JP5979306B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオントラップ型質量分析装置などの、多段階のイオン解離操作を伴うMSn(nは3以上の任意の整数)分析が可能である質量分析装置に関し、さらに詳しくは、ガスクロマトグラフや液体クロマトグラフと組み合わせるのに好適なMSn型の質量分析装置に関する。
イオントラップ型質量分析装置などを用いた質量分析においてはMS/MS分析(タンデム分析)という手法が知られている。一般的なMS/MS(=MS2)分析では、まず分析対象である化合物由来の各種イオンから特定の質量電荷比m/zを有するイオンをプリカーサイオンとして選別し、その選別したイオンを衝突誘起解離(CID=Collision Induced Dissociation)などによって解離させ、質量電荷比が小さなプロダクトイオンを生成する。このときの解離の態様は元の化合物の構造に依存する。そこで、解離によって生じたプロダクトイオンを質量分析してMS2スペクトルを取得し、これを解析することにより目的とする化合物を同定したりその化学構造を把握したりする。
ただし、ペプチドなどの特に分子量が大きな化合物や解離しにくい化合物の場合には、一段階のCID操作では充分に小さな質量電荷比のイオンまで解離しない。そこで、こうした場合には、プリカーサイオンの選択とCID操作とを複数回繰り返し、最終的に生じたプロダクトイオンを質量分析するMSn分析が行われる。本明細書では、こうした質量分析装置をMSn型質量分析装置という。
液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)とMSn型質量分析装置とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置では、試料に含まれる成分が既知であれば、その成分の保持時間においてMSn分析の対象とするプリカーサイオンの質量電荷比を予め設定しておき、目的成分のMSnスペクトルを取得することができる。しかしながら、試料に含まれる成分が未知である場合にはMSn分析を行うプリカーサイオンを予め設定しておくことはできないし、目的成分以外に試料に含まれる未知成分のMSn分析結果を得ることもできない。これに対し、CID操作を伴わないMS1分析により得られた結果から適切なプリカーサイオンを自動的に選択して略リアルタイムでMSn分析を実行する機能(以下、オートMSn機能という)を搭載した質量分析装置が従来知られている。
例えば特許文献1に開示されているように、オートMSn機能を備えた従来のMSn型質量分析装置において、MS1分析により得られたMS1スペクトルに現れる複数のピークの中でプリカーサイオンを自動的に選定する条件としては、例えば信号強度が高いものから順にピークを選択する、信号強度が所定の強度範囲に入るピークを選択する、などの条件が知られている。また、予め除外イオンリストや優先イオンリストを設定しておき、除外イオンリストに登録されている質量電荷比を持つイオンは仮に上記基準に適合するものであってもプリカーサイオンとして選択しないようにし、逆に、優先イオンリストに登録されている質量電荷比を持つイオンはピークが存在してさえいれば上記基準に適合しないものであってもプリカーサイオンとして選択することも可能である。
特に生体試料を対象としてタンパク質や脂質などを同定する際には、夾雑成分を含む膨大な数の成分の中から目的成分に由来するイオンを効率的に探索しつつMSn分析を行う必要がある。そのため、CIDにより解離させたいプリカーサイオンを上記優先イオンリストに登録しておき、該リスト(以下「プリカーサイオンリスト」という)に登録されているイオンが観測されたときに該イオンをプリカーサイオンとしたCID操作を実行するという測定手法が従来採られている。
また、試料成分由来のイオンを小さく断片化するために複数段階のCID操作を行いたい場合には、そのCID操作の各段階に、解離対象とするプリカーサイオンリストが作成される。具体的には、例えばMS3分析を実行する場合には、図7に示すように、1段目のCID操作による解離対象であるプリカーサイオンのリスト333aと、2段目のCID操作による解離対象であるプリカーサイオンのリスト333bとが予め作成される。図7において、A1、B1などは質量電荷比の値である。例えば分析実行中にMS1スペクトル上でプリカーサイオンリスト333aに登録されているイオンが検出されれば、そのイオンをプリカーサイオンとしたMS2分析を直ぐに実行し、それにより得られるMS2スペクトル上で今度はプリカーサイオンリスト333bに登録されているイオンが検出されれば、そのイオンを2段目のCID操作のプリカーサイオンとしたMS3分析を直ぐに実行してMS3スペクトルを取得する。
図7に示した例では、例えば分析実行中にMS1スペクトル上にA1で指定されている質量電荷比を持つピークが検出されたならば、このA1で指定されている質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとしたMS2分析を実行し、MS2スペクトルを得る。そして、そのMS2スペクトル上で、A2、B2又はC2で指定されているいずれかの質量電荷比が検出されれば、A1で指定されている質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとした1段目のCID操作を行い、次いでA2、B2又はC2で指定されている質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとした2段目のCID操作を行い、それにより生成されたプロダクトイオンの質量分析を実行する。これによってMS3スペクトルが得られる。
しかしながら、こうした従来のオートMSn機能では、実際には意味のない無駄な分析を実行する場合が少なくなく、MSn分析の効率が悪いという問題があった。何故なら、例えば、C2で指定されている質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとした2段目のCID操作を実行するのはC1で指定されている質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとして1段目のCID操作を実行したときに初めて意味があるような場合であっても、A1で指定されている質量電荷比を持つイオンをプリカーサイオンとして得られたMS2スペクトルに偶然、C2で指定されている質量電荷比と同一の又はきわめて近い質量電荷比を持つイオンが観測されたときに、そのイオンをプリカーサイオンとした2段目のCID操作を実行してしまうからである。クロマトグラフ質量分析では、質量分析装置に導入される試料成分が時間経過に伴って変化するため、或る1つの試料成分が質量分析装置に導入されている時間はかなり限られる。そのため、上記のように実質的に意味のないMS3分析(或いはnが4以上のMSn分析)を実行することになると、本来必要であるMS3分析の実行時間が足りなくなり、同定したい成分を同定するための情報が不足したり、場合によっては成分の検出漏れが起こったりするおそれがある。
特開2012−225862号公報
こうしたことから、特にオートMSn機能を利用して自動的にMSn分析を実行する際には、意味のないMSn分析の実行をできるだけ減らすことが必要である。本発明はこうした課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、自動的にプリカーサイオンを選択して該イオンを解離させるオートMSn機能を実施する際に、有用なスペクトル情報が得られない無駄なMSn分析が行われることを防止し、成分同定に意味のある情報を効率的に収集することができる質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、少なくともn−1段階の解離操作を伴うMSn分析(ここでnは3以上の任意の整数)が可能であって、MSm分析(ここでmは整数)により得られたMSmスペクトルから所定の条件に適合するイオンをMSm+1分析のプリカーサイオンとして選択し解離させて質量分析するという動作を、mの値が1から順にn−1になるまで実行する自動MSn分析機能を搭載した質量分析装置において、
a)MSm+1分析の際の1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比の情報を関連付けて記憶しておくプリカーサイオン情報記憶部と、
b)分析実行時に得られたMS1スペクトルに、前記プリカーサイオン情報記憶部に1段目の解離対象であるプリカーサイオンとして記憶されているイオンが存在するか否かを判定し、存在する場合に該イオンをプリカーサイオンとしたMS2分析を行い、それにより得られたMS2スペクトルに、前記プリカーサイオン情報記憶部に前記1段目の解離対象であるプリカーサイオンと関連付けられている2段目の解離対象であるプリカーサイオンとして記憶されているイオンが存在するか否かを判定し、存在する場合に該イオンをプリカーサイオンとしたMS3分析を行う、という動作をMSn分析まで実行することにより、MSnスペクトルを取得する分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置は、典型的には、3次元四重極型又はリニア型のイオントラップを有し、該イオントラップに一時的にイオンを捕捉し、特定質量電荷比を有するイオンの選択とCID又はその他の手法によるイオンの解離操作とを行うことが可能な質量分析装置である。
本発明に係る質量分析装置の第1の実施態様として、前記プリカーサイオン情報記憶部には、1つのMSm+1分析のための1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比の情報が集められたリストが記憶される構成とすることができる。
また本発明に係る質量分析装置の第2の実施態様として、前記プリカーサイオン情報記憶部には、1段目からm段目までの各段毎に解離対象である複数のプリカーサイオンの質量電荷比の情報がそれぞれ集められたm個のリストと、1つのMSm+1分析のために前記m個のリストのそれぞれから選択されるプリカーサイオンの質量電荷比の組合せを指定する情報と、が記憶される構成とすることができる。
即ち、上記第1の実施態様による質量分析装置では、プリカーサイオン情報記憶部に格納されているリスト自体から、或る1つのMSm+1分析を実施するために必要な、1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比を直接的に抽出することができる。一方、上記第2の実施態様による質量分析装置では、プリカーサイオン情報記憶部に格納されているm個のリストにはそれぞれ複数のプリカーサイオンの質量電荷比が登録されているが、同じ記憶部に格納されている情報を利用することで、或る1つのMSm+1分析を実施するために必要な、1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比を抽出することができる。
いずれにしても、本発明に係る質量分析装置では、プリカーサイオン情報記憶部に格納されている情報を利用することにより、例えば試料成分を同定するために有意なMSm+1スペクトルを得るためのm個のプリカーサイオンの組合せを得ることができる。
分析制御部による制御の下で、試料に対する解離操作を伴わない通常の質量分析が実行され、MS1スペクトルが得られると、そのMS1スペクトル上で、プリカーサイオン情報記憶部に1段目の解離対象であるプリカーサイオンとして記憶されているイオンが観測されるか否かが即座に判定される。そうしたイオンが観測されたならば、該イオンをプリカーサイオンとしたMS2分析が実行され、MS2スペクトルが得られる。次いで、そのMS2スペクトル上で、プリカーサイオン情報記憶部に上記1段目の解離対象であるプリカーサイオンと関連付けられている2段目の解離対象であるプリカーサイオンとして記憶されているイオンが観測されるか否かが即座に判定される。そうしたイオンが観測されたならば、該イオンをプリカーサイオンとしたMS3分析が実行され、MS3スペクトルが得られる。目的とするプリカーサイオンが観測される限り、これをMSn分析まで実行することにより、最終的にMSnスペクトルを取得する。こうして得られたMS1スペクトル、MS2スペクトル、…、MSnスペクトルは、例えばデータベース検索などにより試料成分を同定するために利用することができる。
このようにして本発明に係る質量分析装置では、上述したような、試料成分を同定するために有意なMSm+1スペクトルを得るためのm個のプリカーサイオンの組合せ以外の組合せによりMSn分析を実行してしまうことを防止することができる。その結果、無意味なMSn分析を実行することがなくなるので、有意なMSn分析の実行に充分に時間を掛けることが可能となる。
なお、本発明に係る質量分析装置において、好ましくは、当該質量分析装置の前段に試料中の成分を時間方向に分離するクロマトグラフが接続されてなり、
前記プリカーサイオン情報記憶部には、MSm+1分析の際の1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比の情報とともに、そのMSm+1分析を行う時間範囲を示す情報が記憶される構成とするとよい。
ここでいうクロマトグラフは、通常、ガスクロマトグラフ又は液体クロマトグラフである。また、MSm+1分析を行う時間範囲は、クロマトグラフにおける目的成分の保持時間に基づいて定めるものである。
この構成によれば、試料に含まれる各種成分がクロマトグラフにより時間方向に分離されたあと、或る成分が現れると推定される時間付近でのみ該成分に対応したプリカーサイオンを対象とするMSn分析が実行されることになる。したがって、或る特定のプリカーサイオンの組合せによるMSn分析を実行する時間範囲が限定されることとなり、無駄なMSn分析だけでなく、MSn分析に至る途中の無駄なMS2分析などの実行も減らすことができる。
また、本発明に係る記載の質量分析装置では、
c)既知化合物についてMS1スペクトル、MS2スペクトル、…、MSm+1スペクトルが格納された化合物データベースと、
d)該化合物データベースを利用して、MSm+1分析の際の1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比を関連付けた情報を作成して前記プリカーサイオン情報記憶部に記憶させるプリカーサイオン情報作成部と、
をさらに備える構成としてもよい。
ここで、化合物データベースは、本装置の製造メーカが提供するデータベース、大学などの各種研究機関などが作成しインターネット等を介して一般に入手可能であるデータベース、或いは、ユーザが実際に行った分析結果などに基づいて作成した私的なデータベース、のいずれでもよい。
この構成によれば、既存のデータベースを利用してプリカーサイオン情報記憶部に格納する情報を自動的に作成することができるので、そうした情報をユーザがキーボード等から手動で入力する手間が不要になる。
本発明に係る質量分析装置によれば、オートMSn機能を利用したMSn分析を実行する際に、例えば成分の同定に繋がらないような無駄なMSn分析を行うことを回避し、成分同定に意味のある情報を効率的に収集することができる。特に、クロマトグラフ質量分析装置では、上述したように1つの試料成分が質量分析装置に導入されている時間がかなり限られるが、無駄なMSn分析の実行を排して有意なMSn分析を確実に実行できるようにすることにより、成分同定の精度を向上させることができるとともに成分見逃しも防止することができる。
本発明に係る質量分析装置を用いたLC−MSシステムの一実施例の概略構成図。 本実施例のLC−MSシステムで用いられるプリカーサイオンリストの一例を示す図。 本実施例のLC−MSシステムにおけるオートMSn機能を実行したときの動作説明図。 図2に示したプリカーサイオンリストにより実施されるMS3分析のプリカーサイオンの組合せ状態を示す図。 本実施例のLC−MSシステムで用いられるプリカーサイオンリストの他の例を示す図。 本発明に係る質量分析装置を用いたLC−MSシステムの他の実施例の概略構成 従来の質量分析装置で用いられるプリカーサイオンリストの一例を示す図。 図7に示したプリカーサイオンリストにより実施されるMS3分析のプリカーサイオンの組合せ状態を示す図。
以下、本発明に係る質量分析装置を用いたLC−MSシステムの一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例によるLC−MSシステムの概略構成図である。
このシステムは、液体試料中の含有成分を時間的に分離する液体クロマトグラフ(LC)1と、分離された各成分を質量電荷比m/zに応じて分離して検出するものであって且つMSn分析が可能な質量分析計(MS)2と、質量分析計2で取得されたデータを処理するデータ処理部3と、各部の動作を制御する分析制御部4と、システム全体の統括的な制御を行う中央制御部5と、ユーザインターフェイスである操作部6、表示部7とを含む。データ処理部3、分析制御部4、中央制御部5の少なくとも一部は、パーソナルコンピュータをハードウエア資源とし、該コンピュータにインストールされた専用のデータ処理・制御用ソフトウエアを実行することにより、それぞれの機能が実現される。
液体クロマトグラフ1は、図示しないものの、送液ポンプ、インジェクタ、カラムなどを含み、試料に含まれる各種成分を時間方向に分離する。質量分析計2は、試料成分をイオン化するエレクトロスプレイイオン化法などの大気圧イオン化法を利用したイオン化部21と、生成されたイオンを一旦捕捉し、特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別した上でCID操作により解離させるイオントラップ22と、イオントラップ22から射出されたイオンを質量電荷比に応じて分離する飛行時間型質量分析器(TOF)23と、飛行時間型質量分析器23により分離されたイオンを検出する検出器24と、該検出器24による検出信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(ADC)25と、を含む。イオントラップ22は例えば3次元四重極型又はリニア型のイオントラップであり、プリカーサイオンの選別とCID操作とを複数回繰り返すことが可能である。なお、nが3以上のMSn分析が可能でありさえすれば、質量分析計2の構成は問わない。
質量分析計2において、イオントラップ22から略一斉に射出された各種イオンは、飛行時間型質量分析器23の飛行空間を飛行する間に質量電荷比に応じた時間差がついて検出器24に到達する。検出器24は、イオントラップ22からイオンが射出される時点を基準とし、時間が経過するに伴って順次到達するイオンの量に応じた強度信号を出力する。この信号をデジタル化したデータは、各イオンの飛行時間に応じて時間経過に伴い強度が変化する飛行時間スペクトルデータとなる。
データ処理部3においてマススペクトル作成部31は、こうした飛行時間スペクトルデータの飛行時間を質量電荷比に換算し、所定の質量電荷比範囲に亘るマススペクトルを作成する。なお、ここでいうマススペクトルはMS2スペクトル、MS3スペクトルを含む。プリカーサイオン選択部32はマススペクトルに対してピーク検出を行ってピーク情報を収集し、プリカーサイオンリスト記憶部33に格納されている情報に基づいてMS2分析、MS3分析において解離対象のイオンが、上記収集されたピーク情報の中にあるかどうか探索する。そして、解離対象のイオンが存在すれば、それをプリカーサイオンとして選定する。即ち、プリカーサイオン選択部32は、本LC−MSシステムにおいてオートMSn機能を実施する上で中心的なデータ処理を実行する機能ブロックである。
分析制御部4は、特にMS2分析、MS3分析を実行するためにイオントラップ22の動作を制御するCID制御部41を含む。前述のプリカーサイオン選択部32において選定されたプリカーサイオンの情報(具体的には質量電荷比)は分析制御部4に送られ、CID制御部41は、上記選定されたプリカーサイオンがイオントラップ22において選別されCIDによって解離されるようにイオントラップ22を駆動する。
プリカーサイオンリスト記憶部33には、MS3分析実行時の、1段目のCID操作の対象となるプリカーサイオンと2段目のCID操作の対象となるプリカーサイオンとが登録されたプリカーサイオンリストが格納されるが、ここで特徴的なことは、このプリカーサイオンリストは、図7に示したような、1段目のCID操作、2段目のCID操作に対する独立したプリカーサイオンのリストではなく、1段目のCID操作に対するプリカーサイオンと2段目のCID操作に対するプリカーサイオンとが予め組み合わされたリストであるという点である。このプリカーサイオンリスト331の一例を図2に示す。
この例では、1段目のCID操作に対するプリカーサイオン(つまりはMS2分析のためのプリカーサイオン)の質量電荷比と2段目のCID操作に対するプリカーサイオン(つまりはMS3分析のためのプリカーサイオン)の質量電荷比との組合せが定められており、さらにそれぞれの組合せによるMS3分析が可能な時間範囲が、開始時間及び終了時間で以て定められている。例えば、このプリカーサイオンリスト331によれば、t1〜t2の時間範囲において、1段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がA1、2段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がA2であるようなMS3分析の実行が可能である。
次に、図2に示したプリカーサイオンリスト331がプリカーサイオンリスト記憶部33に格納されているときの、本実施例のLC−MSシステムにおいて実行される特徴的なMSn分析動作について、図3を参照して説明する。
分析開始の指示により分析が開始され、液体クロマトグラフ1に液体試料が導入されると、試料中の含有成分はカラム(図示せず)を通過する間に時間的に分離されて溶出する。質量分析計2では、溶出液中の試料成分に対し、CID操作を伴わない質量分析が一定の時間間隔で繰り返し実行される。マススペクトル作成部31では、1回の質量分析に対応して1つのマス(MS1)スペクトルが作成される。1つのMS1スペクトルに含まれる全てのイオン強度を合算しこれを時間方向に並べたものが、図3(a)に示すトータルイオンクロマトグラム(TIC)である。図3(b)では、図3(a)中に示されている時刻tx及びtyにおけるMS1スペクトル31a、31bのみを描いてあるが、実際にはtx〜tyの間でも一定の時間間隔でMS1スペクトルが得られる。
1回の質量分析が実施され、それに対し1つのMS1スペクトルが作成されると、プリカーサイオン選択部32は、プリカーサイオンリスト記憶部33に格納されている上述したようなプリカーサイオンリスト331に従ってMS2分析のためのプリカーサイオンの自動選択を行う。そして、条件を満たすプリカーサイオンが観測される場合には、そのプリカーサイオンの情報を分析制御部4に送る。
図3に示した例で説明すると、時刻txにおいて1つのMS1スペクトル31aが作成されると、プリカーサイオン選択部32はプリカーサイオンリスト331に従ってMS2分析のためのプリカーサイオンの自動選択を行う。即ち、時刻txはt1≦tx≦t2であり、図2に示したプリカーサイオンリスト331によれば、t1〜t2の時間範囲で実施可能であるMS3分析は、1段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がA1であって、2段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がA2であるMS3分析のみである。そこで、プリカーサイオン選択部32は、1段目のCID操作のプリカーサイオンとしてA1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークが、時刻txにおいて得られたMS1スペクトル31aに存在するか否かを判定する。
ここでは、A1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークはMS1スペクトル31a上で観測されないため、プリカーサイオンは選定されず、その結果、MS2分析は実行されない。なお、MS1スペクトル31aには、プリカーサイオンリスト331中でB1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークが存在するものの、このB1で指定されている質量電荷比を持つプリカーサイオンはt3〜t4の時間範囲でのみ有効であり、時刻txはこの時間範囲に入らないため、B1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークは無視される。
時刻tyにおいて1つのMS1スペクトル31bが作成されると、プリカーサイオン選択部32は時刻txのときと同様に、プリカーサイオンリスト331に従ってMS2分析のためのプリカーサイオンの自動選択を行う。時刻tyはt1≦ty≦t2で且つt3≦ty≦t4であり、図2に示したプリカーサイオンリスト331によれば、これら時間範囲で実施可能であるのは、1段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がA1であって、2段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がA2であるMS3分析と、1段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がB1であって、2段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比がB2であるMS3分析と、の2つである。そこで、プリカーサイオン選択部32は、時刻tyにおいて得られたMS1スペクトル31bにおいて、まず1段目のCID操作のプリカーサイオンとしてA1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークが存在するか否かを判定する。
ここでは、A1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークがMS1スペクトル31b上で観測されている。そこで、そのプリカーサイオンの質量電荷比が分析制御部4に伝えられ、CID制御部41を含む分析制御部4の制御の下で、A1で指定されている質量電荷比をプリカーサイオンとしたMS2分析が直ぐに実行される。
即ち、液体クロマトグラフ1からの溶出液中の試料成分がイオン化部21でイオン化され、生成されたイオンはイオントラップ22に一時的に捕捉される。そしてCID制御部41の制御の下に、A1で指定されている質量電荷比を持つイオンのみがイオントラップ22内に残るように該イオントラップ22が駆動され、その残されたイオンは外部から導入されたCIDガスに接触することで解離される。解離により生成された各種プロダクトイオンはイオントラップ22から略同時に射出され、飛行時間型質量分析器23を通過する間に質量電荷比に応じて分離されて検出器24に到達する。これにより、マススペクトル作成部31ではMS2スペクトル31dが作成される。
プリカーサイオン選択部32は、MS2スペクトル31dが得られると直ぐに、プリカーサイオンリスト331において質量電荷比がA1である1段目のCID操作のプリカーサイオンに対応付けられている質量電荷比がA2である2段目のCID操作のプリカーサイオンが、MS2スペクトル31d上に存在するか否かを判定する。ここでは、A2で指定されている質量電荷比を持つイオンピークがMS2スペクトル31d上で観測されている。そこで、そのプリカーサイオンの質量電荷比が分析制御部4に伝えられ、CID制御部41を含む分析制御部4の制御の下で、まずA1で指定されている質量電荷比をプリカーサイオンとしたCID操作が実施され、そうして生成されたプロダクトイオンに対し引き続き、A2で指定されている質量電荷比をプリカーサイオンとした2段目のCID操作が実施される。そうした2段階のCIDによる解離により生成されたプロダクトイオンが飛行時間型質量分析器23に導入され、飛行時間型質量分析器23で質量分離されて検出器24により検出される。これにより、マススペクトル作成部31ではMS3スペクトル31eが作成される。こうして得られたMS1スペクトル、MS2スペクトル、MS3スペクトルを構成するデータは全てスペクトルデータ保存部34に格納される。
さらに、プリカーサイオン選択部32は、時刻tyにおいて得られたMS1スペクトル31bにおいて、1段目のCID操作のプリカーサイオンとしてB1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークが存在するか否かを判定する。ここでは、B1で指定されている質量電荷比を持つイオンピークがMS1スペクトル31b上で観測されている。そこで、そのプリカーサイオンの質量電荷比が分析制御部4に伝えられ、上述したA1で指定されている質量電荷比をプリカーサイオンとしたMS2分析と同様に、B1で指定されている質量電荷比をプリカーサイオンとしたMS2分析が直ぐに実行される。これにより、マススペクトル作成部31ではMS2スペクトル31cが作成される。
プリカーサイオン選択部32は、上記MS2スペクトル31cが得られると直ぐに、プリカーサイオンリスト331において質量電荷比がB1である1段目のCID操作のプリカーサイオンに対応付けられている質量電荷比がB2である2段目のCID操作のプリカーサイオンが存在するか否かを判定する。ここでは、B2で指定されている質量電荷比を持つイオンピークはMS2スペクトル31c上で観測されないため、プリカーサイオンの選定はなされずMS3分析は実行されない。なお、MS2スペクトル31cには、プリカーサイオンリスト331中でC2で指定されている質量電荷比を持つイオンピークは存在するものの、このC2で指定されている質量電荷比を持つプリカーサイオンはt4〜t5の時間範囲でのみ有効であり、時刻tyはこの時間範囲に入らないため、C2で指定されている質量電荷比を持つイオンピークは無視される。
このように、時刻tyにおいて得られたMS1スペクトル31bに基づいて、MS2スペクトル31d及びMS3スペクトル31eが得られることになる。こうした或る時刻におけるMS1スペクトルに基づくプリカーサイオンの自動選択とMS2分析、MS3分析は、通常、CID操作を伴わない質量分析が繰り返される一定の時間間隔の間に実行される。この場合、通常の質量分析に引き続き、MS2分析、MS3分析が行えるように、質量分析を実行する時間間隔自体を予め広めにしておけばよい。或いは、質量分析に引き続き、MS2分析、MS3分析を実行する場合に、それら分析が終了するまで待って、次の質量分析を実行するようにしてもよい。この場合には、通常の質量分析を実行する時間間隔が一定ではなく、動的に変更されることになる。
本実施例のLC−MSシステムでは、1つの試料が液体クロマトグラフ1に導入された時点(又はそれよりも所定時間遅れた時点)から該試料中の成分が溶出し終わってから適宜遅れた時点までの間、上述のようにMS1スペクトルデータが繰り返し収集され、MS2分析、MS3分析が実行された場合にはMS2スペクトルデータ、MS3スペクトルデータも繰り返し収集され、それらがスペクトルデータ保存部34に格納される。
図3(b)で分かるように、MS2スペクトル31dは質量電荷比がA1である目的成分に由来するイオンを解離して生成されたプロダクトイオンの情報を含み、MS3スペクトルは質量電荷比がA1である目的成分に由来するイオンを2段階に解離して生成されたプロダクトイオンの情報を含む。これらプロダクトイオンは全て目的成分の断片であるから、これら情報に基づいて、例えば後述するような化合物データベースを利用したデータベース検索を行うことにより、試料に含まれる成分を同定することができる。
図4は、図2に示したプリカーサイオンリストを用いて実施されるMS3分析のプリカーサイオンの組合せ状態を示す図である。図4中に○印で示した組合せのみが、MS3分析の実施の可能性のあるプリカーサイオンの組合せである。これに対し、図8は図7に示した従来のプリカーサイオンリストを用いて実施されるMS3分析のプリカーサイオンの組合せを状態を示す図である。この図8中に○印又は●印で示した組合せがMS3分析の実施の可能性のあるプリカーサイオンの組合せであり、○印は成分同定に有意なMS3スペクトルを取得することができるプリカーサイオンの組合せ、●印は成分同定に有意なMS3スペクトルを取得することができない、つまりは無駄なMS3分析のプリカーサイオンの組合せである。図4と図8とを比較すれば明らかなように、従来のオートMSn機能では無駄なMS3分析を行ってしまう確率が高いのに対し、本実施例のLC−MSシステムにおけるオートMSn機能によれば、無駄なMS3分析を実行することがなくなり、有意な分析に割り当てられる時間をそれだけ長く確保することができる。
上記実施例では、プリカーサイオンリスト記憶部33に格納されるプリカーサイオンリスト331の中に、1段目のCID操作の対象であるイオンと2段目のCID操作の対象であるイオンとの組合わせを示す情報が含まれている。これに対し、各段階におけるプリカーサイオンのリストとイオンの組合せ情報とを別々のリストとしてもよい。図5は、図2に示したプリカーサイオンリスト331と同じ情報を、2つのプリカーサイオンリスト332a、332bと、イオン組合せ情報リスト332cとに分けた場合の例である。このように、情報自体が複数のリストに分けられていても、これにより1段目のCID操作のプリカーサイオンと2段目のCID操作のプリカーサイオンとの組合せを求め、上記実施例と同様の制御・処理を実行することができる。
プリカーサイオンリスト記憶部33に格納される情報は、例えば本装置の製造メーカが予め作成しておくようにすることもできるし、或いは、ユーザが操作部6から入力するようにしてもよい。後者の場合、ユーザが自ら取得したマススペクトルを利用して、目的成分を同定するのに最も適したプリカーサイオンリストを作成することができる。ただし、多くの成分について1つずつプリカーサイオンの組合せを指定するのはかなり手間の掛かる作業であるし、特にnが4以上のMSn分析まで実行するとなるとその手間はさらに煩雑である。そこで、図2や図5に示したプリカーサイオンリストを自動的に作成する機能を本システム自体に持たせるようにしてもよい。
図6はこうした機能を内蔵した他の実施例によるLC−MSシステムの概略構成図である。データ処理部3は、上記実施例のシステムが備えていないプリカーサイオンリスト自動作成部35及びスペクトルデータベース36を備えている。スペクトルデータベース36は、同定したい様々な化合物のマススペクトル(MS1スペクトル、MS2スペクトル、MS3スペクトル、…)が格納されているデータベースでありさえすればよく、例えば本装置の製造メーカが提供するデータベース、大学などの各種研究機関などが作成しインターネット等を介して一般に入手可能であるデータベース、或いは、ユーザが実際に行った分析結果などに基づいて作成した私的なデータベース、などのいずれでもよい。これらデータベースは、通常、上述したようにマススペクトルを利用して成分同定する際に用いられるものである。
ユーザが操作部6から所定の操作を行うと、データ処理部3においてプリカーサイオンリスト自動作成部35はスペクトルデータベース36から適宜のデータを読み出し、それぞれの成分を特徴付けるのに適当な、つまりは各成分に特徴的な部分構造の情報が現れているマススペクトルを取得できるようなプリカーサイオンの情報を収集する。図3(b)に示した例でいえば、既知の或る成分について、1段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比A1、2段目のCID操作のプリカーサイオンの質量電荷比A2、が求まる。ただし、1つの成分についてプリカーサイオンの組合せは1種類のみであるとは限らない。そして、プリカーサイオンリスト自動作成部35はスペクトルデータベース36に登録されている全ての又は一部の成分について収集したプリカーサイオン情報に基づいて、図2又は図4に示したようなプリカーサイオンリストを作成してプリカーサイオンリスト記憶部33に格納する。これにより、煩雑な手間を掛けることなく、ユーザ自身が構築した化合物データベースに基づくプリカーサイオンリストを作成することができる。
なお、上記実施例は本発明に係る質量分析装置をLC−MSに適用したものであるが、GC−MSに適用することができることは明らかである。また、本発明に係る質量分析装置は、質量分析装置に導入される試料成分が時間的に変化する場合に特に有効であるという点で、クロマトグラフと組み合わせた構成において有用であるものの、クロマトグラフと組み合わせることは必須ではない。
さらにまた、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…液体クロマトグラフ
2…質量分析計
21…イオン化部
22…イオントラップ
23…飛行時間型質量分析器(TOF)
24…検出器
3…データ処理部
31…マススペクトル作成部
32…プリカーサイオン選択部
33…プリカーサイオンリスト記憶部
34…スペクトルデータ保存部
35…プリカーサイオンリスト自動作成部
36…スペクトルデータベース
331、332a、332b…プリカーサイオンリスト
332c…イオン組合せ情報リスト
4…分析制御部
41…CID制御部
5…中央制御部
6…操作部
7…表示部

Claims (5)

  1. 少なくともn−1段階の解離操作を伴うMSn分析(ここでnは3以上の任意の整数)が可能であって、MSm分析(ここでmは整数)により得られたMSmスペクトルから所定の条件に適合するイオンをMSm+1分析のプリカーサイオンとして選択し解離させて質量分析するという動作を、mの値が1から順にn−1になるまで実行する自動MSn分析機能を搭載した質量分析装置において、
    a)MSm+1分析の際の1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比の情報を関連付けて記憶しておくプリカーサイオン情報記憶部と、
    b)分析実行時に得られたMS1スペクトルに、前記プリカーサイオン情報記憶部に1段目の解離対象であるプリカーサイオンとして記憶されているイオンが存在するか否かを判定し、存在する場合に該イオンをプリカーサイオンとしたMS2分析を行い、それにより得られたMS2スペクトルに、前記プリカーサイオン情報記憶部に前記1段目の解離対象であるプリカーサイオンと関連付けられている2段目の解離対象であるプリカーサイオンとして記憶されているイオンが存在するか否かを判定し、存在する場合に該イオンをプリカーサイオンとしたMS3分析を行う、という動作をMSn分析まで実行することにより、MSnスペクトルを取得する分析制御部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記プリカーサイオン情報記憶部には、1つのMSm+1分析のための1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比の情報が集められたリストが記憶されることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記プリカーサイオン情報記憶部には、1段目からm段目までの各段毎に解離対象である複数のプリカーサイオンの質量電荷比の情報がそれぞれ集められたm個のリストと、1つのMSm+1分析のために前記m個のリストのそれぞれから選択されるプリカーサイオンの質量電荷比の組合せを指定する情報と、が記憶されることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の質量分析装置であって、該質量分析装置の前段に試料中の成分を時間方向に分離するクロマトグラフが接続されてなり、
    前記プリカーサイオン情報記憶部には、MSm+1分析の際の1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比の情報とともに、そのMSm+1分析を行う時間範囲を示す情報が記憶されることを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の質量分析装置であって、
    c)既知化合物についてMS1スペクトル、MS2スペクトル、…、MSm+1スペクトルが格納された化合物データベースと、
    d)該化合物データベースを利用して、MSm+1分析の際の1段目からm段目までの各段階の解離対象であるプリカーサイオンの質量電荷比を関連付けた情報を作成して前記プリカーサイオン情報記憶部に記憶させるプリカーサイオン情報作成部と、
    をさらに備えることを特徴とする質量分析装置。
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