JP5981957B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、雪氷路性能、とりわけ雪路でのブレーキ性能とABSブレーキ性能とをバランス良く向上させた空気入りタイヤに関する。
トレッド部のセンター陸部に、タイヤ軸方向にのびる複数本のラグ溝を具えた空気入りタイヤが知られている。この空気入りタイヤは、ラグ溝により、大きな雪柱せん断力を得、優れた雪路性能を発揮する。
この空気入りタイヤに関し、例えば、雪路でのブレーキ性能を向上するために、ラグ溝の容積を大きくし、雪柱せん断力をさらに高めることが提案されている。しかしながら、この手法では、センター陸部の剛性が小さくなる。
図6には、縦軸に摩擦係数、横軸にスリップ率をとった摩擦係数とスリップ率との関係を示すグラフが示されている。図6のグラフにおいて、トレッド部のセンター陸部の剛性の大きいタイヤが実線で、剛性の小さいタイヤが破線で示されている。センター陸部の剛性が小さいタイヤは、剛性が大きいタイヤよりも、ABSブレーキ作動の実用域であるスリップ率20〜30%における摩擦係数が低い。このため、センター陸部の剛性が小さいタイヤは、剛性の大きいタイヤに比して、車輪速度が車体速度に追従し難い。これにより、センター陸部の剛性が小さいタイヤは、剛性が大きいタイヤに比して、車輪速度の回復(即ち、スリップ率の低下)が遅く、ABSが解除される時間が長くなるため、制動距離がのびる。従って、センター陸部の剛性が小さいタイヤは、剛性が大きいタイヤに比して、ABS作動時のブレーキ性能が悪化するという問題があった。関連する技術として次のものがある。
特開2009−269500号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、センター陸部に設けられているセンターラグ溝を改善することを基本として雪氷路性能、とりわけ雪路でのブレーキ性能と、ABS作動時のブレーキ性能(以下、「ABSブレーキ性能」ということがある。)とをバランス良く向上させた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部に、タイヤ赤道の両側をタイヤ周方向に連続してのびる1対のセンター主溝が設けられることにより、前記センター主溝間で区分されたセンター陸部を具え、かつ、回転方向が指定された空気入りタイヤであって、前記センター陸部には、タイヤ赤道上をタイヤ周方向に連続してのびる1本のセンター細溝と、前記センター主溝から前記センター細溝を越えてのびかつ前記センター陸部内に位置する終端を有する複数本のセンターラグ溝とが設けられ、前記センターラグ溝は、前記センター主溝と前記センター細溝との間をのび、タイヤ軸方向内側に向かって前記回転方向の先着側に傾斜しかつタイヤ軸方向に対する角度が20〜40°である主部と、前記センター細溝から前記終端までのび、前記主部とは逆向きに傾斜しかつタイヤ軸方向に対する角度が20〜40°である副部とを有し、前記センターラグ溝の前記センター主溝との連通位置での溝深さは、前記主部のタイヤ軸方向の内端での溝深さ、及び、前記センターラグ溝の前記終端での溝深さよりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記センター陸部には、サイピングが設けられているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記センターラグ溝の溝幅が、前記センター細溝の溝幅の0.85〜1.15倍であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記主部の溝深さが、前記センターラグ溝の前記連通位置からタイヤ赤道に向かって漸減しているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記副部の溝深さが、前記センター細溝の溝深さの0.85〜1.15倍であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤのセンター陸部には、タイヤ赤道上をタイヤ周方向に連続してのびる1本のセンター細溝と、センター主溝からセンター細溝を越えてのびかつセンター陸部内に位置する終端を有する複数本のセンターラグ溝とが設けられている。
センターラグ溝は、センター主溝とセンター細溝との間をのび、タイヤ軸方向内側に向かって回転方向の先着側に傾斜しかつタイヤ軸方向に対する角度が20〜40°である主部と、センター細溝から終端までのび、主部とは逆向きに傾斜しかつタイヤ軸方向に対する角度が20〜40°である副部とを有している。このようなセンターラグ溝は、大きな接地圧が作用するセンター陸部において、タイヤ軸方向にのびる大きくかつ強固な雪柱を形成できる。また、主部と副部とが逆向きに傾斜しているため、走行時、主部及び副部に形成される雪柱に作用する横方向の力が相殺される。主部は、タイヤ軸方向内側に向かって回転方向の先着側に傾斜しているため、主部内の雪がセンター主溝へタイヤの回転の力を利用してスムーズに排出される。他方、制動時には、強固な雪柱が形成される。このため、特に、雪路でのブレーキ性能が向上する。
センターラグ溝のセンター主溝との連通位置での溝深さは、主部のタイヤ軸方向の内端での溝深さ、及び、センターラグ溝の終端での溝深さよりも大きい。これにより、雪路でのブレーキ性能に大きく寄与するセンター陸部のタイヤ赤道近傍の剛性が高められる。このため、雪路でのブレーキ性能がさらに向上する。
また、センター陸部のタイヤ赤道近傍の剛性が高められるため、センター陸部のタイヤ赤道近傍のせん断変形が抑制される。これにより、タイヤの摩擦係数が大きくなり、ABSを作動させたブレーキ時に、車輪速度の回復が早められる。従って、ABSブレーキ性能が向上する。
本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。 図1のA−A断面図である。 図1のセンターブロックの拡大図である。 図3のB−B断面図である。 比較例の実施形態を示すトレッド部の展開図である。 摩擦係数とスリップ率との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、例えば冬用タイヤとして好適に利用され、タイヤの回転方向Rが指定された線対称のトレッドパターンを具えている。タイヤの回転方向Rは、例えばサイドウォール部(図示せず)に、文字等で表示されている。
本実施形態のタイヤのトレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる1対のセンター主溝3、3及び1対のショルダー主溝4、4が設けられている。1対のセンター主溝3、3は、タイヤ赤道Cの両側に配されている。ショルダー主溝4は、センター主溝3のタイヤ軸方向外側に配されている。これにより、本実施形態のトレッド部2は、センター主溝3、3間で区分される1本のセンター陸部5、センター主溝3とショルダー主溝4とで区分される1対のミドル陸部6、6及びショルダー主溝4と接地端Teとで区分される1対のショルダー陸部7、7を具えている。
「接地端」Teは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0°で平面に接地させた正規荷重負荷状態のときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。正規状態において、接地端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、この正規状態で測定された値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"である。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。タイヤが乗用車用である場合、正規荷重は、前記荷重の88%に相当する荷重である。
本実施形態のセンター主溝3は、ジグザグ状にのびている。このようなセンター主溝3は、タイヤ軸方向成分を有するため、雪柱せん断力を発揮する。また、センター主溝3は、タイヤ軸方向のエッジ成分を有する。従って、雪路や氷路でのブレーキ性能が向上する。
本実施形態のショルダー主溝4は、タイヤ周方向に沿って直線状にのびている。このようなショルダー主溝4は、ミドル陸部6及びショルダー陸部7のショルダー主溝4近傍のタイヤ周方向の剛性を高く確保する。
各主溝3、4のタイヤ軸方向の溝幅W1、W2及び溝深さD1、D2(図2に示す)については、慣例に従って種々定めることができる。しかしながら、これらの溝幅又は溝深さが小さくなると、雪路性能が悪化するおそれがある。逆に、これらの溝幅又は溝深さが大きくなると、各陸部5乃至7の剛性が低下し氷路性能が悪化するおそれがある。このため、各主溝3、4の溝幅W1、W2は、例えば、トレッド接地幅TWの2%〜8%が望ましい。各主溝3、4の溝深さD1、D2は、例えば、8.0〜14.0mmが望ましい。
図3には、センター陸部5の拡大図が示される。図3に示されるように、センター陸部5には、1本のセンター細溝8と、複数本のセンターラグ溝9とが設けられている。
センター細溝8は、タイヤ赤道C上をタイヤ周方向に連続してのびている。これにより、センター陸部5は、センター細溝8よりもタイヤ軸方向の一方側(図3では右側)の第1陸部5Aと、センター細溝8よりもタイヤ軸方向の他方側(図3では左側)の第2陸部5Bとに区分されている。
本実施形態のセンター細溝8は、ジグザグ状にのびている。センター細溝8は、回転方向Rに向かってタイヤ軸方向の一方側(図3では、右側)に傾斜する第1部分8aと、第1部分8a、8a間を継ぎ、かつ第1部分8aとは逆向きに傾斜する第2部分8bとを含んでいる。このようなセンター細溝8は、タイヤ軸方向のエッジ成分を有し、氷路性能を向上し得る。
本実施形態の第1部分8a及び第2部分8bは、タイヤ周方向に対する角度α1a、α1b及びタイヤ周方向の長さL1a、L1bがそれぞれ同一である。これにより、センター陸部5のタイヤ周方向及びタイヤ軸方向の剛性がバランス良く確保される。
上述の作用を効果的に発揮させるために、第1部分8a及び第2部分8bの角度α1a、α1bは、好ましくは3〜10°である。また、第1部分8a及び第2部分8bのタイヤ周方向の長さL1a、L1bは、好ましくはトレッド接地幅TW(図1に示す)の5%〜11%である。
センター陸部5のタイヤ赤道C近傍の剛性を高く確保して、雪路でのブレーキ性能及びABSブレーキ性能を向上させる観点より、センター細溝8の溝幅W3(溝の長手方向に対して直角方向に測定されるもので、以下、他の溝についても同様とする。)は、好ましくはトレッド接地幅TWの0.5%〜1.5%である。センター細溝8の溝深さD3(図2に示す)は、好ましくはセンター主溝3の溝深さD1の20%〜50%である。
本実施形態では、センター細溝8とセンター主溝3とのジグザグの形状が異なっている。これにより、第1陸部5A及び第2陸部5Bは、タイヤ周方向に沿って、タイヤ軸方向長さが異なる。第1陸部5A及び第2陸部5Bのタイヤ軸方向の最大長さL2は、好ましくはトレッド接地幅TWの5%〜10%である。前記最大長さL2がトレッド接地幅TWの5%未満の場合、各陸部5A、5Bのタイヤ軸方向の剛性が小さくなり、雪路でのブレーキ性能や氷路でのABSブレーキ性能が悪化するおそれがある。前記最大長さL2がトレッド接地幅TWの10%を超える場合、ミドル陸部6又はショルダー陸部7のタイヤ軸方向の剛性が小さくなり、氷路での旋回性能が悪化するおそれがある。
同様の観点より、第1陸部5A及び第2陸部5Bのタイヤ軸方向の最小長さL3は、好ましくはトレッド接地幅TWの3%〜8%である。
センターラグ溝9は、センター主溝3からセンター細溝8を越えてのび、かつ、センター陸部5内に位置する終端10を有している。このようなセンターラグ溝9は、大きな接地圧が作用するセンター陸部において、タイヤ赤道Cを跨いでタイヤ軸方向に大きくのびる強固な雪柱を形成できる。従って、雪路でのブレーキ性能が向上する。
センターラグ溝9は、第1陸部5Aに位置する終端10aを有する第1のセンターラグ溝9Aと、第2陸部5Bに位置する終端10bを有する第2のセンターラグ溝9Bとを含んでいる。本実施形態では、第1のセンターラグ溝9Aと第2のセンターラグ溝9Bとは、タイヤ周方向に交互に設けられている。これにより、センターラグ溝9のタイヤ周方向のエッジ成分が、バランス良く確保され、氷路性能が向上する。
センターラグ溝9は、センター主溝3とセンター細溝8との間をのびる主部11と、センター細溝8から終端10までのびる副部12とを有している。
主部11は、タイヤ軸方向内側に向かって回転方向Rの先着側に傾斜している。これにより、タイヤの回転の力を利用して主部11内の雪がセンター主溝3へスムーズに排出される。他方、制動時には、強固な雪柱が形成される。従って、エッジ効果と雪柱せん断力が効果的に高められ、雪路性能が向上する。
主部11は、センター細溝8のジグザグの主部11側の頂点8cに連通している。これにより、センター陸部5のタイヤ赤道C近傍の剛性が大きく確保される。また、主部11の軸方向長さを短くでき、剛性を高めつつ、排雪効果をさらに高めることができる。このため、雪路でのブレーキ性能及びABSブレーキ性能が向上する。
主部11のタイヤ軸方向に対する角度α2は、20〜40°である。主部11の角度α2が20°未満の場合、タイヤの回転の力を効果的に利用できず、主部11内の雪をスムーズに排出できない。主部11の角度α2が40°を超える場合、タイヤ軸方向のエッジ効果が小さくなり、氷路性能が悪化する。また、タイヤ軸方向成分が小さくなり、雪柱せん断力が発揮されず、雪路性能が悪化する。このため、主部11の角度α2は、好ましくは25〜35°である。
副部12は、主部11とは逆向きに傾斜している。このため、走行時、主部11及び副部12に形成される雪柱に作用する横方向の力が相殺される。従って、雪路でのブレーキ性能が向上する。
副部12は、センター細溝8のジグザグの頂点8cに連通している。これにより、第1陸部5A及び第2陸部5Bのタイヤ赤道C近傍の剛性が大きく確保される。このため、雪路でのブレーキ性能及びABSブレーキ性能が、さらに向上する。
副部12のタイヤ軸方向に対する角度α3は、20〜40°である。このような副部12は、タイヤ周方向成分及びタイヤ軸方向成分をバランス良く有している。従って、氷路性能及び雪路性能がバランス良く向上する。
副部12の角度α3は、主部11の角度α2と同じであるのが望ましい。これにより、主部11及び副部12に形成される雪柱に作用する横方向の力が効果的に相殺される。
センターラグ溝9の終端10とセンター主溝3とのタイヤ軸方向の距離L4は、好ましくは第1陸部5A又は第2陸部5Bのタイヤ軸方向の最大長さL2の10%〜40%である。即ち、距離L4が第1陸部5Aの最大長さL2の10%未満の場合、センター陸部5の剛性が小さくなり、ABSブレーキ性能が悪化するおそれがある。距離L4が第1陸部5Aの最大長さL2の40%を超える場合、センターラグ溝9に形成される雪柱の長さが小さくなり、雪路性能が悪化するおそれがある。
センターラグ溝9の溝幅(主部11及び副部12の溝面積を溝中心線の長さで除した平均の溝幅である。)W4は、センター細溝8の溝幅W3の0.85〜1.15倍であるのが望ましい。センターラグ溝9の溝幅W4がセンター細溝8の溝幅W3の0.85倍未満の場合、雪柱せん断力が小さくなり、雪路性能が悪化するおそれがある。センターラグ溝9の溝幅W4がセンター細溝8の溝幅W3の1.15倍を超える場合、センター陸部5の剛性が小さくなり、氷路性能が悪化するおそれがある。このような観点より、センターラグ溝9の溝幅W4は、より好ましくはセンター細溝8の溝幅W3の0.95〜1.05倍、さらに好ましくはセンター細溝8の溝幅W3と同じである。
上述の作用を効果的に発揮させるため、センターラグ溝9の溝幅W4は、センターラグ溝9の1ピッチPの6%〜10%が望ましい。
センターラグ溝9の溝幅W4は、主部11において、タイヤ軸方向外側に向かって漸増している。また、センターラグ溝9の溝幅W4は、副部12において、一定である。これにより、センター陸部5のタイヤ赤道C近傍の剛性が大きく確保されるとともに、センター主溝3にセンターラグ溝9内の雪をスムーズに排出し得る。
図4には、図3のB−B断面が示される。図4に示されるように、センターラグ溝9のセンター主溝3との連通位置9eでの溝深さD4bは、主部11のタイヤ軸方向の内端での溝深さD5a及びセンターラグ溝9の終端10での溝深さD4aよりも大きい。これにより、雪路でのブレーキ性能に大きく寄与するセンター陸部5のタイヤ赤道C近傍の剛性が高められる。このため、雪路でのブレーキ性能がさらに向上する。
センターラグ溝9の前記連通位置9eでの溝深さD4bが、主部11の内端での溝深さD5a及びセンターラグ溝9の終端10での溝深さD4aよりも過度に大きい場合、センター陸部5のタイヤ軸方向外側の剛性が低下し、氷路性能が悪化するおそれがある。このため、センターラグ溝9の前記連通位置9eでの溝深さD4bは、好ましくは主部11の内端での溝深さD5a及びセンターラグ溝9の終端10での溝深さD4aの2.0〜2.5倍である。
本実施形態では、主部11の溝深さD5は、センターラグ溝9の前記連通位置9eからタイヤ赤道Cに向かって漸減している。これにより、センター主溝3へ主部11内の雪がスムーズに排出される。また、雪路でのブレーキ性能に大きく寄与するセンター陸部5のタイヤ赤道C近傍の剛性が高められる。このため、雪路でのブレーキ性能がさらに向上する。上述の作用を効果的に高めるため、主部11の溝深さD5は、前記連通位置9eから主部11の内端11iまで漸減しているのが望ましい。
主部11の最大深さD5b(図4では、センターラグ溝9の前記連通位置9eでの溝深さD4bと同じ)は、好ましくはセンター主溝3の溝深さD1の70%〜100%である。
副部12の溝深さD6は、センター細溝8の溝深さD3の0.85〜1.15倍であるのが望ましい。副部12の溝深さD6がセンター細溝8の溝深さD3の0.85倍未満である場合、雪柱せん断力が小さくなるおそれがある。副部12の溝深さD6がセンター細溝8の溝深さD3の1.15倍を超える場合、センター陸部5の剛性が小さくなるおそれがある。このような観点より、副部12の溝深さD6は、より好ましくはセンター細溝8の溝深さD3の0.9〜1.1倍であり、さらに好ましくはセンター細溝8の溝深さD3と同じである。
副部12の溝深さD6は、本実施形態では、副部12の長手方向に沿って一定である。このような副部12は、センター陸部5の剛性を、さらに高く維持する。
図3に示されるように、センター陸部5には、複数本のサイピング13が設けられている。本実施形態でのサイピング13は、センター細溝8とセンター主溝3との間を継ぐオープンタイプである。サイピング13は、ジグザグ状にのびている。このようなサイピング13は、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向のエッジ成分を有する。従って、氷路性能が向上する。なお、センター陸部5に設けられたサイピング13は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、セミオープンタイプやクローズドタイプのものでも良い。
本実施形態のサイピング13は、主部11及び副部12と同じ向きに傾斜している。これにより、センター陸部5の剛性が高く確保される。このような作用をより効果的に発揮させるため、サイピング13のタイヤ軸方向に対する角度α4は、主部11及び副部12の角度α2、α3と同じであるのが望ましい。なお、本実施形態のサイピング13の角度α4は、ジグザグの振幅の中心を通る仮想直線13eで特定される。
図1に示されるように、ミドル陸部6には、センター主溝3とショルダー主溝4との間を継ぐ複数本のミドル横溝15が設けられている。これにより、ミドル陸部6は、ミドル横溝15、15間で区分される複数のミドルブロック6Aがタイヤ周方向に設けられたブロック列として形成されている。
ミドル横溝15は、センター主溝3からショルダー主溝4に向かって、回転方向Rの後着側に傾斜してのびる。このようなミドル横溝15は、ショルダー主溝4へタイヤの回転を利用して溝内の雪をスムーズに排出する。従って、さらに雪路性能が向上する。
ミドル横溝15の溝幅W7及び溝深さD7は、好ましくは10.0〜12.0mmである。溝深さD7(図2に示す)は、好ましくはセンター主溝3の溝深さD1の80%〜120%である。これにより、ミドルブロック6Aの剛性を確保しつつ、ミドル横溝15によって形成される雪柱を大きく確保できる。
ミドルブロック6Aには、一端がミドル横溝15に連通し、他端がミドルブロック6A内で終端するミドル縦細溝16と、ミドルサイピング17とが設けられる。
ミドル縦細溝16は、タイヤ周方向に対して傾斜している。このため、ミドル縦細溝16は、タイヤ軸方向成分を有する。従って、雪路でのトラクション性能がさらに向上する。
ミドルブロック6Aの剛性を確保しつつ、ミドル縦細溝16内の雪柱を大きく確保する観点より、ミドル縦細溝16の溝幅W8は、好ましくは3.0〜4.5mmである。ミドル縦細溝16の溝深さD8は、6〜12mmである。
ミドルサイピング17は、両端がセンター主溝3、ショルダー主溝4、ミドル横溝15又はミドル縦細溝16に連通するオープンタイプのサイピングである。
ショルダー陸部7は、ショルダー主溝4と接地端Teとの間を継ぐ複数本のショルダー横溝18が設けられている。これにより、ショルダー陸部7は、ショルダー横溝18、18間で区分される複数のショルダーブロック7Aが設けられたブロック列として形成される。
ショルダー横溝18は、本実施形態では、ジグザグ状にのびている。このようなショルダー横溝18は、タイヤ周方向成分を有し、氷路での旋回性能を向上しうる。ショルダー横溝18の溝幅W9は、雪柱せん断力とショルダーブロック7Aの剛性とをバランス良く確保するため、好ましくはトレッド接地幅TWの2%〜4%である。溝深さD9は(図2に示す)は、好ましくはショルダー主溝4の溝深さD2の80%〜120%である。
また、ショルダーブロック7Aには、ショルダー主溝4からタイヤ軸方向外側にのび、接地端Teに達することなくショルダーブロック7A内で終端するセミオープンタイプのショルダーサイピング19が設けられている。このようなショルダーサイピング19は、ショルダーブロック7Aの剛性低下を抑えつつ、エッジ成分を大きく確保するため、氷路性能を向上させる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
図1に示した基本パターンを有するサイズ225/65R17の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、各試供タイヤの雪路でのブレーキ性能、及びABSブレーキ性能がテストされた。なお、共通仕様は、以下の通りである。
トレッド接地幅TW:180mm
センター主溝の溝深さD1:11.2mm
ショルダー主溝の溝深さD2:11.2mm
センター細溝の溝深さD3:4.0mm
ミドル横溝の溝深さD7:11.2mm
ミドル縦細溝の溝深さD8:9.1mm
ショルダー横溝の溝深さD9:11.2mm
副部の溝深さD6:タイヤ軸方向に一定
各サイピングの深さ:7.5mm
※1:D4bは、センター主溝との連通位置でのセンターラグ溝の溝深さである。
テスト方法は、次の通りである。
<雪路でのブレーキ性能>
各試供タイヤが、下記の条件で、排気量3500ccの4輪駆動車の全輪に装着された。このテスト車両を、1名のテストドライバーが、雪路(圧雪路を除く)のテストコースを走行させ、このときの制動力に関する走行特性がテストドライバーの官能により評価された。結果は、実施例1を100とする評点で表示されている。数値が大きいほど良好である。
リム:17×6.5J
内圧:220kPa(4輪)
<ABSブレーキ性能>
上記テスト車両にて、テストドライバーが、気温0℃でのミラーバーン状の氷路のテストコースを走行させ、速度30km/hからABSを作動して急ブレーキをかけ、車が停車するまでの制動距離が測定された。結果は、制動距離の逆数で評価され、実施例1の値を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど良好である。
テストの結果が表1に示される。
Figure 0005981957
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べていずれも雪路でのブレーキ性能、ABSブレーキ性能が有意に向上していることが確認できる。タイヤサイズを変化させて同じテストを行ったが、同じ結果が得られた。
3 センター主溝
5 センター陸部
8 センター細溝
9 センターラグ溝
10 センターラグ溝の終端
11 主部
11i 主部の内端
12 副部

Claims (10)

  1. トレッド部に、タイヤ赤道の両側をタイヤ周方向に連続してのびる1対のセンター主溝が設けられることにより、前記センター主溝間で区分されたセンター陸部を具え、かつ、回転方向が指定された空気入りタイヤであって、
    前記センター陸部には、タイヤ赤道上をタイヤ周方向に連続してのびる1本のセンター細溝と、前記センター主溝から前記センター細溝を越えてのびかつ前記センター陸部内に位置する終端を有する複数本のセンターラグ溝とが設けられ、
    前記センターラグ溝は、前記センター主溝と前記センター細溝との間をのび、タイヤ軸方向内側に向かって前記回転方向の先着側に傾斜しかつタイヤ軸方向に対する角度が20〜40°である主部と、
    前記センター細溝から前記終端までのび、前記主部とは逆向きに傾斜しかつタイヤ軸方向に対する角度が20〜40°である副部とを有し、
    前記センターラグ溝の前記センター主溝との連通位置での溝深さは、前記主部のタイヤ軸方向の内端での溝深さ、及び、前記センターラグ溝の前記終端での溝深さよりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記センター細溝は、ジグザグ状にのび、
    前記主部は、前記センター細溝のジグザグの主部側の頂点に連通している請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記副部は、前記センター細溝のジグザグの頂点に連通する請求項記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記センター陸部は、サイピングが設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記センターラグ溝の溝幅は、前記センター細溝の溝幅の0.85〜1.15倍である請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記主部の溝深さは、前記センターラグ溝の前記連通位置からタイヤ赤道に向かって漸減している請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記副部の溝深さは、前記センター細溝の溝深さの0.85〜1.15倍である請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記センター陸部は、サイピングが設けられ、
    前記サイピングは、前記主部及び前記副部と同じ向き、かつ、タイヤ軸方向内側に向かって回転方向の先着側に傾斜している請求項1乃至7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記副部の溝深さは、前記副部の長手方向に沿って一定である請求項1乃至8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記副部の溝幅は、一定である請求項1乃至9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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