JP5981234B2 - 茶含有飲食品用呈味改善剤 - Google Patents

茶含有飲食品用呈味改善剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5981234B2
JP5981234B2 JP2012130719A JP2012130719A JP5981234B2 JP 5981234 B2 JP5981234 B2 JP 5981234B2 JP 2012130719 A JP2012130719 A JP 2012130719A JP 2012130719 A JP2012130719 A JP 2012130719A JP 5981234 B2 JP5981234 B2 JP 5981234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
taste
extract
product
minutes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012130719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013252111A (ja
Inventor
紫乃 中西
紫乃 中西
弘二 村井
弘二 村井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP2012130719A priority Critical patent/JP5981234B2/ja
Publication of JP2013252111A publication Critical patent/JP2013252111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5981234B2 publication Critical patent/JP5981234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)
  • Seasonings (AREA)

Description

本発明は茶含有飲食品用呈味改善剤に関する。さらに詳しくは、茶含有飲食品、特に茶飲料、さらには容器詰めの茶飲料に極微量添加することで、茶飲料が有する、茶葉感をアップし、味の厚みやボディ感などの呈味を増強し、バランスの改善をはかることのできる、呈味改善剤に関する。
近年、茶類飲料を缶あるいはペットボトル等に充填した商品が提供されており、消費者の甘味離れから高い支持を得て、その生産および消費量は高いレベルで推移している。一方、これらの容器詰め茶飲料は、大量生産に適応させるため、工業的方法で抽出工程を行い、また長期保存に耐えられるように微生物安定性を高めるため、強い殺菌を行う必要がある。その結果、その工業的製造工程および殺菌工程により、香気の散逸、加熱による香味の劣化を伴い、家庭や喫茶店にて急須などで淹れたお茶と比べて十分に満足のいく風味の製品を得ることが困難であった。
このような欠点を解消する手段として、例えば、淹れ立ての茶の香気を得るための方法としては、茶葉の水蒸気蒸留留出物を茶葉と接触させて香気を改良した茶葉水蒸気蒸留物を飲料に添加する方法(特許文献1)、酸化防止剤の存在下に茶葉から香気成分を蒸留する方法(特許文献2)、茶飲料にカロチン類の熱分解物を加える方法(特許文献3)、茶飲料に種々の合成香料化合物を添加する方法(例えば、特許文献4〜10など)、調合香料を添加する方法(特許文献11)などが提案されていた。また、特定の茶の処理物を飲料に添加する方法も提案されており、例えば可溶性固形分5%以上の茶の濃縮エキスを室温乃至100℃未満で空気または酸素存在下加熱処理したエキスを添加する方法(特許文献12)、Bx10〜50°に濃縮した緑茶抽出液に対して、0.5〜3倍容量のエタノールを添加し、不溶物を除去してなる緑茶エキスを茶飲料に添加する方法(特許文献13)、茶抽出物の活性炭処理物を茶飲料に添加する方法(特許文献14)などが提案されている。さらにまた、別の風味改善方法として、茶葉と糖水溶液を混合し、エクストルーダー内で加熱加圧した茶葉加工品(特許文献15)、茶飲料の製造工程の途中で、20MPa〜200MPaの高圧処理を行う茶飲料の製造方法(特許文献16)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の方法で得られた香気抽出物は飲料添加後の殺菌により劣化が進行してしまうという欠点があり、特許文献3より得られる香味は主として花香調であり、茶本来の持つ香りではなかった。特許文献4〜10などの合成香料はいずれも閾値が低く、極めて強い香気を付与するものであり、茶飲料が本来有していた風味をそのまま増強し、すなわちエンハンスするものではなかった。また、特許文献11では、香料として極め多くの化合物が列記されているが、これらは単に混ぜ合わせれば良好な風味が得られるわけではなく、茶本来の自然な茶の風味再現するためには、当業者にさらなる試行錯誤を強いるものであった。また、特許文献12の茶エキスは茶飲料に使用されているが、必ずしも茶の香気香味を増強させる目的で用いられているわけではなく、また、茶の香気香味を増強させる目的で用いたとしても、その力価は弱く十分な効果を上げることは困難であった。また、特許文献13の添加剤は水で希釈してそのまま飲用とするアルコール飲料用であり、茶飲料の茶の香気香味を増強またはオフフレーバーをマスキングする目的ではなかった。また、特許文献14の添加剤は、特定の香気化合物を主として濃縮したものであり、必ずしも茶飲料が本来有していた風味をそのまま増強する、すなわちエンハンスするものではなかった。さらに、特許文献15の方法は茶葉そのものであり、飲料の製造方法改善とは、直接結びつくものではなく、特許文献16の方法では、大がかりで特殊な装置の導入を必要とするものであった。
特開平8−116882号公報 特開平8−73886号公報 特開昭63−98353号公報 特開2000−342178号公報 特開2000−342179号公報 特開2000−342181号公報 特開2002−171906号公報 特開2002−171907号公報 特開2002−136259号公報 特開2003−24005号公報 特開2005−143467号公報 特開2000−287623号公報 特開2005−102606号公報 特開2007−167004号公報 特開2007−174924号公報 特開2003−284494号公報
本発明が解決しようとする課題は、茶含有飲食品、特に容器詰めの茶飲料に対し極微量添加するだけで、茶飲料が有する、茶葉感をアップし、味の厚みやボディ感などの呈味を増強し、バランスの改善をはかることのできる素材を、茶由来原料により調製することにある。
本発明者らは、前記課題に鑑み、茶の抽出液そのものに何らかの処理を加えることにより、茶飲料に対して有効な呈味改善剤を得ることができないかと考え、鋭意研究を行ってきた。
従来、容器詰め茶飲料等の製造において、レトルト殺菌(121℃、10分程度)やUHT殺菌(135℃、1分程度)は必須の工程であり、この工程により発生する不快臭はいわゆるレトルト臭、加熱殺菌臭などと呼ばれており、好ましくない臭気とされてきた。
したがって、茶の抽出液を加熱したところで、いわゆる加熱臭が強まるのであって、有効な呈味改善剤ができるということは全く予想されていなかった。
ところが、驚くべきことに、茶の抽出液を、飲用濃度よりも高い濃度において、高温加熱(Bx50°、130〜140℃、30分程度)を行い、その処理物を茶飲料に添加してみたところ、わずか1ppm程度の添加でも、極めて強い呈味増強効果がある風味素材が得られた。また、茶を抽出する際、若しくは抽出後に糖質分解酵素処理を行ったところ、その効果はさらに強いものとなった。
かくして、本発明は以下のものを提供する。
(1)茶抽出液を100℃〜180℃にて10分〜5時間加熱処理して得られる加熱処理物からなる、茶含有飲食品用呈味改善剤。
(2)茶抽出液が固形分濃度として屈折糖度(20℃)でBx1°〜Bx80°である(1)の呈味改善剤。
(3)茶抽出液が、タンナーゼ、プロテアーゼおよび糖質分解酵素から選ばれる1種または2種以上により処理された酵素処理物である、(1)または(2)の呈味改善剤。
(4)茶抽出液が緑茶、半発酵茶および紅茶から選ばれる1種または2種以上の茶葉の抽出液である、(1)〜(3)のいずれかの呈味改善剤。
(5)単糖、二糖またはオリゴ糖から選ばれる1種または2種以上を添加して加熱処理する、(1)〜(4)のいずれかの呈味改善剤。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の呈味改善剤を含有する茶含有飲食品。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の呈味改善剤を茶含有飲食品に添加することを特徴とする、茶含有飲食品の茶葉感および/または呈味増強方法。
本発明によれば、通常の茶抽出液を原材料とし、これを加工することにより茶飲料の呈味増強に効果のある呈味改善剤を提供することができる。また、本発明の呈味改善剤を容器詰め茶飲料等の茶飲料に微量添加することにより、茶葉感をアップし、味の厚みやボディ感などの呈味を増強し、バランスの改善をはかることができる。したがって、呈味の強い茶飲料の製造に利用できる他、茶飲料製造時において、コストダウンのため茶葉の使用量の減量を余儀なくされた場合の風味補強に利用できるものと考えられる。
本発明における茶抽出液とは、茶類原料から水性溶媒にて抽出された液、または、その濃縮液をいう。
本発明で使用することのできる茶類原料は、ツバキ科の常緑樹であるチャ(学名:Camellia sinensis(L)O.Kuntze)から得られる茶葉から製茶された、例えば、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、かぶせ茶、てん茶等の蒸し製の不発酵茶;嬉野茶、青柳茶、中国緑茶等の釜炒り製の不発酵茶;包種茶、凍頂烏龍茶、東方美人等台湾烏龍茶や鉄観音、黄金桂、武夷岩茶、鳳凰水仙、色種等中国烏龍茶の半発酵茶;ダージリン、ウバ、ジャワティー、キーモン紅茶等の発酵茶;阿波番茶、碁石茶、プーアール茶、六堡茶等の後発酵茶を挙げることができる。これらのうち、特に、緑茶、ウーロン茶、紅茶などが好適である。
また、必要に応じて、副原料として、例えば、焙煎大麦(麦茶)、焙煎麦芽、焙煎ハトムギ(ハトムギ茶)、焙煎米、焙煎玄米、焙煎発芽米、焙煎ソバの実(ソバ茶)、焙煎トウモロコシ、炒りごま、焙煎キヌア、焙煎アマランサス、焙煎キビ、焙煎ヒエ、焙煎アワ、焙煎大豆などの穀類;セージ、タイム、マジョラム、オレガノ、バジル、ペパーミント、シソ、レモンバーム、ベルベナ、セイボリー、ローズマリー、レモングラス、ブルーベリーリーフ、ベイリーフ、マテ茶、ユーカリリーフ、サッサフラス、サンダルウッド、ニガヨモギ、センブリ、レッドペッパー、シンナモン、カッシャ、スターアニス、ワサビ、ホースラディッシュ、ミズガラシ、マスタード、トンカ豆、フェネグリーク、サンショウ、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、オールスパイス、ナツメグ、メース、クローブ、セリ、アンゲリカ、チャービル、アニス、フェンネル、タラゴン、コリアンダー、クミン、ディル、キャラウェー、ガランガ、カルダモン、ジンジャー、ガジュツ、ターメリック(ウコン)、バニラ、ジュニパーベリー、ウインターグリーン、ジャーマンカモミール、ローマンカモミール、菊花、ラベンダー、ハイビスカスフラワー、サフラン、マリーゴールド、オレンジフラワー、マローフラワー、ローズヒップ、サンザシ、リュウガン、クコシ、サンデュー(モウセンゴケ)、オレンジピール、レモンピール、マシュマロールート、チョウセンニンジン、デンシチニンジン、エゾウコギ、ギムネマ、ルイボスティー、シイタケ茶、ドクダミ、ケツメイシ、杜仲茶、ハブ茶、アマチャヅル茶、オオバコ茶、桜茶、甘茶、柿の葉茶、昆布茶、松葉茶、明日葉茶、グァバ茶、ビワの葉茶、アロエ茶、ウコン茶、スギナ茶、紅花茶、サフラン茶、コンフリー茶、クコ茶、ヨモギ茶、イチョウ葉茶、カリン茶、桑の葉茶、ゴボウ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、メグスリノキ茶、羅漢果茶などの各種植物の葉、茎、根などを加えてもよい。
抽出溶媒は主として水であり、抽出時の水、あるいは抽出後の抽出液に対し、酸化防止剤として、ビタミンCまたはアスコルビン酸ナトリウムを茶類原料に対し、0.01〜5質量%程度添加してもよい。また、必要によっては、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールなどの食品に使用し得る水混和性極性有機溶媒を、溶媒全体に対し、0.1〜60質量%の範囲内で混合して使用することもできる。
抽出に用いる溶媒(水)の量は任意に選択できるが、一般には茶類原料の5〜50倍量(質量)であり、好ましくは10〜20倍量である。抽出の温度及び時間についても任意に定めることができ、特に限定されるものではないが、10〜100℃にて30分〜12時間、特に1〜2時間が好適である。本発明の抽出液を得る操作の方法としては、カラム抽出、バッチ式、ニーダーによる抽出などのいずれでも行うことができる。
また、抽出時および/または抽出後の抽出液に対し、酵素処理を行うこともできる。酵素処理により、ペクチンなどの多糖類が分解し、抽出液の粘度が低下し、後に記述する濃縮時においても加熱を均一に行うことができ、好適である。この酵素処理に使用することのできる酵素としては、特に制限はなく、例えば、タンナーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、プロテアーゼ、糖質分解酵素、リパーゼなどを例示することができる。
茶葉中にはカテキン類などのタンニンが多く含まれており、また、クロロゲン酸も含まれているためタンナーゼやクロロゲン酸エステラーゼで分解することが効果的である。タンナーゼは、タンニン中の水酸基に没食子酸がエステル結合しているデプシド結合を加水分解する酵素、例えば、エピガロカテキンガレートをエピガロカテキンと没食子酸に加水分解する酵素である。本発明で使用することのできるタンナーゼとしては、具体的には、例えば、タンナーゼ(500U/g;キッコーマン社製)、タンナーゼ(5,000U/g;キッコーマン社製)、タンナーゼ(500U/g;三菱化学フーズ社製)などを用いることもできる。タンナーゼの使用量は、力価などにより一概には言えないが、通常、茶類原料の質量を基準として通常0.1〜50U/g、好ましくは0.5〜20U/gの範囲内を例示することができる。
茶葉中には約25%のタンパク質(5訂食品成分表参照)が含まれており、プロテアーゼ処理を行うことにより、後の加熱反応の効果が特に高まる。しかしながら、茶葉中のタンパク質はタンニンと結合しているため、茶葉にプロテアーゼを単独で作用させても、ほとんどアミノ酸は生成しない。そこで、茶葉にプロテアーゼおよびタンナーゼを作用させることにより茶葉中のタンパク質の一部が分解し、アミノ酸の豊富な茶抽出液を得ることができる。
プロテアーゼは、蛋白質やペプチドのペプチド結合を加水分解する酵素である。本発明で使用可能なプロテアーゼとしては、市販の各種プロテアーゼを挙げることができる。プロテアーゼの使用量は、力価などにより異なり一概には言えないが、通常、茶類原料の質量を基準として通常、0.01〜100U/g、好ましくは1〜80U/gの範囲内を例示することができる。
茶葉中には多糖類が含まれているが、この多糖類を糖質分解酵素によりあらかじめ加水分解しておくことにより、後の加熱反応の効果が特に高まる。糖質分解酵素としては、具体的には、例えば、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、アラバナーゼ、デキストラナーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼなどを例示することができる。
糖質分解酵素の使用量は、使用する酵素の種類や茶葉中の多糖類の存在量により一概にはいえないが、おおよそ茶類原料の質量を基準として通常0.1〜1,000U/g、好ましくは1〜100U/gの範囲内、または、製剤中に通常複数種類の酵素が含まれていて活性単位では表しにくいような場合は、茶類原料に対して通常、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%の範囲内を例示することができる。
また、リパーゼ処理を行うことでも、後の加熱反応の効果が特に高まる。本発明で使用可能なリパーゼとしては、特に制限されるものではなく、例えば、アスペルギルス属、ムコール属、キャンディダ属、リゾープス属等の微生物由来リパーゼ、豚の膵臓から得られるリパーゼ、子山羊、子羊、子牛の咽頭分泌線から採取したオーラルリパーゼなどを適宜利用できるが、好ましくは、カカオ脂に構成されている脂肪酸組成からパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸を遊離するリパーゼを使用することが好ましい。リパーゼの使用量は力価などにより異なり一概には言えないが、通常、茶葉原料に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲内を例示することができる。
酵素処理条件としては、バッチ式、ニーダーによる抽出などにおいて、茶類原料の抽出時に酵素を添加する場合は、例えば、茶類原料1質量部あたり水を通常5〜50質量部、好ましくは10〜20質量部添加し、60〜121℃で2秒〜20分間殺菌した後冷却したものに対し、酵素を添加し、20〜60℃で30分〜24時間酵素処理を行う。酵素処理後、60〜121℃で2秒〜20分間加熱して酵素を失活させた後冷却し、固液分離、濾過することにより、酵素処理された茶抽出液を得ることができる。また、カラム抽出、バッチ式、ニーダーによる抽出などにおいて、茶類原料の抽出後の抽出液に対して酵素を添加する場合は、抽出液に対し酵素を添加し、20〜60℃で30分〜24時間酵素処理を行う。酵素処理後、60〜121℃で2秒〜20分間加熱して酵素を失活させた後冷却し、固液分離、濾過することにより、酵素処理された茶抽出液を得ることができる。
また、茶抽出液は、前記酵素処理と併せて、または、酵素処理とは別に、抽出時および/または抽出後の抽出液に対し、PVPP(ポリビニルポリピロリドン)および/または活性炭による接触処理を行っても良い。
PVPPはカテキン類などのポリフェノールを吸着する性質があり、茶抽出液をPVPPと接触処理することにより、茶抽出液中のポリフェノール含量を低減させることができる。かかるPVPPの使用量は、一般には、茶類原料の質量を基準として、15〜300質量%、特に30〜150質量%の範囲内とすることができる。PVPPによる接触処理は、茶類原料の抽出中または抽出液にPVPPを添加し、例えば、10〜60℃程度の範囲内の温度で10分〜2時間攪拌処理することにより行うことができる。その後、遠心分離、ろ過等適宜の分離手段を採用して清澄な抽出液とすることができる。これにより、ポリフェノールを低減させた茶抽出液を得ることができる。
活性炭は低極性成分やカフェインなどを吸着する性質があり、茶抽出液を活性炭と接触処理することにより、茶抽出液中のカフェインやポリフェノール含量を低減させることができる。かかる活性炭の使用量は、一般には、茶類原料の質量を基準として、15〜300質量%、特に30〜150質量%の範囲内とすることができる。活性炭による接触処理は、茶類原料の抽出中または抽出液に活性炭を添加し、例えば、10〜60℃程度の範囲内の温度で10分〜2時間攪拌処理することにより行うことができる。また、抽出液に対する処理であれば、粒状態の活性炭を充填したカラムに、SV(空間速度)=1〜100、好ましくは5〜20の範囲内で通液し、処理することもできる。その後、遠心分離、ろ過等適宜の分離手段を採用して清澄な抽出液とすることができる。これにより、カフェインやポリフェノールを低減させた茶抽出液を得ることができる。
かくして得られた茶抽出液はBx1°〜10°程度であり、そのまま加熱処理に供することもできるが、加熱処理に供するときの濃度はある程度高いことが好ましい。
加熱処理に供するときの茶抽出液の濃度としては、Bx1〜Bx80°、好ましくはBx5〜Bx80°、より好ましくはBx10〜Bx70°、さらに好ましくはBx20〜Bx60°、最も好ましくはBx30〜Bx55°とすることができる。濃度が低すぎる場合は、加熱の効果が出にくい。また、通常の飲用程度の濃度(Bx0.3°程度)であると、いわゆるレトルト臭、加熱臭が発生することが知られているが、低濃度での加熱処理ではレトルト臭と同様な風味が生じてしまい、呈味改善剤として十分に有効な素材としては得られない。また、濃度が低いことにより、茶飲料へ多量の添加が必要になってしまう可能性がある。一方、濃度が高すぎる場合は粘度が高く、均一加熱ができなく、焦げ付くなどの弊害が生じる可能性がある。
茶抽出液の濃度を高めるための方法としては、減圧濃縮、RO膜濃縮、凍結濃縮などの濃縮手段を採用することができる。
また、濃度を高めるための別の方法として、茶抽出液に糖類を添加して濃度を高める方法を採用することもできる。使用する糖類としては、単糖、二糖またはオリゴ糖が好ましく、リボース、キシロース、アラビノース、グルコース、フラクトース、ラムノース、ラクトース、マルトース、シュークロース、トレハロース、セロビオース、マルトトリオース、水飴などを例示することができる。糖類の添加量としては、Bx1°〜Bx10°程度の茶類抽出液1質量部に対し、0.01〜2質量部を挙げることができる。
かくして得られた茶抽出液を、加熱処理する点が本発明の特徴である。加熱処理により、いわゆるメイラード反応の素材となる糖やアミノ酸の他に茶由来の特有の成分(カテキン類、重合ポリフェノール類、フラボノール類、サポニン類、カフェイン、クロロフィル、ビタミンB2、葉酸など)が複雑に反応し、呈味増強成分が生成すると考えられる。
茶抽出液の加熱処理における反応温度としては、100〜180℃、好ましくは110〜170℃、より好ましくは120〜150℃、さらに好ましくは130〜140℃とすることができる。温度が低すぎる場合は、呈味改善剤としての効果が出にくい。温度が高すぎる場合は、加熱による変化が大きすぎ、呈味改善剤としての目的を達成することができないものとなってしまう。
また、加熱処理における反応時間としては、反応に必要な時間を確保する必要があり、10分〜5時間、好ましくは20分〜3時間、より好ましくは30分〜2時間とすることができる。反応時間が短すぎる場合は、反応が十分進行せず、呈味改善剤としての効果が出にくい。反応時間が長すぎる場合は、加熱による変化が大きすぎ、呈味改善剤としての目的を達成することができないものとなってしまう。
本発明において、加熱処理には、密閉系にて内容物を加熱攪拌できるオートクレーブを使用することが好ましい。オートクレーブの操作としては、内容物として前記茶抽出液を仕込んだ後、容器を密閉にし、必要に応じて、内部のヘッドスペースを空気、酸素あるいは不活性ガスにより置換して、引き続き前記条件にて加熱処理を行い、冷却後、釜内から、加熱処理物を回収する。回収物に澱が生じているときは濾過や遠心分離などの処理により、澱を除去することもできる。
釜内から回収された加熱処理物はこのまま茶呈味改善剤として使用することもできるが、所望により、さらに濃縮、あるいは、デキストリン、加工澱粉、サイクロデキストリン、アラビアガム等の賦形剤を添加して、ペースト状とすることができ、さらに、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などの乾燥により粉末状の茶含有飲食品用呈味改善剤組成物とすることもできる。
また、茶含有飲食品用呈味改善剤組成物とするに際し、組成物中に茶フレーバーなどの天然または調合香料を添加することもできる。
かくして得られた茶含有飲食品用呈味改善剤あるいは茶含有飲食品用呈味改善剤組成物は、各種茶含有飲食品に0.1ppm〜1%程度することにより、茶葉感をアップし、味の厚みやボディ感などの呈味を増強し、バランスの改善をはかることができる。なお、茶葉感とは、茶独特の呈味を形成する感覚であって、添加することにより、実際に使用した茶葉の量より多く茶葉を使用したと感じさせる飲み応えのある感覚である。また、味の厚みとは、飲食品を口に含んだとき、または、飲み込んだ時に口中全体から喉の奥にかけてしばらく持続し、味わいが深いと感じさせるような感覚である。また、ボディ感とは、味の骨格がしっかりしていて、かつ、まろやかでふくらみがあり、呈味全体に強さをもたらすような感覚である。また、バランスとは茶の呈味バランスを意味し、苦味、渋味、甘味、の他前述の味の厚み・ボディ感、茶葉感などが良好に調和した感覚を意味する。
本発明の茶含有飲食品用呈味改善剤あるいは茶含有飲食品用呈味改善剤組成物が添加される茶含有飲食品茶としては、例えば、ペットボトル、缶または紙容器に充填された緑茶、抹茶、碾茶、烏龍茶、紅茶などの茶系飲料;ペットボトル、缶または紙容器に充填された混合茶飲料;緑茶、抹茶、碾茶、烏龍茶、紅茶などの茶風味のアイスクリーム、ソフトクリームまたはシャーベットなどの冷菓;各種茶風味のビスケット、クッキー、せんべい、饅頭、チョコレート、クリーム内包菓子、パンなどを例示することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
(実施例1)
軟水4500gにアスコルビン酸3.0gを溶解した溶液に烏龍茶葉(水仙二等級(Y−302):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)500gを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにスミチーム(登録商標:新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)10.0gおよびスミチームC(新日本化学工業社製のセルラーゼ)1.25gを加え、15分間攪拌した。その後、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、16cm)にセルロースパウダー100gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液4170gを得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液549.5gを得た。
濃縮液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品1:487g、Bx50°)を調製した。
(実施例2)
市販ウーロン茶飲料(ペットボトル2L容器入り)(参考品1)、および、参考品1の希釈液(8質量部の参考品1と2質量部の水を混合したもの:参考品2)を調製し、参考品2に対し、本発明品1を下記表1に示す量添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価基準は、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味についてそれぞれ、参考品1をコントロールとして、明らかに弱い:−2点、やや弱い:−1点、同程度:0点、やや強い:+1点、明らかに強い+2点として、また、バランスについて、悪い:−2点、やや悪い:−1点、差無し:0点、やや良い:+1点、良い:+2点として官能評価を行った。その平均点を表1に示す。なお、茶葉感とは、茶独特の呈味を形成する感覚であって、添加することにより、実際に使用した茶葉の量より多く茶葉を使用したと感じさせる飲み応えのある感覚である。また、味の厚みとは、飲食品を口に含んだとき、または、飲み込んだ時に口中全体から喉の奥にかけてしばらく持続し、味わいが深いと感じさせるような感覚である。また、ボディ感とは、味の骨格がしっかりしていて、かつ、まろやかでふくらみがあり、呈味全体に強さをもたらすような感覚である。また、バランスとは茶の呈味バランスを意味し、苦味、渋味、甘味、の他前述の味の厚み・ボディ感、茶葉感などが良好に調和した感覚を意味する。
Figure 0005981234
表1に示した通り、市販ウーロン茶(参考品1)を希釈した参考品2は参考品1と比べ茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味が明らかに弱く、またバランスも悪かったが、参考品2に本発明品1を添加したものは、わずか0.1ppmの添加でもバランスが改善された。また、さらに添加量を増やし1ppm〜5ppmの添加では参考品1の風味とほぼ同程度となり、10ppm〜50ppmの添加では参考品1よりもむしろ茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランス共に評価が高く、良好であった。さらに添加量を増やし、100ppmの添加では僅かにバランスの評価が悪かったが、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味共に参考品1より良好であった。
(実施例3)
軟水9000gにアスコルビン酸6.0gを溶解した溶液に烏龍茶葉(水仙二等級(Y−302):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)1000gを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却し、40℃にて2時間抽出を行った。抽出後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、20cm)にセルロースパウダー150gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、抽出液7316gを得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液665.2gを得た。
濃縮液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品2:454g、Bx50°)を調製した。
(実施例4)
軟水5400gにアスコルビン酸3.6gを溶解した溶液に烏龍茶葉(水仙二等級(Y−302):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)600gを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにタンナーゼ(三菱化学フーズ社製:500U/g)6gを加え、15分間攪拌した。その後、プロテアーゼM(アマノエンザイム社製:5500U/g)6gを加え、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、16cm)にセルロースパウダー100gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液4768gを得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液521.5gを得た。
濃縮液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品3:478g、Bx50°)を調製した。
(実施例5)
軟水4500gにアスコルビン酸3.0gを溶解した溶液に烏龍茶葉(水仙二等級(Y−302):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)500gを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにタンナーゼ(三菱化学フーズ社製:500U/g)5gを加え、15分間攪拌した。その後、プロテアーゼM(アマノエンザイム社製:5500U/g)5g、スミチーム(新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)10.0gおよびスミチームC(新日本化学工業社製のセルラーゼ)1.25gを加え、15分間攪拌した。その後、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、16cm)にセルロースパウダー100gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液4258gを得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液565.3gを得た。
濃縮液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品4:489g、Bx50°)を調製した。
(実施例6)
実施例2と同様に、参考品2に、本発明品1〜4を10ppm添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表2に示す。
Figure 0005981234
表2に示した通り、参考品2(80%に希釈した市販ウーロン茶)に対しいずれの発明品を添加したものも、無添加品と比べ、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスのいずれについても評価が良好であった。酵素処理を全く行っていない本発明品2を参考品2に10ppm添加したものでは、参考品1(希釈していない市販ウーロン茶)にはややおよばないものの、無添加の参考品2よりは茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスとも改善されていた。また、茶葉の抽出時に酵素処理を行ってから加熱処理を行った本発明品1、3または4を参考品2に10ppm添加したものでは、いずれも、希釈していない市販のウーロン茶である参考品1よりも、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスのいずれについても評価が良好であった。これらの内では、特に、酵素処理としてタンナーゼ、プロテアーゼと糖質分解酵素を併用して処理した本発明品4が最も良好であった。
(実施例7)
軟水9000gにアスコルビン酸6.0gを溶解した溶液に烏龍茶葉(水仙二等級(Y−302):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)1000gを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにスミチーム(新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)および20.0gスミチームC(新日本化学工業社製のセルラーゼ)5.2gを加え、15分間攪拌した。その後、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、20cm)にセルロースパウダー150gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液8362g(Bx6.6°)を得た。この抽出液を希釈し、Bx5°の希釈液、またこの抽出液を減圧濃縮し、Bx10°の濃縮液、Bx30°の濃縮液、Bx70°の濃縮液をそれぞれ調製した。それぞれの希釈液または濃縮液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、以下の呈味改善剤を調製した。
本発明品5:Bx5°
本発明品6:Bx10°
本発明品7:Bx30°
本発明品8:Bx70°
(実施例8)
実施例2と同様に、参考品2に、本発明品1、5、6、7または8を固形分換算(Bxを使用)で、本発明品1の10ppm添加に相当する量添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表3に示す。
Figure 0005981234
表3に示した通り、加熱処理における濃度が高いものほどウーロン茶飲料への添加による、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスの改善効果が高いが、Bx5°の低濃度(本発明品5)でもかなりの改善効果がみられた。
(実施例9)
軟水13.5Kgにアスコルビン酸9.0gを溶解した溶液に烏龍茶葉(鉄観音三等級(K−103):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)1.5Kgを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにスミチーム(新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)および30gスミチームC(新日本化学工業社製のセルラーゼ)3.75gを加え、15分間攪拌した。その後、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、30cm)にセルロースパウダー225gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液12.61Kg(Bx6.5°)を得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx40°の濃縮液、Bx50°の濃縮液、Bx60°の濃縮液をそれぞれ調製した。それぞれの濃縮液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、下記温度にて下記時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、以下の呈味改善剤を調製した。
本発明品9:Bx40°、加熱温度:140±2℃、30分
本発明品10:Bx50°、加熱温度:130±2℃、1時間
本発明品11:Bx60°、加熱温度:120±2℃、2時間
(実施例10)
実施例2と同様に、参考品2に、本発明品9、10または11を固形分換算(Bxを使用)で、本発明品1の10ppm添加に相当する量添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表4に示す。
Figure 0005981234
表4に示した通り、原料として、鉄観音を使用した本発明品9〜11も、原料茶葉として水仙を使用した本発明品1と同様に、ウーロン茶飲料への添加による、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスの改善効果が見られた。また、Bx40°の濃度で、140℃、30分加熱のもの(本発明品9)、Bx50°の濃度で、130℃、2時間加熱のもの(本発明品10)およびBx60°の濃度で、120℃、1時間加熱のもの(本発明品11)はほぼ同程度の呈味改善効果がみられた。
(実施例11)
軟水45Kgにアスコルビン酸30gを溶解した溶液に烏龍茶葉(水仙二等級(Y−302):福建省産をミキサーにて粉砕したもの)5Kgを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにスミチーム(新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)100gおよびスミチームC(新日本化学工業社製のセルラーゼ)12.5gを加え、15分間攪拌した。その後、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、バスケット型遠心分離機にて茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、30cm)にセルロースパウダー500gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液42155gを得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液5249.5g(比較品1)を得た。
濃縮液(比較品1)を500gずつ小分けし、それぞれ1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、110±2℃、120±2℃、135±2℃、150±2℃、170±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、各呈味改善剤を調製した。
本発明品1:135±2℃
本発明品12:110±2℃
本発明品13:120±2℃
本発明品14:150±2℃
本発明品15:170±2℃
(実施例12)
実施例2と同様に、参考品2に、比較品1、本発明品1または12〜15を10ppm添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表5に示す。
Figure 0005981234
表5に示した通り、参考品2に未加熱のウーロン茶抽出液である比較品1を10ppm添加した飲料の官能評価は、参考品2と全く差がなかった。それに対し、参考品2に加熱処理品である本発明品をそれぞれ10ppm添加した飲料は、いずれも参考品2と比べ、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスとも改善されて、未希釈品である参考品1に近い風味となった。これらの中で、特に本発明品1は良好であり、次いで本発明品14、13が良好であった。また、本発明品15、12のいずれにも効果が見られたため、加熱温度としては100℃〜180℃程度の範囲内では加熱による効果が出るものと考えられる。
参考品1および参考品2のBxがそれぞれ0.3°および0.24°であるのに対し、比較品1、本発明品1または12〜15はそれぞれBx50°あるため、それぞれ10ppm添加した場合のBxの増加は0.0005°の計算になる。したがって、参考品2に、これらの発明品等を添加した場合のBxの増加は元のBxに対しわずか0.21%の増加にしかならない。したがって、単なるウーロン茶のエキスである比較品1を参考品2に10ppm添加しても、無添加品と官能的に差がないことは、十分予想される範囲内であると考えられる。
それに対し、本発明品を添加したものではいずれも茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスが改善されており、高温での加熱による作用により、風味改善に極めて有効な新たな成分が生成しているものと考えられる。
(実施例13)
軟水5400gにアスコルビン酸3.6gを溶解した溶液に緑茶(静岡県産やぶきた種二番茶をミキサーにて粉砕したもの)600gを投入し、80℃で5分間殺菌し、40℃まで冷却した。これにタンナーゼ(三菱化学フーズ社製:500U/g)6gを加え、15分間攪拌した。その後、プロテアーゼM(アマノエンザイム社製:5500U/g)6gを加え、40℃にて8時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて10分間殺菌した後、30℃まで冷却し、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、16cm)にセルロースパウダー100gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液4686gを得た。この抽出液を減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液552.2g(比較品2)を得た。
濃縮液(比較品2)500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品16:481g、Bx50°)を調製した。
(実施例14)
緑茶(静岡県産やぶきた種一番茶)1Kgに80℃イオン交換水20Kgを加え、5分間ゆっくり攪拌した後、40メッシュ金網を用いて、茶葉を分離し、分離した液を20℃に冷却し抽出液14.14Kgを得た。得られた抽出液にアスコルビン酸ナトリウム7.0g(500ppm)を加え、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、20cm)にケイソウ土200gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、緑茶飲料原液を得た(Bx:2.22°、pH:6.4、タンニン含量(酒石酸鉄法):0.44%、アミノ酸含量(アミノ酸分析計):0.071%)。この緑茶飲料原液にイオン交換水をBx0.3°となる量(90.5Kg)および、アスコルビン酸ナトリウムを全体量に対し0.04%(41.9g)加え、緑茶希釈液とした。この緑茶希釈液を小分けし、無添加、比較品2を表6に示す量、本発明品16を表6に示す量添加したものを調製し、それぞれの希釈液を濾紙にて5ミクロン濾過し、136℃で30秒間UHT殺菌を行い、89℃に冷却後500mlペットボトルに充填した。それぞれの飲料を2週間室温放置した後、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスについて評価し、無添加(コントロール)を0点として、5段階評価とし、その基準は、わずかに良い:1点、やや良い:2点、明らかに良い:3点、非常に良い:4点として官能評価を行った。その平均点を表6に示す。
Figure 0005981234
表6に示した通り、未加熱の緑茶抽出液(比較品2)は50ppm以上添加しなければ、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスの呈味の改善効果は見られなかったが、本発明品16の高温加熱処理した緑茶抽出液はわずか0.2ppmの添加でも、数名がわずかな改善を感じ、1ppmの添加では、ほぼ全員がわずかな呈味改善効果を感じた。また、さらに添加量を増やし、10ppm以上の添加では、ほぼ全員がやや改善されており、また、数名は明らかに呈味が改善されているという評価であった。
(実施例15)
紅茶葉(セイロン・ヌワラエリア・オレンジペコー)1000gを5Lカラムに仕込み、60℃温水5000gにアスコルビン酸ナトリウム4gを溶解した溶液を、カラム上部から流し込み、2時間かけてカラム下部から抜き取った。抜き取った抽出液は抜き取りと同時に25℃まで冷却し、抽出液3452g(Bx9.6°)を得た。得られた抽出液に、活性炭ZN−50(味の素ファインテクノ株式会社製)を100g添加し、50℃にて1時間攪拌を行った。25℃まで冷却後、バスケット型遠心分離機にて、活性炭の大部分を取り除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、16cm)にケイソウ土200gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、清澄な抽出液3152g(Bx8.0°)を得た。得られた抽出液1000gに無水結晶ぶどう糖840gを添加・溶解しBx50°の加糖紅茶抽出液1840g(比較品3)を得た。
加糖紅茶抽出液(比較品3)500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、135±2℃にて1時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品17:491g、Bx50°)を調製した。
(実施例16)
紅茶葉(インド・アッサム産、CTC製法)1Kgに95℃イオン交換水20Kgを加え、5分間ゆっくり攪拌した後、100メッシュ金網を用いて、茶葉を分離し、分離した液を20℃に冷却し抽出液13.82Kgを得た。得られた抽出液にアスコルビン酸ナトリウム7.0g(500ppm)を加え、No.2濾紙(ADVANTEC社製 保留粒子径5μ、直径30cm)にケイソウ土450gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33KPa)を行い、紅茶飲料原液13.51Kgを得た(Bx:2.32°、pH:5.4、タンニン含量(酒石酸鉄法):0.61%)。この紅茶飲料原液にイオン交換水をBx0.3°となる量(90.7Kg)および、アスコルビン酸ナトリウムを全体量に対し0.04%(41.8g)加え、紅茶希釈液とした。この紅茶希釈液を小分けし、無添加、比較品3を表7に示す量、本発明品17を表7に示す量添加したものを調製し、それぞれの希釈液を濾紙にて5ミクロン濾過し、200ml缶に充填し、窒素封入して蓋をした後、121℃にて10分間レトルト殺菌を行った。それぞれの飲料を2週間室温放置した後、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスについて評価し、無添加(コントロール)を0点として、5段階評価とし、その基準は、わずかに良い:1点、やや良い:2点、明らかに良い:3点、非常に良い:4点として官能評価を行った。その平均点を表7に示す。
Figure 0005981234
表7に示した通り、未加熱の加糖紅茶抽出液(比較品3)は100ppm以上添加しなければ、茶葉感、味の厚み・ボディ感などの呈味、バランスの改善効果は見られなかったが、本発明品17の高温加熱処理した紅茶抽出液はわずか1ppmの添加でも、数名がわずかな改善を感じ、20ppmの添加では、ほぼ全員がわずかな呈味改善効果を感じた。また、さらに添加量を増やし、100ppm以上の添加では、ほぼ全員がやや改善されおり、また、数名は明らかに呈味が改善されているという評価であった。

Claims (6)

  1. 茶類原料の水による抽出液であって、固形分濃度として屈折糖度(20℃)でBx°〜Bx80°である抽出液を100℃〜180℃にて10分〜5時間加熱処理することによる、茶含有飲食品用呈味改善剤の製造方法
  2. 抽出液が、タンナーゼ、プロテアーゼおよび糖質分解酵素から選ばれる1種または2種以上により処理された酵素処理物である、請求項1に記載の呈味改善剤の製造方法
  3. 茶類原料が緑茶、半発酵茶および紅茶から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2に記載の呈味改善剤の製造方法
  4. 単糖、二糖またはオリゴ糖から選ばれる1種または2種以上を添加して加熱処理する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の呈味改善剤の製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により得られた呈味改善剤を含有させる茶含有飲食品の製造方法
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により得られた呈味改善剤を茶含有飲食品に添加することを特徴とする、茶含有飲食品の茶葉感および/または呈味増強方法。
JP2012130719A 2012-06-08 2012-06-08 茶含有飲食品用呈味改善剤 Active JP5981234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130719A JP5981234B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 茶含有飲食品用呈味改善剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130719A JP5981234B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 茶含有飲食品用呈味改善剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013252111A JP2013252111A (ja) 2013-12-19
JP5981234B2 true JP5981234B2 (ja) 2016-08-31

Family

ID=49950183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012130719A Active JP5981234B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 茶含有飲食品用呈味改善剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5981234B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108887419A (zh) * 2018-08-09 2018-11-27 上海康识食品科技有限公司 一种改善乌龙茶口感的方法及制得的乌龙茶

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016063394A1 (ja) * 2014-10-23 2016-04-28 長谷川香料株式会社 飲食品用呈味改善剤
CN104351402B (zh) * 2014-10-23 2017-01-25 中国农业科学院茶叶研究所 一种改善茶饮料回甘滋味的加工方法
TWI649036B (zh) * 2014-10-28 2019-02-01 日商長谷川香料股份有限公司 飲食品用呈味改善劑、香味賦予劑組成物及飲食品的香味改善方法
JP6118888B1 (ja) * 2015-12-25 2017-04-19 株式会社サーフビバレッジ 茶抽出液の製造方法
WO2021132439A1 (ja) 2019-12-27 2021-07-01 サントリーホールディングス株式会社 呈味が増強された緑茶飲料
JP7303161B2 (ja) * 2020-06-23 2023-07-04 長谷川香料株式会社 茶飲料用香味改善剤およびその製造方法
CN114304325A (zh) * 2020-10-09 2022-04-12 杭州浙大百川生物食品技术有限公司 一种桑康普茶发酵液及康普茶饮料
CN113016901A (zh) * 2021-05-12 2021-06-25 襄阳市竹林翠峰茶业有限责任公司 一种玫瑰红茶及其制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3525041B2 (ja) * 1997-10-09 2004-05-10 長谷川香料株式会社 茶類飲料の製造方法
TWI327594B (en) * 2002-10-30 2010-07-21 Suntory Holdings Ltd Process goods of plants or treated products thereof , manufacturing method thereof , processing goods of ingesta , beer and plant
JP2007295921A (ja) * 2006-04-06 2007-11-15 Sanei Gen Ffi Inc 茶エキスの製造方法
JP5111096B2 (ja) * 2007-12-27 2012-12-26 花王株式会社 茶抽出物の製造法
JP5227109B2 (ja) * 2007-08-08 2013-07-03 花王株式会社 容器詰飲料の製造方法
JP5406379B2 (ja) * 2010-10-08 2014-02-05 長谷川香料株式会社 茶類エキス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108887419A (zh) * 2018-08-09 2018-11-27 上海康识食品科技有限公司 一种改善乌龙茶口感的方法及制得的乌龙茶

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013252111A (ja) 2013-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5981234B2 (ja) 茶含有飲食品用呈味改善剤
JP5411748B2 (ja) 茶類エキスの製造方法
JP5658918B2 (ja) 緑茶エキス
JP5981235B2 (ja) 穀物含有飲食品用呈味改善剤
JP6294676B2 (ja) 茶抽出液の製造方法
EP2266415A1 (en) Taste-improving agent and tea drink containing the same
JP5868786B2 (ja) コーヒー含有飲食品用呈味改善剤
US20110280992A1 (en) Tea extract and method for producing same
JP5868787B2 (ja) カカオ風味飲食品用呈味改善剤
JP5649789B2 (ja) 茶類エキス及びその製造方法
JP6320553B2 (ja) 飲食品用呈味改善剤
WO2012046351A1 (ja) 茶類エキスの製造方法
JP5525150B2 (ja) 焙煎茶葉粉砕物及びこれを含有する茶飲料
JP6675428B2 (ja) 飲食品用呈味改善剤
EP2754352B1 (en) Enzyme-treated tea extract, and tea beverage
JPWO2019044474A1 (ja) 脱色された茶抽出液およびその製造方法
JP7272809B2 (ja) 容器詰緑茶飲料
WO2012046347A1 (ja) 茶類エキス
JP6654211B2 (ja) 飲食品用呈味改善剤
JP6675429B2 (ja) 飲食品用呈味改善剤
JP6675430B2 (ja) 飲食品用呈味改善剤
TWI649036B (zh) 飲食品用呈味改善劑、香味賦予劑組成物及飲食品的香味改善方法
WO2022209660A1 (ja) 花香を有する固形組成物
NZ622308B2 (en) Enzyme-treated tea extract, and tea beverage

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5981234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150