量が、S102で算出された供給量X0のうち併存燃料の量X2(図3を参照のこと)となるように、適宜調整されればよい。特に、リッチ燃焼により燃料成分を供給する場合、内燃機関1での燃焼条件を変更する必要があるため、燃焼条件次第では、十分な燃料成分を供給することが困難となる場合がある。そのような場合には、相対的に、リッチ燃焼により供給される燃料成分の量を減量すればよい。
上記実施例2では、フィルタ再生処理制御において、燃料供給弁6を介した燃料成分の供給と、内燃機関1でのリッチ燃焼を介した燃料成分の供給がともに行われたが、本実施例では、フィルタ再生処理時のスモーク抑制の観点から、燃料供給弁6を介した燃料成分の供給と、内燃機関1でのリッチ燃焼を介した燃料成分の供給を選択的に行うフィルタ再生処理制御について、図6に基づいて説明する。なお、図6に示すフィルタ再生処理制御において行われる処理のうち、図2に示すフィルタ再生処理制御において行われる処理と同一の処理については、同じ参照番号を付すことでその詳細な説明は省略する。
図6に示す制御では、S103の処理が終了すると、S301へ進む。S301では、上記S201と同じように、S103で算出されたEGRガスの増量分ΔYに従い、EGRガスの増量が実行される。そして、このようにEGRガスの増量が行われた状態において、以降のS302〜S304の処理が行われる。そして、S302では、S102で算出された燃料成分の供給量X0が、スモーク発生の基準量であるXsmkより多いか否かが判定される。リッチ燃焼による燃料成分の供給を行う場合、その供給量が多くなり過ぎるとスモークが発生する可能性がある。そこで、内燃機関1においてスモークが発生する可能性のある燃料成分の供給量の閾値を、事前に実験等で算出しておき、基準量Xsmkとして設定しておく。S302において肯定判定されるとS303へ進み、否定判定されるとS304へ進む。そして、S303に進んだ場合には、燃料供給弁6によって、供給量X0の燃料成分が供給される。また、S304に進んだ場合には、内燃機関1でのリッチ燃焼によって、供給量X0の燃料成分が供給される。S303又はS304が終了すると、S105以降の処理が行われる。
本制御によれば、S303およびS304の処理は、S301においてEGRガスが増量された状態で行われるため、SCRF4に併存燃料としての燃料成分が到達しても、排気浄化装置としてのNOx浄化率は好適に維持される。そして、その際にスモークの発生を考慮して、燃料供給弁6による燃料成分の供給、又はリッチ燃焼による燃料成分の供給の何れかが行われることで、スモークの発生を抑制しながら速やかなPMの酸化除去が実現されることになる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 酸化触媒
4 選択還元型NOx触媒(SCR触媒)
5 ASC触媒
6 燃料供給弁
7 供給弁
9、12 温度センサ
10、11 NOxセンサ
13 EGR通路
14 EGR弁
20 ECU
21 クランクポジションセンサ
22 アクセル開度センサ

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化機能を有する酸化触媒と、
    前記酸化触媒に対して、該酸化触媒に流れ込む排気を介して燃料成分を供給する燃料供給部と、
    前記酸化触媒より下流側の排気通路に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒が担持されたフィルタと、
    前記フィルタに対して、該フィルタに流れ込む排気を介してアンモニア又はアンモニアの前駆体を供給するアンモニア供給部と、
    前記内燃機関からの排気の一部を吸気系に再循環するEGR装置と、
    前記燃料供給部によって前記酸化触媒に燃料が供給されることで、前記フィルタの温度を捕集された粒子状物質の酸化が促進される所定のフィルタ再生温度まで昇温させて、該粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理を行うフィルタ再生処理部と、を備え、
    前記フィルタ再生処理部によりフィルタ再生処理が行われるとき、前記EGR装置によって吸気系に再循環されるEGRガス量を、該フィルタ再生処理が行われない場合のEGRガス量と比べて増量した状態で、前記燃料供給部は、該フィルタ再生処理時に前記酸化触媒で酸化可能な量より多い所定量の燃料成分を供給する、
    内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記フィルタ再生処理時の前記EGRガス量の増量分は、前記所定量の燃料成分が供給されることで生じる前記フィルタでのNOx浄化率の低下分に応じて設定される、
    請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記フィルタ再生処理部によりフィルタ再生処理が行われるとき、前記EGR装置によって前記EGRガス量が増量された状態において、前記燃料供給部は、前記酸化触媒の上流側の排気通路に設けられた燃料供給弁による排気への燃料供給と、前記内燃機関での燃焼状態を制御することで排気空燃比をリッチ化するリッチ燃焼との少なくとも何れか一方により、前記所定量の燃料成分を供給する、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記燃料供給部は、前記リッチ燃焼により燃料成分を供給した後に前記燃料供給弁により燃料成分を供給することで、前記所定量の燃料成分の供給を行う、
    請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記燃料供給部は、前記所定量の値が、前記リッチ燃焼が行われた場合にスモークを生じ得るスモーク発生閾値を超える場合には、該リッチ燃焼による燃料成分の供給を行わず、前記燃料供給弁により燃料成分を供給する、
    請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記所定量の燃料成分は、前記フィルタ再生処理部によって酸化除去される粒子状物質の捕集量が多いほど、増量される、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記所定量の燃料成分は、前記フィルタ再生処理時に前記フィルタでの粒子状物質の酸化可能な量を上限として増量される、
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記所定量の燃料成分は、前記フィルタに流れ込む排気の空燃比がリーン側の空燃比であるほど少なく設定される、
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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