JP5980214B2 - 低密度ポリエチレンを製造するための重合プロセス - Google Patents

低密度ポリエチレンを製造するための重合プロセス Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年9月30日に出願された米国仮出願第61/388,152号の優先権を主張する。
本発明は、低密度ポリエチレン(LDPE)およびLDPEを製造するための重合の改善に関する。特に、該重合法はオートクレーブリアクターを使用し、好ましくは管状リアクターを用いて連続して操作する。
今日、製造販売されているポリエチレンには多くの種類がある。特に1つの種類が、様々な供給業者によって製造され、大量に販売されている。このポリエチレンは、高圧フリーラジカルポリエチレンと呼ばれ(通常LDPEと呼ばれる)、通常、管状リアクターもしくはオートクレーブリアクター、または時には組み合わせを使用して製造される。ポリマーの使用者は、流動性、加工性または密度などの性質を改質しようとして、LDPEを直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)などの他のポリマーとブレンドすることもある。しかし、他の性能属性を保持しながら、改善されたフィルム光学を有することができる新規なLDPEポリマーに対する需要がある。
より高密度((≧)926kg/m以上)を有する低密度ポリエチレン樹脂は、短鎖分岐頻度を低減し、それにより生成物の密度を増加させるために、重合温度を下げ、高圧で作られる。表Aは、S. Gotoら;Journal of Applied Polymer Science: Applied Polymer Symposium, 36, 21-40, 1981 (Title: Computer model for commercial high pressure polyethylene reactor based on elementary reaction rates obtained experimentally)(文献番号1)により導出された、関連する反応段階についての速度論的データを示している。温度依存は、活性化エネルギーによってもたらされる。活性化エネルギーが高くなるほど、ある反応段階はより高い温度によって促進されることとなり、またはより低い温度によって低下することとなる。ポリマーの性質には、ある反応段階の速度と連鎖成長速度との間の比が重要である。
Figure 0005980214
温度依存性は、Δ活性化エネルギーによって表されるので、生成物におけるSCB頻度の場合、Δ活性化エネルギー=13.03−10.52=2.51kcal/モルである。
高圧中密度樹脂を生成するときは、短鎖分岐を低減するために低温条件を適用するべきである。Gotoらの速度論では、「930kg/mの密度」は、平均重合温度を205℃に保持し、リアクター系を2400バールで操作することによって作ることができることが見出されている。こうした低平均温度は、オートクレーブプロセスの各領域の制御温度を下げることにより、また管状リアクターの制御ピーク温度を下げることにより実現することができる。管状リアクターで中密度樹脂(medium resin)を生成するのに必要な低い制御/ピーク温度は、伝熱能力の相当な低下をもたらし、結果的に相当な転化の低下をもたらす。例えば、管状リアクターの第1ポリマー画分の平均重合温度が175℃であると、重合を150℃で開始する場合、重合の熱を放散するのに必要な顕熱量は50℃となり、それは結果としてわずか4%の転化に相当する。
オートクレーブ管リアクターの転化は、それよりかなり高いレベルに保持することができる。それは、この系は顕熱量に依るところが大きく、それにより、より多くのポリマーを極めて低い温度条件で製造することができるからである。しかし、オートクレーブリアクターの第1ポリマー画分の平均重合温度が175℃であると、顕熱量は135℃となり、それは断熱条件でわずか10%の転化に相当する。
相当な転化レベルの低下にもかかわらず、管状中密度リアクター生成物は、分子量分布の狭小化によってフィルムの光学的性質が良くなったために、多くのインフレートフィルム用途に依然として好まれている。オートクレーブおよびオートクレーブ/管生成物の分子量分布は、長鎖分岐(LCB)頻度(転化およびポリマー濃度レベルの上昇に起因する)の増加およびリアクター系全体における広範な滞留時間分布によって、広幅化する。あるオートクレーブ系では、ポリマー分子の一部が非常に長く残留し、長鎖分岐機構を通して非常に長く成長し続けることとなり、その一方で他のポリマー分子は極めて短く残留し、極めて短く成長することとなる。広範な滞留時間分布の全体的影響が、分子量分布の広幅化である。
上で述べた通りに、オートクレーブまたはオートクレーブ/管リアクター系において高転化レベルで調製することが可能な、光学が改善された狭いMWDのポリエチレン生成物に対する需要がある。これらの需要および他の需要は、以下の発明により満たされた。
本発明は、エチレン系ポリマーを形成するための高圧重合プロセスを提供し、該プロセスは、以下のステップを含み:
A.連鎖移動剤系(CTA系)およびエチレンを含む第1供給材料を、重合条件で動作する第1オートクレーブリアクター領域に注入して、第1領域反応生成物を生成するステップであって、前記第1リアクター領域のCTA系は、移動活性Z1を有するステップと;
B.(1)前記第1領域反応生成物の少なくとも一部を、第2オートクレーブリアクター領域または管状リアクター領域から選択される第2リアクター領域に移し、重合条件で動作させるステップと、任意に、(2)第2供給材料を前記第2リアクター領域に新たに注入して、第2領域反応生成物を生成するステップ;ここで、前記第1リアクター領域生成物および新たに注入される供給材料の少なくとも1つは、移動活性Z2を有するCTA系を含み、
ここで、Z1:Z2の比は、1より大きい。
本発明は、以下の性質を備える、調製済みエチレン系ポリマーも提供する:(1)メルトインデックスが0.45より大きく0.70より小さいポリマーの場合、溶融弾性がセンチニュートンで(7.0×(メルトインデックス)−0.55)以下かつ(6.0×(メルトインデックス)−0.55)以上であり、または(2)メルトインデックスが2.5より大きく4.0より小さい場合、溶融弾性がセンチニュートンで(5.5×(メルトインデックス)−0.83)以下かつ(4.0×(メルトインデックス)−0.83)以上。一実施形態では、本発明のエチレン系ポリマーは、本発明のプロセスによって調製される。
比較例1および実施例2の試料についての、メルトインデックス(MI)の関数としての溶融弾性(ME)のプロット図である。 比較例3および実施例4の試料についての、メルトインデックス(MI)の関数としての溶融弾性(ME)のプロット図である。 比較例1のポリマーから作製したインフレートフィルムおよび実施例2のポリマーから作製したインフレートフィルムの光学的性質の棒グラフである。 比較例3のポリマーから作製したインフレートフィルムおよび実施例4のポリマーから作製したインフレートフィルムの光学的性質の棒グラフである。 比較例5のポリマーから作製したインフレートフィルムおよび実施例6のポリマーから作製したインフレートフィルムの光学的性質の棒グラフである。 比較例1および3(平均値)ならびに5、ならびに本発明の実施例2および4(平均値)ならびに6についての、メルトインデックス(MI)の関数としての高度剪断減粘指数(enhanced shear thinning index)(ESTI)のプロット図である。
概要
上で述べた通りに、本発明は、エチレン系ポリマーを形成するための高圧重合プロセスを提供し、該プロセスは、以下のステップを含む:
A.連鎖移動剤系(CTA系)およびエチレンを含む第1供給材料を、重合条件で動作する第1オートクレーブリアクター領域に注入して、第1領域反応生成物を生成するステップであって、前記第1リアクター領域のCTA系は、移動活性Z1を有するステップと;
B.(1)前記第1領域反応生成物の少なくとも一部を、第2オートクレーブリアクター領域または管状リアクター領域から選択される第2リアクター領域に移し、重合条件で動作させるステップと、任意に、(2)第2供給材料を前記第2リアクター領域に新たに注入し、第2領域反応生成物を生成するステップ;ここで、前記第1リアクター領域生成物および新たに注入される供給材料の少なくとも1つは、移動活性Z2を有するCTA系を含み、
ここで、Z1:Z2の比は、1より大きい。
一実施形態では、該プロセスは、(i−1)番目の反応領域において生成された領域反応生成物を(i)番目の反応領域へ移すステップ(ここで、3≦i≦nかつn≧3であり、各領域は重合条件で動作する)、および任意に、CTA系を含む(i)番目の供給材料を前記(i)番目の反応領域に添加するステップの1つ以上をさらに含み、
前記(i)番目の反応領域のCTA系は、移動活性Ziを有し、
Z1/Ziの比は、1より大きい。
一実施形態では、第2供給材料は第2リアクター領域に注入され、第2供給材料はCTA系を含む。
一実施形態では、第2供給材料は第2リアクター領域に注入され、第2供給材料はCTA系を含まない。
一実施形態では、第2供給材料は第2リアクター領域に注入され、第2供給材料はエチレンを含む。
一実施形態では、第2供給材料は第2リアクター領域に注入され、第2供給材料はエチレンとCTA系とを含む。
一実施形態では、第2供給材料は第2リアクター領域に注入され、第2供給材料はエチレンを含むがCTA系を含まない。
一実施形態では、前述の実施形態のいずれかの第2供給材料は、少なくとも1種のコモノマーを含む。
一実施形態では、前述の実施形態のいずれかのi番目の供給材料は、さらにエチレンを含む。
一実施形態では、前述の実施形態のいずれかのi番目の供給材料は、さらに少なくとも1種のコモノマーを含む。
一実施形態では、前述の実施形態のいずれかの少なくとも1種のコモノマーは、(i)ハイパーコンプレッサ吸引部、(ii)ハイパーコンプレッサ吐出部、および(iii)1つ以上のオートクレーブまたは管状リアクター領域のうちの1つ以上に注入される。
一実施形態では、前述の実施形態のいずれかの少なくとも1種のコモノマーは、アクリラート、シラン、酢酸ビニルおよび一酸化炭素のコモノマーである。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、ステップ(B)(1)および(B)(2)は同時に行われる。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、ステップ(B)(1)および(B)(2)は異なる時間に行われる。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、第1領域反応生成物の少なくとも一部は、第2オートクレーブリアクター領域へ移される。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、第2オートクレーブリアクター領域は第1オートクレーブリアクター領域に隣接する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、第2オートクレーブリアクター領域は、1つ以上のリアクター領域によって第1オートクレーブリアクター領域から隔てられる。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、第1領域反応生成物の少なくとも一部は、管状リアクター領域へ移される。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、管状リアクター領域は第1オートクレーブリアクター領域に隣接する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、管状リアクター領域は1つ以上のリアクター領域によって第1オートクレーブリアクター領域から隔てられる。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、各リアクター領域への各供給材料は、同一のCTA系を含有する。さらなる実施形態では、各供給材料のCTA系は、単一のCTAを含有する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、リアクター領域の少なくとも1つへの供給材料の少なくとも1つは、他のリアクター領域へのCTAの少なくとも1種とは異なるCTAを含有する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、各CTAは、独立に、オレフィン、アルデヒド、ケトン、アルコール、飽和炭化水素、エーテル、チオール、ホスフィン、アミノ、アミン、アミド、エステル、およびイソシアナートのうちの1種である。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、各CTAは、独立に、メチルエチルケトン(MEK)、プロピオンアルデヒド、ブテン−1、アセトン、イソプロパノールまたはプロピレンである。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、少なくとも1種のCTAは0.003より大きい連鎖移動定数Csを有する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、オートクレーブ領域はすべて同一のオートクレーブリアクター内に位置する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、オートクレーブ領域は2つ以上の異なるオートクレーブリアクターに位置する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、オートクレーブ領域は、ほぼ同一の大きさのものである。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、オートクレーブ領域の2つ以上は、異なる大きさのものである。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、各リアクター領域における重合条件は、同一温度および同一圧力で動作する。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、少なくとも1つのリアクター領域における少なくとも1つの重合条件は、他の重合条件と異なる。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、リアクター領域における重合条件のそれぞれが独立に、100℃以上の温度および100MPa以上の圧力を含む。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、リアクター領域における重合条件のそれぞれが独立に、400℃未満の温度および500MPa未満の圧力を含む。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、比Z1/Z2および各比Z1/Ziは1.03より大きい。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、比Z1/Z2および各比Z1/Ziは1.10より大きい。
前述の実施形態のいずれかのプロセスの一実施形態では、比Z1/Z2および各比Z1/Ziは10未満である。
一実施形態では、本発明のプロセスは、本明細書で記述する2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、本発明は、前述の実施形態のいずれかのプロセスによって作られるエチレン系ポリマーである。
一実施形態では、エチレン系ポリマーはポリエチレンホモポリマーである。
一実施形態では、エチレン系ポリマーはエチレン系インターポリマーである。
一実施形態では、エチレン系ポリマーはエチレン系コポリマーである。
一実施形態では、本発明は、(A)メルトインデックスが0.45より大きく0.70より小さいポリマーの場合、溶融弾性がセンチニュートンで(7.0×(メルトインデックス)−0.55)以下かつ(6.0×(メルトインデックス)−0.55)超であり、または(B)メルトインデックスが2.5より大きく4.0より小さい場合、溶融弾性がセンチニュートンで(5.5×(メルトインデックス)−0.83)以下かつ(4.0×(メルトインデックス)−0.83)超である、エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、前述のポリマー実施形態のいずれかのエチレン系ポリマーは、メルトインデックスが0.45より大きく0.70より小さいポリマーの場合、センチニュートンで(6.8×(メルトインデックス)−0.55)以下の溶融弾性、または(2)メルトインデックスが2.5より大きく4.0より小さい場合、センチニュートンで(5.2×(メルトインデックス)−0.83)以下の溶融弾性を有する。
一実施形態では、前述のポリマー実施形態のいずれかのエチレン系ポリマーは、0.926〜0.94g/cmの密度および0.2〜5g/10分のメルトインデックスを有する。
一実施形態では、前述のポリマー実施形態のいずれかのエチレン系ポリマーは、ポリエチレンホモポリマーである。
一実施形態では、前述のポリマー実施形態のいずれかのエチレン系ポリマーは、エチレン系インターポリマーである。
一実施形態では、前述のポリマー実施形態のいずれかのエチレン系ポリマーは、エチレン系コポリマーである。
一実施形態では、本発明のポリマーは、本明細書で記述する2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、本発明は、前述のポリマー実施形態のいずれかのエチレン系ポリマーを含む組成物である。
一実施形態では、該組成物は、別のエチレン系ポリマーをさらに含む。
一実施形態では、本発明の組成物は、本明細書で記述する2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、本発明は、前述の組成物実施形態のいずれかの組成物から形成された少なくとも1種の構成要素を含む物品である。
一実施形態では、本発明の物品は、本明細書で記述する2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、本発明は、前述の組成物実施形態のいずれかの組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含むフィルムである。
一実施形態では、本発明のフィルムは、本明細書で記述する2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
重合
高圧フリーラジカル開始重合法のために、2つの基本的な種類のリアクターが公知である。最初の種類では、1つ以上の反応領域を有する撹拌型オートクレーブ容器が使用される。すなわちオートクレーブリアクターである。第2種類では、ジャケット付き管がリアクターとして使用され、その管は1つ以上の反応領域を有する。すなわち、管状リアクターである。本発明に従って見出される通りの有利な性質を有するポリエチレンのホモポリマーまたはコポリマーを生成する本発明の高圧プロセスは、少なくとも2つの反応領域を有するオートクレーブリアクターで、またはオートクレーブリアクターと管状リアクターとの組み合わせで実施することができる。
本プロセスの各オートクレーブおよび管状リアクター領域における温度は、典型的には100〜400℃、より典型的には150〜350℃、さらに典型的には160〜320℃である。本プロセスの各オートクレーブおよび管状リアクター領域における圧力は、典型的には100〜400MPa、より典型的には120〜360MPa、さらに典型的には150〜320MPaである。本発明のプロセスで使用される高圧力値は、ポリマーに組み込まれる連鎖移動剤、例えばMEKまたはプロピオンアルデヒドなどの量に直接的な影響を与える。反応圧力が高いほど、連鎖移動剤に由来する単位が生成物中に多く組み込まれる。
本発明のプロセスの一実施形態では、少なくとも2つの反応領域を含むオートクレーブと少なくとも1つの反応領域を有する従来の管状リアクターとの組み合わせが使用される。さらなる実施形態では、かかる従来の管状リアクターは、外部水ジャケットによって冷却され、開始剤および/またはモノマー用の少なくとも1つの注入点を有する。適切な、しかし限定的でないリアクターの長さは500〜1500メートルの間であってもよい。オートクレーブリアクターは通常、開始剤および/またはモノマー用の幾つかの注入点を有する。使用する特定のリアクターの組み合わせにより、20パーセント超の転化率が可能となり、それは、約16〜18パーセントの転化率(低密度タイプのポリマーを生成するエチレン転化として表される)を可能とする標準的な管リアクターで得られる転化率より顕著に高い。
適切なリアクター系の例は、USP 3,913,698および6,407,191に記載されている。
モノマーおよびコモノマー
用語エチレンコポリマーは、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、エチレンと1種以上のコモノマーとのポリマーを指す。本発明のエチレンポリマーに使用される適切なコモノマーには、それだけには限らないが、エチレン性不飽和モノマー、特にC3〜20α−オレフィン、アセチレン化合物、共役または非共役ジエン、ポリエン、一酸化炭素、酢酸ビニル、およびアクリル酸C2〜6アルキルが含まれる。
開始剤
本発明のプロセスはフリーラジカル重合プロセスである。本プロセスで使用されるフリーラジカル開始剤の種類は重要ではない。かかるプロセスに一般に使用されるフリーラジカル開始剤は、重合性モノマーの重量に合わせて0.0001〜0.005重量パーセント(wt%)の間の従来量で管状リアクターに使用することができる酸素、および有機過酸化物である。典型的で好ましい開始剤は、過酸エステル、過酸ケタール、過酸ケトンおよび過炭酸塩、過酸化ジ−tert−ブチル、過ネオデカン酸クミル、ならびに過ピバル酸tert−アミルなどの、有機過酸化物である。他の適切な開始剤には、アゾジカルボン酸エステル、アゾジカルボン酸ジニトリル、および1,1,2,2−テトラメチルエタン誘導体が含まれる。これらの有機過酸化開始剤は、重合性モノマーの重量に合わせて0.005〜0.2wt%の間の従来量で使用される。
連鎖移動剤(CTA)
連鎖移動剤またはテロゲンは、重合法においてメルトフローインデックスを制御するために使用される。連鎖移動はポリマー鎖の成長の停止に関与し、したがって、ポリマー材料の最終的な分子量を制限する。連鎖移動剤は、典型的には、成長するポリマー鎖と反応して鎖の重合反応を停止させることとなる水素原子供与体である。これらの連鎖移動剤は、飽和炭化水素または不飽和炭化水素からアルデヒド、ケトンまたはアルコールまで、多くの様々な種類のものであってもよい。選択した連鎖移動剤の濃度を制御することによってポリマー鎖の長さを制御することができ、したがって重量平均分子量Mを制御することができる。Mに関連するポリマーのメルトフローインデックス(MFIまたはI)は、同様に制御される。
本発明のプロセスに使用される連鎖移動剤には、それだけには限らないが、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、ペンテンまたはヘキサンなどの脂肪族およびオレフィン炭化水素;アセトン、ジエチルケトンまたはジアミルケトンなどのケトン;ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドなどのアルデヒド;およびメタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールなどの飽和脂肪族アルデヒドアルコールが含まれる。好ましい連鎖移動剤は、少なくとも0.003(例えば、プロパン、イソブタン)、より好ましくは少なくとも0.01(例えば、プロピレン、イソプロパノール、アセトン、1−ブテン)、さらに好ましくは少なくとも0.05(例えば、メチルエチルケトン(MEK)、プロピオンアルデヒド、tert−ブタンチオール)の連鎖移動定数(Cs)を有するものである。Csは、Mortimerにより記載される通りに130℃および1360気圧(文献番号1〜3)で算出される。最高Cs値は、典型的には25を超えず、より典型的には21を超えない。
一実施形態では、本発明のプロセスに使用される連鎖移動剤の量は、リアクター系に導入されるモノマーの量に基づいて0.03〜2.0重量パーセント、好ましくは0.5〜1.5重量パーセントである。
本発明のプロセスにCTAを導入する方式およびタイミングは、CTAおよび/またはエチレンを少なくとも2つの反応領域に新たに注入するならば、大きく異なる可能性がある。典型的には、CTAは、第1反応領域にエチレンおよび他の反応構成成分、例えば、コモノマー、開始剤、添加剤などともに供給され、補給用CTA、すなわち、第1リアクター領域で消費されたCTAに対するCTA補充物が、下流(第2、第3、第4など)の反応領域へ供給される。第1反応領域は、オートクレーブである。
一実施形態では、補給用CTAは、新鮮なエチレンとともに直接注入することによって、および/または注入される過酸化物溶液に加えて供給される。
一実施形態では、CTAを有していない追加的な(新鮮な)エチレンが第1反応領域で消費されたエチレンの補給流として第1オートクレーブ反応領域および/または1つ以上の下流の反応領域に供給される。
一実施形態では、補給用CTAは、第1反応領域に供給されるCTAのCsより高いCsを有するCTAである。これによりリアクター系における転化レベルを増大させることができる。
一実施形態では、CTAは、プロピレン、ブテン−1などのモノマー基を含む。モノマー基は、リアクターの転化を強化する(コモノマーの消費を増大させる)。
一実施形態では、リサイクルセクションにおける操作条件および/またはCTAは、CTAが凝縮し、かつ/またはポリマー生成物から分離し、その結果減少したCTAが再循環してリアクター注入口に戻ることとなるように選択される。
一実施形態では、CTAはリアクター系から下流の反応領域にパージされる。
一実施形態では、リアクター系は、2つのオートクレーブ反応領域、それに続く2つの反応管状領域を含み、エチレンモノマーおよびCTAは両方のオートクレーブ反応領域に供給されるが、管状反応領域のいずれにも供給されない。
一実施形態では、リアクター系は、2つのオートクレーブ反応領域、それに続く2つの反応管状領域を含み、エチレンモノマーおよびCTAは、両方のオートクレーブ反応領域に供給されるが、管状反応領域のいずれにも供給されず、しかし開始剤は1つまたは両方の管状反応領域に供給される。
ポリマー
本発明のプロセスによって製造されるエチレン系ポリマーは、わずかなあるいはかなりの程度の逆混合を必要とする管またはオートクレーブでの生成を強化することによって、極めて狭い分子量分布(MWD)を有するフィルムグレードから、それよりはるかに広いMWDを有するコーティングタイプの樹脂まで変えることができる。オートクレーブリアクターにおいて、エチレンと任意にコモノマーとを重合させることによって、広い分子量分布を有するポリマー生成物を得ることとなり、一方、管状リアクターで重合させると、狭い分子量分布を有するポリマー生成物を得ることとなろう。しかし、驚いたことに、管状リアクターとオートクレーブリアクターとを直列に組み合わせて使用することによって、リアクター内の反応条件および重合するモノマーのパーセント値に応じて極めて狭い分子量分布を有するポリマー生成物を設計することができる。このように、高いポリマー密度を保持しながら、従来のオートクレーブリアクターまたは従来の管状リアクターで操作するより柔軟に、ポリエチレンホモポリマーまたはコポリマーの分子量分布を操作することができる。
本発明によって作られるエチレン系ポリマーは、上記の通りの転化の有益性を有する。これにより、それらは同様のエチレンポリマーを調製する管状プロセスでの他の様式とは一線を画すものとなっている。一態様では、本発明のポリマーは、分割CTA概念を使用しない同様のリアクターで製造される他のポリマー(Z1/Zi=1)より狭いMWDを有する。こうしたことは、実施例および比較例によって示す通りに、これらの違いを示す高感度な方法である溶融弾性−メルトインデックスバランスを用いて実証し、定量化する。それは、狭いMWDと関係するフィルム光学の改善によっても実証される。
一実施形態では、本発明のエチレン系ポリマーは、典型的には0.910〜0.940、より典型的には0.915〜0.940、さらに典型的には0.926〜0.940グラム/立法センチメートル(g/ccまたはg/cm)の密度を有する。一実施形態では、本発明のエチレン系ポリマーは、190℃/2.16kgで、典型的には0.1〜100、より典型的には0.12〜20、さらに典型的には0.15〜5グラム/10分(g/10分)のメルトインデックス(I)を有する。一実施形態では、本発明のエチレン系ポリマーは、4〜20、または5〜10、または5〜6の典型的なMw/Mnを有する。一実施形態では、本発明のエチレン系ポリマーは、1〜10、典型的には2〜8センチニュートン(cN)の溶融弾性を有する。一実施形態では、本発明のエチレン系ポリマーは、2つ以上のこうした密度、メルトインデックス、Mw/Mnおよび溶融弾性の性質を有する。
エチレン系ポリマーにはLDPEホモポリマー(好ましい)が含まれ、高圧コポリマーには、エチレン/酢酸ビニル(EVA)、エチレンエチルアクリラート(EEA)、およびエチレンブチルアクリラート(EBA)が含まれる。生成物の用途には、中密度(≧0.926g/cm)および標準密度(<0.926g/cm)LDPEのいずれの場合も、コレーション(collation)シュリンクフィルム、ラベルフィルム、インフレートおよびキャストフィルムが含まれる。
ブレンド
本発明のポリマーは、それだけには限らないが、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE);エチレンと1種以上のα−オレフィン、例えば、それだけには限らないが、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1およびオクテン−1などとのコポリマー;高密度ポリエチレン(HDPE)、例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なHDPEグレードのHD 940−970などの、1種以上の他のポリマーとブレンドすることができる。ブレンド中の本発明のポリマーの量は大きく変えることができるが、典型的には、その量はブレンド中のポリマーの重量に基づいて10〜90、50〜90、または70〜90wt%である。本発明のポリマーが相対的に狭いMWD(例えば、6未満)を有するならば、本発明のポリマーは典型的にはブレンドの過半数を構成し、すなわちブレンドは高LDPEであり、ブレンド中のポリマーの重量に基づいて50wt%以上の本発明のポリマーを含有する。本発明のポリマーが相対的に広いMWD(例えば、6以上)を有するならば、本発明のポリマーは典型的にはブレンドの半数以下を構成し、すなわちブレンドは低LDPEであり、ブレンド中のポリマーの重量に基づいて50wt%未満の本発明のポリマーを含有する。ブレンドされた高LDPEブレンドは、典型的には良好な光学をもたらし、および/またはラミネートの調製に有用である。低LDPEブレンドは、典型的には良好な加工性を示し、および/またはフィルムインフレーションおよび押出コーティングのような用途に有用である。
添加剤
1種以上の添加剤を、本発明のポリマーを含む組成物に添加することができる。適切な添加剤には、安定剤、充填剤、例えば、クレー、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、粉末金属を含めた有機または無機粒子、炭素繊維、窒化ケイ素繊維、スチールワイヤもしくはメッシュ、およびナイロンもしくはポリエステルのコードを含めた有機または無機繊維、ナノサイズの粒子、クレーなど;粘着付与剤;パラフィン系もしくはナフテレン(napthelenic)系油を含めたエキステンダー油が含まれる。加えて、本発明のプロセスに従って製造される他のポリマーおよび他のプロセスによって製造されるポリマーを含めた、他の天然ポリマーおよび合成ポリマーを、本発明の組成物に添加することができる。
使用
本発明のポリマーを、様々な従来の熱可塑性物質の二次加工法に採用して有用な物品を製造することができ、それには、少なくとも1層のフィルム層を含む物体、例えば、キャスト、吹込、圧着または押出コーティング法によって調製される、単層フィルムまたは多層フィルム中の少なくとも1層など;成形品、例えば、吹込成形、射出成形、または回転成形品など;押出品;繊維;および織布または不織布が含まれる。エチレン性ポリマーを含む熱可塑性組成物には、他の天然または合成材料、ポリマー、添加剤、強化剤、耐着火性添加剤、酸化防止剤、安定剤、着色料、増量剤、架橋剤、発泡剤、および可塑剤とのブレンドが含まれる。
本発明のポリマーを、他の用途向けの繊維の製造に使用することができる。本発明のポリマーまたは本発明のポリマーを含むブレンドから調製することができる繊維には、ステープル繊維、トウ、多成分、鞘/芯、撚糸、およびモノフィラメントが含まれる。適切な繊維形成法には、USP 4,340,563(Appelら)、4,663,220(Wisneskiら)、4,668,566(Nohrら)、および4,322,027(Reba)に開示される通りの、スピンボンド(spin-bonded)法、メルトブローン法、USP 4,413,110(Kaveshら)に開示される通りのゲル紡糸繊維、USP 3,485,706(May)に開示される通りの織布および不織布、またはかかる繊維から作製される構造物が含まれ、こうした構造物には、ポリエステル、ナイロン、もしくは綿などの他の繊維とのブレンド、熱成形品、異形押出しおよび共押出しを含めた押出形状物、カレンダー品(calendared article)、ならびに延伸、加撚、または捲縮した糸もしくは繊維が含まれる。
本発明のポリマーは、それだけには限らないが、透明シュリンクフィルム、コレーションシュリンクフィルム、キャストストレッチフィルム、サイレージフィルム、ストレッチフード、シーリング材、およびおむつのバックシートを含めた、様々なフィルムに使用することができる。本発明のポリマーで作製されたフィルムは、例えば、15、12もしくは10パーセント未満のヘイズ値、および/または46、52もしくは56%超の光沢度などの、望ましい光学を示すことが多い。一実施形態では、本発明のポリマーから作製されるフィルムは、15、12もしくは10パーセント未満のヘイズ値および/または46、52もしくは56%超の光沢度をいずれも示す。
本発明のポリマーは、他の直接的な最終使用用途にも有用である。本発明のポリマーは、電線およびケーブルのコーティング操作、真空成形操作のシート押出し、ならびに、射出成形、吹込成形法、または回転成形法の使用を含めた成形品の形成に有用である。本発明のポリマーを含む組成物を、従来のポリオレフィン加工法を使用して二次加工品に形成することもできる。
本発明のポリマーの他の適切な用途には、弾性フィルムおよび繊維;感触の柔らかい物、例えば、歯ブラシの柄および電気器具の柄など;ガスケットおよび異形材;接着剤(ホットメルト接着剤および感圧接着剤を含む);履物(靴底および靴用ライナーを含む);自動車内装の部品および異形材;発泡物(連続気泡および独立気泡の両方);他の熱可塑性ポリマー、例えば、高密度ポリエチレン、イソタクチックポリプロピレン、または他のオレフィンポリマーなどのための衝撃改質剤;コーティング布;ホース;管材料;隙間充填剤;キャップライナー;床材;ならびに潤滑剤用の粘度指数調整剤(流動点調整剤としても公知である)が含まれる。
他の最終使用に適用するために、本発明のポリマーにさらなる処理を行うことができる。例えば、本発明のポリマーまたはそれを含む配合物を使用して、分散物(水性および非水性の両方)も形成することができる。PCT公開第2005/021622号(Strandeburgら)に開示される通りに、本発明のポリマーを含む起泡した発泡樹脂も形成することができる。本発明のポリマーを、過酸化物、電子ビーム、シラン、アジ化物、または他の架橋結合法の使用などによって、任意の公知の手段で架橋結合することもできる。本発明のポリマーを、例えば、グラフト化(例えば、無水マレイン酸(MAH)、シラン、または他のグラフト化剤の使用による)、ハロゲン化、アミノ化、スルホン化、または他の化学改質剤によって、化学的に改質することもできる。
一実施形態では、本発明のポリマーおよびPCT/US10/60244のポリマーは、感圧接着剤(PSA)のラベル生成で使用するための剥離ライナーの構築に使用される。生成物密度が上がった結果、耐熱性が上がったことと、これらの発明によって製造される樹脂がそれぞれ高度に設計されていることが組み合わさって、フィルムまたは押出コーティングの性能が満たされている。PCT/US10/60244に開示される中密度ポリマーが、押出コーティングおよび剥離ライナーに特に適している。本発明のポリマーは、単層および多層フィルムに特に適している。
幾つかの実施形態では、剥離ライナーは2ステップのプロセスによって調製される。第1のステップは、紙をポリオレフィン樹脂、例えば、LDPEなどのポリエチレンなどでコーティングするステップである。第2のステップは、ポリオレフィンコート紙をシリコン層でコーティングし、乾燥するステップである。よって、ポリオレフィン樹脂は幾つかの要件に従わなければならない。すなわち、ポリオレフィン樹脂は、押出コーティングプロセス安定性、紙接着、および、シリコン処理のために乾燥器中での耐熱性を示さなければならない。高密度(0.926〜0.935g/cm)を有するポリマーは、押出コーティング用途での第2のシリコン処理乾燥ステップのための改善された耐熱性を示す。加えて、これらの発明のプロセスによって製造されたLDPEは、高白金触媒含有シリコン系に必要とされる清浄度を有する。
定義
反対のことが述べられるか、文脈から暗示されるか、または当技術分野で慣例であるのでない限り、部およびパーセントはすべて重量に基づき、試験方法はすべて本開示の出願日現在のものである。米国特許実務のために、参照した特許、特許出願または刊行物の内容はいずれも、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるいずれの定義にも矛盾しない範囲で)および当技術分野における一般知識に関して、参照によりその全体が組み込まれる(またはその等価な米国版がそのように参照により組み込まれる)。
本開示における数値範囲は近似値であり、よって別段の指示のない限り、範囲外の値を含むことがある。任意の下方値と任意の上方値との間が少なくとも2単位離れているならば、数値範囲は、下方値および上方値を含めたすべての値を1単位の増分で含む。一例として、組成の性質、物理的性質または他の性質、例えば、分子量、粘度、メルトインデックスなどが100〜1,000であれば、すべての個々の値、例えば、100、101、102など、および部分範囲、例えば100〜144、155〜170、197〜200などが明白に列挙されることを意図している。1未満、または1を超える分数(例えば、1.1、1.5など)を含有する値を含む範囲の場合、1単位は適宜、0.0001、0.001、0.01または0.1とみなされる。10未満の1桁の数を含有する範囲の場合(例えば、1〜5)、1単位は典型的には0.1とみなされる。これらは、具体的に意図するものの例に過ぎず、列挙される最低値と最大値の間のすべての可能な数値の組み合わせが、本開示で明白に述べられているとみなされるべきである。数値範囲は本開示内で、とりわけ、密度、メルトインデックス、分子量、試薬量およびプロセス条件のために提供される。
用語「組成物」は、本明細書で使用される場合、2種以上の材料の組み合わせを意味する。本発明のポリマーに関して(With the respective to)、組成物は、少なくとも1種の他の材料、例えば、添加剤、充填剤、他のポリマー、触媒などと組み合わせた本発明のポリマーである。
用語「ブレンド」または「ポリマーブレンド」は、使用される場合、2種以上のポリマーの均質な物理的混合物(すなわち、反応を伴わない)を意味する。ブレンドは、混和性であっても(分子レベルで相分離しない)、混和性でなくてもよい。ブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。ブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当技術分野で公知の他の方法から決定される、1つまたは複数のドメイン構造を含有していても、していなくてもよい。ブレンドは、マクロレベルで(例えば、樹脂の溶融ブレンドもしくは配合)、またはミクロレベルで(例えば、同一リアクター内での同時形成)、2種以上のポリマーを物理的に混合することによって行うことができる。
用語「ポリマー」は、同一の種類であるか異なる種類であるかにかかわらず、モノマーを重合することによって調製された化合物を指す。よって、包括的用語ポリマーは、用語ホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造に混入している可能性があるという理解のもとで、ただ1種類のモノマーから調製されたポリマーを指す)と、以下に定義する通りの用語「インターポリマー」とを包含する。
用語「インターポリマー」は、少なくとも2種類の異なるモノマーの重合によって調製されたポリマーを指す。包括的用語インターポリマーは、コポリマー(2種の異なるモノマーから調製されたポリマーを指す)と、3種類以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマーとを含む。
用語「エチレン系ポリマー」または「エチレンポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて過半数の量の重合エチレンを含み、任意に、少なくとも1種のコモノマーを含むことがあるポリマーを指す。
用語「エチレン系インターポリマー」または「エチレンインターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて過半数の量の重合エチレンを含み、少なくとも1種のコモノマーを含むインターポリマーを指す。
用語「リアクター領域」は、領域内の条件で分解してラジカルになることが可能な開始剤系を注入することによってフリーラジカル重合反応が起こる、リアクターのセクションを指す。リアクター領域は、別々のリアクターユニットであっても、より大きいリアクターユニットの一部であってもよい。管状栓流リアクターユニットでは、各領域は新鮮な開始剤が注入される場所から始まる。オートクレーブリアクターユニットでは、領域は、逆混合を防止するバッフルなどの分離装置によって形成される。各リアクター領域は、それ自体の開始剤供給材料を有し、同時に、エチレン、コモノマー、連鎖移動剤および他の構成成分の供給材料が、前の反応領域から移されてもよく、かつ/または(混合されるか、別々の構成成分として)新しく注入されてもよい。
用語「領域反応生成物」は、高圧条件下(例えば、100MPa超の反応圧力)でフリーラジカル重合機構を通して製造されたエチレン系ポリマーを指す。分子間の水素移動により、存在する失活ポリマー分子の反応を再び引き起こし、元の(直鎖)ポリマー骨格上に長鎖分岐(LCB)の形成をもたらすことができる。リアクター領域では、新たなポリマー分子の反応が引き起こされ、形成されたポリマー分子の一部が既存のポリマー分子上にグラフト化し、長鎖分岐が形成されることとなる。領域反応生成物は、リアクター領域の終端に存在するポリマーとして定義される。
用語「重合条件」は、リアクター領域に入る開始剤が少なくとも部分的に分解してラジカルになり、重合を開始することとなるプロセスパラメータを指す。重合条件には、例えば、圧力、温度、試薬およびポリマーの濃度、滞留時間および分布が含まれ、分子量分布およびポリマー構造に影響を与える。重合条件がポリマー生成物に与える影響は、S.Gotoら、文献番号1に詳しく記載され、モデル化されている。
用語「CTA系」には、単一のCTAまたはCTAの混合物が含まれる。CTA系は、構成成分であって、ラジカルを含有している成長するポリマー分子に水素原子を移すことによってラジカルをCTA分子に移すことができ、それにより、次に新たなポリマー鎖の開始を引き起こすことができる構成成分を含む。CTAは、テロゲンまたはテロマーとしても公知である。本発明の好ましい実施形態では、各CTA系は単一のCTAを含む。
用語「ハイパーコンプレッサ吸引部」は、より低い圧力からリアクター圧力へ1つまたは複数の供給流をもたらす、リアクターに先立つ最後のコンプレッサを指す。ハイパーコンプレッサ吸引部は、該コンプレッサの入口の構造である。
用語「ハイパーコンプレッサ吐出部」は、ハイパーコンプレッサの出口の構造を指す。
試験法
ポリマー試験法
密度:密度測定用試料を、ASTM D 1928に従って調製する。試料を190℃および30,000psiで3分間、次いで(21℃)および207MPaで1分間プレスする。測定は、ASTM D792、方法Bを使用して、試料をプレスしてから1時間以内に行う。
メルトインデックス:メルトインデックス、またはI(グラム/10分)を、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに従って測定する。I10は、ASTM D 1238、条件190℃/10kgで測定する。
溶融弾性:溶融弾性は、DMELT系を使用して測定する。DMELT系は、市販の可塑度計、固定されたテンションローラを有する特別に荷重された仕様の試料皿を組み込んだデジタル型秤、およびステップモータによって制御される引張ローラからなる。可塑度計は溶融ポリマーストランドを生成し、それは、誘導されて秤皿の上のテンションローラを回り、引き上げられて別のプーリーを越え(up an over)、その後引張ローラ上に巻き取られる。引張ローラの速度はコンピュータにより正確に制御される。溶融弾性は、特定の引落し比(引取速度/ダイ出口速度)でのテンションローラ上の力として定義される。該技術は、熱可塑性プラスチックおよび/または熱硬化性プラスチックに適用できる。
溶融弾性を測定するために、溶融ポリマーストランドを、標準的な可塑度計(MP600 Extrusion Plastometer (Melt Indexer) System Installation & Operation Manual (#020011560), Tinius Olsen, 1065 Easton Road, Horsham, PA 19044-8009;文献番号13.6)のバレルから一定の温度(190℃)で、標準的なASTM D1238 MFRダイ(オリフィス高さ(8.000±0.025mm)および口径(2.0955±0.005mm))を通して、荷重したピストンを使用して押出す。押出物は、一連の自由に回転するローラを通って、分析中速度範囲にわたって段階的に加減速(ramp)するステップモータ(Stepper Motor and Controller Operating Manual, Oriental Motor USA Corporation, 2570 W. 237thStreet, Torrance, CA 90505;文献番号13.7)によって駆動されるローラ上へと引っ張られる。秤(Excellence Plus XP Precision Balance Operating Instructions, Mettler Toledo, 1900 Polaris Parkway, Columbus, Ohio 43240;文献番号13.8)のプラットフォームに固定されたテンションローラ上に上がるポリマーストランドの引張力が、内蔵された制御コンピュータによって記録される。得られた力データからの線形回帰から、一定の速度比(33.2)または歪み(Ln[速度比]=3.5)のポリマーストランド速度対ダイ出口速度に基づいて最終的な報告値を決定する。分析結果をセンチニュートン(cN)の単位で報告する。
トリプル検出器ゲル浸透クロマトグラフィー(TDGPC):高温3Det−GPC分析を、145℃に設定したAlliance GPCV2000機器(Waters Corp.)で行う。GPCの流量は1mL/分である。注入量は218.5μLである。カラムセットは4本のMixed−Aカラム(20−μm粒子;7.5×300mm;Polymer Laboratories Ltd)から構成される。
検出は、CH−感知器を備えたPolymer ChAR製のIR4検出器;λ=488nmで動作する30−mWアルゴン−イオンレーザーを備えたWyatt Technology Dawn DSP MALS検出器(Wyatt Technology Corp.、サンタバーバラ、CA、米国);およびWaters 3−キャピラリー粘度検出器を使用して実現する。MALS検出器は、TCB溶媒の散乱強度を測定することによって較正する。フォトダイオードの正規化を、SRM 1483(重量−平均分子量(Mw)32,100および多分散性1.11の高密度ポリエチレン)を注入することによって行う。−0.104mL/mgの比屈折率増分(dn/dc)を、TCB中のポリエチレンに使用する。
従来のGPC較正を、580〜7,500,000g/molの範囲内の分子量を有する、20個の狭いPS標準物(Polymer Laboratories Ltd.)で行う。ポリスチレン標準物のピーク分子量を、以下
ポリエチレン=Ax(Mポリスチレン
(ここで、A≒0.39、B=1)を使用してポリエチレン分子量に変換する。Aの値は、Mw115,000g/molの直鎖ポリエチレンホモポリマーである、HDPE Dow 53494−38−4を使用して決定される。該HDPE基準材料は、質量回収100%および固有粘度1.873dL/gであるとして、IR検出器および粘度計を較正するためにも使用される。
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(Merck,ホーエンブルン、ドイツ)200ppmを含有する蒸留した「Baker分析」グレードの1,2,4−トリクロロベンゼン(J.T.Baker、デーフェンテル、オランダ)を、試料調製用、ならびに3Det−GPC実験用の溶媒として使用する。HDPE SRM 1483は、米国国立標準技術研究所(ゲイザーズバーグ、MD、米国)から得られる。
LDPE溶液を、160℃で3時間穏やかに撹拌しながら試料を溶解することによって調製する。PS標準物を、同一条件下で30分間溶解する。3Det−GPC実験用の試料濃度は1.5mg/mLであり、ポリスチレン濃度は0.2mg/mLである。
MALS検出器は、試料中のポリマーまたは粒子からの散乱シグナルを、異なる散乱角θの下で測定する。基本的な光散乱方程式(M. Andersson, B. Wittgren, K.-G. Wahlund, Anal. Chem. 75, 4279 (2003)より)は、以下のように書くことができる。
Figure 0005980214

式中、Rθは、過剰レイリー比(excess Rayleigh ratio)、Kは、特に比屈折率増分(dn/dc)に依存する光学定数、cは溶質の濃度、Mは分子量、Rは回転半径、λは入射光の波長である。光散乱データから分子量および回転半径を算出するには、角度ゼロへの外挿が必要とされる(P.J. Wyatt, Anal. Chim. Acta 272, 1 (1993)も参照されたい)。これは、いわゆるDebyeプロットにおいて、sin(θ/2)の関数として(Kc/Rθ1/2をプロットすることによって為される。分子量は縦座標の切片から、また回転半径は曲線の初期傾斜から算出することができる。ZimmおよびBerry法を、すべてのデータに使用する。第2ビリアル係数は無視できるものとみなす。固有粘度数は、粘度および濃度検出器シグナルの両方から、各溶出スライスにおける比粘度と濃度の比を得ることによって算出される。
ASTRA4.72(Wyatt Technology Corp.)ソフトウェアを使用して、IR検出器、粘度計、およびMALS検出器からのシグナルを収集する。データ処理は、社内で書かれたMicrosoft EXCELのマクロで行う。
算出する分子量および分子量分布(?)は、上述の1種または複数のポリエチレン標準物から導出された光散乱定数と、0.104である屈折率濃度係数dn/dcとを使用して得られる。一般に、質量検出器の応答および光散乱定数は、約50,000ダルトンを上回る分子量を有する直鎖標準物から決定するべきである。粘度計の較正は、製造業者によって記載される方法を使用して、あるいは、標準物質(SRM)1475a、1482a、1483、または1484aなどの、適切な直鎖標準物の公表値を使用することによって遂行することができる。クロマトグラフ濃度は、第2バイラル(viral)係数の影響(分子量に対する濃度の影響)に対処しなくて済むほど十分に低いとみなされる。
動的機械分光法(DMS):樹脂を、150℃、1MPa圧で3分間、その後15MPa圧で1分間、2mm厚×70mm×100mmの矩形薄板(plaque)に圧縮成形する。次いで、試料をプレスから取り出して、室温まで急速冷却する。
溶融レオロジー、一定温度周波数掃引を、25mm平行プレートを備えたTA Instrumentsの「Advanced Rheometric Expansion System (ARES)」を用いて、窒素パージ下で行う。試料をプレート上に置き、190℃で5分間溶融させる。次いでプレートを2mmまで閉じ、試料をトリミングし、次いで試験を開始する。該方法は追加的に5分間の遅れを組み入れ、温度の平衡化を可能とする。実験を、0.1〜100rad/秒の周波数範囲にわたって190℃で行う。ひずみ振幅は10%で一定である。振幅および位相に関して応力応答を分析し、そこから貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、動的粘度η*、およびtan(δ)を算出する。
フィルム試験条件
ヘイズ:全体的なヘイズについて測定する試料を、ASTM D 1003に従ってサンプリングし、調製する。フィルムを、以下の実験項に記述する通りに調製した。
45°光沢:45°光沢を、ASTM D−2457によって測定する。フィルムを、以下の実験項に記述する通りに調製した。
Z1、Z2およびZiの算出:
「リアクター領域iにおけるCTAjのリアクター領域モル濃度([CTA]ji)」は、「リアクター領域1からiに新しく注入されたエチレン総モル量」で除した「リアクター領域1からiに新しく注入されたそのCTAの総モル量」として定義される。この関係式を下記式Aに示す。
Figure 0005980214
式A中、j≧1であり、
Figure 0005980214

は「第iリアクター領域に新しく注入された第jCTAのモル量」、および
Figure 0005980214

は、「第iリアクター領域に新しく注入されたエチレンのモル量」である。
「リアクター領域iにおけるCTA(系)の移動活性」は、その連鎖移動活性定数(Cs)で乗じた「リアクター領域における各CTAのリアクター領域モル濃度の合計」として定義される。連鎖移動活性定数(Cs)は、基準圧力(1360気圧)および基準温度(130℃)での反応速度の比Ks/Kpである。この関係式を下記式Bに示し、式中、ncompiは、リアクター領域iにおけるCTAの総数である。
Figure 0005980214
よって、比Z1/Ziは下記式Cに示される。
Figure 0005980214
幾つかの連鎖移動剤の連鎖移動定数(Cs)値を下記表Bに示す。表Bは、連鎖移動剤の例について、Mortimerにより130℃および1360気圧で導出された連鎖移動定数(Cs)を示している。
Figure 0005980214
文献番号2. G. Mortimer; Journal of Polymer Science: Part A-1; Chain transfer in ethylene polymerization; vol 4, p 881-900 (1966)
文献番号3. G. Mortimer; Journal of Polymer Science: Part A-1; Chain transfer in ethylene polymerization. Part Iv. Additional study at 1360 atm and 130(C; vol 8, p1513-1523 (1970)
文献番号4. G. Mortimer; Journal of Polymer Science: Part A-1; Chain transfer in ethylene polymerization. Part VII. Very reactive and depletable transfer agents; vol 10, p163-168 (1972)
ただ1種のCTAが全リアクター系で使用されるとき、式BおよびCは、それぞれ式DおよびEに単純化される。
Figure 0005980214
以下に考察する6つの重合のうちの5つ(3つが本発明のもの、2つが比較)について、1種のみのCTAを使用した。比較重合のうちの1つについて、2種のCTAをCTA系として使用した。4つのリアクター領域を、A A T Tと構成して使用する。リアクター領域1はA、リアクター領域2はA、リアクター領域3はT、リアクター領域4はTである。CTAを領域1および2に注入し、開始剤のみを領域3および4に注入するが、典型的には幾らかのCTAは領域1および2から領域3および4に持ち越される。リアクター領域3および4にCTAは添加されない。
CTAがただ1種であるということは、Csが式から落ちることを意味しており、よって、式Eはほとんどの実施例について下記のように使用される。
Figure 0005980214
加えて、AC/管リアクター系(すべての実施例を作成するのに使用する系)の管状部分は、リアクター領域3および4としてみなすことができ、両領域は新しく注入されるいかなる追加的なエチレンもCTAも与えられない。これは、式Eが下記に示す通りになることを意味する。したがって、Z1/Z4=Z1/Z3=Z1/Z2である。
Figure 0005980214
加えて、すべての実施例について、
Figure 0005980214

であり、よって、関係式は下記に示す通りにさらに単純化される。
Figure 0005980214
重合およびポリマー
比較例1:補給用MEK(CTA)を両オートクレーブ反応領域(1および2)に均分する。
リアクター圧力:2440バール
オートクレーブ(AC)滞留時間:55秒
管状滞留時間:80秒
tert−ブチルペルオキシペルピバラート(tert-butyl peroxyperpivalate)(TBPV)を、フリーラジカル開始剤として各オートクレーブリアクター領域に注入する。管状リアクターの2つのリアクター領域の始めに、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド(TBPO)と過酸化ジ−tert−ブチル(DTBP)との混合物を、追加的なフリーラジカル開始剤として注入する。
温度条件:
オートクレーブ頂部領域(50%エチレン):注入口:39℃;制御171℃
オートクレーブ底部領域(50%エチレン):注入口:35℃;制御171℃
管第1領域制御:271℃
管第2領域制御:271℃
メチルエチルケトン(MEK)を、連鎖移動剤として使用する。再循環MEK(リアクターでの部分的転化、低圧再循環区域での部分的凝縮および/または部分的パージの後)を、両リアクターエチレン供給流と両AC反応領域に均分する。新鮮な補給用MEK(MIを制御/変更するためにMEK濃度を保持するための)を、両AC反応領域に均分する。
この重合の、平均試料について
Figure 0005980214
生成物サンプリング
試料を取ってポリマーのレオロジー結果を測定し、平均試料(1d)を取ってインフレートフィルムを評価する。結果を表1に報告する。
Figure 0005980214
本発明の実施例2:補給用MEK(CTA)をオートクレーブ頂部反応領域に送る。
リアクター圧力:2440バール
オートクレーブ滞留時間:55秒
管状滞留時間:80秒
tert−ブチルペルオキシペルピバラート(tert-butyl peroxyperpivalate)(TBPV)を、フリーラジカル開始剤として各オートクレーブリアクター領域に注入する。管状リアクターの2つのリアクター領域の始めに、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド(TBPO)と過酸化ジ−tert−ブチル(DTBP)との混合物を、追加的なフリーラジカル開始剤として注入する。
温度条件:
オートクレーブ頂部領域(50%エチレン):注入口:39℃;制御171℃
オートクレーブ底部領域(50%エチレン):注入口:35℃;制御171℃
管第1領域制御:259℃
管第2領域制御:258℃
メチルエチルケトン(MEK)を、連鎖移動剤として使用する。再循環MEK(リアクターでの部分的転化、低圧再循環区域での部分的凝縮およびまたは部分的パージの後)を、両リアクターエチレン供給流と両AC反応領域に均分する。新鮮な補給用MEK(MIを制御するためにMEK濃度を保持するための)を、オートクレーブ頂部領域に送るエチレン供給流に供給する。
この重合の、平均試料について
Figure 0005980214
生成物サンプリング
試料を取ってポリマーのレオロジー応答を測定し、平均試料(2e)を取ってインフレートフィルムを評価する。結果を表2に報告する。
Figure 0005980214
比較例3:補給用MEK(CTA)を両オートクレーブ反応領域(1および2)に均分する。
リアクター圧力:2440バール
オートクレーブ滞留時間:55秒
管状滞留時間:80秒
tert−ブチルペルオキシペルピバラート(tert-butyl peroxyperpivalate)(TBPV)を、フリーラジカル開始剤として各オートクレーブリアクター領域に注入する。管状リアクターの2つのリアクター領域の始めに、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド(TBPO)と過酸化ジ−tert−ブチル(DTBP)との混合物を、追加的なフリーラジカル開始剤として注入する。
温度条件:
オートクレーブ頂部領域(50%エチレン):注入口:43℃;制御171℃
オートクレーブ底部領域(50%エチレン):注入口:40℃;制御171℃
管第1領域制御:272℃
管第2領域制御:271℃
連鎖移動剤としてメチルエチルケトン(MEK)を使用する。再循環MEK(リアクターでの部分的転化、低圧再循環区域での部分的凝縮および/または部分的パージの後)を、両リアクターエチレン供給流と両AC反応領域に均分する。新鮮な補給用MEK(MIを制御/変更するためにMEK濃度を保持するための)を、両AC反応領域に均分する。追加的に、リアクター供給材料中に低レベル(0.7vol%)のプロピレンを保持して生成物密度を制御する。
この重合の、平均試料について
Figure 0005980214
生成物サンプリング:
試料を取ってポリマーのレオロジー応答を測定し、平均試料(3d)を取ってインフレートフィルムを評価する。結果を表3に報告する。
Figure 0005980214
本発明の実施例4:補給用MEK(CTA)をオートクレーブ頂部反応領域に送る。
リアクター圧力:2440バール
オートクレーブ(AC)滞留時間:55秒
管状滞留時間:80秒
tert−ブチルペルオキシペルピバラート(tert-butyl peroxyperpivalate)(TBPV)を、フリーラジカル開始剤として各オートクレーブリアクター領域に注入する。管状リアクターの2つのリアクター領域の始めに、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド(TBPO)と過酸化ジ−tert−ブチル(DTBP)との混合物を、追加的なフリーラジカル開始剤として注入する。
温度条件:
オートクレーブ頂部領域(50%エチレン):注入口:43℃;制御171℃
オートクレーブ底部領域(50%エチレン):注入口:40℃;制御171℃
管第1領域制御:273℃
管第2領域制御:271℃
連鎖移動剤としてメチルエチルケトン(MEK)を使用する。再循環MEK(リアクターでの部分的転化、低圧再循環区域での部分的凝縮およびまたは部分的パージの後)を、両リアクターエチレン供給流と両オートクレーブ反応領域に均分する。新鮮な補給用MEK(MIを制御するためにMEK濃度を保持するための)を、オートクレーブ頂部領域に送るエチレン供給流に供給する。プロピレンは、リアクター供給材料中に添加しておらず、存在もしていない。
この重合の、平均試料について
Figure 0005980214
生成物サンプリング:
試料を取ってポリマーのレオロジー応答を測定し、平均試料(4d)を取ってインフレートフィルムを評価する。結果を表4に報告する。
Figure 0005980214
比較例5:補給用プロピレン(CTA)を両オートクレーブ反応領域(1および2)に均分する。
リアクター圧力:2000バール
オートクレーブ(AC)滞留時間:55秒
管状滞留時間:80秒
tert−ブチルペルオキシペルピバラート(tert-butyl peroxyperpivalate)(TBPV)を、フリーラジカル開始剤として各オートクレーブリアクター領域に注入する。管状リアクターの2つのリアクター領域の始めに、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド(TBPO)と過酸化ジ−tert−ブチル(DTBP)との混合物を、追加的なフリーラジカル開始剤として注入する。
温度条件:
オートクレーブ頂部領域(50%エチレン):注入口:40℃;制御202℃
オートクレーブ底部領域(50%エチレン):注入口:36℃;制御236℃
管第1領域制御:275℃
管第2領域制御:275℃
プロピレンを連鎖移動剤として使用する。再循環プロピレン(リアクターでの部分的転化、低圧再循環区域での部分的凝縮および/または部分的パージの後)を、両リアクターエチレン供給流と両AC反応領域に均分する。新鮮な補給用プロピレン(MIを制御する/変更するためにプロピレン濃度を保持するための)を、両AC反応領域に均分する。
生成物サンプリング
試料を取ってレオロジー応答を測定し、インフレートフィルムを評価する。結果を表5に報告する。
Figure 0005980214
本発明の実施例6:補給用プロピレン(CTA)をオートクレーブ頂部反応領域に送る。
リアクター圧力:2000バール
オートクレーブ滞留時間:55秒
管状滞留時間:80秒
tert−ブチルペルオキシペルピバラート(tert-butyl peroxyperpivalate)(TBPV)を、フリーラジカル開始剤として各オートクレーブリアクター領域に注入する。管状リアクターの2つのリアクター領域の始めに、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド(TBPO)と過酸化ジ−tert−ブチル(DTBP)との混合物を、追加的なフリーラジカル開始剤として注入する。
温度条件:
オートクレーブ頂部領域(50%エチレン):注入口:40℃;制御203℃
オートクレーブ底部領域(50%エチレン):注入口:36℃;制御236℃
管第1領域制御:275℃
管第2領域制御:275℃
プロピレンを連鎖移動剤として使用する。再循環プロピレン(リアクターでの部分的転化、低圧再循環区域での部分的凝縮および/または部分的パージの後)を、両リアクターエチレン供給流と両AC反応領域に均分する。新鮮な補給用プロピレン(MIを制御するためにプロピレン濃度を保持するための)を、オートクレーブ頂部領域に送るエチレン供給流に供給する。
生成物サンプリング
試料を取ってレオロジー応答を測定し、インフレートフィルムを評価する。結果を表6に報告する。
Figure 0005980214
高度剪断減粘指数(ESTI)
高度剪断減粘指数は、DMS(上述の動的機械分光測定法、振動剪断レオロジーとしても公知である)の測定基準であり、通常測定する2つの変数から導出され、メルトインデックス支配的な影響を排除することによってLDPEのMWDの幅の広さまたは狭さを捕捉する。必要なのは、190℃で0.1rad/秒〜100rad/秒の周波数掃引を1回行うことだけである。ESTIは以下のように定義される:
Figure 0005980214

式中、│η(w)│は、周波数wでの複素粘度の大きさである。
比較例および本発明の実施例1〜4は、ESTIによって調査したMWD幅とMI−MEによって調査したMWD幅とが十分に合致していることを伝えている。比較例5および本発明の実施例6のESTIも、図6に見られるような、こうした狭小化効果を示している。
Figure 0005980214
ポリマーおよびフィルム
フィルムをそれぞれ、表8に示すプロセスパラメータを使用して形成した。試料2eによりそのポリマーレオロジー特性(MI、MEおよびESTI)が最もよく表されている実施例2で製造されたポリマー(密度0.930g/cc)の試料から、本発明のフィルム1を作製した。試料4dによりそのポリマーレオロジー特性(MI、MEおよびESTI)が最もよく表されている実施例4で製造されたポリマー(密度0.929g/cc)の試料から、本発明のフィルム2を作製した。
本発明のフィルム3を、実施例6で製造されたポリマー(密度0.919g/cc)の試料から作製した。
試料1dによりそのポリマーレオロジー特性(MI、MEおよびESTI)が最もよく表されている比較例1で製造されたポリマー(0.930g/cc)の試料から、比較フィルム1を作製した。
試料3dによりそのポリマーレオロジー特性(MI、MEおよびESTI)が最もよく表されている比較例3で製造されたポリマー(密度0.927g/cc)の試料から、比較フィルム2を作製した。
比較フィルム3を、比較例5で製造されたポリマー(密度0.919g/cc)の試料から作製した。
フィルムのすべてを、「25mm直径ダイ」を接続した「25/1クロムコーティングスクリュー(圧縮比3/1;供給部10D;転移部3D;計量部12D)」で作製する。内部バブル冷却は使用しない。インフレートフィルムを生成するのに使用した一般的なインフレートフィルムパラメータを表8に示す。同一条件をすべての実施例および比較例に使用した。温度プロファイルのバレル1はペレットホッパに最も近く、次いでバレル2、その次にバレル3、バレル4が続く。フィルムの厚さは、マイクロメータで測定した。
Figure 0005980214
フィルムおよびその光学的性質を以下の表9〜11および図3〜5にそれぞれ示す。すべての平均および標準偏差は、試料当り10回の測定に基づいている。
Figure 0005980214
Figure 0005980214
Figure 0005980214
本明細書で生成されるポリマーは、3つのメルトインデックスクラスに属し、1つは2〜4dg/分の間のMI、1つは0.4〜0.7dg/分の間のMI、そして1つは0.9〜1.1dg/分の間である。メルトインデックスの関数としての溶融弾性およびESTIは高感度な技法であり、本発明の実施例について、明白な溶融弾性の低下およびESTIの低下傾向が得られることを示している。これは、本発明のCTA配置の直接的な結果であり、それが分子量分布の狭小化につながっている。固定条件の下でのフィルム測定は、こうした溶融弾性の低下が光学の良好化の形となっていることを示している。該ポリマーは、管状LDPEフィルム生成物のクラスで最高であるほど狭く、その一方で、好都合なプロセス条件、主に上昇した転化率で製造される。
本発明を、前述の好ましい実施形態の記述を通してある程度詳細に記述してきたが、こうした詳記は例示を主たる目的としている。当業者は、以下の特許請求の範囲に記述する本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変形および改変を行うことができる。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] エチレン系ポリマーを形成するための高圧重合プロセスであって、該プロセスは、以下のステップを含み:
A.連鎖移動剤系(CTA系)およびエチレンを含む第1供給材料を、重合条件で動作する第1オートクレーブリアクター領域に注入して、第1領域反応生成物を生成するステップであって、前記第1リアクター領域のCTA系は、移動活性Z1を有するステップと;
B.(1)前記第1領域反応生成物の少なくとも一部を、第2オートクレーブリアクター領域または管状リアクター領域から選択される第2リアクター領域に移し、重合条件で動作させるステップと、任意に、(2)第2供給材料を前記第2リアクター領域に新たに注入して、第2領域反応生成物を生成するステップ;ここで、前記第1リアクター領域生成物および新たに注入される供給材料の少なくとも1つは、移動活性Z2を有するCTA系を含み;
ここで、Z1:Z2の比は、1より大きい
プロセス。
[2] (i−1)番目の反応領域において生成された領域反応生成物を(i)番目の反応領域へ移すステップ(ここで、3≦i≦nかつn≧3であり、各領域は重合条件で動作する)、および任意に、CTA系を含む(i)番目の供給材料を前記(i)番目の反応領域に添加するステップの1つ以上をさらに含み、
前記(i)番目の反応領域のCTA系は、移動活性Ziを有し、
Z1/Ziの比は、1より大きい
[1]に記載のプロセス。
[3] 前記第2供給材料がエチレンを含む、[1]または[2]に記載のプロセス。
[4] 前記第1領域反応生成物の少なくとも一部が第2オートクレーブリアクター領域に移される、[1]〜[3]のいずれかに記載のプロセス。
[5] 前記第1領域反応生成物の少なくとも一部が管状リアクター領域に移される、[1]〜[4]のいずれかに記載のプロセス。
[6] 各リアクター領域への各供給材料が同一のCTA系を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のプロセス。
[7] 少なくとも1種のCTAが0.003より大きい連鎖移動定数Csを有する、[1]〜[6]のいずれかに記載のプロセス。
[8] 前記リアクター領域における前記重合条件の各々は、独立に、100℃以上の温度、および100MPa以上の圧力を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載のプロセス。
[9] Z1/Z2の比および各Z1/Ziの比が1.03より大きい、[1]〜[9]のいずれかに記載のプロセス。
[10] Z1/Z2の比および各Z1/Ziの比が10より小さい、[1]〜[9]のいずれかに記載のプロセス。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載のプロセスによって作られた、エチレン系ポリマー。
[12] 0.926〜0.94g/cm の密度、および0.2〜5g/10分のメルトインデックスをさらに含む、[11]に記載のエチレン系ポリマー。
[13] 前記ポリマーがポリエチレンホモポリマーである、[11]〜[12]のいずれかに記載のエチレン系ポリマー。
[14] 前記ポリマーがエチレン系インターポリマーである、[11]〜[12]のいずれかに記載のエチレン系ポリマー。
[15] [11]〜[14]のいずれかに記載のエチレン系ポリマーを含む組成物。
[16] [11]〜[14]のいずれかに記載のエチレン系ポリマーを含む少なくとも1つの構成要素を含む物品。

Claims (2)

  1. エチレン系ポリマーを形成するための高圧重合プロセスであって、
    A.連鎖移動剤系(CTA系)およびエチレンを含む第1供給材料を、重合条件で動作する第1オートクレーブリアクター領域に注入して、第1領域反応生成物を生成するステップであって、前記第1オートクレーブリアクター領域のCTA系は移動活性Z1を有する、ステップと;
    B.(1)前記第1領域反応生成物の少なくとも一部を、第2オートクレーブリアクター領域に移し、重合条件で動作させ、(2)CTA系およびエチレンを含む第2供給材料を前記第2オートクレーブリアクター領域に新たに注入して、第2領域反応生成物を生成するステップであって、前記第2オートクレーブリアクター領域のCTA系は移動活性Z2を有する、ステップと
    を含み、
    Z1/Z2の比が1.00より大きい、プロセス。
  2. (i−1)番目の反応領域において生成された領域反応生成物を(i)番目の反応領域へ移すステップ(ここで、3≦i≦nかつn≧3であり、各反応領域は重合条件で動作する)、および任意に、CTA系を含む(i)番目の供給材料を前記(i)番目の反応領域に添加するステップの1つ以上をさらに含み、
    前記(i)番目の反応領域のCTA系は、移動活性Ziを有し、
    Z1/Ziの比が1.00より大きい、請求項1に記載のプロセス。
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