JP5980797B2 - 光拡散フィルム、光拡散フィルムの表面形状を規定する方法、および表面形状規定プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、液晶ディスプレイ装置を始めとするディスプレイ、光学機器分野、及び照明分野に関し、樹脂フィルム基材表面をエンボス加工して成る光拡散フィルム等に関する。
液晶テレビのバックライト光学系に使用されている各種拡散シート/フィルムは、液晶テレビを視認する際に、光源のランプイメージを直接的に見えなくするために、光源からの光を出来る限り均一に、設計された配光特性で拡散させることを目的としている。また、光の利用効率を高めるために、全光線透過率が高い光拡散フィルムが求められている。光の拡散具合を表現するために、ヘイズ値というものが広く認知され用いられているが、より根源的に議論するために、配光特性という概念が使用されている。配光特性とは、光学フィルムの出射角に応じた光度の大きさを言う。一般的に、ヘイズ値が同一であっても、配光特性は異なる場合がある。配光特性が決まれば逆にヘイズ値は一意に決定される。拡散シート/フィルムの配光特性は、ディスプレイの視野角に大きく影響を与える重要な特性である。
既存の各種拡散シート/フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルム基材上にアクリルまたはガラスビーズをバインダー樹脂で固定したものや、樹脂フィルム基材中に拡散フィラーを分散させたものや、樹脂フィルム表面をエンボス加工したものなどが挙げられる。これらは、目的の光学特性に合うように適宜、選択される。
本願出願人が製造・販売している従来品の光拡散フィルム(商品名:FE−2000M01:以下、「従来品」または「従来」という)は、液晶テレビのバックライトに広く使用されている実績がある。この従来品は、上記の樹脂フィルム表面をエンボス加工したものに該当し、樹脂種は、ポリカーボネート(以下、PC)である。この従来品の一番多く使用されている利用形態としては、表面形状に有用な光学特性を持たせてない光学フィルムと当該従来品のフィルムの裏面を、感圧性接着フィルム(Pressure Sensitive Adhesive)を用いて貼り合わされる場合がほとんどである。
また、近年、高輝度白色発光ダイオード(以下、LED)の量産体制が確立しつつあり、LED自体の価格が下がってきたことも影響し、テレビセットメーカーは、従来の冷陰極管(以下、CCFL)光源からLEDへの置き換えを開始している。総合的に見れば、CCFLからLEDに代わることで、液晶テレビ自体が消費する電力の低減が図られている。CCFLからLEDへの移行は、低消費電力化だけでなく、光の質にも関わる。CCFLは、円柱ガラス管内全面に付着させた蛍光物質に紫外線を照射し発光させているため、所謂、面光源(点光源の無限個集団)となるが、LEDの場合は、点光源となる。
既存の各種拡散シート/フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルム基材上にアクリルまたはガラスビーズをバインダー樹脂で固定したものや、樹脂フィルム基材中に拡散フィラーを分散させたものや、樹脂フィルム表面をエンボス加工したものなどが挙げられる。これらは、目的の光学特性に合うように適宜、選択される。
本願出願人が製造・販売している従来品の光拡散フィルム(商品名:FE−2000M01:以下、「従来品」または「従来」という)は、液晶テレビのバックライトに広く使用されている実績がある。この従来品は、上記の樹脂フィルム表面をエンボス加工したものに該当し、樹脂種は、ポリカーボネート(以下、PC)である。この従来品の一番多く使用されている利用形態としては、表面形状に有用な光学特性を持たせてない光学フィルムと当該従来品のフィルムの裏面を、感圧性接着フィルム(Pressure Sensitive Adhesive)を用いて貼り合わされる場合がほとんどである。
また、近年、高輝度白色発光ダイオード(以下、LED)の量産体制が確立しつつあり、LED自体の価格が下がってきたことも影響し、テレビセットメーカーは、従来の冷陰極管(以下、CCFL)光源からLEDへの置き換えを開始している。総合的に見れば、CCFLからLEDに代わることで、液晶テレビ自体が消費する電力の低減が図られている。CCFLからLEDへの移行は、低消費電力化だけでなく、光の質にも関わる。CCFLは、円柱ガラス管内全面に付着させた蛍光物質に紫外線を照射し発光させているため、所謂、面光源(点光源の無限個集団)となるが、LEDの場合は、点光源となる。
光源のCCFLからLEDへの置き換えで、表面に特定の幾何学的形状を賦形したタイプの上記の樹脂フィルムにおいては、その表面形状によって問題となることがある。具体的には、上記PETフィルム基材上に透明ビーズをバインダー樹脂で固定したものの場合、ビーズ1つ1つが凸レンズとなるので、LED1つ1つからの直進光によってビーズ直上に点実像を形成する。レンズの径が大きいと局所的に明るい点が形成されるため、全体的にはギラツキ(粒粒感)と視認されてしまう。また、上記樹脂フィルム基材上をエンボス加工したものも同様に、当該エンボスフィルムにレンズ形状のものが点在しており、レンズ1つ1つの径が大きいと全体的にギラツキと視認される。以下、この問題を「LEDギラツキ問題」と称す。
また、「LEDギラツキ問題」が解消されているにも拘わらず、配光特性が良好ではない光拡散フィルムが使用されると、ディスプレイの視野角が十分でないといった問題が生じ得る。
本発明は、従来品の光拡散フィルムの「LEDギラツキ問題」を解決して、LED光源を使用してもギラツキが大幅に改善されつつ、上記従来品の光学特性(あらゆる入射角度に対する配光特性と全光線透過率等)を有する不定形柄目のフィルム表面形状を実現するものである。
また、「LEDギラツキ問題」が解消されているにも拘わらず、配光特性が良好ではない光拡散フィルムが使用されると、ディスプレイの視野角が十分でないといった問題が生じ得る。
本発明は、従来品の光拡散フィルムの「LEDギラツキ問題」を解決して、LED光源を使用してもギラツキが大幅に改善されつつ、上記従来品の光学特性(あらゆる入射角度に対する配光特性と全光線透過率等)を有する不定形柄目のフィルム表面形状を実現するものである。
本発明者らは、従来品の有する良好な光学特性を維持しつつ、「LEDギラツキ問題」を解決するために問題のメカニズムを解明し、マットフィルム(光拡散フィルム)の光学特性を良好に保ち、かつ「LEDギラツキ問題」を解消する十分条件として、以下の点に着目した。すなわち、良好な光学特性の維持のために、エンボス光拡散フィルム表面の微小領域の傾斜角のヒストグラムプロファイル(度数分布)に着目し、「LEDギラツキ問題」の解消のために、エンボス光拡散フィルム表面形状の粗さ曲線要素の平均長さRSmの値に着目した。より具体的には、本発明は、以下の光拡散フィルム、光拡散フィルムの表面形状を規定する方法、および記録媒体を提供する。
<1> フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmの値が70μm以下の範囲(JIS B 0601(2001)準拠で、カットオフ値0.8mmとし、当該RSm値が漸近するまで測定長を取る)にあり、
フィルム面内(XY方向)ピッチ1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチ0.01μm以下として計測した表面の三次元形状データを用いて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、上記三次元形状データから得られる当該仮想平面の傾斜角度データから、データ区間を2.5°刻みとした各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する百分率を単位%で表現したものを頻度としたときに、当該頻度の大面積データによる漸近値が、
データ区間0°以上2.5°未満で、9%以上16%以下であり、
データ区間2.5°以上5.0°未満で、18%以上28%以下であり、
データ区間5.0°以上7.5°未満で、21%以上24%以下であり、
データ区間7.5°以上10.0°未満で、14%以上18%以下であり、
データ区間10.0°以上12.5°未満で、8%以上13%以下であり、
データ区間12.5°以上15.0°未満で、4%以上8%以下であり、
データ区間15.0°以上17.5°未満で、2%以上5%以下であり、
データ区間17.5°以上20.0°未満で、1%以上3%以下であり、
データ区間20.0°以上22.5°未満で、2%以下であり、
データ区間22.5°以上25.0°未満で、2%以下であり、
データ区間25.0°以上27.5°未満で、1%以下であり、
データ区間27.5°以上30.0°未満で、1%以下であり、
データ区間30.0°以上32.5°未満で、1%以下であり、
データ区間32.5°以上35.0°未満で、0.5%以下であり、
データ区間35.0°以上37.5°未満で、0.5%以下であり、
データ区間37.5°以上40.0°未満で、0.3%以下であり、
データ区間40.0°以上42.5°未満で、0.2%以下であり、
データ区間42.5°以上45.0°未満で、0.1%以下であることを特徴とする、不定形な三次元表面形状に起因して光が屈折して拡散する機能を有するポリカーボネート製の光拡散フィルム。
<2> 光拡散フィルムの配光特性を司る表面形状を規定する方法であって、
所定のフィルム面内(XY方向)ピッチおよびフィルム厚み方向(Z方向)ピッチを有する表面の三次元形状データにおいて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、三次元形状データから当該仮想平面の傾斜角度データを得て、傾斜角度データのデータ区間を所定の傾斜角度刻みとし、各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する比率を算出し、当該比率の大面積データによる漸近値に基づいてフィルムの表面の傾斜角分布を決定する傾斜角分布決定アルゴリズムを備えることを特徴とする、光拡散フィルムの表面形状を規定する方法。
<3> 光拡散フィルムの配光特性を司る表面形状を規定する方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
当該方法が、所定のフィルム面内(XY方向)ピッチおよびフィルム厚み方向(Z方向)ピッチを有する表面の三次元形状データにおいて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、三次元形状データから当該仮想平面の傾斜角度データを得て、傾斜角度データのデータ区間を所定の傾斜角度刻みとし、各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する比率を算出し、当該比率の大面積データによる漸近値に基づいてフィルムの表面の傾斜角分布を決定する傾斜角分布決定アルゴリズムを備えており、
上記光拡散フィルムの表面形状を規定する方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
<4> 上記フィルム面内(XY方向)ピッチを1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチを0.01μm以下、傾斜角度刻みを2.5°としたことを特徴とする上記<2>に記載の光拡散フィルムの表面形状を規定する方法。
<5> 光拡散フィルムの表面形状を規定する方法において、上記フィルム面内(XY方向)ピッチを1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチを0.01μm以下、傾斜角度刻みを2.5°としたことを特徴とする、上記<3>に記載のコンピューター読み取り可能な記録媒体。
<1> フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmの値が70μm以下の範囲(JIS B 0601(2001)準拠で、カットオフ値0.8mmとし、当該RSm値が漸近するまで測定長を取る)にあり、
フィルム面内(XY方向)ピッチ1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチ0.01μm以下として計測した表面の三次元形状データを用いて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、上記三次元形状データから得られる当該仮想平面の傾斜角度データから、データ区間を2.5°刻みとした各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する百分率を単位%で表現したものを頻度としたときに、当該頻度の大面積データによる漸近値が、
データ区間0°以上2.5°未満で、9%以上16%以下であり、
データ区間2.5°以上5.0°未満で、18%以上28%以下であり、
データ区間5.0°以上7.5°未満で、21%以上24%以下であり、
データ区間7.5°以上10.0°未満で、14%以上18%以下であり、
データ区間10.0°以上12.5°未満で、8%以上13%以下であり、
データ区間12.5°以上15.0°未満で、4%以上8%以下であり、
データ区間15.0°以上17.5°未満で、2%以上5%以下であり、
データ区間17.5°以上20.0°未満で、1%以上3%以下であり、
データ区間20.0°以上22.5°未満で、2%以下であり、
データ区間22.5°以上25.0°未満で、2%以下であり、
データ区間25.0°以上27.5°未満で、1%以下であり、
データ区間27.5°以上30.0°未満で、1%以下であり、
データ区間30.0°以上32.5°未満で、1%以下であり、
データ区間32.5°以上35.0°未満で、0.5%以下であり、
データ区間35.0°以上37.5°未満で、0.5%以下であり、
データ区間37.5°以上40.0°未満で、0.3%以下であり、
データ区間40.0°以上42.5°未満で、0.2%以下であり、
データ区間42.5°以上45.0°未満で、0.1%以下であることを特徴とする、不定形な三次元表面形状に起因して光が屈折して拡散する機能を有するポリカーボネート製の光拡散フィルム。
<2> 光拡散フィルムの配光特性を司る表面形状を規定する方法であって、
所定のフィルム面内(XY方向)ピッチおよびフィルム厚み方向(Z方向)ピッチを有する表面の三次元形状データにおいて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、三次元形状データから当該仮想平面の傾斜角度データを得て、傾斜角度データのデータ区間を所定の傾斜角度刻みとし、各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する比率を算出し、当該比率の大面積データによる漸近値に基づいてフィルムの表面の傾斜角分布を決定する傾斜角分布決定アルゴリズムを備えることを特徴とする、光拡散フィルムの表面形状を規定する方法。
<3> 光拡散フィルムの配光特性を司る表面形状を規定する方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
当該方法が、所定のフィルム面内(XY方向)ピッチおよびフィルム厚み方向(Z方向)ピッチを有する表面の三次元形状データにおいて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、三次元形状データから当該仮想平面の傾斜角度データを得て、傾斜角度データのデータ区間を所定の傾斜角度刻みとし、各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する比率を算出し、当該比率の大面積データによる漸近値に基づいてフィルムの表面の傾斜角分布を決定する傾斜角分布決定アルゴリズムを備えており、
上記光拡散フィルムの表面形状を規定する方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
<4> 上記フィルム面内(XY方向)ピッチを1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチを0.01μm以下、傾斜角度刻みを2.5°としたことを特徴とする上記<2>に記載の光拡散フィルムの表面形状を規定する方法。
<5> 光拡散フィルムの表面形状を規定する方法において、上記フィルム面内(XY方向)ピッチを1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチを0.01μm以下、傾斜角度刻みを2.5°としたことを特徴とする、上記<3>に記載のコンピューター読み取り可能な記録媒体。
図1は、従来品エンボス面の等高線(コントアマップ)を示す図である。
図2は、従来品の光線追跡結果を示す図である。
図3は、実施例のエンボス面の等高線(コントアマップ)を示す図である。
図4は、実施例の光線追跡結果を示す図である。
図5は、従来品と実施例の配光特性を示す図である。
図6は、従来品エンボス面の等傾斜角線(コントアマップ)を示す図である。
図7は、実施例のエンボス面の等傾斜角線(コントアマップ)を示す図である。
図8は、従来品(製品仕様であるマットヘイズ上下限品の2種)、および実施例のエンボス面の傾斜角度頻度(ヒストグラム)を示す図である。
図9は、全反射条件の傾斜角度を説明するための図である。
図10は、微小領域の傾斜角度の算出アルゴリズムを説明するための図である。
図11は、高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ1μmの場合の界面傾斜角を説明するための図である。
図12は、高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ0.5μmの場合の界面傾斜角を説明するための図である。
図13は、デジタル三次元形状データによる傾斜角度の離散化を説明するための図である。
図14は、三次元形状データから傾斜角度の度数分布を計算するアルゴリズムを例示する図である。
図15は、傾斜角度の度数分布を算出するプログラミング言語Cによるソースコードを示す図である。
図2は、従来品の光線追跡結果を示す図である。
図3は、実施例のエンボス面の等高線(コントアマップ)を示す図である。
図4は、実施例の光線追跡結果を示す図である。
図5は、従来品と実施例の配光特性を示す図である。
図6は、従来品エンボス面の等傾斜角線(コントアマップ)を示す図である。
図7は、実施例のエンボス面の等傾斜角線(コントアマップ)を示す図である。
図8は、従来品(製品仕様であるマットヘイズ上下限品の2種)、および実施例のエンボス面の傾斜角度頻度(ヒストグラム)を示す図である。
図9は、全反射条件の傾斜角度を説明するための図である。
図10は、微小領域の傾斜角度の算出アルゴリズムを説明するための図である。
図11は、高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ1μmの場合の界面傾斜角を説明するための図である。
図12は、高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ0.5μmの場合の界面傾斜角を説明するための図である。
図13は、デジタル三次元形状データによる傾斜角度の離散化を説明するための図である。
図14は、三次元形状データから傾斜角度の度数分布を計算するアルゴリズムを例示する図である。
図15は、傾斜角度の度数分布を算出するプログラミング言語Cによるソースコードを示す図である。
1.ポリカーボネート樹脂
本発明の光拡散フィルムは、ポリカーボネート樹脂製である。
2.光拡散フィルムの製造
本発明の樹脂製フィルムの製造方法においては、通常の溶融押出成形装置が使用され得る。例えば、押出機で溶融されTダイから出てくる溶融樹脂フィルムを、ゴム弾性を有する第一冷却ロールと表面をエンボス加工した金属製第二冷却ロールでニップしてフィルム表面に凸凹形状を賦形し、下流側に配置した金属製第三冷却ロールと引取りロールでフィルムを引取る。
3.フィルム表面の凹凸形状
粗さ曲線要素の平均長さRSm
本発明の光拡散フィルムにおける粗さ曲線要素の平均長さRSmは、日本工業調査会JIS B 0601(2001)に準じて、測定される。この測定条件として、例えば、カットオフ値は0.8mmとする。対象は不定形柄目であるので、当該RSm値が漸近するまで測定長を長くする必要がある。後述する実施例の光拡散フィルムの場合は、50mmの測定長で、RSm値が略漸近することを確認した。柄目が大きいほど、RSm値が漸近するに至る測定長は長くなる。後述する平均長さRSmは、この条件下で測定された値である。粗さ曲線要素の平均長さRSmは、例えば、非接触三次元測定装置を使用して測定する。
以下、本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
ギラツキの低減
図1は、従来品の光拡散フィルムのエンボス表面の三次元形状を示す。より具体的には、図1は、測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmで測定した実データを使用して作成した等高線(コントアマップ)イメージである。高い方から順に、橙→水色→紫→黄緑→紅→青(また、各色の中でも明るい方が高い)であることを示している。
図2は、図1に示した従来品の光拡散フィルムのエンボス表面の三次元形状に基づき、光線追跡計算した結果である。入射した光線は板状(2次元)のコリメート光(平行光)とし、エンボス面の裏面から入射角度0°(垂直入射)とした。本明細書に記載した光線追跡モデルは、エンボスマットフィルムの材質をポリカーボネート(PC)とし、厚みを130μmとし、エンボス裏面を平面とし、マットフィルム表裏面の光学特性をフレネル損失とし、エッジ部分をミラーとし、周囲雰囲気を空気とし、PCの屈折率の波長分散を定義し、入射したコリメート光のスペクトルをC光源とした。エンボス裏面に入射させた光線の本数は1000本とした。
図2から明らかであるように、エンボス面の特定の局所部位が凸レンズ構造になっており、コリメート光(平行光)が収束し、若干収差のある点実像をエンボス面直上に形成しているのが分かる。これがギラツキ(粒粒感)の原因となっている。個々のLEDからの光線は略球面波と考えられるのでコリメート光の場合による点実像形成位置よりもエンボス面から遠ざかることになるが、図示されていないLEDがエンボス面から光学的に遠い場合には、略コリメート光とみなすことが可能となる。光源がCCFLの場合は、無限数の点光源から構成されているので、個々の凸レンズには無限数の方向からなるコリメート光が入射されることになる。このため、もはや明るい点実像ではなく暗い点実像が無限個繋がった状態になるので、局所的な明るい点は形成されないと言える。
図3は、本発明の一例であるマットフィルムのエンボス表面の三次元形状を、測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmで測定した実データを使用して作成した等高線(コントアマップ)イメージである。高い方から順に、ライトピンク→藤色→橙→水色→紫→黄緑→紅(また、各色の中でも明るい方が高い)であることを示している。
図4は、図3に示した本発明の一例であるマットフィルムのエンボス表面の三次元形状に基づき、光線追跡計算した結果である。入射した光線は板状(2次元)のコリメート光(平行光)とし、エンボス面の裏面から入射角度0°とした。エンボス裏面に入射させた光線の本数は1000本とした。図4から明らかであるように、図2に比べて点実像の個数が多く、1つ1つの点実像を形成する光線の数が少ないのが分かる。言い換えれば、暗い点実像が多数存在するので空間的に平均化され、ギラツキ(粒粒感)として認識されないと言える。
実際にLED光源で裏面から光を入射すると、従来品ではギラツキを認識し、本発明の一例である実施例ではギラツキを認識出来なかった。「LEDギラツキ問題」を解決するためには、エンボス面に形成されている凸レンズの大きさ(柄目の大きさ)が小さいことが重要であると言える。
図1に示す従来品の一次元断面プロファイル(一次元の幾何学的形状)からRSmを算出した結果、約100μmであった。これに対して、図3に示す実施例のエンボスマットフィルムの一次元断面プロファイルを用いてRSmを算出した結果、約50μmであった。図3の形状は一例であるので、ギラツキを低減するためにはRSmの値をどこまで小さくする必要があるか境界値を見出すために、様々なRSmの試作品を作製し、ギラツキの目視評価を実施した(表1参照)。この結果、境界値は70μm付近にあることが分かった。従って、RSmの値を70μm以下にすることにより、光拡散フィルムにおける「LEDギラツキ問題」を解決できるといえる。
従来品の光学特性の継承
図5は、図1に示した従来品の光拡散フィルムのエンボス表面、および図3に示した実施例であるマットフィルムのエンボス表面の配光分布の実測値を示している。これらは、オパール製の透過型完全拡散板を用いて規格化してある。その際、透過型完全拡散板の全光線透過率が100%となるように計算した(プロジェクター反射スクリーン評価値のスクリーンゲインの透過型である)。入射光はどちらもエンボス裏面からのコリメート光の垂直入射であり、製造上の都合による裏面のエンボス柄(ゴム弾性を有する第一冷却ロール表面の柄目の転写)については、PC用の屈折率マッチング液を用いてガラス板を貼り合わせ、光学的に裏面のエンボス柄を無くして測定した。図5から明らかであるように、実施例の配光特性は、従来品と同等である。また、従来品のマットヘイズ値(製品仕様値の範囲)は、45〜55%であり、実施例のマットヘイズ値は、52%であった。マットヘイズ値とは、配光特性の測定と同様に、エンボス裏面のヘイズを屈折率マッチング液とガラス板とで光学的になきものとした場合に、表面のエンボス柄のみに由来するヘイズの値のことである。
マットヘイズ値の測定にも、同様に、エンボス裏面から測定コリメート光を垂直入射した。また、全光線透過率は、従来品と実施例ともに、89%で同値であった。全光線透過率の測定にも同様に、エンボス裏面からのコリメート光を垂直入射とした。以上のことにより、本願発明の実施例は、従来品の配光特性を継承しつつ、ギラツキのない新規なマットフィルムであると言える。但し、これはあくまでも入射光が、エンボス裏面からの垂直入射の場合である。実際の液晶テレビのバックライトユニット内においては、エンボスマットフィルムには、垂直入射光以外の斜め入射の光も存在することになる。従って、あらゆる入射角度による配光特性(配光分布)までも継承するためには、エンボスマット表面の微小領域の傾斜角度の全体の分布を考慮しなければならない。
光は屈折率差のある界面において、スネルの法則で屈折する。よって、本願発明の光学的機能においては、エンボスマット表面の界面高さでなく、界面の傾きの分布(各傾斜角の存在割合)が重要になる。粗さ測定で通常行われる探針で、フィルム(マット)表面を1次元的に走査して得られる一次元幾何学断面形状のプロファイルの微小部分の傾き(プロファイルの空間的1階微分)は、光が屈折する界面の傾きではなく、あくまでも幾何学的断面形状の傾きである。断面形状の傾きは、光学的界面の傾きではない。スネルの法則に適応される光学的界面の傾きを得るには、断面形状の傾きではなく、図1や図3に例示されている三次元的な本質的な表面形状の情報が必要になる。
図6に、図1に示した従来品の光拡散フィルムのエンボス表面の等傾斜角度線(コントアマップ)を示す。通常、三次元形状データはデジタル値での出力になるので、測定データは離散値になる。よって、表面の三次元形状の面内方向(XY)の測定ピッチ(縦横ピッチ)が細かすぎると傾斜角が小さい界面の情報が正確に取れなくなるので、注意が必要である。高さの解像度が0.01μmの場合、縦横ピッチを1μmとすると、離散化された取り得る傾斜角度は、小さい方から、0°、0.57°、0.81°、1.15°、1.28°、1.62°、1.72°、1.81°、・・・となる。これらの傾斜角度のうち、小さい方から3番目までを図11に示す。
一方、高さの解像度を0.01μmと同じにした場合で縦横ピッチを0.5μmとすると、離散化された傾斜角度は、低い方から、0°、1.15°、1.62°、2.29°、2.56°、3.24°、3.43°、3.62°、・・・となる。これらの傾斜角度のうち、低い方から3番目までを図12に示す。以上のように縦横ピッチを細かくすると、傾斜角度が小さい領域の取り得る値の離散化度(隣接する取り得る値の間隔の程度)が大きくなってしまい、低傾斜角領域の挙動が分からなくなってしまう。また、それとは逆に縦横ピッチを大きくし過ぎると、縦横ピッチより小さい大きさの柄目による傾斜角度情報が得られなくなる。本発明のエンボスマットフィルムは、光の屈折を利用しているので、縦横ピッチは可視光の波長(0.38〜0.78μm)以上である1μmとする必要がある。本発明の拡散フィルムの傾斜角度の検討においては、高さ方向の解像度を0.01μm、縦横ピッチを1μmとした三次元形状データを用いたが、高さ方向の解像度は、0.01μmより小さくても構わない。
図6は、図1を作図した際の従来品の三次元形状データ(測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmなので高さデータの数は、1001×1001個)からデータを1つおきに間引いて縦横ピッチ1μmに修正したもの(測定領域500μm四方、縦横ピッチ1μm、高さ精度0.01μmになるので、高さデータの数は、501×501個)を使用し、界面の傾斜角度(傾斜角度データ)を求め、等傾斜角線(傾斜角のコントアマップ)として作図したものである。図6は、傾斜角の大きい順から、橙色→黄色→黄緑色→水色→青色とし、各色の中でも明るい方が傾斜角が大きいように作図してある。よって、橙色や黄色の部分は、界面の傾斜角が大きいので例えば、エンボス裏面から垂直入射された光線は大きな屈折角度で屈折する。また、青色の部分は、界面の傾斜角が小さいので、同様にエンボス裏面から垂直入射された光線の屈折角は小さい。
図7は、図3を作図した際の実施例の三次元形状データ(測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmなので高さデータの数は、1001×1001個)からデータを1つおきに間引いて縦横ピッチ1μmに修正したもの(測定領域500μm四方、縦横ピッチ1μm、高さ精度0.01μmになるので、高さデータの数は、501×501個)を使用し、界面の傾斜角度(傾斜角度データ)を求め、等傾斜角線(傾斜角のコントアマップ)として作図したものである。
傾斜角の算出は、以下のように実施した。図10に示すように、この高さデータである501行501列の2次元マトリックスデータ(測定領域500μm四方、縦横ピッチ1μm、高さ精度0.01μmの表面三次元データ)から、XY平面内でお互いに隣接する3つの高さ情報(3つの行列要素)から成る三次元空間の点で張られる仮想平面(三角形)の傾きを当該個所の界面の傾き(傾斜角度)とした。従って、正方形を形つくるXY平面内でお互いに隣接する4点により、4つの傾斜角が算出される(4点から3点を取る組み合わせ数は4つ)。具体的計算としては、三角形で定義される2つのベクトルの外積計算をし、仮想平面の法線ベクトルを求め、フィルム基材面の法線ベクトルとの成す角を傾斜角とした。高さデータである2次元マトリックスデータは、501行501列の行列であるので、傾斜角度データは、1000行1000列の行列になる。
実際の計算は、プログラミング言語Cを用いて実行した。表面の三次元形状測定は、オートフォーカス機能によるものや、共焦点レーザー顕微鏡等があるが、傾斜角度が大きいと、明らかに間違った値になったり、データ自体が取れない場合があるのが一般的である。そのような明らかにエラーのデータは、傾斜角の算出に利用しないようにした。図15にエンボスマット表面の三次元形状を高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ1μm、視野500μm×500μmで測定した501×501個のデータから、微小領域の傾斜角度の度数分布を算出するプログラミング言語Cで作成したソースコードを示す。エラーデータは、予め、ありえない値である−10,000とした。なお、高さデータの単位は、mmとしてプログラミングしてある。
プログラムアルゴリズムをフローチャートの形で図14に示す。先ず、2次元配列された高さデータを読み込み、メモリに格納する。次に、1行1列、1行2列、2行1列、2行2列の要素にエラーデータが無いことを確認する。エラーデータがあれば、列を1つ送る。すなわち、1行2列、1行3列、2行2列、2行3列の要素の処理に移る。エラーデータが無ければ、4点のうちから3点を選ぶ4つの全ての組み合わせからなる4つの仮想平面の角度を算出する。角度を算出したらメモリに格納し、列を1つ送り、同様の演算を繰り返す。2次元配列された高さデータがN行N列の場合、列がNになった場合は、列を1列に戻し、行を1つ送る。(N−1)行、(N−1)列の処理が終了したら、メモリに格納された傾斜角度データから角度データ区間刻みを2.5°として、各データ区間に所属する度数をカウントし、結果をファイルに出力する。
本プログラムは、例として、M01_raw01.txtというファイル名の三次元形状データ(高さ情報であって、501行501列の行列)を読み込み、result.txtというファイル名の傾斜角の度数分布を出力するものである。一例として、従来品の光拡散フィルム表面の500μm×500μmの範囲の傾斜角の度数分布結果を下記表2に示す。表2における傾斜角度データのデータ区間のうち、例えば第1区間は、0°以上、2.5°未満のデータ区間を意味する。そして、表2における右から2番目の列は度数を表し、全ての区間の度数の総和(最下段参照)で各データ区間の度数を割って100を掛けたものが頻度(%)となる。このように、本願明細書における頻度とは、傾斜角度データの各データ区間の度数の、全データ区間(0〜90度)の度数の総和に対する比率を意味する。
図8に、上記手法によって求めた微小領域の光学的界面の傾斜角集団の存在頻度(ヒストグラム)を示す。データ区間は、0°を始めとし、2.5°刻みで設定した。具体的には、傾斜角度の低い方から0°以上2.5°未満の頻度、2.5°以上5.0°未満の頻度、5.0°以上7.5°未満の頻度、7.5°以上10°未満の頻度、10°以上12.5°未満の頻度、12.5°以上15°未満の頻度、15°以上17.5°未満の頻度、17.5°以上20°未満の頻度、20°以上22.5°未満の頻度、22.5°以上25°未満の頻度、25°以上27.5°未満の頻度、27.5°以上30°未満の頻度、30°以上32.5°未満の頻度、32.5°以上35°未満の頻度、35°以上37.5°未満の頻度、37.5°以上40°未満の頻度、40°以上42.5°未満の頻度、42.5°以上45°未満の頻度とした。45°以上については、実質的に存在頻度が0に近いので、評価しないデータ区間とした。
エンボスマット表面の三次元形状データは、高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ1μmで取得しているので、計算で求められる傾斜角度も離散化される。図13に示すように、0°〜0.29°の範囲の傾斜角が0°に代表され、0.29°〜0.69°の範囲の傾斜角が0.57°に代表され、0.69°〜0.98°の範囲の傾斜角が0.81°に代表されることになる。縦横のピッチは、1μmで固定なので、高さ方向の分解能0.01μmの測定装置由来の高さデータの数値決定(例えば、現実の高さ0.015μmを0.01μmと決定するか0.02μmと決定するかである)によって、上記範囲のつなぎ目である0.29°や0.69°や0.98°近傍にある傾斜角は自身よりも小さい値に代表されるのか、大きい値に代表されるのかは確率的事象と考えられる。よって、ヒストグラム作成にあたって、データ区間の刻みを小さくし過ぎると、本来あるべきデータ区間のどちらか隣の区間に集約されてしまう現象が無視できない。低傾斜角度の領域は、離散化度が大きいので、特に問題となる。本発明の実施例、および従来品のエンボス表面の傾斜角は小さい成分が多いので、特にこの点が問題となる。また、2.5°よりも大きいと傾斜角分布の特徴が捉えられなくなる恐れがある。以上のことを考慮し、本実施例では、データ区間の刻みを2.5°とした。
図8に図示した従来品および本発明品については、同一ロットサンプルにおいて、500μm四方の場所を変えて繰り返し測定し、それぞれの測定領域の同一データ区間の度数の総和からヒストグラムを作成し、ヒストグラムのプロファイルが漸近(収束)するまで測定した。具体的には、それぞれ500μm四方を10点測定し、漸近(収束)を確かめた。
図8中の従来品(マットヘイズ45%)と従来品(マットヘイズ55%)は、従来品のマットヘイズの仕様の上限品および下限品を意味している。すなわち、赤棒と青棒の示す、各データ区間における上記頻度(各データ区間の度数の、全データ区間の度数の総和に対する比率、割合)の漸近値の上限値および下限値の間に、実施例のフィルムの頻度の漸近値が含まれているならば、当該実施例のフィルムは良好な光学(配光)特性を備えるといえる。このような実施例のフィルムであれば、製品として出荷され、液晶テレビバックライト光学フィルムとして工業的に使用可能である。なお、図8における各データ区間の3つの棒グラフは、左から、従来品(マットヘイズ45%)、従来品(マットヘイズ55%)、実施例を示す。
傾斜角頻度の製品範囲(マットヘイズ値で45%以上55%以下のものが製品仕様内)を傾斜角度のヒストグラムの頻度で、数値的に表現すると概ね以下の表3の通りになり、各傾斜角度データ区間における頻度が、以下の範囲に入っていれば、予め定められたレベルの良好な光学特性を備えていると言える。
図8中の実施例は、上記頻度の範囲に含まれており、本願出願人による従来品の優れた光学特性を継承したものになっている。図8中の実施例は、上記頻度の範囲に存在する一例である。本願発明の実施品は、それぞれの頻度の値が、上記の数値範囲に入っているものであるといえる。
また、従来品を含め、本願発明の実施品の特徴として、傾斜角度32.5°以上のデータ区間で頻度が0.5%以下であることが挙げられる(表3の第14区間(区間番号14)以下、参照)。図9に示すように、エンボスマット裏面から垂直入射する光線に対して、PC(屈折率1.58)/Air(屈折率1.0)の界面での全反射条件を満たす界面の傾斜角度は、39.3°である(上記屈折率は、ナトリウムd線の波長587.6nmのもの)。これ以上の傾斜角成分は反射して再帰し、その結果、全光線透過率の低下に繋がる。よって、全反射に関わる該周辺以上の傾斜角度成分は、少ないことが望ましい。
以上、項目「ギラツキの低減」と「従来品の光学特性の継承」で説明した通り、RSm値による柄目の大きさの管理、およびエンボスマット柄の微小領域の傾斜角度の頻度分布による管理によって、従来品のフィルムの良好な光学特性を継承しつつも、ギラツキの少ない新規マットフィルムを規定することが可能となる。また、これまでは、不均一柄目の評価法としては、Ra(算術平均高さ)、Ry(最大高さ)、Rz(十点平均高さ)、RSm(粗さ曲線要素の平均長さ)等の幾何学的一面での評価でしかなかったが、傾斜角度分布による不均一柄目の定式化という、フィルム表面形状を三次元的に測定、および規定する新しい手法を実現することによって、光学特性を十分に保証出来得る、不均一柄目な光学フィルムの表面形状の定義が可能になった。
本発明の光拡散フィルムは、ポリカーボネート樹脂製である。
2.光拡散フィルムの製造
本発明の樹脂製フィルムの製造方法においては、通常の溶融押出成形装置が使用され得る。例えば、押出機で溶融されTダイから出てくる溶融樹脂フィルムを、ゴム弾性を有する第一冷却ロールと表面をエンボス加工した金属製第二冷却ロールでニップしてフィルム表面に凸凹形状を賦形し、下流側に配置した金属製第三冷却ロールと引取りロールでフィルムを引取る。
3.フィルム表面の凹凸形状
粗さ曲線要素の平均長さRSm
本発明の光拡散フィルムにおける粗さ曲線要素の平均長さRSmは、日本工業調査会JIS B 0601(2001)に準じて、測定される。この測定条件として、例えば、カットオフ値は0.8mmとする。対象は不定形柄目であるので、当該RSm値が漸近するまで測定長を長くする必要がある。後述する実施例の光拡散フィルムの場合は、50mmの測定長で、RSm値が略漸近することを確認した。柄目が大きいほど、RSm値が漸近するに至る測定長は長くなる。後述する平均長さRSmは、この条件下で測定された値である。粗さ曲線要素の平均長さRSmは、例えば、非接触三次元測定装置を使用して測定する。
以下、本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
ギラツキの低減
図1は、従来品の光拡散フィルムのエンボス表面の三次元形状を示す。より具体的には、図1は、測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmで測定した実データを使用して作成した等高線(コントアマップ)イメージである。高い方から順に、橙→水色→紫→黄緑→紅→青(また、各色の中でも明るい方が高い)であることを示している。
図2は、図1に示した従来品の光拡散フィルムのエンボス表面の三次元形状に基づき、光線追跡計算した結果である。入射した光線は板状(2次元)のコリメート光(平行光)とし、エンボス面の裏面から入射角度0°(垂直入射)とした。本明細書に記載した光線追跡モデルは、エンボスマットフィルムの材質をポリカーボネート(PC)とし、厚みを130μmとし、エンボス裏面を平面とし、マットフィルム表裏面の光学特性をフレネル損失とし、エッジ部分をミラーとし、周囲雰囲気を空気とし、PCの屈折率の波長分散を定義し、入射したコリメート光のスペクトルをC光源とした。エンボス裏面に入射させた光線の本数は1000本とした。
図2から明らかであるように、エンボス面の特定の局所部位が凸レンズ構造になっており、コリメート光(平行光)が収束し、若干収差のある点実像をエンボス面直上に形成しているのが分かる。これがギラツキ(粒粒感)の原因となっている。個々のLEDからの光線は略球面波と考えられるのでコリメート光の場合による点実像形成位置よりもエンボス面から遠ざかることになるが、図示されていないLEDがエンボス面から光学的に遠い場合には、略コリメート光とみなすことが可能となる。光源がCCFLの場合は、無限数の点光源から構成されているので、個々の凸レンズには無限数の方向からなるコリメート光が入射されることになる。このため、もはや明るい点実像ではなく暗い点実像が無限個繋がった状態になるので、局所的な明るい点は形成されないと言える。
図3は、本発明の一例であるマットフィルムのエンボス表面の三次元形状を、測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmで測定した実データを使用して作成した等高線(コントアマップ)イメージである。高い方から順に、ライトピンク→藤色→橙→水色→紫→黄緑→紅(また、各色の中でも明るい方が高い)であることを示している。
図4は、図3に示した本発明の一例であるマットフィルムのエンボス表面の三次元形状に基づき、光線追跡計算した結果である。入射した光線は板状(2次元)のコリメート光(平行光)とし、エンボス面の裏面から入射角度0°とした。エンボス裏面に入射させた光線の本数は1000本とした。図4から明らかであるように、図2に比べて点実像の個数が多く、1つ1つの点実像を形成する光線の数が少ないのが分かる。言い換えれば、暗い点実像が多数存在するので空間的に平均化され、ギラツキ(粒粒感)として認識されないと言える。
実際にLED光源で裏面から光を入射すると、従来品ではギラツキを認識し、本発明の一例である実施例ではギラツキを認識出来なかった。「LEDギラツキ問題」を解決するためには、エンボス面に形成されている凸レンズの大きさ(柄目の大きさ)が小さいことが重要であると言える。
図1に示す従来品の一次元断面プロファイル(一次元の幾何学的形状)からRSmを算出した結果、約100μmであった。これに対して、図3に示す実施例のエンボスマットフィルムの一次元断面プロファイルを用いてRSmを算出した結果、約50μmであった。図3の形状は一例であるので、ギラツキを低減するためにはRSmの値をどこまで小さくする必要があるか境界値を見出すために、様々なRSmの試作品を作製し、ギラツキの目視評価を実施した(表1参照)。この結果、境界値は70μm付近にあることが分かった。従って、RSmの値を70μm以下にすることにより、光拡散フィルムにおける「LEDギラツキ問題」を解決できるといえる。
図5は、図1に示した従来品の光拡散フィルムのエンボス表面、および図3に示した実施例であるマットフィルムのエンボス表面の配光分布の実測値を示している。これらは、オパール製の透過型完全拡散板を用いて規格化してある。その際、透過型完全拡散板の全光線透過率が100%となるように計算した(プロジェクター反射スクリーン評価値のスクリーンゲインの透過型である)。入射光はどちらもエンボス裏面からのコリメート光の垂直入射であり、製造上の都合による裏面のエンボス柄(ゴム弾性を有する第一冷却ロール表面の柄目の転写)については、PC用の屈折率マッチング液を用いてガラス板を貼り合わせ、光学的に裏面のエンボス柄を無くして測定した。図5から明らかであるように、実施例の配光特性は、従来品と同等である。また、従来品のマットヘイズ値(製品仕様値の範囲)は、45〜55%であり、実施例のマットヘイズ値は、52%であった。マットヘイズ値とは、配光特性の測定と同様に、エンボス裏面のヘイズを屈折率マッチング液とガラス板とで光学的になきものとした場合に、表面のエンボス柄のみに由来するヘイズの値のことである。
マットヘイズ値の測定にも、同様に、エンボス裏面から測定コリメート光を垂直入射した。また、全光線透過率は、従来品と実施例ともに、89%で同値であった。全光線透過率の測定にも同様に、エンボス裏面からのコリメート光を垂直入射とした。以上のことにより、本願発明の実施例は、従来品の配光特性を継承しつつ、ギラツキのない新規なマットフィルムであると言える。但し、これはあくまでも入射光が、エンボス裏面からの垂直入射の場合である。実際の液晶テレビのバックライトユニット内においては、エンボスマットフィルムには、垂直入射光以外の斜め入射の光も存在することになる。従って、あらゆる入射角度による配光特性(配光分布)までも継承するためには、エンボスマット表面の微小領域の傾斜角度の全体の分布を考慮しなければならない。
光は屈折率差のある界面において、スネルの法則で屈折する。よって、本願発明の光学的機能においては、エンボスマット表面の界面高さでなく、界面の傾きの分布(各傾斜角の存在割合)が重要になる。粗さ測定で通常行われる探針で、フィルム(マット)表面を1次元的に走査して得られる一次元幾何学断面形状のプロファイルの微小部分の傾き(プロファイルの空間的1階微分)は、光が屈折する界面の傾きではなく、あくまでも幾何学的断面形状の傾きである。断面形状の傾きは、光学的界面の傾きではない。スネルの法則に適応される光学的界面の傾きを得るには、断面形状の傾きではなく、図1や図3に例示されている三次元的な本質的な表面形状の情報が必要になる。
図6に、図1に示した従来品の光拡散フィルムのエンボス表面の等傾斜角度線(コントアマップ)を示す。通常、三次元形状データはデジタル値での出力になるので、測定データは離散値になる。よって、表面の三次元形状の面内方向(XY)の測定ピッチ(縦横ピッチ)が細かすぎると傾斜角が小さい界面の情報が正確に取れなくなるので、注意が必要である。高さの解像度が0.01μmの場合、縦横ピッチを1μmとすると、離散化された取り得る傾斜角度は、小さい方から、0°、0.57°、0.81°、1.15°、1.28°、1.62°、1.72°、1.81°、・・・となる。これらの傾斜角度のうち、小さい方から3番目までを図11に示す。
一方、高さの解像度を0.01μmと同じにした場合で縦横ピッチを0.5μmとすると、離散化された傾斜角度は、低い方から、0°、1.15°、1.62°、2.29°、2.56°、3.24°、3.43°、3.62°、・・・となる。これらの傾斜角度のうち、低い方から3番目までを図12に示す。以上のように縦横ピッチを細かくすると、傾斜角度が小さい領域の取り得る値の離散化度(隣接する取り得る値の間隔の程度)が大きくなってしまい、低傾斜角領域の挙動が分からなくなってしまう。また、それとは逆に縦横ピッチを大きくし過ぎると、縦横ピッチより小さい大きさの柄目による傾斜角度情報が得られなくなる。本発明のエンボスマットフィルムは、光の屈折を利用しているので、縦横ピッチは可視光の波長(0.38〜0.78μm)以上である1μmとする必要がある。本発明の拡散フィルムの傾斜角度の検討においては、高さ方向の解像度を0.01μm、縦横ピッチを1μmとした三次元形状データを用いたが、高さ方向の解像度は、0.01μmより小さくても構わない。
図6は、図1を作図した際の従来品の三次元形状データ(測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmなので高さデータの数は、1001×1001個)からデータを1つおきに間引いて縦横ピッチ1μmに修正したもの(測定領域500μm四方、縦横ピッチ1μm、高さ精度0.01μmになるので、高さデータの数は、501×501個)を使用し、界面の傾斜角度(傾斜角度データ)を求め、等傾斜角線(傾斜角のコントアマップ)として作図したものである。図6は、傾斜角の大きい順から、橙色→黄色→黄緑色→水色→青色とし、各色の中でも明るい方が傾斜角が大きいように作図してある。よって、橙色や黄色の部分は、界面の傾斜角が大きいので例えば、エンボス裏面から垂直入射された光線は大きな屈折角度で屈折する。また、青色の部分は、界面の傾斜角が小さいので、同様にエンボス裏面から垂直入射された光線の屈折角は小さい。
図7は、図3を作図した際の実施例の三次元形状データ(測定領域500μm四方、縦横ピッチ0.5μm、高さ精度0.01μmなので高さデータの数は、1001×1001個)からデータを1つおきに間引いて縦横ピッチ1μmに修正したもの(測定領域500μm四方、縦横ピッチ1μm、高さ精度0.01μmになるので、高さデータの数は、501×501個)を使用し、界面の傾斜角度(傾斜角度データ)を求め、等傾斜角線(傾斜角のコントアマップ)として作図したものである。
傾斜角の算出は、以下のように実施した。図10に示すように、この高さデータである501行501列の2次元マトリックスデータ(測定領域500μm四方、縦横ピッチ1μm、高さ精度0.01μmの表面三次元データ)から、XY平面内でお互いに隣接する3つの高さ情報(3つの行列要素)から成る三次元空間の点で張られる仮想平面(三角形)の傾きを当該個所の界面の傾き(傾斜角度)とした。従って、正方形を形つくるXY平面内でお互いに隣接する4点により、4つの傾斜角が算出される(4点から3点を取る組み合わせ数は4つ)。具体的計算としては、三角形で定義される2つのベクトルの外積計算をし、仮想平面の法線ベクトルを求め、フィルム基材面の法線ベクトルとの成す角を傾斜角とした。高さデータである2次元マトリックスデータは、501行501列の行列であるので、傾斜角度データは、1000行1000列の行列になる。
実際の計算は、プログラミング言語Cを用いて実行した。表面の三次元形状測定は、オートフォーカス機能によるものや、共焦点レーザー顕微鏡等があるが、傾斜角度が大きいと、明らかに間違った値になったり、データ自体が取れない場合があるのが一般的である。そのような明らかにエラーのデータは、傾斜角の算出に利用しないようにした。図15にエンボスマット表面の三次元形状を高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ1μm、視野500μm×500μmで測定した501×501個のデータから、微小領域の傾斜角度の度数分布を算出するプログラミング言語Cで作成したソースコードを示す。エラーデータは、予め、ありえない値である−10,000とした。なお、高さデータの単位は、mmとしてプログラミングしてある。
プログラムアルゴリズムをフローチャートの形で図14に示す。先ず、2次元配列された高さデータを読み込み、メモリに格納する。次に、1行1列、1行2列、2行1列、2行2列の要素にエラーデータが無いことを確認する。エラーデータがあれば、列を1つ送る。すなわち、1行2列、1行3列、2行2列、2行3列の要素の処理に移る。エラーデータが無ければ、4点のうちから3点を選ぶ4つの全ての組み合わせからなる4つの仮想平面の角度を算出する。角度を算出したらメモリに格納し、列を1つ送り、同様の演算を繰り返す。2次元配列された高さデータがN行N列の場合、列がNになった場合は、列を1列に戻し、行を1つ送る。(N−1)行、(N−1)列の処理が終了したら、メモリに格納された傾斜角度データから角度データ区間刻みを2.5°として、各データ区間に所属する度数をカウントし、結果をファイルに出力する。
本プログラムは、例として、M01_raw01.txtというファイル名の三次元形状データ(高さ情報であって、501行501列の行列)を読み込み、result.txtというファイル名の傾斜角の度数分布を出力するものである。一例として、従来品の光拡散フィルム表面の500μm×500μmの範囲の傾斜角の度数分布結果を下記表2に示す。表2における傾斜角度データのデータ区間のうち、例えば第1区間は、0°以上、2.5°未満のデータ区間を意味する。そして、表2における右から2番目の列は度数を表し、全ての区間の度数の総和(最下段参照)で各データ区間の度数を割って100を掛けたものが頻度(%)となる。このように、本願明細書における頻度とは、傾斜角度データの各データ区間の度数の、全データ区間(0〜90度)の度数の総和に対する比率を意味する。
エンボスマット表面の三次元形状データは、高さ解像度0.01μm、縦横ピッチ1μmで取得しているので、計算で求められる傾斜角度も離散化される。図13に示すように、0°〜0.29°の範囲の傾斜角が0°に代表され、0.29°〜0.69°の範囲の傾斜角が0.57°に代表され、0.69°〜0.98°の範囲の傾斜角が0.81°に代表されることになる。縦横のピッチは、1μmで固定なので、高さ方向の分解能0.01μmの測定装置由来の高さデータの数値決定(例えば、現実の高さ0.015μmを0.01μmと決定するか0.02μmと決定するかである)によって、上記範囲のつなぎ目である0.29°や0.69°や0.98°近傍にある傾斜角は自身よりも小さい値に代表されるのか、大きい値に代表されるのかは確率的事象と考えられる。よって、ヒストグラム作成にあたって、データ区間の刻みを小さくし過ぎると、本来あるべきデータ区間のどちらか隣の区間に集約されてしまう現象が無視できない。低傾斜角度の領域は、離散化度が大きいので、特に問題となる。本発明の実施例、および従来品のエンボス表面の傾斜角は小さい成分が多いので、特にこの点が問題となる。また、2.5°よりも大きいと傾斜角分布の特徴が捉えられなくなる恐れがある。以上のことを考慮し、本実施例では、データ区間の刻みを2.5°とした。
図8に図示した従来品および本発明品については、同一ロットサンプルにおいて、500μm四方の場所を変えて繰り返し測定し、それぞれの測定領域の同一データ区間の度数の総和からヒストグラムを作成し、ヒストグラムのプロファイルが漸近(収束)するまで測定した。具体的には、それぞれ500μm四方を10点測定し、漸近(収束)を確かめた。
図8中の従来品(マットヘイズ45%)と従来品(マットヘイズ55%)は、従来品のマットヘイズの仕様の上限品および下限品を意味している。すなわち、赤棒と青棒の示す、各データ区間における上記頻度(各データ区間の度数の、全データ区間の度数の総和に対する比率、割合)の漸近値の上限値および下限値の間に、実施例のフィルムの頻度の漸近値が含まれているならば、当該実施例のフィルムは良好な光学(配光)特性を備えるといえる。このような実施例のフィルムであれば、製品として出荷され、液晶テレビバックライト光学フィルムとして工業的に使用可能である。なお、図8における各データ区間の3つの棒グラフは、左から、従来品(マットヘイズ45%)、従来品(マットヘイズ55%)、実施例を示す。
傾斜角頻度の製品範囲(マットヘイズ値で45%以上55%以下のものが製品仕様内)を傾斜角度のヒストグラムの頻度で、数値的に表現すると概ね以下の表3の通りになり、各傾斜角度データ区間における頻度が、以下の範囲に入っていれば、予め定められたレベルの良好な光学特性を備えていると言える。
また、従来品を含め、本願発明の実施品の特徴として、傾斜角度32.5°以上のデータ区間で頻度が0.5%以下であることが挙げられる(表3の第14区間(区間番号14)以下、参照)。図9に示すように、エンボスマット裏面から垂直入射する光線に対して、PC(屈折率1.58)/Air(屈折率1.0)の界面での全反射条件を満たす界面の傾斜角度は、39.3°である(上記屈折率は、ナトリウムd線の波長587.6nmのもの)。これ以上の傾斜角成分は反射して再帰し、その結果、全光線透過率の低下に繋がる。よって、全反射に関わる該周辺以上の傾斜角度成分は、少ないことが望ましい。
以上、項目「ギラツキの低減」と「従来品の光学特性の継承」で説明した通り、RSm値による柄目の大きさの管理、およびエンボスマット柄の微小領域の傾斜角度の頻度分布による管理によって、従来品のフィルムの良好な光学特性を継承しつつも、ギラツキの少ない新規マットフィルムを規定することが可能となる。また、これまでは、不均一柄目の評価法としては、Ra(算術平均高さ)、Ry(最大高さ)、Rz(十点平均高さ)、RSm(粗さ曲線要素の平均長さ)等の幾何学的一面での評価でしかなかったが、傾斜角度分布による不均一柄目の定式化という、フィルム表面形状を三次元的に測定、および規定する新しい手法を実現することによって、光学特性を十分に保証出来得る、不均一柄目な光学フィルムの表面形状の定義が可能になった。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。本発明の実施例の光拡散フィルムの製造方法は以下の通りである。
(1)実施例の光拡散フィルムの製造
「ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンS−3000、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を、ベント脱気式50mm単軸押出機とTダイにより290℃で溶融押出した。押出された溶融フィルムを、直径202mmのシリコンゴム製の第一冷却ロールと、エンボス加工した直径400mmの金属性第二冷却ロールでニップした。ニップ線圧は、230N/cmとした。次に、エンボス柄をフィルム表面に賦形して冷却し、更に、表面が鏡面の金属性第三冷却ロールに通して、引取ロールで引き取りながら厚み130μmの片面エンボスマットフィルムを成形した。この時、第一冷却ロールの温度を65℃、第二冷却ロールの温度を145℃、第三冷却ロールの温度を130℃に設定し、冷却ロールの速度を10m/minとした。
得られた実施例の光拡散フィルムの特性の評価方法は、以下の通りである。
(2)全光線透過率、ヘーズ
株式会社村上色彩技術研究所社製 ヘーズメーターHM−150を使用して測定した。
(3)配光特性
株式会社村上色彩技術研究所社製 ゴニオフォトメーター GP−200を使用して測定した。
(4)フィルム表面の三次元形状測定、粗さ曲線要素の平均長さRSm
三鷹光器株式会社製 非接触三次元測定装置 NH−3Nを使用して測定した。なお、本装置の高さ方向の解像度は、0.01μmで固定である。
等高線の確認と光線追跡計算においては、縦横ピッチを0.5μmとした。
傾斜角度の計算においては、縦横ピッチを1.0μmとした。
(5)光線追跡計算
Optical Reserch Associates社製
照明設計解析ソフトウェア LightToolsを使用して計算を実施した。
次に、上記の評価方法により測定された実施例の光拡散フィルムの特性は、以下の表4の通りであり、上述の図8においても、実施例として示されている。この実施例における各データ区間の頻度は、いずれも、表3で示された範囲内の値であるため、実施例の光拡散フィルムが良好な光学特性を備えていることが確認された。
また、フィルム表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmについては、10個所の測定を実施し、そのどれもが測定長を50mmまで取ることによって値が略50μmに漸近することを確認した。
フィルム裏面のエンボス柄(ゴム弾性を有する第一冷却ロール表面の柄目の転写)を屈折率マッチング液とガラス板で光学的になきものとし、LED光源で裏面から照明し、ギラツキを評価したが確認されなかった。
(1)実施例の光拡散フィルムの製造
「ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンS−3000、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を、ベント脱気式50mm単軸押出機とTダイにより290℃で溶融押出した。押出された溶融フィルムを、直径202mmのシリコンゴム製の第一冷却ロールと、エンボス加工した直径400mmの金属性第二冷却ロールでニップした。ニップ線圧は、230N/cmとした。次に、エンボス柄をフィルム表面に賦形して冷却し、更に、表面が鏡面の金属性第三冷却ロールに通して、引取ロールで引き取りながら厚み130μmの片面エンボスマットフィルムを成形した。この時、第一冷却ロールの温度を65℃、第二冷却ロールの温度を145℃、第三冷却ロールの温度を130℃に設定し、冷却ロールの速度を10m/minとした。
得られた実施例の光拡散フィルムの特性の評価方法は、以下の通りである。
(2)全光線透過率、ヘーズ
株式会社村上色彩技術研究所社製 ヘーズメーターHM−150を使用して測定した。
(3)配光特性
株式会社村上色彩技術研究所社製 ゴニオフォトメーター GP−200を使用して測定した。
(4)フィルム表面の三次元形状測定、粗さ曲線要素の平均長さRSm
三鷹光器株式会社製 非接触三次元測定装置 NH−3Nを使用して測定した。なお、本装置の高さ方向の解像度は、0.01μmで固定である。
等高線の確認と光線追跡計算においては、縦横ピッチを0.5μmとした。
傾斜角度の計算においては、縦横ピッチを1.0μmとした。
(5)光線追跡計算
Optical Reserch Associates社製
照明設計解析ソフトウェア LightToolsを使用して計算を実施した。
次に、上記の評価方法により測定された実施例の光拡散フィルムの特性は、以下の表4の通りであり、上述の図8においても、実施例として示されている。この実施例における各データ区間の頻度は、いずれも、表3で示された範囲内の値であるため、実施例の光拡散フィルムが良好な光学特性を備えていることが確認された。
フィルム裏面のエンボス柄(ゴム弾性を有する第一冷却ロール表面の柄目の転写)を屈折率マッチング液とガラス板で光学的になきものとし、LED光源で裏面から照明し、ギラツキを評価したが確認されなかった。
Claims (5)
- フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmの値が70μm以下の範囲(JIS B 0601(2001)準拠で、カットオフ値0.8mmとし、当該RSm値が漸近するまで測定長を取る)にあり、
フィルム面内(XY方向)ピッチ1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチ0.01μm以下として計測した表面の三次元形状データを用いて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、前記三次元形状データから得られる当該仮想平面の傾斜角度データから、データ区間を2.5°刻みとした各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する百分率を単位%で表現したものを頻度としたときに、
当該頻度の大面積データによる漸近値が、
データ区間0°以上2.5°未満で、9%以上16%以下であり、
データ区間2.5°以上5.0°未満で、18%以上28%以下であり、
データ区間5.0°以上7.5°未満で、21%以上24%以下であり、
データ区間7.5°以上10.0°未満で、14%以上18%以下であり、
データ区間10.0°以上12.5°未満で、8%以上13%以下であり、
データ区間12.5°以上15.0°未満で、4%以上8%以下であり、
データ区間15.0°以上17.5°未満で、2%以上5%以下であり、
データ区間17.5°以上20.0°未満で、1%以上3%以下であり、
データ区間20.0°以上22.5°未満で、2%以下であり、
データ区間22.5°以上25.0°未満で、2%以下であり、
データ区間25.0°以上27.5°未満で、1%以下であり、
データ区間27.5°以上30.0°未満で、1%以下であり、
データ区間30.0°以上32.5°未満で、1%以下であり、
データ区間32.5°以上35.0°未満で、0.5%以下であり、
データ区間35.0°以上37.5°未満で、0.5%以下であり、
データ区間37.5°以上40.0°未満で、0.3%以下であり、
データ区間40.0°以上42.5°未満で、0.2%以下であり、
データ区間42.5°以上45.0°未満で、0.1%以下であることを特徴とする、不定形な三次元表面形状に起因して光が屈折して拡散する機能を有するポリカーボネート製の光拡散フィルム。 - 光拡散フィルムの配光特性を司る表面形状を規定する方法であって、
所定のフィルム面内(XY方向)ピッチおよびフィルム厚み方向(Z方向)ピッチを有する表面の三次元形状データにおいて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、前記三次元形状データから当該仮想平面の傾斜角度データを得て、前記傾斜角度データのデータ区間を所定の傾斜角度刻みとし、各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する比率を算出し、当該比率の大面積データによる漸近値に基づいて前記フィルムの表面の傾斜角分布を決定する傾斜角分布決定アルゴリズムを備えることを特徴とする、光拡散フィルムの表面形状を規定する方法。 - 光拡散フィルムの配光特性を司る表面形状を規定する方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
前記方法が、所定のフィルム面内(XY方向)ピッチおよびフィルム厚み方向(Z方向)ピッチを有する表面の三次元形状データにおいて、XY平面上で互いに隣接する3点で張られる仮想平面の法線ベクトルとフィルム基材面の法線ベクトルとの成す角度を当該仮想平面の傾斜角度とすることにより、前記三次元形状データから当該仮想平面の傾斜角度データを得て、前記傾斜角度データのデータ区間を所定の傾斜角度刻みとし、各データ区間に属する度数の全データ区間の度数の総和に対する比率を算出し、当該比率の大面積データによる漸近値に基づいて前記フィルムの表面の傾斜角分布を決定する傾斜角分布決定アルゴリズムを備えており、
前記光拡散フィルムの表面形状を規定する方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする、コンピューター読み取り可能な記録媒体。 - 前記フィルム面内(XY方向)ピッチを1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチを0.01μm以下、傾斜角度刻みを2.5°としたことを特徴とする請求項2に記載の光拡散フィルムの表面形状を規定する方法。
- 光拡散フィルムの表面形状を規定する方法において、前記フィルム面内(XY方向)ピッチを1μm、フィルム厚み方向(Z方向)ピッチを0.01μm以下、傾斜角度刻みを2.5°としたことを特徴とする、請求項3に記載のコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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